
総合評価
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powered by ブクログお互い承知の上で不倫してる夫婦の恋愛模様。 倫理的ではない恋愛をして、仕事をして、セックスをして…が大人の恋愛。っていう。恋に憧れる人間向きの小説という感じ。 言葉選びが一々鼻についたり登場人物の書き分けが分かりづらかったりしたが、思ってたより面白くて読みやすかった。
0投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログ電話越しの雨のような本 水分を多めに含んだ紙粘土みたいに、あまりにも私にとって心地の良い人間ばかりが出てくる。 不便は恋の媚薬 浮気は男のための言い訳用語でなく、された女がことを軽く見せるための方便。 彼は、一人称、二人称を綺麗に操って人の心を手の中におさめる。貴方と呼ぶと喜び、お前と呼ぶと喜ぶ。そんな人達に触れながら人称の大切さを当たり前に自覚させて貰っている。 本を触っていると言葉の効力というものに打ちのめされる場面が多い。人と話す時は、仕草や目線で散らせる重みが、文章では厚みを増す。 結婚届という紙切れは、人間関係の湿布薬の役目を果たす。20代の男性の中には、結婚を軽々しく申し出る人がよくいる。そんな人は皆、私が離れない、ずっと一緒にいられる保証書だという。馬鹿じゃないか。期限はないけれど効果にどれほどの持続性があると捉えているのか怖くなる。 恋愛において、言葉は妙に過剰か言葉が足りない方が上手く働く。 この本を読み進めるにあたって、側から見ると短い私の人生の中で、唯一私を否定せず見つめてくれていた人を思い出し、その記憶に浸っていた。貴方がいたから私は一人を求めて、貴方がいたから私でいれた。 ああもう大好き。そう声に出た。本当に終わり方がたまらない。いらないものが無い。 私はまだ山田詠美を知らない。知りたくない。
2投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログ数年前に『僕は勉強ができない』を読んで以来の山田詠美の小説 いくつになっても恋は素晴らしい 何十年と生きていると色んな制約がついて回り、自由に恋するなど叶わないが大人らしく自分の行動に責任が取れるならいいのではないか 物語の恋心は家庭を壊したり、一方的に誰かを傷つけるものではない 誰もが相手を想う気持ちに向き合い、愛し愛されている せっかく生まれて来たのだから今ここを正直に生きていくのがいいわと夏美が教えてくれた
2投稿日: 2025.05.07
powered by ブクログ大人の恋愛ではなく自分勝手な恋愛だと思った。 夏美のテンションや発言にモヤモヤしっぱなしで共感できるところは一つもありませんでした。
3投稿日: 2024.11.16
powered by ブクログ出版社で働く35歳の森下夏美。ある時同業者の夫から浮気を告白されてしまう。そんな夫に対し嫌悪感を抱く夏美だが、自分自身も10も年下の男と浮気をしてしまい... ただ単に「不倫」をテーマにしたものではなく、根本的にはもちろんあるのだが、同業者の夫婦であるためお互いをさらにライバル視したり、不倫はしたが結局一番失いたくないのは結構相手など新たに気付くこともある。一夫多妻制やその逆もまたしかり、最近よく聞くがこういう夫婦もあるんだなと多少一夫多妻などに理解ができた。個人的には「不倫」に対し、不倫字体が悪いのではなく、これだけでなくパートナーにこそこそ隠しながらするのがすごくダサくて嫌悪感がある。「不倫」に対し斬新な設定で面白かった。もちろん自分自身はしたくないのだが。 タイトル通りAからZの26個の小タイトルで構成されている。しかし、それぞれのタイトルの頭文字を取る形ではなく小タイトルはそのまま「a」や「c」など。文中に「encounter」や「うuntitled」など特徴のある単語を太字で記載している。今まで体験したことのないアプローチ方法で面白かった。
0投稿日: 2024.11.14
powered by ブクログ図書館で直感的に借りてみた、共感0だけどこんな人(もしくはこんな妄想をしている人)もいるのかと不思議な気持ちになった、25から見た魅力的な35歳ってどんな人なんだろう、、、
0投稿日: 2024.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最後はどうなるかと思ったがハッピーエンドで良かった!山田詠美の恋愛だけど、胸きゅんだけじゃない、コミカルかつ色気のある文章、オシャレな小説だったなという印象。
0投稿日: 2024.03.15
powered by ブクログなぜ今更山田詠美?と思ったけれど、好きな芸能人がお勧めしていたので読んでみました。 ダブル不倫のお話なのですが、夫婦が壊れていく様、ではなく、それによって夫婦の絆が浮かび上がってくるという・・・ある意味幸せな恋愛小説でした。 こんなに変わった価値観を共有できる彼らは特異かもしれないけれど、価値観が同じであれば究極にはここまでOKなのね、と面白く読みました。 ただ、30代女性の、「いい女っぷり」が押しつけがましくて、ちょっと辟易しました。 古い本を読んでいるので織り込み済みなのだけど、この時代ってこういう女性がトレンディドラマでも主人公だったな、と苦笑気味に読み終えました。。
1投稿日: 2024.01.01
powered by ブクログ高校生の時に読んで、なんて大人っぽい本!って思いました。 現実世界では不倫は良くないし、 私自身は不倫されたら、許せないし、。 自分自身も不倫したいとも思わないのですが。 この本の登場人物は、お互いに不倫をしながらも2人の絆は強く、軽やかで、いいなと思いました。 お互いに傷つき、傷つけながらもまた帰ってくる。 特別な関係性がいいです。 そして、自立して男に頼っていない夏美がとてもカッコよくて憧れました。
0投稿日: 2023.11.11
powered by ブクログいまいち感情移入ができない。 夏美が馬鹿な女すぎて理解できない。考え方が幼稚で、恋に騒いでいる愚女。 筆者はこういう女を意図して書きたかったのかな?
2投稿日: 2023.09.03
powered by ブクログ中々感情移入出来なくて 読むのに時間がかかりましたが 読み進めるうちに こういう夫婦の形もありなのかもと思いはじめて モトサヤになって 旦那さんが最後 一番喜んでいる感じ 何だか微笑ましい終わり方でした。。
0投稿日: 2023.08.14
powered by ブクログアマプラで深キョンが主演でドラマをやる、という予告を見て気になっていた話。 先にドラマを見て、何とも「小説的だな」と思ったことから、実際に小説を読みたくなり本を手にしてみた。 ドラマを先に見ていたからか、小説の内容がかなりスムーズに入ってくる。 もちろん登場人物は、深キョンはじめ他の俳優たちがドラマのまま頭の中に出てくる。 内容は世間を賑やかす『W不倫』だが、山田詠美の手法もあってか、ドラマを見ていると『小説的』と思ったのに、実際に活字で読むと意外にも『ドラマっぽい』書き方で かなりサッパリとしたラブストーリーに思えて、面白く読み進めていける。 「こういう恋もあってもいいのかも」 「こういう夫婦関係があってもいいのかも」 そう思えるような。 結末もどんよりしない、読んだ後にさっぱりできた。 A〜Zまでのエピソードがあるため、短編的に読みすめていけるのも魅力的。 本を普段読まず、ドラマが好きな人にはオススメできそうな本。
0投稿日: 2023.08.13
powered by ブクログ登場人物たちの 意外にくだけた言葉遣いが心地よく、 テーマ性のわりにとんとん話が進んでいく感じが 印象的だった。 私には私の恋愛経験があり、 そんなに物語性はないかもしれないけど、 あの頃の心の内を 山田詠美さんに言語化されたら、、、?(๑・̑◡・̑๑) あとがきの江國香織さんにもぜひ、、(๑・̑◡・̑๑)! と欲してしまった。
