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破局
破局
遠野遥/河出書房新社
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総合評価

82件)
3.2
2
27
25
14
3
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    このレビューはネタバレを含みます。

    太宰治『人間失格』を冷めた気分で読み終えた人には、この本は向かないかも。 主人公が ①社会的規範(社会的肯定) ②アメフト ③性欲 で成り立っているような人間なので、全て彼の手元から離れていく様は読んでいて爽快感すらあった。 ただ、登場人物の誰に共感したか?誰が好きか?と問われても答えに困るくらい愛着が湧かなかった。(強いて膝が出る) 他者への共感能力に欠け、自分の感情がどこから来るのかの把握もままならない人間はそりゃいずれそうなる(タガが外れた時に自己を止められない)。公務員試験の結果は明かされないが、もし事件もなく、合格して彼が病院で働いてしまったらと思うと……。

    1
    投稿日: 2026.03.25
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    第163回芥川賞受賞作。ふとしたきっかけで、この作品を知ることとなり、久しぶりに芥川賞作品の小説を読んだ。芥川賞の作品を読みまくっているわけではないのだが、なんか芥川賞っぽいというか、取るべくして取った作品な気がします。 表向きには現代社会に適応しているまともな人間に見えるが、実は社会に適応していように演じている、ちょっとまともでない今風の現代的な人間を描いているって感じ。今の時代の純文学ってこんな感じなんだろうなと思いました。作者は、平成生まれではじめて芥川賞を受賞した人だそうです。 純文学系の作品って、あまり小説的なストーリー展開はないのだけど、それでも小説として成り立たせてしまうのはつくづくすごいと思います。 こういう作品にありがちな決して読後感はいい感じではありませんが、文体がシンプルなせいか、変に後を引くことがなく、結構すらすら読むことができました。

    16
    投稿日: 2026.03.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やっぱり男の性欲ってこうだよね。 主人公の偏った合理主義や、素直なセックス観に、ところどころ吹き出しながら、深く考えずに読み進めていたが、倉本さおりさんの解説を読んで、ハッとさせられた。 主人公の強引に因果関係を結びつけていく思考は、たしかに危うい。表面的には強さや合理性を備えているが、その実、どこか浅はかでもある。 もちろん、課題をタスクとして機械的に処理していく姿勢が有効な場合もあるが、その精神をそのまま外の世界にまで敷衍させれば、必ずどこかで齟齬が生まれる。 主人公は自己研鑽の名の下に、想像力を働かせることを放擲していた。読者が麻衣子の経験を最後まで読み届けることができなかったのも、主人公の関心がすべて内側に向いていることを強調するためだったのだろう。 誰しもが独善に陥りやすい現代社会において、本作はアイロニカルなかたちで問題を提起している作品なのだと思った。

    2
    投稿日: 2026.03.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    肉をガムみたいに噛めたらいいなとか言ってる時点でヤバいやつだとは思ったけど、常識的な人間の皮被ったアンドロイドみたいだった。 そこに性欲があるのが尚更気持ち悪〜〜!!!

    2
    投稿日: 2026.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025年最後に読み終えたのはこの本!! ただ、私には主人公の感覚がよくわからなかった…。これは年齢(経験量)の少なさによるものか、性別の差によるものなのか…。もしこの感覚を想定していて書いていたのなら、かなりの技量だと思う。 麻衣子の過去エピソードを一通り読んだ後にそのまま読み進めるとまったく違う話が続いていて、結局その麻衣子の話で何を伝えたかったのかがわからなかった。まったく関係がないと思われる話が所々挟まれていたのはなぜだろう…。 あんまりよく理解できなかったけどそれでも手を止められず読み切って辺り、まだ噛み砕き咀嚼できていない感情が私の中に生まれたのだろう…。

    1
    投稿日: 2025.12.31
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    2020年芥川賞(上半期)受賞作 ロボットの様に規則正しい、陽介 彼女から元カノになる、麻衣子 ミステリアスな彼女、灯 淡々とストレートで正直な感情がテンポよく散りばめられているのが、コミカルでもあり恐ろしくもあり…

    0
    投稿日: 2025.12.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おおまかなあらすじはありふれた「破局」の話。しかし、理性によってあまりにも適切に感情を制御し自らの行動をあまりにも正確に客観視する主人公(陽平)の語り、そして麻衣子の夢や灯の部屋に潜む幽霊、陽平を追いかけてくる男がぐったりと倒れる様…によって全体は不気味さに包まれている。 理性と対立するものとして描かれがちな性欲までもが陽平においては理性の監視下にあるように描かれているところが印象的。 麻衣子の夢と陽平が男に追いかけられる最後の場面はリンクしていそうだが…考察しがいがあるラストシーンだった。 膝はなんで「膝」というのだろう?

    0
    投稿日: 2025.12.10
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    めっちゃ面白かった。 資本主義とか大量消費社会とか、そういう類のものの薄らとしたアンチなので何もかもが自分の中に入り込んできた感覚。 効率よく生きて、自分の感情や他人に対する情動が最適化されていくのが恐ろしく感じた。

    0
    投稿日: 2025.12.02
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    一見ちゃんとしてる彼氏、先輩、後輩、なんだけど、表面上だけ磨かれた中身スカスカな感じ。貶されたり、突き放された時だけ怒りや焦りが湧いてくるけど、何に対して怒っているのか焦っているのか、中身が見えてこない気持ち悪さ。読んでる最中は何を読んでるんだろうって思いながら読み進めていたんだけど、読了後は癖になる気持ち悪さについてつい考えてしまうほど。遠野さんの他の作品も読みたくなりました。

