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影との戦い ゲド戦記1
影との戦い ゲド戦記1
アーシュラ・K.ル=グウィン、清水真砂子/岩波書店
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総合評価

94件)
4.3
32
36
10
1
0
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    面白い! 中高生の頃から少し気になっていたけど、大人になってようやく読み始めることが出来た。 序盤4分の1程やきもきするかもしれないが、どうか読み進めて欲しい。そこからはハラハラドキドキ、どうなってしまうのか息を飲みながらグングン読み進められた。 ファンタジーとしての面白さはもちろん、物語の根っこに誰かと関わることの温かさ、大事にすべきものが静かに広がっている感覚があった。 大人になって読んでとても面白かったけど、今の小中高生にもぜひ勧めたいなぁと思う1冊だった。

    0
    投稿日: 2025.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった!!! 魔法の解釈が面白い、言葉の延長線上にあるような感じ、言葉というものの力について考えさせられた 広大な海に散らばる島も、それぞれの文化も、当たり前に竜が生きているのも、現実的でありながらちゃんとしたファンタジーで良かった 内なる闇との闘い 口は災いの元と言うが、オジオンが寡黙なのはこれなんだろうな、ゲドが寡黙になったのもこれなんだろうな、と思った

    0
    投稿日: 2025.08.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    物語は『ダニーがゲドの名前を得て、魔法使いになり影と戦う』までが書かれている。 1 霧の中の戦士 ダニーの幼少期。叔母から教えてもらったまじないで敵(ガルガドの兵)を追い払い、師匠であるオジオンに出会う。オジオンから『ゲド』の名を授かり、旅に出るまで。 事件がポンポンと起きるので、引き込まれてしまった。そして、最初の場所はどこだ……と地図で探す。島が多すぎて探すの大変。と思ったらページを少しめくると拡大地図があった。わかりやすい。 10世界のはてへ 影を追い詰めたゲドはやっと影の名前を知り、影と一つになる。 ここ、映像化したら面白いシーンなのだろうなぁと思いながら読んでしまった。最後は圧巻だけど、正直文章だけだと何が起きてるのかわかりづらい部分もある。 最後に気になった部分。 『そなた、エボシグサの根や葉や花が四季の移り変わりにつれて、どう変わるか、知っておるかな? それをちゃんと心得て、一目見ただけでも、においをかいだだけでも、種を見ただけでも、すぐにこれがエボシグサかどうかがわかるようにならなくてはいかんぞ。そうなって初めて、その真の名を、その全存在を知ることができるのだからな。用途などより大事なのはそちらのほうよ。そなたのように考えれば、では、つまるところ、そなたは何の役に立つ? このわしは? さてはて、ゴント山は何かの役に立っておるかな?』32p ゲドの言葉を受けた、オジオンの言葉。役に立つかどうかではなくて、相手を知ることが大切だと説いている。これが巡り巡って『影(自分の中の邪なる心)』も知る必要があるという物語なのだろうな。 影におびえる必要も逃げる必要も追いかける必要もなくて、それはただ『そこにある』というだけの物語だから、別に影に勝ったわけではないのよね。 『「な、終わったんだ。終わったんだよ。」彼は声をあげて笑った。「傷は癒えたんだ。おれはひとつになった。もう、自由なんだ」』270p ゲドが共に旅について来てくれたカラスノエンドウに言った言葉。 『ひとつになった』となってるので、影は消えてない。そこにあるものとして、ゲドが影を受け入れてる。戦いだけど、勝敗がない。 これはそういう物語……。

    0
    投稿日: 2025.05.16
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    ジブリ映画の内容をいい感じにほぼ忘れたところで、読み始めた。が、十分すぎる大人の自分が読んでしみじみわかるなぁと思う内容で、視点が大人だし、自分が子供のときに読んだらこんなにいいとは思わなかっただろうなと思った。世界観もいいし、影の描き方など、とにかくこれぞ正統派ファンタジー。面白い。シリーズ次作も気になる。

    0
    投稿日: 2025.04.05
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    ずっとずっと、いつかは読むべき本だと、ファンタジーに刮目してから思っていた本にとうとう着手してしまった。 テレビでジブリ作品として見たときは、アニメキャラが他の作品とかぶる(ナウシカのクロトア、千と千尋のカオナシ)とか、ファンタジーのモチーフとしてデジャブ感が、、そしてこの本を読んでもやっぱり既視感が。もしや過去に読んだことあるのか?と思うほど。これって他のファンタジー作家さんが滅茶苦茶本作に影響を受けてるのかしら!? 50年以上前に書かれたもはや古典といってもいいのかと思うけど、世界観が素晴らしい。本の見開きにアースシーの世界というマップがついてるけど、小さい群島まで名前がついてて圧巻です。名前つけるだけで時間経ちそう、、。 地図の先にあるのは果てなのか。 ハイタカがアースシーの無二の魔法使いになるまでの物語。 ちなみに巻末の訳者あとがきは先の巻のあらすじになっているので読む際にはご注意を。先のことを知らずに読みたければ後書きはスルーしましょ

    7
    投稿日: 2025.03.18
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    名作はできたときから名作だそうです。まだ一巻しか読んでませんが。魔法の解釈が素晴らしい。影の正体も。それ以上に自然の描写や港の人々の何気ない会話にもちゃんと血肉が通っていて、ファンタジーはスパイス程度にうまく混ぜ込まれていて、隠された真実を語っているようでした。子どもの時に読みたかったかも。

    2
    投稿日: 2024.11.28
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    世の中のものには名がある。本当の名を知られてしまうと反撃されてしまうという、バーティミアスの面白い発想はここからだと気づきました。影と戦うところは何度も読み返しました。とても面白かったです・Soybb

    2
    投稿日: 2024.08.13
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    1970年のファンタジーだけあって、というか偏見ではあるけども、しかし暗い。子ども向けかと思いきや文字数も多くて心理描写も多くて悶々としていたり、こういうのが好きって人はそりゃ暗いわっていうかオタクっていうか実際にオタクって動物出てたけども。 とまぁゴムゴムの~、みたいな勢いはないけど、いちいちウンチクというかためになるコメントが出てきたりしてそういうのが読書家にはそれなりに響くわけでそんなに悪くはなくてね。6巻までか、しばらく付き合ってみたいと思うわけですよ。

