
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
英仏の百年戦争が単純にイギリスとフランスの戦争ではないというのは面白かったですね。フランスという「国」自体がまだ未完成で内乱のような形で戦争が進んでいき戦争の結果国家としてのフランスが完成していくのが興味深い(笑)有名なジャンヌ・ダルクに関する解釈や黒太子、デュ・ゲクランの話をもっと読みたかった気もする(笑)色んな知らない話がたくさん読めて良かった(笑)
0投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログ英仏百年戦争の流れをざっと紹介した内容。元々はフランスとして一体だった集団が、百年の抗争を経て国民意識に目覚め、英仏の二国を成立させていくという考え方は、分かりやすいものであった。地図と系図を手元において読みたい。
0投稿日: 2025.06.17
powered by ブクログ個人的には王様の名前が同じすぎたり、ブルゴーニュとブルターニュがごっちゃになってしまってややこしかったりするが、本書にて11世紀から15世紀の英仏関係がよく分かる。我々は国民国家の概念が当たり前に刷り込まれているため、指摘されなければ想像できないが、英仏百年戦争の結果として両国のナショナリティが確立されたと考えれば腑に落ちる。時系列で見ると百年戦争が終結した頃にはすでに大航海時代が始まりつつあり、中央集権化の流れで議会制が残った英国が海洋覇権国家として台頭していく流れになる。外様の諸侯との折り合いや英仏の抗争が複雑に絡み合ってベネルスク3国の起源になっている点も興味深い。そして英仏百年戦争といえば悲劇のヒロイン=ジャンヌ・ダルクだが、ナポレオンが広報として宣伝して知られるようになったのは有名な話。
4投稿日: 2025.01.20
powered by ブクログヨーロッパ中世史を面白く読めるよう工夫された文章であるが、やはりこの時代のヨーロッパ史は複雑で、難解ではある。 著者はこの時代を、英仏が国民国家として成立していく過程として重要なものであったと評価している。
0投稿日: 2024.08.25
powered by ブクログ情報のポイントが絞られていて、概略として掴みやすかった。 また、「英仏百年戦争」という現代的認識の誤解をかなり指摘していて、歴史を学ぶ醍醐味を味わえた。 巻末に、「国民国家という軛」からの解放が近いのでは、という著者の考えにもとても共感した。というのも、ギリシャ史をまとめた本を読んだ時、「ギリシャ」という現代の地理的区分にこだわって叙述することの難しさや実態とのギャップを感じずにいられなかったからだ。これは、日本を含めどの地域でもそうだと思う。
0投稿日: 2024.07.27
powered by ブクログ初佐藤賢一。英エリザベス女王の国葬を見て英国の歴史に興味を抱き挑戦。 世界史には無知だったので百年戦争といってもイメージがなかったが、ゲルマン民族の大移動から始まるヨーロッパの歴史を踏まえ「英仏戦争はフランス人同士の戦争であった。」ということに納得。国王の名前などの系譜の変遷は覚えられなかったが非常に興味深い内容だった。名前だけは知っているジャンヌダルクのことも改めてよく分かった。
0投稿日: 2022.11.16
powered by ブクログ14世紀の中頃、イギリスという国家が存在しなかった時代のイングランド王家は、フランスの政治文化圏に組み込まれていた・・・。フランスの王位継承権と大陸の領土覇権争いが発端となった「百年戦争(1337-1453)」は、イングランドVS.フランスのみならず中世ヨーロッパ諸国を巻き込む泥沼戦争となり、黒騎士の奮闘、ペスト(黒死病)の蔓延、農民の反乱、ジャンヌ・ダルクの栄光と悲劇を生んだ・・・。戦後、ド-ヴァ-海峡を挟んで、領土と国民を明確にした主権国家の形成が進むきっかけとなった西洋史最大の事件への入門手引き書。
3投稿日: 2022.06.25
powered by ブクログ国民と国家という意識が当たり前では無いという前提から考えると納得がいくことも多く、今は当たり前だけど当時は、と何事も疑ってみることは大切だと感じた。 また、なぜ英語の中にフランス語由来の単語が多いのか、の理由の一つが分かったような気がする。
0投稿日: 2022.06.04
powered by ブクログどちらもフランス人という所はなるほど、中世らしい話と納得。 途中は、まあそんな感じかと思うが、ジャンヌ・ダルクが農民の娘が利用されただけと切って捨てるのは、どこまでそうなのか。 うつてつけの題材と思うが、ナポレオンまで気が付かなかったのか? 最後、国民国家とナショナリズムを産んで終息したというのはわかりやすいが、その時代でそこまで言えるのか。 国民国家としても、15世紀と18世紀では同じにならないし、それ以前でも同じ国語を話す者の一体感はあったのでは? きれいに割り切りすぎな感がある。
0投稿日: 2022.05.14
powered by ブクログ英仏百年戦争 それはイギリスとフランスの戦争でも、百年の戦争でもなかった。 戦う二大勢力はともに自身を「フランス人」であると認識。 領地の感覚が優先し、国の感覚が希薄だった時代に、イギリスという国とフランスという国の戦争など、設定できない。 しかし、英仏百年戦争は、イングランド王、フランス王にそれぞれの王国を一元的に支配させる力を与えて終了。 これにより、今日のイギリス、フランスに通じる、いわゆる中央集権国家が誕生。 後の、国民国家に発展する土台となった。
0投稿日: 2022.04.29
powered by ブクログ巻末の「英仏百年戦争関連年表(1066-1491)」が非常に詳細だし、英仏両王家の家系図も百年戦争に絡む所だけで(無駄な情報はちゃんと省略して)構成されてて、ホントお役立ちでした! 「百年戦争」を解説する本は巷に沢山あるが、ナショナリズムの高揚という点から見たジャンヌ・ダルク観があまり見かけない主張になってて、とても興味深かった。 リチャード2世については結構語るけど、ヘンリー4世は割とあっさりとか、多少お好みがあるようで。
0投稿日: 2022.01.25
powered by ブクログ大学の一般向け講座を受講した際に勧められた著作。 非常に読みやすく、わかりやすい。 概説書としての側面もありながら、専門性もある。 『百年戦争』の考え方、国民国家を基軸とする歴史の考え方をもう一度捉え直す著作である。
0投稿日: 2021.03.20
