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世界文学は面白い。文芸漫談で地球一周
世界文学は面白い。文芸漫談で地球一周
奥泉光、いとうせいこう/集英社
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総合評価

8件)
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    文芸漫談2」1はまだ読んでないのですがまず2からで。見仏記の「いとうせいこうさん」と作品が好きな「奥泉光さん」の対談(ショーかも) 積んでいる本の中に付箋がちょろちょろ見えると胸騒ぎがする。記録しただろうか。題名を見て確かに読んでいる。でも感想を書くとなるとあまり記憶が鮮明でない。だからすぐ書こうと言ったのに(パソコンに低姿勢) でも断言すると、これは面白かった。 いとうせいこうさんの作品は読んだことがないが取り敢えずデビュー作を読むのがいいらしい。 見仏記は相棒がみうらじゅんさんで相当ぶっ飛んでいたりするので、いとうさんが本筋に引き戻しつつ、ありがたい仏さまを見て歩く、この二人の会話が愉快でたまらない。 ここでも奥泉さんが話の翼を広げるだけ広げてどこか世界の違う所に飛び出しそうになるのを、いとうせいこうさんがそれとなく地上に引き戻す。手綱さばきがいい、息もあっている、見仏記と同じようなパターンで、だから面白い。 読んだものも読まなかったものも、二人の話から納得できたり、さすがに作家の視点がと感じたり、ユニークな表現で、照らし出して読ませてくれたり類を見ない。 本音が即本質に通じているという、作家・作品解説と言えばいえる、面白すぎる本でした。 目次を見ると 1 カフカの「変身」は結構ベタなナンセンス・コント 2 ゴーゴリの「外套・鼻」はいきなりハイパーモダン 3 カミュの「異邦人」は意外にイイ人 4 ポーの「モルグ街の殺人」は事件じゃなくて事故でした 5 ガルシア・マルケスの「予告された殺人の記録」は臓物小説 6 夏目漱石の「坊ちゃん」はちょっと淋しい童貞小説 7 デュラスの「愛人」にはアナコンダは出てきません 8 ドストエフスキー「地下室の手記」の主人公は空気読みすぎ 9 魯迅の「阿Q正伝」は文学史上もっともプライドが高い男の話 私、「愛人」は面倒な文体に内心呆れて、読みかけてやめました。呆れるというのは全く自己本位な感情でして、映画ともども名作だということがよくわかりませんでした。 その上「地下室の手記」は青空文庫で読んだのですが、これもあまりの憂鬱な内容と主人公がいやな奴過ぎて、読むのをやめました。ただどこがいやなのかという所は、地下室にいて地上に出ない見識、自覚はあるのだという主人公はよしとして、ドストエフスキーも、まぁどちらも作家と作品ながら不愉快満載でした。 奥泉 まぁ大多数の人は、思い込みのセルフイメージと他人から与えられる規定の微細に調整しながら、ある程度、一つの像にまとまって生きていますよね。だけど、地下生活者は違います。 いとう 違うの? 奥泉 自分というものが決定されることがすごく怖い「私」というものが信じられないんです。 いとう それは、自分で規定することが苦しいのではなくて、他者との関係の中で「私」が規定されていくことが苦しいわけ? 奥泉 そう。 とか また脇注で 全編、逆切れしている中学生みたい…いとう 読みにくさ抜群…いとう 一人称小説は、なんでも地下室に行くと面白い…奥泉    ここなんて奥泉さんの面目躍如かも 例えばこんな風に、私のいやな気分を分析してくれます。 伝記なんて書かれても阿Q本人は読めないのに(笑)…奥泉 会話がおかしく爆笑、「変身」問答も面白かった。 変身     外套・鼻 異邦人

    4
    投稿日: 2026.02.07
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    9つの有名な短編小説をとりあげて、いとうと奥泉が文芸漫談と称して語り合う。取り上げている作品がいずれも短編なので、それらを読んでから本書を読むことが可能。「漫談」の内容は結構硬派だと思うのだが、彼らの楽しそうな対談を読み終えると、古典的な名作も気軽に読めばいいのだな、という気分になる。

    0
    投稿日: 2013.08.11
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    [関連リンク] notitle: http://010734.tumblr.com/post/56145236798

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    投稿日: 2013.07.23
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    この二人の掛け合いは面白い。 ライブで聞いてみたいし、それだけ取れば★4なのだが、いかんせん題材にしている作品が古い。 リアルタイムで批評するのは生々しすぎて難しいとは思うが、最近の作品についても聞いてみたい。

