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坂本湾/河出書房新社
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総合評価

78件)
3.4
6
25
39
6
1
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    霧が立ち込める宅配場という謎設定。 レーンに流れてくる荷物をひたすら仕分けるという、単純化されたライン作業に、なんとかして刺激を与えようとする作業員達の淡々とした本能的な言動を読み進める感覚がフレッシュ。 ポップなジャケに対して、中身は湿度が高く闇は深め。ページ数は少なくとも濃厚である。 3.8点

    8
    投稿日: 2026.02.13
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    霧に包まれた作業所のレーンに流れて来る荷物を別のレーンに載せるだけという作業を続ける安と稲森と斉藤、そして上司の神代。 霧に包まれ朦朧とする中で全てが混沌として狂っていく摩訶不思議な世界。 芥川賞候補、受賞は逃した。

    2
    投稿日: 2026.02.12
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    すごい閉塞感!しんどいし、苦しいし、不安だし、自分も箱の中にいて、そんなつもり全くないのに監視カメラで見ているような感覚になった。就寝前に読むのはやめた方がいい。

    22
    投稿日: 2026.02.12
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    ちょっと薄気味悪い??宅配所なんで霧が??隣の人が見えないくらいの霧??謎めいた宅配所での箱、箱、箱に翻弄され狂わされた人々の話。読みやすいはずのページ数に苦戦!!

    1
    投稿日: 2026.02.11
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    4人の登場人物の視点が混ざり、一人称が全員「私」で誰が誰だか分からなくなる。主人公の妄想なのか現実なのかも分からないし主人公がどの人物なのかも分からなくなっていく。ずっと読んでいて息苦しかった。読了後もモヤモヤとした感覚が残るが恐らくこれでいいような気がしている。 作者の文章の癖だと思うが、無機質な段ボールや印刷機に対して肉体、吐き出すといった表現が多く、そういう文体の作品は他にもあるし普段は気にならないがこの作品にはその表現に対して作家の自意識を感じてしまい、かなり気になってしまった。

    1
    投稿日: 2026.02.09
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    霧が立ち込める宅配所を舞台にベルトコンベアで運ばれる箱たちの仕分けをする人たちの仕事と妄想と窃盗の物語。気になる段ボール箱の中、覗き込みたい気持ちがわかる。

    4
    投稿日: 2026.02.08
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    ---------------------------------- 「テープを引き剥がし、  蓋を開けて、覗き込みたい」 宅配所で箱を仕分けるうちに生じた、禁断の衝動ーー ---------------------------------- こちらも昨年読んでました。 買うか悩みましたが、 どうしても表紙のデザインが気になって。 終始不穏で、湿度が高くて。 あとちょっと気持ち悪いです。苦笑 登場人物の興奮?が上がる瞬間に、 読みながら私も興奮しててなんか疲れました。苦笑 カバーを外すと、 段ボールのようになっていて、 装丁も含めて面白い一冊でした。

    7
    投稿日: 2026.02.08
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    推定枚数130枚 退屈な作業のなか人の悪意が積もっていくのは面白かったけど最後妄想みたいな、夢オチ的な終わりはうーん

    2
    投稿日: 2026.02.05
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    安、斎藤、稲森、神代の4人の人生を配送所を通して描く内容。芥川賞候補だけあって、かなり文学的というか、比喩が込められてる感じはした。

    7
    投稿日: 2026.02.05
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    宅配所で流れてくる荷物をひたすら振り分ける作業。 誰ともコミュニケーションをとるわけではなく、ただひたすらに流れてくる箱と向き合い続ける。 この仕事がいいという人もいるだろうけど、私は無理だなー。 耐えられなさそう。 それにしても、実際に自分宛の荷物がこんな風に扱われてるかと思うとネット通販とか、余計に使いたくないなーと思ってしまった。

    5
    投稿日: 2026.02.04
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    語り手の視点が唐突に入れ替わり、現実と妄想の境界がなくて混沌とした世界。ループして抜け出せない感覚に陥って困惑した。陰鬱で殺伐として湿度高めの空気感、息苦しかったけれどこの雰囲気は好きだ。安がモノに妄執する様に「銃」を思い出した。次作が楽しみ。

    1
    投稿日: 2026.02.01
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    誰かが見ている夢をずっと見せられているような… 一見普通に見えても人には誰にも言えない隠された欲望や事情を抱えている。それが薄霧立ち込める宅配所という舞台からも伝わってきました。 不気味な物語ですが、それが行き過ぎると滑稽にすら思えてきて登場人物達に不思議な愛着が湧いてくる、そんな小説でした。

    23
    投稿日: 2026.01.30
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    ●読前 #BOXBOXBOXBOX 第174回芥川賞候補作なので読むのだが、芸術性を踏まえた純文学には違和感を感じる「サスペンス」として紹介されていることに、読みたい気持ちが逆に高められた。第173回は「該当作なし」、もしかして純文学もエンタメ寄りになってきているのだろうか? https://amzn.to/3X03HIY ●読後 #BOXBOXBOXBOX エンタメな直木賞候補のほうが好みで、純文学な芥川賞候補はたまに頭に?が溢れて読み続けられないことがある。そんな僕でも最後までスムーズに読み切ることができた。情景や心境の言葉による表現に、さすがの純文学的なエッセンスを感じながら楽しめた https://amzn.to/3X03HIY ●心に響いたフレーズ&目次 #BOXBOXBOXBOX https://mnkt.jp/blogm/b251117a/

