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養鶏場の殺人/火口箱
養鶏場の殺人/火口箱
ミネット・ウォルターズ、成川裕子/東京創元社
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総合評価

24件)
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    大好きなミネット・ウォルターズも本作入れて残り3作 大事に読んでいきたい ミネット初めての中編集、制約のある中で書かれたものらしく、ミネットらしい朗らかさがあまり感じられなかったので残念 『養鶏場の殺人』 うわー、こんな女いるよなーというかなりめんどくさい女性が登場 そりやそうよね実話がもとらしいので さすがの筆運びで、ほんとこの女性がイライラさせられる 上手い 上手いけど面白いかといったら、う〜ん 『火口箱』 偏見による思い込みが悲劇を生むのと同様にその逆も…という社会派ミステリー こちらはミネットらしい朗らかな女性が登場して少し好み あ、でもよく考えるとミネットらしさってとことん後ろ向きな女性ととことん前向きな女性の書き分けのような気がする そうか片方しか登場しない中編だとまさにミネットの魅力半減なのか

    51
    投稿日: 2023.10.05
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    中編2編。私には初めてのウォルターズ。 読みやすく面白い。スピード感も毒気も切れ味もある。 古き良き時代の英国ミステリではなく、現在社会のミステリ。 大矢博子の解説も普通で良い。(筆の力に同感)

    0
    投稿日: 2023.07.11
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    イギリスの作家「ミネット・ウォルターズ」の中篇ミステリ作品集『養鶏場の殺人/火口箱(原題:Innocent Victims: Two Novellas)』を読みました。 「P・D・ジェイムズ」、「アリ・ランド」、「コリン・ワトスン」に続き、イギリス作家の作品です… 「ミネット・ウォルターズ」作品は『遮断地区』以来なので、約2年振りですね。 -----story------------- 1920年冬、「エルシー」は教会で純朴な青年に声をかけた。 恋人となった彼が4年後に彼女を切り刻むなどと、だれに予想できただろう──。 英国で実際に起きた殺人事件をもとにした『養鶏場の殺人』と、強盗殺害事件を通して、小さなコミュニティーにおける偏見がいかにして悲惨な出来事を招いたかを描く『火口箱』を収録。 現代英国ミステリの女王が実力を遺憾なく発揮した傑作中編集。 解説=「大矢博子」 *第4位『ミステリが読みたい!2015年版』海外篇 *第6位『週刊文春 2014ミステリーベスト10』海外部門 *第6位『2015本格ミステリ・ベスト10』海外ランキング *第8位『このミステリーがすごい!2015年版』海外編 ----------------------- 読みやすさを念頭に置いて描かれた2篇が収録されています… 『養鶏場の殺人』は普段本を読まない大人に読書に馴染んでもらう企画で、『火口箱』は読書好きの人に普段読まないジャンルを読んでもらうという振興の目的で、それぞれ出版された作品です、、、 実際に読みやすかったし、それでいてしっかり読み応えのある内容で愉しめましたね。  ■はじめに  ■養鶏場の殺人(原題:Chickenfeed)  ■火口箱(ほくちばこ)(原題:The Tinder Box)  ■解説 大矢博子 『養鶏場の殺人』は、1924年(大正13年)にイングランド南東部・サセックス州で実際に起きた「エルシー・カメロン」殺害事件を、経緯も人名もそのままに小説に仕上げ、末尾に「ミネット・ウォルターズ」の推理を述べた作品… 犯人とされた「ノーマン・ソーン」は絞首刑となったが、最後まで「エルシー」の自殺であると訴えていたそうです、、、 真実は藪の中ですが、美人ではなく、華やかな恋愛経験もなく、でも、プライドは異様に高く、自分の理想通りに物事が進まないと腹を立て、冷たくなった恋人に結婚を迫るために妊娠したと嘘をつく… そんな人格として描かれた「エルシー」には感情移入できず、常に「ノーマン」の立場で読み進めましたね。 直接的な事件の原因を作ったのは「エルシー」の性格や行動なんでしょうが… それを許してしまっていた「ノーマン」の優柔不断な態度にも、問題はありますよね、、、 顛末だけみれば、現代の日本でも、色んなところで同じようなことが起きているんでしょうけど、本書では「エルシー」を掘り下げて丹念に描くことで、実録物でありながら、恋愛ホラーのような印象の作品に仕上がっていましたね… 肥大したエゴが倒錯する様を、畳みかけるように描写する迫力が強い印象として残りました。 『火口箱』は、イギリスの片田舎を舞台に、老女二人の強盗殺害事件を通して、小さなコミュニティーにおける偏見がいかにして悲惨な出来事を引き起こしたかを描いた作品、、、 アイルランド人の男性「パトリック・オライアダン」が村内の老女と住み込みの看護師を殺したとして逮捕された… それから8ヵ月後、同じ村に住むアイルランド出身の女性「シヴォーン」は、「パトリック」の両親が村から排斥され、脅迫や嫌がらせを受けて危険な状態であると警察に訴える。 しかし、話を聞いた警部は夫妻の自作自演を仄めかした… そして翌月、「オライアダン家」が火災に見舞われ、焼け跡から一人の焼死体が発見される、、、 小さな共同体の中の差別や偏見意識を主題とした作品なのですが、その差別や偏見意識から生じる思い込みを逆手に取ったトリックが隠されており、意外な結末が愉しめる作品でしたね… 真相がわかると登場人物の印象が一変して見えるのが素晴らしいですね。 あることが原因で登場人物たちの間には共同体が崩壊すれすれになるほどの緊張が高まる。そうした事態は本筋の事件捜査からは副次的な要素に見えるが、実はそうではなく、全体を構成する不可欠のピースであることが最後には判る趣向なのである。どこにも無駄がなく、箱根名物のからくり細工のようにすべての部品が利用されている。その徹底ぶりが素晴らしいのである。 イギリスにおける、イングランド人とアイルランド人の関係性について、改めて気付かされる作品でした… そりゃ、ラグビーの試合でも熱くなるよなぁ。 読みやすくて愉しめる作品でした… 甲乙付け難いですが、個人的には『養鶏場の殺人』の方が好みでしたね。

