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悪魔の羽根
悪魔の羽根
ミネット・ウォルターズ、成川裕子/東京創元社
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総合評価

27件)
3.5
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    図書館で偶然懐かしい名前を見つけたので借りてみた。 ミネット・ウォルターズ。 たぶん「女彫刻家」と「氷の家」は読んだ。たぶん。 まるで憶えていないので本棚にも入れてないが。 あらすじ 【2002年、シエラレオネで5人の女性が殺害された。元少年兵3人が起訴されるが、記者コニーはイギリス人のマッケンジーを疑っていた。2年後、バグダッドで彼に遭遇したコニーは拉致監禁されてしまう。解放時、彼女はほぼ無傷なうえ曖昧な証言ばかりで監禁中の出来事を警察に話さない。何を隠しているのか? 圧巻の心理描写と謎解きの妙味を堪能できる、英国ミステリの女王による渾身のサスペンス。】 おもしろかった。 550ページ近くあるのにスイスイ読んでしまった。 ミステリーというよりサスペンス色が強いかな。 リーダビリティー?が高い。 何が起きたのか、最後に何が起こったのかははっきりと書かれておらず、匂わせるようなかたちだったが、それで充分にわかるのでかまわないと思う。 キャラクターがいいのかな? その関係性も。 「氷の家」だったか。 やっぱり周囲から孤立していながらもしっかり独立している女性がいたと思う。 なんとなくそんなことを思い出した。 もっと彼女の作品を読んでみたいとも思うけど置いてないんだよな~。 まあ、そのうちに気が向いたら取り寄せようか。 読みたい本が多くて困る。

    40
    投稿日: 2024.06.15
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    大好きなミネット・ウォルターズも本作含めて残りあと2冊となってしまいました 次がラストってことですな うーん、なんとかならんかね? 未訳作品がまだ残っておるのだよ 創元社さん頼むよほんと 今作はちょっとごちゃごちゃし過ぎかな?って思いました またいつものミネット作品にある終わり方の爽快感も少し控えめ なのでちょっと不満 だけどやっぱり魅力的な女性を描かせたら当代随一!これは間違いない!(ビシィッ) この魅力的な女性が恐怖と向き合い勝利を収めるってのがミネット作品ですと言い切ってもいいくらい だから、むしろ男子に読んでもらいたい もしわいが「委員長」ってあだ名の中二女子だったら、学級会とかで「ちょっと男子がうるさくて会が始められませ〜ん。男子は静かにしてくださ〜い。あとミネット・ウォルターズ読んでくださ〜い」って言っていたと思う 良かったな、中二女子じゃなくて