    0
    投稿日: 2025.11.26
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    カバーのデザイン、好み! から入り前評判も全く知ることなく 芥川賞受賞作!とだけ理解し 破局ってあの破局でOKなのか?と読み始める ベッドの下に眼 うわ〜不気味 この女がそうさせるのか、この展開だからなのか、この語り口によるものなのか ひとまずそういった類の展開なのかなと思い ドキドキしつつ読み進めていたけど本当に破局で終わった 虚無 心理描写 うわあ、良い、と思わされるところもところどころ

    0
    投稿日: 2025.11.18
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    芥川賞受賞作品というのと、作品名で読もうと思った。 最初はよく分からなかったが、読み進めていくうちに状況が理解できた。 ところどころ?と思う文が挟まっている。違和感も覚える。主人公の感情がほとんど書かれていない。解説を読んでようやく主人公の性が分かった。 彼ほどではないにしても、感情よりも理性を大切にする、男性の心理や特徴をよく捉えているのではないかと思う。 お笑い芸人を目指す友人のキャラクターが好きだった。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    遠野遥の小説に共感を覚える、と言われたので読んでみた。まったく理解できない感性だが、小説は面白く、さらっと読み終えてしまった。 解説で倉本さおりがいうように、まさに異物感、違和感、そして不快感が全体を覆っている本。 「どうしてと麻衣子が言い、穴、と私は思った、口や鼻というのはつまり人間の顔に空いた穴だと気づいたのだ。」 この社会の破綻・この世界の歪みを訴える。文学のありようとしてあまりにも正しい小説。

    0
    投稿日: 2025.11.10
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    歪で美しい物語 ベンチ上のくたびれたトートバッグを「疲れきって眠った犬のよう」さらに「二人の飼い犬のよう」と繋げるシミリーにシビれた 登場人物の描写も細やかでリアリティがある 作品中に漂う独特の世界観 これは芥川賞受賞も納得 後に知ったがBUCK-TICKのボーカル櫻井敦司さんのご子息とのこと 芸術性のDNA恐るべし

    9
    投稿日: 2025.10.12
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    見たものをただただリアルタイムで垂れ流す、虚無を感じる小説だった。 流れに身を任せてそれなりに上手く生きていけるが、これといって自我がない人間をじっくり見させてもらった感じ。 面白くないところが素晴らしいと思える小説

    1
    投稿日: 2025.10.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    率直な感想は典型的な芥川賞作品。でも、これは作者の責任というよりは評価する側が「このぐらいの文量で、性について触れて、少し大衆とはかけ離れた感性を持たせた主人公で…」みたいな教科書的な感覚を植え付けてる気がしてならない。 肝心の内容は色々批判的に書き始めたが割と好み。主人公の陽介はあくまでドライでどこか俯瞰していて、それでいてマジョリティな感性とは少し異なり、どちらかといえばサイコと捉えられるような大学四年生。 麻衣子という完全無欠な彼女を手放してなんとなく灯を選んだりどこまでも読めない雰囲気がミステリアスで良い。 ただ、テーマの一つに性欲が中心に据えられてる気がしたのと、ここまで無感情で俯瞰的な人間がラグビーのコーチの時には他人にそこまで熱を求められるのかという違和感は拭えないままストーリーは終了。

    3
    投稿日: 2025.09.16
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    文体はすごく好みだった。 メッセージ性なんてものは特に感じられなくて、 ただずっと気味が悪かった。 実際に彼から出力されている行動は善良であり、 社会的にみて正しいことだが、 それを決定させる機械的な考えが不気味だった。 彼は、善悪の判断を全てを 世間に委ねているように感じた。 だから、彼は他人から向けられる 悪意に鈍感なのかもしれない。 そして自分の軸がないから、 外部からの揺らぎに耐えられない。 彼は空っぽなんだと思った。

    8
    投稿日: 2025.09.10
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    後味がスッキリしないラスト。 おもしろかったか、と聞かれればそうでもないけど、世界観に浸って2日くらいで読み終えました。 恋人を巡って人間性が変わる。理解できなくもない。

    1
    投稿日: 2025.08.17
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    本人が「気持ち悪い小説」(超意訳)と言ってた意味は分かる各章の繋がりをまだ見いだせてないけどそれでもラストの書き方はすごい実体験なんじゃないのか

    0
    投稿日: 2025.07.05
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    もはや自らの物語を愛でる感覚が時代に即してはいないのかもしれないけれど、主人公の醸す不穏に時代性を仮託して物語そのものの価値を見出すという楽しみ方はできなかった。冷笑されても湿潤なロマンティストでいたいよ。

    1
    投稿日: 2025.06.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本当に面白かった。俺が好きなタイプの文章だった。 人間的であることを意識して、人間的なことを思考している、というふうな文体だった。 性愛と恋愛は決して違う。灯は恋愛から性愛へと徐々に移行していったということができると思うが、彼の場合はどうだったのか。そもそも恋愛だったのか。でも、おそらく、愛ではあった。 なぜこれを書いたのだろうか。思うままに書いたのだろうか。 膝の、真に人間的な、ある種の美しさが彼との対比になっていてそこがとても好きだった。 想像できないものが「破局」なのだと思うが、彼にとっての破局とはなんだったのか。 p.105 「悲しむ理由がないということはつまり、悲しくなどないということだ。」

    1
    投稿日: 2025.06.18
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    4.2/5.0 この小説を読み終わった時の第一の感想は「カッコいい」だった。そしてそれはハードボイルド的とも言えるような無骨な文体によるところが大きいと感じた。 独特の気持ち悪さと掴みどころのなさがこの小説に不穏な空気を纏わせている。 世の中を冷めた溜息と共に冷笑している感じがなんとも痛快だった。

