
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この作者は、どうしてこんなにも、心の奥底をえぐってくるのでしょう。 誰にも知られたくない、秘密にしている事柄を 容赦なくあからさまにしていく。 読んでいる方の心が痛くなるほどに。 虐待被害者であった主人公が、殺人犯になってしまう。 前半は、主人公が虐待されていた過去と、愛してくれる人に出会い、幸せを手に入れた生活、 後半は、その幸せが壊れてしまってい。殺人を犯し、その判決が出るまで。 主人公の目線で、淡々と、進んでいく。 それが、どれほど目を覆いたくなるような事であっても。 そのせいなのでしょうか。 読みすすめるのに結構時間がかかった。 ひとつひとつが重く、辛く、人間の残虐さ、自分の中にもあるものを、いちいち見つめなおさせられながら読んでいたからなのかもしれない。 あとがきにあるように、作者は、実際に虐待被害者と言われる人々と、真摯に話を聞き、全てを受け止めてきた経験を持つ。 だからこそ、リアルで、読んでいてきつい。 でも、そのきつい体験を実際にしてきた人がいるのも事実なんだ。 人間という生き物は、複雑だ。 時に残酷で、時に慈悲深い。 社会的ネグレクト。 日本という国の問題。 頭で考えるとわからなくなる。 頭で考えるのではなく、心が感じたように行動できれば、悩みも後悔もないのかもしれない。 日本人は「愛してる」という言葉を伝えるのが苦手ですよね。 私自身、記憶の中で家族から言葉でそう言われた事はありません。 「恥ずかしくて言えんわ!」 というのが、たぶんワタシん家の家族の心情でございましょう。 ええ、ワタシも言えません。面と向かっては。 そして、日本人は、ハグも苦手ですよね。 実際、自分の親兄弟をハグしたこと、ないと思います。されたこともないかも・・・ あぁ、でも、おとんの膝に乗りまくってたので、あれはセルフでハグされにいってたようなもんで、それをおとんも拒否しなかったということは、自然にハグされてたようなもんなんかもしれませんね。 あぁ・・・自分は愛されていたんだなぁ と 今ちょっと目から汗が・・・ 甥っ子がまだまだちびっこだった頃には、ハグしまくってました。 最近はさせてくれません。下のちびっこはまださせてくれるかなぁ・・・ こないだ、おかんの誕生日に「おばーちゃん誕生日おめでとう」って、ワタシのおかん=甥っ子のばーちゃんをハグしたらしいので・・・・ おかんが自慢げに電話したら話してたw てーことは、おかんはハグされたら喜ぶんか?今度実家に帰ったらやってみる・・・? 上のちびはもう嫌がる・・・・恥ずかしがる が 正解? 実際の所、大人になってから、友だちとか、ハグしまくってる気がします。 セクハラじゃないヨ。 案外みんな嫌がりません。ハグしかえしてくれます。 落ち込んでる時とかハグされると、涙がでそうになります。 ハグされるって、体の奥底がとろけるような感じで、癒されます。 この本の主人公の北斗は、里親の綾子さんに出会ってから、暖かい、とろけるような愛を感じる事ができるようになった。 後半で、実母にあったとき、歪んでいるけれども、愛されていたんだ と気づいた。 愛というのは、色んな形がありますね。 でも、できることならば、歪んだ愛よりも、分かりやすい愛でお願いします。 せっかくの物語なのに、脱線して終了。 スマヌ・・・・・・
0投稿日: 2026.02.06
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わたしの星はどれだけ感情を揺さぶられたか、を、基準につけている。この本を読みながら、母を想い、死刑を考え、生きることを思い涙が溢れた。
0投稿日: 2026.01.12
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約2週間、端爪北斗と生活して沢山のことを学ばさせていただいた。 私の考えも交えて書いているので、お気に召さない方は、、うーーん、、頑張ってください、、、 ----------------------------- 初っ端「端爪北斗は誰かに抱き締められた記憶がなかった。」一体全体、こんな衝撃的な始まりは無い。炊飯ジャーのご飯、自動販売機の温もり、帰宅までの遠い夕日、どれも人じゃない幸せ。人からの幸せ(愛)を代替出来るものを探していたのだろうと胸が痛くなった。 虐待の描写は、ページをめくる度に加速し、手が動かなくなって涙がこぼれた。小さな北斗に起こる有無を言わさない罰。 自分自身を愛せなかったら、自分の血が流れてる言わば分身、子も愛せない。毒親は連鎖すると言うが、綾子が死ぬ間際のお花見で、「あなたは最後にはお父さんに負けなかった。それを証明するには、しっかりと自分の子どもを愛して育て上げなくちゃいけない。北斗くんには絶対できるからね。」がとても印象的で、連鎖を断ち切ることは叶うが、あばらの道だと考えが改まった。 四日目の法廷、北斗が水の中で泣いている北斗自身の涙に気づけて本当によかった。 自分自身が本当の気持ちを感じないまま過ごすのは、死んでいるのと同じ。明日美ちゃんの「生きて」に込められた力でやっと、死に続けてた北斗が生き返った。しかし、2人の犠牲者を生み出さなければ、北斗を生き返らせるピースが揃わなかったこと、救いがないように思える。 北斗と同い年の私が人を殺さずに生きているのは、周りの人の沢山の軌道修正のおかげなんだと痛感した。殺人者は悪魔の様に見えるが、ほんの少し前までは何の変哲もない一般人だったのだ。私も1年後被告人になっているかもしれない。 人を殺さないのも偶然、人を殺すのも偶然。全て瞬間の積み重ねで起きてしまう。ならこの世からいじめが無くならないように、虐待も無くならないのだろうか。きっと、表裏一体なんだと思う。だからこそ、関わる全ての人に少しでも優しくありたい。 世の犯罪の裏側、司法の意義、秘密裏に蔓延る虐待、北斗と共に学べたこと感謝します。多くの経験から生み出されたこの本に敬意を込めて。素敵な時間をありがとうございました。 【この本に出会ったきっかけ】 SNSで約1年前ほど出会った人のオススメ。 誰かの好きな本、映画、音楽。それらを知ると、その人の目を通して世界を見れるようで。彼は、大人になることが不安に感じる私の数少ない、大人に希望を見い出せる存在だ。 オススメされた本は読んだ後に、考えを共有することができて、一層思考が深まる。私の誇れる趣味の一つだ。 【追記】 ・ifもしも私が登場人物だったら 私はわがままに生きてきたから、美沙子なら至高と離婚して(殺すと脅されても私が先にしてるはず)、温かなご飯を息子にお腹いっぱい食べさせたい。そして北斗なら自殺していたと思う。 私は母親の偉大さを知った。私が生まれてすぐ、父親の借金が発覚したらしい。愛した男と家庭を築く決意を放棄してまで、私を守り育ててくれた母は誇りだ。父親の顔は3歳頃のクリスマスの思い出で最後だ。顔も声も温もりも、最後まで記憶に残る匂いも、覚えてない。というより、そんなものあったか?まるで、精子提供を母が望んで生まれたくらい興味が無い。父親ではなくて、ただの遺伝子。きっとそう思えるのは、母の愛あってこそだと感謝してもしきれない。 母に、もしも美沙子だったらどんな行動をとったのか聞いてみた。その答えでもっと好きになった。