    0
    投稿日: 2023.04.03
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    やってしまった。以前読んでたのにブックオフで買ってしまったー。 内容覚えてなかったから普通に楽しめたからいいのだけど。 養鶏場の殺人は、実際の事件が元になっている。犯人の青年が少しずつ追い詰められて、劇的なことは起こらないのに徐々にどうしようもなくなっていくのが怖い。その過程の描写がさすが。 火口箱はこの作家らしい偏見とか差別意識がつよくはびこっている村の話で、真実が見方によって本当に正反対の方向に見えてしまうのが面白かった。視点をひっくり返される。そして偏見あるが故に、人の話の真髄が見えなくなり、自分が損する恐ろしさ。

    0
    投稿日: 2021.10.29
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    「養鶏場の殺人」と「火口箱」の2編が収録されている。 「養鶏場の殺人」は、イギリスの「クイック・リード・シリーズ」の一冊。本をあまり読みつけていない大人に向けて、平易な言葉で書かれた本を読むことによって読書になじみ、読む力を高めてもらうという計画の一環で刊行された。 実際に起きた殺人事件を、経緯も人名もそのままに、作者の推理を展開した作品。犯人は絞首刑になるのだけれど、被害者でもあったのでは?と考えさせられる。 「火口箱」は時系列が入れ替わり、お話が進んでいく。 イングランド人とアイルランド人の偏見や差別意識が犯罪を大きくしていくというお話。 読了した時に「なんでこんなことになったんだろ?」とクエスチョンマークが沢山。結局、結末がわかっている段階で、もう一度読み返し、「なるほどね~」と納得。 時系列に沿って書かれていないことで面白さが増す。

    0
    投稿日: 2020.03.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    珍しい中編集。 サラ・ウォーターズと混合してて未読だったけど、英国女流作家の容赦なさが随所に効いてていい感じ(*^◯^*)