    6
    投稿日: 2026.01.27
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    芥川賞候補らしい作品でした。 舞台は物流の世界。 アメリカAmazon配送のノンフィクションを読んだ時のようなひりつく感じでした。 労働にはいろいろな形がある。 太古から、そしてAIがでてきてもこんな状況を生まれるのでしょうね。

    5
    投稿日: 2026.01.26
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    毒々しい色の強烈なインパクトを持つ装丁 危険地帯に足を踏み入れるようにページをめくると… そこは霧のたちこめる宅配所という名の箱の中 ひたすら自分に割り当てられたナンバーの箱を選別する作業員たち 閉ざされた環境で現実と妄想が入り混じる 不快指数100%の箱の中に入ってしまった感があるが、不思議と出たいとは思わず最後まで読了(ベージ数110と少ない) 漫画の登場人物の名前をチラリと出すサービスシーンもあり、脱出後の不快感は全くなかった しばらく体験したことのない読後感に浸り、「労働」について思いをめぐらせた これがデビュー作、すごい才能

    7
    投稿日: 2026.01.22
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     日常の些細な不幸や満たされなさを起因に生じるふとした出来心。一時の油断を発端にどんどん悪くなる境遇。誰にでも思い当たるちょっとした甘えや怠惰の責任を、誰しもが遭遇し得る形で当人が清算させられる物語。  突飛な展開は無く、ただ淡々と数人の人生の一端を適切な温度感で描写しており、私はとても好みに感じました。  当作品では四人の主要人物が登場し、似たような立場ではありつつもそれぞれが生活においての異なる苦悩を抱えています。そのどれもが可能性としては私も経験し得るであろうものとなっており、そこから先の立ちはだかるどの懲罰も見聞きしたことのある身近な不運或いは当然の帰結ばかりで、他人の困難として見過ごして良い話では無く他山の石として私も今後の振る舞いや人生設計について考えなければならないな……という感想を抱きました。日々の自己批判を怠らず、常々今の自分は正しいと思われる道を歩いているかの検閲を行わなければ、ふとした怠けから主要人物達と同じような展開が訪れてしまうかもしれないという危機感を与えてくれる、一種の自己啓発書のような含蓄に富んだ一作だと私は受け取りました。  また、創作であるにも関わらずひたすら写実的な現代の描写のみで物語を構成し、そして完成した作品が非常に面白いというのは新鮮な驚きがありましたね。  私と同様に悲哀や葛藤といった人間の脆さについての描写を好みとする方々にはとてもおすすめ出来る作品でした。

    1
    投稿日: 2026.01.20
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    気味悪い職場はデストピアかと思ったが、読んでいるうちに、これって現代の職場で感じるものそのものではないかと感じた。職場で何かあるとルールで縛られる閉塞感、正規と非正規の違い、仕事のやりがい、コミュニケーションがなくなっている現場。それによる孤立感、などなど。作品での描写は極端だけど、根底に流れているものを感じ取ると、自分が今置かれている状況とリンクする。ルールが作成されれば、現場では業務影響なければ許容する管理者も現実的で、これは閉塞感の中の救いみたいなものだろうか。

    11
    投稿日: 2026.01.18
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    物流を担う現場を舞台にしたプロレタリア文学。設定が面白い。登場人物の鬱屈とした感情、無機質で居心地の悪い空間、現代ではなさそうと思わされる警報や怒号。いいバランスだ。霧がかかった室内も不気味さを助長していた。現実と妄想が混濁する展開にもう少し捻りが欲しかったが、真面目な安さんが盗みをはたらくまでに至る描写が良かった。 単館系で上映している不気味な北欧ホラーのテイストで好み。

    3
    投稿日: 2026.01.17
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    霧に包まれた宅配所で働く主人公。ベルトコンベアーで運ばれてくる箱の中身を想像することで単純労働に耐えていたが、ある日箱の中身を見る機会が到来する。 芥川賞候補作。テーマの扱い方が上手くて題材も時流に即してるし面白い、巧みな現代の病理の詰め合わせ。六面体の内部に思いを馳せる人間の、ドロドロとした劣情を描くいびつな作品。混在する視点が1つの空間を暴こうとする試みと、コンベアに乗せられたような人間の労働を描く(110頁★3.8)

    7
    投稿日: 2026.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    4人の視点で宅配所の労働が書かれている 宅配所という箱、部屋、ロッカー、荷物、人間、全てがBOX。 夢と現実が相まったストーリーで、職場に立ち込める霧がその曖昧さを表現しているという事なのかな。 当初は仄暗い陰鬱とした皆の感情が、ハッピーエンドとなったと思いきや、それは夢で、また霧の立ち込める宅配所へと向かう。 短くて読みやすいけど、作者の伝えたいことがあまり分からなかった。 純文学は好きだし、小川さん推薦なので理解したかったが、私にはあまり分からず。 ただ、純文学で読みやすいというのは新人作家さんなのに素晴らしい力量なのだろう。