2投稿日: 2025.12.11
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産まれてからずっと壮絶な虐待を受けてきた主人公。奇跡的に大人になれた。 彼は初めて愛してくれる人に出会えたが、詐欺によりその人の金を奪われ病気で亡くしてしまう。 詐欺の相手に復讐しようと試みる彼は殺人者になる。 ここから逮捕、裁判という流れで彼も知らなかった過去を知ったり、もはや求めていない人の優しさに触れる。 終始辛いお話でした。 子どもを虐待する話は文字でもしんどいですが、裁判中の証言で乳児の頃からと知りおかしくなりそうでした。 サイコパスと言えばそうなのでしょうが、精神病院に行ったほどなので至高はずっと病んでいたのかもしれません。彼に付き合い続けた母親は最低ですね。 子と一緒に逃げる選択をしなかった理由が描かれていなかったのでこいつがクズだと思います。 美談のようでしたが北斗の弁護士は役者でした。第三者が世の中のニュースで信じられない判決を見たときに活躍するのは彼のような弁護士なのでしょう。 人を2人以上を殺して死刑以外の判決が出たニュースにはそのようなメッセージを煽っているように思っています。 北斗も同じ考えかと思います。 違うストーリーできちんと生田を殺してほしい。
2投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログ圧倒的な表現と一切無駄のない描写で、端爪北斗の約20年の壮絶な人生を見届けた思いがした。文庫本578ページの重みと、開いた時の行間の狭さに一瞬たじろいたけど、読み始めてすぐ引き込まれ目を離すことができなくなった。 虐待児童の報告件数は、最新の調査で約22万件だそう。こんな現実があることは聞いていたけど、普通の家庭で育った自分にとっては、その想像すら絶する環境だった。自動販売機が温かいなんてことに、一体どのくらいの人が気づくことができるんだろう。 でも北斗のストーリーは、その虐待から脱した時点では半分も終わってなかった。終始ぶれない視点で、彼の20年間を見つめることができた。 週末の2日間で読了。こんなに引き込まれたストーリーはほかにないかもしれない。
6投稿日: 2025.03.23
powered by ブクログ途中から、なんの話なんだろう、と思いながら読んでいた。虐待をサバイブした主人公が殺人を犯してしまった話? そんなポルノみたいな小説を石田衣良が書くはずない。事件が起きてもまだ200頁以上残っている。これはなんの話なんだろう。衣良さんはなんのためにこの話を書いたのか。 裁判の、司法の可能性の話なんだと気づいたとき、本当に震えました。弁護人は北斗の境遇を理由に彼をとことん弁護する。検察は被害者二人のあげられない声の代わりに無念や怒りを淡々と訴えつづける。揺さぶられる北斗。虐待を生き延びるため心を殺すことに長けた北斗の、岩のように頑な心を、揺さぶる力が裁判にはあった。あるんだ、と、これまで考えたこともなかった、司法にかよう人の血の熱のようなものを感じました。裁判制度を築き、守り、迷いながらもつないできた人々の想いがわかった。裁判の意義がわかりました。ひとを裁くことはひとを生かすことなのだとわかった。実際の生き死にとはべつに、加害者を自分の心のほんとうの核と向き合わせること、逸らそうとする目の瞼を切り取るみたいな、被害者遺族の想いを汲んだ上での強烈なパワーを唯一実行できるのが裁判。そうなんだ。うまく言葉にできなくて悔しい。 衣良さんはいつも光を書くな。
2投稿日: 2025.02.28
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今年はまだあまり読めてないですが、今年1番じゃないかなと。読み始めると話に入り込み…北斗の幸せを願い、最後まで裁判を見届けました。 以前死刑制度について書かれた本を読んだ事を思い出しました。きっと北斗は毎日被害者を思い出し、反省し、裁判長に言われた通り、日々罪を償い生きていく。きっとこれが本当の償いなのではないかなと私は思います。 虐待、復讐、死刑制度、様々な事を考えさせられるとても重い一冊でしたが、本当に読んで良かったと思います。
5投稿日: 2024.10.01
powered by ブクログ上司の勧めで読んでみた。今年に入って既に百冊近い本を読んだが、その中でも五本、否、三本の指に入る傑作中の傑作であった。 この世全ての不幸を煮詰めて凝縮した果てで、取り返しのつかない罪を犯し無辜の人々から怨まれ死を願われる。主人公・北斗は自身生きる意味を見失い、態と己の不利になるように振る舞うが、それでも北斗を生かす為に死力を尽くす人達が居た。 これ以上無い不幸のどん底で、それでも生を勝ち取る意味とは。生半可な覚悟では迚も読めない。本作の読者は北斗と共に主題に真剣に立ち向かう意志を要する。
5投稿日: 2024.09.19
powered by ブクログ一生続く地獄の中に時折見せる人の温かみが心に沁みました。自分が思ってるよりも、周りには自分の力になりたい、そう考えてくれてる人がいる。北斗のこの先の人生に幸せだと思えることだけが起こるといいのに。 読むのにすごくエネルギーが必要で今すごく疲れてます。でも読んでよかった
6投稿日: 2024.08.13
powered by ブクログやっと読み終えて、ホットしたのが実感です。北斗君の心がようやく見えてきた最終章、彼の将来が見えて良かった。 トラウマと言うことばがありますが、この物語を通じて、そのことばは甘く感じます。 内面に閉じこめられた親からの虐待は、決して消えることがないことは、1人の親として悲しい現実と思います。
3投稿日: 2024.06.08
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北斗、読むのに半年以上かかってしまった。理由は虐待シーンが過酷で、手が進まなかったから。至高の怖さに一緒になって怯えてしまい、気持ちに余裕のある時じゃないと読み進められなかった。それくらい描写がリアリティのあるものだった。 北斗の半生は過酷極まりない。さらに様々な偶然が重なり、殺人へと至る道を思うと、人生はなんて不平等なんだと憤りを感じる。実際、殺人事件は幸福な人が犯すものではないし、北斗のように様々な不幸が重なった人によって引き起こされる。そこを思うと、人間社会の歪さや、人生の不条理を見せつけられる思いがする。 北斗は、素直な人間だと思う。自分のしたことを反省する心があるし、被害者やその遺族に対する謝罪の気持ちがある。北斗の境遇は本当に恵まれないものであったけれども、北斗の人間としての良さは確実にあったし、綾子に対する愛情もあるごく普通の人だと感じた。 虐待通報は年々増加している。それは軽微なものであっても通報されることが増えた訳でもあるが、やはり、北斗のような酷い事例ももちろんある。北斗のような被虐待児が人生で躓かないように、里親になったり、その子を見守る大人が深く関われたりする必要性がよく分かる本だった。北斗も綾子や、明日実、高井弁護士など、北斗のことを本当に想ってくれる人との出会いで生きている。 北斗は綾子に出会ったことで、心の平穏を見つけたし、救われた。人間には出会うべき人というのがいるのだなと思った。北斗の過酷な人生は続くけれど、大切な人との思い出と支えてくれる人を頼りに、生きていってほしいと思った。 実際の被虐待児の子の人生も過酷であるとは思うが、自分を本当に想ってくれる出会うべき人に出会い、平穏を見つけ出せることを祈る。
