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世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記
世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記
藻谷浩介/毎日新聞出版
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総合評価

25件)
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    デフレの正体、以来の藻谷氏著書読了。恐らく生涯行くことのない地域も訪問されているので、興味深い場所もありました。なにより巻末の藻谷氏の解説が良かったです。現在の世界政治経済情勢を藻谷流に的確にとらえていました!

    1
    投稿日: 2025.08.08
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    面白いコンセプトだと思う。短い滞在期間でその国を論じるという割り切り方がすごい。しかも、馴染みの国ばかりで、興味深くもある。一方で、それだけ短い滞在期間であるならば、実際にはいかなくても本書を書けたのではないかという気がしないでもない。読み手の好みが大きく分かれる本だと思う。

    1
    投稿日: 2023.08.15
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    藻谷さんが講演会のついでに、とか時間が空いたから、あるいは計画的になど色々な事情や理由によって自腹で現地にいって歩いて体感した旅行記です。誰かのためじゃなく、自分が見たい知りたいから行くというこの姿勢に圧倒されます。 ちなみにこの本は毎日新聞社のネット「経済プレミア」に寄稿した掲載分を単行本化したものだそうです(残念ながら2021.8.30が最終稿)。 旅行記といってもいわゆる観光地じゃない、ちょっと日本からは行きづらそうな所ばかりです。ビザや現地の交通機関などもかなり詳細に調べてから現地へ旅立ち(一種の鉄オタさんみたいな感じでしょうか)、そのあたりの紹介も楽しいです。 現地の紹介はどれも楽しく、地理の全くわからない私は家にある世界地図片手に読みましたが、マニアックすぎて(私の持っている地図がショボいという話もある)地名が検索できないところも沢山ありました。 中程に藻谷さんへのインタビューがあります。そこに地理は歴史の微分、歴史は地理の積分とありました。 以下抜粋「歴史を勉強していない人が外国に行って書くことは、建物がこんなにきれいとかご飯がこんなにおいしい(あるいはまずい)とか。どうしてこのような建築物がたっているのか、どうしてこのよう料理が生まれたのかという歴史的な経緯にまったく触れていない文章は、読んでいて全く面白くないのです。」 ・・・・なるほど、なんかめちゃ納得です。 最終章の自著解説もはぁとため息がでるくらい説得力というか勉強になるというか。地政学に少し興味がでてきてランドバワーだとシーパワーだの一帯一路など知り始めた私ですが、なんというか一人の識者の話を鵜呑みにするのではなく色んな方の話や事実を知った上で納得するというのが庶民のワタシには大切なのだと学びました。 藻谷さんは地政学を「歴史に照らし、ある地理的条件の場所ではどういう人間活動のパターンが繰り返される傾向にあるのかを発見する学問である」と書かれています。また今の時代はハードパワー(軍事力)よりソフトパワー(経済力など)の方がよほど重要な地政学上の要素になっているので他国に進出するのにハードパワーを行使するなど下の下の超低パフォーマンスだと。 紀行先の国だけではなく我が国日本や日本人を含めて痛烈な批判や憂慮なども書かれているけど素直に反省したくなるような愛あるものであり次作もきっと読むぞと心に違いました。 図書館でふと目にして手に取りましたが大当たり。

    4
    投稿日: 2022.10.10
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    政投銀の著者の世界紀行。カリーニングラード、英国、カフカス、スリランカ、東亜三国、南北米州と世界を周っている。筆者が実際に体感したことから考察が展開されているが、その場に行かないと正しいかわからないので何とも言えない。洞察が鋭いことは分かる。本文は視点が一歩引いており、現地においてもマクロな視点を捨てていないところはやはり政投銀なのかと感じる。気になったのは、本文に通底するリベラリズム(国際政治)的価値観。地政学を類似から地理学的な構造を明らかにすることと規定しているのに異論はないが、国際経済の相互依存が絶対に戦争を引き起こすことはないと固く信じているようだ。経済力(ソフトパワー)一辺倒ではなく軍事均衡とバランスを持った見方も大事と思うのだが。まあ安全保障の分野の人ではないのでそこは話半分に。カリーニングラード:独の北方領土 英国:4地方のBrexit,Irelandとの葛藤 カフカス:民族と資源の混沌 スリランカ:インドと中華の狭間で 東亜三国:鉄道の規格の話 南北米州:QOL街づくり、リチウム、パナマ 旅の極意:定点観測、犬棒、現地人と交流、アナロジー  2022/1/20