    59
    投稿日: 2024.03.14
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    イギリスの作家「ミネット・ウォルターズ」の長篇ミステリ作品『悪魔の羽根(原題:The Devil's Feather)』を読みました。 『養鶏場の殺人/火口箱』に続き、「ミネット・ウォルターズ」の作品です。 -----story------------- 2002年、シエラレオネで5人の女性が殺害された。 元少年兵3人が起訴されるが、記者「コニー」はイギリス人の「マッケンジー」を疑っていた。 2年後、バグダッドで彼に遭遇した「コニー」は拉致監禁されてしまう。 解放時、彼女はほぼ無傷なうえ曖昧な証言ばかりで監禁中の出来事を警察に話さない。 何を隠しているのか?  圧巻の心理描写と謎解きの妙味を堪能できる、英国ミステリの女王による渾身のサスペンス。 解説=「松浦正人」 *第3位『ミステリが読みたい!2016年版』海外篇 *第5位『IN★POCKET』「2015年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」総合部門 *第5位『IN★POCKET』「2015年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」作家部門 *第6位『このミステリーがすごい!2016年版』海外編ベスト10 *第6位『IN★POCKET』「2015年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」読者部門 *第6位『IN★POCKET』「2015年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」翻訳家&評論家部門 *第8位『〈週刊文春〉2015年ミステリーベスト10』/海外部門 ----------------------- 2005年(平成17年)に発表された「ミネット・ウォルターズ」の11作目にあたる長篇作品…  翻訳されたのは10年後の2015年(平成27年)のようですね、、、 全体で約550ページ… 中盤の展開が緩やかで、やや冗長な感じなので、集中力が欠けてしまった部分があり、消化不良の印象が残る作品でした。 アフリカの紛争地でかつて発生した拉致事件で、ロイター通信社の記者「コニー・バーンズ」は、この事件の真犯人ではないかと、流れ者の傭兵「キース・マッケンジー(ケネス・オコンネル/ジョン・ハーウッド)」を疑い、調査する… しかし、「コニー」は、治安の悪化しているバクダッドで「マッケンジー」に拉致、監禁される、、、 三日後に無傷で解放された「コニー」は、拉致事件に関しては一切口を閉ざし、両親の住むイギリスへと帰り、絵に描いたような田園地帯の古屋敷に隠棲する… 彼女の身に、いったい何が起きたのか、そしてなにが起きようとしているのか? ここまでの緊張感のある展開が序盤の40ページで濃密に描かれるのですが… その後の展開が冗長で、集中力を保って読むのが難しかったですね、、、 イギリスの片田舎に「マッケンジー」の魔の手が少しずつ近付いてくる… 「コニー」は、農場経営者の「ジェス・ダービシャー」や医師の「ピーター・コールマン」と協力して、「マッケンジー」と対峙していく。 そして、並行して「コニー」の住むバートン・ハウスの所有者「リリー・ライト」や、その娘「マデリーン・ハリスン-ライト」と、その夫である「ナサニエル・ハリスン」のドロドロした関係や秘密が暴かれる… という展開、、、 悪くはない要素が詰まっているのですが、もう少しスピーディーな展開の方が読みやすかったし、「コニー」と「ジェス」の二人が、「マッケンジー」をどう扱ったのかが、明示されずに終わったので、物足りない感じが残りました。 以下、主な登場人物です。 「コニー・バーンズ」  ロイター通信社の記者 「ブライアン・バーンズ」  コニーの父 「マリアンヌ・バーンズ」  コニーの母 「ダン・フライ」  ロイター通信社イラク支局長 「アラン・コリンズ」  マンチェスター警察警部補 「ビル・フレイザー」  警部補 「キース・マッケンジー(ケネス・オコンネル/ジョン・ハーウッド)」  傭兵 「アラステア・サーティーズ」  警備会社のスポークスマン 「アデリア・ビアンカ」  イタリアのテレビレポーター 「ジェス・ダービシャー」  農場経営者 「ピーター・コールマン」  医師 「リリー・ライト」  バートン・ハウスの所有者 「マデリーン・ハリスン-ライト」  リリーの娘 「ナサニエル・ハリスン」  マデリーンの夫 「ニック・バグリー」  ドーセット警察警部補

    1
    投稿日: 2023.04.04
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    ※半分読了の途中感想(なんだそりゃ) なぜかというと今の気持ちを記録しておこうと思ったから。 主人公とご近所さんとかのやり取りとかがずっと続くけどこれ必要なんかいな、本筋に関わるのかな〜? いい加減読むのが面倒になってきた。 それと、海外小説苦手理由によく挙げられる(?)『登場人物の名前が覚えられない』で登場人物の紹介ページを何度見直したか…。お前は誰だよ、普通に喋ってるけどどこから出てきたよ? もう少し頑張る。報われますように。

    1
    投稿日: 2020.08.09
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    凶悪犯に拉致監禁された女性の一人称形式で話が進むのだが、これがなんとも疑わしい。 真実を隠しているのであっても、読者には理解しようがないからだ。 そんなモヤモヤした気分を抱きながら、しかも、隠棲先の奇妙な人間関係も不可解なことばかり。 最後まで判然としなかった。

    1
    投稿日: 2020.07.04
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    ウォルターズ初体験。 連続女性強姦殺人事件を追う女性記者が3日間拉致監禁された後、解放される。監禁中のことを決して話そうとせず、マスコミから身を隠す彼女のもとに、再度犯人が忍び寄り…という話。 主人公が話そうとしない事実は想像の範囲内だが、恐怖心の描写が巧みで、文字通り目が離せない。この本筋の話の第18章での転換も見事だが、サブストーリーにしか思っていなかった人物に係る第21章以降の展開には本当に驚いた。