    1
    投稿日: 2026.01.14
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    薄霧たちこめる宅配所で仕分け作業する安は箱の中身を妄想することで単純作業の憂鬱を紛らせていた。 それがいつしか… 夢か現か、4人の視点が交錯し不条理な会話劇を観てるような、霧の中で迷い続けてるような、困惑するけどクセになる読み心地。 作品紹介を読んで面白そうだな、と思い読みはじめたら想像の斜め上を行く展開だった。 終盤の三行に「え?」と声が出た。 そういう、こと?と一瞬意味を掴みきった気になったけど、やっぱり霧の中、、まだ理解が追いついてないかも…? デビュー作にして芥川賞候補作、、 今後の活躍が楽しみです。

    2
    投稿日: 2026.01.13
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    濃霧立ち込める配達所で、次々流れてくる箱を仕分けする主人公。ある日、汚れた箱の詰め替えをしていて、荷物を一つポケットに入れてしまう… 湿っぽさと倦怠感がハンパない。妄想と現実がぐるぐる回って、これぞ純文学です。

    10
    投稿日: 2026.01.12
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    宅配場のみで起こるのみの心理変容を描いているだけなのに、それ以上のなんとも表現し難い物語が不気味に描かれている。

    20
    投稿日: 2026.01.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文藝賞受賞作。 やっぱり純文学はよく分からない。 途中夢のシーンが突如出てきて、そこからはどこまでが現実なのか捉えどころのないままラストまでいってしまった。 でも、霧にかこまれた宅配所という設定が分かりやすく、そこでの仕事の描写が興味深くもあり、わりと面白く読めた。 この手の軽作業は未経験なので、独特の空気感や閉鎖的な環境がなんだか薄気味悪かった。 4人の登場人物それぞれの思考回路の違いが分かりやすく、時々互いに接触し合うときに内面と外面の違いが垣間見えたりして面白かった。 最後がよく分からなかった。 一人ひとりの人間が集まって宅配所という大きな一つの集合体になって、それ自体に意志がある?みたいなことなんだろうか…。

    2
    投稿日: 2026.01.10
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    ワタクシが排除される労働の観点では担保されない個人の有り様を書いた小説と私は読みました。立ち込める霧のせいで見通しが悪く、横の繋がりが断ち切られている宅配所で打たれた点のように流れ作業に励んでいる様子は、一見するとその場に個人が存在するように感じられるのですが、束の間、仕組みの外へ出て俯瞰してみると、すぐに代わりが補充され、作業が滞りなく進んでいることに彼は気付く。突きつけられる、その幸不幸含めて代替可能の労働力として消費され続けてゆく彼らは私であり、私ではない私たちではないだろうか。閉塞感が漂う明瞭ではないストーリー展開で好き嫌いがハッキリ別れそうな作品ではありますが、令和でも、というより令和だからこそこういうプロレタリア文学を書く意味があるよなあ、と変な言い方にはなりますが嬉しくなりました。

    3
    投稿日: 2026.01.09
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    霧がたちこめる宅配所。 ここではたくさんの荷物がベルトコンベアに載せられてぐるぐると回っている。割り振られた番号の荷物をとりあげてレーンに載せかえるのが安(あん)たちバイトの仕事。 主な登場人物は四人。 ここでバイトをはじめて二年になる安。新人で次の派遣先が決まるまでのバイトの稲森。肺を患って余命いくばくもない妻の医療費の為に働くアル中の斉藤。オーバーワークでノイローゼ寸前の契約社員 神代。 機械的な動作、繰り返しの作業、狭窄していく視野、そして真っ白。集中力が脳からこぼれ落ちていき、自我があやふやになっていく。時間はひどく遅れていき、なんど時計を見ても、いっこうに過ぎる気配がない……… そういう労働の時間から逃れるために安は箱の中身を妄想して凌いでいた。 ある日 安は汚れた箱を取り替えるという神代を手伝って箱の中身を出した。そこには想像し得なかった奇妙な道具たちが並んでいた。安は反射的にその中のひとつを摑み取り神代の目を盗んで尻のポケットに滑り込ませた──。 100ページ程なのでサラッと読めるが解釈が難しい。 この話には “霧” がつきまとう。薄霧であったり濃霧であったり。 “霧”によって人間だけでなく全ての物事の輪郭が曖昧になっていくような… それが こういう性質の仕事とあいまって なんともいえない空気感があった。

    11
    投稿日: 2026.01.08
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    基本神視点で宅配所で働く4人の小説でした! 時折、「私」などの一人称視点などが入ったり、現実世界と妄想世界などが混雑するため、何度も読み返しながらじっくり読ませていただきました。 読了して思ったのは、、、よくわからん!!とりあえず気になったワードはメモして、評論家や読書の感想を見たい!! ーーーでしたwww 例えば、、、本書のカバーに「薄霧たちこめる宅配所」と簡単な紹介が記載されていますが、作品中でも様々な「霧」が登場し、作品の世界観を創っています。この「霧」は登場する作業員たちや、読み手側の私たちにどんな影響を与えるのか、、、 私的にはこの「霧」が私の「よくわからん」を誘発しているような気がするですが、他の方々はどう解釈するのか?! もちろん「霧」以外にも気になる箇所はいくつもあり、読者によってそれも異なるでしょう。 たぶん、読み切った達成感や感動より霧のようにモヤモヤした気持ちが残ってる方が多いと思います。是非、そんな方々たちと気軽るに語り合ってみたい。 そんな作品でした。