    0
    投稿日: 2022.03.23
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    アゼルバイジャンやケーニヒスベルクといった歴史の交差点のような場所に訪れる。 狙っている土地も面白いのだけどそれ以上に単なる感想ではなくて観察を抽象化し、他所との共通項や、重ならない点の考察になっているところが面白い。個人的にいわゆる観光地よりも歴史的に人物の行き交う場所という所に興味があるのでいつか追体験してみたいものだ。 地政学と言うと戦争の話になりがちなところに違和感を持っていたがその違和感の理由を解き明かしてくれた。

    1
    投稿日: 2021.09.10
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    「航空機の乗り継ぎ時間を利用して、成田山だけを弾丸観光し日本を理解するような覚悟」という、筆者の全力な姿勢が好きです。行先も日本人が普通観光で訪れないような、非常にマイナーで複雑な歴史を持つ地域ばかりであり、旅行超上級者ならではのチョイスです。高校の世界史の授業で何となく地名は知っているけれど、実際にどのような都市なのか一切イメージできないところが紹介されています。有名どころばかりを歩いて世界を知って満足する人生は勿体無いです。コロナ禍で満足して旅に行けない時期だからこそ、改めて地理歴史を学んで知的好奇心を高め、コロナ後に自分流の旅で世界観を広めることができるよう、準備しておきたいと思いました。

    2
    投稿日: 2021.08.08
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    ただ旅をするだけじゃもったいない、その土地の空気を感じ、歴史を調べ歩くことで何倍にも濃厚な時間になると実感。もう一度世界史を学び直しながらまた読みたいかも。

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    投稿日: 2020.08.09
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    著者が毎日新聞インターネット版に連載している「藻谷浩介の世界『来た・見た・考えた』」の中から選んだ記事をまとめた本の第一弾。 本書で登場するのはカリーニングラード(ロシア飛び地)、イギリス(特にアイルランドと北アイルランド)、旧ソ連コーカサス3カ国(アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア)、スリランカとミャンマー、パナマとボリビア、台湾・韓国・中国の高速鉄道比較など。 地理を高校で選択していたら「興味が沸くけれども、自分が行くとなるとハードル高いなぁ」、という国々がズラリ。興味深い記述を抜粋します。 「ロシアにとってカリーニングラードと比較して重要性のかなり低い北方領土で日本に譲歩してしまうと、ドイツやポーランドとの複雑な利害関係の絡むカリーニングラードの返還問題に飛び火する恐れが出てくるから、ロシアがカリーニングラードより先に北方領土の返還に応じるはずがない」、 「スリランカに多額の貸し付けをして経済的に抑えようとする中国の外交を批難する見方があるが、隣国インドからの脅威から自国を守るために中国の存在を利用するやり方は、日本が中国からの脅威から自国を守るためにアメリカに基地を提供している構図と同じ」、「台湾が高速鉄道建設の際に日本の新幹線技術を導入し、韓国がフランスの新幹線技術を導入したのは日本に対する感情論によるものではなく、台湾の鉄道が狭軌であったため、標準軌の高速鉄道が相互乗り入れしない日本の新幹線技術との親和性が高く、すべて標準機の鉄道網だった韓国では相互乗り入れ方式のフランスの技術との親和性が高かったから」などなど、です。 藻谷氏のインタビュー記事も掲載されており、その中で最も腑に落ちたのは「地理は未来に続く歴史の現時点での断面であり、歴史はその時代時代の地理が積み重なっているという点で、”地理は歴史の微分、歴史は地理の積分”と考えられる」、「暗記勉強ばかりしてきた日本の知識人に不足しているのは、類推を通じて情報に横串をさすことだ。過去の出来事からその構造を理解すれば、未来の出来事も予測できる」という部分でした。 地図帳を片手に読んでいると、「なるほど!」と思える部分が次々と出てきます。地理好きな人、是非読んでみてください。

