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不運は面白い 幸福は退屈だ
不運は面白い 幸福は退屈だ
佐藤愛子/集英社
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総合評価

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    2度の結婚をし、債権者にも追われる波瀾万丈な日々を過ごしたという著者は、90歳を過ぎても今だ意気軒昂に、数々のエッセイ等を刊行している。 そんな著者の、小説やエッセイから抜粋した「人生のエキス」が満載された、ほぼ20年前の書を再読。 以下、いくつかを抜粋。 「われわれは欲望の満足に対して謙虚さを失った。・・・物質的安楽。それが人間の幸福であり、人生の目標であると思い込んだところから、われわれはゆとりをうしなったのではないだろうか」 誰かの詩に、女は港だ、と謳っていることに関し、「それは所詮、男の夢」だと、バッサリ切り「女は、いくつもの表情を持つ海ですよ。突如として荒れ狂う海、不気味さを秘めてうねる海。凪いでいるからといって決して安心できないんです・・・そして、また朗らかに波だっていればいるで、またその波音がうるさい・・・」 納得する同胞も多いのでは(笑)。 「静かに死を受け入れるためには、我慢の力を養っておくよりしようがない。医薬の力には限界がある。結局は自分の問題は自分で背負わなければならないのであるから、我慢が出来ないと苦しみは倍加するであろう」

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    投稿日: 2023.04.05