    2
    投稿日: 2024.07.22
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    全編を通してセリフや心情描写が少なく、淡白な文章が続くので、血沸き胸踊る冒険活劇というよりも、主人公の内面の苦悩に迫る純文学を読んでいるような感覚になる。 主人公の人物造形がけっこう好き。少年期のゲドは高慢で虚栄心に満ちていて、そのくせ臆病。私の共感性羞恥をガリガリに呼び覚ます。胸がざわざわしすぎて、最初はページを繰るのが遅かった。けれど決して嫌いじゃないんです、そういう主人公。『はてしない物語』のバスチァンみたいで。 後半、成長した青年ゲドは、自分の慢心と非力に打ちのめされ、無口で思慮深く少し卑屈。これまた「しっかり!」とそわそわさせられるけど、嫌いじゃないです。ウジウジ具合が程よくて思わず応援したくなる。 【以下、ネタバレあり】 「影」については、解説でユングを引いて考察されているけれど、そういう専門的な知識がなくても、自分の恐れや負の部分、直視したくない部分のことだろうなと、読んでいると想像がつくよね。己との戦いということだよね。ビジュアルとしては漫画版『ナウシカ』の皇弟を思い起こしてしまった。あれは「自分の闇の部分」ではないけど忍び寄る感じが、それっぽい。オタクの存在やテレノン宮殿も、私にはかなり『ナウシカ』を想起させる描き方なので、宮崎駿はけっこう影響を受けていたんではなかろうかと勝手に思っている。 「名前」についての考え方が東洋的な気がした。「真名」を知られると力を掌握されてしまうってなんだか陰陽師っぽいよね。 ガレー船が出てきたり、時代がすごく古いような描写がされていて、これは「キリスト教文化」の影響を受ける前の西洋、いや、そもそもそんなものが無い世界の話を描いているんだろうなと思う。非西洋を描いたら東洋に近づいてしまうというのは何やら面白いね。 この作品、読みながら既視感を覚える箇所が多かった。宮崎駿だけでなく、多くの現代ファンタジーのそこかしこに影響を与えているのかもしれない。

    3
    投稿日: 2024.05.19
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    ついに超大作ファンタジー小説を読み始めた。 2023年の自分の誕生日にセット買いし、今年こそはと2024年から読み始める。 ジブリ映画のゲド戦記は何度か見たが、やはり原作を読みたい気持ちになり手に取った。 訳本だが、すごい。ファンタジーで想像し辛いかと思いきや、ゲドの心象からカラスノエンドウとの友情、影との戦いをしっかりと表している。 魔法使いは均衡を保つために生き、目的を果たす。 ゲドは影を放出することで挫折するも、才能を活かし成長し、影を対処する。 一緒に冒険をした気分だ。

    2
    投稿日: 2024.04.30
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    それほど長い話ではないのに世界観が壮大で、描写が細かくない分、想像力の入る余地なら大きく楽しい。さすが読み継がれていくファンタジー。

    1
    投稿日: 2024.03.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    68歳の老人が読んだ所感 現実を忘れて、ファンタンジーの世界に感情移入するのはなかなか大変です。むずかしいのは事前に自分が作者の世界に同調する必要があることです。たとえて言えば、おもしろいであろうと期待して映画館に見に行く感じ、途中で期待外れとわかっても、お金を払ってまで見に来たからには最後まで見る覚悟をもつ、みたいな。 1.魔法使いは、日本で言えば高僧。偉人のようにあがめられる慣習がある世界。 2.魔法使いは、魔法の専門学校を卒業して地方に派遣されている。東大寺で修行した僧が国分寺に派遣されるような感じ。魔法の専門学校も東大とか早稲田とか慶応とかみたいに、いろいろ流派があるらしい。 3.情景描写が多く自分で、文字から映像を想像しなくてはいけない。それを楽しむ必要がある。これはマンガと逆ですね。 4.アースシーという世界の海図を、読みながらたどっていくのも旅行気分で楽しい。ジクソーパズルのようでもある。 5.上陸する島ごとに、「ヤマタノオロチ」のような伝説がある。(各所に東洋的な世界観がある) 6.ノコギリソウとか人の名前に違和感あり(ねじまき鳥クロニクルみたい)。覚えきれないので、相関図を作成したほうが良い。 7.時々、展開が唐突で、シーンとシーンの経過時間の説明がない。映画のシナリオを読んでると思えばいいのか? 8.風の谷のナウシカのテト、オーム。もののけ姫のおっことぬしみたいのが出てくる。(宮崎駿さんはゲド戦記を何度も読んだと言っていた、原点はこれか?) 9.100マイルは160km、100kmは62マイル 10.最初に「昔々あるところに」がないのに、最後に「だったとさ」という語り部のことばがあり、違和感を感じた。(最初に説明はあるが、「じゃ、お話をはじめようか」がないのだ。幕があがり急に役者がしゃべりだす感じ、幕が開く前に語り部が登場してほしかった) などが雑感です。 大人が読んでもタメになるかは、ちょっと疑問。68歳でタメになる人は、よほど順調で挫折のない人生だったのでは・・・。

    5
    投稿日: 2023.09.29
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    夏読55冊目。 #ゲド戦記 シリーズ1作目。 15歳の少年ゲドが、ロークの学院で禁じられた魔法を使い、影を呼び出してしまう。 そして影を探す旅に… まだまだ青臭く、初々しいゲド

    1
    投稿日: 2023.08.28
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    ずっと前に読んだ時には難しかったなぁ。児童文学と言っても、この深さ。年とってから再読して分かりました。ゲド自身の闇の部分である「影」。恐ろしいけれど逃げずに最果てまで追って追って、真の名を呼んで一体化するシーンが迫力満点! 精巧な地図がいいですね。ゲドのいる場所や旅のルートを辿れるので、ワクワク感がアップします。

    2
    投稿日: 2023.07.21
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    ハリーポッターの児童書みたいなかんじ。自分の中の負の面を影という形で表すのは、より存在を強調させ、わたしたちにも認識させる。ただ、私達がより快適にと世界を変えることは悪いとこではない。

    1
    投稿日: 2023.07.20
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    ファンタジーだと思っていたら、真の名前を知る必要があったり、土地が細かく最初に開いたページで驚かされた。お話の中だとわかっていながら、妙にリアルで引き込まれた。

    1
    投稿日: 2022.12.28
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    思ってたものと全然違くてびっくりした。 めちゃくちゃ魔法の世界やん………… 紙で本読むの久々だし途中で眠くなるかと思ったのに一気に読んでしまった。 本を開いてすぐ、びっしりと細かく書かれた地図が出てきたところで「ああこれは土地の名前でわけがわからなくなって飽きるな」と思っていたけれど全くそんなことはなく、寧ろゲドと共に私も旅をするために、何度も何度も地図の頁を開いていた。そのくらいこの旅に魅了されていた…。 前半はゲドの行動にひたすらハラハラし、華やかに見せかけて大きな力を持つために地道な訓練を積む魔法使いや賢者達に感心し、後半はゲドの戦い・行動に圧倒されながらも自分もその場に居合わせているような気持ちでいた。 オジオンの行動に涙してしまった……。 早く次の旅に出たい気持ちがたまらない。次巻も早く読みます。

    2
    投稿日: 2022.10.22
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    久しぶりにファンタジーを読んだ。魔法使いの話だからファンタジーを期待したけど、魔法を使うには真の名を知らないといけなかったり、使えば使うほど体力と気力がいるだったり、妙にリアルな情景が浮かんでゲドと一緒に旅してる気分になった。精霊のシーンでは、自分だったら絶対に精霊に助けを求めて取り込まれるなと思った。目の前の敵に立ち向かって疲弊した先に手を差し伸べられたら信じてしまうのにゲドは誘惑に負けず打ち勝ってすごい。

    0
    投稿日: 2022.08.05
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    久々にファンタジーの世界に浸れた 魔法ものだったの全く知らず、戦争物かと思い敬遠していた自分に早く読めと言いたい 一人の青年の物語として構成されているけど、読み方を変えるとそれは私たちにも反映されるし、投影できますね

