
総合評価
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powered by ブクログ現在の日本でケインズ流の「公共投資」が行われているというウソが「はじめに」に書かれている。国内の推移だけでなく,国際比較を見ても,日本は公共投資をケチっていることは明らか。 著者は,著名な経済学者たちにいじめられたらしいが,同じ「いじめ」の知識を得てしまっているのだろうか? 「債務残高対GDP比が2倍以上であること」を問題にしている記述があるが (p.158),旧来の勉強で止まっているようだ。 保守の扱いも雑に感じた。保守はその国の歴史と関係があるので,「自由の国アメリカ」と「君主のいるイギリス」で保守の意味は違う。日本も然り。 「読んで無駄ではない」という程度か。 なお,国債発行を「将来世代のツケ」とか言う連中がいるが,1964年の東京オリンピックに向けた公共投資(水道,道路など)は「将来世代への贈り物」になっているではないか。「政治とカネ」の問題にならない使い方をすればいいだけだろ。インフラの耐用年数を考えれば,補修工事を含めた公共投資を疎かにできないはずだけど,ケチるから全国的に陥没事故が起きてしまう。 ***** 享保の改革は8代将軍徳川吉宗 (1684-1751) の時代ですが,同じ時期に尾張藩主の徳川宗春 (1696-1764) は,倹約がかえって経済活動を停滞させてしまうとして,幕府とは反対に劇場の建設を奨励し,大規模な祭りを振興しました。本人も奇抜な着物姿で町に現われ,人びとを驚かせたそうです。カブキ者だったわけですね。 商人たちは名古屋に集まり,活気にあふれていたそうですが,幕府としては認められない。将軍吉宗は,1739年に宗春を蟄居謹慎させてしまいます。(pp.144-145) また,米国の大暴落後,1930年1月に旧平価(第1次対戦前のレート,つまり円高水準)で金本位制に復帰した日本でも,あっというまに恐慌が波及します。政権交代後,大蔵大臣に就任した高橋是清 (1854-1936) は,1931年12月に金本位制から離脱し,金融緩和しました。日本銀行に国債を引き受け(購入)させて通貨の量を増やした。同時に政府支出を増やしたのです。 高橋是清の施策はルーズヴェルトが実施したニューディール政策の2年前でした。(p.145) 1964年の東京オリンピックは好例でしょう。巨額の公共投資を呼び,高度成長に一役買いました。インフラも整備されました。私は小学校低学年でしたが,それまでは東京の渋谷や新宿でさえ幹線道路以外は舗装されておらず,雨が降るとドロドロだったのを覚えています。下水道の整備率も低く,汲み取り式のトイレでした。池袋でも肥桶を載せた馬車が通行していました。 東京都内の住宅にも井戸があり,土間もあった。選択はタライと洗濯板。ほとんど江戸時代と同じような生活でした。それが一転,オリンピックの開催が決まると,高速道路や新幹線,上下水道などが急ピッチで整備され,一気にインフラが充実して20世紀の生活になったわけです。家電製品の普及も60年代でした。(p.156)
0投稿日: 2025.03.17
powered by ブクログ歴史的な背景とどうしてそう考えることになったかが結びついて理解しやすかった。今度の選挙では各政党の政策を考慮した上で投票できるような気がする。
0投稿日: 2024.12.01
powered by ブクログ経済思想の変遷と、各経済思想と政治思想の関連性を体系的に分かりやすい言葉で説明されています。私含む経済学が初学者の方にとっても、すんなり理解できると思います。 説明形式は、作者(坪井賢一さん)が母校の慶大生の後輩達に講義する形で、時折学生の鋭い質問や感想も織り込まれていて、一緒に考えさせられる気分になり読み進める上で集中しやすかったです。 経済思想史に並行して当時の欧米の歴史についても述べられており、各国の行動原理について経済思想史から理解することができ、非常に興味深かったです。
