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きのこの不思議
きのこの不思議
保坂健太郎/誠文堂新光社
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総合評価

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     きのこの基礎基本が知りたくて手に取った本。図書館からお借りしました。もちろん,児童図書の棚に置いてありました。がしかし,内容はなかなかのものです。全編ルビは振られているものの,前提となる日本語の知識がないとなかなかスムーズに読めないと思います。   というわけで「子ども向けきのこ入門書」と言いたいところですが,なかなかそういうお薦めの仕方はできません。  というわけで,わたしにとっては,いい入門書になりました。  さて,「きのこの見分け方」を知りたい方は,ほかの本を読んでください。本書は,主にきのこの生態について書かれているのです。その証拠に,きのこの見分け方の話は,最後の第10章に出てくるだけです。  わたしが本書を手に取った理由は,菌根菌について知りたかったからです。わたしのきのこの知識は,腐生菌,腐朽菌として,所謂,きのこ=菌類=分解者としての存在でしたが,むしろ,もっと大きな役目もあるのです。それが菌根菌です。菌根については,ご自分で調べてください。大変興味深い事実が見られます。  また,きのこといえば,子実体が目立つわけですが,大切なのは,地面の下に蔓延っている菌糸です。そのことについては,次のような指摘がありました。興味深いことです。  重要なのは、きのこの本体である菌糸は、子実体よりもずっと遠くまで広がってい る場合がある、ということです。また、総重量も子実体よりも菌糸のほうがずっと重いはずです。実際にナラタケの数種での研究成果がありますが、それは驚くべきものでした。アメリカでの例ですが、ナラタケの菌糸は2km2以上にわたって延びていることが明らかになったのです。このことから計算すると、1個体の重さは数千t(トン)、年齢は数千歳、ということも推定されました。1個体であるコロニーが数km2以上の大きさになるのですから、その大きさはクジラ以上です。この蹄究成果が発表されたときは「世界最大の生物=ナラタケ」という記事が掲載されました。(本書より)  大人の人にとっては読みやすいきのこ入門書だと思います。

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    投稿日: 2021.09.17