    0
    投稿日: 2020.05.08
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    偏差値の高い、でも肩肘張らない旅行記! 旅好き仲間の先輩からお勧めいただき、読了。 最近めっきり一人旅には行かなくなってしまったのですが、ダレかねない一人旅には特に、テーマがあるとハリが出ます。 事前に本を読んで、政治的・歴史的な背景について少し深めの学習をして現地に行くと、街の風景も少し深めの「匠の目線」で見られるようになるのです。 本著の場合は、基本的に「予習なし」で現地に向かっているのですが、元々幅広い著書を持つ著者だからこその深い知識のバックグラウンドと結びついて、「この場所は北方領土と同じ」といった的確なアナロジーでのコメントができるものだと思います。 本著の行き先は、フツーの旅人が行かないエリアを集めているあたりで既に面白い訳ですが、台湾や韓国のような馴染み深いエリアであっても、目の付け所が違う印象。文体には出てこないですが、よほどのバイタリティがないとこんな旅はできない。同じ旅人として尊敬します。 巻末には地政学的な観点からの自著解説が載っており、これは短いながらも考えさせられる文章でした。抽象的な学術論ではなくて、現実に根差した「だから日本はこうなる」が説得力のある論でした。 細かいトコで、中国語の発音は、特に台湾は現地発音となんか違うルビが振ってありましたが、漢語の表記はこうなんだというのを後で調べて理解しました。 旅好きとして、旅のレベルを一段上げられそうな一冊です。

    6
    投稿日: 2020.03.14
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    旅行が「趣味」を超絶している著者。ほんの短時間立ち寄った印象で、街角が照射する国際情勢や地域経済を独断をまじえて解説する。著者によれば、地政学とは、ある地理的条件の下でどういう人間行動のパターンがあるのか、共通点を通して社会や経済の構造を把握するもの。今は軍事よりも、経済力や技術力、文化力、人口圧力、宗教などのソフトパワーが重要な地政学の要素になっている。これらを行使するのは企業や資産家、芸術家、個人。ハードパワーには無縁でも、ソフトパワーの中核である資金力を持つ小国が存在感を放つケースもある。例えばドバイ、シンガポール、ルクセンブルク、スイスなど。土地が重要な意味を持ったのは農業社会において。現在は土地よりも資本や技術、人材が重要。中国の21世紀型覇権主義の本質は、経済力というソフトパワーの行使にある。その主戦場は東南アジアや南アジア、中南部アフリカ。日本はどうたち振る舞うのか。強みは何か。

    0
    投稿日: 2020.03.14
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    「二時間だけ入国して成田山新勝寺に立ち寄った外国人が、それだけの経験から日本を語る」というような覚悟と気合 人は知識だけで頭でっかちになりがち。 それを強く理解させてくれる旅行ノンフィクション。 旅は「地理」と「歴史」の味わい方で、大きく跳ねる。 というよりも、地理と歴史を感じれなければ、薄い時間と経験だけに。 人類の歴史そのものが、国境を複雑怪奇にしている。 歴史の闇が、いまだに各地で残りまくっている。 人が見ただけで解ったフリをするのが理解できた気がする。 ちゃんと国境を知れば知るほど、解決出来ない問題が心に入って来るからだ。 旅をする時に用意や準備をしていく。 だけど。 行きたいとこ・知りたいことを、ただなぞるだけの旅だけの、何と多いコトか。 行き当たりばったりがイイとは言わないけど、感動や思い出に残る旅の時間にするヒントが、たくさん隠されていて、面白かった! 「世界は行かなきゃわからない」

    2
    投稿日: 2019.12.17
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    地政学と聞くと何だか固そうに聞こえますが、ほぼ旅行記に筆者の歴史や地政学的な補足が入った内容です。旅行記として読むのであれば、あまり日本人になじみのない国を訪れたりしているので面白いですが、地政学として読むとやや物足りないかもしれません。

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    投稿日: 2019.11.30
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    教養と経験を自由自在に結びつけた知的好奇心をくすぐる素晴らしい旅行記。 知識が本当の意味で自分の地肉になっていないと、ここまで縦横無尽な文章を書くことは不可能だと思う。 また、なんていうか考え方が柔軟で凝り固まっていない感じがする。押し付けられていない感じがする。

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    投稿日: 2019.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日本が地政学的に恵まれていることがわかった。 島国だし資源に乏しいし人口が無駄に多いから攻められづらい。 =単一民族国家を長年保てた。 =多民族/多宗教であることが引き起こす種々の問題に惑わされづらい。 =ひたすら「合理」を追求できる環境

    0
    投稿日: 2019.06.30
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    なかなか鋭い視点で、目からうろこ、実際に見ての洞察力に敬服。ただ、写真がカラーを白黒にしたための調整がなく、みな夕暮れ夜景の写真になっていて、惜しい。