0投稿日: 2023.03.17
powered by ブクログ経済学に関する思想の変遷を解説している本です。 経済学の流派の誕生背景と歴史を学ぶことができます。経済学が何を研究していたのかというのを大掴みするには、良いのかなと思いました。
0投稿日: 2021.01.16
powered by ブクログ「新古典派、ケインズ、マルクス」を3つの経済思想の柱と定義し、18世紀〜の時代変遷と政治思想を織り交ぜながら、経済思想史を綴った本。もちろん思想史なので各理論は浅く広くにはなるが、最低限の解説は丁寧にされていると思う。個人的には、p6「3つの経済思想と政治思想」、p199「5か国の1970-2000年代の政治思想と経済思想の変遷」、この2つの図表だけでも十分参考になる一冊でした。
0投稿日: 2020.12.20
powered by ブクログアダムスミス ピンの工場の説明 分業の利益 リカード 英国とポルトガルの毛織物と葡萄酒。 サミュエルソンの弁護士と秘書。 マルサスとリカードの保護貿易と自由貿易。 スターリンの5か年計画に対抗するため、日本は企画院をつくって、国家総動員体制を整備した。 満州国は完全な計画経済体制の国。日産コンツェルンを丸ごと移動させた。 第一次世界大戦はドイツもオーストリアも戦場からは離れていた。経済学の中心は英国、ドイツ、オーストリア。 ルーカスの合理的期待形成仮説。=政策の発動はなにをやっても無駄だから放っておくべき。 サミュエルソンの新古典派総合、 フリードマンのマネタリズム。 1990年代は折衷的、リベラル派が強い。 フィッシャーに依存するアベノミクス。 ハイエク=人間は合理的な存在ではない。自制的秩序。 新古典派は、完全競争市場の条件を緩めた。 国ごとの歴史を分析する比較制度分析。 収穫逓増を分析する複雑系経済学=インターネット企業の急成長を研究する。
0投稿日: 2020.07.29
powered by ブクログ経済学の本って、世の中に山ほどあると思うんですが、主にマクロ経済学とかミクロ経済学を下敷きにしたもの。それも、かなり一面的な見方をしているものが多いと思うんですが、本当は経済学ってめちゃくちゃ多様なんですよね。 それは歴史的経緯があって、政治体制や価値観にも影響されながら様々に発展してきたもので、今の日本でいう経済学がいったいどういうポジションにあるのか、知っていないと、じつはあんまり分かったことにならない、と思うんです。 でも、それを勉強するのって、とても難しいよなーと悩んでいた時にであったのがこの一冊。めちゃくちゃわかりやすい上に、説明も丁寧で深い。難しい部分もあったのですが、時間をかけて理解できるようになればいいなと思います。
0投稿日: 2020.06.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
経済思想史といいつつ、ほかの関連する歴史や政治そのものにも触れていて読みごたえがある。 最初に大きく経済思想を3つに分類していて、その理解に基づいて話が進むので、頭の中にフレームワークのようなものができてとてもいい。
0投稿日: 2019.01.17
powered by ブクログ経済学の知識がない初心者向けではあるものの、知識があるのとないのとでは理解の差は大きいと思う。 国による経済政策の比較のおかげで、自分の無知を認識。各国のいいとこ取りを日本ができないことに不満を感じていましたが、この本を読んでそもそも相入れない話だと納得。
0投稿日: 2018.03.19