    0
    投稿日: 2019.12.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やっぱりミネット・ウォルターズは面白い。どんなシチュエーションであっても、結局グイグイひきこまれる。そしてひとつだけではないんですよね。謎解きが。 さらに女として、頑張らなくちゃという気持ちにさせられる。 「幸せの秘訣は自由である…自由の秘訣は勇気である」 どこまでで似るかわからないけど、私はすごく勇気づけられた作品でした。

    0
    投稿日: 2018.06.02
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    こういう展開は全く予想しておらず。 勝手に「こんな話だろう」とイメージしていたものとあまりにも違って、むしろすがすがしい。

    0
    投稿日: 2018.01.21
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    シエラレオネで女性が五人殺害された。 記者コニーはある男を犯人ではと疑っていた。 そんなコニーが拉致監禁されるが、数日後解放された彼女は事件について多くを語らないまま身を隠してしまう。 事件の犯人は主人公の思う通りなためミステリーではなくサスペンスなのだが、事件の経過を読むというよりは、恐ろしい体験をした女性の心理を読むといった物語。 主人公コニーのまさに揺れる思いが描かれる。 恐怖というものは明らかに恐ろしい何かに対してというより、何かはっきりしないものにいつ何をされるかわからないことにある。 そういう恐怖に怯える心理が読み手にも伝わってくる。 ただ、事件の犯人を考えたり事件の顛末に興味を持って読むと、少し物足りない。 それがわたしだった。 わたしとしてはコニーが拉致されるまではスピード感があるのに、解放されてから失速したとさえ感じてしまった。 わたしはこういった事件の被害者になったことがないのであくまで想像にしか過ぎないが、誰かに狙われていると考えるとき、田舎よりは都会にいると思う。 田舎のほうがひとがいないため却って自分を隠すのにふさわしくないのではと思うだろうから。葉を隠すのなら森に、ひとを隠すのなら雑踏にだ。 そのため田舎に隠れるコニーの気持ちがよくわからず、コニーには別に思うところがあって敢えて田舎に行ったのではなどと要らない深読みをして結果ガッカリさせられた。 人間の心理を読みたいひとには面白いと思う。 人間の心理を読むのは好きだけれど、創元推理文庫から出版された本にそういうものは期待していない。 面白くないわけでもないけれど、やはり物足りなさを感じる一冊だった。

    0
    投稿日: 2016.10.06
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    私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2016.9.18読了 面白い小説です。でも、今まで重ねて来たような意味の面白いというのとは少し違う、面白い小説です。 スマホ上でうまく改行してくれなくて書きづらいので、これで終わります。

