
総合評価
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powered by ブクログそんなことがあったのね…と過去が明らかにされて納得させられました。アンナが、幸せになれたと思うので、よかったと思いました。
0投稿日: 2026.01.21
powered by ブクログ何歳で読んでもいい。 無理のない整合性で、主人公の成長が描かれている。すごいと思った。だから、共感した。 月並みな感じはあんまりしなかった。
1投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログアンナはマーニーを通じて他の人と心を通じ合うようになり友達ができて成長する。 また彼女自身のバックグランドについて詳しく知り自分を好きになっていく こんな良いお話に出会わせてくれたスタジオジブリにもお礼を言いたい
12投稿日: 2025.06.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
マーニーの正体がわかる瞬間、世界が逆転しミステリー小説のような驚きがあった。 めでたしめでたしの感動的ラストではあるけど、こうだったらなというような優しい世界だなあと思った。 本筋はアンネの混沌とした心の内側であったり、世界への向き合い方の変化であったりなので、生き辛さを抱えてる子どもや、かつてそんな子どもであった人には刺さる作品だと思う。 子どもって、イマジナリーフレンドを作ったりもそうだけど、現実と空想の世界が無理なく混ざり合ってるなかで生きてるんだなあ。 そんな子どもの心に寄り添って描かれている名作だと思う。
0投稿日: 2024.04.03
powered by ブクログ1980年の出版である。原題はWhen Marnie Was There? 1967である。書かれてから13年もたって翻訳された。もっと早く翻訳されていれば子ども時代にも読んで記憶があったであろうが、初めて読んだ気がする。 あとがきで著者から直接家の写真ももらったと書かれている。 100分で名著では1回で結末まで説明されたが、話が急展開するのは下巻である。 小学生が今読んでも面白いと思われる。
0投稿日: 2024.03.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
下巻を読んでみた。上巻の「よくわからない」を取り消したいくらい面白かった。 マーニーがいなくなって、それが幻だとアンナが気が付く。 しめっち屋敷の新しい住人『リンゼー家』の人々との交流が下巻のメイン。 アニメはマーニーとアンナの交流がメインで、マーニーが実は祖母だったという事までは分かったけど、『寂しい少女が見た幻』という認識しか持てず、バタバタと終わってしまった印象だった。見終わっても「だから、何?」と思ってしまった。 原作はマーニーとの交流の上巻。それと比較して下巻は『リンゼー家の人々』との交流がメインで、単なる『寂しい少女が見た幻』というだけではない事が分かってよかった。 アニメでは『自分が普通ではないと思っているアンナ』という描かれ方だったけど、原作は『自分は外側にいて、内側には入れないアンナ』が描かれている。 アニメはエンタメだからわかりやすく『普通』という単語を持ってきたのかなとも思うけど、私は『外側』という言葉の方がしっくり来た。 自分と外の世界との繋がりの物語。 「普通という誰かが作った枠」ではなくて、「自分が作ってしまった『内側』と『外側』」が原作の物語。 マーニーは『内側』の物語として語られていて、最終的に「マーニーが祖母で、祖母が元々しめっち屋敷に住んでいた」という繋がりが『外側』であるリンゼー家の人々と繋がっていく。この繋がりに読んでいて、震えてしまった。アニメではそこがなかった。 アニメではしめっ地屋敷の新しい住人「彩香」という少女が日記を見つけて、アンナに見せてくれる。それを見て、アンナはマーニーの存在に疑問を持つ……となっていたけど、原作ではマーニーとの出会いが終わってから、しめっち屋敷の新しい住人達との交流が始まる。だから、アンナは最後までマーニーの存在は疑っていない。二度と会えなくなるまでは。 新しい住人たちは『5人の子供たち』と『その母親+父親』で、彼らを通してアンナは「心をすり減らさずに人と接する事」を学んでいく。 日記を見せてくれたのは「プリシラ」という変わった少女。彼女の他に4人の兄弟たちがいる。どの子たちも魅力的に書かれている。人数が多いので若干うるさくも感じるけど、それもまた「一人きりのマーニー」との対比のような気がする。 リンゼー家の人々はすごく優しくて気さくで、アンナが「ボートの小さな錨」を黙って持ち帰っても怒ったりしなかった。何か理由があると考えてくれる思慮深い人たち。アンナは後からちゃんと謝って、錨が実は「マーニーのもの」と確定した時点でそれはアンナが所有してもおかしくないものとして、「キレイに塗り直す」ことまで提案してくれる。 リンゼー家の人々の優しさが、アンナの心を解いていくのが読んでいてわかる。そして、「おばちゃん」も彼女たちに会って、アンナに真実を話そうと決心する。実は「アンナはマリアンナという名前だという事」を。 この辺りはアニメでは一切なかった。(お金の話はあったけど)名前が実は変えられていたなんて……日本版で名前を変えるのは無理だろうけど。おばちゃんはアンナを「自分の子供にしてしまいたくて、元の名前の半分を消した」と。