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ベーコン
ベーコン
井上荒野/集英社
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総合評価

54件)
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19
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    読み進めるごとに吸い込まれていくような短編集だった 老若男女の心情の機微がこんなにも繊細に描くことができるなんて 食事と記憶の結びつきの深さ

    0
    投稿日: 2025.11.22
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    はっきりとした感情が書かれず、ゆらゆらしているのにしっかり胸に突き刺さる、寂しく苦しい恋愛の短編集。 救いがあるような無いような、なんとも言えない切なさが残った。 井上荒野さんの作品は何冊か読んでいるけれど、この読後感がたまらない。 静かに燃えている感じ。 料理のタイトルが並ぶ短編集。 普通ではない歪な恋愛を描いているのに、知らない世界なのにどこか共感してしまう不思議。 江國香織に似ている気がする。 どれも面白かった。

    2
    投稿日: 2023.11.09
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    どれも不穏な味わいの短編。 食べ物がおいしそうだったり苦そうだったり。 カツサンドとか煮こごりとか、食べるときに思い出しそう。

    0
    投稿日: 2023.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どうしても煮こごりとゆで卵のキーマカレーがよかった。終わり方もどっちもすき。煮こごりみたいな事はさすがにもう少し踏み込んでいるからないけれど、有り得なくはないのよね。結局すべては嘘かもしれない。まあしんでも解らないかもしれないのは間違いないな。 ただ、たぶん、変わらないということ、続くということに突然、立ちすくむような気分に襲われ、… それを方便とは思わなかったけれど、靖司が離婚することはないだろう、と柚衣はあきらめていた。今できないことは何年経ったってできない。 …自分が「日陰の女」になったような気持ちになる。 もっとも靖司に言わせれば、柚衣のことを「隠している」つもりはないのだそうだ。妻に柚衣のことを明かさないのは、「彼女をよけいに傷つけたくない」からで、妻にもほかの誰にでも、聞かれれば話す。でも聞かれなければ、自分からは話さない。男っていうのはそういうもんだ、と言う。 靖司が完全に自分のものになったなんて夢みたい、と。 恋人とは半年前に会った。それは偶然の出会いだったが、私たちはお互い魅かれ合い、いっそう魅かれ合うための時間を重ねてきた。

    0
    投稿日: 2023.07.17
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    井上荒野を初めて読んだ。 ほかの作品も読みたい。 食べ物にまつわる話で、どれも美味しそう。 アイリッシュシチューを初めて知った。食べてみたい。 恋愛がうまくいっていない話が多くて、辛かった。

    0
    投稿日: 2022.02.05
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    食べ物がタイトルとなった短編が10篇。 婚姻外の男女の関係がたくさん出てきた。全て明確な終わり方をするわけではないので、着地点がよくわからず不思議な感覚になった。

    2
    投稿日: 2021.09.08
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    ベーコン(集英社文庫) 著作者:井上荒野 発行者:集英社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

    0
    投稿日: 2020.11.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    井上荒野先生の著作が読みたくて読んだ小説。食べ物の名前がついた短編小説10作が掲載されていた。「アイリッシュ・シチュー」と「「大人のカツサンド」、「目玉焼き、トーストにのっけて」が怖い話だった。「クリスマスのミートパイ」の主人公に1番共感した。「父の水餃子」は悲しい話だった。「煮こごり」が1番面白かった。難しい言葉は使われていなかったが、登場人物の心情の解釈が難しい小説だった。井上先生の小説を次に読むなら、「切羽へ」と「あちらにいる鬼」が読みたい。

    0
    投稿日: 2019.05.20
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    微妙な関係の男女が一緒に食べる話。 好きなの?全然興味ないの?嫌いなの?好きだけど…どうとも取れる二人のやりとりで進んでいき、なんともなく終わる。どうとも取れるから、登場人物たちの心を探りながら読むのが楽しい。言葉の端々にちりばめられた意味ありげなそれらをどう捉えるのか? ナレーナーも音楽も無く観る側を誘導しないドキュメンタリーの様に、読む側の心理で様々な方向に進んで行く。自分の知らない部分に気がついてしまう小説なのかも?!