    0
    投稿日: 2016.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2002年、シエラレオネで5人の女性が殺害され犯人も逮捕されたが、ロイター通信社の記者コニーはイギリス人のマッケンジーを疑っていた。 マッケンジーは女性に対して非常に暴力的な男だった。 コニーはシエラレオネを立ち去るが、去り際、マッケンジーに脅迫めいた言葉を告げられる。 そして2年後、バグダッドでマッケンジーと出会ったコニーは拉致監禁されてしまう。 3日後、一見無傷で解放されたコニーは、その間にあった事を黙して語らない。 コニーの狂言だったのではないかという見方も出る中で、コニーは行方を晦ます。 コニーがマッケンジーから逃れるように身を潜めたのはイギリスのとある谷あいの村だった。 そこでコニーが出会ったジェスという寡黙な女性、おしゃべりなピーターという医者、コニーが借りた家の持ち主であるリリー、リリーの娘のマデリーン。 マッケンジーによる拉致監禁事件と、閑静な村で過去にあった出来事の2つが絡み合いながら物語は進んでいく。 ――――――――― 以下、ネタバレにつき注意 物語はコニーの視点で綴られて行く。 コニーの手記と「現在」の話、「過去」の話。 事件の詳細の記述と取り調べの様子。 様々な視点の話が交錯して進むので読みづらいかと思いきやそうでもない。 意外とあっさり読み進められる。 そしてミステリーと称しながらも全ての謎が解明される訳ではない。 ①一つは、コニーの拉致監禁事件について。 マッケンジーに監禁されていた時、コニーの身に何があったのかは漠然と知ることができる。 だが、何故マッケンジーが一見無傷でコニーを解放したのかは不明だ。 マッケンジーがコニーに何かしらの同類意識を持っていたのか? 単なる気まぐれか? それとも、マッケンジーはバグダッドを脱出しなければならなかったが、急を要した為にコニーを殺害する時間がなかったのか? 脅える獲物を一旦逃して、更に獲物の恐怖を煽った上で殺したかったのか? あくまでも推論に過ぎないが、マッケンジーは「サイコパス」と形容されている為、恐らく「マッケンジーは殺す際の恐怖に歪んだ顔をもっと長く見たくて」コニーを逃したのではないかと思う。 恐怖を煽り、「再びこの男にコントロールされる屈辱と恐怖と絶望」に満ちたコニーの表情を見たかったのではないか? 幸いにも私はサイコパスではないので、マッケンジーの気持ちは分からない。 ②二つ目は、マッケンジーの死についてだ。 マッケンジーは誰に殺されたのか? 切断された腕が見つかったのだから、恐らく何者かによって殺害されたに違いない。 私は恐らくコニーとジェスがマッケンジーを殺害したのではないかと思っているが、その方法は全く見当もつかない。 コニーが父親と電話をしたとき、父親が「われわれは買ったか? 悪魔は死んだ?」と訊いた。 それにコニーは「完璧に死んだ」と答えた。 この会話は解釈に悩むところだ。 仮にコニーとジェスがマッケンジーを殺害していないとすれば、単に「悪魔」=「恐怖心」と捉えることができる。 つまり、恐怖の対象に果敢に立ち向かう勇気を取り戻したという意味だ。 一方、二人がマッケンジーを殺害したとすると、悪魔はマッケンジーとなる。 父親がその後嬉しそうだったというコニーの母親の言葉から、警戒するべき相手が死んだことに対する安堵とも受け取れる。 最後まで楽しく読めたし、読後感も悪くない。 残った謎を完全に解き明かせないことは歯痒いが、決してそのこと自体が作品の質を損なう訳ではない。 読み応えのある作品だった。

    0
    投稿日: 2016.07.30
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    本作では、人生における危機や悲劇を乗り越えた人たちの「その後」を心理的に解き明かしていく。 冒頭、英国系ジンバブエ人の主人公がアフリカで取材中に拉致され、3日後に解放される。普通のミステリーならそれだけで1冊終わってしまいそうだが、本書ではこれは、言うならば起承転結の「起」だ。 しかも、ここから端を発する事件は「転」が足早にやってくる。ところがこのシーンを迎えてもまだ、物語はどんどん続いていく。 そう、だって、それが人生だからだ。大きな危機を乗り越えて命は救われた、めでたしめでたし、で終わるなんて、現実は許さない。 一人称によって語られる物語だが、なにせこの「わたし」が信用ならない語り手なので、読む者は「わたし」の手の上で転がされているかのような、釈然としない心持ちで「結」までゆっくりと進まされる。 その他の登場人物も、みな「その後」にいる人たちである。「その時」を振り返っては歯がみし、自分や他人を呪い、地団駄を踏みながら今を生きている。 そんな中、ふとした時に主人公が目を開き、自分の強さに目覚める瞬間はすがすがしい(しかし当然、そのあとも物語=人生は続く)。 謎解きあり、アクションあり、心理戦あり、ミステリーの要素が満載で飽きさせない。お見事。