    0
    投稿日: 2019.06.23
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    人間が、どんな場所で、どのように生きているのかということを、実際にその場所へ行って肌で感じることで、今自分たちが生きている場所の「来し方行く末」を展望することができる。この本は、そんな視点や考え方を持つことの大切さを教えてくれる。

    0
    投稿日: 2019.05.06
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    「まちあるきの達人」による旅行記だ。バルト海沿いのロシアの飛び地、イギリス、コーカサス三国、南米、インド周辺…、観光でもない従来の覇権主義的な地政学的観点でもないこの作者さんさんならではの見方で観察した世界とは?読み応えあり!

    0
    投稿日: 2019.02.09
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    【ぶらりと観察】時に一風変わった歩き方で世界各地を巡りに巡った著者が,訪れたいくつかの国・地域に関してまとめた旅行記。本作においては,コーカサス地方やカリーニングラード等,あまり多くの邦人が訪れない国・地域を取り上げています。著者は,大ヒットを記録した『デフレの正体』等で知られる藻谷浩介。 さらりと読めると同時にじっくりと考える上でのヒントを提供してくれる作品。著者が地域再生等の問題に興味を置いていることもあり,日本と比較すると一風変わった地域の問題をさらに一風変わった眺め方で切り取っているように感じました。 〜常に双方からの目,さらには第三者の目を持たなければ,物事の全体像は見えない。そしてそのためには,国外に出ていろんなことに気づき,現地の視点から日本と世界を眺め直してみることが必要だ。〜 ネットで連載もされているようです☆5つ

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    投稿日: 2019.01.30
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    モノの見方が流石という感じと思いつつこういう高い視座の人はやっぱ遠い人で凄いねえで終わりそう。好きなジャンルだがサラリーマンにとって政治経済ってどう活かせばええねんとは思う

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    投稿日: 2018.12.11
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    本島唯一のサンゴの辺野古に基地を造るとか、北方領土問題は、現時点で返還は、ないだろうとか、北朝鮮、中国は、侵略の意図はないとか、論理的に説明してくれて有難い。本当は、著者のような何の下調べもなく、外国を訪れたいのだが、そう何度も行く機会がないセコイ私は、しっかり下調べをして、行く。でも、下調べは、有益な場合が多い、感動は、減っているのかもしれないが。

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    投稿日: 2018.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