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    投稿日: 2013.03.04
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    大分前に読んだ。とにかく、著者二人の視点が面白い。肩肘張らずに純文学を読み解くのを楽しんでいる。この本に紹介されてる本は読みたくなる。そして、このLIVE行ってみたい。

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    投稿日: 2012.04.06
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    彼ら二人の『文芸漫談』が面白かったので、世界文学の名作に焦点を当てたこちらの本も読んでみました。 文学論というより、作品論。 自分が読んだことがある作品をテーマにした回は、前作に比べてわかりやすいまとまりとなっています。 今回は、奥泉氏のフルートの話はあんまり出てきません。 ほかに語ることがたくさんあるためでしょうか。 毎回一作を採り上げ、二人で丁寧に物語の情景を追っていきます。 彼らと一緒にテクストを読み解いていく感覚で、読み飛ばした文中箇所や、忘れていた情景を思い出せるのがいいですね。 再読感覚を味わえます。 デュパンとホームズの違いは、彼らというより語り手の進化だという見かたが、新鮮でした。 デュパンの「私」は自然体ですが、ワトソンは大げさなリアクションをとる、太鼓持ち的役割だとのこと。 彼の存在が、主人公ホームズの神格化に繋がったそうです。 デュラスの『ラマン』は、仏文の授業でテキストとして使ったため、自分だけで読むと、つい文法や文体、構造面に注目する、そっけない読み方をしてしまいますが、仏文専門家ではない文章通が読むとこうなるんだと、彼らの見方を新鮮に思いました。 小気味よく、嫌味にならない程度に笑いのネタにしているところがいいです。 文学をきちんと把握していないと、遊びを持たせることはできないため、その余裕に脱帽します。 『坊ちゃん』は、損ばかりしている人間の物語と聞いて、えっと驚きました。 確かに、威勢の良さ、テンポの速さに押されるように読みましたが、考えてみたら成功物語ではなかったですね。 『異邦人』のムルソーは、行動の根拠がわからない、どこか破たんしている謎の人物だと思っていましたが、きちんと読んでいくと、人の話にちゃんと耳を傾けるいい人という設定になっていました。 これは、読みなおさなくてはなりません。 『予告された殺人の記録』は、なんだか登場人物が多すぎるし、主人公は常にフルネームで記述されるため、名前のオンパレードにクラクラしましたが、奥泉氏作成による主人公相関図と共に解説されたため、図示されてわかりやすくなっていました。 「臓物小説」という表現にはびっくり。 読んだ時は、話の流れを追うのに必死でしたが、ピックアップされた該当箇所を読むと、たしかに臓器の描写が突出した作品だと分かりました。 そして、自分が読んだ時には作品のすごさが特にわかりませんでしたが、この二人の解説を聞いて、たしかにノーベル賞をもらうべき凄腕の作家の手による大胆で実験的なものだともわかりました。 自分が気づかなかった小説の読み解き方を教えてもらえるのは、楽しいものです。 文中、さらりといとう氏がウツ病治療をしていたことも語られていました。 ドストエフスキーの作品から、彼がギャンブル好きだということを決定事項としている点にもビックリしました。 『阿Q正伝』は、英語が入ることで、なんとなく得体のしれない気味悪さを感じて、読んだことがありませんでしたが、55ページほどのかなりの短編だとのこと。 それにしても、彼らによる解説を聞くと、なかなかの大作に思えてくるのが不思議です。 彼らの話を聞いて、読み直しのよさや精読の魅力が伝わってきました。 下北沢タウンホールで数年行っているという文芸漫談は、打ち合わせも台本も一切なく、全てアドリブで行っているとのこと。 すごいですね。二人の度量と引き出しの多さに圧倒されます。 とてもおもしろそうなので、私も今度一度、観覧に行ってみようかしら。

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    投稿日: 2011.12.21
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    文学作品ってこういう風に読んでもいいんだぁ!って目から鱗! かなり笑えたー。紹介されてた作品、読んでみよ。

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    投稿日: 2010.04.21
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    カフカ「変身」、ゴーゴリ「外套」、カミュ「異邦人」・・・。世界文学の古典的な名著を奥泉光といとうせいこうが読みとく。 カミュの「異邦人」やデュラスの「愛人」などの「漫談」に顕著だが、これらの著作からこれほど豊かな読書経験ができるものかと驚き、楽しみ、また逆に、自分がこれまでずいぶんもったいない読書しかしてこれなかった、もったいないもったいないと貧乏くさい思いにもとらわれた。ここで挙げられた著作を再読したい気持ちにさせることしきり。

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    投稿日: 2009.05.16