    0
    投稿日: 2025.05.18
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    何も考えず、欲のままに生きた結果。 こういう人、きっとたくさんいると思う。こういうことをして、みんなが破滅するわけではないけど、誰もが破滅の可能性を抱えているのではないか。 個人的に好きだったところは、ゾンビ映画をホテルで観るところ。映画を見始めないから、映画の人々はゾンビにならずに済んだ的な流れは、これから起こる破滅を防ぐためには、最初から始めなければいいということを伝えている気がした。

    3
    投稿日: 2025.05.13
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    ★★★ 4月から海外移住するので、ギリギリまで図書館で本を貸し出したい、、、!(*;´□`) ((他にやるべきことがまだあるのに)) 表紙のデザインがかっこよくて、内容を全くわからないまま読んでみることに。 「破局」というタイトルからして、きっと読後は気分が良くないままで終わるんだろうな。 主人公が淡々と話してるからなのかな〜。 こんな時にこんなこと考えてるの?ってつっこみたくなったり、この話の流れからするとストーリがホラーに変わっていくのでは?と、思いきや笑ってしまえそうになったり。 なんだろうな〜 なんだか虚しい気持ちになるような本でした。

    10
    投稿日: 2025.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この作品は「現代の若者とは」という問へのひとつの解答であると感じる。語り手のシステマチックすぎる語り口に見え隠れする不安が、まるまる語り手と同世代の自分に重なると感じた。実存主義が形を変え文学として再び表出する作品がトレンドであるように感じるが、この作品は特にそれが色濃く出ているように思う。 腹を満たすだったり、性欲を発散するという単純な3大欲求には正直なくせして、その他の複雑な欲求を理性や社会規範、また自らの肉体を檻とすることで抑制する姿は、自律的で厳しくあるように見えながら、思考停止で生きてゆけるように自分の能力不足を何かのせいにしがちな現代の若者を見事に表していると感じた。ただ、この小説のようにラストその不穏が噴出して破局を迎える人は少ないだろうと思う。多分、埋もれていく絶望の方が多い。その部分をどちらに舵を切るかは、かなり難しい選択になると思う。リアリティを取るか、面白さを取るか。なにかのインタビューでKing Gnuの「vinyl」に影響を受けて、パンチラインを意識して書いた、ということを聞いたが、ラストとかは特にそうなのかな。筆者が書きたいものをかけたのなら良いなとも思うけど、その点では少々リアリティに欠ける部分はあると思った。

    2
    投稿日: 2025.02.28
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    読んでいるうちに主人公と自分の中になにか違和感を感じた。それはゲームに出てくるNPCのようで、人間の皮を被った機械のような感じに思えた。 とても上質な純文学だと思います。

    1
    投稿日: 2025.02.02
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    主人公はたから見たら、まじめで女性には誠実な普通の青年のように見える。 でもどこか気持ち悪い。 彼の行動が本当はこうしてやりたいけど、社会でこうなっているからやってはいけないといったような、他者や世間の良し悪しに支配されているからなのか… こういう場合はこういう風に行動しないとだめ、みたいなのが気持ち悪かったのかな。 何とも言えない読み味だった。

    4
    投稿日: 2025.01.27
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    内面を晒さず感情に向き合わない代わりに、法律や規範にはどこまでも従う。 他人と感情を共有することを避ける代わりに、身体の交わりには能動的。 そういう在り方が「ハイスペック」な男性性をレプリゼントしてしまうのは、ちょっと病的なんだなと思う。

    1
    投稿日: 2025.01.05
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    おもしろかった 芥川賞をとった作品ということで身構えてしまったが全然読みやすかった。 人間味のない感じに逆に人間味を感じた。

    0
    投稿日: 2024.11.07
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    ここがいちばん書きたかったんだろうな〜と思うところ以外、いらないと思ってしまった 小説読むという行為の前提に元も子もないけど、そこ以外の付属品全部必要性を感じてあげられないしエッセイとかでよかったのになと思った、 だからエッセイとかの方を好んでいるのかな最近、余裕がないと余白を楽しめない 読む上でのスピード感読みやすさは抜群 (感想が阿呆すぎる)

    0
    投稿日: 2024.09.24
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    芥川賞私小説シリーズ。 こういうまったく共感でできない主人公の話を読めるのがシステム化してに本を読むいいところ。まぁ上手くいってるような人でも生きづらさを持っているという典型的な話。

    0
    投稿日: 2024.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    社会規範に照らした価値観と行動に、適切な感情。 主人公がAIのよう。 AI彼氏の実験的運用とその末路、みたいな。

    0
    投稿日: 2024.09.17
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    下品、下品すぎる笑笑 クソ真面目な顔して下ネタぶっぱなしてるのなんなん、読んでて気が狂いそう笑 誰かの視線を感じる描写が下ネタと同等に多かった 登場人物全員マトモじゃない

    1
    投稿日: 2024.09.14
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    どこかでチラ見したこの本の感想に惹かれて一気に読んだ。いわゆる今の日本のいい大学の学生なんて大体こんなものだと思う。社会の一員として、自分がどう自分の頭で考え生き抜いていくのかを訓練されない日本だからこそ、こんな若者が量産され、日本は取り残されるのだ。それにしても、人生の破局っぷりが、脳天文字通りぶっ放されすぎる展開でした。

    1
    投稿日: 2024.09.13
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    みんな本当はこんなヤバさを秘めてるでしょ?っていう共感を求められているようで読んでいて疲れてしまいました。さほど面白いストーリーでもないし、文学としても重箱の隅をつつくようなテーマかなと思います。