     エディンバラ城の城壁まで登って、旧市街のかなた東方にある丘を眺めたときに、はたと気付いた。「離婚したいのだろうな。でも厳しいだろうな」と。草地と岩が連なり、木一本生えていないその姿は、日本でいえば宗谷岬周辺と同種の風景だった。当地の気候的な条件不利、地味の貧しさと人口支持力の低さが、風景から歴然と見て取れたのである。  この北米そっくりの自然条件が、自由競争を好むイングランドとは異なった社会民主主義的気風を生み、他方で人口と生産力で圧倒するイングランドへの経済的依存を必然にしてきたのだろう。(p.66)  多くの人は聞いたこともないような国の話にも書いてきました。ですがどの国も、日本と同じく21世紀に存在する人間社会です。日本とはどのような国なのか、これからどうなるのか、未知の外国はその予言書のような、あるいは反面教師のようなもの。異国の街歩きは、「あれっ?」という驚きに満ちた、どんな読書よりもエキサイティングな学びの宝庫なのです。(p.131)  日本でも新幹線の新駅の周囲で、歩いてみたくなるような魅力のあるまちづくりに成功した事例は、古くは新大阪や岐阜羽島から、最近の上越妙高、新高岡、新青森、新函館北斗に至るまで皆無ではないか。在来線に乗り入れない新幹線方式は、都心駅への直接乗り入れとセットでこそ真価を発揮する方式であると、台湾高鐵は改めて教えてくれる。(p.185)  中国政府が、この高速鉄道システムを「中国製」と称して世界各地に売り込んでいることは、日本で強く批判されている。だが、これはある外国人が以前から指摘していたことだが、日本人が「日本の優れた新幹線システム」と力めば力むほど、外国人は買わないだろうというのだ。言えば言うほど、「あのマメでクソまじめな日本人でなくては運用できないシステム」と聞こえてしまう、というのである。その点(中国人には失礼だが)「中国で広汎に定時運航しているシステム」と聞けば、「自分たちにも使えるかもしれない」という印象を与えやすい。だからといって、他国から導入した技術を組み合わせて、「中国製」と売って歩くのはいかがなものかとは思うが、商売は客の側から考えなくては、売れるものも売れなくなるということは自覚しておいた方がいいだろう。(pp.202-203)  なぜアンカレジに40万人近い都市圏人口があるのか、ようやく理解できたような気がする。「山と海が何より好きで絶景に囲まれた暮らしをしたいし、アウトドアも楽しみたいが、ある程度の都市機能と外国への足もほしい。そのぶん冬が酷寒でも平気だ」という人には、ここはおあつらえ向きの居住地だろう。引退した年代の人はもちろん、アウトドアマニアの若者でも、年金なり相続なり、何かの理由で得たお金を糧に、ここに住み着く人がいるのだ。(p.218)  そういうことをあれこれ考えると、富山県の氷見あたりで富山湾越しに北アルプスを眺めながら、世界一の寿司ネタやうまい酒を堪能して暮らすのが、世界的に見ても一番素晴らしい暮らしなのかもしれない。公共交通もアメリカに比べれば格段に充実しているし、街並みもシックだし、里山の恵みも豊富だし、東京にだってすぐ出て来られる。残念ながらその自覚なく、氷見市の人口は減る一方だが。(p.219)  戦争が徳ではなくなった今の時代に戦争をするのは、経済的な損得では行動しない人たちだけです。これにも三種類あって、①宗教的狂熱で動く人と、②他民族混淆の場所において、自民族以外の暴力的な追い出し(いわゆる民族浄化)を目指す民族主義者と、③自己の権力の維持強化のために経済的な損も辞さずに紛争を仕掛ける権力者がいます。(p.264)  火遊びばかりに目を向けず、むしろ中国の21世紀の覇権主義の本体に気付かねばなりません。それは、経済力(よりストレートに言えば金刀)というソフトパワーの行使です。(p.269)

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    投稿日: 2018.09.30
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    実際に訪問したからこそ分かる世界各地域の特徴を述べている本。徒歩が好き、乗り物が好き、街に行ってみるのが好き、など観光地ではなく各地の日常生活を知ることが著者の旅の目的であるようで、非常に共感できる。昨今の世界情勢をふまえた考察も大変興味深い。続編も大いに期待したい。

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    投稿日: 2018.07.01
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    日本の地方問題の論客は世界の辺境の国の首都を飛び回る旅客でもありました。『「成田空港で国際線から国際線に乗り換えた際に、二時間だけ入国して成田山新勝寺に立ち寄った外国人が、それだけの経験から日本を語る」というような覚悟と気合で、足と頭をフル回転して、本を味読するように町を読み取っているのです。』という、観光でもビジネスでもない体感旅。本書に登場するのは、うっすら国名、首都名知っていたとしてもどこにあるか?どんな国か?まったく知らなかった未知の国々、都市たちです。カリーニングラードなんて、すいません、全然知りませんでした。でも、カリーニングラードを知らずしてロシアとの北方領土交渉、語るなかれ、とか、なるほど!です。そうなんです。まったくイメージのない国の実情が日本のこれからに繋がっていることにびっくりと納得の連続です。最近、鳥の目で世界を見たり歴史を語ったりする読書が続いていますが、今回は虫の目で見る気分になりました。当然、複眼の世界観。いやー、世界は広く多様で、そして自分の中での日本の居場所もかなり相対化されました。