2投稿日: 2023.07.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いろいろなたとえでの恋愛感情の表現。 男女の考え方の差。無責任な言葉。 恋人、夫婦とは。 恋愛で悩んでいるときの友人のアドバイスと態度。 p16-16~p17-1 p20 役に立たない思いやり… p82何でもない二人のルールはしっかり守られる。 チェスの駒は夏美は白とか、一浩が朝に食べるもの。 成生が思う夏美。 眼鏡。おれ専用。それかけないと見えない。 机を必要としない二人。 一浩と夏美。 夏美が帰ってきても仕事をする一浩、だが、眼鏡をかけない。一緒にこれまでのことをそばで語りたいと思う。恋の死について。 p88-5~8 p108-6~9 p123-9~12 p142-1~6 p147-9~14 p164知り尽くした先のはなし。 p172カジュアルよりも熱中する楽しみ。 p173「楽」という言葉 p174失うかもしれないという予感について p180孤独について p200-14~201良心と自分身勝手 p204喜べるのは何度まで?ピクニックだけでは、もういられない。 p214 p220主治医・私について一番詳しい人。それでも、彼は、私のすべてを知ることはできない。 p221置き忘れてきたものについて p226 p234もう、お互いを無邪気におもしろがれない。そして、本来なら、そこから始めて行くべき関係を醸造するには、共有するものがなさすぎる、という二人の関係性。等々…。 20年以上前の小説。ドラマになったとか。 どんなふうになったかな? ただ浮気してる、恋愛してる…自分勝手さだけが目につく、ギャーギャー騒いでるだけになってなければいいけどf(^_^;
2投稿日: 2023.06.24
powered by ブクログブク友様と、ドラマを見た友人に勧められて読んでみた! 不倫には納得いかないから☆3つだけど、綺麗な小説だった。 A〜Zにいくに連れて結末が気になる1冊! こんな風な純粋で(?)綺麗な恋愛したかったなあ\(^o^)/笑 サクサク読めて読みやすいです! こちらの作品に出会わせてくださったブク友様に感謝(*´ω`*)
26投稿日: 2023.06.17
powered by ブクログ2000(平成12)年に単行本として刊行。 山田詠美さんがデビューした頃、高校生だった私は最近の日本文学事情を知ろうと雑誌なども読んでいて、確か山田さんが「文藝」の賞をとってデビューしたのだった。 当時批評家のあいだでは「流行歌のような気安い小説」といった批判があって、私も彼女の作を読んだときはあまり面白くなくも感じた。 今、本作を読んでみると、当時のバブル期のポストモダンが喧伝された時代状況を思い出すようだった。 子供の無い若い夫婦が、それぞれに更に若い相手と不倫するという話なのだが、文体が非常に軽やかで、繊細さも無くも無いけれども、あまり深みを感じさせられない。ここには「苦痛」がないのである。 バブリーなポストモダン期、確かに日本文化の言論界は苦痛に深入りすることなく、あくまでも軽やかさを売りにしようとしていた。山田詠美さんの文章に、そんな時代を感じた。 バブルがはじけ大量の失業者があふれ、貧苦にあえぐ民衆が大量に排出されて、あっけなくバブリーなポストモダンの「軽やかさ」は消えた。そんな苦痛の時代の到来は、たとえば桐野夏生さんの「苦痛の文学」にも顕れていると思う。 しかし今回本作を読んで、山田さんの「軽やかさ」を批判しようとは思わなかった。このような感性もまた、この世にあるべきであって、ラストの方で若い恋人と結局別れてしまうあたりは何となく切なく感じられ、良かった。深刻な苦痛とまではいかないような、皮膚のかすかな痛みのような感じだが、それもまた人生。このように軽やかに生きられたら、きっと人生は楽しいのかもしれない。 悪い作品ではなかった。
3投稿日: 2023.06.17
powered by ブクログ夫婦だけど、お互いに恋人がいる不思議な話 全体的におしゃれな雰囲気で、表現が難しくてわかりづらい。 思ったことは、夫婦2人とも自分勝手だなぁってことくらい。旦那の愛人に1番同情した(笑)。 恋愛って自分勝手なものなのかなぁとか思ったり思わなかったりした。
3投稿日: 2023.06.04
powered by ブクログ胸が苦しい。私がどうしたらいいのかは相変わらず全くわからない。 「会いたい優先順位は彼女が1番だったけど、失いたくない優先順位は、いつもナツだった」 これかな。いちばん近い気持ちは。
3投稿日: 2023.06.04
powered by ブクログあなたは、”W不倫”をしていますか? (^_^;)\(^。^。) オイオイ.. そんな質問に”はい!”と答える人はいませんよね。一方で、 あなたは、”不倫”をしていますか? そんな風に質問を変えると、”ドキッ!”とされた方はいるかもしれません。そもそも”不倫”という言葉があるわけですし、世界最古の長編小説とされる「源氏物語」にさえ、そこには”不倫”な物語が普通に描かれています。”不倫は文化”と大胆な発言をされた芸能人の方もいらっしゃいましたし、それ自体は決して珍しいことでもないのだと思います。 しかし、そんな”不倫”をしているあなたは、旦那さんに、奥さんにその現在進行形な現実を隠すはずです。自分にやましいことがあればあるほどに相手のことは見えなくなってもいきます。そう、そこに”W不倫”が進行する可能性が生まれもします。夫婦となる二人が、お互いに他人と恋に落ちていく現実。自らに起こる出来事と考えるとそれは悍ましい現実ですが、それを他人事として聞く分には、一つの娯楽としてのドラマが生まれます。 さて、ここに、 『夫の一浩が、その女との関係を、ついに白状した時、私は、呆気に取られた』。 という先に展開していく物語が描かれた作品があります。その一方で『妻だって恋に落ちることもある。夫にもそういうことがあるように』という先に十歳年下の郵便局員と付き合う一人の女性が主人公を務めるこの作品。『a』から『z』で始まる英単語がそんな女性の物語を彩ってもいくこの作品。そしてそれは、そんな主人公と夫が”W不倫”な日常を送るその先に、大人な恋をあなたが目にする物語です。 『ね、母国語って英語で、マザー・タンって言うって、ほんと?』と『ベッドの中の成生(なるお)』に訊かれて『そうだよ、でも、どうして?』と返すのは主人公の夏美。『おれの知らないこと、いっぱい知ってる』と言う成生に、『それは…』と言いかけたものの、『十年余分に生きてるから、などというのは、ただの事実で理由にならない』と思い黙った夏美は、『夕方から打ち合わせ』があると言うと成生の部屋を後にしました。『会社の向い側にある小さな郵便局で出会った』成生のことを思う夏美は、『窓口』で働く彼に『切手やら葉書やらを買いに行きさえすれば会える』日常を『素晴らしい』と思う中に生きています。『出版社勤務。既婚』の三十五歳という今を生きる夏美。場面は変わり、『夫の一浩が、その女との関係を、ついに白状した時、私は、呆気に取られた』という夏美は、『目の前で交通事故 accident を目撃してしまったような驚き』を感じます。『いつからなの?』、『一年ぐらい前から』、『名前は?』、『知ってどうするのか解らないけど、本宮冬子さん』と冷静に語り合う二人。そんな中、『コンビニ』で出会ったこと、『女子大』に通う学生であることを説明され『かがみ込んだ』夏美に『大丈夫か』と声をかける一浩に『夫に女作られたら普通泣くよ』と返す夏美。しかし、一浩はそんな夏美に『やっぱり、おれ、ナツのこと好きだよ』と話しますが、『冬は?』と訊かれ『冬ちゃんも好きだよ』とも言います。思わず『側に積んであった本を投げつけた』夏美は、それを素早く避けた一浩の姿を見て『彼の敏捷な身のこなし方が、たまらなく好きだ』と思った過去を思い出します。『恋人同士だったのは二年間程』、『別々の出版社に勤め、たまに同じ作家を担当することもある』という夏美と一浩は、『子供のいない私たちは、いつもやんちゃな仲間同士である』と二人の関係を考えてきました。『いつから気付いてた?』と訊く一浩に『しばらく前からだよ…いつもと違ってたもの』、『魂抜かれてた』と返す夏美。『ナツ、今、恋人は?』と訊く一浩に『いない。私は、カズに会ってから恋人なんて作ったこと、ない』と返す夏美。そして、一浩は、『おれ、ナツとは別れたくない。でも、彼女とも別れられない』と言います。『遅かれ早かれ、こういう事態は、二人の間で起きたのかもしれない』と思う夏美。そんな夏美と一浩が”W不倫”の危うい日常を生きていく物語が描かれていきます。 “文芸編集者・夏美は、年下の郵便局員・成生と恋に落ちた。同業者の夫・一浩は恋人の存在を打ち明ける。恋と結婚、仕事への情熱…AからZまでの二十六文字にこめられた、大人の恋のすべて”と内容紹介にうたわれるこの作品。まさかのW不倫が描かれていく物語は、内容紹介に触れられている通り、『a』から『z』の26文字に分けられた26章から構成されています。読み終えて、これは上手い!と山田詠美さんの構成の見事さに、読売文学賞を受賞されたというその受賞歴含めなるほどと納得しました。 では、そんな作品を三つの側面から順に見ていきたいと思います。まずは、『a』から『z』のアルファベット26文字が章題になる26章の構成についてです。この作品は主人公の夏美視点で最初から最後まで展開する物語ではありますが、そんな物語は細かく26の章に分かれています。