    0
    投稿日: 2022.07.28
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    主人公と宿敵「影」の闘いが迫力もありラストにも満足できた。難しいイメージの物語だが、面白く、是非次巻も挑戦したい。

    0
    投稿日: 2022.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『ゲド戦記』はもちろんタイトルは知っていたが、ジュブナイルのイメージが強く手に取ることはなかった。最近自分がル=グィン流行り+『ゲド戦記』は高い評価のためまずは一冊目を購入。 ちなみにジブリの映画は観ていない(ジブリはオンラインで観る手段がなく。この時代、考えて欲しい。需要はあると思う。) まずはジュブナイルだなあ、という感想。読みやすく理解しやすい内容のため、あっという間に読了。 ル=グィンがどういう意図だったのかはわからないけれど、主人公ゲドの成長や影などはそのまま読めば単純な解釈はできてしまう。一つの学びとしては良い本だと思うし、大人でも飽きずに読める物語の完成度を考えると、評価が高いのも理解できる。 ただ個人的好みからすると、うーん、もう少しやはり緻密な方が好きなのです。ジュブナイルだからその点考慮して、といった★のつけ方は嫌なので、素直に一冊の本(作品と本そのもの)としての感想。私が小学生だったらもっと評価は高かったかもとは思うけれど、残念ながら既に大人なので、純粋に楽しむにはやはり物足りないです。 サイズも普通の文庫より大きいのもマイナス。収納が。 ただちょっと考えたのは、影と一体になり”全きもの”になったということは、この世界の人々(影と一体になっていない人々)は完全じゃないのかなー? と。 それとも影を呼び出した時に、本来ゲドの中に存在していたゲドの影(悪)が離れ、一体になるまでの間は、ゲドは影のない存在(善)だったのだろうか。 この辺りは各読者の解釈や理解に違いがありそうだ。 『ゲド戦記』は6冊なのであと5冊あるわけだが、現時点は他の本を優先したいかな。

    0
    投稿日: 2022.05.10
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    「面白くてハマる」という話を、昔から度々、耳にしつつ、なんとなくハードルが高かった。 母が好きで実家にもあったが。図書館で借りた。 数章読み出すと、スラスラ読めて、一気読み。 「ゲド戦記」って邦題がハードル上げてた気もする。「戦記」って堅くて、戦争モノかなって印象を与える。 先が気になると、読み急いでしまい、文章を味わえていたかっていうと自信が無い。 壮大なファンタジーでありつつも、普遍的な心の弱さとか悩みとかが描かれているところが魅力なのかな!空想の世界にいけて楽しめた。

    0
    投稿日: 2022.04.24
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    不評価だったジブリアニメと全く違い、面白かった。母親を知らず我儘に育ったダニーだが、女呪い師に教えられた魔法の呪文で、魔力を操れるアビリティを強く持った稀に見る少年だった。 ある日、侵略者ガルガドの兵士を魔法で追い返し、廃人のようになるが、オンギンに助けられて、真の名〈ゲド〉を授けられる。普段はハイホーク(ハイタカ)と名乗る。ある傲慢さから悪霊を呼び出し、その影から逃げる旅を続け、その途中でエクス・アクべの腕輪のかけらを託される。親友・エスカリオルの助けで、影と対決することになる。 寒さと暗い情景、孤独との戦い。 虜になってしまいました。

    0
    投稿日: 2022.03.29
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    めちゃくちゃ面白かった 重厚な世界観、島の名前など固有名詞が溢れてるのに、これほど読みやすいのは話の軸がしっかりしているからだろうか 翻訳文が日本語文学として成立するレベルで書かれていることが大きいか 良くも悪くも翻訳物らしくなく、だからこそ得られる没入感 とても良質

    0
    投稿日: 2022.02.25
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    「映画とベツモノすぎる!!」が最初の感想です。 宮崎吾朗監督のジブリ映画を最初に知っていた分、驚きました。あれは原作から舞台と設定、名前を拝借した全く違う作品です。 ル=グウィンが怒ったのも納得… 主人公が背負った運命から、美しい文体に惹き込まれ、ページを捲る手が止まりません。 “真の名”を教えてはいけない…はここからきていたんですね。 誰もが抱えている自分の「闇」との闘い。それは年をとっても付き纏い、向き合うことになる。 普遍的なテーマで、子供から大人まで楽しめる作品だと思いました。 このままシリーズ一気に読破したいです。

    11
    投稿日: 2022.01.19
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    久々にファンタジーにのめり込んで夢中で読んだ。 長い旅だったが、最後の結末に、なにか自分と重ねてじわりと染み入るものを感じた。 2巻を読むのが待ち遠しい。

    1
    投稿日: 2021.10.19
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    児童文学で読んでない有名な本、今更感があって避けてたけど、貸してもらって読んだら良い! この長い独白系の感じも結構好き。

    0
    投稿日: 2021.06.29
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    何度目かの再読。 にもかかわらず、忘れすぎてて普通にドキドキしながら読めた。 以前同様、世界の均衡や、光と影など響く言葉がいくつかあったのだけど、学んだ陰陽五行思想と合致するところが今回はたくさんあり、より面白さを感じられた。さいはての地へ向かう冬至の説明は、そのまま天中殺だったし。光と影は陽と陰。一極二元論。 自然界をありのまま、じっくりと眺めたひとに見えてくる自然界のルールというものがあり、それが陰陽五行なのかもしれない。とまさかの感想を持てた。 文章も翻訳も素晴らしく、何度でも読み返したい小説のひとつ。

    0
    投稿日: 2021.05.10
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    これが名作ファンタジー冒険譚かーという感じ。 魔法の一番の効力が「名前」なのがおもしろい設定だった。 影との戦いは内面の恐怖をうまく表現していてなるほどさすが……感があった

    0
    投稿日: 2021.05.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久々に読みました、小学生か中学生ぶり。テレビで映画やってたので読み直したくなった。ファンタジー小説は人によっては馬鹿にしてくるジャンルだけど、個人的には大好きだし凄いと感心することばかり。その世界観にいかにどっぷり浸れるかで凄さを感じられる。ゲド戦記もそんな中の一つ。世界観の壮大さ、ディテールの細かさ、登場人物の魅力や共感、応援したくなる性格、友情や愛情、嫉妬などの人間らしい感情。そんな色んなものが詰め込まれてると思う。 ゲド戦記1に関しては、全ての始まり。ゲドの魔法使いとしての傲慢さや荒々しさ、未熟さが描かれている。影は結局、ゲド自身のそういう人間としての暗黒部分なんだよね。己と向き合うこと、己の人としての悪いところに気づけることの難しさを考えさせられる話です。

    1
    投稿日: 2021.05.04
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    【再読】少なくとも3回目。再読にあたって、岩波少年文庫のKindle版を購入。ゲドが虚栄心と功名心から呼び出してしまったのは、自分の影であり、生と不可分の「死」そのものであった。そのことは、ラストでの「合一」からもうかがえる。以前読んでいたつもりになっていたことが、ずいぶんと読み飛ばされていたことがわかっただけでも、益となった再読だった。残り5巻を読むかどうかはわからない。

