Reader Store
犬たちの肖像
犬たちの肖像
四方田犬彦/集英社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

4件)
3.3
0
1
2
0
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    名前に犬の字をもつ文学評論家による、文学の中に描かれた犬たちの肖像をめぐるエッセイ集。 実は本書を手に取ったのは、政治における犬をめぐる表象や事象に関心があったためで、そういう意味ではやや期待はずれではあったのだが、犬好きとしては楽しいマニアックな蘊蓄が詰まった本である。 とりわけ、ホーメロスの『オデュッセイア』に登場するアルゴス――妻よりも誰よりも、乞食に身をやつした主人公の帰還に気づく犬――に注目する議論がなんとも興味深い。できれば子どもに犬彦という名をあたえる四方田家についても知りたいところであるが。

    5
    投稿日: 2025.09.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大学の小論文の課題文で出会った文章でずっと探していた本だった。まさか、犬に関するエッセイ本とはつゆ知らず古今東西の小説から犬にまつわる文章を抜き出して考察していた。 犬に名前を与えるという行為は、犬を人間の側に近づけ、人間化を施すことである。ペットとして飼われるようになったとき、犬は純粋な動物であることをやめ、動物と人間との混合物へと姿を変える。という2文は自分が哲学における構造主義を知ったきっかけの文章でありどこか嬉しい気持ちになった。 また、二葉亭四迷の小説において犬と人間の関係を表そうと試みる文章があるが、あの何とも表現しがたい犬との関係こそが犬のもつ深み(友人、ペット、家族)であると思った。 四方田さんの言葉の言い回しも個人的に好きだった。

    0
    投稿日: 2025.04.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    古今東西の文芸から選り抜かれた犬の話。 オデュッセイアからマハーバーラタまで、壮大な人類の旅路にあって、いかにドゥルーズに馬鹿者と言われようとも、ひとは犬を傍らにおいて生きるのだ。 犬の名前をどうするか、というのも実に興味深い象徴性を持った話題として紹介されている。犬にはなぜ神話めいた大げさな名前を与えられることが許されるのか。

    0
    投稿日: 2018.01.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間のもっとも古い伴侶、犬。 小説、映画、漫画に至るまで、作品のなかに顕れる「犬」の存在をめぐるエッセイ集です。 四方田様らしいハードボイルドを存分に堪能。 献辞はかつての愛犬へ。 犬に「兎吉」と名付けるところも素敵です。 先日TV番組に紹介されたせいでTwitterに川端康成が5匹の子犬を抱えた写真が大量巡回していたけれど、これを読むとなかなかモヤモヤする写真ではあります。

    0
    投稿日: 2015.10.22