そして、その章題に『a』から『z』のアルファベット小文字がまず記されています。これだけでは意味不明です。私もちんぷんかんぷんな思いの中に読み始めましたが、そこに唐突に登場したのがアルファベットで記された一つの英単語でした。『夫の一浩が、その女との関係を、ついに白状した…』と修羅場を予想させる場面が描写される冒頭の『a』の章。そんな時の夏美の内面をこんな一文が表します。 『テレビ番組の衝撃映像特集を見たような気分というのか。と、いうより、むしろ、目の前で交通事故 accident を目撃してしまったような驚きに近かったかもしれない』。 そうです。『目の前で交通事故を目撃してしまったような驚き』とするのではなく、そこに『accident』という英単語が挿入されているのに気づきます。 『事故』=『accident』 特にひねりがあるわけでもなくそのまんまの英訳とも言えるこの表現。それは、『b』以降の章でも同様です。少しだけ見てみましょう。 ・〈d〉 → 『ここが目的地 destination だったのだ』 ・〈m〉 → 『近頃の私、まるで、彼のあやつり人形 marionette みたい』 ・〈s〉 → 『あなたが来ると、私が孤独 solitude の楽しみを失ってしまうというのに』 このような感じで、『a』から『z』までさまざまな英単語が登場していきます。正直なところ、字句そのまま訳の英単語が26個登場しても、だから何?という感じもします。しかし、この繰り返しは不思議と読書を進める中で一つのリズム感を生み、また、次はどんな単語が登場するんだろう?『q』は?、『x』は?、そして『z』は?と候補が浮かべづらい文字から始まる英単語を思い浮かべながら読み進める読書はなかなかに楽しい時間を与えてくれるのに気づきます。上記の通り26分の4をお伝えしましたが、これから読まれる方には上記も参考に、他のアルファベットにどんな英単語が登場するのか、是非楽しみにしていただければと思います。 次に二つ目は、この作品の主人公・夏美、そして夫である一浩の職業が出版社に勤める編集者だということです。小説を書かれる作家さんにとって一番身近にいる存在、それが『編集者』です。そんな作家と『編集者』の関係性は額賀澪さん「拝啓 本が売れません。」に詳述がなされてもいますし、大崎梢さん「プリティが多すぎる」には、編集者が主人公となって雑誌が出来上がるまでの舞台裏を鮮やかに描かれてもいきます。一方で、この山田さんの作品に描かれるのは、主人公でもある夏美と夫の一浩が『別々の出版社に勤め、たまに同じ作家を担当することもある』という絶妙な設定の上に編集者の仕事が生々しく描かれていきます。 『仕事中、外で偶然出会う時、こいつには負けたくないな、と思ったりする。彼も同じように感じているのが解る』。 そんな二人がそれぞれの出版社に働く時、彼らは間違いなくライバルとなります。そんな関係性を描くワンシーンを見てみましょう。 『あいつ、今度の城山千賀夫先生の書き下しやるそうじゃない』、と同期の山内に言われた夏美は『そんな筈はない。城山千賀夫の書き下しは、私が担当することになっている』と思い、『ここ数日、顔を合わせていない』一浩に電話します。 夏美: 『城山さんの書き下しのことだけど』 一浩: 『あ、もう耳に入った? うちでいただくことになったから。悪いな』 夏美: 『どういうことよ』 一浩: 『うちみたいな新しくてパワーある出版社から本出してみたいってことだろ。ナツんとこは老舗だけど売れねえからな』 夏美: 『許さない。あんたって、ほんと、こそこそするのが得意なようね』 一浩: 『勘違いするな。最終的に決断するのは作家だからな。でも、決断させたのはぼくだけどね…甘いなあ、澤野くん』 ライバル社の編集者同士の会話とすればありうることだと思いますが、この二人が夫婦であるというところが強烈です。私などが言うまでもなく、この世は同業他社をいかに出し抜き、仕事をとってくるか、どんな業界でもそれは同じことだと思います。そんな関係性にあるライバル同士が夫婦であるということ自体、悲劇とも喜劇とも言えなくもありません。この本が刊行されたのは2000年1月のこと。そんな四半世紀前の時代感も漂わせながら編集者の”お仕事小説”の側面も見せるこの作品。”大人の極上の恋愛小説”という宣伝文句からは決して見えないこの作品のもう一つの魅力を是非お伝えしておきたいと思いました。 そして、最後に三つ目として取り上げたいのが、”恋愛小説”としての側面、まさかの”W不倫”を描く物語です。”W不倫”と聞いて目をぱっちり開かれた方もいらっしゃるかもしれませんが(笑)、この方面の需要はそれなりにあるようで私が読んできた作品にも複数思い浮かぶものがあります。一見修羅場が展開すると見えた”W不倫”のその先をコミカルに描く井上荒野さん「それを愛とまちがえるから」、二組の夫婦が相手のパートナーと”官能世界”に溺れていく村山由佳さん「花酔ひ」などが思い浮かびます。そして、この作品「A2Z」で山田さんが描くのはあくまでそんな”W不倫”をする夫婦の妻側、夏美視点の物語です。『知り合って十年近く、その内、恋人同士だったのは二年間程』という中に結婚した相手、一浩とは『いつもやんちゃな仲間同士であるのを自分たちに許』す中に夫婦として生活を続けてきました。そんな中にコンビニで出会ったという女子大生と深い関係にあることを夏美に告げた一浩。そんな一浩に『夫に女作られたら普通泣くよ』とかがみ込み、労われる夏美。しかし、そんな夏美も作品冒頭に描かれるように『会社の向い側にある小さな郵便局で出会った』十歳年下の成生と深い関係にありました。 『私たちは結婚しているけれども、結婚生活を送って来ただろうか。結婚生活って何だろう』。 『ひとつの家に帰り、そこで笑い合うことだけがルール。それを守るために、私たちは結婚した筈だ』。 結婚というものをそんな風に冷静に見る夏美。しかし、その一方で、自らの内側にこんな感情が潜んでいることにも気づきます。 『一浩に、私を失わせたくない。そして、私は、成生を失いたくはない』。 “W不倫”と聞くと、そこには修羅場を見る物語が浮かび上がります。この作品では、上記した通り、そこにライバル出版社に務める編集者同士というさらなる対立の軸が描かれてもいきます。しかし、そんな愛憎極まりない舞台設定がなされているにも関わらず、この作品はもう信じられないくらいに清々しい結末を見せてくれます。これには、違う意味で衝撃を受けました。そう、どこまでも山田詠美さんの圧倒的な物語作りの上手さに舌を巻く、そんな鮮やかな”W不倫”の物語がここには描かれていました。 『本来、夫とは愛すべき味方であるべきなのだろう。でも、私には、それだけではつまらない』。 『別々の出版社に勤め、たまに同じ作家を担当することもある』という夏美と一浩が”W不倫”をする中に夫婦という関係性を続けていく様が描かれるこの作品。そこには、夏美視点から見る夫・一浩と、恋人・成生への心の揺らぎが鮮やかに描かれていました。『編集者』の”お仕事小説”の側面も見せるこの作品。『a』から『z』を頭文字に持つ英単語が物語に絶妙なアクセントを与えていくこの作品。 『恋』とは何か、『愛』とは何か、そんな根源的な言葉の意味を読者に問いかけもする、美しい表現の数々に彩られたこの作品。洗練された大人の”恋愛小説”を強く感じさせてもくれる素晴らしい作品だと思いました。
151投稿日: 2023.05.22
powered by ブクログ山田詠美は倒置法が多く、オシャレだ。 でも夫は自分が浮気しても家庭に持ち込むのに、 妻が浮気したら激昂し、凄く落ち込むのだろう。 最後は元に戻るんだけど。 本を読みながら感じたこと。
2投稿日: 2023.04.28
powered by ブクログ緻密で研ぎ澄まされた言葉選びと、独特の世界観がすき。「失う」こともまた「経験値」のひとつなのだと思わせてくれる。
0投稿日: 2023.04.26
powered by ブクログめちゃめちゃ面白かった、初山田詠美なんだけどなんで今まで知らなかったんだろう 逆に今出会えてよかったのかもしれない、年下が可愛く思えるこの年代、浮気は罪だ、不倫は悪だと大声で言う清廉潔白さが無くなりそしてそんなことを言う必要が無くなったこの価値観の今読めて良かったなー 登場人物の中で一番言葉に関わっていない成生の言葉の端々に瑞々しさがある、それに感心する時間もなくまた楽しい言葉がたくさん走っていて読み終わるのが口惜しかった 本当にとても良かった、最近素敵な本ばかりに出会えて幸せ、大人の恋愛って楽しいね、楽しいと思える人生を歩んだんだね
0投稿日: 2023.04.12