    0
    投稿日: 2021.05.03
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    ジブリ作品『ゲド戦記』の原作としておなじみ。映画自体は有名であるが、原作を読んでいる人は少ないのではないか。(自分含め)映画にはない、その前後の物語を知ることで、作品自体も、映画もより楽しむことができるだろう。

    2
    投稿日: 2020.11.27
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    ジブリ映画、「ゲド戦記」の下となった作品。主人公の少年を通して、冒険や苦難が描かれている。ジブリ作品から長編文庫に興味を持った人にお勧め。

    2
    投稿日: 2020.11.26
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    ジブリ映画にもなった「ゲド戦記」のはじまりのお話。ハリーポッターとはまた違う、魔法の力をもつ少年ゲドの物語。中学生の内に読んでおきたい(私も中学生の内に読みたかった)、まさに必読書です。

    2
    投稿日: 2020.11.21
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    魔法使いの才能があるゲドは禁じられた呪文を唱えてしまい影との戦いに引き込まれていく。中間レポート課題で選ばなかったので今度読んでみたい本。

    0
    投稿日: 2020.11.21
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    岩波少年文庫70周年のタイミングで再読。ジブリのゲド公開ぶりだから、何年ぶり再読なのかな。改めて読むとゲドという青年は鼻持ちならない。圧倒的な才能に気がついてしまった少年は大人たちの忠告も気が付かず、痛い目に何度もあう。時には命を引き換えにして、生き延びたこともある。手柄をたてることもある。失敗と挫折を繰り返し、彼が呼び出してしまったものとケリをつけるまでが1巻だが、オジオンや長の辛抱強さや偉大さに気がつかされる年になってしまったようだ。

    0
    投稿日: 2020.10.18
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    中学校以来の再読。30年以上経っても、やはり素晴らしい。メインは、本人が傲慢さから呼び出してしまった影との戦いなのだが、その道程の中で、龍との戦いにかったり、古代の精霊の誘惑に打ち勝ったりと、後世の伝説に残る英雄的な行いをしているが、どちらも影から逃げていく中でのやむを得ない選択で、本人にとっては必ずしも英雄的な行動ではなかった。 そして、最後の影との戦い。ある意味あっけない幕切れ(その証拠にこの戦いについては後世には残らなかった模様)だが、ものすごく考えさせられる。中学時代の自分はこのエンディングにえらく感銘を受けた。 ファンタジーの超名作なので、このジャンルが好きな人は必読の名作だと思う。 そういえば、ハウルの動く城の中で、ハウルが鳥に姿を変えた後人間に戻れなくなるシーンがあるけど、それはこの小説が元ネタになっているね。

    0
    投稿日: 2020.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世界三大ファンタジーと言われるであろうこの名作を、些細なことで楽しめない自分が悔しい。 高校生の時に出会った時は、ほんの数ページ目で挫折。(「もろきこと女の魔法の如し」「邪なること女の魔法の如し」という文に腹が立ってやめてしまった。) 大学生の時に再チャレンジも、学院には女性の立ち入りすら憚られるという文章に出会い、また挫折。 社会人になってから、後半のどこかで女性が活躍するかもしれないと思って再々チャレンジするも、悪女か従順な妹キャラしか出てこず落胆。 おまけに兄が妹のことを「顔はマシだが頭の中身はどうかな」などと他人に紹介するので…もうあとほんの少しというのに本を物理的に投げてしまいそうに。 シリーズ後半になったらもう少し女性の扱いがマシになると聞いたけれど、二巻も苦戦中。 自分にはこのシリーズを読む資格はないんじゃなかろうか…

    0
    投稿日: 2020.09.06
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    作り上げられた世界観、人間らしさがよく描かれていて面白かった。ハリーポッター好きな人は好きだと思います。ただ、背表紙にネタバレが書いてあるので、読まないほうがいいです!笑

    0
    投稿日: 2020.08.28
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    先日映画館でジブリの『ゲド戦記』リバイバル上映を見たので。原作を読むのは初めてです。 ジブリ版だとアレンがメインとなっていますが、原作はハイタカことゲドの物語。 どこか神話のような、イギリス文学らしいファンタジー作品。ファンタジーですが、自分の中の光と影、名前と存在といったように、魔法の根底にどこか哲学的なものがあるような印象を受けました。 こちらを読むとジブリ版の方の世界観理解に繋がる気がします。

    0
    投稿日: 2020.08.20
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    ゲド戦記の第1巻。 非常に面白い。 いわゆる児童書のカテゴリになると思うが、大人が読んでも面白い。むしろ大人が4匹児童書なのかもしれない。 世界の均衡について、書かれている。それは私たちが生きていく上で求められて行く能力だと思う。そういったことを、この物語は伝えている。 また、この世界の広がり様が素晴らしい。虚構の世界がどこまでも広がっていく。そのリアリティー。読んでいて、自分も主人公の言動と一緒に旅をしている気分になる。 この作品は、スター・ウォーズにも影響与えているのではないかと密かに思った。

    1
    投稿日: 2020.08.11
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    ハイタカはオジオンの下で育っていればどうなったんだろう。 そんな風に考えてしまった。 偉大とは何か。ハイタカは若すぎたんだろう。 言ってしまえば若気の至り。その代償は高くついた。

    3
    投稿日: 2020.05.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後に影と光が一体となる所が哲学的で良い。ラノベとは一味違う古典的な名著です。テレワークの気分転換に。

    0
    投稿日: 2020.03.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ことばは沈黙に 光は闇に 生は死の中にこそあるものなれ 飛翔するタカの 虚空にこそ輝ける如くに 『エアの創造』 この言葉の意味を、最初はオジオンから、そして学院での長たち、自己顕示欲とそれに伴う失敗からゲドと共に少しずつ感じ取っていった。そしてラストシーン。それを本当に自分のものにできたような気がして、これがあれば彼のように自分の生を生きていけるような気がして、涙がでた。 一読だけでは、あまりにもゲドの心の成長が早すぎて私の心の成長はまだ完全についていけてはいないのだと思う。しかしだからこそこの物語は私にとっての希望の光、さらには人生の師として心の中にあり続けるだろう。 オジオンが、ゲドが好きだ。

    1
    投稿日: 2020.01.11
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    おもしろい!こんなすごい物語がかけるのか。心にズンと響く言葉が溢れていた。世界の均衡、光と闇、自分の闇と向き合うこと。闇と共に生きること…。ゲドが闇を受け入れることを教えてくれた。

    0
    投稿日: 2019.11.18
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    課 題 :アーシュラ・K・ル=グウィン「影との戦い」 日 時: 10/22(火・祝)14:00-16:00 会 場: 高松市市民活動センター 第1会議室(瓦町フラッグ 8階) 参加費: 会場借料費 800円を参加人数で割り勘 定 員: 8名(先着順) ハロウィン→魔法使い の連想から、世界三大ファンタジー【ゲド戦記】の第1作、「影との戦い」を課題とします。 海洋に無数の島が浮かぶ、アースシー世界。後に竜王、大賢人と呼ばれる事となる偉大なる魔法使いハイタカ(ゲド)の若き日の物語。 師匠の推薦をもって入学した魔法学院で、禁じられた呪文で呼び出した自らの「影」。執拗につけ狙われながら一人前の魔法使いとして成長する姿を描く。アースシー世界は瀬戸内海で脳内補正すると意外とイメージしやすいかもしれません。 【注】 下記リンクの申込フォームへの入力、運営からの返信をもって正式な受付となります。 【申込フォーム】http://wp.me/P5xaKB-b