powered by ブクログフランスを舞台にした歴史小説を得意とする佐藤賢一氏による百年戦争の概説書である。 百年戦争は、現代の主権国家体制に馴染んだ我々からすると、つい安直にフランスとイングランドが戦った戦争である、と思い込みがちである。 そう思い込むと、大変分かりづらくなるのが百年戦争である。 本書は、百年戦争以前にはいわゆる国家としてのフランス・イングランドは存在しなかったという前史を確認することから始まり、この百年の争いを通じてナショナリズムが芽生えていったとの結論で終える。 元々、読みやすい文章を書く人だが、全体が上記のあらすじに支えられているため、茫漠としていた百年戦争の輪郭が読むほどに浮かび上がるようだ。 読みやすさとそれなりに踏み込んだ歴史知識を盛り込んだ一般読者層向けの概説書を書かせたら一級品である。 大変楽しく読めたし、この時代に関する理解が深まった。お勧め。
1投稿日: 2020.11.17
powered by ブクログ英仏百年戦争というが、英国も仏国もなかった。フランス人同士の長い戦いの中で英と仏という国ができた。というお話。なるほど。世界史詳しくないので一つ理解できなかったのが、王とそれ以外の公や伯との違い。イギリス王だって元々ノルマンディ公ですよね。でも、王になるとフランス王と同格になる?他の領主に封を与える権利?これはどこから来てるの?ローマ法王?日本の戦国時代の将軍や天皇と各大名の関係とも違う気もするし。ここが理解できる本があったら教えて下さい。巻末に両王家の系図があるので確認しながら読むのをお勧めします。
1投稿日: 2020.04.23
powered by ブクログいわゆる英仏百年戦争を前史・後史含めた全体を叙述した一冊。戦争を通して変容する国家観についての考察や、ジャンヌ・ダルクについての詳述など興味深い点が多い。前に読んだヴァロワ朝と記述がかぶる点も多いけれど面白かった。
1投稿日: 2019.12.20
powered by ブクログドーバー海峡を挟んで隣国であるフランスとイギリスが、最近まで剣呑の仲であることは承知していましたが、歴史をたどっていけばその謎も解けるというものです。 この戦争を機に現在のイギリスとフランスの地盤が出来たといっても過言ではないでしょう。 フランス王家から分かれたイングランド。 フランス王家といえども、国内の諸侯の力が強すぎ、かつ、その諸侯たちも自分たちの思惑でフランス側についたりイングランド側についたり… このような内戦ともいえる状況を乗り越えてこそ国家としての自覚が誕生するものなのですね。 注目すべきはイングランドの黒太子エドワードの戦術と、風のように訪れてフランス王の窮地を奪回し、風のようにこの世を去っていったジャンヌ・ダルクです。 その一方で、両国が戦争に明け暮れた結果、戦争が済んだら傭兵を解雇した結果、一番の被害を被ったのは紛れもなく、普通に平凡な暮らしをしていた一般市民たちです。 フランス国内で「ジャックリーの乱」が勃発し、農民たちが暴徒化するのも至極当然といえます。 「ジャックリーの乱」を肯定する訳ではありませんが、この戦争中にイングランドをフランスが得たもの、失ったもの…それぞれの意味を考えることは、現代社会においても決して他人事ではなく、しっかりと考えていかなければいけないところです。 余談ではありますが、一時は「魔女」として火あぶりの刑に処せられたジャンヌ・ダルクの名声を復活させ、愛国心溢れる女性戦士として再注目させ、自身の宣伝活用に大いに利用したのはナポレオンです。 個人的には、気持ちが荒んでいるときに何度でも再読し、自分を深く顧みることのできる一冊です。
0投稿日: 2019.03.29
powered by ブクログ百年戦争の入門書として最適な良書。 まず、現在語られている歴史は、国民国家の時代を生きる我々の価値観に合わせて作られたモノだと筆者は述べる。 英国の最初の王朝はフランス人によって作られたものであり、英仏百年戦争の序盤はフランスのお家争いであったのだ。 これは中々衝撃的な内容であった。 その後、国民国家としてフランス、英国が成り立つ過程を丁寧に描いている。 入門書としてだけでなく、歴史を学んだ人でも面白いと思える良書であった。
0投稿日: 2018.11.28
powered by ブクログ・英仏百年戦争はフランドルの羊毛貿易問題、ボルドーの葡萄酒貿易問題、なかんずくアキテーヌの領有問題、フランス王位継承問題等々を争点として、中世末に行われた(1337年〜1453年)。序盤は圧倒的なイギリスの優勢で進んだ。クレシーの戦い(1346年)、ポワティエの戦い(1356年)で立役者となった軍事的カリスマ、エドワード黒太子の活躍で勝利。十五世紀に突入するにつれ、フランスは国土の半ばを占領され、国家存亡の危機となるが、オルレアンの攻防(1428年〜1429年)で救世主ジャンヌ・ダルクの登場(これは後世に大部分が創作されたもの)により勝利を収め、そこからフランスの快進撃が始まる ・英仏百年戦争は元々「フランス人」同士の争いであったが、戦争を経る中で、イングランドがイングランドとして、フランスがフランスとして、今日の国家に通じる形が誕生した ・現在では英仏百年戦争が生み出した国民国家そのものが過去の歴史になろうとしている
0投稿日: 2018.11.04
powered by ブクログイングランド王、フランス王と、頭に載せる王冠の色や形は違えども、戦った二大勢力はともに「フランス人」だったとは知りませんでした(汗)
0投稿日: 2018.10.12
powered by ブクログ歴史は後から俯瞰してみると、最初から間違った意識のまま見誤ってしまうことが多い。今回もそうでした。 歴史じゃないんだ。 生きた人間が一人ひとり動いて、そこに出来た何かが残っていくんだという事が良く分かった一冊に。 英仏百年戦争。 フランス人のイングランド領主と、フランス人のフランス領主との戦いであったのが驚きでした。 そもそも、フランス人という認識もこの時点ではないはずなので、この表現も間違ってますが。。。笑 大きい意味では内紛 (領地の争い) 中くらいの意味で一族の争い (家の争い) 小さい意味で隣村との小競り合い (利権の争い) この100年程の期間に、その時々に起こった事実(領土問題や領主の交代や政略結婚や古いしきたりなど)を、その時その時で、時の領主が解決しようとした。 その偶然の結果で、イギリスという国とフランスという国、「らしきもの」、が成立したんですね。 シェークスピア。 そのお陰?で、シェークスピアという才能が生まれ、生き生きとした物語としてみんなに愛される時代となった。 何が何だか分からなくなる、ヘンリー何世だのシャルル何世だのが、なんとなく一人の人間として肉付けしてくれてて、ホントに有り難い。笑 ジャンヌダルク。 本来は当時すら使い捨てにされただけで、ほぼ同時代の文献にも出てこない、歴史にも埋もれるはずだったジャンヌダルクすらも、一時代のヒロインとして創作され語られるようになる。 ナポレオンが政治的宣伝として忘れられていたジャンヌを発掘したらしい。 まさに日本で言うと、坂本龍馬の様な、後世の都合で作られた英雄が、そこかしこに存在する。 それが理解出来たので、急に身近に感じれました! しかし、やっぱりですが、政治はロマンではなく、現実や事実があるだけですね。笑