    0
    投稿日: 2018.12.23
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    食べ物に絡めた男女の短編集。 食欲と性欲が入り乱れてる感がめっちゃ良かった。 個人的にはアイリッシュシチューが凄く好きでした。 手がかじかむ寒さと台所の暖かさ、 冷えた心と家族の温もりを感じられるストーリーでした。 井上荒野さん、凄い人だな…笑

    0
    投稿日: 2018.11.13
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    短編集 タイトルに惹かれ購入。もっと効果的に食べ物が使われたものを期待して読んだが、そこまで感じなかった。

    0
    投稿日: 2018.09.03
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    様々な登場人物と、そこに登場する手作りの食べ物がまとまった小説。爽やかな内容を想定していたけど、読んでみるとセックスや不倫の描写が多かったし、複雑な家庭環境の登場人物も多かったのが意外だった。 読んでいて心が晴れるようなストーリーではないけれど、むしろ幸せの形を考えさせられる、そんな物語。

    0
    投稿日: 2018.09.03
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    思っていたよりずっと官能的‥食べるも愛するも本能で、理屈はいらないのだと思う。 あと、男と女はタイミングが全て。

    1
    投稿日: 2018.03.11
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    荒野さんはとってもかくかくした文章を書く。何というか女性特有のまろみをもった文章ではない。それなのに、ふとした言葉や一文に優しさやかわいらしさが潜んでいる。だから読んでいてとても心地いい。食べ物と大人と子供と愛のカタチといろんな要素が合わさって、まざりあってこの本はできあがっている。その食べ物を作った者、食べた物、気持ちも一緒に飲み込んでいる。消化(昇華)させるために。水餃子やトナカイサラミやベーコンは、どうやって昇華していったのかな。血と肉になるだけじゃなく、人生を続けさせ包み込み許すのが食事なのかも。

    0
    投稿日: 2017.08.02
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    本×食べ物、この類大好き♡ 小川糸さんのペンギンの台所でオススメされていた本。 短編集だけど、それぞれが読み応えがありました。読者に考えさせるような文章で、年を重ねればまた違う味になるのかな。 ままならない愛情を描く話が多い中、ゆで卵のキーマカレーにはほっこりしました。 ごちそうさまでした。

    0
    投稿日: 2016.09.20
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    不倫関係の男女の話が多い短編。 解説にもあったけどどっちにもとれるラストばかり。 大人の恋と食べ物が結びついた話。

    0
    投稿日: 2016.05.08
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    不倫の話が多く、不倫される側の気持ちに同情してしまう。どうしても主人公が不倫する側だと、美化されている気がして嫌な気分になる。 あまり感情移入出来ない作品が多かった。短編だと一つや二つ好きな作品があってもいいのだけれど、それも特に見つからなかった。 2015.5.6

    0
    投稿日: 2015.05.06
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    12月に読んだせいか、クリスマスのミートパイは 食べたい!って思った一品。 ほうとうもお話の中では冬ではなかったけど、 この時期食べたら温まるんだろうなぁと。 どれもちょっと問題のある家庭?のお話。

    0
    投稿日: 2014.12.08
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    うろ覚えながらもほのぼのとしたいい短編集だったような記憶があるのに紹介を見る限りどろどろしてそうでびっくり。自分の記憶なんてあてになりません。昔からブクログしてればよかったなあ。

    0
    投稿日: 2014.11.05
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    食べ物に絡めた短編集。 出てくる食べ物自体は美味しそうなのに、どれもこれもなんだか苦かった。ほろ苦いどころじゃなくて、苦い。 私にはまだ早かったのか… 本当に読むべきところは、書いてない部分なのかもしれない。 もう少し時間をおいてからまた読み直してみたいなぁと思いました。 その時はどんな味がするんだろう。

    0
    投稿日: 2014.09.21
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    実際には食べられる事のなかった食べ物も含む、短編集。 肉と塩と嘘。 これって人間を構成している物なのかもしれない。

    1
    投稿日: 2014.09.12
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    食べものにまつわる短篇集。 どのおはなしもけっこうあっといわせる展開だったり、「え!?」という読後感だったり、ここで終わるのか・・!と頭を抱えたり、井上荒野さんの短編は本当飽きない。「アイリッシュ・シチュー」とかけっこう衝撃的。面白かったです。