1投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログ三島由紀夫の金閣寺みたいな狂気のピカレスクロマンを期待していたので裏切られた感もあるが、 これはこれで素晴らしい。 終盤の裁判シーンが圧巻。殺人を犯した後こそが真骨頂だった。 量も質も骨太。読了するの本当大変だったけど、読んで良かった。
3投稿日: 2022.06.02
powered by ブクログ虐待、DVの描写がとてもリアル。 主人公の心理描写もリアルで、 被虐待児の研究をよくしている印象。 主人公か殺人を犯した直後までは、 被虐待児について知りたい人には、 一つの教材となりえる。 後半は、司法についてよく知ることができる。 小説ではあるが、 勉強的な要素も含んでおり、 魅力的な作品であるといえる。
2投稿日: 2022.01.13
powered by ブクログずっと気になっていて、やっと読めた本。 分厚く濃厚な内容、そしてひたすら重い。 果てしなく重い。 家は安らげる場所ではなく、愛を与えられず、抱き締めてもらう事もなく、父からも母からも激しい虐待を受け続けた彼の壮絶な人生は、目を背けたくなり、胸を締めつけられる。 でも、知らないでいる事が一番罪だとも思った。 知らないといけない、知ろうとしなければならないと思った。 人の不幸を目の当たりにして自分を振り返り、なんて幸福なのかとおこがましく思う自分が恥ずかしい。 無条件に受け入れ認めてもらえる事が、誰かに愛された記憶が、その後の人生をいかに豊かにするのか。 不幸の連鎖が取り返しのつかない所までいってしまわない内に、たったひとつの安全基地を見つけられますように。
6投稿日: 2021.09.02
powered by ブクログ2021.05.16.読了 評価が高かった(石田衣良作品で4.0を超えるものはほぼない(笑))のと、中央公論文藝賞を受賞していること、題材に興味が湧いたことでこの作品を手に取りました。 感想:つまらない。これだけの題材を扱っているにも関わらず薄っぺらい。浅い。よく最後まで我慢して読了したもんだ。あたし。(最初から作り物めいた感があり、マジで最後までこの調子じゃないだろーな。と文句タラタラで読み進めた為全くエンジン掛からず読了までに2週間くらいかかった→つまらない。共感できない。様子をお分かりいただけると幸い) もう二度と石田衣良はないと確信。 中央公論賞。。。あてにならんな。である。 余談:直木賞を取った時だったのか?いっ時すごくメディアに出ていて、いかにもナルシスト作家だなぁ。キモいなー。というイメージがあった。正直、嫌いなタイプ。その後『娼年』を読んだ記憶があるがあまりにくだらない内容で、その時も二度と石田衣良はない!と思ったはずだった(笑)ちなみに内容も覚えてない。
2投稿日: 2021.05.17
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題名で買ったけど、分厚い本だけど読み入った。 虐待されて、愛を知らず、自分の存在価値も分からずに生きてた北斗が、里親に出会って変わってくれて心が救われた。 そして犯行後の裁判でも、もう死刑でいいと生きる希望を失ってたのに、最後死刑を免れたときに涙を流してくれていて、安心してしまった。 きっといつかしあわせになれる
1投稿日: 2021.05.09
powered by ブクログ本の厚さが嘘のようにすらすらと2回読みました。 感情移入が激しく、泣きじゃくりながら読みました。 読んでいるときは本当に辛いですが、なぜかもう一度読み、北斗くんに寄り添いたくなります。
2投稿日: 2021.01.14
powered by ブクログ「自分はどうなってもいいから、その人が幸せでありますように」っていうの、綺麗な願いだと思っていたけれど、この本を読んでからは、すごくずるいし、逃げてるなと思った。 1日ではとても読むことはできない。感情の体力が要ります。
2投稿日: 2020.12.05
powered by ブクログ主人公の運命が、かわいそうでたまらない。 同情せずにはいられない彼の家庭環境。 私はもっと狂気的な人間になってもおかしくなかったと思います。 理性が働かなかったのは、2人を殺害してしまったあの一瞬だけじゃないですか。 ほんとに理性が働かず感情的な人間だとしたら 殺人犯になるかならないかを 自販機の有無で決めたりしないでしょう。 あのタイミングで2人の女性と鉢合わせたことが 不運だったとしか思えません。 でも一番の彼の不運は 生まれた家庭環境でしょうか。 でも彼だって望んでこの夫婦のもとに生まれたんじゃないんだから、本当に苦しい。 人殺しは事実。 でも彼が悪いのか? 読み手としてはそう思ってしまいます。 家庭環境、愛情の大切さを思い知らされます。 未だ例にない人の生い立ちと、 それによる一人の人物の成り立ちを読み、 新たな価値観に触れ、とても衝撃を受けました。 そして改めて石田衣良さんの文才に惚れました。 この人本当にすごい。
4投稿日: 2020.09.27
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色んな思いが交差し言葉でどう表現すればいいか不明。 罪のない人を殺したのは本当に間違いで、綾子が復讐を求めるなんて、どう考えてもおかしい。北斗の幸せを一番に願ってるにきまってる!と思うのが自分が普通に育ってきたからだろうか?! 幼少期から裁判の判決までとても丁寧に描かれていた。 そして、ページの量!読み応えあった。
3投稿日: 2020.08.13
powered by ブクログ人の心が激しく揺れ動く様子をここまで細かに表現できるものなのか、と感嘆した。 虐待や病魔、詐欺などの暗い出来事の間に、人の温かさを感じる瞬間があった。特にラストで北斗の心の声が出た場面で泣いた。
6投稿日: 2020.07.16