    1
    投稿日: 2016.04.20
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    英国ミステリの女王ミネット・ウォルターズの作品。 誘拐された女性記者が立ち向かったのは‥?! コニー・バーンズはロイター通信の記者。 アフリカのシエラレオネで連続暴行殺人事件が起き、犯人は逮捕されたが、コニーは傭兵のマッケンジーに疑いを抱く。 後に、コニーは何者かに誘拐される。 当時、記者が誘拐される事件は相次いでいて、解放された後にマスコミに多くを語る女性もいた。 コニーはほとんど語らずに帰国し、不審に思われながら田舎の村に身を潜める。 国際的な状況を背景に、実はアフリカ生まれの女性であったりと、これまでになく視野を広げた設定。 後半は小さな村の古い屋敷の中に、事件が収束していきます。 何一つ証拠がなく、おそらく脅迫もあったために、コニーは一切を語らず、マスコミや警察にさらにボロボロにされることを避けたのでしょう。 借りた屋敷は予想よりも村はずれにあり、ネットさえ繋ぎにくい。その無防備さは、ほとんどホラー。(いずれ傭兵マッケンジーが来ることを思うと‥) 隣の敷地で農園を営む女性ジェスが、何かと様子を見に来てくれる。 中性的で年齢不詳な外見で、村人からはほとんど相手にされていない変わり者。 屋敷の持ち主の老婦人リリーの面倒も見ていたらしいのだが‥? ジェスを煙ったく思いながら、だんだんと心を通わせるコニー。 リリーとその娘、ジェスとの間に何があったかも次第に明らかに。 コニーは事情を解明していく過程で、恐怖に打ちひしがれていた状態から回復していきます。 平凡な村で起きた誤解や無関心の恐ろしさ。 アフリカでの事件とはまったく異質な‥この対比がすごいです。 いや人間の起こす事件としては、通じるものがあるのかも。 新鮮な切り口ですが、ミネット・ウォルターズの過去の作品のモチーフも、長年の読者の目にはちらほら散見します。 抑えているようで実は熱っぽい。 最後はたたみかけるような怒涛の展開に。 結末は明快にはしませんが、何が起きたかは十分わかります。 うねるような勢いが魅力的で、面白かったです☆

    2
    投稿日: 2016.01.16
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    南アフリカで犯罪者に拘束された過去を持つ女性ジャーナリストが、隠遁したイギリスの片田舎で新たな恐怖に遭遇する。弱者の立場にいた者が復讐劇の渦中に置かれる過程、そしてその意外な顛末と豊かな余韻も楽しめる。主人公をはじめとして逞しい隣人や母親まで、とにかく女性の力強さが印象的。

    1
    投稿日: 2015.12.13
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    コニーは取材中に拉致監禁される。 無傷で帰ってきた彼女はあいまいな証言を繰り返し、犬を恐れ、自分を精神的に追い詰めた男の影に常に怯えている。 何があったのか。 そして彼女はどうするのか。 マッケンジーと対決する場面は緊迫感がある。 彼女が彼に対してハッタリをかますシーンはドキドキする。 コニーは彼をとても恐れていた。 人格を破壊される直前まで辱めを受けたのだから。 しかしその一方で彼女は彼に復讐したいとも思っていた。 相反する二つの気持ち。 この気持ちのどちらが打ち勝つのか。 ある意味で彼女は千載一遇のチャンスをものにしたのだ。 そして。 マッケンジーはどうなったのかわからない。 おそらくそうだろう、という希望的観測を読者は得るが、それでも確定的なことは本文中では描かれない。 また、結末も同じように。 本作の象徴的な言葉がある。 深淵をのぞきこむ者は、深淵からも覗き込まれている 深淵とは何か。 それは見えない何かではなく、見えている何かなのだ。 それに気づくか気づかないか。その違いだけで。 本作は二つの事件が絡まり合っている。 上記の事件に関してはかなり面白いのだが、もう一つの事件は私にとってはわかりにくかった。 どうしても外国人の名前というのに慣れない。 これだけ本を読んでいても、人物が増えすぎるとごちゃごちゃになってしまう。 (だからきっとロシア文学は無理だ) 途中で読むのに飽きてしまった部分もあった。