    0
    投稿日: 2014.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    短編集です。 どのお話も、結末が納得できないというか、理解できないまま終わっていくような印象でしたが、 解説を読むことでそれがなんでなんかがわかりました! 主人公がみんな嘘をついてるというか、「ふりをしている」ってことがわかったおかげで、結構納得できた。 こうゆう風に書いとるけど、本音はこうやったんや!みたいな、読み終わってからの発見!みたいな。 とにかくこの小説に出てくる子供がほんとに大人だなあと思った 。子供らしさを携えつつ、考えてることはいっちょまえな感じ!子供ってすごいね そんで最終的になにが言いたいかっていうと、 ベーコン食いたい

    0
    投稿日: 2014.04.19
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    2013.10.27 食べることに絡めてのそれぞれの不倫の愛や夫婦の形・・と言うよりも、どことなく余韻の残る10編。

    0
    投稿日: 2013.10.28
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    恋愛や家族に食べ物を絡めた9つの短編集です。取り上げられた食べ物は、ほうとう、ミートパイ、アイリッシュ・シチュー、カツサンド、煮こごり、ゆで卵のキーマカレー、水餃子、目玉焼き、そして表題作のベーコンです。なんだかタイトルを見るだけで、お腹が減ってきます。とても日常的な食べ物も、ちょっと珍しい食べ物もあります。この日常と非日常の塩梅が作品全般の魅力です。たとえば、ごく普通の家庭のなかで、唐突に妻が浮気するなど、ドキッとするようなスパイスが含まれています。 どの作品もハッピーエンドと呼べる筋書きはありません。淡々としながらも、痛々しさ、あきらめといったマイナスの要素を感じる味付けです。

    0
    投稿日: 2013.04.13
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    若い読者は、ぜひ10年後、20年後に読み返してみてください。様々な人生経験を経て読むと、また違う印象を文脈から受け止める事ができる作品集です。

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    投稿日: 2013.03.22
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    食事と他人との関わり特に愛や性愛に関する関係を書き綴った短編集。 井上荒野にはいつもやられる。この間読んだ映画化される「つやのよる」もそうだったが、ああこういうことあるよなとか人にいえないけどこういった経験あるよなといった何気ない表現なんだけどぐっとくる文章を井上荒野さんは書くので、ついつい買ってしまいます。すごく酔いやすいんだけど、読後感は軽くはない。お上手です。

    0
    投稿日: 2013.02.05
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    表紙が綺麗で買った本。 静かなのはいい。 でも、何も動かず・・・ 状況も違いすぎて共感できず。

    0
    投稿日: 2012.07.11
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    なんとも考えてしまう小説。 あと一つ、決定的な言葉があれば・・・・・ あと一文、決定的な文章があれば・・・・・ 結末はたやすく想像できるのに、それが無いため果てしなく 広がる想像。全ての話がまだまだ続くかの様に終わっていきました。 そして、こんな展開にいつの間にか病みつきになってました(笑) こんな短編集もおもしろい。

    0
    投稿日: 2012.06.25
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    ぎこちなく生きている印象のひとびとを描いた短編集。 不倫など道ならぬ恋のネタ多し。 どんなにいびつでもその中で生きている人にとって、それは日常であるよな、という全体の印象。 きちんと生きているのである、道理に反していても、普通と違っても。 毎週日曜日にやってくる不倫相手との心地よい時間が、不倫相手の妻が子供を産んだことで壊れていくまでを描いた巻頭の『ほうとう』。 二人の娘と住んでいた家を出だ不倫相手と同居を開始することになった主人公の『ゆで卵のキーマカレー』がよかった。 この2編は構造がわかりやすい分切なさや寂しさ、滑稽さがわかりやすい。収録された10編の中ではストーリーとメッセージが明確。 ぼんやりとした中からメッセージを掬い取る系の話は読んでいるときはいいけれどあまり心に残らないなという読後感。 文章の質が高く人物描写が秀逸だから読みやすいし飽きない。 ただ若干国語の教科書的な部分があり、形が整いすぎていて作品との距離を感じた。

    0
    投稿日: 2012.06.12
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    厚切りの、肉汁のしたたる、端の焦げてちりちりしたベーコンが食べたい。 これは別に食べ物の話ではないけど。 嘘と、秘密と、ふりをして生きている人たち(主に男女)の、食事と官能の短編集。