    10
    投稿日: 2026.01.07
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     単調な仕事に就き、日々それを繰り返すことによる不安感や閉塞感が表現されていた。著者は、宅配センターの仕分け作業について自身の経験を通し「身体は疲れるけど、脳は暇」と言い表していたが、実感がわかない。  私は仕事を通して、勤務に関わらず責任が問われる緊張感や、終わりが見えず時間が侵食される感覚をおほえ、脳の疲労を感じている。  単純作業を生業とすることは、表面的には自由や開放感を与えるが、長期的には虚無感や孤独感に苛まれるのだろう。  無人島に身を投じることを想像したとき、自由と孤独の両方を感じる。だから、どちらということではなく、自由と孤独は表裏一体で、責任から逃れることは社会とのつながりを手放すことになるのだろう。勝手に発展してしまったが、自分と対比させながら深く考える機会となった。

    16
    投稿日: 2026.01.06
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    辛い…芥川賞・・・って帯にある本の作風はやっぱりちょっと暗い気持ちになる。 現実、だよなぁと思う。読ませる本ではあったしねちねちしてる不快感はすごかった(褒めてる)けど、個人的には一回読んだからいいかな…元気なときじゃないと読めないな…

    3
    投稿日: 2026.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    宅配所で働く4人の群像劇。労働に対する人間の快楽と嫌悪が濃霧の中で不気味に描かれる。ついに解放かと思いきや、気づけば思考はループして宅配所から出られなくなっている安の姿に、この作品の持つ恐ろしさを感じた。

    2
    投稿日: 2026.01.02
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    極めて閉じられた、荷物搬送の派遣の仕事とその空間。だんたんおかしくなっていく精神状態と、幻惑、そして単純作業を脳が拒否して盗みを働いてしまう。アドレナリンが出て高揚する感じが心地良くなり繰り返す。狂気の職場と、ひたすら流れていく箱。箱、箱。非常に短くも、きちんと盛り上がって、そしてどんよりと戻っていく波のように、優れたダークな表現力で読みながらぐいっと掴まれる感じだ。

    1
    投稿日: 2026.01.02
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    単純作業をしている時ほど必要な思考は頭から抜けていき、代わりに不必要な思考がどこからともなく忍び込んでくる。 それは他人からは見えることはない。 箱の中身が開けるまでわからないように、人間の思考も言動として出てこない限り開ける前の箱のようだと思った。 #読了

    2
    投稿日: 2026.01.02
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    リアルで小さいスケールの中で苦しさが渦巻く。 朦朧とする世界観に影響されて読んだ文字が頭に入ってこない。 あまり得意ではなかった。

    1
    投稿日: 2026.01.02
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    BOXBOXBOXBOX #読了 薄霧が立ち込める労働場。 一日中単純作業の闇の部分に焦点を当てた作品。 妄想と現実が曖昧になり、当たり前のようにやってはいけない行為、行動をしてしまう労働者たち。 それはパートや派遣社員だけでなく、正社員までもが事務所でマスターベーションをしてしまう。

    0
    投稿日: 2026.01.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    終盤の休憩室、4人の緊迫したシーンが手に汗握った。 4人の視点の切り替わりをスムーズに行う手腕が見事だった。ミニマムな空間での群像劇が好きなので、とても楽しく読めた。

    0
    投稿日: 2026.01.02
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    不気味な空気感が結構好きなので、あっという間に読了。運送会社の闇の部分が妙にリアルで興味深い。4人の登場人物の視点で物語が進んでいくんですが、それぞれ違った闇を持っていて面白かったです。

    1
    投稿日: 2026.01.01
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    濃霧に包まれた宅配場を舞台にしたお話。現代社会の労働と重なる部分があり、風刺的作品と捉えても良いのではないかと感じました。単純作業を繰り返す内に視野狭窄に陥り、自分の行動が実際に行なっているのか、夢の中なのか境界が歪んでいく描写が面白いと感じました。しかし、本書の内容は個人的に不明瞭な点が幾つかあり、一度読んだだけでは内容の真意を完全に理解しきれないと感じました。 100ページ余の作品なので読みやすく手に取りやすいと感じました。再読したいと思います。

    1
    投稿日: 2026.01.01
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    箱を扱う仕事と、人生という箱のなかで生きている人間を重ねているように感じた。 人間も言ってしまえば箱なわけで。 その中には何が詰まっているのか。 色んな人の感想が気になる作品だった。

    2
    投稿日: 2025.12.31
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    うーん、難しい。現実なのか妄想なのか。その境目もあいまいで、結末もはっきりしません。 どこかの誰かに届けるはずの箱を、仕分ける仕事をする人たちの物語。これぞ純文学!といった拗らせた人たちが登場しますが、共感もできず理解ができませんでした。

    0
    投稿日: 2025.12.31
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    デビュー作にして第174回芥川賞候補作!  第62回文藝賞受賞作。 想像してみて下さい。 そこは、隣の作業員の姿が見えない薄霧のたちこめる宅配所の中。黙々と働く作業員たち。 彼らはレーンに流れてくる無数の荷物を仕分けるのだが、そこで一体何が起こるのか… 終始どこか不気味で、緊張感を纏った作品。 読み始めて比較的すぐに、 「あれっ?宅配所ではない場面は描かれるのかしら?」 「この作品の帰着点はどこに?」 とにかくエンディングが気になって、そんなことを考えずにはいられない作品でした。 120ページほどの作品なので、手に取りやすいと思います!芥川賞発表が楽しみです^^ (読了:2025.12.24)