powered by ブクログ山田詠美さんの作品は、主要な女性キャラクターがサバサバ自立していて魅力的。 心情や情景描写もとても好き。 夏美に感情移入して読み進めてしまったので、前半は一浩に対して嫌悪感を抱いていたが、後半になるにつれて自分が一浩の立場だったらどうしただろう?と考えさせられた。 テーマがテーマだけに読んでいて気持ちが良い小説という訳ではないが、人間の性がよく描かれていて、納得感のある作品だと感じた。
0投稿日: 2023.03.29
powered by ブクログアマプラでドラマ化する+山田詠美さんに少し関心があったということもあり、本作を手に取りました。大人の恋をテーマにした本作ではありましたが、やってることの割にはスッキリしてる印象を受けました。しかしあくまで、不倫小説なので、人には勧めにくいといった点で少し評価が低くなったかなと。 本作の1番の魅力は、本作の随所に胸にグサっとくるようなフレーズが散りばめられていることのように感じました。なんというか、共感できることもあるし、胸の中に刺さってたトゲが取れるような感覚もあるみたいな感じですかね。 特に本作で太字で表されてる26種類の英単語はなかなかおしゃれなセレクトで個人的にオススメなポイントです。
17投稿日: 2023.03.07
powered by ブクログ文芸編集社・夏美は年下の郵便局員・成生と恋に落ちた。 同業者の夫・一浩は恋人の存在を打ち明ける。 恋と結婚、仕事への情熱。あるべき男女関係をぶち壊しているように思われるかもしれないが、今の私たちには、これが形ー。AからZまでの26文字にこめられた、大人の恋のすべて。
24投稿日: 2023.02.15
powered by ブクログ恋愛体質な主人公の物語たまに読みたくなる。すごく惚れっぽいな…そしてアクティブでロマンチスト。遠い世界の話を垣間見れるのは楽しい。
0投稿日: 2022.11.05
powered by ブクログアラサー以上の年代に刺さる言葉が溢れているのではないだろうか。恐らく二十代の頃の私は冬ちゃん側の熱烈なひたむきさをまだ持っていた。 三十代の今、夏美と一浩は理想の夫婦だ。すれたな自分と感じるが、余裕ができたな、とも感じる。 実際問題こういう夫婦は意外といるんじゃないかと思ったりもする。ただ周りが必要以上に騒ぎ立てるので口には決して出さないが。 外で恋をしたから慰謝料とってさよなら、じゃなくてお互い傷つきながらもそれがスパイスとなり、気づきがあり、帰る場所になっている。そんな強固な関係ってめちゃくちゃ大人だなぁ。子どもがいない夫婦だから『お互い』が成立し、かっこよく描けたのだろうけれど。 「『不倫って言葉使わないでくれる?おれ、大嫌い。その言葉』私だって、実は嫌いだ。でも便宜上、使う。誰だって、もう、この言葉に深い意味を与えていない。『倫理にあらずって誰が決めるんだよ馬鹿馬鹿しい。』他人の生活に審判を下すのは、私たちの趣味じゃない。出来るのは、感じたことを話すだけ。」 「特別な機会は、何度も重ねられて行くと特別ではなくなる。この年齢になるとそれが解る。私は、怖がっている。永遠に続くものなどないと知っているから。」 「何年も続く夫婦生活の中で、必ず訪れる出来事。それを隠し通して何もなかったような振りを続ける夫婦もいるだろう。でも私たちは、露呈させることを選んだ。そのことによって、私が一浩を解放したように、私も彼に解放されたのだ。」 「演技する必要のない密室の中で、大人たちは、いつだって子どもに戻る。問題は、その密室を用意してくれる人間が側にいるかどうかだ。一浩は、もう私にそれを与えてくれない。そして、私も彼に与えてあげることが出来ない。その方法が解らない。何故なら、お互いのみっともなさを、私たちは、もう、いとおしがれないからだ。その姿に出会うのが、特別な機会でなくなった時、私たちは、共有していた密室を失ったのだ。」 「はたから見たら、夫婦で恋人作ってよろしくやっちゃって、なんて思うかもしれないけど、人が恋するのは仕様がないじゃない。でも、恋って、やがて消えるよ。問題は、恋心の到達できない領域にお互い踏み込めるかどうかってことじゃない?二人の間にはその領域があって、そこのスペアキーをどこかに預けているような気がするの」 「恋愛がいかに身勝手な自分を正当化しながら進行するのものかを知らないようだったから。相手を想うふりをして、皆、自分の都合で動いている。本当に相手の都合を第一に考えられるようになった時、その恋は、いつのまにか形を変えていたりする。退化する。あるいは、進化する。」
35投稿日: 2022.09.27
powered by ブクログすっきりと完結、読後感がいい。 その立場にならないと分からない心理描写なんだろうなと思う。 以下、気に入ったフレーズ。 •大人の女なんかじゃない。一浩が大人の男じゃないように。演技する必要のない密室の中で、大人たちは、いつだって子供に戻る。問題は、その密室を用意してくれる人間が側にいてくれるかどうかだ。一浩は、もう私にそれを与えてくれない。そして、私も彼に与えてあげることが出来ない。その方法が解らない。何故なら、お互いのみっともなさを、私たちは、もう、いとおしがれないからだ。その姿に出会うのが、特別の機会ではなくなった時、私たちは、共有していた密室を失ったのだ。 •会いたい優先順位は彼女が一番だったけど、失いたくない優先順位は、いつもナツだった。
1投稿日: 2022.08.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物事をどんどんシンプルにしてゆくことは、賢くて、潔くて、寂しいけれど、やっぱりセクシーだと何度でも思い直せる いろんな境界、終わり、自分のいる場所、自分の定義、あなたの定義、それらがくっきり分かってしまう、否応がなく進んでしまうからこそ、言葉を、頭を、身体をフル稼働するのは恐ろしい。 だから素敵な人はバランスを取る。言葉を、人間らしさを脱いでゆく。シンプルさというのは「私」にとってのシンプルさであることをちゃんと覚えていて、絶え間ないぶつかり合いにしなやかに身をこなす。かっこよすぎてもう。。
2投稿日: 2022.07.11
powered by ブクログ久々の女性作家の恋愛小説。 やはり男性作家とは違う抽象的な表現のようなものが魅力的。 主人公もなるおも一浩もなんか好きになれる。
0投稿日: 2022.05.17
powered by ブクログなんか不倫小説を読みたいなぁと思って、ネットで評判の良かった本書を手に取る。山田詠美なんて『ベッドタイムアイズ』以来な気がするな。 なかなか良く書けた小説で、大人による大人のための大人の恋愛小説という感じ。でも、妻も夫も爽やかに婚外恋愛を楽しんで末永く幸せにに暮らしましたとかなんとかいう話じゃなくて、もっとドロドロしたのを読みたかったんだったよなぁ。
0投稿日: 2022.05.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小説をそんな風に読むなと言われればその通りかもしれないが、文学を削ぎ落として事実だけを読めばダブル不倫して最後はお互い元に戻りましたというお話。なぜ元に戻るのか、山田詠美が終始具体的に明示せずに男女お互いの中間にある言葉にできないものを探す本。
0投稿日: 2022.05.03
powered by ブクログ恋の賞味期限.既婚者の恋。 なんか【既婚者】【夫婦】【不倫】に対しての今までの自分の固定観念がペシャンコになった(笑)こんな夫婦…とゆうか男女関係いいな(^_-) 「あの子はひと晩だけでは味わい尽くせない」 「二人でいる時にどうして二人だけのことを楽しめないの?」 「もしもここが訪れるのではなく、帰るための部屋になったとしたら?」 「会いたい優先順位は彼女が一番だったけど、失いたくない優先順位は、いつもナツだった」
1投稿日: 2021.12.12
powered by ブクログ26文字のアルファベットで表現するというから、細切れなコラム的なものが続くのかと思いきや、きちんと物語。 夫婦としても、同業者としても、夏美と一浩が信頼し合っていることが節々から伝わってくる。 お互い様だから丸く収まったのもあるのでは(^^)
2投稿日: 2021.09.26
powered by ブクログなんでしょう。要するに不倫するしされる夫婦関係なんだけど、とても魅力的に見えるし憧れてしまいます。 普通だったらお互いに不倫している夫婦なんて酷く見えるはずなのに、この作品で描かれる二人はそんなことにはならないのが不思議です。 この作品を読んで、他の作品も読んでみたいと思いました。言葉、表現が的確に的を射ていてすごい。
0投稿日: 2021.09.16
powered by ブクログ始まり方も好きだけど終わり方も好きです。 私はバカラのエキノックスにジョニーゴールド入れて飲みたい。