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    投稿日: 2012.03.02
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    若かった私なら読みきれなかったし、たぶんちっとも面白くなかったと思う。食べることが大好きな私は、貪欲なんだと自覚させられた一冊。

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    投稿日: 2012.02.09
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    食べ物とそれにまつわる人たちの短編集。 読み進めていくとだんだんとお腹いっぱいになる。一話読み終える頃には胸もいっぱい。 でも満たされた気はしない。むしろ胸にぽっかりと穴が空いてしまったような空虚感すら抱く。 これ以上はもう要らない、そう思うのに何故か読んでしまう。そんな矛盾を孕んだ何とも言えない気分になるお話たちの詰め合わせ。 個人的には「煮こごり」と「父の水餃子」が好き。

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    投稿日: 2011.06.08
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     全て各章のタイトルが食べ物になっている・・・そこに隠された男女の秘密ってやつは・・・  読後随分と経ってしまって、内容を詳しく覚えていないので・・・とりあえず読了の記録に留める。評価は当時の読後感を思い出しつつ記す。

    0
    投稿日: 2011.05.18
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    冷静に考えるとどのお話も普通じゃない状況なのだけど.でも,いやに淡々と流れていく感じが不思議.食べ物が各ストーリーのタイトルになってるし,それらを食べたり作ったりする場面も出てくるのだけど,なぜかあまりおいしそうに感じられませんでした.

    0
    投稿日: 2011.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ベーコンは直木賞作家の井上荒野さんの短編集。ぞくぞくっとする描写と最後まで読み進めないと登場人物の心の機微がわからない・・・・とてもおもしろかった。 そして「怖い」内容。 基本的には男女のどろっとしたレンアイ、カンケイについて書かれていて、どこをきりとっても「さわやかさ」のかけらもない。でもそれが妙にリアリティがあって、読み終わった後の気持ちは重くないから不思議。 料理が上手で、ゆっくり食卓を囲みたいと思っているのに、敢えて簡単なものしか作らない・・・なんてくだりは、不倫関係の男女の中を端的に描写していてせつなくなる。 一度ほうとうが食べたいな、という男のリクエストに応えてつくったほうとう。おいしいけど、違う、作りたかったのはこれじゃない・・・。 それは「味」が違うってことを言いたいんじゃなくって、逃れられない先に進めない関係、それでもそれでよし、と思っている自分に違うって言ってるのかなぁ。せつない。せつないけど、先の見えないのは、このままじゃいけない気がするって思うのは、男女の仲として決して不幸じゃないような気がするなぁ。

    0
    投稿日: 2011.01.25
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    10篇全てがそれぞれ食に関わる短編集。 私は特に「トナカイサラミ」が好きだ。 後から重くジーンと来た作品だった。

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    投稿日: 2011.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めての作家さんです。 特にひっかかりもなく、するする心に入ってきて またするすると出ていく。 そんな軽めの文章を書く方だなと最初は思ったけれど、 後からじわじわくる。 なかなか味のある短編集でした。 それぞれの話に登場する料理が印象的。 「クリスマスのミートパイ」 男の人ってこんな生き物だろうな。 女のほうがいつだって現実的だ。 奥さんっていうのは夫の恋人になってみたり お母さんになってみたり、忙しい。 「アイリッシュ・シチュー」 何かふとしたことをきっかけに、 喩えようのない不安に襲われる。 いつもと変わらないはずの日常に感じる違和感。 そんな経験一度はあると思う。 仕事中の夫に電話をかけてみるが理解してもらえず、 不安な気持ちはますます募るばかり。 そんなとき、営業中の会社員の青年がたまたま 家の前に…。 この奥さんの気持ち、わからないでもない。 何か得体のしれない不安に押しつぶされそうなときは 無条件で支えてもらいたいものなんじゃないかな。 「大人のカツサンド」 こどもは鋭い。 大人が思っている以上に。 わかっててもわからないふりくらい、 やってのける。 「ベーコン」 表題作。いちばん好き。 沖さんが、亡くなった母の恋人という 特殊な存在だったからか。 それとも、単に母の葬式で初めて会ったときから 何らかの好意を抱いていたのか。 きっかけはともかく、主人公は沖さんを 男の人として意識しているのだろう。 そうでなければ、婚約者がいるのに何度も会いに行ったり、 ましてや自分以外の人に知られたくないなんて 一瞬だったとしても考えないと思う。 濃い肉の味、ね。 どうにでも受け取れる表現がいい。