    1
    投稿日: 2024.08.14
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    第163回芥川賞受賞作。自分も他人も傷つけながら進んでいく割れたガラスみたいな登場人物たち。主人公の「異物感」の感覚的には『コンビニ人間』に通ずるところもあるが、周囲とのずれの自己認識の仕方が異なる。どちらの作品も発達障害やそのグレーゾーンの登場人物の話と切り分けてしまう読み方もできるだろうけど、個人的には現代のありふれた当たり前の人間の描写のように感じる。発信と承認、メタ思考と視野狭窄。SNS全盛時代に現れる人間の歪さやリアルな人間関係の危うさを切れ味鋭く描いた傑作。

    3
    投稿日: 2024.07.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ◼︎面白かったか 面白かったと思います。行き帰りの通勤時間ですぐ読み終わりました。 ◼︎なぜそう思ったか 彼なりに色々頑張ったのにことごとく上手くいってなくて可哀想だけども、希望はなんだかありそうなところが良かったような気がします。具体的には思い出せませんが、クスッと笑えるところもいくつかあったと思います。 ◼︎他人に勧めようと思うか 思いませんでした。 ◼︎どんな人におすすめか コンビニ人間とかが好きな人とかにおすすめです。作者も芥川賞受賞の会見で何らかの影響を受けているかもしれない作品として挙げていました。 ◼︎読もうと思ったきっかけ 芥川賞受賞の会見の様子を偶然YouTubeで見かけて、この人の作品は好きかもしれないと思ったからです。あと、コンビニ人間が好きだったからです。 ◼︎この星の数にした理由 すぐ読み終わりましたし、面白かったですが、登場人物にめちゃくちゃ共感したとか価値観が変わったとかそういうのはなかったので星4にしました。

    2
    投稿日: 2024.07.26
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    謎めいた感じの主人公で、感情を描写するのではなく、こうするべきだからこうする。というスタイルでした。 実際にこういう考えで行動している人もいるのかもしれない、と数人の知り合いを思い浮かべました。感情を排除した小説として心に残りました。好みとしてはそんなに好きではなかったです。

    1
    投稿日: 2024.07.04
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    気づいたら読み終えていた。引っかかる箇所があまりなく、深く読めていなかったのかも。 時間を空けて、改めて読もうと思う。

    5
    投稿日: 2024.06.07
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    この主人公好きだなぁ〜。 ラグビー、性欲、肉、筋肉、就活… それぞれの事柄に異常とも思える執着を感じる。 変わってるし、発達障害なのかな?って 思うくらいラグビーのシーンにあるように 一つのことに集中すると周り見えなくなる。 あと、この主人公が他の登場人物に共感してる ようなシーンが見当たらなかった。 でも、これって小説として内面を 掘り下げてるからこの主人公の変わってたり、 サイコパス的なところが読者には読み取れるけど この感じって本人も周りもきっと気づいてないんだろうなぁ〜。とい思った。 この雰囲気がうまく言えないけど現代社会を投影している気がした。

    4
    投稿日: 2024.06.04
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    俺は他人と違うことをやりたいと悪いながら、一方で他人に認められたいって思いもあって、それが苦しい。たぶんありふれた苦しさだと思うんだけど、それがまた余計に苦しい。俺にしか味わえない俺だけの苦しさみたいなのはどこかにあるんだろうか? この文が印象に残ってる

    3
    投稿日: 2024.06.03
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    読み終わってみて、???どういうことだ?なんだったんだ?と言う感想。主人公は気持ち悪くて変な人なんだなと思った。周りにいる人も何考えてるかちょっとよく分からない。途中不気味でホラーっぽい雰囲気の話の箇所が、結局なんだったのか判明せず気づいたら話が終わっていて、後味も悪いので、個人的には好みではなかった。

    1
    投稿日: 2024.05.29
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    遠野遥さんのことはずっと気になっていた。 しかし、作品のあらすじだけ読んでは、私には刺激が強すぎるかも、と怖気づく、ということを繰り返し(大人よ)。 何故か遠野さんのInstagramだけは先にフォローしていて、おいしそうなパスタだな、お肉だな、などと眺めることしばしば。 やっぱり読んでみたい!!の気持ちが勝り、最初に手に取ったのが本作。 タイトルから、物語の結末は既に示されている。 それがどのように描かれているのか、どきどきしながら読んだ。 1ページ目から、文章の読みやすさに驚く。 (芥川賞受賞作と聞くと、反射的に高尚(?)なものとして身構えて、未だに気後れしてしまうからかもしれない) どこかロボットのような主人公の、人間としての営みが淡々と描かれていく。 ただ、合間あいまに、この人何言っちゃってるんだろう、とおかしみのあるところも多々あって、頭の中でついついツッコミを入れてしまう。 中盤になると、徐々に不気味さが増して、ホラーのようにすら感じられてくる。 ラストの思いもよらない「破局」には、茫然としてしまった。 けれど、序盤から感じていた違和感に、この結末はふさわしい気もする。 遠野さんの他の作品も気になっている。 ちょっぴり怯えながらも、また読んでしまうのだろうな。

    1
    投稿日: 2024.04.26
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    かなり好きだった。芥川賞の作品が好きな人向け 最後の方まで人間の皮を被ったクローンの思考を内側からのぞいているような気持ち悪さがあった 気になる表現は色々あるが、友人や恋人の話が無駄に冗長な辺りも同じ空間にいながらも違う次元から物事を捉えているようで気持ち悪さが素晴らしかった

    2
    投稿日: 2024.04.03
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    知人に勧められて読みました。全然好みではなかったけれど、主人公の認知の歪みがあまりにもリアルでよくできた作品だと思った。自分が正しいルールに従って生きる正しい人間であると思い込んでいる人がどれだけ多いのだろう。