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    投稿日: 2018.05.19
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    ベルファスト 20世紀初頭 タイタニック造船 造船や航空機産業の拠点 暗記勉強ばかりしていた日本の知識人に不足しているのは、知識というテキスト情報ではなく、類推を通じて情報の縱橫に串を指し、全体の構造を把握する訓練です 歴史は繰り返すと言うのは、まったく同じことが繰り返されるということではなく、同じ構造がくり返し再現されるということです。過去の出来事から構造を理解すれば、未来の出来事も予測できるわけです 文化は辺境に残ると言われる 台湾新幹線 2時間弱 5500 ビジネス 8100 新幹線なら10,000 15,000 NY-DC 3時間以上かかって二等でも3万 日本人が、日本の優れた新幹線システムと力めば利組むほど外国人は買わないだろう。言えば言うほど、あのマメでクソ真面目な日本人でしか運用できないシステムと聞こえてしまう、というのである。その点中国で広汎に定時運行しているシステムと聞けば、自分たちにも使えるかもしれないという印象を与えやすい 商売は客の側から考えなくてもは、売れるものも売れなくなることは自覚しておいていいだろう 日本人は人口集積は産業集積の結果だと、思い違いをし、仕事があるからと称して高いに集まりたがる。そうではなくて21世紀の地球では、人口集積は個人の消費の結果としても形成されるものなのだ ヘロドトスがいったとおり、地理と歴史は表裏一体なのだ パナマ運河の競争相手 米国に4本、カナダに1本ある大陸横断鉄道 地政学 歴史に照らし、ある地理条件の場所ではどういう人間活動のパターンが繰り返さえる傾向にあるかを発見する学問です アナロジー類推を用いて、表層的な事象に縦横に駆使を指し、背後にある構造を把握するのです 歴史は繰り返すというのは、まったく同じことが繰り返されるということではなく、同じ構造がくり返し再現されるということです。過去の出来事から類推し、地政学的な構造を理解することで、今起きていることがより本質的に理解できますし、未来の出来事も予測できます 日本の地政学的位置 良くも悪くも(多くの場合には圧倒的に良い意味で)他の世界から放置されやすい場所です 核の傘論ろは、米国が原爆を落とした現在を正当化するために無理に作っている議論、現実主義的な考え方の対局にあるイデオロギーだと言う面が多分にあります。 戦争が得でなくなった今の時代に戦争をするのは、経済的にな損得で行動しない人たち 3種類 1 宗教的熱狂で動く人 2 多民族混沌の場所において、自民族以外の暴力的な追い出しを目指す民族主義者 3 自己の権力の維持強化のために経済的な損も辞さずに紛争を仕掛ける権力者 ちなみに日本はその中国(+香港)から3兆円の経常収支黒字を稼いだ勝者の上にたつ勝者

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    投稿日: 2018.03.30
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    著者の藻谷浩介(1964年~)は、日本政策投資銀行勤務を経て、日本総合研究所調査部主席研究員を務める、地域エコノミスト。2010年発表の『デフレの正体』は2011年新書大賞第2位となり、販売部数は50万部を超え、また、2013年のNHK広島取材班との共著『里山資本主義』もベストセラーとなっている。 本書は、著者がこれまでに訪れた世界90ヶ国での見聞・考察を、2017年4月から毎日新聞社のインターネットサイト「経済プレミア」に週刊連載している、「藻谷浩介の世界『来た・見た・考えた』」を書籍化したもの。 取り上げられた国・地域は、ロシアのカリーニングラード、アイルランドと英国(北アイルランド、ウェールズ、スコットランド、イングランド)、コーカサス3国(アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア)、スリランカとミャンマー、台湾と韓国と中国(の高速鉄道)、アンカレジ、パナマ、ラパスと、実にマイナーな場所であるが、それは著者の旅が「自分の目で見た「二十一世紀地政学」を書く」という明確な意図を持ったものであることによる。 そして、そのアプローチの方法は、「観光都市よりも先に首都、博物館や史跡よりも駅や広場や商店街」、「何を見るべきかなどの予習はせずに、歩いて行く方向を直感で決め、歩きながら見たままを感じる」というものであり、それにより「ガイドブック通りに名所を巡るよりも、より多くのことに気付」くという。 私は著者と同年代の会社員で、これまで公私併せて40ほどの国を訪れる機会があったが、もちろん美しい自然や歴史的な建造物を見る楽しみはあるものの、一方で、歳を重ねるごとに、著者が「多くの人は聞いたこともないような国の話も書いてきました。ですがどの国も、日本と同じく二十一世紀に存在する人間社会です」という、“世界各地の人間社会”がどのように存在し、そこで人々はどのような生活を送り、更に、それを我々はどのように捉え、考えるべきなのか、に強く関心を抱くようになっており、「まずは現地をみて考え、現地に身を置いて議論しないことには始まらない」という著者のポリシーには強く共感を覚える。 旅行者向けの観光ガイドとも、物書きの紀行エッセイとも、ジャーナリストのルポルタージュとも異なるアプローチで、今知るべき世界の一部を垣間見ることのできる面白い一冊と思う。ぜひ続編も出版して欲しい。 (2018年3月了)

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    投稿日: 2018.03.11