0投稿日: 2021.09.06
powered by ブクログしゃれた構成で、まさか本当にAからZまでのワードで章を区切るとは思わなかった。しかも一つも思いつかなかったし。 およそ読んでこなかったジャンルの小説なんだろうな。ジャンルじゃなくて作者に馴れていないだけかもしれないけど。こういう作品を読むと、自分が人の感情にいかに鈍感かが思い知らされる。やれやれだ。
0投稿日: 2021.08.17
powered by ブクログAからZまでの26文字ですべて描ける恋の話と、 26文字でも2600文字でも世界中の言葉を組み合わせても描ききれない人との関係の中で、 たったひとつの言葉で、関係を描くことができる 夫婦の話。 沢山の言葉を仕事にしている優秀な編集者の2人ですら自分達の関係を描く言葉はシンプルに【愛】。 それに2人が気がついたということだね。 エキノックス=春分、秋分 そして、夏美と冬子 春夏秋冬! 途中まで英単語が出るたびに『トゥギャザーしようぜ』が頭によぎって全然内容がはいってこなかったが(すみません)、後半からサクサク読めて一番最後が良かった。 AtoZでA2Z。最後は戻って空白のA。 深い。
0投稿日: 2021.08.01
powered by ブクログこうあるべきという常識を簡単に、でも違和感なく覆てしまう不思議な世界観でした。 AからZまでのたった26文字の言葉がこの物語をより味わい深いものにしてくれていて、江國香織さんの「可憐」という表現がとてもぴったりだと思いました。 寂しさ、恋、愛、恋愛、誰でも抱いたことのある感情が的確かつ流麗に描かれていて、物語にすごく惹き込まれました。
0投稿日: 2021.06.27
powered by ブクログ山田詠美作品3つ目にして私はこの本が最も彼女の魅力を感じることができた。 男女感の表現しづらい感情を巧みに表現されており、共感しながら読み勧めた。
0投稿日: 2021.04.29
powered by ブクログ恋の始まりと終わり。男女の関係って本当に言葉で表すことができるのだろうか。不倫。言葉にするにはあまりに単純化しすぎている。一浩と成生、どちらも愛する人。大切な人。それなのに何かが異なる。恋愛の複雑な心境まで分析し、表現されていた。
0投稿日: 2021.04.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
A2Zで当てはまる英単語をいちいち書いていたのは、ちょっと無理やり探した感があったけど、山田さんの恋とか愛とかの表現は、すごく好きだなあと思いました。 「たった二十六文字で、関係の全てを描ける言語がある。それを思うと気が楽になる。」 一行目から惹き込まれました。 きちんと仕事をして、きちんと大人で自立していて、困った時に頼れる友達もいて、その上で、恋をするナツはいいなと思いました。恋とは別に、帰る場所があって、気を遣わずに、本気で語りあえる相手がいるのもいいなと思いました。夫との出会いの部分とか、初期の結婚生活の部分の描写も読みたかったです。 「彼女の仕事ぶりに惚れました、なんて恋を仕掛けてくれる男なんて、ほとんどいない」 「問題を抱えた時に、本当に助けになるのは、うまい飯、上等な酒、乾いた笑いに、辛辣な助言。それらを提供してくれる綺麗な女だ。」 「捨て去るには惜しいと気付くのは、それが大事に扱われるべきであった壊れ物なのだと知った時である。」 「演技する必要のない密室の中で、大人たちは、いつだって子供に戻る。問題は、その密室を用意してくれる人間が側にいてくれるかどうかだ。」 一言で言うと「不倫と恋」の物語でしたが、陳腐なものではなく、読後感も良い小説でした。
0投稿日: 2020.10.03
powered by ブクログこの作品を読んだのは2回目だ。初めて読んだのは学生の頃。大人の恋にただドキドキして、山田さんの織りなす美しい言葉の数々に想像が掻き立てられた。結婚して、主人公と同年代になってから読んだ今回は全く違う感じ方をした。恋と結婚の違い、旦那と恋人に求めること、自分であって自分じゃなくなる感覚、そしてそれを全て安心に変えるものが何かを分かってるから、この作品に何度もドキッとさせられた。それはトキメキじゃない、確信をつかれたことへの罪悪感と恥じらいなのかもしれない。
1投稿日: 2020.08.16
powered by ブクログ言葉を選ばずラベリングすると、不倫する夫婦の話。 なのに、どろどろしたものや、人を追い込む苦しさのようなものがない。徹底的に糾弾してやりたいと思うような登場人物が出てこない。 あくまでも爽やかに軽快に物語は進んでいく。 恋と愛と情と情熱と。それらと向き合う時、ひとは滑稽で、美しいのかもしれない。 秀実母が出てきたのもうれしかった!
0投稿日: 2020.07.20
powered by ブクログナツと浩一が信頼し合ってるからこそ成り立つ不倫という名の遊び?ちょっと寄り道? 帰る場所がある上での不倫はありだな たまには遊びたくなるよね 1番会いたい人不倫相手 1番失いたくない人は妻 都合良い言葉にみえるが、現実ってこんなものかな
0投稿日: 2020.06.23
powered by ブクログこんな関係、理想だけどアリなのかな? 読後ちょっと考えてしまいました。 旦那が奥さんに対する気持ちと、愛人に対する気持ち、奥さんが旦那に対する気持ちと、愛人に対する気持ち、どれも、とても共感できましたし、理想ではありますが、実際こんなにすんなり関係が割り切れるものではないと思いました。 彼と一緒にいる時の相手に対する愛おしさとか、気恥ずかしい感じ、照れながらもしてしまう行動などの描写が、大人になっても変わらないなぁときゅんとしました。 どろどろの不倫小説が苦手な私にはとても読みやすく、どちらかというと不倫というより、お洒落な恋愛小説だなと思いました。
9投稿日: 2020.06.23
powered by ブクログ会いたい優先順位は彼女なのに 失いたくない優先順位はいつもナツだった。 すごい好きだな、わかるなって思う。 恋人を経て夫婦になった関係だからこそ そう、思うんだろうなって。
3投稿日: 2020.03.10
powered by ブクログ不倫を堂々とする話なので、あまり共感できる話ではなかった… 不倫さえしなければ、理想の夫婦なんだけどなぁと思った…
0投稿日: 2020.02.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんでもない、ただの不倫の話だった。 何かのランキングにあったから、どんでん返しとか、切ない泣ける話とかだったのかと思ったけど。。
0投稿日: 2020.01.13
powered by ブクログ周りから見ると不倫。 当事者同士から見るとただの恋愛。 A〜Zで始まる英単語で大人の恋愛を表現して行くスタイルが自分には新しかったです。 そしてなにより成生の表現の可愛らしさといったら! 月がクロワッサンみたいだねって! 現実でも三日月を見つけては、その一節を必ず思い出します。
0投稿日: 2019.08.08
powered by ブクログ経済力のある人≒無粋人の枠にはめて、主人公は経済力低めな人が多い傾向の作者にしては珍しい主人公設定。情緒的な恋愛を至上の価値とする山田文学。昨今の風潮では情緒的恋愛への憧れが薄まっているように感じているが、現代的な女性を主人公にしてどう描くのかな、と興味を惹かれて読んだ。 やや期待外れ。結局作者が言ってるのは恋愛は情緒の問題に過ぎないということに思える。同士的結び付きのほうが強いと。意外性のない結論だから面白くない。新しい恋人の魅力の描き方が弱いことも物足りない一因。その男の魅力にハマったのではなく、状況を楽しんでるだけで、だから時間がたつと新鮮味がなくなってつまらなくなったから別れました、に読めちゃう。 結婚していて愛情もある男女が恋人をもつという設定自体は面白いのでもっと新しい発見があるような中身にしてほしかった。
0投稿日: 2019.07.14
powered by ブクログW不倫を爽やかに認め合っているようで、どこか複雑な2人。こうした機微は中々描けない。純文学はいつだって多弁だが、表層はそうしたモダンな恋愛観を見せながらも、やはり貫けない2人の表現は見事だ。
0投稿日: 2019.02.06