    4
    投稿日: 2024.03.28
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    なんとも独特な世界観 読んでいるうちに何故か不安な気持ちになってくる それがまたクセになるから面白い 性描写や自慰のシーンでは生々しくて少しウッときたけれど、あれが24歳の若さなのかしらと、昔むかしを思い起こされた ラストシーンは不条理な結末で あーーーっなんでーー!!??!!? と思わず声が出そうになってしまった 女ってずるくて面倒ですね(女だけど思った)

    4
    投稿日: 2024.03.27
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    読みたい本を忘れたので、新幹線の駅で帯を読んで買ってしまい、読んでしまった。時間と本代を返してと強く思った初めての本。ある意味すごい。下車前にメリカリ出品しました。 この時のがっかりの気持ちから、こちらのアプリで本との関係を大事に築きたいと思いました。

    2
    投稿日: 2024.03.16
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    書き出しから、安定して不安定さが醸し出される。 大事件が起きるでもなく、ある大学生男子の何気ない日常が淡々と綴られていくだけ…? いやでも何かがおかしいぞ、決定的に何かがずれている…と、読者は正体不明の不安に襲われ、ぞわぞわする胸騒ぎを抱えることになる。 道徳や倫理の観念が専ら自己の外側にしか見出せない、という点において、主人公はいわば原始的な欲求のみに忠実に従って生きる獣のようなものか、と当初思ったが、動物であっても種によっては備わっている優しさや情愛のようなものもおそらく主人公の内面から湧き上がってくることはないだろうから、さらに不気味な存在と感じられる。 いわゆるサイコパスにカテゴライズされる表層上は有能な人物が、何かのボタンの掛け違いをきっかけに転げ落ちていく様が、創作でありながらも極端に走ることなく、ごく身近で起こり得る事例として描かれているところが、また不気味さを感じる著者の力量である。 人間の醜悪な部分をクローズアップするディテールの書き込みは、サイコパスならずともすべての読者が持つ弱点をずばりと抉り、その切れ味は本当に恐ろしい。 デビュー作「改良」が見事に正常進化を遂げている芥川賞受賞作、と言えるだろう。 遠野遙は癖になる。

    1
    投稿日: 2024.03.14
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    主人公自身や、度々入ってくる場面描写がどこか奇妙。「何か違和感を感じる」小説は割と数があるけど、遠野さんの世界観は本当に独特で、違和感どころか確信的におかしい。その世界観にハマってしまって一気読みした。 しかし、物語の一番の事件は、その主人公のおかしさは直接的に関係ない。自他のあくまで普通の感情に翻弄されてしまったという印象だ。 トラブルというのは、誰かの持ちうるおかしさではなく、ごく普通の感情によって起こるのかもしれない。

    1
    投稿日: 2024.03.11
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    感情への鈍感さ。主人公の中では理屈が通っているんだけど、何かが圧倒的に欠けている。ちょっと前に別れた彼氏、全然対話ができなかったんだけど、こういう人だったのもかもしれないなと思った。

    1
    投稿日: 2024.02.26
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    平易な文章表現があまり好きになれなかった。何より内容が空虚。なぜ芥川賞に、という疑問が払拭し切れない。しかし読後色々考えたが、この空虚さや平易さが正に現代のカオスな世の中を生きる迷走した若者を如実に表しているのでは無いかという考えに至った。 平易かつ空虚だからこそ読み手に様々な読解を与える作品なのかもしれない。 自分にとって新しい読書だったけれど、芥川賞と聞かなければ最後まで読まなかったと思う。(それくらい読んでる時は退屈だった。)そういう意味では権威やネームバリューに左右されて読書してしまっている自分に気付かされる作品でもあった。

    1
    投稿日: 2024.02.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんだかわけがわからなかった。 なにか事件が起こるわけでもなく、ただ陽介が送る日々が綴られているだけなのにどこががおかしくて気持ち悪かった。陽介が語っているような文体なのに、実際の陽介の喋り方や性格と全く違っているのも怖かった。 1番面白かったのは麻衣子の小学生時代の話だ。たぶん男は小児性愛者で前々から麻衣子に目をつけていたのだろう。その後が気になった。 灯の性欲が日に日に強くなっていった理由も気になった。 芥川賞受賞作品だと読み終わってから知ったが、そんな感じするなと思った。結構好みで、面白かった。

    2
    投稿日: 2024.02.05
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    自分のことなのに他人事みたいに捉えていて不思議、そしてなんだか哀れ 女性へのマナーとか、パッと見たらよくできた人間なのに中身はすっからかんでそこに惹かれた女性も狂ってゆく いつもあとがき読まないけど読んだ オチの後味の悪さもよかった

    0
    投稿日: 2024.01.25
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    令和の若者らしいというかなんというか…頭悪そうな文章なのは、主人公の設定的にわざとそうしてるのかな?移動中の時間潰しにはなったけど、再読は無いかな。

    2
    投稿日: 2024.01.07
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    スラスラと読み進めた結果、あっけなく結末を迎え、解説を読んで「なるほど」となった。解説を読んでからまた読み直すと新しい発見がありそう。 初見ではどこか違和感を得ながらも読んでるうちにいつの間にか「破局」を迎えてしまったが、2回目に読むと何が「私」を「破局」に追い込んだのか気づけるかなと思った。 「私」は自分を規則正しくルールに則って生きてる善良な人間だと思っているけど、それはあくまで社会的に定められた範疇で、正しいとされる規律やマナーに他人行儀に従っているにすぎない。「世間的にはこれが正しいとされる」「父親がそう言っていた」他人などが決めたことに倣ってるだけで、本心からそうしてるわけではない。頭でわかってるだけで、心では何も感じていないというか。 そうした現代人の歪みのようなものを、ユーモアも織り交ぜながらうまく文章表現に落とし込んでる点が、芥川賞につながったのだろう。