    1
    投稿日: 2015.10.19
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     コニーは、ロイターの記者で、彼女が殺人犯ではないかと疑っている男に拉致監禁される。三日後彼女はほぼ無傷で開放されたが、彼女の証言は曖昧でしかない。そして彼女は、イギリスの田舎に隠れ住む。  なんとも難しい設定にしたもんだと思った。  主人公が記者で、しかも彼女の視点のみで描かれている。つまり、彼女は物事を客観的にとらえることにたけていると同時に、この作中で一番信用のできない語り手なのだ。  そのうえ、彼女は助けを必要としていない。  結局のところ、田舎町で知り合った世捨て人のような女性の助けを得ることになるのだけれど、二人ともがそういうコミュニケーションに対して不器用なのですんなりといかない。  世捨て人のようなジェスも、大きなトラウマを抱えている。  そして、二人してそれぞれのトラウマを乗り越えていくのだけど、すっきりはしない。    人間の中には<善>と<悪>が常に存在している。  同じように<強さ>と<弱さ>もあり、それらは主観と行動によって真逆にだってなりえる。   そういうことを全て抱え込んで物語を成立させているのだから、すごい、としか言いようがない。  前作の「遮断地区」でもちょっと感じたけど、ウォルターズは<新しい価値観>みたいなものを模索してる気がする。今までの概念を超えたものを創り出そうとしているように思う。  面白かった。

    1
    投稿日: 2015.10.16
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    新聞やテレビを賑わせることも少なくない、戦地におけるジャーナリストが人質としてあるいは捕虜として監禁される といった事件を軸に書いているようにも思うけれど、実際はイギリスの田舎での旧家におけるサスペンスであり、そしてずたずたに傷つけられた女性の自己復権の辿々しい足跡であり、そして深淵を見る病んだ眼差しの物語なのだった。 最初は冗長にすぎると思った描写は世界の象徴でもあり、事件の渦中である部分は大胆に省かれている。 そしてそれで良いのだろう、とも思う。

    1
    投稿日: 2015.10.08
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    最近読んだ本から。 大御所ウォルターズの邦訳最新。 バクダットで拉致された女性ジャーナリストが主人公。無傷で解放されたものの監禁されていた間のことは語ろうとせず田舎に引っ込んでしまう彼女の行動を巡っての話。 拉致監禁を巡る謎と引っ込んだ先の田舎の住民達を巡る人間関係が絡み合って展開されるストーリーは見事。こういう事件もあったのかもな、と思わせられます。 ただ、英国作家くさいというか田舎に引っ込んでから展開される会話劇がやたらと長くややこしく挫けてしないそうになるのも事実。 読み易くは無いですがかなり面白い作品ではありました。

    0
    投稿日: 2015.09.27
  • 臨場感溢れる読み応え

    アフリカで育った英国人ジャーナリストの女性が主人公です。ストーリーは少し複雑でスピーディーな場面展開で飽きさせないです。舞台もアフリカ、イラク、イギリスの郊外と移って行くのですが、間にEメールのやり取りが挟まったりして、それが危機感を盛り上げます。一見ひ弱な女性の中にある、不撓不屈の精神が感動をよびます。 サディストの傭兵クズレを相手に知恵と勇気で立ち向かうタフに見えない、アマゾネス。英国の田舎で知り合う、奇妙な女性との一筋縄ではいかぬ不思議な友情も見どころありました。 トラウマを抱えながらも勝つまで闘うしぶとさに勇気を貰いました。