powered by ブクログストーリーの骨子がすごく大胆なのに、それをなんでもない風に、さも普通のことのようにさらりと語られる。 だからこそ、自分は主人公と恋愛の状況も立場も全くもって異なるのに、彼女を通して語られるさまざまな感情描写は、まるで自分も体験したことがあるかのように感じるのかもしれない。 すごく好きで何度も読み返した箇所はこちら。 「寂しさは恋を容易にするよ。そこに付け込まれてないだろうね」 「少しだけつけ込まれているかもしれません」 そして主人公はこう考える。 「そうだ、口惜しいけど、私は、やはり寂しかった。その寂しい気持が、私に力を与えたような気がする。でも、それは、寂しかったから誰かを求めた、というのとは違う。寂しいなんて、いかにも、か細い感情だけれど、その瞬間は違ってた。ありったけの温かさや笑いや情熱を吸い込むための空洞を作ってくれた。」 きっと、この先もなんども読み返すことと思います。恋に落ちてしまったとき、恋に落ちそうな自分を食い止めたいとき、恋する気持ちが懐かしくなってしまったとき。
2投稿日: 2018.10.10
powered by ブクログ2018/8/26 主人公の夏美とその夫の一浩の夫婦生活の話かと思いきや、2人とも浮気してるし、それを容認しながら話が進んでいくので、違った視点から考えながら読んでいった方がいいと思いました。 簡単に言うと、恋と愛の違いなのかなーとも思ったりしましたが、この独特の世界観での設定はとても面白いと思います。 妻としての夏美と恋人としての夏美の気持ちの面での描写の違いとか細かく描かれています。一浩サイドの描写は、主人公が夏美なのでほとんどありません。 夏美の浮気相手の成生も、浮気していることを自覚しながら、それでもなお夏美と付き合おうとするし、もうめちゃくちゃだなあという感じです。でも、はたから見たらめちゃくちゃでドロドロな状態を全く感じさせない文の書き方がされているところが読み終わって何だか不思議に感じた部分でした。
1投稿日: 2018.08.28
powered by ブクログ26文字で全ての言語になる。 高校の時の衝撃は今でも変わらない。 10年以上繰り返し読む大切な一冊。
0投稿日: 2018.02.05
powered by ブクログ夫婦。法律上、その繋がりを認められた関係。紙一枚で結ばれた他人。その間には確かに気持ちが通っている場合もあるけれど、やはり人間。心は縛れないし恋なんてもう一度自覚してしまったら抑えるのなんて中々出来ない。夫婦それぞれが各々の仕事場、他人との関わりがあって、不意に好意的な人と出会うこともある。結婚しているのに他の異性と恋愛することは、側から見たら浮気、不倫と呼ばれ悪いこととして扱われる。 でも、2人の間にはどんな気持ちのやり取りがあって、どんな甘い時間があるのか、それは他人には分からない。 結婚、恋愛の難しさ、儚さを教えてくれた作品です。
0投稿日: 2018.01.27
powered by ブクログ面白かったです。言ってしまえば不倫のお話なのですが、この2文字にくるむことは出来ない、自由でおおらかな空気が広がっていました。お互いに、結婚相手を失わずに恋愛する関係は、恋愛の相手、特に一浩の恋人の冬子には辛かっただろうと思いますが、この人のことは好きになれなかったのであまり深くは考えてないです。夏美と成生の関係がいつまでも続くといいなと思っていたので、ラストは切なかったです。何事も、通り過ぎるだけなのかな。大人って自由だけど寂しいです。でもなんだか好きな作品でした。秀美君?って確か詠美さんの他の作品の主人公だと思うので、そちらも読もうと思います。
0投稿日: 2017.11.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
たった二十六文字で、関係のすべてを描ける言語がある。 そんな一文から始まる恋愛小説です。 主人公の夏美は文芸編集者。同業の夫、一浩と二人暮らし。 夏美は会社の向かいにある郵便局員の成生と恋に落ちますが、時同じくして夫からも恋人ができたことを打ち明けられます。 これだけ書くと単なる不倫小説なんですが、不倫・愛人といった手垢のついたつまらない言葉では片付けたくない物語になっています。 恋や夫婦のあり方について、瑞々しく描かれているところが好きです。 また、冒頭の文やタイトルにもあるように章のタイトルがアルファベットになっており、そのアルファベットから始まる単語にまつわるおはなしが書かれています。 短めのエピソード×26って感じです。 とても読みやすいのでおすすめですー
0投稿日: 2017.07.09
powered by ブクログ「たった二十六文字で、関係のすべてを描ける言語がある。」の書き出しで始まる大人の恋愛小説。26章にキーワードの単語がちりばめられつつ、物語が進行します。編集者の夫婦がそれぞれ恋人を作るという話ですが...恋愛が綺麗すぎ。旦那のビンタを受ける、その後、二人で並んで座って話し合う...普通に修羅場になるでしょ!? と突っ込みたくなりまし た。
0投稿日: 2017.06.16
powered by ブクログSの章の中で成生が夏美に言う『どっか行こうとか何か特別なことしようとか計画するのって、相手に飽きないようにするためか、自分を飽きさせないためなんじゃないかって』っていう言葉が凄く好きです。 一浩と夏美の夫婦、W不倫は自分の中では抵抗があるのでしないけれど、二人の関係みたいに当たり前に帰れる場所があるってやっぱりいいよね。 たまには、こういう作品を読むのもいい。
0投稿日: 2017.05.25
powered by ブクログこういう自由なカタチもあっていいんじゃないかなあと思う。人は恋する生き物で、一生のうちのちょっとの期間だけ色んな人と恋が許されて、残りの人生一人の人とだけずっと向き合うなんて本当は難しいのかも。
0投稿日: 2017.04.05
powered by ブクログ途中までは何となく読みにくく、あのアルファベットもいらないなー、と思いながら読みました。でもだんだん一宏と夏美の関係が心地よく感じてしまって。こういう夫婦の形もありだな、と思い始めてしまいました。不倫、というにはちょっと違う、単純に興味を持ったから、好きになった、みたいな存在っていいんじゃないのかな、ありえるんじゃないのかな、と思いました。
0投稿日: 2017.02.21
powered by ブクログ恋に溺れて馬鹿になっている姿が、幸せそうなのにずっと切なさが付き纏っていて、読みながらなんだかずっと悲しくて泣きそうだった。なんなんだろう。
1投稿日: 2017.02.05
powered by ブクログ仕事、夫婦、恋人と自分との関係をこんなふうに書いた小説があったなんて。夫に恋人がいても身についてしまっている夫婦間の小さな気遣い。自分がいかに現状の関係の上で傲慢か気づかされた。世間的にどうのではなくあくまでも二人の関係を気づいている主人公夫婦は素敵だった。山田詠美の良さがこの年にしてやっとわかった作品だった。
1投稿日: 2016.11.21
powered by ブクログ設定はW不倫なのに、大人の恋愛だから?さらりとしすぎだと思いました。 一浩はマザコン、夏美の潔さは計算に裏打ちされたものに感じられ、どのキャラにも感情移入ができず★2つにしました。
0投稿日: 2016.09.22
powered by ブクログ恋愛ものの感想は、、自分の恋愛体質を赤裸々に告白するのと似てるので。。 深くは突っ込まない程度にʬʬʬ 文芸編集者・夏美は、年下の郵便局員と恋に落ちた。 同業者の夫・一浩からは、恋人の存在を打ち明けられる。 あっけらかんと恋人の存在を打ち明ける夫にポカーン。 でも別れてくれという告白では無い。 友達夫婦。仲間夫婦。というスタイルというべきか。。 同業者の夫かぁ。。 仕事が特殊であればある程、同業者とは結婚したくないなぁ。。 大変なとこも分かってはもらえそうだけど。 自分の甘さも分かってしまうと思うし。 ある程度、その辺りは分からないからこそ良いような気がするんだよね。。 だから、主人公の夏美が全く別の世界の年下の男の子に恋に落ちる気持ちも何となく分かる。 色んな愛の形。大人の恋です。
0投稿日: 2016.07.17
powered by ブクログ長く一緒にいる相手を「空気みたいな存在」と表現することがあるけど、夏美と一浩の夫婦もそんな感じなのかな。でも、愛情の質が変わったことに対して悪足掻きをしているような印象を受けた。お互いに必要としていて、別れる気なんてないのに、別の若い恋人に惹かれてしまう。慣れ親しんだ相手とは違い、新しい恋は新鮮だけど、恋人との間の愛情の質もいつしか変わるもの、それをAからZまでの単語を使って表現していたのが面白かった。 山田詠美さんは初読み。恋愛小説が好きで読書歴も長いのに、どうして今まで読まなかったのか不思議。 恋愛における甘く浮き立つような気持ちがストレートに伝わってきて、読みやすかった。別の作品も読んでみたい。
0投稿日: 2016.03.30