    3
    投稿日: 2024.01.03
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    結末が気になって最後まで読んだけど、自分の心が動く場面が一つもなかった。主人公の行動が機械的で描写も自己完結ばかりだからか、キャラクターの心理が掴めなくて共感しにくかったのだと思う。何か技術的な事をしてるんだろうと思われる描写があちこちあったが、何を表現してるのか探ろうという気になれなかった。だから解説を読んだ時、答えらしきものが全部書かれてて、わかる人にはわかるんだなと感心した。でもそれもふーんって感じで、理解した所で感動はなかった。あと、女の人の会話がやたら長くて、1人で2ページ以上喋り続ける場面は、会話として破綻してるんじゃないかと違和感を覚えた。 そもそもこの本を読もうと思ったきっかけは、作者が「大学時代に、受け手の側ばかりにいるというのはどうなんだろう?という気持ちが芽生えてきまして。美術館に行くのが好きなんですが、展示を観るたびに疎外感というか焦燥感というか、何か落ち着かない気持ちになっていたんですよ。世の中にはいろんな人がいて、いろんな創作をしている。それなのに自分は何もつくっていないな……と。つくるほうの世界に入っていかなくていいのかな? という思いが頭をもたげるんですね。」と発言していたインタビュー記事を読んで、共感したから。彼は一体どんな作品を作ったんだろうと興味が湧いたため、芥川賞受賞の破局を読んでみた。結果、このインタビュー以上の共感も感動もなかった。でも、ちゃんと最後まで作品を書き上げて世に発表した行動力は賞賛したい。 キャラクターの脇がお笑いに感して、「何かを生み出す葛藤にずっと苛まれていて、でもその悩みはわりと誰もが持っている普遍的なもので、じゃあ自分だけの苦悩ってないのかな」「ずっと自分の頭の中だけでお笑いを作ろうとしていて、他者の作品から真剣に学ぼうとしたり、人との関わりのなかで自分の世界を広げていく作業をしてこなかったから駄目だという事に気づいた」みたいな事を言ってる場面があって、ここだけは共感できた。この描写は作者のインタビューに通ずるものがあると感じたし、自身と向き合うという過程を経て出てきた言葉に思えたから。文学に対して私の理解が不足してるのかもしれないが、深く考察しないと理解できない話より、キャラクターや作者の心情、葛藤がストレートに伝わってくる作品の方が感動でき、そういった文章から滲み出る熱みたいなものを文学に求めてるんだと再認識させられる作品だった。

    1
    投稿日: 2023.12.17
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    読みやすかった 結局、みんなそれぞれ至らない部分がある作品 それぞれの気持ちも理解できる内容 モヤっとが残る

    1
    投稿日: 2023.12.11
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    ちょっと側から見たらよくある大学生の話だが 主人公の淡々とした思考回路が猟奇的 自我が感じられない辺りがまさしくゾンビ 認知と言動のアンバランス感が気持ち悪くていい

    14
    投稿日: 2023.12.05
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    全員キラキラした大学生で終始イラッとして「なんだこいつら?全員慶應生か?」と思ってたら作者慶応卒だった。

    0
    投稿日: 2023.11.25
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    色々感情移入の要素があって面白かったです。 個人的にはお笑い芸人のやつが夢を見て、現実を見て、夢を見て現実を見るくだりが結構好きです。

    1
    投稿日: 2023.11.20
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    字も大きいし、ページ数も少ないから、あっという間に読み終えるかなと思っていたのに、読み進められず。間を置いてから一気読み。 理解が難しく。 確かに「破局」 最終的に、人生詰んだな。で締めくくり。 櫻井敦司氏のご冥福をお祈りします。

    2
    投稿日: 2023.11.04
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    自己を客観視する気持ち悪さ。 全ての言動をあまりにも主人公が客観視しているように感じ、恐怖や気持ち悪さを感じた。 途中まであまりに引き込まれなかったがラストは圧巻。 自己を正当化させ、善悪の判断がにぶそうな主人公。 とにかく気持ちの悪い小説だった。 P117 人間がいるせいか、バスの中は暖かく、

    3
    投稿日: 2023.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ⚫︎受け取ったメッセージ うまく社会に溶け込んでいく術を持った サイコパスの思考回路がわかる。 ⚫︎あらすじ (Amazon本紹介より) 後輩のラグビー指導に熱を入れ、就職活動を間近に控えた大学4年生の私は、友人のお笑いライブで、新入生の灯(あかり)と出会う。やがて私は、幼馴染で成績優秀な恋人の麻衣子(まいこ)よりも、無邪気な新入生の灯に惹かれてゆくのだが……。 社会への最適化を求める現代で、肉体も人生も鍛え上げた男の「破局」を冷徹な文体で描いた、第163回芥川賞受賞作。 ⚫︎感想 周りからは、ルールを遵守し、正義感に満ちた青年。だが、内実は、他人どころか、自分の感情すらわからない。サイコパス的な人と交流がないと、なかなかこのような思考回路に理解ができないかもしれないとも思った。読み進めるうちに、ん?なんだか…変な人?という違和感がザワザワ湧き上がってきて、最後まで興味深く読めた。設定が大学生なので、若さゆえの危うい不安定さも加わって、良かった。

    1
    投稿日: 2023.10.15
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    Audible利用。面白かった。我々人間が目指すべきは女と男のベルリンの壁を破壊することではなく男性社会の内部からの解体ではないかと思わされるね…