0投稿日: 2018.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何度も何度も挑戦しては挫折するのが、西洋史。 百年戦争も薔薇戦争も、何冊も本を読んでいても全く頭に入ってこない。 だって、イギリス人はヘンリーとエドワードとジョンばっかりだし、フランス人はルイとシャルルとフィリップばっかりなんだもの。 誰が誰やら、ちんぷんかんぷん。 それはこの本を読んでももちろん変わらず、ヘンリーとかアンリとかがたくさん出てきますが、でも、この本は一味違う。 まず最初に書いているのが、イギリス人のシェイクスピア症候群。 西洋史にあまり詳しくない日本人でも、劣勢だったフランスがジャンヌ・ダルクの登場で戦況を覆し勝利した、ことぐらいは知っていると思うけど、イギリス人にとっての百年戦争はイギリスの勝利が常識になっているのだそうだ。 それは、イギリスの司馬遼太郎とも目される(?)シェイクスピアが、数々の戯曲でそのように書いているから。 司馬史観ならぬ、シェイクスピア史観。 “ちょこざいなシャルルが歴史にフランス王として罷り通るのは、イギリス自身の不幸な内乱(薔薇戦争)のせい”だとシェイクスピアはほのめかしている。らしい。 でもって、シェイクスピアもびっくりなのが(しなかったかもしれないけど)、イングランド王って、イングランドの貴族たちって、みんなフランス人だったってこと。 フランスの、フランスによる、フランス人のための戦争が、英仏百年戦争だった。 そもそもフランスの王家と大貴族には、明確な格差がなかった。 侵略や結婚などで領地が増えたり減ったりしているなかで、王家より力の強い貴族が現れることもあり、そうなると反逆だ内乱だということになってしまうのは、当たり前の流れ。 その一つとして、フランスの貴族と、母方の遺産としてイングランドを領地として持つ貴族の娘が結婚したことにより、莫大な領土を治めるフランスの大貴族が出来上がる。 彼らとフランス王家とのいざこざが、そもそものはじまりなのだ。 つまりフランス貴族とフランス王家との争い。 このころのフランスって、鎌倉幕府のような感じ。 一応王様がいるけれど、分家や婚姻で関係が入り乱れて、一枚岩になれない。 つねに謀反や裏切りの危険にさらされている。 鎌倉幕府も、将軍や天皇はさておき、北条家がまさにそんな感じでずっとごたごたしていた。 オルレアンの少女、ジャンヌ・ダルクは、ナポレオンが見出すまでは決してメジャーな存在ではなかった。 これもまた、司馬遼太郎に見いだされるまで無名の若者だった坂本龍馬を思い出させる。 歴史って、事実の上に主観の上塗りをされるから、洋の東西を問わず似たようなストーリーが出来上がってくるのかもしれない。 シェイクスピアが書くヘンリー五世 “父親との不仲ゆえに非行に走り、身分卑しき悪漢どもと徒党を組んで、不良少年の一頃をすごしながら、父親の死で王位につくや、とたん君主の鑑に生まれ変わると、シェークスピアは日本史における織田信長ばりの神話を紡いでいる。あるいは一連の描写に、王子を気さくな庶民派たらしめる作為を読み取るなら、むしろ「暴れん坊将軍」のようだというべきか。” 史実なのか、物語なのか。 それの見極めは、かなり難しい。 それが常識とされてしまうと、もはや疑ってかかることすら至難の業だ。 ところで。 英語の単語の中には、フランス語由来のものが結構あるのだそうです。 大陸の、文化の中心である大国のフランスの言葉は、田舎の島国であるイングランドの言葉よりも論理的だったり、抽象概念を表す言葉が豊富だったから。 日常的な、単純な事柄は英語で表現できても、複雑な思考や公的な事柄を表すにはフランス語の力を借りなければならなかった。 この辺は、中国語と日本語の関係を見るようでもあります。 そして人名。 英語名のヘンリーがフランス語名になるとアンリであるとか、英語名のジョンがフランス語名のジャンだとかは知っていたけど、フランス語名のギョームが、英語名だとウィリアムになるってのはどうよ!? ムしか合ってないじゃないの。 しばらくしてまた西洋の本を読んだら、一から勉強しなくちゃならないくらいに忘れているんだろうなあ。 でも、英仏百年戦争が、フランス人同士の戦争であったことは、もう忘れないと思う。
0投稿日: 2018.03.27
powered by ブクログ「歴史とはフィクションである。」という著者の言葉に、 確かに…と深く深く頷かざるおえない。 何方という視点、天のごとき視点、恣意的な視点という様々な見方の1つとして国民国家的視点という歴史の見方・解釈は面白く考えさせられた。 高校時代に歴史の授業で習ったよね〜となんとはなく憶えていた英仏百年戦争。英仏という国の成り立ちを考える上での良い指針になりました。
0投稿日: 2016.08.16
powered by ブクログ著者は歴史家ではなく、歴史小説家。 それがために語り口は全然学者っぽくない。 あえて言えばべらんめぇ調である。 ぼく自身、百年戦争は過去に読んだことがある。 それもとても良い本だったが、殆ど忘れてしまった。 覚えていることと言えば、登場人物が錯綜してヤヤコシイ。 イギリスもフランスも沢山の家系が出てきて、それぞれが組んずほぐれつの争いを繰り広げる。 以前読んだ時はまだ若かったので、家系図を見比べながらかなり真剣に理解に勤めた。 今はもう歳なのでそんなエネルギーがないことは分かっているし、すぐに忘れることを知っているから、読み飛ばすに限る。 そして結局はフランス人同士の戦争であったことが記憶に残っている。 今回読んでも、同じ結論に至る。アタリマエだ。 だが、この本において、実は当時イギリスもフランスも国として存在せず、各有力な領主たちの緩い集合でしかなかったこと。(封建国家) この百年戦争を経ることによって、国民の中にナショナリズムが芽生え、中央集権国家、即ち現代に通じる国家が形成されるきっかけになったのだと説明される。 ぼくが国家とは何かについて、ぼんやりした疑問を懐いていたものを、この本が、百年戦争を例にとって明確に提示してくれた。 さらに、歴史は現代からの視点や尺度ではなく、その時代の尺度に立って見なければ見誤ることを再認識させられた。
0投稿日: 2016.02.29
