
総合評価
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powered by ブクログ『千年の黙』に続く、紫式部を探偵役とした王朝ミステリー。 今作も、平安の貴族社会ならではの設定の縛りが生かされ、かつこれまでに指摘されてきた『紫式部日記』謎の解明もなされていて、紫式部や阿手木のその後も描かれ、二重三重に楽しめた。 さらに、フィクションとはいえ、1000年前と社会の根本は変わっていないのかも、と思わせるような、踏み込んだ謎解きもあり、前作よりも読みごたえが増したように思う。 一方で、牛車の移動のように展開はゆっくり。勢いで読むタイプの作品ではなく、読了までに時間がかかってしまった。
1投稿日: 2025.05.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『紫式部日記』の作者は紫式部ではなかった、という大胆な仮説の基に描かれる王朝ミステリ。 書写が基本の古い時代の物語や日記は、当然だが書写されなければ次世代へ伝わらなかった。数ある草子の中からこの『日記』を伝えようと当時の人が判断した決め手はなんだったのか。『古書の来歴』という名の本があったけれど、歴史ある書物とか過去の読者たちのバトンリレーによって命脈を保ってきたのだなぁと思うと古典と呼ばれる作品群は例え自分の好みとは合わなくてもあだ疎かに扱ってはならないのだなぁと感じた。
0投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログ紫式部を探偵役にしたミステリの第2弾で再読。今作では「紫式部日記」を題材にしている。これは誰もが知る「源氏物語」とは、比べようもないくらい知名度が低い。なぜならば、つまらないから。作者いわく、「中宮彰子の出産ビデオ」みたいなもの。要はただの記録に過ぎないということ。さらに作者は、どうしてこんな日記が生き残れたのか疑問を呈している。そして今作が解答(?)となっているのだ。 中宮彰子の出産の記録をまとめるように命じられた紫式部。そして彰子は待望の皇子を出産する。白一色に飾り立てられ、喜びに沸き立つ道長の屋敷。そこに最近都を騒がす盗賊の一人が逃げ込んだという知らせが入る。くまなく捜索し、屋敷への出入りもチェックするが、盗賊の影も形も見当たらない。盗賊の行方は。そしてその正体とは。さらには屋敷の床下に埋められていた呪符が見つかる。一体誰が埋めたのか… 前作よりミステリ色が強いが、当時の女性たちの置かれていた立場をうまく咀嚼かつ消化して書かれてると思う。そして前作から8年近くも経っての出版なので、文章がこなれており、読みやすくなっている。あらかじめ、前作の「千年の黙」を読むことをお薦めする。 それにしても「千年の黙」の方は、あらすじを覚えていたのだが、こちらはほとんど覚えていなかった。 千年の黙 異本源氏物語 https://booklog.jp/users/xaborgar/archives/1/4488482015
37投稿日: 2024.05.27
powered by ブクログhttp://denki.txt-nifty.com/mitamond/2015/08/post-14bb.html
0投稿日: 2020.02.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
心に食い込んでくる源氏物語の力、というものを、思い知らされました。本を読むのは好きなほうですので共感できなくもないですが、残そうという強い気持ちを掻き立てられる作品なければ、こうして伝えられて来たかどうか。 それが現代でも、スピンオフ作品と言える物語を生み出す、すごいと思います。なにせ千年ですからね。 と言いつつ、単純にそれだけではないとも思います。忘れたくないのは、今、ここにいる人間に、前作に続けて「購入」させて「読ませる」ているのは、疑いなく作者の力なのだということ。それも意識していたいし、物語を作ってくれた存在には、感謝をしたいものです。それが千年前のひとでも、現代のひとでも。
0投稿日: 2018.10.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最近の「探偵もの」は予想も付かない人物を探偵に据える。 この本を手に取るまで、まさか紫式部が探偵役になるとは思ってもいなかった。 そもそも私は、(非常にどうでもいい話ではあるが)紫式部という人物を好ましく思っていなかった。清少納言のほうが好きだし、和泉式部も紫式部よりは好きだ。なんとなく「一の字も書けない振りをするいけ好かない女」というイメージが先行してしまう。和歌でも、機転の利く清少納言や感情を揺り動かすような和泉式部、そして品があり優雅な赤染衛門のほうがいい。もちろんこの3人も登場する。 式部の君(紫式部)は道長の娘彰子の女房の一人として宮仕えをすることになる。時期としては清少納言の仕えた定子は亡くなっており、彰子がまさに帝の子を出産するというころ。女房たちの様子を日記として纏め上げる役を式部の君は与えられる。源氏物語も世に出ており、文才を買われてのことだった。そんな中、都に盗賊が現れる。その盗賊は、式部の君のいる邸宅に忍び込んだ。しかし彰子の出産のため、人が多く出入りし宴が催されるなか誰にも見られずに姿を消したらしい。道長からの依頼もあり、この謎を追いかけるが…。 平安貴族って面倒くさいんだな、と思えるような回りくどい話し方。さりげなく何気なく引き出した言葉から真実を突き止めていくというのはかなり新鮮だった。 しかし時代設定もあるが、かなりグレーな落としどころになっている。ほんのりもやもや。 赤染衛門はとても嫌な女性だったが、和泉式部や清少納言の描き方は好ましかった。意外と紫式部と仲良くしているので「あれ、紫式部日記と書いてること違う」と思ったら、そうかなるほど、というオチがあった。この発想は単純にすごい。女房たちそれぞれの日記を繋げて「紫式部日記」となっているのね…。なるほどでした。 でもミステリーとしては個人的にはもうひとつかなあ。 天上人の雅やかな世界は九州の雑な人間からしたらまどろっこしいや…。
2投稿日: 2016.05.27
powered by ブクログ探偵・紫式部第二弾。こちらは紫式部日記のでき方をベースにした物語。 物語の本筋の推理もおもしろいけど、 紫式部の周辺を取り巻く部分もびっくり。 綺麗に張られた伏線が見事に回収されててすっきりした。 そしてやっぱり道長は憎らしい。
0投稿日: 2016.03.10
powered by ブクログ源氏物語を書いた背景の1巻と続けて読みましたが、紫式部日記を背景にしたこちらも面白かったです。謎そのものの不思議も良いのですが、式部はもちろん端役まで登場人物の人柄や間変え方、人間関係が実に生き生きとしてます。上つ方々の悩み、下々の悩みが今の世界とそう変わりなく身近に思えます。3巻も楽しみです。
0投稿日: 2016.01.02
powered by ブクログ一作目の存在を知らず、こちらを先に読んでしまいましたが、これはこれで完成している話でしたので問題なく楽しめました。でも人物関係などを楽しみたいのであれば、順番通りに読んでいたらよかったのかも。
0投稿日: 2016.01.02
powered by ブクログ時は平安。人々の注目を集めるひとりの女性がいた──その名は紫式部。かの『源氏物語』の著者だ。実は彼女は都に潜む謎を鮮やかに解く名探偵でもあった。折しも、帝が寵愛する女性が待望の親王を出産、それを祝う白一色の華やかな宴のさなかに怪盗が忍びこみ、姿を消した。式部は執筆のかたわら怪盗の正体と行方に得意の推理をめぐらすが……。鮎川賞受賞作家による王朝推理絵巻。著者あとがき=森谷明子/解説=細谷正充
0投稿日: 2015.08.26