    1
    投稿日: 2023.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    めちゃくちゃ芥川賞だなって感じの小説だった。特に変態的でもない、男の真っ当な性欲の気持ち悪さをここまで克明に書いているのがすごいなと思った。 「私」の思考は一見すると正しいように思える思考なのに、「私」に対してどうしようもない気持ち悪さを感じてしまう。それがよかったなと思う。 「私」は一人称の地の文さえなければ、文武両道で女性に対して思いやりを持ち合わせている、いい青年であるはずだ。 「女性には優しくしないといけないから優しくする」「同意を得てない性交はダメだからしない」「彼氏だから灯の下着を見てもいいが、彼氏でない人間に灯の下着を見る権利はない」 「私」の行動は、自分の意思がどうこうではなく、社会でこうなっているからこう、といったように、他者の価値観に支配されている。それがとても気持ち悪かった。本当に傍から見たら筋トレ好きの青年なんだけどな……。 真面目で正しい青年の、正しいがゆえに社会常識に縛られすぎている気持ち悪さ、というのは面白いなと思った。

    3
    投稿日: 2023.09.06
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    ※ 第163回 芥川賞受賞作 主人公の視点で語られる日常風景は、 驚くほど内向的で無機質。 物語を読んでいるというより、研究の結果や 分析の説明を受けているような印象でした。 主人公はこうしなければならないという 拘りが非常に強いタイプで、年長者や 女性に対する態度は概ね誠実。 その一方で、他人の本心は結局のところ わからないという冷めた感覚を持っている。 一見相手を思い遣っているような態度も 形だけの表面的なものに感じられてしまう。 一人語りで進む、音のないスライドを ただ粛々と見ているような静けさと、 味気なさとも言える空虚感を覚えました。

    10
    投稿日: 2023.08.26
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    主人公は他者の気持ちを推し量ることが出来ないようですね。自閉スペクトラム症なのでしょうか。そういう思考の方から見た世の中は、こんなふうに映るのか…と知ることが出来ました。本人はいいでしょうが、家族や周囲の人は大変なんですよね。

    6
    投稿日: 2023.08.12
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    冷めた目線で自分の行動、感情をまるで他人事のように事細かに綴る主人公には気持ち悪さすら感じる。まるで別人格が自分の行動を観察しているかのよう。

    1
    投稿日: 2023.07.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芥川賞受賞作。 う~ん。 公務員を目指している大学4年生の私(男)。 高校のラグビー部のコーチに行き、元恩師の手伝いをしている。その高校の部員のやる気のなさにイライラしている。恩師に苦言を呈しようと思うが…。指導した後は、いつも、恩師の家で美味しい焼き肉をご馳走になると、苦言はどうでも良くなる。 友達のお笑いサークルのライブで知り合った灯。 代議士を目指す恋人、麻衣子が忙しく、なかなか会えず…。灯に誘惑されて。麻衣子と別れ、灯と付合い関係を持つ。 麻衣子が、別れた後、突然、終電を逃したと家を訪ねてくる。私は、つい関係を持つ。 その後は、灯の性欲が増して、会うたびに、身体を重ねているが、私は、疲れてもきた。 高校のラグビー部のコーチに行き、もっと頑張るように部員に伝えるが、恩師から、もう練習は終わりと告げられ、苛立つ。そして、その日は、焼き肉を食べられず、駅前のファーストフードへ。そこで、自分の悪口を聞き、苛立つ。 お笑いライブをして友達が、一社だけ内定をもらえたが、お笑いの世界で勝負したいと迷っていると話して来た。 灯とあった時に、麻衣子と会った話をした。 麻衣子が、私が灯と付き合ったあとに、関係を持ったことを匂わせてきたと。 貴方は、もともとそういう人、麻衣子と付き合っている時も、私と…。と告げて、去っていく。 灯を追っていくと… 見知らぬ男が、「何をいるんですか?」と、、私を暴漢扱いしたので、かなりなケガを負わせて、警察に捕まる。 大人になり切れない大学生男子の、憂いを表現した小説なのかな? 小説読了190冊目。ブクログ内で。

    1
    投稿日: 2023.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大学生で就活中の主人公は、ある日出会った女性に徐々にひかれていく。ラグビーOBとして後輩を指導し、筋トレや性行為ばかりしている主人公は、その女性と出会ったことで破滅の道を歩んでいく。

    1
    投稿日: 2023.06.11
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    芥川賞をとった2020年に単行本でこの作品を読んだ。当時は単行本の帯に遠野遥の顔写真がデカデカと載っていて、作品の主人公の「陽介」が脳内で遠野遥の顔で再生されていた。今回、文庫本として3年ぶりに破局を読み、自分なりの「陽介」のイメージができたのと、分かりやすく興味深い解説「ゾンビたちの涙」が付いたのが自分の中ではデカかった。 相変わらず登場人物たちに何一つ感情移入できないまま、ページを捲るたびに言葉にできない気持ち悪さがどんどん増えていった。 ルールへの依存、正しさへの執着。自衛のために選び取られた鈍感さ。「規範」に頼る分、自分の感情がすりつぶされて、それにさえ気づかない。まさに死にながらも自分の痛みや状況に気づかず歩き続ける「ゾンビ人間」。いたいけなチワワは大量の車に押し流され、泣いている子供は人混みの中にかき消される。自分の目の前から消えれば、それで「解決」。もう「大丈夫」。 教えられたから女性に紳士的な態度を取れる陽介は、元カノが夜中に家に来て泊めてくれと言ってきても、彼女がいるからと断りつつも、なぜか目の前の元カノの顔の穴を、鼻の穴を目の穴のことを考える。こわい。ルール的にはダメなはず、という気持ちしかそこにはなく、本人の感情が全くない。 嬉しいときに全力で笑い、悲しい時に全力で泣く、という私の思想と正反対な人間が登場する遠野遥の作品が、私は本当に好き。こわい、こわい、共感できない、と感じながらも、本当に?と自分に問いかける。この気持ち悪さは何だろう。 マイコともアカリとも破局した陽介の行き着く先が怖い。またこの2人もただの記号になるのかな。この世の中はルールが、規範が適用されない瞬間ばっかりで、だからこそ感情や思考が大切になる時がある。それに対応できない人間はどうやってそれに気づいて生きていけばいいの?おもしろい。