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重い。 こんなにも衝撃的な内容とは思ってもいなかった。 両親から虐待を受け育った北斗の視点で描かれた作品は幼少期からの虐待をリアルに描き、その中で自分の生存本能と親子関係の中で生きるために重ねた重い鎧。 そんな鎧を着た北斗に人としての温もりと、家族としての温もりを与え、短くも北斗が人として過ごす時間と場所を与えてくれた里親である綾子。 ようやく1人の人間として生きる機会を与えられた北斗の幸せは綾子の死と、気がつけば綾子の為に関わってしまった医療詐欺によって再び奈落の底へと突き落とされる。 負の連鎖によって引き起こされてしまった殺人(理由がどうであれ、人を殺める事を肯定してはいけない)と、殺人犯となった北斗に寄り添う綾子の元で里子として育った血縁関係のない姉の明日実、国選弁護人の高井。 物語の後半は自ら初めて己の心に向き合い、鎧を脱ぐ北斗の心情と裁判という緊迫感を加害者の視点で見事に描ききられていた。 そこには単なる殺人事件ではなく、殺人を犯した加害者のみならず、徹底的に北斗の心の中をリアルに感じることが出来た。 リアルに伝わったが故に衝撃も大きく、非常に重たい一冊でした。 ここまで心の中を描ききる事が出来る著者の作品は今後も読み進めていこうと思う。 説明 内容紹介 両親から壮絶な虐待を受けて育った少年、北斗。初めて出会った信頼できる大人を喪ったとき、彼の暴走が始まる……。孤独の果てに殺人を犯した若者の心に切り込む、衝撃の長編小説。(解説/黒川祥子) 内容(「BOOK」データベースより) 両親から激しい虐待を受けて育った少年、北斗。誰にも愛されず、愛することも知らない彼は、高校生の時、父親の死をきっかけに里親の綾子に引き取られ、人生で初めて安らぎを得る。しかし、ほどなく綾子が癌に侵され、医療詐欺にあい失意のうちに亡くなってしまう。心の支えを失った北斗は、暴走を始め―。孤独の果てに殺人を犯した若者の魂の叫びを描く傑作長編。第8回中央公論文芸賞受賞作。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 石田/衣良 1960年東京都生まれ。97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞を、06年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞を、13年『北斗―ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
4投稿日: 2020.04.04
powered by ブクログすごい。さすが石田衣良さん。 今まで出会ったどんな本よりも濃い。 生きる意味 死ぬ意味 生かされる意味 リアルな殺しの瞬間と リアルな主人公の気持ちの動きと 全ての情景から世界の素晴らしさが感じられる。 話が進むごとに鳥肌が立つ。 誰の立場に立ち、その時何を思うべきか 考えさせられる。 北斗と一緒になって涙を我慢したけれど 裁判最終日、泣いてしまった。
7投稿日: 2020.04.03
powered by ブクログ虐待の描写が辛すぎて、凹んだ。 何故ここまで父親は忌み嫌うんだ? 何度もページを閉じて、ため息つきながら読み進めた。 自動販売機に人肌を求める、山道で置き去り、炊きたてのご飯をこっそりすくってマヨネーズ、涙腺崩壊した。
1投稿日: 2019.11.27
powered by ブクログ読み応えのあるものだった。ボリュームも内容も。一つ一つ丁寧に書かれ、一つ一つしっかり伝わってくる。自分一人で考えた場合の思い。自分以外の人の意見を聞くことでそれが少しずつ変わってくる、心の動き。一人で考え行動するのではなく、もっと早くからできていればなと思った。
2投稿日: 2019.06.23
powered by ブクログこれは悲しい・・・。 人が激しい虐待にさらされた果てには何が待っているのか。 親はなぜ我が子にこんな仕打ちができるのか。 人はどこまで人を許せるのか。 今、大人に突きつけられている厳しい問いがこの一冊にある。
1投稿日: 2019.02.10
powered by ブクログあまり明るい話ではありませんでしたが、主人公の育った環境や背景、それ故の思い、考え、行動が文章から痛い程に伝わってきて、最後は本書を読みながら涙してしまいました。 結構長編で、終始深く重い話が続く作品ではありましたが、読んで良かったと本当に思います。
1投稿日: 2018.12.09
powered by ブクログもう少し淡々と三人称で語ってもよかった。北斗の心情は書き手が説明を加える事で鼻白むものもあり蛇足と感じた。幼少期の北斗に対する虐待と裁判シーンのバランスを反対にする方がよかった。全体としてもう少しスッキリまとめた方が迫力が散文的にならなかったように思う。最後のシーンも心情としては薄い。 手記ではなく作家か構築した内容としては素晴らしかった。
1投稿日: 2018.11.11
powered by ブクログいまいち。長かった。 北斗自身の心情を第三者目線で書いているから、気持ち悪いことになるのだろうか?
0投稿日: 2018.10.25
powered by ブクログ1805 特に前半は読み進めるのが辛く、読了まで時間が掛かりました。後半は心の動きが気になりやっとペース上がった頃に読了。ここで終わって良かったんだろうけど今後の心の動きも気になる。。。
0投稿日: 2018.05.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の幼少時からの虐待のくだりから里親との生活まで生々しく丹念に描かれるやがて殺人、殺人後の裁判のくだりも半分ほどあるので、サスペンスというよりはドキュメンタリーのように感じられた。 1点作者の癖というか同じ描写をしている箇所があり、妙に心に残った↓ ---------------------- 【生田友親の描写】 『~最も印象的なのは、外見ではなく穏やかな話し方だった。(中略)それは揉め事が起きた小学校のクラスを平静にさばく副校長のような態度だった。』 【平岡裁判長の描写】 『白髪の平岡裁判長は、地方の小学校の副校長のようだった。穏やかで野心はなく、その地位のまま静かに引退していく。』 ---------------------- おそらく白髪で物腰軟らかな人物の印象が『副校長』なんだろうけど、生田は親の仇で平岡は裁判長なんで人物的には正反対なんですよ! たぶん『大型犬のような穏やかさ』みたいな描写だとふーんで済んだ話ですが、副校長がいる学校に通ったことがないため「え?副校長?」と引っかかった。副校長はメジャーでないと思うんだけど。
0投稿日: 2018.01.08
powered by ブクログWOWOWドラマきちんと見ておけばよかった。裁判のシーンはすごい名シーンだろうなぁ。 北斗くんの物の考え方、捉え方、たまに屈折してるところはあるけど、しっかりしている。もっと良い出会いがあればこんなことにはならなかったのに、、、 わたしが救ってあげたいとも思えるくらい人間味がある魅力ある人です。そんな人物像を描ける石田衣良さまさすがっす!