    0
    投稿日: 2018.10.26
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    彼女の作品としては珍しい中編集。とは言っても読み応えは十分。養鶏場の殺人はワタシ的には今ひとつでしたが、火口箱の方は良かったです。思い込みってだめですね。色々見えなくなってしまう。面白かった。

    0
    投稿日: 2018.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人々を読書に誘うために書かれた二編。 目的が何とも粋。 その目的よろしく、さくさく、ぐいぐい物語は進んでいく。 本格ミステリ的な謎を究明するような物語ではなく、人間の心理がもたらす事件性をサスペンスフルに描いたウォルターズらしい作品。 個人的には『火口箱』の方が好き。偏見、思い込みをうまく仕立てた作品と思う。そういう終着点にするとは思わなかった。

    1
    投稿日: 2017.09.04
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    中編2本。1本目は実際の殺人事件がもとになってるそうだが、一体どちら側が狂気なのか?楽しめた。2本目は登場人物が入り乱れてちょっと混乱。海外小説は名前がすんなり入ってこないと楽しめないこともある。

    0
    投稿日: 2016.05.29
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    「火口箱」は人生ベスト級の中編。素晴らしい!!読みやすさを意識して書かれているので、初心者にもオススメ。オチを知って再読すると、この中編の凄さがよりわかった。

    0
    投稿日: 2016.01.17
  • 養鶏場、の方は抜群面白かった。

    火口箱の方はちょっとね❗会話過多かな? それにしても両方とも新しい推理小説で あることは間違いない。

    0
    投稿日: 2016.01.06
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    私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2015.10.24読了 養鶏場の殺人と火口箱の二つの中編。二篇とも、日ごろ、小説を読んでいない人向けに書かれたものらしく、読みやすい 養鶏場の殺人 実際にあった事件を書いているとのことで、最後に作者の推理というか、事件に対する考えが書かれている。 物語としては何ということはないが、作者の筆力や構成力によって面白い読み物に仕上げられている。結末は大体、予想出来そうなものだが、どんな展開をするのかと、どんどん読み進めてしまう。 現代であっても、この事件はなかなか真相究明は難しそうだ。 だから、事件の最初の報道は死体損壊遺棄になるんだな。 火口箱 これは最近のミネットウォルターズらしい小説です。 犯人も、ミステリーを読み慣れている読者は最初から斜めに読むので、大体検討がつくが、そうでない読者は惑わされて面白いんじゃないかと思う。 まあ、ひねた読者はもう少し捻りがあってもいいんじゃないかとか、いやらしい見方をしたりするわけですが。 でも、この読む楽しさとか、最近感じられることの多い、集団の偏見や差別意識とか、集団心理における正義とか、ものすごく大事なことがスムースに頭の中に入ってくるので、物語の力を感じさせる作品になっているなあと強く思うのであります。