    3
    投稿日: 2015.08.27
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     中編集『養鶏場の殺人・火口箱』を読んでから、少しこの作家への見方がぼくの方で変わった。≪新ミステリの女王≫と誰が呼んでいるのか知らないが、この女流作家はミステリの女王という王道をゆく作家ではなく、むしろ多彩な変化球で打者ならぬ読者を幻惑してくるタイプの語り部であるように思う。  事件そのものは『遮断地区』特に強く感じられるのだが、時代性と社会性を背景にした骨太のものながら、庶民的な個の感情をベースに人間ドラマをひねり出し、心理の深層を描くことにおいて特に叙述力に秀でた作家なのだと思う。  本書はミネット・ウォルターズとしては最もページ数を費やした大作長篇であるのだが、種火は西アフリカ、シエラレオネでの連続女性暴行殺人事件。ヒロインはそれを取材していた英国人女性。さらに舞台は米軍兵士によるイラク人捕虜虐待の映像が世界中に衝撃をもたらしている渦中のバグダッドに移り、ヒロインはいきなり連続誘拐事件の被害者の一人となる。  しかしここで誘拐の実態は語られることがない。ヒロインはいち早く三日間で釈放され、本人は英国ドーセット州の田舎町に隠遁者のように居を移しそこでの生活を語り始める。  そして連続殺人鬼と目される戦時暴力の申し子であり、傭兵として歪んだ生きざまを歩いているらしき一兵士の足音が刻々と彼女に迫る。誘拐事件の真相は何だったのか? 誰に誘拐され、何故に釈放されたのか、そして彼女の沈黙の意味は? こうした謎を引きずりつつ、ドーセット州での家主や隣人のもう一つの田舎の事件を彼女は探偵のように探ってゆく。  個性ある人物の配置はいつもながらであるが、田舎町そのものの個性を描くこともこの作家は得手としているように思う。隣人や村社会のなかで描かれる距離感や、噂話が持つ地に足のつかない心理的な枷が彼女や隣人を真綿のように締めつける。  そして圧巻であるはずのクライマックス・シーンに到達すると同時に、そのシーンの描写は、誘拐事件と同じようにまたしても割愛される。既に聴取室にいるヒロインと懐疑で徹底的に武装した取調官との対決。この小説中最も重要と思われる部分を描かないことによりこの著者らしいミステリー小説がより完成度を増している、といった皮肉な世界構築をミネットは成功させているのだ。  作家だったらきっと手に唾をつけて熱のあるペンをふるいたくなる場所にだけ暗黒のフェイドアウトを入れて、思わせぶりでじれったい描写により、読者の想像に結論を委ねる。ミステリー作家らしくはあるものの、やはりこの人は女王というよりもひねくれ者のアーティストにしかぼくには見えてこない。

    2
    投稿日: 2015.08.09
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    前回読んだ中編の感触がよかったので、久々に長編にトライしてみた。結果はビミョー。 上記のあらすじは序盤。解放後、身を隠すために移り住んだ農村での人間関係が、もうひとつの軸となる。相手の出方を窺いながら徐々に心を通わせる偽名の生活と、記者コニーとしてのメールのやりとりからくる緊迫感の対比が興味深い。でも中盤はちょっと退屈したかも。 後半は、インパクト大の出来事から一気に展開する。前半はサスペンスで、後半は本格ミステリかな。追及する者とされる者。そこに心理描写の上塗りが加わり、前半とはまた違った緊張感で読ませる。 ミステリとしては非常によくできていると思う。伏線を回収し、心理戦を仕掛け、ロジックで追い詰める。余韻と満足感を味わえる読後感なのだろうが、私にはまだ長編は早かった…。

    2
    投稿日: 2015.07.13
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    『英国ミステリの女王』ウォルターズの最新作は緊迫感溢れるサスペンス。 女性ジャーナリストを主人公に、『彼女に何が起こったか?』を解き明かして行くストーリーは緊迫感に溢れているが、終盤、田舎町の人間関係がクローズアップされてからはやや散漫な印象を受けたのが残念。ウォルターズは人間関係を描くのが上手いので、つまらないわけではないのだが、主題を前者ひとつに絞って欲しかった……。 しかし、もやもやの残るラストは非常に良かった。『はっきり書かない』という効果が非常によく解る。

    1
    投稿日: 2015.07.09
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    煮え切らない女達の物語り 見えないなかで過大になっていた恐怖が、見えたことで冷静になれたというところは説得力があるんだけど、前半、あそこまでコニーがダメダメになって逃げてしまうところが、どうもしっくりこない。やりすぎというか。書きすぎというか。 にしても、名前がもう忘れられて出てこないけど、家の番をしていたあの女性、そしてマリアンヌだっけ、いやな女、そしてその母。 さすがウォルターズ。女達がみーんないやな奴でいいなあ。 ピーターは、圧倒的な暴力の前にそれまで築かれていた良さがすべてなくなってしまうのがみじめ。でも、現実にはあんなもんだろうなあ。