    32
    投稿日: 2025.12.29
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    物語としての面白さや感情の動きを期待すると最後まで掴みどころのない作品で読んだ後に残ったのはよくわからなかったという感覚だった。

    1
    投稿日: 2025.12.29
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    除湿しろよがずっとついて回った 感想としてはよく分からないが本音だが読み終わってから数日間、薄く本著の事を考えている事に気がついた 何に引っ掛かっているのか言語化出来るほど噛み砕けてないが

    1
    投稿日: 2025.12.27
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    箱というモチーフ。そこにご都合主義とも言えるこれまたモチーフとしての霧の存在。3人称視点の物語で、3人称であるべき。現実と非現実が、霧に包まれるように混同していく。

    6
    投稿日: 2025.12.27
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    作品の構造が面白い。箱を閉鎖環境のメタファーとした労働小説。 宅配所で働く立場の違う4名の視点から、現代を生きる人々の心情を描く。この作品のタイトルは、この4名の箱から取ったものでしょう。 登場人物の1人である安は次々と流れてくる箱の中身を想像することで、退屈な作業をやり過ごしていた。そんな中、同僚の斉藤が嘔吐したことを起点として物語が動いていく。 箱や霧などのメタファーや三人称神視点の使い方などが面白く、読んでいて最後まで飽きませんでした。筆者の文藝賞受賞後のコメントを読むと、必死に考えて工夫して完成した作品だと分かります。 終わり方については個人的には好きですが、賛否あるところでしょうか。筆者の今後の作品も追っていきたいです。 設定 4.5 読みやすさ 4.0 表現力 4.0 統一感 4.5 読後感 4.5 ★総合 4.5

    11
    投稿日: 2025.12.25
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    宅配所で働く人の物語 誰のものかどんなものか分からないものを、最悪な労働条件の中、仕分けする労働者たち やがて、荷物の中身が気になり出す そして盗む 上司はそんな労働者に対して、「好きにして良いから、私の仕事を増やしてくれるな。つまりやり過ぎるな」と言う その上司も過酷な労働を強いられている 現代社会の真理をついてるのかも知れない 正義を守れるのは余裕がある人だけなのだろうか?

    2
    投稿日: 2025.12.21
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    2025/11/22 2 非正規で物流の仕分け作業をする4人。霧の立ちこめる現場は頭がぼーっと霧の中にいるようにもやもやすることを表現してるのかな。名前でなく番号で呼ばれるのは体も精神も病みそう。そんなに急がなくてもいいのに、と思うほどのスピードで届く商品はそんな思いで梱包されていたのかと申し訳ない気持ち。

    2
    投稿日: 2025.12.21
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    題名の「box」に引っ張られているよう気もするが、安部公房的おもしろさがあり、中村文則的おもしろさがあった。不穏で尚且つ推進力のある小説。 「濃霧」に「ブレインフォグ」とフリガナがふってある言語感覚も好きだ。 「労働は返事をしない。献身の見返りは薄給で、いずれ体も思考も動かなくなって捨てられる。」p.26

    2
    投稿日: 2025.12.20
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    濃霧に包まれた宅配所での話で、読み進めるうちに、私自身も物語の終わりまで濃霧の中にいるような感覚になる。 途中で四人の視点が急に切り替わることも、その印象を強めている。

    12
    投稿日: 2025.12.20
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    芥川賞か何かの候補になっているこの作品を偶然見つけて借りて読んだが、この物語の集配所が深い霧に覆われているのと同様、登場人物も彼らの背景も人間関係も、曖昧模糊としていて、何が何やらさっぱりわからないまま読み終わった。非人間的なベルトコンベアーの末端にいる人間模様という設定は、今風で面白いと思う。ただ、こういう現実なのか妄想なのか判別しがたい文章のスタイルについていけず、理解が追いつかないせいで、楽しめなかった。

    6
    投稿日: 2025.12.17
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    この作品は素晴らしい 生きる上のモヤモヤをとても体現している 芥川龍之介や太宰治のような不安さを感じた 今年1いい作品だった

    11
    投稿日: 2025.12.15
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    霧の濃い宅配所って何なん?というのはひとまず置いておいて、結構面白かった。単純作業の仕事って、本当にしんどい。時間を埋めるために空想するの、分かる。コンビニ人間の主人公のように、自分がベルトコンベアの一部になってしまえれば楽なんだろうけどね