    0
    投稿日: 2015.10.20
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     二つの風変わりな中編作品を収録した新ミステリの女王ミネット・ウォルターズの初の中編集である。序文は作者本人によるもので、そこで証されていることにより、ぼくは「風変わりな」と称したのである。  『火口箱』は1999年、オランダでのブック・ウィーク期間中、普段ミステリを読まない読書家を誘い込むために無償配布された掌編だそうである。  『養鶏場の殺人』は2006年イギリスのワールドブックデイにクイックリード計画の一環として刊行されたとある。普段本を読まない人に平易な言葉で書かれた読みやすい本として提供されたものであるらしい。  どちらも読書促進運動という目的をもって書かれた珍しい作品であり、そういえばミネット・ウォルターズはこれまで長篇以外は邦訳されていないので、こういうウォルターズはどうなのかと興味津々でページを開いた次第。  さて『養鶏場の殺人』は、二人の男女の悲劇であるが、どちらが被害者か加害者かわからないほどの悲惨な関係が、養鶏場経営という悲惨な生活を背景に描かれることで、事件の背景にある真実を曝け出したものである。1924年という古い時代に実際に起きた事件のノベライズであるのだが、ウォルターズの筆力が、「読みやすいように平易な文章で書かれている」ゆえにこそ、際立って見える。  どうして四年後にこの人がこの人を切り刻むことになるのかという、事件のあからさまな紹介から遡っての年月を追っての物語だけに、読む側の追い込まれ感がたまらない。そしてその皮肉な結末への雪崩れ込み方が、まさしくウォルターズ流なのである。  『火口箱』はミステリーでありながら、やはりジャンル外読者向けのサービスに満ちており、とりわけアイリッシュの一家に襲いかかるソウアーブリッジ村という偏見に満ちた小さなコミュニティーの見えない恐ろしさが圧巻である。どこがミステリーなのかわからないうちに、導かれてゆくところに意外な真相が潜んでおり、なるほど、ミステリーとはこういうものでもあるのかと感じさせるようなサービス精神にあふれた書きっぷりである。もちろんこちらも筆力の素晴らしさが見えるウォルターズらしい作品。  二作ともいつもの長篇の重厚感から解き放たれていながら、コンパクトにむしろ密度の高まるクライム小説となっている。中編の一気読みの快感を味わうには手頃な一冊と言えよう。

    3
    投稿日: 2015.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中編のミステリー2編を収録。 「養鶏場の殺人」はミステリーというよりはホラーっぽい感じだろうか。 若い男女、人生にも恋愛にもあまりにも未熟なのに互いに「恋愛」を意識しあうも、理想や意思がかみ合わず、若すぎるゆえに相手に思いが伝わらない、相手を思いやることもできず、最後にはあまりにも悲しい結末が待ち受ける。。。 実際に起こった事件を小説化されたようです。二人の悩みや気持ちを真摯に聞いてくれる家族や友達が周りにいればこんな事件は起きなかったかもしれない。 それに、女の子の結婚への焦りや家族からのプレッシャーは万国共通なんだなぁ。。。そういう面ではエルシーに少し同情を感じてしまった。彼女のあまりにも強烈すぎるが純情な心がとてもやるせない。 「火口箱」は、ある小さな田舎の村での殺人事件。差別や偏見でがんじがらめになっている住民たちの思い込みや誤解が生んでしまった悲劇。 証言者と警官の会話の場面、火事の場面、ご近所同士の言い争いの場面など、過去や現在が飛び時系列がごっちゃに描かれているため、前半は頭が混乱してしまったが、後半部分は意外な展開に一気読みだった。 両方の作品とも直訳っぽく、淡々と抑揚なく文章が綴られている感じ。しかしその文体が、この両作品で起きた事件の悲しさと孤独と怒りを表現してくれていると思った。

    0
    投稿日: 2015.04.11
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    中編2作。 1作目 実話を元に書かれた作品。 ニールは本当に有罪だったのか、それとも冤罪だったのか。 加害者だったのか、被害者になるのか。 本当の事は今となっては分からないだけに、恐ろしいです。 2作目 集団意識の恐ろしさ。いじめもこれですよね。。。「正義」って何なんでしょう・・・

    0
    投稿日: 2015.03.25
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    中編二本が収録されていて、読みやすかったです。養鶏場~の方は実話がもとになってるとのこと。個人的には火口箱の方が面白かったです。

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    投稿日: 2015.02.23
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    団体から読書推進のために作家が執筆を依頼されるって、それだけ英国は読書に熱心なのか、それともそうしなければならないほど読書人口が減っているのか。確かにいつものウォルターズより読み易かった。日本でもそんな試みをする団体があるといいですね。英国がウォルターズなら、日本は宮部みゆき、それとも恩田陸?