powered by ブクログアルファベットのAからZまでの言葉を並べ、1つの恋愛の始まりから終わりまでをたどる。 主人公は35歳の女性で、働き盛りの文芸書籍の編集者。同業者の夫には愛人がいて、自分にも年下の恋人がいる。どろどろぐちゃぐちゃ、もしくは安っぽい絵空事のドラマになりそうな特殊な設定だが、これほど嫌味なくさらりと書けるのは、作者ならではだろう。 何より主人公のキャラクターが魅力的。 恋愛も仕事も夫婦関係も、常に純粋にいいものを追い求める。世間一般の形式的な枠には収まらずに突き進むところは、大人なのか子どもなのか。夫が愛人と別れたら、バランスが崩れてしまうのも、妙に納得できた。 作品全体には、山田詠美ならではの物事の本質をつく言葉があちこちに散りばめられている。漠然としか理解できていない様々な思いを、相変わらずずばりと表現してくれるところが小気味よい。 ただし、これは子どものいない夫婦だからこその関係だ。こういう生き方を否定はしないけれど、一般人の私は主人公のように生きたいとも思わないし、こんな夫婦でありたいとも思わないな、やっぱり。
0投稿日: 2016.03.15
powered by ブクログ解説で江國香織さんが“登場人物たちは、会話においてちっとも深刻ぶらない”と評していて、本当にそうだなと思いました。 結婚してお互いを必要な居場所だと分っていながらも、夫も妻も若い恋人をつくる。一見「おもいな!」と思わせる設定だけど、そんなことは感じさせない。でも軽く捉えているわけじゃない。そういうのが山田詠美さんの手腕なのかな。 夫との居心地のいい関係の中で、失くしてしまった恋愛の楽しさを、10歳年下の恋人との関係に見出している夏美の姿をみていると、恋愛って自由に楽しめばいいのかなぁなんて思ったりしました。 そういえば、他の山田詠美作品を読んだときも似たようなことを考えた気がします。 若い恋人との恋愛を楽しんでいるからこそ、その分、夫の存在の大切さも際立ってくる。 ただ、恋愛関係なく、人との関係は、分かったつもりになって甘えすぎてはいけないですね。「伝える」ということも忘れてはいけないですね。
0投稿日: 2016.03.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夫婦でお互いに恋人がいる。 それをお互いに知っても あんな風に過ごせるだろうか? ちょっと現実味のないお話でした。 初めての作者でしたが,内容的には面白く あっという間に読めました。 この夫婦は,それぞれが好き勝手なことしてたけど お互いを認め合い,尊敬してるところがすごい。 夫婦のあり方を考えさせられました。
0投稿日: 2016.02.17
powered by ブクログ結婚は契約である。 でも、関係を表すなかで"夫婦"というものは、必ずある。 不倫が善か悪か、という話ではなく、夫婦について考えたいときに読みたくなる一冊。
1投稿日: 2016.02.14
powered by ブクログ読みにくい文章だった。A〜Zが各章に入っているのが工夫したところなんだと思うけど、それって、必要だったかな?と。人の心情を書くのもあんまり上手くないし、最後は適当に成生と別れさせるし、浅い小説。
0投稿日: 2015.11.27
powered by ブクログ不倫というテーマなのに、読んでいてイヤな気持ちにならなかったのはきっと共感できる部分もたくさんあったから。楽しいけど何処か割り切ったような、情けないような大人ならでわの恋物語。 結婚して少し経った今、読むことができてよかった作品でした。 少し言葉使いが荒いなと思う部分もあったけど、それがまた大人のきれいだけじゃない恋愛小説らしさかもしれません。
0投稿日: 2015.09.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
友人みたいな夫婦がお互い離婚し合い戻って来る物語。 恋愛の身勝手さや、大人の大人になりきれない感が描かれている。
1投稿日: 2015.09.28
powered by ブクログ「ぼくは勉強ができない」を読んで、秀美くんのお母さんが登場するという本書も手に取ってみました。 なんていうか、表現がすごく良い。 一応世間一般的には不倫というテーマにも関わらず、ユーモアがあって清々しい。 夏美が魅力的過ぎる! 大人になった今だからこそ読める小説だなぁと思いました。
0投稿日: 2015.08.11
powered by ブクログ恋は落ちるもの。 愛は育てるもの。 上手く言ったものだなと、感心します。 女はどこまでも現実的な生き物です。 だけどたまには夢も見たくなる。 月がクロワッサンみたい…は結構お気に入りのフレーズです。
0投稿日: 2015.06.27
powered by ブクログさんかいめ。 大人だからこそ、本気で真剣に恋に落ちる。 通う恋。 帰る場所がある愛。 山田詠美の文章には、ほんと、震える。 「寂しさは、恋を容易にするよ。」
1投稿日: 2015.06.14
powered by ブクログ最初はなんだか理解できない夫婦関係だなぁと思いましたが、読み終わると羨ましいと思ってしまった不思議な作品でした。 自分のことを絶対的に理解してくれる他人と出会えたら幸せだな―と思います。
0投稿日: 2015.05.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大人の恋といった感じだろうか。夫だけでは満足できず、それを満たすためはなつまみ食い的な恋愛。理解できるような、出来ないような微妙なラインではあるがこんな恋愛もありと言えば、ありなのかもしれない。
0投稿日: 2015.03.28
powered by ブクログ不倫の本かと思ったら、夫婦の愛の話 山田詠美さんの別の本は、もっと締め付けられたりときめいたりするタイプなんだろうか。 複雑だったけど、殴られるような感じがあった。 だけどなぜ「永山氏」が出てきたんだろう。愛とも恋とも違う、間の愛がちらっと入って気になってしまった。すごい。
0投稿日: 2015.02.15
powered by ブクログ旦那のいる夏美が若い郵便局員の成生に出会って恋をするお話。成生との恋をアルファベットのAならZで語っていくのだけど、山田さんの言葉の選び方とかすごく綺麗だなぁと思った。 夏美の旦那の一浩が好きな人が出来たけど、夏美とは別れようと思わないとかそんなカミングアウトなにそれ?!と思ったけど、夏美と一浩の絆は夫婦であって友人であってライバルであって、それさえも良しとなる不思議な関係だし、一浩が一緒にいたいのは冬子だけど、失いたくないのは夏美だっていう台詞が二人の関係の全てなんだろうなと思った。 新しいものに目移りするのはきっと新鮮だからなだけでら時間が経ってそれが新鮮じゃなくなった時、それでも失いたくないと思うのは本当に心から大事な人や大事な物だけなんだろうなと。 そして、いて欲しいときにいてやれる、いて欲しいときにいてくれる相手は、きっと好きなだけじゃだめなんだね。 とかいって、わたしにそんな恋愛を語る資格は全然ないのだけれど!こんな素敵な男性見つけたことがない!羨ましーい!! でも、今日子のような素晴らしい友人はわたしにもいるから、わたしはラッキーなんだなと思う。
0投稿日: 2015.02.08
powered by ブクログ言葉の一つ一つが美しく、そのひと文字をひと文字を追い掛けることに夢中になり、気が付くと読み終えていた作品。シンプルを貫く事、それはどんなに若くとも年齢を重ねようともこんなに難しくこんなにも儚く脆い。シンプルであるからこそ手に入れる事が難しくてより複雑にさせる。それを手にした時本当の価値に気が付くということに気がつかされた。
0投稿日: 2015.01.03
powered by ブクログ14/12/23 はじまりの数行を読んだだけで、“あ、この小説わたし好きだな”と直感がありました。山田詠美さんだしね。 序盤では、一浩さんげすいな、と思ったけど終盤に進むにつれて、一浩さんに対する気持ちがやわらかくなりました。なんだかんだで理想的な夫婦じゃん、て。 さいごの「あ、それから言い忘れてた」からの、「おかえんなさい」は、すごくよかった。うん、すごくいい。 P23 「夏ちゃん、寂しさは恋を容易にするよ。そこにつけ込まれてないだろうね」 P164 それが出来るのなら結婚生活に苦労なんかない。けれども、永遠に二人で何かを築き続けること、それが可能である関係なんてあるのだろうか。あったとしたら、それは、ものすごく退屈か、ものすごく幸せかのどちらかに違いない。
0投稿日: 2014.12.23
powered by ブクログ不倫の物語だけれど。 ドロドロしていなくて、女として共感できる部分もあってオススメです。 すごく読みやすいです!