powered by ブクログフランスはいつからフランスか、イギリス人はいつイギリス人になったのか。 うーむ、刮目の一書。 百年戦争のはじまりの頃、それは「フランス人」同士の戦いであった。 ノルマンコンクウェストがフランス人によるイングランドの征服であったこと、イングランド王室の宮廷ではフランス語が話されていたこと、一つ一つの知識はあったはずなのに、それがどういうことなのか理解してなかった。 失地王ジョンは何をなぜ失ったのかも、全然わかってなかった。 非常に勉強になった。
0投稿日: 2015.07.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
石川雅之『純潔のマリア』から「英仏百年戦争」へ。 イングランドを治めていたのは、フランス人。と言うことは、英仏と言いながら、実はフランス人とフランス人の戦いであった訳だ。まだまだ知らないことは、多い。 また、「〇〇史」(←〇〇には国名が入る)とカテゴライズしてしまっているが故に見えなくなってしまっているものがあるという指摘も納得。文学も又然りである。 このまま「百年戦争」に関する小説を読んでみたいと思う。
0投稿日: 2015.02.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
英仏百年戦争に対して抱いていたイメージが一変した。まずこの戦争は出自的にフランス人同士の戦いであるということが驚き。またフランス人といっても当時は今の国民国家の意識はない。してみるとイギリスとフランスが国家の誇りを賭けて戦ったというロマンあふれるイメージはなんと的外れだっただろうか。一方で百年戦争の過程で国民国家の意識が醸成されていった側面もあるようで歴史認識を改めさせられた。 全体的に史実の羅列という印象で退屈ではあった。人名、地名が雪崩のように出てきて途中から分からなくなってしまったし。予備知識があると違うんだろうけど、世界史でも詳しくやる項目ではないし…。読んでいてヴィジュアルイメージがないのが辛かった。テレビで百年戦争を扱った番組があるといいんんだけど、
0投稿日: 2014.07.01
powered by ブクログ歴史についてというより雑学本な感じがした。 戦争についての細かい所が描かれてなくて少し読み足りない
0投稿日: 2014.04.27
powered by ブクログ「王妃の離婚」や「物語フランス革命」などヨーロッパを題材とした小説で有名な佐藤賢一。エンターテイメント小説を手掛けているためか、大変読みやすく100年戦争が描かれている。 100年戦争が終結する以前のヨーロッパは、地方領主がひしめく中、ローマ教皇や神聖ローマ皇帝が歴史を動かす軸として存在感や影響力を持ってきた。それが100年戦争の終結によりフランス・イギリスという国民国家の萌芽が生まれてくる。 ここにおいて、それ以降の歴史がイギリスやフランスのイタリアとドイツに対する優位という構図となる。ある意味で歴史の主役が逆転してくる。戦争を継続的に行ってきたためか、それまでより強い王権のもとで現在で言うところのイギリスとフランスは国内を統一していく。その一方でドイツ、イタリアの国民国家の萌芽はウエストファリア体制を経てさらにナポレオン戦争を待たなければならなかった。そう考えるとこの100年戦争の結果がフランスとイギリスにとって後の歴史における大きなアドバンテージを生み出す要因であることが理解できる。 本書を読んでとりわけフランスの影響の大きさを感じるのは、まずイギリスはフランスの地方領主が征服した国であること、そして100年戦争中動員できる兵力はなんだかんだでフランスが上回り続けていたこと、それから後世においてフランスの統一された国家は、ドイツ領邦に刺激を与え続けてきたことなど。100年戦争以降のヨーロッパ史の主役がフランスであることを思った。 本書が現代に投げかける課題も目をひく、ひとつは後世で歴史は自国に都合よく書き換えられること。もうひとつは忘れられた救国の英雄は、時の権力によって都合よく偶像化されること。確かに今でもそんな感じ。
0投稿日: 2014.03.25
powered by ブクログ英仏が百年戦争を戦ったのではなく、フランス的なところの諸侯がくんずほぐれつやって、落着してみたらあら不思議、イングランドとフランスなる国家が出来ていましたよ、という方が正しいというお話。 国民国家なんてなかった中世ヨーロッパが近代国民国家制度を産み落とす過程のひとつが鮮やかに描かれていると思います。
0投稿日: 2014.01.27
powered by ブクログ2014.1.21 中世ヨーロッパの英仏を知るための入門。これをよんで面白く感じれば、入っていける。 結の そろそろ国民国家の次の分岐点が訪れてもよい ということに賛同できる。
0投稿日: 2014.01.22
powered by ブクログ百年戦争はイギリスとフランスという二つの国を作る戦いだったというまとめ。 なるほどなぁと思わせる話だった。しかしややこしいくらいいろんな名前が…エティエンヌがスティーブンてわけわからん。
0投稿日: 2014.01.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
英仏100年戦争というが、実のところ、イギリスとフランスの戦争ではない。それをつらつらと説明していく解説本だ。 グレイト・ブリテン島は古来、ケルト民族の土地だった。かのカエサルの上陸を契機に、ローマ帝国の支配に組み入れられても、基本的な民族構成は変わらなかった。が、4世紀に始まるゲルマン民族の大移動で、アングロ・サクソン人が段階的に移住してきた。このとき辺境に追いやられたケルト民族の末裔がスコットランド人であり、ウェールズ人であり、また、アイルランド人であるといわれる。新たに渡来してきたアングロ・サクソン人が建てたことから、イングランド(フランス語ではアングルテール=アングル人の土地)と言うわけである。この国に強力な王朝が据えられたのは、ようやく王ウィリアム1世の時代からだった。王位に付いた経緯を言うと、ノルマンディ公ウィリアムは、非力なイングランド王ハロルド1世を打ち負かし、かわりに王位に付いたのだ。そして、即位したウィリアム1世は、御恩と奉公の封建制を全土に敷いて、かつてない中央集権的な国家を築く。これがイングランド史に言う、ノルマン朝の成立である。 すんなりと読めてしまうが、よくよく考えてみて欲しい。ノルマンディ公とは、読んで字のごとく、ノルマンディを治めていたわけだが、ノルマンディという土地はフランスの一地方である。ウィリアム1世は、元を正せば、フランスを荒らしたヴァイキングの首領であり、フランスの懐柔策でノルマンディ(北の人の土地)と呼ばれる土地を与えられ、臣下とされた。