正直、それはないだろとは思うけど、そのありえない事をしてしまうくらいに「アンナが欲しかった」という気持ちは分かる。 アニメはなんだか、「アンナの自力と運」だけで「祖母の事を知って自分も頑張ろうと思った」と言う風に見えたけど、原作は「たくさんの人と関わる事で変わっていくアンナ」が描かれている。 最終的には「みんな自分が外側の気分になる事もある」という事にアンナ自身が気が付いてる。 「自分は一人ではなかった」という着地点ではなくて、「みんなそう思っている」「人と繋がれる瞬間はある」「そして、一人きりの気分の時もある」というのが原作だった。 私はこっちの方が好きだ。 安易な「みんな繋がっていて、一人ではない」というものよりも、「一人きりの気分(外側)のときもあるけど、繋がっている(内側)の時もある」のほうが感覚として分かる。でも、エンタメとしてはそんな中途半端な作りにしたら、売れないのかな……とは思うので、アニメはアニメで刺さる人には刺さるのだろうとは思う。私は無理だっただけで。 アニメにモヤんとした人は、原作読んで。特に下巻。マーニーと別れた後が本当に面白いし、アンナが成長していくから。とお勧めしたい。 素敵な物語、ごちそうさまでした。
0投稿日: 2024.03.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
p199が印象的だった。 映画を見たときはまだ経験が少なくて、あまり心に響かなかったけど、いま大人になって本を読んだら感動できた。目から汗が出た。p206らへん。 アンナは血のつながった家族を早くに亡くしてしまったけど、優しいひとが周りにたくさんいて、周りに恵まれていたことを自覚できてよかったなと思う。
0投稿日: 2023.11.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とっても悲しいけれども、心温まるお話でした。 そう、気づくでしょうけれども マーニーはあるとても悲しい経験をしていました。 なぜ風車小屋を怖がったのか… それと最後に思わぬ事実が突き付けられます。 大事な言葉がいっぱいあるので 大人でも突き刺さる要素は多いはずです。
2投稿日: 2023.06.21
powered by ブクログ下巻では、マーニーとの別れと新たなる出会いの話。 新たなる出会いの方でアンナの心もどんどん回復していきます。 新たなる出会いの家族がとてもいい家族で。 そしてマーニーの正体も明らかに。
1投稿日: 2023.06.05
powered by ブクログそうか。マーニーはそうだったのか。奇跡の繋がり。でも必然。友達ができて信頼できる大人に出会えておばさんと想いを通わせることができて愛情を注いでくれた家族の存在を知って、心を開くことを自分に許したアンナ。内側も外側もあっていいしどちらも自分なんだと認められたアンナはきっともう大丈夫だ。難しい年頃の子ども達はみんなこの本を読んでみたらいい。
0投稿日: 2021.08.18
powered by ブクログかたくなに心を閉じている少女アンネが、不思議な少女マーニーとの交流を通して心を開いていく様子が見られる作品。スタジオジブリで映画化されているので、映画と楽しむことが出来る。この下で、アンネはついにマーニーの思いがけない秘密を知る。上に引き続き、ドラマティックな体験が出来る一冊。
0投稿日: 2020.11.26
powered by ブクログジブリ版との差異検証用の元ネタ下巻 風車小屋事件が冒頭で描かれた後は、追加の登場人物など趣を変えて謎解き編に続く。 ジブリ版は、事件と謎解きが同時進行してサスペンスを盛り上げる構成に脚色しているが、元ネタはいたってシンプル。 ?しめっち屋敷へ引越してくる子供は原作は何と5人兄弟(盛りすぎだなあ) ?発見されたマーニーの日記からエドワード関連のページが破り取られているというのはジブリ版のアレンジらしい。 ?最後の謎解き前に、アンナとおばちゃんの和解はあるが、「おかあさん」とまでは呼ばない。 ?アンナに盗癖が? 小銭、マーニーのボートの錨。前者はちょっと生々しく、ジブリ版ではどちらもオミットされている。 ?ワンタメニーが生き証人の役回りなのだが 物証的な迫力がなく、いまひとつ伏線になっていない。 ?結局、風車小屋事件の真相って エドワードに克服を迫られていたマーニーは遂にひとりで行くことに ↓ 2階スペースで怖くて?気を失う(風の強さに外に出られなくなる) ↓ マーニー行方不明の知らせを受けて、村で捜索隊が編成される。 ↓ 心当たりのあったエドワードは、いち早く風車小屋でマーニーを発見。ふたりで小屋を出る。 ↓ ばあや、ねえやのネグレクト、ライトないじめが明るみに ↓ マーニー寄宿学校行きに 原作では、アニメで印象に残った、風車小屋のマーニーに男性ものの外套がかけられているような描写(妄想、回想ともに)はなし。 こちらも、米田監督のフェチ的な絵作りと思われる。 (サイズの大きい男性もののコートで身体を隠してシクシク泣いている女性という画は、そういう連想しか湧きません。勘違いしました。本当にありがとうございました)
0投稿日: 2018.10.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