0投稿日: 2017.09.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
序盤、あまりにも残酷で目を背けたくなるような虐待描写に、読んではいけない本を手に取ってしまった、と思った。読むのを止めようかとも思った。初の石田衣良だったにも関わらず。 里親との出会い、死、詐欺、そして殺人。後半はほぼ裁判。裁判シーンの描写の細かさは見事。裁判官、裁判員、弁護士、検察官、被疑者の心情が上手い。映像を見てるかのよう。孤独だった北斗が犯した罪を裁くのは、やっぱり人なのかな。この判決によって、北斗は報われたのかな。 これをドラマ化したのかあ。見たい反面、ちょっと怖いな。
0投稿日: 2017.05.16
powered by ブクログある青年の虐待の物語。 この世に生まれ落ち、幼稚園に上がる前から、虐待を受ける。平手ではなく拳で。 愛を知らず、優しさを知らず、恐怖と暴力の中でのみ育ちゆく。 父親からの殴る、蹴るは当然で、また母親も子をかばえば自分が殴られる為に、父親以上に子を虐待する。固く捻られた針金のハンガーで執拗に叩き殴り、腫れ上がった傷口の間に更に叩き込む。ミミズ腫れに身体が変形してゆく。そこから冬の寒空に裸で外に出される。 そんな幼少期から、小中高生と事細かに、虐待の連鎖が描写されてゆく。 主人公が高校生になった時、父親が精神を患い入院、さらにそこから病死。 父の死により一時的に虐待の嵐が止むも、暴力に依存していた母親が、今度は虐待されていた子供に虐待していた夫の役を望むようになる。 このままでは、いつか母親を殺してしまうと児童福祉司に相談する。 結果、主人公は養護施設に預けられ、ある里親に出会う。当初は、大人を信頼できず、里親を試す行為に走るが、心通じ、愛や温もりを知る。 不幸は突如やってくる。穏やかな時間は続かない。そんな信頼できる初めての大人が悪性の癌を患う。懸命に介護をする最中、里親の友人が、縁戚の胃癌が治ったという胡散臭い水を持ってくる。 薬の投薬でもの食べれなくなり、口に出来るのは水だけになり、中でもこの水だけは美味しい気がすると里親は欲する。 一本数万円の水を。里親はその値段を知らず、主人公は里親が自らの大学資金や生活費に充てる為の資金を切り崩し、水を購入してゆく。金も底をつき始める。 ある時、その水が医療詐欺だと気付いてしまう。 不幸の連鎖はまだ続く... と、ここまでが半分手前くらいなんだが、この後の堕ち方が壮絶。 一冊の半分後半は、裁判について。 一冊を通して虐待について、どう思うとかではなく、善と悪そのもの、法律、裁判制度、被害者、加害者、一体何が正解なのか、答えなんか無くて、人間社会が勝手に作り出した概念で、、、なんて、頭が混沌としてゆく。 あくまでもフィクションではあるが、限りなくノンフィクションに近い重厚な一冊でした。 長編だけども、久しぶりに読むのを途中で止められなかった。 我が子がいる人はどういう感想を持つのだろうか。
0投稿日: 2017.05.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
虐待描写が生々しく長く続き、途中まではまるで呪いの様だった。主人公の北斗の両親の思考と行動が恐ろしすぎて読むのをやめたくなるほど。 でも、そのしつこい描写が後半の魂の劇といわれる法廷劇で効果的になっている。 ある事件の被告人となった彼の人生、そして彼自身が法廷で丸裸にされていくのだが被害者と被害者遺族の心境を鑑みても、彼が披虐待児として生きてきた事を強く痛感させられ彼の人生に寄り添ってしまう。 裁判が進んでいき様々な人間が北斗を語る。 その中で遺族の息子の乱暴と思われる北斗への言葉に胸を打たれる。その息子は、母親を殺した憎むべき相手だというのに対等の人間として北斗に言葉を放つ。橋爪北斗さん、と彼は確かに言った。 北斗は対等な人間として見られた機会が少ない。だから北斗は彼の事を永遠に忘れないだろう。 立場が違えば友人になっていたかもしれない、という一文に切なさがこみ上げた。 又、虐待をし、又させた北斗の実の母親の登場場面も衝撃的だ。更に衝撃なのはその証言内容。 愛とは何なのかを考えさせられた。また、どんなに歪でも愛は愛だという愛の難しさを感じた。 そんな裁判で気づく。人を救うのは法律ではない。法律を作った未完成な人間が必死にその法律を使っているにすぎないことを。 法律上で親子と認められようがそのままにしてはいけない親子がいるように。 北斗は様々な証言者の言葉を聴き、仕事の立場以上に自分を思ってくれる弁護士や裁判官に出会う。それが自己肯定感のない彼の心を揺さぶっていく。そして同じ披虐待児童で同じ里親の子供であった女性の存在と、彼女の「生きて」の三文字が裁判の最後まで彼を支えることに。 独房で1年間、北斗は時に寝ずに自身の心と対話をする。裁判も終わりに近づき死にたくないと恐怖にかられた彼に全力でほっとした。 彼は今まで殺されかけ生き伸びてきたにすぎない。本当の意味では、一度たりとも生きていないのだ。今まで披虐待児童であったがゆえ心を殺してきた彼から出た些細な欲望を叶えてやりたくなった。 生をと…。独房の外で鳴く鳥の名前を調べるといった、平穏な時間をと…。 判決の主文の文字を見た時、声を押し殺して泣いてしまった。真夜中でなければ声をあげていただろう。そして、改めてこの裁判の弁護士と裁判官が彼らで良かったと天に祈るような思いにかられた。神様はいるのかもしれないと思わされた。 そこまで北斗を見守る気持ちになれたのは、作者の主人公の心理描写が巧いからに他ならない。 特に証言台での生きた言葉、北斗が初めて見せる本音には魂が揺さぶられる。 遺族への誠実な自省の言葉に回心とはこの事か…と唸らされた。
4投稿日: 2017.04.10
powered by ブクログ凄惨な児童虐待を受けて育ち、里親に出会えて初めて人として、普通という幸福を感じられた北斗が、がんになった里親の為、医療詐欺にあい復讐の鬼となり転落し、裁判を受ける中で回心していく話。 虐待の事実、被虐待児の心情、裁判、どれも内容が充実し、引き込まれて心が動き、沢山泣きました。これだけ余すとこなく充実感を味わえるのは小説だからこそだと思いました。心に残る1冊です。
0投稿日: 2017.04.05
powered by ブクログ両親から激しい虐待を受けて育った北斗の物語。前半のリアルな虐待描写から後半の緊迫した裁判シーンまで見事な展開で読み応えがあった。こんな社会サスペンスはもうWOWOWでしか映像化されないんだろうな。ドラマが楽しみ。
0投稿日: 2017.03.26
powered by ブクログとにかく悲惨な不幸スパイラルで、主人公の救いのない人生が読んでいて辛すぎる。 後半の大部分を占める裁判シーンはさすがと思わせる描きっぷりですが、読書の主目的が気分転換である自分には不向きだったな。
0投稿日: 2017.01.23
powered by ブクログ前半は順調に読み進んだけど 半ばくらいから なかなか進まなかった。やっと読み終えました。 里親のお母さんをなくしてからが、長くつらく何度も読むのを放棄しそうになりました。あまりに重くつらい物語。
0投稿日: 2016.12.17