ノルマンディ公のフランス語の名前はギョームであり、単純な英訳がウィリアムということであり、フランス育ちのフランス語を話す歴としたフランス人なのだ。イギリス人はウィリアム1世をイギリス人として疑わないだけなのだ。シェークスピアがそのような誤解を与えるような文学史を作り上げ、それが一般論となっただけなのだ。イングランド王国は、フランスのノルマンディ公がドーヴァー海峡をまたいで支配していた土地ということだ。 イングランドはフランス人に征服された国だった。征服王ギョーム(ウィリアム1世)の徹底した仕事によって、この王国には、日本人の感覚にいう、外様がいなかった。イングランドでは圧倒的に王の力が強いのだ。フランスとイングランドは同じフランス人の王が、様々にかわりつつ、時にはイングランド王がノルマンディ以外の土地を征服したり、ノルマンディ公以外がイングランドを征服したりと所有がいったりきたりしていく。時間をかけて、誰よりイングランド王自身が、次第にフランス人であることを止め、ノルマンディ等の大陸の領地に固執しないようになっていった。もう外国だから、もう言葉も通じないから、海を隔てた向こうの国だから、互いに異質なものとして、もうイングランドはフランスから切り離されてしまったのだ。英仏100年戦争とは、フランスがフランスとして、イングランドがイングランドとして、さらにはイギリスとして歩む道が定められた100年なのである。英仏が100年の戦争をしたのではなく、その100年が英仏の戦争に変えたのである。
0投稿日: 2013.11.01
powered by ブクログ私が初めて教科書以外で、世界史に触れた本です。 そして世界史というものの見方が大きく変わることとなった一冊でした。 今までの教科書や授業は”現代的な枠組み”を用いて歴史を振り返っていますが、この本では当時の人々の感覚に近づいて話をすすめていくので、先を知りたい気持ちによってするすると読み進めていくことができました。 また要所要所で家系図があるので流れもとらえやすかったです。
0投稿日: 2013.07.28
powered by ブクログ古本で購入。 これは久々の目からウロコ本。 高校世界史レベルの知識だと、「百年戦争」の図式は イギリスVSフランス てなところだが、実際は フランス人のイングランド王VSフランス人のフランス王 という、フランス人同士の王座を巡る闘争だった。まず、ここで「おぉ」と思わされる。 いや、そもそも当時は「イギリス(=グレートブリテン)」も「フランス」もなかったんだよ、という時点で「確かに!」。 そしてこの戦争を通じて今言うところのイギリスとフランスが形作られる、著者の言葉で言えば「英仏が百年の戦争をしたのではない、百年の戦争が英仏をつくったのだ」。 事ここに及んで「なるほど!!」。 百年戦争は単なる領土争いではなく、両国にとって国家の仕組みを大きく変革させる一大画期だったわけですね。 実はこれらはよくよく考えればわかりそうなこと。 イングランドを征服したのは「ノルマンディー公」だし。当時のスコットランドはイングランドと別個の国だし。 でもそういうのを無視して「百年戦争」というひとつの出来事で覚えてしまうから、いかんのだな。 ついでながら、教科書的な意味での「百年戦争」の期間だけではなく、その前史・後史を合わせて著述されているのがより理解を深めてくれる。 「戦史」と言うより、ある意味「建国史」と言っていい。 それにしても人物が区別できん。名前のパターン少なすぎ。 一体何人のルイやシャルルやジャンが現れたことか!
0投稿日: 2013.07.18
powered by ブクログ百年戦争について。英仏といいつつ戦っているのは同じフランス人であったことに衝撃を受けた。またジャンヌ・ダルクはかなり有名だが、当時の扱いは小娘程度だったようだ。歴史系の書物は自分には読み難くなかなか頭にはいってこなかった。
0投稿日: 2013.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
それは、英仏間の戦争でも、百年の戦争でもなかった。イングランド王、フランス王と、頭に載せる王冠の色や形は違えども、戦う二大勢力ともに「フランス人」だった。また、この時期の戦争は、むしろそれ以前の抗争の延長線上に位置づけられる。それがなぜ、後世「英仏百年戦争」と命名され、黒太子エドワードやジャンヌ・ダルクといった国民的英雄が創出されるにいたったのか。直木賞作家にして西洋歴史小説の第一人者の筆は、一三三七年から一四五三年にかけての錯綜する出来事をやさしく解きほぐし、より深いヨーロッパ理解へと読者をいざなってくれる。
0投稿日: 2012.10.15
powered by ブクログイギリスとフランスの成り立ちがよく分かった。こういう概観をざくっと掴める本を最初に読めば、歴史はもっと分かりやすくて面白くなるのかも。シェイクスピア症候群、知らなかった。歴史上にはこういう思い込みが沢山あるんだろう。
0投稿日: 2012.08.31
powered by ブクログ「英仏百年戦争はあったのか?」と問うところから、終章まで一気に駆け抜け、概念の再構築をしてくれる。 「イギリス」「フランス」の成立を、制度と文化から描いているが、なぜ「英仏百年戦争」なのか、それがぴしりとわかる明晰な内容。 この本を読んでから年表を見たり、記号にしか見えなかった王や諸侯、諸領をみると、それらが有機的に繋がって読めるようになった。 同時期の「神聖ローマ帝国」についても併読するために、菊池先生の「神聖ローマ帝国」(講談社現代新書)を側においておきたい。 良き本だった。 良い本から始めると、芋づる式に良い本につながるなぁ。
0投稿日: 2012.05.09
powered by ブクログ小説家佐藤賢一による百年戦争の概説。さすが佐藤賢一だけあって文章が上手く、百年戦争の概要を学ぶ上では入門書の役割を果たしていると思う。しかしながら、「百年戦争」と銘打っておきながら、戦争描写について詳細なところが少ないのは如何なものか。確かに政治的な問題に主眼をおくのは間違っていないけれども、やはり百年戦争当時の個々の戦争を詳しく説明してほしかった。
0投稿日: 2012.04.11
powered by ブクログとにかく新書を10冊読み切ろうキャンペーン二冊目。再読。百年戦争開始時は国という概念は浸透しておらず、領主vs領主の戦争として始まったという歴史観を元に、百年戦争の流れを追っていく本。著者が小説家であるだけあって読みやすい。読み物として楽しめる。巻末に年表と英仏王家系図がついているのがポイント高し。広域地図がついていたらなお良かった。
0投稿日: 2012.04.07