養母の元からとある老夫婦の元へ預けられることになったアンナ。 心を開くことのできる家族も友達もいない。 そんなある日、不思議な少女、マーニーに出会う。 みるみる打ち解け、強くひかれ合う二人だったが…。 スタジオジブリで映画化、『思い出のマーニー』の原作本を読んだ。 今年は児童書を色々と読んでみたいなと思っていたので、ぴったり。 児童書…本当にあなどれない。 海外文学&上下巻の壁にドキドキしつつミーハーな気持ちから読み始めたものの…面白かった! ざっくりあらすじのようなものを読んで何となくこういうこと?と考えていたよりももっと深く、切ないお話だった。 ミステリのようなドキドキ感も味わえるので、先入観をなるべく持たずに読まれる方がおすすめ。 映画を観る前に読んでしまって失敗したかも…!と若干後悔も。 映画を観てからこの本を読んだらどんな感想を抱くのか、今となっては味わえない感覚だけにそちらも気になっている。
0投稿日: 2017.08.04
powered by ブクログアンナはずっと忘れていたけど、心の奥底ではずっと覚えていた。誰にも愛されていないと思っていたけれど、ちゃんと愛されていた。 「あたし、知ってたわ。ちゃーんと、知ってたわ!」アンナはもう大丈夫だろうと思う。マーニーを知って、本当の自分を知ったから。 終わり方が素敵でした。
0投稿日: 2017.02.06
powered by ブクログ孤立から仲間とともに。 幸せな物語であることは間違いないが、後半はストーリーの落とし込み方に苦労があったのではないか。 夢想と空想がつながり、そこに過去の現実があった。ワンタメニーがキーパーソンだったなんて。
0投稿日: 2016.07.10
powered by ブクログジブリの映画を前にテレビで見ていて、でもうる覚えだったので本を手にしました。 子どもの頃、大好きだった児童書のなつかしい感じ。 児童書といってもあなどれません。すごくいいお話だった。ファンタジーなところもありつつ、人間性や人間愛について深いなぁと思わせるところあり。 心を閉ざしているアンナがマーニーと出会い、村のペグ夫妻やワンタメニーたちに静かに見守られ、少しずつ自分を取り戻していく。リンゼー一家に出会って、また色々と物語が展開していくわけだけど。最後は圧巻のラスト。そうだったのかぁ!映画を見ていたのに忘れていたので、驚きとうれしさと温かい気持ちでいっぱいになりました。
0投稿日: 2016.06.30
powered by ブクログ同名のジブリ映画の原作で、初めて読んだのですが、冒頭から感動…。 孤独な少女アンナが、のどかな地でマーニーやプリシラたち一家と友達になり、成長していくあったかいお話でした。 映画と違うのは、不思議な現象や家族愛に重点を置いているというわけではなく、あくまで友情に重点を置いているというところでしょうか。 ただ、先に観た映画の方を好きになりすぎて、後半からあんまり感情移入できなくなったのがちょっと残念です。 先に読むべきだったかな…。
0投稿日: 2016.05.04
powered by ブクログジブリの映画のやつは以前見たのですが、話の内容をすっかり忘れていたので、楽しめました。そんな曖昧な記憶の中で読んだ身としては、映画は原作とやや異なる部分はあるものの、原作のお話をうまく再現していたな、と思います。上巻ではマーニーって何なんだろう、と不思議に思って読んでいたのですが、下巻ではその答え合わせがされていきます。「なるほど、そういうことか!」と思いました。下巻の方が面白かったです。
0投稿日: 2015.11.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻はうーん、ちょっと情景が浮かびにくいなという感じ。でも下巻は一気に読めた。アンナが現実世界となじんでいく過程が好き。 アンナの周りにはいろんな大人がいたけど、ミセス・リンゼー、ミスター・リンゼーのようなタイプのひとはそれまでいなかったのでは。このふたりと出会えたことで彼女の価値観が大きく変わったように感じた。 映画は観ていないのでこれを機に観てみようかな。
0投稿日: 2015.05.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
マーニーとの日々の交流を通じて少しずつ他人に心を開けるようになるアンナ。 マーニーと会えなくなるも、新しい友だちを得て充実した夏休みの残りを過ごしていく。 少し謎解きの要素もあり、少しずつ事実が明らかになる過程には心躍る。 大人たちとの関係も改善し、少し成長する少女の姿が爽やかな読後感。
0投稿日: 2015.03.18
powered by ブクログアンナとプリシラたちリンジー一家が仲良くなっていくのは、とても児童文学的優しい世界でさくさく読める。 マーニーの正体はオカルトっぽいけど、全然そんなふうには書かれてなくて、ひたすら優しい魂の交流として書かれているのが、アンナの成長と孤独からの解放をすがすがしく描いていて、素敵だ。
0投稿日: 2015.03.15