    13
    投稿日: 2025.12.15
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    これを純文学と言うのであれば低評価です。 本作は著者の坂本湾さんの個人的な主題が前面に打ち出されています。 「社会に対する閉塞感や怒りを作品として残したかった」という旨インタビューを見かけましたので、それを想定して読むと読みやすかったですが。 作中では現代社会における単純労働で登場人物たちが肉体的、精神的、経済的な苦しみを感じる様が羅列されます。 情景描写も相まって、読んでいてとても苦しく、鬱屈した気持ちになります。 物語のあちこちに散りばめられた「箱」や「霧」のメタファーは読者を思いがけず息苦しい気持ちにさせます。これらの点は物語としての完成度に直結し、楽しい読書体験を与えてくれます。率直に評価したいです。 ただ、それだけで終わってほしくなかったです。単純労働であれデスクワーカーのようなホワイトカラーの労働であれ、そこには共通した現代社会における労働が孕んでいる諸問題が潜んでいるはずです。 それが本作では単純労働に限定されています。また著者の筆を執った動機が個人的な感情の発露ですので、私には響きませんでした。 以前文藝賞を受賞された方の作品(あえて作品名は挙げません)ですと、社会的に少数派の主人公と彼が置かれた普遍的でない社会的状況が描写されているにも関わらず、私の心には深く刺さりました。『BOX BOX BOX BOX』では感じなかった、立場も状況も違う主人公に不思議な共感を抱いてしまうのです。 私が当時社会に抱いていた生きづらさのようなものが、その作品にあっただけかもしれません。ですがその著作に形容しがたい人間くささ、深みやリアリティがあったことは間違いありません。 それと比較しますと、本著の終盤の展開などを参照に鑑みるに、これは作り物だなと思ってしまいます。もちろん小説ですから作り物なのですが、かぎ括弧つきの「作り物」という匂いがしてなりませんでした。 これは余談ですが町田康さんの推薦文が見当たらないのも頷ける気がします。もし彼の推薦文がありましたら坂本さんの名誉に関わるため訂正します。 一つのエンタメ作品として読むのであれば、とても面白い読書体験になると考えます。語彙や地の文の表現は個性的で楽しかったのは間違いありません。ですが純文学的視点で見るに、私は低評価をします。彼の次回作ではそういった点を追加していただきたいです。

    3
    投稿日: 2025.12.14
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    村田沙耶香さん絶賛ということで読んでみたが、なるほど村田沙耶香さん絶賛だけある不気味さである。 今の気分もあってか、不気味さが少しつらく思えてしまったが、今後の作品も読んでみたいと感じた。

    1
    投稿日: 2025.12.14
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    宅配所の非正規社員。日々ロボットのように仕分け作業を続ける彼ら彼女らと、また、それを管理する仕事に追われる人々。終わることのないある意味不条理な日々と、それに無益に反抗を試みる個人を表現した物語と感じました。夢うつつの描写は引き込まれつつ不可思議な印象的で面白く感じました。読み方によっては意味わからん内容とも思えて、読み手次第とも思います。 星3つといたしました。

    1
    投稿日: 2025.12.13
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    好き、気持ち悪好き。 さとしと、さやかが推薦していたから購入。作品の雰囲気としては、小山田浩子の工場に近いような(あちらの方が、カオスというかディストピア感強めだけど)。 ラストもハッピーには終わらない感じがいいよね。さすが、芥川賞候補作品。

    7
    投稿日: 2025.12.13
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    比嘉姉妹シリーズを読破中だが、あらすじを読んでどうしても気になる棘が出来てしまい、普段文庫ばかりで単行本は買わないのに、いてもたってもいられず買ってしまった。 この、なんというもやもや感。 文章はパキッとしていて読みやすいのに、霧がかかったように先が見えないの何だこれは。まさしく我々がいる霧の中の宅配所が読んでる感覚を具現化していて没入感がすごい。 そしたらまさにブレインフォグの話で、なんだやっぱりそうだったのかと思いつつ、え、この病気を体験させられたの?文章で?となって驚きを隠せないわけで。 これは賛否両論めっちゃ分かれるだろうけど、私は好きよりの好きで興奮冷めやらぬ感じ。こんな変なパワーに満ちた文が書ける人がいるんだなー。すごいなー。 なんて書いてる間に芥川賞候補だって。まぁそうなるか。面白いってか衝撃受けるもんな。 これでデビュー作ってのも恐ろしい。新作が楽しみになる作家さんがまた増えてしまったな。

    1
    投稿日: 2025.12.11
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    ベルトコンベア、濃霧、単純作業、流れる箱箱箱箱。現実と妄想の境、未来も見えないその世界丸ごと箱詰めされているようであり、閉鎖感が不気味で息苦しい。

    3
    投稿日: 2025.12.09
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    惹かれる表紙 まさにジャケ借りの一冊です♪~(´ε` ) 『BOXBOXBOXBOX』というタイトルに何だコレ?って思いましたが、そのままでした まさしく箱の話でしたw 箱箱箱箱   箱箱箱  箱   箱 箱   箱 箱   箱  箱 箱 箱箱箱箱  箱   箱   箱 箱   箱 箱   箱  箱 箱 箱箱箱箱   箱箱箱  箱   箱                  以上!

    58
    投稿日: 2025.12.09
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    霧に覆われた宅配所、箱がただの荷物ではないという特殊な設定が斬新だった。 物語としては、登場人物の描き方がぼやっとしていて、誰が誰かわからなくなった。 終わり方も曖昧で、もう少し何かあってもよかったのかなと思った。

    37
    投稿日: 2025.12.09
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    誰目線かわからなくなるテクニックのあるストーリー展開だと思う。面白かったが、主観が突如かわるがわるになるので少し疲れた。

    3
    投稿日: 2025.12.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    霧がずっと謎だったんだけど、最後、意識混濁を強める意味だったのかと思い至った。安(主人公)が見ているのは全て通勤バスの中の夢なのか、それとも単調で孤独な仕事のせいで日々、いや時間の境目すら曖昧模糊になるのか。 それから、安の想像力、箱の中身が見えないからこその彼のせっかくの想像力が、箱を開けて、しかも盗んで箱の一部を自分のものにしたことで、即物的なものしか思い描けなくなるくだりが面白かった。知ることの弊害ともいえそうで。

    2
    投稿日: 2025.12.08
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    非常に上質な純文学!!こういう閉塞的でジメジメした薄気味悪い話がとても好き。 舞台は大手ネットショップの配送作業所で、ベルトコンベアで流れてくる大量の荷物を仕分けている人の話。 この本を読み終えると、A◯azonとか◯天で気軽にポチれなくなるかも…?