powered by ブクログ14〜15世紀頃のお話 イングランドはフランスの一部だった 二大勢力はともに「フランス人」であった。 国の感覚は希薄で、領地の感覚が一般的であった 戦争を通じて、中央集権国家が誕生した 大陸はフランスのものになり、それから随分後イギリスは海洋国家となった
0投稿日: 2012.03.14
powered by ブクログ最も好きなゲーム、「ファイナルファンタジー タクティクス」の題材となっている薔薇戦争について知るために購入。 やたらと結婚しては相続し、子供が生まれ、財が諍いを生み‥読んでいてわけがわからなくなった。ただ、それは史実がそうだからであって、そういうものの中では恐らく割と読みやすい方だったんじゃないかと思う。 又、初めから国家があったわけではないということはある面衝撃的な事実で、歴史学を考えていく上で重要な示唆を得ることが出来たように思う。
0投稿日: 2012.02.12
powered by ブクログ・登場人物が多すぎる。 ・登場地名が多すぎる。 学生時代に日本史を専攻してした為に、世界史の基礎知識がまったくない。そんな私にとって、この2点を整理しながら読み進めるのは容易いことではなかった。 えーと、この人は誰なんだっけ? ブルゴーニュとブールターニュ、どっちがどっちだっけ? 系図や地図を何度も確認しながら読んだ。 途中、わからなくなってうやむやなまま飛ばしてしまったとろこもある。 それでも、非常に面白かった。 フランスをあれだけ嫌っているイギリス。 その王の祖をたどれば、フランス語しか喋れないフランス人だったなんて。 有り難いことに、要所ごとにピンポイントな地名を記した地図や詳しい系図が配されている。これらは、文章だけではイメージしにくい地理的関係や、非常にややこしい血縁関係の理解を助けてくれた。 作者は「なかんずく」と言うワードを使うのが好きみたいで、よく出てくる。 すっかり感化された。 「なかんずく」を使うのがわたしの密かなブームとなっている。
0投稿日: 2012.02.04
powered by ブクログ読み口は軽くて、文章もシンプルなので手軽に読める。 で、中世には「イギリス」も「フランス」も存在しなかった、という意見は 知らない人には新鮮なのかもしれない。 しかし、当時の背景や封建制という制度をある程度知ってる者としては 何を今さらという感じだし、しかも英仏で君主制による中央集権国家が 確立していく様を指して「国民国家の誕生」というのはあまりにも酷過ぎる。 わざとわかりやすくしているのか、それとも天然なのか無知なのか。 著者は何冊かこの時代の本も書いているようなので やっぱり知らない人向けに無理矢理、 今のイギリスフランスにつなげるためにそういうストーリーにしたのかな、 と感じざるを得なかった。 シェークスピア原理主義とかは面白かったけど、 そんなあたりが引っかかって、結局ちょっとレベルの低い本だったかなという所感。
0投稿日: 2012.01.21
powered by ブクログ百年戦争時代の政治情勢は複雑で、様々な血縁関係や国際関係を追っていくだけでも楽しいものです。 この著作はそんな百年戦争を取り上げたもので、その前史から振り返ることでイングランドとフランスとの奇妙な関係を紐解いていきます。そしてそのしがらみから百年戦争へ・・・。 著者は百年戦争を舞台にした『双頭の鷲』を書いており、この著作も物語性も含んだ歴史叙述で非常に読みやすかったです。
0投稿日: 2011.12.06
powered by ブクログ本書はノルマン・コンクェストからのいわゆる<英国史>を説き、「英仏百年戦争」という概念が近代に向けて中央集権国家そして国民国家史観によって成立した点を明らかにしていきます。西洋史とりわけ中世・近世西欧史で私の知識が一番混乱しているのが実はこの百年戦争前後の英仏なのですが、この頃のヨーロッパでの<国>という概念が今とは異質であって、現代の国家体制に慣れ親しんだ頭ではなかなか理解しづらいものだったからです。そういう意味では、歴史はすべからく線や面での理解が必要であることを改めて再認識しました。これまで著者の作品は読んだことなかったの、これをきっかけに読んでみようと思いました。
0投稿日: 2011.11.13
powered by ブクログ最後のあとがきで★3に。ということで備忘録。 歴史はフィクションであると冒頭で暴言している。 そうした仮定の上で言えば国民国家という大前提は フィクションを作る上での約束事なのだといえる。 が、その約束事もフィクションなのだとそのことを 忘れるべきではないだろう。あるいは発明といってもよい。 いや、一種の流行とされ言えなくもない。 はじめに国民国家ありきの歴史叙述もほどなく流行遅れに ならざるおえなくなるだろう。歴史だけが国民国家の くびきにつながり続けるならば思考と実践の間に乖離が 生じるからである。
0投稿日: 2011.10.07
powered by ブクログ歴史の本には、その道のプロによるものと、作家の余技と言えるものがある。殆ど専門家と変わらない知識を有する作家もいるが、作家と専門家を分ける分水嶺は、知識ではなく歴史を扱うときの態度であろう。作家は、歴史を生き生きと伝えるために、物語を作ることにためらいが無い。一方、専門家は、自分のアクセス可能な資料から、慎重に歴史の流れを拾い上げていく。作家の著作のほうが専門家の著作よりも素人にはなじみやすいが、読んでいてどことなく作為的なものを感じるケースも、やはり作家の著作に多い。塩野七生女史などは、その典型である。本書の著者である佐藤賢一も、どちらかといえば作家寄りの素養の持ち主であるらしく、親しみ溢れる語り口が持ち味だ。 英仏百年戦争を「ナショナリズムの発生過程」と位置付ける本書の立ち位置が、はたして専門家の見解の一致するところなのかどうかは、私には分からない。しかしながら、それが英仏百年戦争を素人にも分かりやすく説明するには魅力的なパラダイムであるとは言えそうである。世界史教科書の内容を一通り覚えている人には、結構面白いかもしれません。
0投稿日: 2010.12.12
powered by ブクログ巻末に年表があるが、普通この手の本の巻末年表は本文を簡単にまとめたものなのに、なぜか本文より巻末年表の方が詳しい。本文表現とも違う表現だったりするので、この本のために書かれた年表ではないのでは?と思った。むしろこの年表読むほうがいいんじゃ、くらいな感じ。
0投稿日: 2010.11.22
powered by ブクログ新書だしどうしてもとっつきにくい感じはありますが、読んでみると案外ライト。大体は時系列です。資料として読みました。 巻末にイングランド王家とフランス王家の家系図あり。 百年戦争の入門書として使う分には良いんじゃないでしょうか。 出来事というよりその場の人物に焦点を当てて解説しているパートが充実していますので、シェイクスピアの歴史系が頭に入っている方はそれを頭から追い出して読まないと混乱すること請け合いです(笑)。