powered by ブクログ物心ついた時から、夕方という時間帯は怖かった。明るくもなければ暗くもなくて、あの薄暗さが不気味で大嫌いだった。緊迫感、焦燥感、迫りくる何かへの言いようのない不安な気持ち。夕方になると、部屋の明かりは必ずつけていないと落ち着かない。 まさかその夕方に、わたしの中で懐かしいという感情が芽生えるなんて、あのころは思いもしなかった。 街がオレンジ色に染まると、気分がどうしようもなく塞ぐ。ただただ悲しくて、気がついたら声も立てずにぼろぼろ涙が溢れてきていることも度々あったし、計り知れない絶望感のようなものが押し寄せてくることもあった。 どうしようもない孤独感、終わりゆく一日を悟っての虚無感、襲いかかる自己嫌悪。そして、毎日がそれの繰り返し。 小学校高学年のころ、この本に出会った。スタジオジブリによって映画化されるとの告知があり、内容がうろ覚えだったので、もう一度読んでおこうと、去年の春ごろに再び手にとった。 まるで目の前に浮かび上がってくるように描かれた情景描写。夕方の海の満ち干が、繊細に美しく書かれていて、その場面だけはあの当時から今でも、くっきりと鮮明に頭の中に焼きついているのだ。 この本を読んで以降、わたしの夕方への感情はガラリと変わった。切なくて寂しくて、それだけが襲いかかってくる夕方。黄金色の夕陽が、目にしみるほど迫ってくる。あまりにも美しすぎて、怖いくらいだった。逢魔時、なんて言葉があるけれど、この時間帯は本当に未知で何か、別の次元に引き込まれ連れ去られてしまうような……そんな不思議な何かがある。 西陽が傾きはじめ、オレンジの光が街に降りそそぐ。そんな時ふと、今やもうない失くしてしまった何かを思い出しては、この夕方のベールのどこかに、わたしの探している場所があるのではないかと思ってしまう。 夕方が怖いのは、もう戻れないことを心のどこかでは知っているから。わたしを待つ人などいないと分かっているから。もう帰れないと気づいているから。そうしてわたしは、そういう大事な感情を消えてゆく夕闇の狭間に置いてけぼりにして、忘れてゆくのだろう。
0投稿日: 2015.03.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
原作は映画よりも、アンナとマーニーの真実についてさらっと書かれていたのだと気づけて、それもまた良いと思いました。 リンゼー家の人たちとの出会いによって、さらに変化していくアンナを感じることが出来て、自分も満たされた! と同時に、翻訳って本当に大事なんだなと思う。 言い回しとか言葉の選び方で印象がガラリと変わると思うので、文庫で出ている方も読んでみたい。
1投稿日: 2015.01.15
powered by ブクログジブリ映画を見て、原作を読みたくなったので読んでみた。 映画は舞台を日本に変えて、登場人物も変更されていたので、原作は別物として楽しんで読めた。 映画よりもシビアな人間関係だったが、その分、新しい友情関係に救われた。 導入は暗い印象で、児童文学っぽくなかったが、ハッピーエンドで良かった。
0投稿日: 2014.11.11
powered by ブクログイギリス児童文学でもあり、以前から読んでみようと思っていた作品の一つであったことを、ジブリの最新作の特集(月刊MOE)で思い出し、ようやく手にした。題名も『思い出のマーニー』でしたが(笑)原作タイトルは“WHEN MARNIE WAS THERE” 岩波少年文庫では、上下巻に分かれているので、感想は、こちら下巻の方に。 物語は、養父母の元を離れて、ひとり転地先に向かうアンナの列車旅から始まる。ここで、心を閉ざした感のある孤独なアンナの思いといきさつが少し語られ、後書きで訳者の松野正子さんが、この出だしがとっつきにくいのでは案じていらしたが、心象的にも深みのある作品らしいと感じた。 アンナは、常々、他の人たちが興じたりする物事の“内側”の輪に入れない“外側”の、いわば疎外感を持っていたが、周りの大人からは、“やってみようともしないこと”(意欲のなさ?)など問題視されており、喘息を起こした後の転地であった。 行先は、養母の友人夫婦が住むノーフォーク州、海辺の村。アンナは、その入り江の湿地に佇む古い屋敷の裏で、誰も知らない金髪のマーニーという不思議な少女と出会い、友だちになるのだが…。 この物語のクライマックスとなる風車小屋での出来事からの後半、下巻に入って、物語は一気呵成に面白くなる。マーニーに置き去りにされたと思ったアンナが、その後、だんだん現実の生活感と人々にもなじみ、物語の伏線から謎ときの形で、マーニーの秘密を知り、やがて気がついてみれば、身丈だけでなく、心的にも大きく成長し、自身も、周りの世界の感じ方も変わっていたのだった。 私も、気がつけば、あっというまに読みおわり、イギリスの風土に根ざした素晴らしい物語を味わえた。 ちなみに、岩波少年文庫の挿絵のペン画は、パディントンでもおなじみのペギー・フォートナム。 ジブリのマーニーも素適な出来上がりだったそうですが(家族談)、やはり、活字=原作を読むのが好きな私です(笑)
0投稿日: 2014.09.15
powered by ブクログアンナが人と関わることの楽しさ、心地よさ、素晴らしさを感じられるように成長して一安心。マーニーのおかげかな。
0投稿日: 2014.09.10
powered by ブクログ【図書館本】下巻中盤からは一気に読めた。マーニーの正体に迫っていくにつれ、ドキドキワクワクしていた。映画のあおりの“マーニーの正体は?”である程度予想出来て、的も得ていたのであのあおりは残念(ネタバレ的な意味で)。 アンナがマーニーのことを忘れるのが唐突過ぎて、しかもあんなに濃かったのに思い出せないとか不自然で少し違和感。そしてマーニーとアンナが一緒に過ごせた理由もよくわからず……でモヤモヤは残ったけど、アンナが成長してる姿を見て暖かい気持ちになれた。
0投稿日: 2014.08.27児童文学の粋を遥かに超えています!!