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    投稿日: 2019.09.30
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    ファンタジーだが、本当によく出来ている。 何度も巻頭の地図を見て、どの辺りにいるのか想像した。 才能のある健康な若者がアースシーの世界中を旅するのが羨ましい。魔法使いという存在が魅力的に描かれている。 彼が傷心で学院で勉強する時に、オジオンと過ごした日々を思い出すのが良い。一緒にいる時は生意気で退屈そうだったが、あれは甘えていたんだなあ。 「聞こうと思えば、黙らねば。」 本当にそうだなあ、と思う。 ほとんど最後の最後まで問題が解決せず、ドキドキした。

    1
    投稿日: 2019.09.13
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    ファンタジー世界に没入できる愉しみ。 人種や性別の扱い方がなんだか気になると思ったら、意図的だった。

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    投稿日: 2019.04.21
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    ル・クヴィンのゲド戦記全6巻、あっというまに読了。もう、ゲドに恋してる。 第1巻が、いちばん好き。影との戦いは、本当にドキドキハラハラで並みのファンタジー映画なんか比べもんにならない。ゲドの能力、自信過剰、驕り高ぶりヤな感じを、母親のような気もちで見守った。どうなるどうなる!?息もつけない展開!毎晩、一巻ずつ呑み込むように読んでは、終わって次!次!もうやみつき。 もうクヴィンの作品は読み尽くすと決めた! 最初は小1娘と一緒に読もうとしたが、ほんのさわりで彼女は眠くなり脱落。まだ難しかったか。 と思いつつ一人で読み進めたら、まさか自分がSFファンタジーにこんなにのめり込むとは。思ってもみなかった!

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    投稿日: 2019.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これはファンタジー好きの僕の心にどストライクな話 ハリーポッターとは違う、泥臭い魔法使い。ずる賢い龍。 杖はやっぱり180センチくらいのやつだよなぁ 最初の地図の島の多さに圧倒されたけど、読んで見たらほとんどの島巡ってる。 世界観、ストーリーどれをとっても歴史に残る作品であるだ。

    5
    投稿日: 2018.07.18
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    名著と言われる本作、今まで読んでこなかったけど、最近色んなところでオススメされていたので読んでみた。 言い回しが難しかったり、カタカナ名がとっつきにくいと感じてしまう自分にとっては、ストーリーの流れを追うだけで苦労した。 頭にスッと入ってこない… 人が、自分の弱さや恐怖に立ち向かうために大切なことは、逃げないこと。受け入れること。 このメッセージが強く心に残った。

    1
    投稿日: 2018.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    作者のル=グウィンが最近亡くなったのを知り、名前だけは、たぶんジブリの映画から知っていた「ゲド戦記」を読むことにした。戦争もののファンタジー小説と勘違いしていたのは、短いけれども非常にインパクトのあるタイトルからだと思う。原作では題名が違う。 第一巻は、少年ゲドが魔法使いになるまでの修行と自分との戦いの話である。全てのものに「真の名」がついている多島海の世界では、名前を知る者がそれらを操ることができる。そのような力を持った者たちの頂点にいるのが魔法使いである。魔法の才能はあるが貧しく粗野な環境で育った教育のない少年ゲドが、魔法使いになるための学校で修行をする。優秀なのだが、ライバルへの妬み・憎しみと名誉心に絡め取られ、別世界から「名のないもの」を呼び出してしまう。終いにはその影のような黒い奴に追われ、心身ともに蝕まれていくというのが中盤過ぎまで。その後は「影」との戦いで一気に最後まで読ませる。「影」は空虚であり、飲みこまれると体を乗っ取られる。次第に存在が大きくなり、最後はゲドの姿になって歩き回る影は不気味でリアルである。 影は、弱さ、傲慢さ、名誉心、妬みなど、自分自身の心の中の光のあたらない部分を象徴したもの、つまり分身ではあるが、心が支配されてはいけない負の部分である。逃げても逃げても追ってくる影に疲れ果てたゲドは、逆に影を追うことによって、最後は影を制する(というか自分の中に取り込んで)。この発想がすごい。まるで私たち自身の戦いと同じではないか。生きるっていうのはこういうことではないのか。物語としての圧倒的なエネルギーを感じる。 若い時に読んでおくと良い本だなあと思った。できれば中学生くらいのうちに。

    1
    投稿日: 2018.02.02
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    ウルトラハードな運命。常にボロボロ。悲壮感が強い。なぜかって、だいたいは命の危機。そんな彼がちょっと驕っただけで、終わらない影の追撃とか。不条理だ。 自分の影には追われると行動を狭められる。 逃げても体力の限界がくる。 だから、狩る側にまわらなければいけない。真理だ。 西洋の魔術世界をベースに、東洋やアメリカ原住民に共通する自然と融合した哲学を載せる。 そりゃおもしろいに決まってる。スターウォーズのダースベイダーに被るのは、60年代末期の思想が入ってるからかな。 ゲド戦記については、 宮崎駿世代の視点と、ネイティブアメリカンの視点と、ハリーポッターの対比という視点から切り込みを作ることができる。 自分の影に向き合い、自分に打ち勝つというビルドゥングスロマンは、宮崎駿時代の教養であり、人生哲学であるからだ。

    1
    投稿日: 2017.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ハイタカの成長を描く王道ファンタジーです。 人々から認められる魔法使いになるため修行をする中さまざまな人々と出会います。 その出会いが彼を変えていくのです。

    1
    投稿日: 2016.12.03
  • 世界3大ファンタジーにしてジブリ映画原作。こっちが本物です

    世界3大ファンタジー「ナルニア国物語」「指輪物語」「ゲド戦記」の一角にして、ジブリの宮崎吾郎監督初監督作品「ゲド戦記」の原作。 映画版は、複数あるゲド戦記の原作の内容がなぜかごちゃまぜになっていて、本質を捕まえているとは到底思えず、原作読了者としては「?」が頭の中から取れないままだったのを覚えています。 映画の方はあんまり評判がよくない印象ですが、宮崎駿監督がずっと映像化したかったという本作は、非常にテーマが深く、10~20代前半での、個人が体験する自我が確立する過程を、ファンタジーの形を借りて克明に描いた傑作だと思います。 ユング心理学での「影」の考え方に強い影響を受けて書かれたこの「影との戦い」は心理学的な観点から見ても高い価値が認められていて、文章は低年齢層向けに平易に書かれているものの、内容は深く、暗く、重く、本質的です。 出版は1968年と古く、本作を読むと、現代の少年漫画などでよくある、自分の悪意を受け入れて主人公が強くなる(NARUTOでもあったな)描写のひな形はこれなんだと思えます。 「ナルニア国物語」「指輪物語」と比べると、登場人物は少なく、世界観も限られているので、テーマが分かりやすいかもしれません。 連作で、1作ごとテーマは大きく変化していきますが、一貫してあるのは人の心の有り様を深く掘り下げていく視点にあるように思います。 秋の夜長にはよくはまる物語ではないかと。