0投稿日: 2010.10.23
powered by ブクログ史実を理解させようとする整理が足りない感じ。それだけでも読みにくく、さらに羅列される史実の中に唐突に筆者の主張が挿入される形式が、さらに読みにくい。 「イギリスはなかったのだ」という視点は(ありきたりながら)面白いけれど、その視点の反証となる歴史をあまりに切り捨てすぎているように思う。 単純に英仏百年戦争に興味のある人(自分を含む)は、もう少し史実分析に重みをおいた本を読むべきだなあ。
0投稿日: 2010.10.09
powered by ブクログ近現代での見方では英仏の戦争は国の威信を賭けたものだろうと思わされますが百年戦争当時の英仏王は実は両方ともフランス人で血縁により領土を取りあっただけ、しかし戦争を通じてナショナリズムが成長して英仏は独自の歴史を切り開いていくという流れを実に上手く書かれています。この時代の登場人物は興味深い人ばかりなので百年戦争に今まで興味が無かったような方でもきっと楽しめる本だと思います。
0投稿日: 2010.07.18
powered by ブクログ「英仏が百年戦争した」のではなく 「百年にわたる戦争が起こったことで英仏という国ができた」 大体そんな結論だった気がする。 文章の書き方が面白かったので、普通の論文とはまた違う気持ちでするする読むことができました。ただの読み物としても面白いです。 英仏の王室、おんなじ名前の王様とかおんなじ名前の人物が山ほど出てくるので、誰がどんな事件に関与していて、どうしたから何があった、みたいな流れをつかむのが、大変でした… 索引と年表、家系図が巻末に付いているので見合わせながら読むと分かり易かったのかもしれません。面倒だったのでやりませんでしたが…
0投稿日: 2010.06.07
powered by ブクログ必要に迫られて読んだ本ですが、結構興味深かったです。100年戦争の経緯だけではなく、この戦争が英仏にもたらした影響について学べたのが楽しかった。
0投稿日: 2010.05.28
powered by ブクログ[ 内容 ] それは、英仏間の戦争でも、百年の戦争でもなかった。 イングランド王、フランス王と、頭に載せる王冠の色や形は違えども、戦う二大勢力ともに「フランス人」だった。 また、この時期の戦争は、むしろそれ以前の抗争の延長線上に位置づけられる。 それがなぜ、後世「英仏百年戦争」と命名され、黒太子エドワードやジャンヌ・ダルクといった国民的英雄が創出されるにいたったのか。 直木賞作家にして西洋歴史小説の第一人者の筆は、一三三七年から一四五三年にかけての錯綜する出来事をやさしく解きほぐし、より深いヨーロッパ理解へと読者をいざなってくれる。 [ 目次 ] シェークスピア症候群 前史(それはノルマン朝の成立か それはプランタジネット朝の成立か 第一次百年戦争) 本史(エドワード三世 プランタジネットの逆襲 王家存亡の危機 ほか) 後史(フランス王の天下統一 薔薇戦争) かくて英仏百年戦争になる [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
0投稿日: 2010.05.08
powered by ブクログすっかり世界史を忘れていたので、作家さんなら読みやすくわかりやすいかなと思い読みました。 確かに、いい意味でわかりやすく読みやすくて面白かったです。
0投稿日: 2010.05.01
powered by ブクログフランスの100年戦争は有名ですよね。イギリスとフランスの戦いでジャンヌダルクが活躍する話です。歴史が好きなら一度は読んでみていい本だと思います
0投稿日: 2010.02.01
powered by ブクログ直木賞作家ですね、さすがとしかいいようが。 文章はめちゃくちゃうまくて、するする読めます。 ただ、勢いで読みすぎちゃうので、読み返したくなる。 金さえあれば、買います。
0投稿日: 2010.01.24
powered by ブクログ文章もわかりやすくて、硬すぎず、ゆるすぎず。戦況はわくわくしながら読めました。小説にも手をだそうかな。
0投稿日: 2009.11.17
powered by ブクログわかりやすくて面白い。フランスに持ってて読んで、途中で止まってる。 シャルル5世のファンになった。
0投稿日: 2009.11.09
powered by ブクログ百年戦争、という世界史のなかでも希な、巨大な事象に対して、独特の視点で切り込んでいる大変興味深い本。 歴史の流れと合わせて原因・結果が分かりやすく示されており、「何故それは起こったのか」「それは世界史にどういった影響を与えたのか」を明確に掴むことができます。 全て起こるべくして起こった歴史という人事を、納得できるように描かれている点が好ましいと思いました。 またよくある歴史書のように事象を並べたてたり、年代を過度に書き連ねたりということがなく、小説のような語り口なので、歴史書に不慣れな読み手にも入りやすいのではと思われます。 勿論歴史に対するには個人的な観点に依ることは避けなければならないので、この一冊をひたすらに信じ込むのは良くないことだと考えます。 逆に、他の多くの「百年戦争」に関する著書と比較して読むには、この本はうってつけでしょう。 独特の目線と、はっとさせられるような歴史の帰結を明示している点が、実に印象的な著作でした。
0投稿日: 2009.11.06
powered by ブクログこれはわかりやすい。 百年戦争は「フランス人」同士の内戦だった。 この、教科書では教えてくれない事実がこの本のポイントである。 しかし、個人的には初期の頃、イングランドはノルマン人にとっては植民地に過ぎなかったというのに驚かされた。よく考えれば、食いつめて国を出たオードヴィル家の方と違って、ギヨームはれっきとした君主で何よりも、ノルマンディーは豊かだった。王国になったからってすぐそこが本拠地になるとは限らないというのは至極当然である。 また、獅子心王リチャードがイングランドをずーっと留守にしてたのも、彼が元々アキテーヌ公でそもそも、ノルマンディーが奪われるまでは、歴代君主は皆イングランドにあまり居ないのが常態だったということもあるのだろう、彼の蛮勇以外としての理由にも。 そういう意味で考えると、ノルマン人の拠点をほぼ奪い、結果的に英仏の国民性の歴史を動かした尊厳王フィリップと逆にそれを奪われた、失地王ジョンは教科書的な意味以上に、名前が現実味を帯びているように思える。 この本は教科書的な歴史のトリックを暴いてくれる名著であると思う。是非世界史を勉強してる学生に勧めたい。 (2009/7/2読了)