急な出張で新幹線の中で携帯で読んでいたのですが、ラストに向い涙が止まらなくなりました。 新幹線で携帯見ながらハンカチで涙を拭うちょいキモ○○○と化してしまいました。 冷静に考えると泣くほどの内容ではないのですが、とにかく文章と物語の美しさに魅せられてしまいました。 ジブリが映画にするのも納得。心に残る名作です。
5投稿日: 2014.08.20
powered by ブクログアンナの心境、人との接し方が変わっていくところが良かった。 真相?がわかったとき、ああ、良かったなぁって思えた。
0投稿日: 2014.08.10
powered by ブクログとある出来事から心を閉ざしがちになった少女の成長の物語。 とても面白かった! 上巻を読んだ時に、表現面(情景、心理描写など)がいいと思っていた。 しかし、最後まで読んでみて、ストーリーの質も高いことが解った。 大人であっても十分楽しめるものになっている。 (逆に言えば、児童文学としては、若干難しいかもしれない。) このような素晴らしい作品を読めたことは、原作者はもちろん、翻訳者の力量によるところも大きい。 ありがとうございました! 映画を見る予定がある人は、映画の後に読んでみるといいかも知れない。 映画とはひと味違った角度から、再び思い出のマーニーを楽しめると思う。
0投稿日: 2014.07.29
powered by ブクログ人の世界には内側と外側がある。そして自分は「外側」の人間であると、周囲と自分に高い壁を作り嫌なことがあっても「何も考えない」ことで乗り切ろうとする少女アンナ。 海辺の町に引っ越してきたアンナは、一軒の屋敷に住む少女マーニーと出会い、秘密を共有する親友となる。 上巻では周囲とうまく馴染めないアンナの苦悩とマーニーとの不思議な出会いが、下巻ではアンナに訪れる変化と新しい出会い、そしてマーニーに隠されていた謎が解き明かされていく。舞踏会、森、そして風車小屋…マーニーと過ごした時間は、アンナの固く閉ざした心を溶かし変化と成長に大きく影響を与える。 人は「外側」と「内側」を行ったり来たりしながら周囲と付き合っていく。「外側」であろうと「内側」であろうと、それぞれから見える景色は自分の一部となり、思い出となった出会いも自分の心にしっかりと刻まれ、糧となる。 2014年夏公開ジブリ映画の原作本。
1投稿日: 2014.07.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻と違って明るい内容が多くて読みやすかった。五人兄弟良い子すぎる。こういう大勢でわいわい遊んだり泊まったりするワクワク感がすごくにじみ出ていてわかりやすかった。マーニーの正体よりもアンナの成長ぶりの方が印象深い話だった。
0投稿日: 2014.07.14二人の夏は、あなたの思い出になる
ラストに向けて、物語が繋がっていく様子には、 まるでいままで一本の糸と入して見ていたものが 一枚のきれいな布を構成していることに気づいたときのような 淡い鮮やかさと、そして言い知れない切なさがあります。 読み終わった時、二人の物語は、 自分が体験したことみたいに こころに残り続けるでしょう。
2投稿日: 2014.07.05
powered by ブクログちょっと予想通り、でも多少予想外。 欲をいえばもうちょっとラストにかけての主人公の心情を盛り込んでほしかったなー。 面白かった。
1投稿日: 2014.06.24
powered by ブクログ10年ぶりに再読。 ちょっと内向的でヒネた主人公アンナと不思議な少女マーニーとの心の交流を描いた上巻、そしてマーニーの謎をするする紐解きながらアンナが変わっていく下巻。ストーリー性も描写力も文句なし、大満足の作品でした。 児童向けの作品なので、ストレートでわかりやすい表現が多いです。でも扱われている内容は、子どもからの脱皮を経験した大人だからこそ分かることも多いので、おそらく子供目線と大人目線で感じ方が変わるのではないでしょうか。私は10年前と今回とでは明らかに感じ方が違いました。20年前にも読んでいたら、きっともっと違いを感じたと思います。 今夏上映のスタジオジブリ映画も期待しています。
1投稿日: 2014.06.18
powered by ブクログ下巻よみましたー うーーん マーニーは実は○○○だった! という マーニーの正体うんぬんも興味深いけど なによりアンナが成長して、感じのいいよい子になったことや 5人兄弟の家がすごいいい人でよかった わりとふつうな話だったような
0投稿日: 2014.06.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
子供のための物語であるから、子供の時に読みたかった。子供の時にはきっと、ずっと共感できただろうと思うから。しかしこれは大人にとっても、救いの物語だった。とてもよかった。 この物語の、なにが、こんなにも心に残るのだろうと考えると、やはりアンナの心をきりとって文字にもってくる、感性だと思う。 こどもの心は混沌だ(混沌だったと思う)。うれしさ、悲しさ、悔しさ、希望、どれも鮮明すぎて、ありのままとらえることはとっても難しい(と思う)。しかし小説の中でアンナの気持ちを、いっときも作者は見失わない。アンナ、ひとりぼっちで繊細な、孤児の少女は、鮮明に存在し続ける。 マーニーのせかいとアンナのせかいが異なることはすぐにわかるけれど、だいじなところは、そこではないのだ。アンナがはじめてともだちになるマーニー。いきいきとアンナのまえに存在する魅力的なともだち。ともだちとすごす時間はなんて楽しくてみじかいんだろう。友情は、まるで魔法のように自信をもたらしてくれる。 そして、たとえば赤毛のアンを読んだ子供たちが成長してからはアンではなくマリラ・カスバートの気持ちに共感するように(しないか?)、わたしが共感するのは「おばちゃん(なんて善良なひとだろう)」であったりするわけでした。やっぱり子供の時に読みたかった。 最後に明かされた事実にはきっと願いが込められているのだろうと想像する。金持ちの娘だが愛情を与えられずに育った孤独なマーニーは、産んだ娘を愛せないままこの世を去る。うまれた娘は母の愛を知らないまま、その娘を残して世を去る。そして、ひとりきり残されたマーニーの孫はやはり、捨てられた子供として人生のスタートを切るが…、 悲しいことの連鎖がきれいに輪になって解かれるラストはとてもうつくしい。奇跡である。
4投稿日: 2014.05.29
powered by ブクログじんわりと満たされていくような読後感。驚くべき愛の物語でした。これを米林宏昌監督がどう料理してくれるのか、楽しみです!