    5
    投稿日: 2025.12.08
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    鬱屈した心情や言動。 それを生み出す閉鎖的で薄暗い労働環境。 4人の視点が私に集結してるようにも読めるラスト。

    1
    投稿日: 2025.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文藝賞の受賞作品。学生時代に挫折して以来、純文学に苦手意識を持っていた僕ですが、あまり楽しめて読むことができませんでした。 薄霧のたちこめる宅配所で、粛々とはたらく作業員たちの色々な欲望や衝動を描くという作品で、良くも悪くも何も起こらない。厳密には「何も起こっていないとみなされている」とでも言いましょうか。 多分こういう人達は実際にいて、こういうことを考えているんだろうな、というところまでは理解できつつも、エンタメとしての楽しみ方が僕の中で最後まで見つかりませんでした(純文学そのものに僕が向いていないだけの可能性もあります) ただ、終盤は夢を見ているような感覚に陥るような描写が沢山あるので、めちゃくちゃしんどい時に読むと脳汁がすごいことになるのかもしれません。

    0
    投稿日: 2025.12.06
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    110ページほどの短い本なのにずっしり重い。 表紙のような奇抜な明るさは一切なく 濃霧の中ベルトコンベアに流れてくるBOXの 仕分け作業をする不穏な空気漂う話。 一歩も二歩も引いて、もっと冷静な目で見てみれば 毎日同じようなことを繰り返している生活は みんなにも当てはまっていて 視野が狭くなってませんか? 大切なものを見過ごしてませんか? ってことなのかな? これだ!と断定しない物語の結末は 読み手によって捉え方が違うのも面白い。 第62回文藝賞受賞作

    30
    投稿日: 2025.12.03
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    ベルトコンベアの上をひたすら流れる箱箱箱箱。単調な仕分け作業の中、現実逃避をするように箱の中身に興味を持ち始める__ 登場人物たちの行き場のない心情が霧のように覆い被さって、ずっと息苦しい。現実なのか妄想なのかも定かではない、奇妙で危ういお話でした。

    18
    投稿日: 2025.12.02
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    ブクログでの感想を見て興味を持ち、購入。 ページ数が少なく先が気になるため、さくっと読み終わった。 最終的はハーピーエンドなのかな。 ずっと不穏で重苦しい空気感で物語が進んでいく中、意外とあっけなく終わる。 舞台として荷物の仕分けの作業しか出てこないが、飽きは最後までこなかった。 唐突に早川アキの名が出てきて、好きなキャラなため少し嬉しかった。 カバーを外すと、段ボールのようになっており凝っていた(マーク有り)。

    2
    投稿日: 2025.12.02
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    第62回文藝賞受賞作。 100ページほどで、非常に読みやすい。 ベルトコンベアーがグルグル回るように、視点が四人の人物の間を移り変わり、最後は霧のように終わる。 個人的には、学生時代のバイトを思い出した。 工場での立ちっぱなしの流れ作業、休憩時間は誰ともほとんど交流なく、とにかく時間が進まない。 耐えに耐えて、慣れてくると余計にキツくなる。 霧もなく、盗んでも単体では価値もなく、すぐにバレてクビにはなっていただろう。 軽作業は決して侮るべからず。

    130
    投稿日: 2025.11.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    霧に包まれたような、モヤモヤとした不思議な読後感だった。 濃霧が立ち込める宅配所でライン作業をしている従業員視点の話。 視点がコロコロ変わるので、今誰の話だ?と一瞬なるのが読みにくく感じた。でもそこがこの本の不気味な雰囲気を作っているとも感じた。 箱を盗んでしまう従業員。箱の中身からドラマが生まれるかと思いきや、箱を盗むことそのものに陶酔してしまう。 他にも色々問題を抱えている人たち。 工場現場って、低学歴や年配、移民の集まりみたいにまとめられているけれど、蓋を開けるとその辺のそこそこの企業の会社員よりも、問題を抱えている、不謹慎な言い方をすればドラマがある人たちが多いのかもしれない。 本作はそういった人たちが、延々とループされるライン作業という仕事に気狂いしていく様子が描かれている。 なんか、工場勤務経験のある自分からしたら、いろいろと感じるものがある物語だった。