    0
    投稿日: 2014.12.24
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    読んでいて疲れた。実話をもとにしているからなのか不条理な心の動きや行動。すごく読み終えるまで時間がかかった。 引き込まれず集中できなかった。

    0
    投稿日: 2014.08.15
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    被害者加害者が濃密な関係を持っていて悲劇的な結果を迎えた時、加害者だけが悪い、といえるのだろうか──という作者の前書きにもあるように、当初の関係が悪意や思い込みによって徐々に破綻していくプロセスが面白い。中編なのであっさり描いてあるものの、それでも刻々と変化していく心理描写の上塗りはさすがウォルターズ。キャラ造形が巧いので、シーン毎に共感し反発し、常に不快感を覚えながらも、目が離せない人間ドラマは読み応え抜群。ここにハマると抜けられないよねえ。 『養鶏場』の方が好み。実話っていうところが更に惹かれます。ミステリ色の濃い作者の見解にも納得。『火口箱』は、やや中弛み。『蛇の形』で経験した“しつこさ”がちょっと垣間見えたかも。でも意外性のインパクトが強いので、ラストで丸め込まれたかな。長編はまだコワいけど、中編ならリピートできそう。

    0
    投稿日: 2014.06.08
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    中編二作。どちらも面白いが、「養鶏場の殺人」のほうは、ミステリーの手法としてとても斬新な気がした。dそれほど特異性のある事件ではないにもかかわらず、ホラーのような怖さを感じさせる。ちょっとしたことが様々な連鎖によって恐ろしい事態に発展していくのは、最新作の「遮断地区」とも共通している。

    0
    投稿日: 2014.05.25
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    英国ミステリの女王ミネット・ウォルターズの新刊。 趣向のある中編2本です。 面白く読めました。 「養鶏場の殺人」は実話をもとにした作品。 クイック・リードという企画で、本をあまり読みつけていない人にも楽しんでもらえるような作品として書かれたもの。 1924年に実際に起きた殺人事件で、裁判で主張がわかれ、あのコナン・ドイルが疑義を申し立てたこともあるという。 エルシーという女性がノーマンという年下の若者に教会で出会い、声をかける。 親しくなった二人だが、ノーマンが失職、二人の将来には暗雲がたれこめる。 エルシーの性格にもかなり問題があったのだが‥ 実名のままに経緯を手さばきよく描き、鬼気迫るシーンへ。真相も推理しています。 はたして、何が真実だったのか‥? 「火口箱」のほうは、ブック・ウィークにオランダで無償配布された作品。 読書好きの人に、普段は読まない分野のものを読んでもらう狙いだそう。 とある住宅街で老婦人と看護師が殺され、出入りしていた無職の男性パトリックが逮捕された。 その後、パトリックの両親は、村の誰かから嫌がらせを受け続ける。 相談された女性シヴォーンは、見兼ねて警察に出向くが、取り合ってもらえない。 パトリック一家はアイルランド系で貧しく、村の美観を乱すようなガラクタを庭に放置し、イングランド人のひんしゅくを買っていた。 シヴォーンはアイルランド出身の女性だが裕福で、もしアイルランドにいるままだったら一家とは縁がないような関係。 一筋縄ではいかない登場人物に、村に渦巻く偏見と誤解が、どう絡み合っていくか。 緊張が高まっていくあたりはちょっと「遮断地区」を思わせます。 感じのいい女性シヴォーンの善意と意志が貫かれるのは、いかにもウォルターズらしい。 でも彼女にもすべてが見通せているわけではないんですね。 意外な展開を楽しめます! 初めてウォルターズを読むのにも良いかもしれません。

    6
    投稿日: 2014.05.23
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    2014/5/9読了 ・『火口箱』ダラダラ時間ばかり掛けてしまい、一気読みすればよかった、と後悔。 ・『養鶏場の殺人』一気読み。古い話だが、今でもよくある普遍的な出来事か。