    0
    投稿日: 2015.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    実は最後まで主人公コニーがマッケンジーに何をされたかは具体的には書かれていません。 一応それを口にするシーンはありますが、彼が行ってきたことがらの推測ともとれるので、彼女がそれをされたかどうかはわかりません。 断片的に『服を脱がされていた』『顔を水につけられて』や『犬をけしかけられた』『性病検査にすぐ行った』ことから、性的な拷問と肉体的苦痛を散々に味合わされ屈服させられたことがわかる程度です。 重点は、行われた悍ましい内容ではなく、彼女の傷の深さなのです。 彼女は狂言じゃないかというそしりを受けても、自分がやられたこと説明できない。父母にはもちろん言えない。 彼女ができたことは誰も知らない場所で一人で過ごすことだけ。 マッケンジーの二度目の襲撃に怯えながらも誰とも会えない。 あおり文句のせいで彼女を疑って見ていた読者の私も彼女の恐怖感が伝わってくる。 そこにずかずか踏み込んでくるのが、ジェスという町の変わり者。 彼女は家族を事故で失い、悪評をたてられ、やはり孤独な女。 以前もコニーの借りている家の持ち主で現在は施設に入っているリリーという老女の面倒を見ていた。 このリリーという人は鼻持ちならない傲慢な人間で、かつて使用人だったジェスの先祖だけではなく、無関係のジェスまで下に見ていた。その娘マデリーンはさらにその上をいく性悪でジェスの悪評をばらまき、かつての恋人を奪ったぶりっこ強欲女。 けれどジェスは言いたいことは言わせとけば?みたいに、素知らぬ顔。 きつくてシニカルなのにおせっかいなジェスに当然コニーは反発するが、母親に諭されて彼女に徐々に向き合ってみる。 そして彼女自身が抱える問題を知ることにもなるが、同時にマッケンジーが中東から出たことを知り恐慌状態に陥るコニー。 友人の警官アランや不倫相手(結婚のいきさつがひどいのであまり責められない)、さらにジェスの友人の医師まで、彼女は何も悪くない、でも、勇気をもって真実を話し、奴を断罪しろと説得してくるが彼女は恐ろしくそうできない。 しかも、人とつきあいたくなかった彼女がいる場所は陸の孤島ともいうべき場所でネットも屋根裏までいくか、丘まで走るかしなければ満足に使えないのだ。 そして、当然奴は来るのだが、実はそれは3/5くらいのところだ。 かなり驚いたが、そこからコニーがどう過去と向き合っていくのかは非常に読みごたえがある。 結末には賛否両論あると思う。 やはりはっきりとは書かれない。 注意して読めばだいたいの推測はできるが。けれど、それは問題ではない。 打ちのめされた人間が傷を乗り越えることがこの物語の要なのだから。

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    投稿日: 2015.07.05
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    拉致監禁されて解放された女性ジャーナリスト。 一人はわずか3日で無傷で解放。 一人は死の宣告を受けながら拘束の跡が残る。 一人は恐怖に怯え、記者会見をすっぽかして雲隠れ。 一人は解放と同時にメディアの前に果敢に体験を語る。

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    投稿日: 2015.06.18
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    終盤に向けてのウォルターズらしい展開。文脈を読み手としてどう捉えるやろかやけど。 台詞もビシッと決まってる。

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    投稿日: 2015.06.04
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    2002年、シエラレオネで5人の女性が殺害された。元少年兵3人が起訴されるが、記者コニーはイギリス人のマッケンジーを疑っていた。2年後、バグダッドで彼に遭遇したコニーは拉致監禁されてしまう。解放時、彼女はほぼ無傷なうえ曖昧な証言ばかりで監禁中の出来事を警察に話さない。何を隠しているのか?  圧巻の心理描写と謎解きの妙味を堪能できる、英国ミステリの女王による渾身のサスペンス。 解説=松浦正人

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    投稿日: 2015.05.29