1投稿日: 2014.05.28
powered by ブクログとても素敵な結末。 上巻の後半を読んだ時の不安は綺麗に消えてしまった。 どうも幼さ故の純粋さと繊細さを持った女の子(男の子も)が傷付くところを見たくないと願ってしまうみたいだ。 でもそんな心配を軽々と飛び越えてくれた。 そして奇跡としか言いようのない幸せを見つけてくれた。 アンナから貰った幸せな気持ちのお裾分けで私も幸せな気分。 映画もとても楽しみ。
7投稿日: 2014.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
周りに馴染めず孤独なアンナ。そんな疎外感から、「ふつうの」顔で自分を守り、愛したい(愛されたい)けれども、ミセス・プレストンとの間にも溝を感じている。自分は「外側」にいる、という感覚。でもアンナは、そうではないと気が付くのだ。ミセス・プレストンは少し自信なさげではあったけれど、ちゃんとアンナのことを愛していたし、ペグ夫妻は無条件にアンナのことを愛してくれている。一人ぼっちだと感じていたのは、「アンナの心」だった。周りを見渡せば、アンナを愛してくれる人はちゃんといる。 アンナが変わり始めたのは、風車小屋にアンナを置き去りにしたマーニーを許す、あの雨の別れの場面だと思う。あんなに怒って、絶対に許せないと思っていたのに、マーニーに謝られて、やっぱりマーニーのことが好きだ、と許すのだ。人を許すというのは強い心が無いと出来ない。だからあの場面は、マーニーを通してアンナの世界が広くなった瞬間だったと思う。 上巻では、マーニーは生きている人間ではないだろうくらいには思っていたけれど、下巻では、それ以上の繋がりが発覚して、マーニーが幸せだったか幸せでなかったか、ワンタメニーのこと、アンナはいろんなことを知って、自分は一人ではないと思えるようになる。ミセス・プレストンも、ペグ夫妻も、リンゼー家のみんなも、そしてマーニーもいたと気付いたから。自分以外はみんな敵、みたいに思っていたアンナが世界を広げる物語。最後の最後で、良い物語だったと思えた。
0投稿日: 2014.05.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画が公開される前に読んでおかねば、と思って。 以前、河合隼雄さんの紹介は読んだような気がするけど、詳しいすじだてはまったく覚えていなかった。 上巻、物語に入り込むまではちょっと時間がかかったが、アンナとマーニーが仲良くなったあたりから入り込み、下巻は夢中で読み終えた。 マーニーがどういう存在であるかは早い段階からうすうす気がついていたが、最後に想像以上にいろいろなことがつながってくるところはわくわくしたし、マーニーとの交流がアンナにもたらしたものはなんとかけがえのない大切なものだったのだろうと思う。 アンナをひきとったペグ夫妻の態度が非常に印象的。河合隼雄さんに言わせると百点満点の対応だったのだといえるらしい。そう、普通なかなかここまではできまい。
0投稿日: 2014.05.18
powered by ブクログ恐ろしいくらいの孤独の中に住むアンナはしめっち屋敷に越してきた兄弟姉妹と打ち解けていき、マーニーの秘密も解き明かされていく中でアンナの閉ざされた心も次第に開かれて温かいものが入ってくる。孤独を感じる思春期の生徒に届けたい一冊だと思いました。
1投稿日: 2014.05.06
powered by ブクログなんてなんて素敵な物語だろう! 夢とも空想ともつかず、ふわふわと不安定な霧の中で 見えない足元に気をとられるように 進んでいく物語にドキドキしながら、 最後は霧がパーっと晴れるように 閉じた空間は明るい光の中に晒されて 溢れるような祝福に包まれる。 子供の頃の心の中の内側と外側。 みんなと同じでも、みんなと違う部分があっても、 今も未来も恐れずに1つ1つゆっくりと受け止めて 大切に真っ直ぐに進んでいってほしい。 一人でも多くの子供の心の心が辿りつく未来の場所が 辛かったことも幸せに塗り替えてくれるような そんな温かい素敵な場所だといいな。 子供たちの幸せな未来への祈りと、 誰もが通り過ぎる自分の中でもがく時間に エールを込めて贈りたい。 そんな切なくて優しくてあったかい、 誰にでもある心のいつか居た場所の物語。
8投稿日: 2014.04.26
powered by ブクログ物語の点と点が線になり繋がっていく下巻。 児童文学じゃないよ。 大人も読めるよ。 映画が楽しみだ。
0投稿日: 2014.04.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何かメッセージ性を持って マーニーが現れたっていうのが 主題でもよかったかな 映画になるんだ! 設定が日本って…(^_^); アンナは、日本人とのハーフになるのかな? 孤立している時に 勇気をもらえる本だと思う 友達がいなくて 図書館に通っている女の子にすすめたい
1投稿日: 2014.03.05
powered by ブクログいっきに読んでしまいました。あとがきに訳者の方が最初が読みにくいと書いていましたが、私にはまったくそんなことはなく、ドキドキするような展開が続いて、ラストは幸福感に包まれました。なぜこの話を知らなかったのでしょう!もし昔読んでいてもきっと大好きな1冊になっていたであろうことは間違いありません。
0投稿日: 2014.01.07