powered by ブクログノンフィクション書くような人じゃないけど、これは本気でノンフィクション化と思うほど。凄くリアル。 作者、石田衣良らしい要素も沢山ありました。たとえば裁判の広さの表現、裁判官の発言のたとえ、などなど。 この本を通して、やはり虐待というところが焦点でしょうか。虐待が与える影響は本当に残虐極まりないなと。 感情を殺さないと生きていけない。 それはある意味私と同じなのかなと。 別に私は虐待とかそういうの何も無いんだけど、看護学生なので、勉強の山だらけ。感情にいちいち振り回されてたら何も手がつけられないことが大にあるんです。だから感情殺して、気にしないふりして平然と生きているんです。なんか、ちょっと共感しました。
0投稿日: 2016.12.15
powered by ブクログ「人を愛することと憎むことは、本来同じ執着の裏表ではないだろうか。六十兆の細胞を持つヒトの身体の中では、日々の無数の細胞が死に、無数の病原菌や癌細胞が免疫系によって殺戮されている。」 「誰一人自分を愛してくれる人がいない世界で、もう生きていたくなかった。形を変えた自殺だったかもしれない」 ああ、どんな人間もきっと変わる。そいつがいいほうか、悪いほうかは分からないが、同じままでいられないのが人間なんだ」
0投稿日: 2016.12.08
powered by ブクログ石田衣良さんの作品で今までにも重いテーマの作品はいくつもありましたが、これは本当に重いテーマです。作者の言葉の選びは重たいテーマでもやっぱりおしゃれです。全体的に少し冗長かなと思います。もう少しテンポよく展開したほうが、インパクトが残せたかなと思いました。
0投稿日: 2016.08.18
powered by ブクログこの本は、主人公「北斗」の生い立ち部分、殺人に至る過程、スリリングな裁判劇と、サブタイトルにある「回心」が見事に書かれています。 主人公の北斗は、幼少期に両親から虐待を受けながら育ち、人の愛情を知らない少年に成長します。そんな中で児童相談所から里親を紹介され、一緒に暮らすようになり、ひと時の幸せを手に入れます。 しかし、北斗を引き取ってくれた里親は末期癌とわかり、北斗は知らず知らず医療詐欺にお金を使ってしまいます。 ついに里親は死亡したところで、北斗は自身を殺人者へと駆り立てていきます。しかし不運なことに、医療詐欺の首謀者を直接殺害することができず、無抵抗な人を2人も殺しています。 北斗は、警察に捕まり、取り調べを受け、独居房での生活を強いられ、裁判を迎えます。 裁判はとてもリアルに書かれており、裁判官、検察、弁護人の激しいやり取りも読みごたえのある作品です。
1投稿日: 2016.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公北斗の幼少の頃の虐待の描写に心折れそうになったが、久しぶりに一気読みした本。壮絶な児童虐待を受けて育った青年北斗が生まれて初めて信頼することが出来た里親の癌による死と、癌患者やその家族を騙す癌を完治させるという触れ込みの波洞水の詐欺にあったことで、不幸な殺人を犯す。その裁判と北斗の心情が描かれる。幼い頃からずっと本心を人前で表すことが出来ずに育った北斗の最後の意見陳述で見せた素顔に私の涙腺は崩壊した。そしてその判決に読者である私はホッとしたが、もしも自分が被害者の家族であったとしたら、その量刑に納得出来る自信はない。
1投稿日: 2016.06.22
powered by ブクログ幼い頃から実の両親に虐待され、やっと自分を大切にしてくれると思った里親は癌で病死。しかも里親は死の間際に癌に利くと言われて飲んでいた水が詐欺でしかも馬鹿高いものだったと知って安らかに死ねず。。 水については本人が利くと思って飲んでたんだから、死ぬ間際に知らせにきたお友だちは本当に余計なことしてくれたなあ、と私ならそっちを恨んでしまいそう。水を持ってきたのも同じ友人だし、本人に悪気がないだけにたちが悪い。 それにしても人に愛されたいと願う欲求がある人間って生き物は本当に厄介だなぁ、と思う。多分人間以外にはそういうのないよね。
2投稿日: 2016.04.01
powered by ブクログタイトル通りの物語。 物心つく頃から両親から虐待を受けていた主人公は、父親の死をきっかけに里親に引き取られ、初めて愛情と人間の温かさを知る。しかしそんな幸せは長く続かず、彼は極刑もありうる殺人を犯す。 彼の苦しい心情が赤裸々に描写され、読み進めるのがこんなに辛い作品に初めて出会った。 ここまで結末に感動した本は久々だった。
1投稿日: 2016.03.07
powered by ブクログ現実にこんなひどい話はないと信じたいほどの虐待を受けて育った子が、初めて愛を教えてくれた人のために殺人を決意したもの、結果的には本意を果たせぬままの無差別殺人犯になって、裁判で裁かれる話 人を殺すことはいかなる理由があってもとか、被害者の立場に立つと・・・とかあるけど、割り切れない。ページを捲るのが辛くなるほど重かった。 (2016/2/5)
1投稿日: 2016.02.24
powered by ブクログ読んでいていろんな感情が湧いてぐじゃぐじゃしたけど、読んでよかったと思える最後だった。石田衣良の子供を描く本が好き。
1投稿日: 2016.02.18
powered by ブクログ【するりとぬるりと死は私を支配した】 北斗は死ぬつもりはなかったが、生きているのも嫌だった。 まだ、うまく言葉にできなくて、答えなんかなくて。北斗は私で、美砂子は私で明日実だった。悲しいとか嬉しいとか正しいとかじゃなくて、まだ20歳なんだという絶望に似た希望に魅せられた。変わるには十分すぎる時間と、戻るには途方もない時間。与えられた手足を失ってもまだ生に縛られている。諦めることはもしかしたら、何かを諦めないことよりも難しいのかもしれないってそう思った。
1投稿日: 2016.02.12
powered by ブクログ昔、宮藤官九郎脚本のドラマ「うぬぼれ刑事」で「お前に捕まった犯人は幸せ者だよ。」というセリフを思い出さずにはいられない作品だった。 人を殺すこと、特に人を殺すことはいかなる理由の元にも成立してはならない行為だ。 だが、その事件に至るまでの経緯を知らぬ者に、騒ぎ立てる責任のない野次馬根性も同様に許されるものではないこと、 どの人生にも必ず終わりはやってきて、それが最も穏やかな方法でなくてはならなくて、 それでいても、必ず悲しみが伴うのだと分かり切った現実に当事者となってからどう向き合っていくのか改めて考えさせられる作品だった。 作者の「傷つきやすくなった世界で」という作品の中で、マスコミによる面白半分に民意を煽るような報道に対する非難を、愉快犯を例にされていたのを読んで以来、それは私の価値観の形成の一助に確かになっているのだけれど、その考え方がこの作品の中でも終始貫かれていて、きれいに片づけるだけが正義でないことをまた実感させられた。
1投稿日: 2016.01.31
powered by ブクログ両親からの愛情を感じて育ててもらったのが、当たり前ではなかったんだなと知って フィクションだけどめちゃくちゃ泣きました。
1投稿日: 2016.01.29思わず引き込まれます‼
主人公の心の動きを詳細に描写していて、一人の人間の半生を描ききった感があります。 少年期の虐待を受けているシーンなどは、シンクロし過ぎると、気持ちが落ち込んでしまうほどリアルです。 拘置所や裁判所のやり取りなども、ドキュメンタリーなのではと思わせるほどです。 最後まで辛く悲しいストーリーですが、主人公の心の変化を追体験した後には、温かな希望が残る作品です!