    11
    投稿日: 2015.10.15
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    原語版1968年、日本語版1976年とある。 Ursula K LeGuin アーシュラでル=グウィンだなんて、ファンタジーの登場人物みたいな名前です。 この年からあらためてファンタジーを紐解ける幸せを噛み締めています。 岩波のソフトカバー版シリーズ、とても読みやすい。

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    投稿日: 2015.07.22
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    自尊心、虚栄心、謙虚、尊敬。自分が今どういう状態かによって強く共感するチャプターが変化するような、読み返す度に新しい発見があるだろうと思う作品。

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    投稿日: 2015.04.16
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     「ゲド戦記」という邦題が少々よろしくない。 初めてこの本と出会ったのは小学校の図書室であったが、その題名と表紙絵から東南アジア方面でゲリラと戦う米兵の物語かと思ってしまった。 英語を直訳した「多島海の伝説」でいいんじゃないだろうか。(インパクトは薄れるが)  実際に読んだのはそれからずっと後。 ジブリでアニメ化されると聞いたので図書館で借りて読んだ。 「少年ゲド、魔法を学ぶ」といったキャッチコピーがあった気がするが、ある出来事で魔法の才を見出された少年が魔法学院に入学し…と聞けば皆さん「ハリーポッター」を連想するのではないだろうか。 「素質の有無は問うものの、後天的に魔法を習得していく」というスタンスは従来の「選ばれた血族だけが伝統芸能のように魔法を継承する」イメージからすれば画期的だったと思う。(実際ハリーポッターもその点がヒットの要因の一つにあるだろうし。)  しかし本作の魅力は舞台となる「多島海(アースシー)」にもある。 大小様々な島を擁する「海」であり、魔法の箒ではなく「船」が主な移動手段となる。 そのため優れた魔法使いは優れた船乗りでもあるという独特の世界観を持っているのだ。  その点がジブリ映画ではばっさり削られていたのが残念である。 一応アレは第3巻「さいはての島へ」を下敷きにしているとの事だが、それにしてもなあ…。

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    投稿日: 2015.02.02
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    役者の清水真砂子と共に深い意識と 視野の広さからなる読み手によって どこまでも奥行きのある物語となりそうだ 人工物という魔法の力 141005 全体からはみ出してしまった 自立・独立・依存・支配という傲慢な 自らの人工物によって占拠された心が 生み出す魔法の力 それは良しにつけ悪しきにつけ相手をたぶらかそうと あるいは自分にも見せ掛けるためにそそいだ力の分だけ スカスカとなった綿飴のような底なしの踏ん張りの効かない沼 たぶらかされた者だけが魔法に掛かって 一人芝居に取り憑かれて宙に浮いた世界の住人となる

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    投稿日: 2014.11.05
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    哲学的すぎ。 人の生きる意味とか、ありかたとか。 自分の闇と向き合うとか。 魔法には代償がともなう。 世界の均衡。調和。 光には影がつきまとう。

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    投稿日: 2013.08.03
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    現代文に慣れ過ぎて思いのほか苦戦。 老いを待たずに竜王、大賢人とふたつの名誉を勝ち得たゲド。 1巻は魔法使いになる前からお話が始まります。 自分の力に自惚れ、先輩に見栄を張り、出来もしない死人の霊を呼び寄せたゲドは霊ではなく得体の知れない影を呼び寄せてしまいます。 なんとか一命はとりとめたものの、その恐ろしい影に付き纏われる毎日が始まり...まさに影と闘い続ける姿が描かれています。 たいへん暗~いお話でしたが、ゲドを通してひとの弱さや愚かさに気づかされます。 私の想像力がもっと豊かだったらもっと楽しめたのだろうなとも。 冒険譚なので会話が少ないのがちょっと難点ですが、(島の名前も覚えられない...笑)がんばって最後まで読んでみようと思います。

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    投稿日: 2013.07.30
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    ジブリのゲド戦記とは別物だった。原作は面白く、難しかった。心理学の要素が組み込まれているようだ。自身の恐れることに逃げずに立ち向かわないと、いちまでもその恐怖から逃れることは出来ない。

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    投稿日: 2013.04.22
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    ル・グインさんの世界観にすっぽり包み込まれた読書時間でした。 このシリーズは、とても長い時間をかけて書かれているので、作者の考え方の変遷が見られるといわれていますが、どれもはまりました。 中でもこの1巻は、ファンタジーでありながら、歴史物のような匂いを感じさせて、大むかし、どこかで本当にあったことにように感じさせられてしまう。 遺跡や祭祀、言い伝え、など世界中に散らばっている太古の営みを連想しました。

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    投稿日: 2013.03.24
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    受験中に読んだんだけど 記憶が・・・えーと まず母上にゲド戦記だけは10代で読みなさいっていわれてハードカバーのひっぱりだしてきて(いま思うと受験後読めばよかった) ジブリのつまんなかったかんなーと思ったんだけど これはすごくおもしろかった ゲドの考えることとか全部わかった気はしないけど なんとなくわかるような うぬぼれちゃうとかライバルに自分がすごいことみせたいとか だめって言われたことしたいとか あいつむかつくとかうらやましいとか 若いなーーーーー いやあんまり年変わんないけどさー 最後のおわりかたがバンプオブチキンの歌詞みたいだなーって思った笑

    1
    投稿日: 2013.03.12
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    ファンタジー小説は大好きですが、このシリーズはどういうわけかとっつきが悪く、何度も途中で本を閉じてしまっていました。 ジブリのアニメ化からしばらくたった今、ようやく読了。 主人公がほぼ呪われたような運命を背負うという立ち位置は『指輪物語』と似ていますが、話の中心であるゲドが野心的な未熟者として描かれている点が、これまでのヒーロー像とは違っています。 普通の人間くさい打算や下心があまさず描かれているため、はじめのうちは全く彼のことが好きになれません。 おそらくそれが理由で、なかなか読み続けられなかったのでしょう。 まったく現代的なヒーロー像。その分、あまり距離を感じることなく、読者はゲドの体験を共に追って行けます。 第1巻なので、まだ自分の力をコントロールできておらず、精神も成熟していない、荒々しいままの青年像。 世の中の不幸を消すわけではなく、自分のおごりが招いた災いを消すという、大いなるひとりよがりのようなパーソナルスタイルの強い設定。 強い自我を持ち、もがきながら、成長していく様子が2巻以降にも描かれていくのでしょう。 野性児のような彼の補填役として登場するカラスノエンドウの存在が、重苦しい悲劇に救いを与えています。 孤独であるべき魔法使いでありながらも、孤独すぎると判断を誤り、道を間違いかねないため、信頼のおける存在が必要不可欠。 生きていくとはかくもバランスの難しいものかと思います。 もはや、絶対的価値ではなく、相対的価値観の社会で生きている我々には、昔ながらの物語は、パターン化しているような印象も受けるもの。 時代の移り変わりの中で、生まれるべくして生まれてきた物語でしょう。 自分と対峙し、戦い続けて行くという成長譚。 また、通り名と真の名という区別は、対人関係の壁を作る現代人を写しているようにも思えます。 現代風で、哲学的でもあり、コアな読者に支持されているということが頷けました。