powered by ブクログ本の世界が上巻より下巻のほうが 読む人にグイグイ向かって来ます。 上巻をだけを読んだときは、「ジブリの映画は なぜこの本を採用したのか?」 と 思いましたが 全てを読んだ今なら解ります。 自然豊かな場所。 主人公が小さな時には 理解できなかった まわりの大人たちの 深い愛情。 懐かくも辛い記憶。 映画では どの部分に重きを 置かれるのでしょうか。 この本のタイトルも 好きです。 やはり イギリスの児童文学は 私のしょうに合っている。
0投稿日: 2013.12.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
実は読む前に誰かのレビューか何かでマーニーがアンナのおばあちゃんの少女時代、というのを知ってた。なので、アンナを心配して出てきたのか、と思ってたけど、たぶん違う。マーニーもアンナと同じくらい孤独だったんだ。 出てくる人たちがいい。 アンナの無表情にとまどいながらも、ミセス・プレスとンは心からアンナを愛して、本当の母娘のようになりたいと思っていたんだね。アンナが風車小屋事件の後に寝込んでいる時、看病に来ていた時の様子でよくわかった。そして登場しないけど、ミスター・プレストンもアンナがロンドンに戻るのを待っているんだね。 ペグおじさんとペグおばさんもいい。さっぱりしていて、アンナを束縛しないけど、アンナのことが大好きなのがわかる。 そしてリンゼー家の人々。子供たちはランサムのウォーカー兄弟そっくりなラインナップ(笑)。お父さんもお母さんも本当に素敵な人たちだし(このあたりも、ウォーカー夫妻に似てる気がする)、ギリーの存在もいい。 そして、私が名脇役だと思ったのがワンタメニー。アンナとワンタメニー、実はお互い理解しあえていたような気がする。ロンドンへ帰る前に、雨の中アンナがワンタメニーにさよならを言いに行くところがいい。 アンナが最初にしめっち屋敷を見たシーンの描写がとても素敵だった。あとパーティーに潜り込むシーンも夢のようで素敵。 リンゼー家の人たちと出会ってから、アンナはマーニーとの思い出を忘れてしまったようだけれど、後から全部思い出して、大切な宝物のような思い出としてずっと覚えていて欲しいな。
0投稿日: 2013.07.22
powered by ブクログ物語の前半は、海辺の洋館に住む不思議な少女マーニーとの出会いと、マーニーと過ごす秘密の時間の中で、アンナが少しずつ自分と向き合い、心がほぐれていく様子が描かれています。 ようやくできた心を許せる友達だったマーニー。 でも、村人たちは誰一人としてマーニーのことを知りません。 そんな中「風車小屋事件」とでも呼ぶべき事件が発生し、結果的にアンナはマーニーと別れ別れになります。 そして後半、マーニーと別れたアンナは彼女と一緒に過ごした時間の思い出を糧に、少しずつ少しずつ彼女が「内側」と呼んでいた世界とも向き合うようになっていきます。 物語の後半、いなくなってしまったマーニーの正体や、 アンナが決して知ろうとはしなかった彼女の生い立ちの物語等々が明らかになります。 それら全ての謎の鍵をにぎるギリーさんというおばあちゃんが登場するのですが、そんな彼女が語る 「あなたがたがわたしぐらいの年になれば、これは だれのせいだとか、あれはだれが悪かったからとか、 そんなことはいえなくなりますよ」 という言葉は今の年齢になったKiKi の心にストンと落ちてくる言葉でした。 そしてそれに続いてアンナが感じるようになる 「自分が内側にいるとか、外側にいるとか、 それは、自分自身の中でどう感じているかによること」 という真理・・・・のようなものに思わずぐっときてしまいました。 これはKiKi 自身も折に触れ読み返してみたい物語だし、多くの人に読んでもらいたい物語だなぁと強く感じました。 (全文はブログにて)
1投稿日: 2011.04.15
powered by ブクログある日、マーニーは、無人のさびしい風車小屋でアンナを置き去りにし、姿を消しました。彼女をさがすうちにアンナは、マーニーの思いがけない秘密を知りました…。ドラマチックな体験をした思春期の少女の物語
0投稿日: 2011.02.27
powered by ブクログ私がbk1で本書の上巻に書評をつけたのは2008年11月30日。 今日は、いつもに増して自分語りになってしまい恐縮なのだが、 私は、2008年4月に大切な人を亡くしている。 旅立った人は病を得ていたこともあり、 2008年2月から会うことができないでいた。 書評も2008年2月から2008年10月中旬まで1本も書けなかった。 本書の上巻への書評を書いていた頃は、読書も復活していて、 文章も書けるようにはなっていたものの、 読むものも書くものもどこかで 彼のことを思い出させるものばかりだったように思う。 本書も少女時代の自分と非常に縁の深い本だったこともあり、 再々読し、重ねて原書にもチャレンジしたのだった。 彼は、少女時代の自分と縁のある存在で、 再会後の1年半の間に自分に自信のなかった私が 自己肯定感をもてるように助けてくれた存在だったからである。 上下巻ある本書の書評は、上巻に集約させて終わらせるつもりでいた。 ところが、1年半が経ち、もう一度本書を読み返した今、 前回の書評で書ききれなかった分をさらに書いてみたいと思うに至ったのである。 そして、それを書く日は今日をおいて他にないと思っている。 