    2
    投稿日: 2023.04.23
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    コンビニ人間が好きな人には面白いはず!と聞いて読みましたが、文体が滑稽で面白かった‼️出てくる人みんな、少しずつ変だよね。主人公の親友的存在の膝というあだ名の友人が、唯一の癒し。たまにはさまれる、膝からの長文メール(LINE?)がたまらない。

    3
    投稿日: 2023.04.19
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    スマートなのか泥臭いのか、どっちなんだろうな。「私」ののっぺりとした感じが、若いし、青いし、世代で一括りにはしたくないけど。そういう世代だなと思った。頭でっかちで、計画的に人生を築き上げている独りよがり感。公務員志望のどちらかというと優秀で、体育会系の勝ち組・陽キャっぽい印象を演じてるように見える。蓋をあけたら、幼いところ、未熟なところ、見た目のマッチョさとは裏腹に繊細で、もろい。前半の彼の人となりにページをさきすぎて「破局」部分が駆け足だった印象はある。

    1
    投稿日: 2023.04.18
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    陽介みたいなタイプは少し苦手。 自身の思い描く男性性・女性性に対する理想像への異常な執着が随所に見られ、気味が悪かった。 筋肉が男らしさの象徴という理由だけで筋トレしてそう、、

    6
    投稿日: 2023.04.16
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    うーーーーーん、、、? 性欲に人生狂わされたって人の話でしょうか、、? 膝の存在意義とかあんまり分からなくて正直支離滅裂だと感じてしまった

    1
    投稿日: 2023.04.13
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    「〜はずだ」という「世の規範」を基準に生きる究極の自己喪失。慶應生で頭はいいのに自我がない。誤解を恐れずに言えば"気持ち悪い"主人公。 自己肯定感はあるように見えたが、それすらもあるべきだという「世の規範」に沿った「模範生」だからなのかな。 性欲が強くなっていって主人公への愛より性を欲していく灯や、別れてから無理やり部屋に押し入ってセックスしてしまう麻衣子は、感情の起伏のない主人公との対比がなされていると思ったし、(彼女らが欲望を持ちすぎとはいえ)主人公の不気味さをより際立たせると思った。 生徒たちにゾンビ理論とかいう持論を熱弁する主人公、恐ろしすぎるでしょ。でも主人公は熱意を持ってしまうほどゾンビとして生きることを正義としているんだよね。怖いね。 一人称視点だからこそ、語り手の主人公の不気味さがある。

    2
    投稿日: 2023.04.07
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    うーん、ふむ、うーん、、、?ってかんじで、多分私は男性特有の欲求まみれみたいな小説が苦手なのかなーと改めて感じた、村上春樹さんのノルウェイの森とか白石一文さんの僕の中の壊れていない部分とか、性欲丸出しで空虚な人間が主人公の物語が苦手なんよね。やから感想とか書くのはおこがましい、完全に苦手分野なので感想とか書けない。好きな作家さんの性別とか出身地とかで統計とったら、自分に寄ってしまう可能性が高くなっちゃう気がして、こわい、偏ってるのか、私?好みが偏っている〜世界を知りたいのに、こんなに難しいのか、?

    1
    投稿日: 2023.04.01
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    つい最近彼氏に振られて破局を経験したので迷わず手に取った。 なんかわかるぅっていういやな共感が多かったな 確かに私の方が段々と制欲が強くなったし、元彼と私の境遇が似ていて、こんなこと思ってたのかな、なんて想像を膨らましたり。 とにかく文章がうまい。私の冷徹さ、灯や麻衣子の愛故の歪みなんかを如実に丁寧に表していた。その余のリアルさがぐろかったなぁ

    2
    投稿日: 2023.03.12
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    いわゆる今時の、そして、中身の無い男が主人公。ある一組のカップルが出会って別れるまでを描いただけだが、読後のなんか胃に残ってる感じ、芥川賞と聞いて、ああ、なるほどね、と思った。(芥川賞とは若い小説家に権威を与えてこれからを応援するためのものだと個人的に思っている) 文体は客観的だがところどころ描写がわかりにくいところがあり、私の読解力の問題かも知れないが、まだまだ若い作家。これが刺さるのはどんな人なんだろうか。

    1
    投稿日: 2023.02.28
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    いつから狂った? 気付いた時には手遅れだった。 真面目に見せかけた変態な男の話かと思いながら読み進めたら、不気味な雰囲気の奇妙な展開の話だった。 破局、不快であり深い。。。

    1
    投稿日: 2023.02.16
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    何かしらの規範を基に自分を形づくる主人公の不気味さが文章で上手く表現されていて、とても現代を表していてグッときた。〜だから〜ある、ということのエクスキューズが全く示されていない点がすごくよかった。

    1
    投稿日: 2023.02.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    破局 / 遠野遥さん えげつない。終始気持ち悪く、でも面白くて即読破。「人間」を特異的な視点で描いた一冊。 主人公は慶應の4男。母校の部活のコーチで厳しく指導し生徒を潰す、自分は性欲に塗れて彼女を乗り換えたり、元カノと寝たりと性欲で破滅。 願わくばもう少し性描写を減らしてくださいまし、、笑

    1
    投稿日: 2023.01.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    当たり前のような日常の中で起きた男の悲劇の物語、主筋と全く関係の無い描写も多く、 その行間を読む読者が試されるように感じた。偶然だけどこれを読む前の小説の主人公も灯だった。

    3
    投稿日: 2022.12.29