0投稿日: 2016.01.19
powered by ブクログ久々に読みごたえある長編に出会いました。 読んでも読んでもまだ先が... どちらに転ぶのか最後まで分からずドキドキしました。 死刑論を考えさせられる一作です。
1投稿日: 2015.11.05
powered by ブクログ今まで読んだ石田作品の中ではこれが一番良かったです。 相変わらず前半から中盤までの単調なストーリーと章の冒頭の表現の繰り返しにはうんざりしますが、ラストは結構ハラハラしまた。悔しいですが。 ラストのような感じで次回作を作ってほしいなと思います。
1投稿日: 2015.10.12
powered by ブクログ久しぶりに、こんなに集中して時間も忘れて本を読んだ。一気読み。 「僕を、死刑にしてください」帯に惹かれて手に取った。最初はせいぜいひどい暴力を受けた主人公が周りの狡い大人たちに騙されどうやって殺人犯になったかを描く、ミステリーチックなものだと思っていた。しかし主人公が罪を犯したその先の裁判、それを通して遺族の心に触れ成長していく少年がとても瑞々しく描かれており、裁判の最後の北斗の意見陳述における独白で涙が止まらなかった。小さな頃から父親と母親の機嫌ばかり伺って感情が独り立ちしてしまった少年が、初めて愛に飢えていたことを人前で認める場面は何度読んでも涙が出る。 石田さんは、どうしてこんなに瑞々しい小説を書けるのだろう?実際にこんなひどい児童虐待はないと信じたいが、少しでも減るようにと信じるばかり。
1投稿日: 2015.09.16
powered by ブクログ前半の虐待シーンは痛すぎて読むのが辛くなる。 中盤の愛を知って殺人に走るシーンは……そこまで愚かなのかと悲しくなる。 なぜ復讐? 綾子さんが死んだのは波洞水のせいじゃないだろ。本文にも出てくるが、復讐にすがってしまったのか。切ない。 後半の裁判は……そうきたか。お母さんに抱き締められたかった想いだけで殺された人はやはり無念。 本当なら泣けてくるシーンも、やはり殺された側が無念過ぎて泣けない。 いろいろ考えさせられる内容ではあった。良く出来たお話だって思う。ただ主人公に共感できなかったことで、この物語を“良かった”とは言えずにいる。
1投稿日: 2015.09.10
powered by ブクログ虐待を受けて育った子が、愛する人のために殺人を決意し、裁判で裁かれる話 明らかに重い話しで、自分ですすんで読みたいとは思わないジャンルだけど、「石田衣良だから」という理由で読んだ 重い話の割に、読後感は悪くない だから石田衣良は安心して最後まで読めるのかな? 石田衣良にしては分厚い本 ストーリーは虐待、愛、闘病、復讐、裁判という流れで、どこも引けない重要なシーンばかり 虐待パートでは、「こんなにも残酷になれる親がいるのか」と恐れおののき 愛パートでは「北斗くん、君はもっと幸せになってもいいんんだよ」「このままの生活が続いてくれ」という思いと「この後にはこの生活が一転するような事が起こってしまうんだろうな」という祈望と不安を抱き 闘病パートでは「自分の家族がこんなふうになってしまったらどうするか?」と考え、「そんなもの、明らかにインチキだろ、騙されるなんて…」と呆れ 復讐パートでは「お母さんはそんな事望んでないよ」と何でこんな事になってしまったのかと戸惑い 裁判ではこれまでのすべてが交じり合い複雑な感情になった 昔、個人的には殺人犯に関しては、人一人殺してしまった以上、償うには命でしか、むしろそれですら償えないと思っていた ただ、色々な小説を読むと、加害者にも事情があるのだなという思いと、それでは被害者はどうなる?という両方の感情も理解してみてはとなった この小説にしても、北斗の人生を傍らから観ていた立場としては同情を禁じ得ない 北斗本人はむしろそんな感情はいらないのだけれども、どうしてもそう思ってしまう ただ、だからといって情状酌量されてよいのかは別問題 被害者2人は殺されなければならない事情ではない そんな命を奪っておきながらのうのうと生き延びる事は社会正義として許されていいのかという事 以前の自分だったら迷わず飯岡さんの遺族を支持する ただ、関本さんの遺族のように、「もう人が死ぬのは嫌」という感情もわからないでもなくなっていきた 昨日妻に「もし自分を殺した人がいたとしたら、その人に私刑になって欲しいと思う?」と聞いたら「自分の家族のためにもその人には死んでもらわないといけない」と言われた 確かに、自分も以前はそう思ってた ただ、「娘に聞いたらどう答えるだろう?」と思いを巡らせると もしかしたら私刑については反対の意見を言うかもという可能性に思い至った 家族を殺された遺族の立場になったら 僕はどうするだろう? 犯人が虐待を受けたことがあったら同情するか? やっと見つけた愛する人の命の最後が汚されたものだったとしたら同情するか? ただ、今回に関しては同情はするが、騙される方が悪い部分もあるし、復讐に関しても自分勝手な言い分だ もしかしたら遺族として死刑を望むかもしれない 自分が被害者、または遺族としては色々考えさせられた ただ、自分が犯罪者になるイメージはあまりない そこら辺が、もっと深く考えられない理由かもしれない 人は誰しも自分がそんな犯罪を犯すとは思わないだろうし
0投稿日: 2015.08.21
powered by ブクログ20150817 考えさせられた。決して一言では片付けられない。そんな作品。 まず、世の中の理不尽な物事の多さにやるせなさを感じた。偶然の重なりとは恐ろしもの。どこかで何か一つでも違っていれば、、、。 と、残酷な事件の他の結末も考えてしまう。 被害者の立場からすれば、殺人は当然許されるものではないのかもしれない。しかし、端爪北斗の辛い過去や束の間の幸せを共に小説の世界で触れてしまうと、殺人者である彼の幸福を願わずにはいられない。 小説の映像化はあまり好きではないけど、これなら少しみてみたいかも笑 すこし間を空け、何度も読みたい作品。
0投稿日: 2015.08.18
powered by ブクログ春夏秋冬の季節に例えられる物語。 主人公【端爪北斗】が両親から虐待を受ける幼年期から、父の死と母との決別迄が【冬】 里親【綾子】との出会いから綾子が倒れる迄が北斗の人生にとっての【春】 そして綾子の闘病から医療詐欺への復讐に北斗が身を焦がす【夏】 そして逮捕されてから裁判の判決までの間、被害者の関係者や北斗の周りの者達、そして北斗がうつろう【秋】 圧倒的なボリュームで読み応えは十分! しかし、展開の残酷さや北斗の惨めさに辟易とさせられます。 しかし、自分の心に染み込んでくる良い小説だと思った。
0投稿日: 2015.08.14