powered by ブクログ早稲田大学交響楽団で学び,余暇を経済学科で過ごした後,ダイヤモンド社に入社したが,著名な経済学者数名にいじめられ,現在ダイヤモンド社取締役~三つの経済思想:①古典派経済学(18c後~19c後)→新古典派経済学(19c後~)-右派自由主義(18世紀のリベラリズム:政府からの自由)・新自由主義・保守主義/②ケインズ経済学(19c後~)-中道リベラリズム(19世紀のリベラリズム:政府による自由:政府が弱者救済)/③マルクス経済学(20c前~)-左派社会民主主義(国営事業・福祉国家)//1960s日本の高度経済成長→ケインズ経済学:70sスタグフレーション→新古典派:80s英国復活→新自由主義:90s日本デフレ→マルクス政策:00sリーマンショック→銀行国有マルクス政策:10s米欧日でバラバラ→新自由主義への出口はあるか?///古典派スミス(1723-90)労働価値説・分業・市場メカニズム・セイ(1767-1832)供給は価格調節機構においてすべて需要される・リカード(1772-1823)比較優位説・マルサス(766-1834)人口は等比級数で増えるが食糧は等差級数でしか増えないという悲観的未来→ダーウィンやマルクス・ミル(1806-73)19世紀のリベラリズム・労働者の団結権///マルクス派マルクス(1818-83)労働価値説継承・利潤率低下法則(資本家が不変資本に投資すると利潤率は低下する)///新古典派ジェヴォンズ・ワルラス・メンガー限界効用逓減法則←物やサービスを1単位消費するごとに満足度は減少していく(一杯目のカツ丼は旨いが,二杯目・三杯目になると)・マーシャル(1842-1924)見えざる手を可視化した需要供給曲線///ケインズ派ケインズ(1883-1946)マクロ経済学の確立・乗数理論(所得と雇用への投資の影響・限界消費性向が0.7だとすると追加好況投資額÷(1-0.7)で3.3倍になる)・資本の限界効率(投資に関する利子の影響・金利が下がれば投資が増える・限界効率が利子率と等しくなるまで投資は増える)・流動性選好(利子率に対する貨幣供給あるいは貨幣政策の影響・政府投資が増え,金利を下げて貨幣供給を増やすと国民所得は増える←ヒックスIS-LM分析)\国民所得Y=消費C+民間投資I+政府支出G+貿易差額(輸出X-輸入M)\需要はそれ自身の供給を創造する\総需要管理政策\///スタグフレーション発生でケインズ理論・フィリップ曲線(インフレ率-失業率)は崩壊///マネタリズム・フィシャー(1867-1947)貨幣数量方程式<貨幣量M×貨幣の流通速度V=価格P×取引量T>マーシャルM×V=P×Y(実質国民所得)→M=1/V×PY→M=k×PY(現金残高方程式)フリードマン(1912-2006)インフレ率を制御するには生産物1単位当たりの貨幣量が変化しないようにすればよい:価格Pは貨幣量M÷数量Qに比例するor価格Pは貨幣量M÷国民所得Yに比例する:長期的に見れば失業率はインフレ率と関係なくある水準で安定する///新古典派総合サミュエルソン:フリードマンと合理的期待形成仮説のルーカスを統合?///急進的自由主義ハイエク(1899-1992)リバタリアニズム:経済システムは自生的秩序によって形成される(仮想通貨を予測)///ゲーム理論(劣位均衡:ナッシュ均衡で安定する←囚人のジレンマ)~共犯者と裏切りのジレンマと云うべきだよね。ようやく分かったけど。限界効用って云うのもカツ丼の喩えで理解できました。GDPの1位はアメリカで2位が中国,3位が日本だけど,一人あたりだと米国9位,日本は24位。16.3%の子どもが年間122万円以下の所得に達していない…新古典派・自由主義では<派遣事業規制を更に緩和し正社員の既得権を排除する・雇用の自由化流動性を高め,全体としての労働者の所得を上げ,子どもの貧困率を引き下げる>・ケインズ派・リベラル<終身雇用を維持し,派遣事業規制を強化・貧困線以下の子どもの教育費を援助する>・マルクス派・社会民主主義<全児童の教育費を援助・シングルマザーの児は小学校まで公機関で預かる・シングルマザーの正社員採用をする企業に補助金>…さあどれだ?
0投稿日: 2016.06.01
powered by ブクログ「新古典派経済学」「ケインズ経済学」「マルクス経済学」の歴史的背景、相互関係がわかりやすくまとまっている。 経済は均衡点ではなく、流動的であり変化していく過程なので、結局、ひとつの状態を説明できる経済学はないことがよくわかる。
0投稿日: 2015.12.23
