
総合評価
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powered by ブクログ近年地政学という学問体系が見直されたのか、書店には専用のコーナーが設けられるなど関心度も高い。そもそも地政学は「地理と政治を組み合わせ、地理的要因を軸に国家の行動や国際関係を考察する」が定義であり、そのまんま国家が政治の方向性をその地理的要因により決定づける重要な指標となる。影響するのは、周囲をどの様な国に囲まれているかという国の地理的位置であり、海や陸地の制約(急峻な山脈や谷に囲まれているなど)、そこに眠る天然資源の量など、国家が国境線内外にどの様な地理的要因を抱えているかによって、政治が受ける影響を分析する学問体系と言える。かつてヨーロッパを征服したナポレオンが「地理を見ればその国の政治がわかる」と言う言葉を残したが、その国の地理的要因を分析して、政治や体制を創造すれば、相手の出方や考え方が理解できるという意味合いが表されている。国家の戦略を決める上で地理がどれほど重要であるかを示した表現として本書内でも同義の記述が度々登場している。 地政学で出てくるキーワードとしては「ランドパワー」と「シーパワー」の2つが有名だが、それには捉われずに一体化する宗教的なつながりとして、イスラムのパワーを第三の勢力として捉えている。前者ランドパワーは言わずと知れたロシアやドイツ、フランスなど国家の多くを大陸上にある陸続きの他国との繋がりを中心とする勢力を表す。ユーラシア大陸の東端にある中国もシルクロードを通じた貿易を遥か昔から行っており、ランドパワーの主要な国家に位置付けられる。次に島国であるイギリス、日本、アメリカは海に出ることでその力を示したり、貿易による富を築いてきた勢力であり、此の三国はかつて日本も批准した海軍の艦隊数の制限による軍縮を図ろうとしたワシントン海軍軍縮条約の主要な海軍国家の3つに名を連ねる(因みに他にはイタリアとフランスも含まれていた)。海軍国家という意味ではかつて世界の海を制し、大艦隊によって世界中を征服したスペインも長らくシーパワーの主要勢力であると言える。 そして地理的要因に捉われず、国境さえも関係なくよずに右往無尽に連携するイスラム教の勢力。国家の垣根を超えて力で結びつく勢力は、国家の政治が及び辛く他国からも捉えにくい。前述の陸と海、そしてイスラムを加えた3つの勢力が世界を動かす大きな要因となっているのは間違いない。そして交通技術が発達し、空に海に向かって巨大な国家の力を影響力を及ぼす現代の流れは、かつての陸地の国家が周辺国との対立を恐れず海へとその力を向ける。そう、それは中国の力であり、彼の国が動けば周辺諸国の緊張は一挙に高まる。なぜ中国が海へ出るかは、そこに未開の資源があるからであり、超大国アメリカへの挑戦でもある。 地理的に見れば各国の動き方への理解が深まる。その先を見据えた国家戦略が必要であり、短期的な利益ではなく10年、100年を見据えた国家戦略を地理的要因を理解しながら策定し進まなければ、大国に振り回されて、やがては衰退してしまう。果たして日本の国家戦略にはその様な国家100年の大計はあるだろうか。本書で地政学に改めて触れつつ、先ずは身近にいる北朝鮮や中国、ロシアなど必ずしも友好的とは言えない各国との関係性をどう改善していくか。そして太平洋という広大な海を越えて結びつくアメリカや、すぐ隣にいる韓国との関係性を今後どう維持していくか。更には地球温暖化により北極の海は溶け、船舶の移動が可能になった時、大国ロシアがどう動くか。様々な地理的要因に加え、温暖化や核兵器、宇宙開発など現在の様々な課題を含めて考えるべき事は多くある。本書は東アジア動乱という少し物騒なイメージを抱くタイトルではあるものの、先ずは北朝鮮やモンゴル、中央アジアなどとの友好的関係性を築くためのたくさんのヒントをくれる一冊だ。
0投稿日: 2025.12.23
powered by ブクログタイトルの煽りはともかく、東アジアの現状と今後の展望を地政学を用いて解説…はしてるんだが、ランドパワーとシーパワーに二項対立では無く、第三勢力を出してきたモノの掘り下げが甘い(そりゃ新書だからページ数には限界はあるにせよ)出すならきちんとまとめてくれと。そして、北朝鮮に甘い。拉致被害者の再調査をすると発表した時点では多少期待したが、締切をどんどん先延ばしして回答する気が無いし、そもそも北朝鮮の核開発とミサイル開発・配備は国連安保理決議違反なのにそこが一切考慮されていないので、片手落ちどころか、ほぼ両手落ち。もう少し信用できる著者だと思ったのだがなあ…
0投稿日: 2018.10.14
powered by ブクログ東アジアのを地政学の観点から洞察。 シーパワーとしての日本の立場が感じられた。『地理的条件をみれば、一国の政治政策が垣間見れる』(意訳)とは、ナポレオンのお言葉。確かに隣国との関係がその国の外交戦略になるよね、納得。
0投稿日: 2018.07.30
powered by ブクログ世界は、地政学的にランドパワーとシーパワー、イスラーム国家に大別できる。逆さ地図から見えてくる日本の地政学的位置付け。ランドパワーとシーパワーの境目にある日本が地域の安定のために出来ることとは何か。 地政学から考える日本の役割を説く本。 地政学的なアジア地域での対立を解消できる鍵を握るのが日本だという主張が面白い。 日本はシーパワー国家として有力なだけでなく、鉄道などのインフラ技術や環境技術など、ランドパワー国家が必要とする技術も有しており、これらを駆使することで、ランドパワー国家とシーパワー国家を結び、また、双方のバランスを保ち、地域の安定化を図ることができるとする。
0投稿日: 2016.08.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シーパワーについてはマハンの本を一冊読んだが、地政学に関する本はマッキンダーも含め読んだことがなかったので購入。 加えて「東アジア」というのが、近代史や経済といった点で今後本で読もうと思っていて分野だったので個人的にはちょうど良い本でした。 東アジアとりわけ、著者の専門である朝鮮半島や中国、ロシアとの関係性はなかなかちゃんとテレビで伝わっていない話もあり興味深かったです。 特に「加害者と被害者の関係が1000年たっても変わらない」の話にはハッとさせられました。韓国社会の歪みや政治家の発言意図を非常に考えさせられる内容でした。
0投稿日: 2015.03.15
powered by ブクログ地政学の観点から東アジアの現況を分析。「シーパワー」、「ランドパワー」、そして新たなイスラムの3極構造がよく理解できる。日本の役割への筆者の想いには共感すべきものがある。
0投稿日: 2015.02.01
powered by ブクログ地政学とは、地理的な位置関係が政治、軍事、経済の分野において、国家に与える影響について研究する学問のこと。 一国の地理を把握すれば、その国の外交政策が理解できる。 中国の製作には、アメリカはアジアではないという地政学的な視点を含めつつ、1990年代から様々な外交展開をしてきた。 ドイツでは東ドイツのメルケルが首相をやっていても、韓国で北朝鮮出身者が首相をすることは受け入れらえれrない。
0投稿日: 2015.01.30