powered by ブクログ凄惨すぎる児童虐待も、それによって要らない人間・生まれてはいけない子供と自分自身を追い込んでゆく主人公も哀しくて辛かった。 副題からも主人公が殺人者になるのは予告されていて、里親との出会いと短すぎる幸せと別れは若干陳腐かな・・と感じなくはなかったけれど、終盤の裁判のシーンには圧倒されたので、穿ち過ぎかもだけれども物語の大半はそこへ至る為の伏線なのかなとも思ってしまった。
0投稿日: 2015.08.07
powered by ブクログどんな事情があろうとも、過去にどんな背景があろうとも、身に覚えの無い人を殺す事は許されない。殺された人の身内に取っては、犯人が死刑になっても悲しみは続く。死刑ではなく一生社会に貢献する為の活動を強制されなければならないのではないか。もちろん、人間としての最低限の生活は保証されなければならない。
0投稿日: 2015.07.20
powered by ブクログ決まっていることを受け入れる。 それも勇気。 わからないことは、わからないままがいい。 知らないでいることも幸せのかたち。
0投稿日: 2015.07.11
powered by ブクログ友人に勧められ読んだ。死刑がテーマの本はかなり読んでるが、想像していた通りの内容で、正直がっかりした。私自身は、残酷な人間だと言われるかもしれないが、犯罪者の過去がどれほど悲惨だったとしても、それはそれ。人を殺した罪は重い。
0投稿日: 2015.07.09
powered by ブクログ常々、石田衣良の文章は水のようだと思っていた。「池袋ウエストゲートパーク」を読めば、知らない筈の池袋の街がまなうらに浮かぶ。「娼年」を読めば、春を売ることの誇りと喜びに満たされたかのような気持ちになる。それほどまでに彼の作品はわたしの中へ沁み渡るのだ。 そのせいか、本作を読むことはたいへんつらいものでもあった。両親による北斗への虐待がまざまざと思い浮かび、自らの腕に酷く赤い痣が浮かび上がってくるような錯覚に襲われた。ああ、北斗、お願いだから、生きて、北斗。帯やあらすじで北斗が後に殺人を犯すことを知っていたわたしは必死に願った。生きて、どうか生きて。どうか人を殺めずに済むだけのしあわせを見つけてくれ、と。
0投稿日: 2015.06.17
powered by ブクログうーん、好き嫌いで言うと、好きじゃない。 児童虐待ものが好きじゃないし、勧められたんじゃなかったら、読まなかった。 前半は何度も吐気がして投げ出しそうになった。 後半になって法廷ものとして読みはじめたら、結構面白かったかな。 万が一、人を殺してしまったら、裁判受けて刑務所に入る、というような、あっさりしたものではないのだ、と今更ながら知る。 もう自分なんて、どうでもいいと思っても、そんな簡単にはいかない。 まさに魂を裸にされるうんざりするような裁判の過程が待っている。 例え、めんどくさくなって、ヤケを起こして人を殺したとしても、決して事態は簡単になるわけじゃなくて、さらにもっともっと面倒くさいことになるんだ、ということをじわじわ理解させるのにぴったり。 被虐待児童じゃなかった人にとって、児童虐待ものを読む理由ってなんだろう。 被虐待児童への理解? 恐いもの見たさみたいなちょっとゲスな感情がゼロだとは言えない気がする。 でも被虐待児童だった人にとっては、意味のある読書になるかもしれない。 あと・・・くだらないけど気になったのは。 拘置所?での入浴時間。 時間が15分で短い、みたいな記述があったけど、 私、いつもそのぐらいなので、え、何、余裕じゃん、と思ってしまって、気が抜けた(笑) 私は髪の毛ロングだけど、短髪の人なら頭洗って体洗うのに15分もかからないよ。 せっかくの緊張感が台無しになるからやめてほしい。
0投稿日: 2015.05.16
powered by ブクログ600P近い長編でしたが一気読み.自身の幼少期と重なり胸が痛くなった.もし僕が全く同じ境遇であったならと考えずにはいられない.救いのない物語ではあるけれど,読み手に問いかける良い作品だと思う. 以下あらすじ(背表紙より) 両親から激しい虐待を受けて育った少年、北斗。誰にも愛されず、愛することも知らない彼は、高校生の時、父親の死をきっかけに里親の綾子に引き取られ、人生で初めて安らぎを得る。しかし、ほどなく綾子が癌に侵され、医療詐欺にあい失意のうちに亡くなってしまう。心の支えを失った北斗は、暴走を始め―。孤独の果てに殺人を犯した若者の魂の叫びを描く傑作長編。第8回中央公論文芸賞受賞作。
0投稿日: 2015.05.09
powered by ブクログ石田衣良の作品は自分には若すぎると思うようになって、文庫本ですら買うのを躊躇うようになっていたけど、「全力疾走」というポップを見て購入。 行き着く暇もないほどの全力疾走感。 読んでいるだけで息切れしそうになった。 読むのも辛くなるような虐待、綾子お母さんとの束の間の幸せな時間、そして・・・。 残虐な事件を起こした加害者の人生に同情する余地がある場合、被害者は泣き寝入りするしかないのか。 そもそも死刑の是非は。 色々考えさせられた10日間。 --- 両親から激しい虐待を受けて育った少年、北斗。誰にも愛されず、愛することも知らない彼は、高校生の時、父親の死をきっかけに里親の綾子に引き取られ、人生で初めて安らぎを得る。しかし、ほどなく綾子が癌に侵され、医療詐欺にあい失意のうちに亡くなってしまう。心の支えを失った北斗は、暴走を始め--。孤独の果てに殺人を犯した若者の魂の叫びを描く傑作長編。第8回中央公論文学賞受賞作。
0投稿日: 2015.05.01
powered by ブクログ虐待を受けながら育つ子供の、心と体を防御する反応が哀しい。閉じた心、その殻を柔らかくして開くのは簡単じゃない。端爪北斗は裁判の中でも自分を見つめ続けていた。少しでも自分を信じられるようになって欲しい。そして信じられる大人もいることを信じてほしい。 辛い物語です。でも、目をそらしてはいけない物語でした。
0投稿日: 2015.04.29
powered by ブクログ世界は限りなく揺るぎなく人間の都合と関係なく平等なんだと改めて思う。どうすればよかったのか、決して出ないこたえを、考えざるを得ない
2投稿日: 2015.04.22
powered by ブクログ何度も何度も繰り返されるのは、 死んだ人は、決して生き還らない ということ。 この事実が何度も繰り返され、当たり前の ことではあるのに、本当にそれが重みを 持って胸に迫ってくる。それが怖いくらい だった。 北斗の実母に関しては本当にもやもやした。 愛していたのなら、なぜ虐待に加担したのか という怒りと、いや、この人だって、あるいは 夫だって、暴力によって歪められた人間なのだ、という擁護の思いで、心が引き裂かれた。 ちょっと違和感を感じたのは、北斗の容姿に ついて。イケメンであるという殊更な描写は 必要だったのでしょうか。そこだけちと、疑問。
0投稿日: 2015.04.18