    0
    投稿日: 2011.01.04
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    タイトルが料理や食べ物の名前になっている短編集。 クセがなく淡々とした文体で読みやすいです。 どれも、話の結び方が好き。

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    投稿日: 2010.11.13
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    たんたんと、リズムの良い文章。 読みやすい。 心理描写が秀逸。 男女の不思議な空気感。 食べ物を挟んでの短編集。 クリスマスのミートパイは、読んでて暖かい気分に。

    0
    投稿日: 2010.10.02
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    ベーコン、アイリッシュシチュー、ほうとう、煮こごりなど、食べ物をモチーフにした9編。 1ページ目から「不倫かよ」と1mくらい引いてしまった点も補い、 よく出来て読みやすく、ピリリと諧謔も効いた女性好みの本でした。 江国香織作品に通じるところもあるが、雰囲気だけでなく生活感があり、共感もしやすかった。 初老の恋人の頓死から浮かぶ謎が、ある意味ミステリー仕立ての「煮こごり」、 ローティーンの悪意と暴走が恐ろしくも痛ましい「目玉焼き~」など、 シンプルに物語としてレベル高く面白いと思う。 で、個人的に印象が強かったのが、まず「アイリッシュシチュー」。 料理好きの専業主婦、その世界と視野の狭さ。些細な不安。 通り魔のような一瞬の裏切り(誰に対して?)。とても共感。感覚が近いのかも知れない。 外から見ると、ほんと矮小でしょうもないが、これはちょっと、わかっちゃうのがイタイ。 そして一番強く残ったのが「キーマカレー」ですな。 離婚が成立していない同棲中の恋人のところに、10代の娘たちが訪ねてきて、 身を隠す間、行き場を失って路頭に迷う(?)若い女。 境遇は全然近くないんだが、彼女の寄る辺ない不安、疎外感、 世界中から見放されたかのような一人ぼっち感があまりにもかわいそうで、 何故か一番感情移入してしまい、ラストの救済で泣けてしまいました、不覚にも。

    0
    投稿日: 2010.04.16
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    ベーコンをはじめ、食べ物をモチーフにした短編集。さまざまな男女による それそれの愛と食のあり方を描いている。エロティックで魅力的な人物が登場し、それぞれ味わい深い。

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    投稿日: 2010.04.02
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    こんな悲しい話が読みたかったんじゃないの。ないの。 1つ目の短編でぱたん。 どうしてだか私は、フィクションはしあわせに帰結するに違いないと思っているようで、 どうして悲しさを敢えて創出できるのか、不思議に思うのでした。 でもきっと好きな本だ。

    0
    投稿日: 2010.01.31
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    またもや「食と恋愛」が対になったテーマの本を選んでしまった。 どの短編に出てくる食べ物も美味しそう、それでいて、 なんだか切ない味のような感じ。 この作者が描くのは、どれも独特の不透明な恋愛模様だが、 そのハッキリしない様子が私には小気味良かった。

    0
    投稿日: 2009.11.27
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    淡々と美しい文章で綴られる日常に静かに訪れる人生の転機。予期していたかの様に静かにやってくるそれは、悲しすぎると涙がでない時に少し似ていると思いました。

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    投稿日: 2009.10.04
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    「忘れられない食べ物」と「男女」に関しての短編集。 強がりであったり、一歩間違えばすぐに崩れてしまう関係性によって 本当は伝えてしまいたいことを上手く言葉にできない、あるいは敢えてしない人たちが それを食事に託している、という風に思えた。 都合の悪いことに「気付かないふり」をしていたほうが きっと自分は幸せでいられる、と思っている人達の話が多かった。 どんな人にも、真っ直ぐな部分と強かな部分があると思うのですが 「強かさ」のほうに焦点をあてた話だと思います。 その強かさに対する迷いみたいなものも書いてあります。 文体にはあまり癖がなかったような気がするので、読みやすいのではないかと。 しかし淡々としているので、退屈な人には退屈かもしれない。 『煮こごり』と『ベーコン』が好きでした。