0投稿日: 2014.10.17
powered by ブクログ男女関係の複雑な物語をさらっと大人の女性、大人の恋として読ませるのは、女性作家、山田詠美なのかな。 山田詠美、初めて読みました。ユーモアもあって時々吹き出した。面白かった。 夏美がとても魅力的。考え方が、恋愛では、少女。仕事は、男なみ。 パートナーがいながら、お互いに好きな人ができる。 男性作家では、全く違う物語になると思う。 いくつになっても相手がいても恋ができるっていいんじゃないかな。って思わせる恋愛小説。 男女関係をお洒落に描写。どろどろみせないところが女性作家なのかな。 エキノックス。いいね。 山田詠美もう一冊読んでみたいです。
1投稿日: 2014.08.20
powered by ブクログ物語を紡ぎ続けるというのは難しいのだな、とつくづくと思う。山田詠美のこの、鋭さと開き直り。女としての自信と、自分は普通とは違うのだという溢れんばかりの才と勢いを目の当たりにすると、自分は凡庸でどうしようもない人間だと思う。それでもなお、なんだか半を押したような。山田詠美であってもそういう風に感じてしまうのならば、もうわたしが読める小説などこの世に僅かしかないのではないか、と。絶望的な気持ちになった読書。
0投稿日: 2014.06.10
powered by ブクログ恋は大人を子供にさせる。 でもナツや一浩の恋は めちゃくちゃ大人だと思うの。 英語はぶっちゃけ得意でないので・・AからZまでの26文字にこめられた意味を深く考えずに読んじまった。 でも26文字なんか考えなくても いっぱいドキドキしたよ。 郵便局員ってめちゃくちゃダサい人しか見たことないんですけど(すみません) でも成生はオサレーに見えちゃう。 いつも決まった郵便局しか行ってないけど・・・ちょっくら探してみるかな?・・ 現在進行形で進みつつも・・・・いつのまにかことが進んでて・・それを語ってたりで・・上手いなーさすがです。。。
1投稿日: 2014.03.01
powered by ブクログ山田詠美作品の中でも、『大好き』の部類に入るもの。 愛と恋の違い(愛は36℃、恋は38℃)という例を目の当たりにしたかのよう。 不倫(という言葉は似つかわしくないのかもしれないけれど)の話がこんなに清々しく書かれているのも驚き。 『私は、自分が気付いたのを彼に伝えたことがない。彼もそうだったかもしれない。小さなラブアフェアで失うには、あまりにも惜しい人。共犯同士だったかもしれない。時には、酒以外の何かで酔いたい時もあるという認識においての。』 『私は、大人気のなさを楽しめるくらいには、大人なんだ』 『色々あったよな、なんて、この年齢にして溜息。でも、この溜息なしには、私は成男と出会えなかったように思う。…あるひとりの男が、特別な存在として視界に入り込んでくる瞬間。それは、私が、新しいものを得る瞬間でもある。何かに、お膳立てされた、と私は感じる。今の自分を形作ってきた数多くの何かがひとつになって、私の瞳を開かせた。たとてば、今よりもずい分若かった頃の私が、今の成男に出会ったとしても、彼を特別な人として見詰めることなとなかっただろう。会うことは偶然。けれども、必然が出会いを作る。私が35歳であり、彼が25歳だったからこそ、二人は同時に求めあったのだと思う。』
1投稿日: 2014.02.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
不倫をあつかった作品というと、ドロドロして重苦しかったり、陳腐な感じになりがちに思うけれど、この作品はひと味ちがう。 そもそも不倫という概念じゃない。 夫に彼女、そして妻にも彼女。 大事なことはぜんぶ妻に報告、といって夫は妻に、自分に彼女がいることを告白する。 ・・・なんなんだ、これ。唖然。 でもまったくいやな感じがしない。 登場人物たちはみんなまっすぐで、さわやかな気分にさせてくれる。 僕は勉強ができないの時田秀美くんのお母さんが登場したのにもちょっとびっくりしてうれしい気持ちになった。
0投稿日: 2014.01.25
powered by ブクログ編集者 夏美の夫 一浩に若い恋人ができる。でも別れるつもりはないという。夏美にも若い恋人ができる。二人がそれぞれの恋人に恋しながら、でも夫婦の居場所はそのままにある。恋と愛?いや、なんかもっと深い違いの話。
0投稿日: 2013.11.09
powered by ブクログ夫婦それぞれの、パートナー以外との恋愛の終始から、夫婦の関係性、恋愛特有の感情が思い出される。 物語は、出版業界の一線で働く編集者夫婦の生活がスタイリッシュすぎるため、現実的でありながらも、少女漫画のように、女性を物語に引き込む。 山田詠美さんの物語は、女性、男性というものの、決定的違いや、男女間に流れる特有の空気感が、いつも見事に描かれている。恋愛をしたくなる小説。
1投稿日: 2013.11.03
powered by ブクログ自分から恋愛小説に手を出すことはまずなくて、この本も人に教えてもらって出会いました。 きっと肌に合わないんじゃないかなと恐る恐る読みはじめましたが、気が付くと続きが気になって次々とページをめくっていました。 倫理的に許されない恋が起こっているのに、登場人物たちは良い意味で軽くて、夫婦の深い部分での信頼も揺らがない。 そこがまたリアルで、そわそわしました。 主人公の繊細な感情の変化がみずみずしくて、共感してしまいました。 大人の恋愛、素敵でした。
0投稿日: 2013.09.12
powered by ブクログ気が向いたので普段滅多に読まない女性作家の恋愛小説に手を出した。 うん。 女性作家の恋愛小説だねぇ。 なんか違うんだよなぁ。 前々から感じる女性の恋愛感に対する違和感。 文体もちょっと俺には馴染まないかな。女性が読むとまた違うんだと思う。特に既婚女性。
0投稿日: 2013.08.30
powered by ブクログ一浩は結婚したいと思う人で成生は付き合いたいと思う人なのかなあ。永山含めて男性陣がみんな素直なで良い人だなあ。恋愛中の浮ついた心とどこか冷静な考えが上手く描写されてた。
0投稿日: 2013.07.11
powered by ブクログ恋愛てきっと、始めることよりも続けることの方がずっと大変。 非日常な恋愛が日常になるとき、壊れてしまうような関係の方がきっと刺激的で儚い。 けど、成生との恋よりも一浩との生活の方が羨ましいと思うのは、そっちの方が貴重でリアルで失えないものだから。 ことばに出来ない部分を小説にしてくれたような恋愛小説。読みやすくてとてもよかった。
2投稿日: 2013.06.16
powered by ブクログキレイゴトがほとんどないんじゃないかな、だからどんどん読み進めちゃう。 言葉の使い方、語尾とか表現が好きだなー。自然な感じ。 恋愛小説なんていつぶり?でも楽しかったな、わくわくexcitedした!
0投稿日: 2013.06.03
powered by ブクログもう少し時が経ってから読みなおそうと思う 文章は素敵だけど、ここまで感情移入できなかった本は珍しいわ
0投稿日: 2013.05.23
powered by ブクログ『私は、やはり寂しかった。その寂しい気持が、私に力を与えたような気がする。でも、それは、寂しかったから誰かを求めた、というのは違う。寂しいなんて、いかにも、か細い感情だけれど、その瞬間は違ってた。ありったけの暖かさや笑いや情熱を吸い込むための空洞を作ってくれた。』
0投稿日: 2013.04.22
powered by ブクログ夫婦でダブル不倫と、本来なら修羅場的状況なのだが、文章がライトなため、重苦しさをまったく感じない。恋愛における心理描写が巧みである。
0投稿日: 2013.04.11
powered by ブクログ毎日がキラキラしている恋。 初恋どころか、何回も挫折や悲しみを体験しているだろうに、こんな新鮮な恋ができるなんてすごい。
0投稿日: 2013.03.27