    0
    投稿日: 2014.05.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    行き遅れた女の結婚に対する執念怖~~~!(他人事じゃない)(笑)(えない/(^o^)\)な、【養鶏場の殺人】と、イングリッシュ・アイリッシュ間の偏見が交錯する【火口箱】の2編を収録した中編集です。 私にとっての記念すべき初・ウォルターズ作品。既刊も何度か店頭で見ていたんですが、装丁とか説明文がいまいちそそらなかったのですよね(゜-゜)でも、今回の内容説明は面白そうだわ~!というわけで、一目惚れ買いでございます。 まずは、適齢期を過ぎて焦り始めた女の執念が恐ろしい、【養鶏場の殺人】。 実際に英国で起こった事件に題を取っているそうで、何とあのサー・ドイルもこの事件について言及しているんですね~(゜-゜) 「完全にありえないことを取り除けば、残ったものは、いかにありそうにないことでも事実である」と彼の名探偵に語らせたサー・ドイルの目に、この事件の顛末はどのように映ったのでしょうか。そして、一つの可能性として提示された今作をもし彼が読んだら、どんな風な意見を持ったのでしょう。と、しみじみ思いを馳せてしまったのでした。 が、今作の被害者であるエルシー。同性である私から見ても非常に身勝手で癇癪持ちな女性として描かれていて、読んでいてかなりゲンナリしました。 「私は何も悪くない!私が不幸なのはあんた達のせい、悪いのはあんた達よ!」 とヒステリックに周囲にまき散らしながら、盲目的に愛する男には媚び諂い、「ねえ、結婚いつしてくれるの?」と催促する女って…(震)。 そんな年上女性に愛されてしまった青年にも同情の余地はありますが、本作を読む限りでは「どうにか逃げ切れたやろ~」が正直な感想。 最後まで無実を訴えた彼が、絞首刑に処せられた瞬間、真実を知る者は誰もいなくなってしまったわけですが、仮に彼の言うとおり全てが彼女の自作自演だとしたら恐ろしいなあ(震)。私としては、「私を裏切った彼をちょいとビビらせてやるわー!」な動機であんなことをしでかして、結果事故死に至ってしまったってのがまだしも救いがあるのかなとも思いますが、どうでしょう。それはそれで報われないか…汗。でも、当てつけで自殺するよりは…う~ん…。 続いては火口箱! 強盗殺人事件に端を発した、人種差別的偏見が生んだ悲劇と、その後の関係者達の交流と闘争が描かれる中編です。 イングリッシュとアイリッシュという分かりやすい対立軸が大前提にあり、容疑者とその周囲を取り巻く人々の分かりやすい対立図式があり、それによって読者に「ある偏見=思い込み」が刷り込まれることで意外なラストが演出される、フーダニット物です。うむ、見事に騙されました(笑)。よく考えたら、一番怪しい筈だけどな~(笑)。 殺人事件発生直後、放火事件前後、そして語り手と担当警部のやり取り、これらが交互に描かれるカットバック構成も、物語に緩急を付けてリズム良く読めます。 「ある人物」が、犯人の仕掛けたこの「偏見によって容疑者圏外に自分を置いた」ことを逆手に取って、自分に対する「偏見」を用いて逆襲に転じたことが明かされるラストは、中々の読みごたえがあるどんでん返しです。 背表紙の説明文がいい感じだったので、そのまま引用~(^O^) 1920年冬、エルシーは教会で純朴な青年に声をかけた。恋人となった彼が4年後に彼女を切り刻むなどと、だれに予想できただろう―。英国で実際に起きた殺人事件をもとにした「養鶏場の殺人」と、強盗殺害事件を通して、小さなコミュニティーにおける偏見がいかにして悲惨な出来事を招いたかを描く「火口箱」を収録。現代英国ミステリの女王が実力を遺憾なく発揮した傑作中編集。

    3
    投稿日: 2014.04.29
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    中篇を2篇収録。 『養鶏場の殺人』は現実に起きた事件を小説化したもので、『火口箱』は長篇『遮断地区』でも描かれた『コミュニティの暴走』を主題にしたもの。 どちらもウォルターズらしい濃厚な中篇だったが、『養鶏場の殺人』の方が比較的取っつきやすい。『火口箱』は長さの割に登場人物がやや多すぎるように思う。 『はじめに』によると、『養鶏場の殺人』は『クイック・リード計画』のために書かれたもので、『火口箱』はオランダで無償配布されたものだとか。世の中には色々なイベントがあるようだ。

    2
    投稿日: 2014.04.01