0投稿日: 2009.06.18
powered by ブクログサトケンとの出会いの書。 100年戦争っていったいなにがあったの? とおもって、偶然これみつけたんだよねー。
0投稿日: 2009.04.28
powered by ブクログ百年戦争とかばら戦争とか意味プーだったので読みました。 百年戦争はフランスとイギリスの戦争ではなく、百年戦争を経てイギリスとフランスが出来たという説明が非常にわかりやすかった。 とはいえ、「いち貴族が領有する土地フランス(イギリス)」から「”国民”意識をもつ国民が存在する土地フランス(イギリス)」という落ちにも関わらず、名も無き平民を土台とするナショナリズム意識がどのように醸成されたかについては、ジャンヌダルクだとか一揆くらいに触れて「百年戦争を経て形成された」という説明にとどまり、いまいち経緯のイメージがつかない。貴族の政争の影で平民がどう動いたかがあんまり説明されてないというか(資料が無いんだろうが)。 んー、戦費のための課税やらを通じて「この原因はやつらだー!」見たいな感じで戦争の当事者であるところの貴族も知らないうちにに平民の間にも当事者意識が芽生えたみたいな?書いてあったかな… この人王妃の離婚とか傭兵ピエールとか書いてる人だったのね。 小説の方も読みたい。
0投稿日: 2009.03.14
powered by ブクログさすが非常に読みやすく書かれている。 内容も英がフランス文化圏であったことを強調しているため、フランスよりに見えるが、 概説として流れをつかむには上等だと思う。
0投稿日: 2009.01.21
powered by ブクログ百年以上にわたり続いた英仏間の戦い。それはイギリス対フランスではなく、フランス人対フランス人の戦争だった。 英仏百年戦争の流れがわかりやすく書いてある。巻末には年表も。 イングランド人は同じ島に住んでるスコットランド人やウェールズ人よりも、海を渡った向こうにいるフランス人の方が民族的に近しい存在なんだとはじめて知った。
0投稿日: 2008.12.16
powered by ブクログわかりやすかった。西洋史に疎い自分でも何とかなるくらい! 何か困ったらまた開きたい本だ。 さすが作家さんの書いた本なのかも^^
0投稿日: 2008.10.15
powered by ブクログ黒太子エドワード、シャルル5世、ジャンヌ・ダルクなどで有名な百年戦争を解説。前史・本史(百年戦争)・後史の三段階で解説してくれるのでいきなり読んでも理解できる
0投稿日: 2008.08.12
powered by ブクログ世界史で必ずと言っていいほど習うのに、その内容をほとんど知らない、という事件の典型のような、百年戦争を過不足無く解説してくれる本です。 どうにも歴史の解説書というのは、読んでいると眠くなるという副作用がついて回るのが世の常、という印象を受けるものですが(そういう本は徹頭徹尾「客観」を貫いているという点で個人的には好きなのですが)、この本は本当に面白かったです。王権=国家に直結せず、それどころか国家という概念自体が人々の意識に存在しなかった時代に起こったこの戦争は、英仏両国に「国家」概念を抱かせるきっかけとなった、という視点はとても興味深いものがありました。互いをライヴァルとして意識しながら、片やイギリスは「自分たちのフランス人」という思いから解放されてブリテン島の統治に本腰を入れるようになり、片やフランスは、諸侯があふれかえるモザイク国家同然の王権から、中央集権制国家へと脱皮する突破口をつかむ。そのことが、平易な文章で、登場する人物の個性をふんだんに取り入れながら語られていきます。両国にとって、そのプロセスは相当な痛みを伴うものだったでしょうが、それが後世に残した遺産は、現在の両国を見れば言わずもがな、でしょうか。 著者の本職(?)は作家なのですが、末尾についた参考文献をみると、もうこれは学者のような仕事だと感じさせます。高野史緒氏の作品を読んでも思いましたが、その知識量は並大抵ではありません。しかし、専門的な歴史の著述書にはない、登場人物たちの「生きた姿」を描き出す文体は見事の一言で、読む者を飽きさせることがありません。こと「語ること」に関しては、さすがは作家と感心しきり。歴史の著述にこれほど適した職種は、きっと他にはないでしょう。 (2008年5月 読了)
0投稿日: 2008.05.16
powered by ブクログ百年戦争に至るまでの二国の情勢、戦争間の出来事について簡潔に書いてあります。 さらっと読めますが地図があまり使えないのである程度前知識が無いと駄目かも。
0投稿日: 2008.03.28
powered by ブクログ凄く読みやすかったしわかりやすかった。 しかし100年の間に同じ名前の人い過ぎでびっくり。家系図超混沌。 (P118-12がなんだか感慨深かった。)(r)
0投稿日: 2008.02.09
powered by ブクログ英と仏。 なんとなくイメージでしかとらえていなかった両国の関係がわかりやすく説明されている。 結局英仏百年戦争とはフランス人同士の領地争いだったとは。。
0投稿日: 2006.12.13
powered by ブクログ中世封建制で「イギリス対フランス」の戦争が成立したのが疑問だった西洋史入門者の私ですが、この本で頭のうえの霧が晴れました。「百年戦争」という呼称こそ、後年のナショナリズムが生み出したロジックなのです。世界史の教科書に(さらには日本史にも)まんまと騙されてた感じ。
0投稿日: 2005.05.05
powered by ブクログ14世紀に戦われた「英仏百年戦争」。いったい、本当に「百年」戦争だったのか、なぜ歴史的大事として語り継がれるのか。前史から丁寧に紐解くことで、この戦争がもつ意味を「国家」というテーマで解説していく。 -------------------------------------------------------------------------------- 佐藤賢一、3冊目。前2冊は歴史小説ですが、こちらは歴史考察的な読み物です。英仏百年戦争とは何だったのか、という切り口から、国家の成り立ち、国民の意識の形成といった問題に立ち入っていきます。 非常におもしろい!冒頭から「イギリス人にとっては、百年戦争の勝者はイギリス!(常識としてはフランスです、念のため)これぞシェークスピア症候群」という書き出しで引き込まれます。百年以上の歴史をまとめて語るので、深みや詳細には欠けるかもしれませんが、概観書として素晴らしい。イギリスとフランスの関係を語る上で、日本人にはピンと来ていない非常に重要なポイントを提起していると思います。
0投稿日: 2005.04.04