    0
    投稿日: 2009.09.18
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    [2009.08.19] “さっきからおかしな言葉遣いになっているのは、もしかして照れているのか、と芳幸は気づく。” 読んでると、恋人に電話がかけたくなるような、好き、って言わないと足元から崩れそうな、そんなかんじ。 あんまり好きじゃない。不安になるから。 でも、上手い、とおもう。 最後まで読まないとどうなるかわからない、不安定な感じがリアル。

    0
    投稿日: 2009.08.20
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    7月。単行本も読んだのにまた文庫を買っちゃうほど。トナカイサラミは文庫書き下ろしだし。というような妥協の無さに感じいった。間違いなく繰り返し読みたくなる作品だ。

    0
    投稿日: 2009.08.17
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    純文学なのだろうと思う。初井上荒野だけど、文章は上手いけど、心の奥底の官能という言葉にそそられたけど、うーんよくわからない。長湯用に読むにはちょうどいいかも。真剣に読み込むのは・・・。この人は短編向きじゃないと思う。

    0
    投稿日: 2009.08.11
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    おいしそうな食べ物たちに惹かれて買ってみたら、あたりだった。 ただ、おいしそうなだけでなく、「愛と官能」の話。

    0
    投稿日: 2009.08.10
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    ナツイチ。未読。 ----- 8月17日に読んだ。 読んでて思ったのは…浮気多いな!ということ。 出てくるご飯は(水餃子を除き)おいしそうだったから、期待していたもの、ではあったんだけど。 この作家は初めてで、最初の"ほうとう"を読んでうわーんってなった。 ちょろっと目を通した解説にもあったけど、これらの話は登場人物の関係性が不確定で終わっていて、その後どうなったって不思議でない、不自然でない。もちろん物語が終始平坦だとか、そんなことはないんだけど、ちゃんと事件はあるんだけど、それでも、それが物語世界にどう作用するのか、ていうか、作用するのか。文体がクリアなだけに不確定性が印象に残った感じ。 ほうとう クリスマスのミートパイ アイリッシュ・シチュー 大人のカツサンド 煮こごり ゆで卵のキーマカレー トナカイサラミ 父の水餃子 目玉焼き、トーストにのっけて ベーコン クリスマスのミートパイの奥さんの「あれをご覧」のところと、 大人のカツサンドの真夕が好きかな。

    0
    投稿日: 2009.08.05
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    井上荒野サンすきです。 食べ物をめぐる、色んな形の話。 しかも、ストーリーによって登場方法が少しずつ違うのがいい。 私だったら、どんな食べ物のエピソードができるかなあ。

    0
    投稿日: 2009.07.18
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     アイリッシュ・シチューと、トナカイサラミが…好きかな。  お奨めできる一冊何だけれど…まだ言葉にしにくいというか、  この人の作品の良さがことばにしにくいのかもしれない。  でも、いい。

    0
    投稿日: 2009.07.16
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    ベーコン、ほうとう、煮こごり、水餃子などの食べ物をモチーフに、10歳の少女から60過ぎの老人までそれぞれの、多くは不倫関係にある男女の、人生の断片を描いた短編集。 日曜にだけやってくる男を待つ女(ほうとう)、会社で倒れた後、体調は戻ったのに出社できなくなった男(クリスマスのミートパイ)、謎の老人の死を巡り右往左往する女たち(煮こごり)…。 「煮こごり」の中に『針の先ほどの空白のようなもの。それが何なのかは謎だった。自分がこうまで焦がれるのはそのせいとも思えたし、あるいは焦がれるということは、相手の中にそのような空白を図らずも見つけてしまうということなのかもしれない』という件りがあるけれど、不倫を取り巻く人間模様の、空白感、空虚さ、曖昧さ、不確定さ、あるいは大人の割り切り、みたいなものが全編を漂う。 普通の主婦が見知らぬ青年と関係してしまう「アイリッシュ・シチュー」の艶かしさったら何とも言えないけれど、しかしこうも不倫の話が続くと最後は少々ぐったりではありました。。。

    1
    投稿日: 2009.07.05