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    投稿日: 2013.02.06
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    『ゲド戦記』三部作(当時)を初めて読んだのは高校生の時。図書室の司書さんのおすすめで。翻訳者が高校のOBだと教えてくれた。静岡書店大賞の児童書・名作部門に何を投票するかを考えていてこの作品のことを久しぶりに思い出し、少年文庫版が出てるのを知って思わず買ってしまった。読み返すたびにその時の自分自身を発見するような気がする。その時でないと思わないこと、今だから判ること、が作品に如実に反映する。

    1
    投稿日: 2013.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    "自分がしなければならないことは、しでかしたことを取り消すことではなく、手をつけたことをやりとげることなのだ。" テーマは"責任"と他の人がレビューしていてなるほどと思いました。 淡々とした語り口で、すすすッと読みました。淡々と窮地に陥ったり、脱したりするゲドの姿が新鮮でした。

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    投稿日: 2012.12.08
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    ゲドシリーズ3巻まで読みましたが、 一番良かったのが、第一巻でした。 最後の結末で、衝撃が走り、 そうきたかと涙しました。 光と影の関係を、 深く考えさせられた一冊です。 多分、私がこれだけ衝撃を受けた本は、なかなか現れない気がします。

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    投稿日: 2012.11.15
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    大賢人ゲドの一生を中心としたファンタジー小説。 子供の頃、国語の教科書に「影との戦い」の一部が 載っていて、絶対に全部読みたいと思っていた。 実際には1回読んでいるけど、やっぱ面白い。 「影との戦い」では少年期のゲドの成長がストーリーの中心。 「魔法があればなんでもできる」と思っていた愚かさ故の過ち。 それを糧として成長するゲドが非常によく描かれている。 ちなみに映画は4作品目と5作品目の間の話らしい? あまりに評判が悪いので見ていない。 映画を見て残念に思った人は是非、小説を読んで欲しい。

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    投稿日: 2012.09.26
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    2012.6.28 読了。暗くたんたんとしたなかに、読み進めてしまう魅力があって、あっという間によんでしまった。

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    投稿日: 2012.07.01
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    面白かった。王道ファンタジー。巻頭の地図と見比べて今ここを旅してるのね、と確認しながら物語を読み進めるのが楽しい。

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    投稿日: 2012.06.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    思春期の迷いの影と闘う、力をもって生まれしゲド少年の物語。不遇な境遇で生まれ育ったゲド少年は、生来持っていた力に魅了され自分の欲求のために使用する。しかし、それは昏き影を生み出し、ゲド少年につきまとう。若さゆえの過ちだろうか……。いや、そんなことはどうでもよい。ゲド少年は自分の行動によってでた犠牲者を悲しみつつも成長を続けていく。アースシーを取り巻く世界観の緻密さが感じられる。そして困難の末に、人として成長して自分との闘いに勝利する。こういうとカッコいいが、個人的には、ラスト部分の影との戦いに不満が残った。また、視点を引いた俯瞰的な描き方も全体像を描くためには素晴らしいが、もっと主人公よりの視点で共感したい気持ちも残った。

    1
    投稿日: 2012.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    宮崎アニメの「ゲド戦記」とは、ストーリーがまだ一致しません…。むだ先のようです。 ハエタカの精神的な成長が、素晴らしかった。オクタの死ショックでした。 2巻以降も借りてこよう。

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    投稿日: 2012.04.09
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    ゲドが何回も船を作る話。船旅に出る度に巻頭の地図と見比べるのが楽しかった。ゼルダの風のタクトみたい。 真の名と魔法の関係とか、魔法の地域性とか、その辺の設定は今でこそ目新しくはないけど、当時は画期的だったんだろうな。 ゲドの気持ちがブレ気味なのも人間臭くてよかった。

    1
    投稿日: 2012.03.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画(アニメ)を見てから原作を読んだので、内容の複雑さに少し躊躇しました。 映画よりも、原作の方がすばらしいと思いました。 底流を流れている考え方は共通します。 本作品では、魔法に対する考え方を示していると思いました。 映画(アニメ)の方は、なんとか分かりやすくしようとして、 単純化しすぎたのかもしれません。

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    投稿日: 2012.02.26
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    3巻が一番おもしろかったー!テルーが主役になってきたあたりから、ちょっと展開がしんどくなってきたかな・・・6巻は少し盛り上がりに欠けるというか、期待していたものとは違っていた。相変わらず竜は魅力的過ぎる。児童文学に目覚めるきっかけになってくれた、この作品の力はすごい。ありがとー。

    3
    投稿日: 2012.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごく深い作品で何度も読み返したい作品。 テーマは「責任」 主人公ゲドの驕りと葛藤、そして最後の影との「融合」... 最後はどうなるかとハラハラして読みました。 結局、自分の蒔いた種は、良い物悪い物関係なく刈り取る「責任」があるのです。

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    投稿日: 2012.02.11
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    後に大賢人と語られるゲドがまだ若かりし時の、己を知るまでの、己を知るための物語。 ファンタジーは殆ど読まない人間だけど、ル=グウィンの描くアースシーの世界にすっかり魅了されてしまった。

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    投稿日: 2011.10.07
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    ジブリ映画を観て、原作を読みはじめました。  世界観がわかるまでまどろっこしいところがありますが、慣れてくると面白くなってきました。「影」との戦いという地味な設定は、児童書なのにどうなの?って思うところもありますので、中学生くらいのこども向けかもしれません。  竜との戦いの章がありますが、もうちょっと派手に戦ってくれたら戦記という印象も残りますが、どちらかというと内省的な描写が全編に渡って多いので、巡礼記という印象を受けます。  これがいいのか悪いのかは全巻読まないとなんとも言えません。  ジブリ映画の描写は、原作を読まなければわからないことだらけのようです。

    1
    投稿日: 2011.09.23
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    ハイファンタジー。 少年ゲドの成長物語。 自分の影に打ち勝つという、分かりやすい話だが、よくまとまっていて読みやすい。 世界設定が綿密だが説明が多く、またその多くが本筋に必要とはいえない。作者が設定魔で、自己満足しているように思える。 神視点の描写が多く、主人公視点の細かい描写はあまりない。淡々と進む。

    1
    投稿日: 2011.08.17
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    世界設定は綿密に練られている。そのアースシーの世界は魅力的だ。反面、キャラクターの描写は最低限に抑えられており、ハリーポッターなど現代風のファンタジーものに慣れている方は物足りなく感じるだろう。ハイファンタジーの傑作であることは間違いない。一度は目を通しておきたい作品である。