原書である"When Marnie Was There"は、 入手しづらい状態になっており、 前回チャレンジした原書はブッククラブで借りたものだった。 先日、やっと中古で見つけたそれが、2010年4月27日届いたのである。 まるで、誰かが今だと背中を押してくれたような気がした。 前回の書評は、アンナがどういう子であるか、 そして、風車小屋に自分を置き去りにしたマーニーを許したことには 大きな意味があったということについて書いた。 だが、上巻と下巻をまとめて1本で書くつもりでいたため、 あらすじについてはきちんと書けてはいなかった。 上巻で印象的なのは、 「あんたの通りに見える」とサンドラに言われて、 アンナが大変傷ついたというエピソードである。 彼女が自己肯定感が低かったことの現れである。 受け取る方がどうとも思わなければ、どうともない言葉。 だが、自分のことが好きになれない存在にとっては、これほど痛い言葉はない。 そして、発した相手もそれをわかっていて突いてきているのだ。 悪口か否かは、言葉ではなく、投げ手、そして、受け取り手が決める。 リンゼー家のアンドルーに「やぶにらみの妖精」と 言われてもアンナが怒らないのが好対照な例である。 アンナの心理描写は痛いくらいに当時の私であり、 今も時おり顔を出す、私、である。 大好きなお友だちを独り占めにしていたい気持ち。 似ているところがあるからこそ惹かれあい、 似ていないところは羨ましくて、 でも、本当は相手の奥底にある他の誰もが 触れないような淋しさに気づいていて、 だからこそ、その根っこの部分で惹かれあったのだ ということわかっている。 それでこんなことを言ってしまったりする。 あたしは、あなたにいてほしいの。 あなたがあたしにいてほしいより、 もっと、ずっと、あなたにいてほしいの。 マーニーに言い返されるように、 むちゃくちゃナンセンスなのだけど、 この言葉、自分の言葉として痛いほどにわかる。 上巻で展開されるのは、アンナとマーニーの物語である。 マーニーがアンナを風車小屋に置き去りにし、 エドワードと帰ってしまうのは、 下巻の最初のエピソードである。 そして、マーニーはしめっ地やしきから去り、 アンナとはもう会うことはない。 下巻は、アンナとリンゼー家の物語である。 リンゼー家の人々は、新しく修繕されたしめっ地やしきにやってきた人たちで、 アンナは、マーニーに会うずっと前にリンゼー家の5人兄弟を目撃している。 だが、そのときに村の人は誰も彼らを知らないと言ったため、 アンナは彼らを自分の想像の中の人たちだと思っていたのだ。 マーニーと会っていた頃のアンナは、 しめっ地やしきの裏側である海側から訪問していたのであるが、 リンゼー家に訪問するときは、しめっ地やしきの表側から訪問する。 リンゼー家の人たちと知り合ってから、アンナの世界は急展開する。 一見、マーニーのエピソードとリンゼー家のエピソードは、 違う物語のように見えるのだが・・・。 自分に自信がなく、周りの人たちとの関係をうまく築けなかったアンナは、 マーニーと友だちになり、その関係を経た後、成長を遂げている。 アンナはマーニーとの出会いを経ていたからこそ、 リンゼー家の子どもたちと友だちになれたのではないか。 これはマーニーの置き土産であったといっていいだろう。 リンゼー家の5人兄弟の中で、もっともアンナと仲良くなるのが プリシラなのだが、そのことは、 プリシラをプリシラと知る前からアンナにもわかっていて、 遠くからアンナを見つけていたプリシラにもわかっていた。 つかまえてほしいけど、そう簡単にはつかまえてほしくなくて、 続けてしまう追いかけっこ。 そんな気持ちも自分のことのようにわかった。 お互いにお互いではなければない相手というのはわかるものである。 アンナにとってのマーニー、マーニーにとってのアンナ、 アンナにとってのプリシラ、プリシラにとってのアンナ。 そして、アンナはなぜマーニーと出会ったのか、 出会わなければなからなかったのか。 そのすべてをここで語ることはできないのだが、 ひとつだけ前回の書評から展開させておきたい。 自分を風車小屋に置き去りにしたマーニーを許すことができたのは、 アンナにとって大きな意味があったということについて。 風車小屋の事件が起こる前に、アンナは、マーニーに 今まで他の誰にも言うことができなかった秘密を、悲しみや怒りを語っているのだが、 そのひとつに、自分を置いて亡くなってしまった母や祖母に対する怒りの心がある。 自分をひとりぼっちにして旅立ってしまったことへの怒り。 マーニーはそんな怒りを表出したアンナにいくつもの意味で深い答えを返している。 その言葉の深い深い意味は、すべてがわかったときにつながるのだが。 アンナがマーニーを許したことの意味のひとつは、 自分を置いて行ってしまった者への許しであり、 それは母や祖母に対する許しにもつながるのだ。 そして、それは、出会いが一瞬でもう会えなくても、 その相手を愛することであり、感謝するということなのだ。
1投稿日: 2010.07.24
powered by ブクログマーニーに置き去りにされ、取り残されたアンナ。マーニーが消え、変わりに5人の子供たちとの楽しい日々が始まります。その中で、徐々にマーニーの秘密へと迫っていきます。 最後の方はすごく切なくなって泣きました。マーニーがどんな思いだったのか、考えても分からないけどとにかく切なくて切なくて。。 06.8/28
0投稿日: 2006.08.30