    2
    投稿日: 2025.11.29
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     「BOX」を執拗に繰り返すタイトルは、陰鬱で湿気の多い宅配所の閉塞感、そこにある大量の箱の象徴なのでしょうか。本作は、宅配所で荷物の仕分け・管理に携わる4人を描く中編小説で、坂本湾さんのデビュー作にして文藝賞受賞作とのこと。  社会への鬱屈した思い、労働環境の糾弾を描いたものではありませんが、ベルトコンベアーの単純作業中の思考が、薄霧で人の輪郭も曖昧な環境と併せて、朦朧とした意識が徐々に人を変えていきます。  章立てもなく、急に4人の視点が切り替わり、特に終末では「私」の一人称が混在し、4人が閉塞感から解き放たれたのか、何事もなく元に戻ったのか、幻影を見ているようです。  本書を読みながら、梶井基次郎の『檸檬』を想起しました。「えたいの知れない不吉な塊」に悩む主人公が、レモンを丸善の棚に置き、爆弾が炸裂する空想をしながら店を出ていく…という話です。  イライラの現状を打破する手段として、癒しのレモンが爆弾に転化する妄想と、本作の箱からの盗品を箱であるロッカーに隠す快感は、ある意味病的で共通する匂いを感じました。  人間の醜悪な部分を暴いて剥き出しにする描写は、不気味ではありましたが引き込まれました。  カバーを外すと、本表紙は飾りっ気なしのクラフト色で、これって段ボール? そして見返しととびらの色はなんと、ショッキングピンク&イエロー! おぉ、これは著者から読み手へのギフトか?

    91
    投稿日: 2025.11.26
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    同じことを繰り返す日々の中で生きる4人それぞれの思考。何が現実で何が妄想かは分からない。正常なのか、狂っているのかも分からない。共感ができるというわけでもない。それでもなぜか物語の中に、霧の中に入り込んでしまう感覚。気づけば読み終わっていた。

    3
    投稿日: 2025.11.25
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    2025.11.25 読了 文藝2025年冬号に掲載されていたので読んでみました。 いやぁ、これは面白いしちょっと不気味だったなぁ。ただの不気味な現象でもホラーとかでもなく、静かな狂気の物語だと思った。 読み終わったあと、どこまでが現実?とか箱は不安とか恐怖の象徴?とか色々考えてしまい、ポワーンとしてしまったよ。

    4
    投稿日: 2025.11.25
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    視点が次々と切り替わる構成がとにかく冴えていた。 登場人物ごとに温度も癖も違うのに、そのたび空気の色まで変わるようで、醍醐味があった。 同じ出来事でも、誰の目から見るかで意味が揺らぐ感じが面白く、全員の心情がほどけるようにわかっていく。 テンポのよさが裏目に出る場面もあって、感情の余韻がもう少しだけ深く沈んでくれたら完璧だったかもしれない。 視点の切り替えで物語が立体化していく感触が心地よく満足感があった。

    16
    投稿日: 2025.11.25
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    荷物を仕分ける宅配所の、単調な作業に関わる4人の物語。110ページの短い話だけど、中身は、なんとも言えない結構濃い目な感じでした。 妄想と現実が混ざり合い、読み進めるうちにこっち側が現実なのか分からなくなっていきました。同じ毎日の繰り返しが、少しずつ人を狂わせていく怖さがじわじわ押し寄せて来ました。 どの職場でも、誰もが狂ってしまう要素があるけど、みんな何か狂わない防波堤(趣味、娯楽、家族、責任‥etc)のようなものが、それぞれ持ってるから平常を保てるんだろうなぁ‥

    46
    投稿日: 2025.11.24
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    薄霧の立ち込める宅配所で日々働く4人の物語。一人一人にスポットライトが当たり、何を考え、何を心に抱えて生きているかが描かれている。少しずつ、だけども確実に狂っていく4人を箱の外から覗いている感覚に陥った。安と同じく4人を覗くことをやめられなかった。

    9
    投稿日: 2025.11.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    帯に、角田光代さんの『共感も感情移入もさせず、4人の人間性も感じさせず、現実か妄想かも分からないのに、それでも「読ませる」力がある小説だった』とあったが、まったくその通りだと思います。 何も分からない。妄想なのか、現実なのか、事実なのか、空想なのか、ただ物語は淡々と進んでいく、事務的にも感じるのに、なぜか読み通してしまう。不思議な感覚のお話でした。

    11
    投稿日: 2025.11.23
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    最悪な劣悪環境の中で、ベルトコンベアから 流れてくるダンボールに付いている番号を確認 して、指定のレーンに流す。 そんな単純作業を繰り返す安は、働きながら 箱の中身を妄想することで、作業に取り組んでいる。 いつしか妄想が、ある重大な事件を引き起こす 魔法となる。 私自身もこういったベルトコンベアの作業をしていたことがあるのだが、締め切った空間のような気がして、作業を繰り返していくうちに気持ちが どんよりとしたことがあります。

    46
    投稿日: 2025.11.22
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    むちゃくちゃ好き。 どこからが現実で、どこからが思考で、 どこまでが妄想で、どこまでが自分なのか。 霧のように輪郭がぼやけているのに、 不思議な引力でぐんぐん読み進めてしまう。 むっちゃ面白かった。 今の時代、「こんなことないでしょ」とも言えない 題材が真ん中にあって、とても現実感のある瞬間もあれば、妄想や思考が入り混じって白昼夢のような瞬間もあって。それがなんだかサスペンスっぽさに繋がってて続きが気になって一気読みしてしまった。 結局彼は今も霧の中なのか、 運び出すことに成功したのか。 あとカバーを外した時のダンボールのような装丁が粋。中表紙が蛍光色なのも、作中の表現をうまく拾っててグッジョブ。

    20
    投稿日: 2025.11.19