    1
    投稿日: 2011.08.11
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    金曜ロードショーでのゲド戦記放映を見て、かつ原作既読者の反応がおもしろかったので、原作に手を出してみた。 闇の左手を先に読んでいたので、文章に関しては特に読みづらいとは感じなかったが、文章自体が淡々としていることにあわせ、物語に起伏があるかというと首をひねってしまう展開なので、冒険活劇が好きな方は読みづらかろうと思う。一言でいえば地味である。 求道の物語、なのかな。影の名前は、物語を読むのに慣れている方はすぐにわかると思う。

    1
    投稿日: 2011.07.31
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    It is over.ここで、ここでゲドが笑うときに、私の目からは涙がポロリ〜と必ずこぼれるのですよ。初めて、英語版で読んでみました。I am whole, I am free 感動は同じだ。

    1
    投稿日: 2011.07.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    キャッチーではないし派手なストーリーでもないけど、読みやすいと思う。 主人公のゲドは前半では傲慢な若者として、 後半ではそれを後悔し、その償いをしようとする老成した人間として書かれている。 老成というと暗い言い方かもしれないけど、人生の中の大きな失敗をしたとき、人はその意味を考えずにはいられないだろうし、特にそれが若い時ならそんな感じになるのでは、と思わせた。 ゲドにまじないの手ほどきをした伯母や、最初の師であるオジオン、 無二の親友カラスノエンドウ、ロークの学園の賢者たち(特に守りの長)など魅力的な人物が多く、 大変そうだけどこんなに人間関係に恵まれているなら魔術師の人生も悪くないねw 悪者も、悪者すぎず、人を小馬鹿にするのが趣味だったり、騙すのが好きだったり、生きてると会わずにはいられない卑しい悪者でファンタジーだけど生々しかった。 日常生活の端々で現れる魔法の使われ方が、ただの便利なものとしてではなく世界の理や異世界との触れ合いであることが繰り返し表現されていて、そこはファンタジーらしくて素敵だった。 言葉遣いはそんなに古いとは思わなかったし、読書に慣れていれば10歳くらいから読めそう。 ずっと気になっていたけど、途中で飽きそうだと思って手を付けてなかった。でも全然退屈せずに読めました。続きも読もうとおもいます。

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    投稿日: 2011.07.20
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     ずっとずっと、その存在は気にしていたがこれまで手に取ることのなかった本。アメリカで刊行された1968年当時は、きっと現在のハリーポッターのような衝撃を読者は、覚えたのではなかろうか。  最近、小説においても児童書においても現代文学しか読んでいなかったので、数十年前に描かれたこの本を読み始めた当初はなかなかページが進まなかった。しかし、物語に吸い寄せられるうちに少し古くなってしまったその文体にも慣れ、ドンドンと読み進めていった。  光と影の関係は、現在様々な比喩に使われる。どんなにすばらしいものにも闇はあり、ときに人間はそれに脅かされる。たとえば、現在の原発問題がそうだ。安全に使えば低コストで多量の発電ができる便利な道具だが、一度問題が起きるとなかなか収束しない。地球の脅威にもなりかねない。読んでいる最中は、「まるで、ドラゴンボールに出てくるピッコロ大魔王と神様の関係のようだな」と思ってしまった。あるいは、ある魔法使いのエピソードは「山月記」の様でもあると思った。  先述したハリーポッターシリーズも含めて、その他多くのSF物語に影響を与えたであろうこの作品。続きを読むのが楽しみである。

    1
    投稿日: 2011.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館から借りました  ファンタジー。成長物。魔法物。  強い力を持った少年、ゲドは名高い魔法使いオジオンによって魔法を習えるようになる。  オジオンの推薦で、魔法の学校にいった彼は、しつように突っかかってくる上級生に腹を立て、見返すつもりでとんでもないものを呼びよせてしまう。  そのため、ゲドは大けがを負い、成長するまでその影に怯えることになる。  描写が密で、ときとしてすっ飛ばしたいきもちになる。  地図が目眩しそう。  あんまりにも細かく名前が書き込んであるから。  真の名を重視する世界なので、仕方ないけど。  オジオンとゲドは、萌えそうです。(腐った目を向けてしまう  300ページだけれど、文字も大きい。 二時間半ぐらいで読み終わったはず。(何度か中断したからいまいちトータル不明  傲慢で、自己中だった少年が、痛い思いをして成長していく。

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    投稿日: 2011.05.29
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    魔法の修業を積む孤高の少年ゲドは、同級生の挑発にのり、恐ろしい影を呼び出してしまう。アースシーという他島海を舞台に、影からの逃避行そして追跡が始まる。影を制するには、その名を知らなければならない。その名とは…。

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    投稿日: 2011.04.25
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    「自分でまいた種は自分で刈り取る」、自分との戦い。さらりと口に出来るが、実際そういう生き方をしている人は、少ない。迷いながら、矛盾しながらも、最期には勝利を手にする。自分を、追え。

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    投稿日: 2011.03.18
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    かつて、「竜王」と「大賢人」の二つの称号を手にし、その偉業は今日まで歌い継がれている「ハイタカ」と呼ばれた魔法使いがいた。これは、その大賢人が、己の才能に目覚めた少年期から、青年期にいたる成長の過程を描いたもの。魔法使いは、心の底から信頼できる者にしか本名を明かさない。「ハイタカ」の本名は「ゲド」。思春期特有の傲慢さから、彼は、黄泉の世界から「影」を呼び出してしまう。ジャンルとしてはファンタジーものだが、文学的酩酊を伴う傑作。(高橋節子先生)

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    投稿日: 2011.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    影との戦い。追われるものから追うものになること。向き合うこと。自分のなかの闇を見つめ、受け入れること。 ずっと追われて恐れていた。逃げても逃げても固い繋がりがあって逃げ切れないとわかっていた。でもこわかった。 向き合い受けいれ、まったき人間になりたい。すべてを引っくるめて「自分」としたい。形や名前を持たず、自在に形を変える影。それは自分の影。切り離すことはできない。 安息の地はないと思っていた。下手すれば永遠に、一生つきまとう影に怯えて暮らさなきゃいけないと思っていた。 でも、追うものになろう。他人に頼らず自分で繋がりをたどって、自分の中の闇と対面しよう。

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    投稿日: 2010.12.31
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    映画とは全然違う内容の、原作のゲド戦記。 世界の広さや奥行きを感じさせる、深い話です。 死の影を呼び出してしまい、犠牲者を出し、自分自身すら信じられなくなった若きゲドに対する、朋友・カラスノエンドウのエピソードがものすごく好きです。 2巻の、生き神として祀られている少女との話も深いです。シリーズ全部お勧め。

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    投稿日: 2010.10.22
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    高校生であった2006年に映画が放映されたことで初めてその存在を認知し、 翌年の大学一年生時に全巻セットを購入、読破した作品でした。 中村うさぎさんと同じ感想になりますが、もっと早い時期に読んでおきたかった作品でした。(by Smaria)

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    投稿日: 2010.06.29
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    人は愚かで傲慢で、でも美しい。 向き合うことを教えてくれる、この本の主役は貴方なんです。 でも、これを思春期に理解できちゃったら人生つまんないかもね。 (2009/4/28読了)

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    投稿日: 2009.04.20
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    ついに! 満を持しての岩波少年文庫化です! しあわせすぎる…! 訳がソフトになったような気がします。

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    投稿日: 2009.01.19