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ある男
ある男
平野啓一郎/コルク
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総合評価

712件)
3.8
151
272
209
31
8
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    このレビューはネタバレを含みます。

    名前や戸籍は記号でしかない。それでいて、とりわけ現代人は記号に依存して生きている。戸籍交換をして幸せを掴み取った原誠と、対極とまではいかないものの、少なからず後悔をしている谷口大祐。子の成長とともに前に進んでいく里枝。 城戸は在日3世であることの悩みを抱え続けていた。何世代も前の木が、今の城戸を作っている。 自殺を2回試みて戸籍交換という手段で短いが確実な、目の前の幸せを得た原誠に対して、美涼との未来は選ばなかった城戸は大祐に対して尊敬と羨望の感情を抱いていたのではないか。 颯太への愛は絶対だとしても、幸せだと言い聞かせて、別の誰かに変身してまで変える勇気がなかった、もしくはそうしようとするほどの深い悲しみではなかったのかと思ってしまった。 この社会では我慢や理不尽からは逃れられないけれど、自分が"いま"どれだけ幸せなのか、足りないならどうするべきなのかそれを実行できるのか。飲み込むのも吐き出すのも正解なんだとは思う。納得感の問題なのだろう。

    1
    投稿日: 2026.03.15
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    今の時代の恋愛は、ネット上での出会いが当たり前のようになってきていて、 匿名で知り合ったり、自分とは異なるプロフィールを使って出会ったり、 お互いに、相手をそもそも信用できるのかという段階で、各々に相手のことを好きになろうとする。 彼女のように、自分の愛する人の過去が、全くの別の人間のものだとわかったとき、その愛は果たして本物と言えるのだろうか。 私はそもそも、そんなふうに考えることはおかしいと思う。 作中、美涼さんの言葉の 「わかったってところから、また愛し直す」のように 自分が好きになったのは、相手の過去ではなく、出会ってからずっと自分の隣にいてくれた相手自身だから、、 相手を好きになった気持ちが間違いだったと思ってしまうのは、少し寂しい。 ---------- この作品に出会えてよかったです。 ミステリーとしての謎が解けていくときの感覚、 そして、人を愛するということの意味を考えさせられる そんな作品だと思いました。 もともとあまり読書をしてこなかった私のような人にとっては、常用漢字ではない言葉がおおく、少し読みにくいと感じるかもしれません。 また、登場人物の出自など、聞いたことのない分野のお話が多く、その都度調べるなど、読み終えるのに時間がかかってしまいました。 スラスラ読めるという印象はありませんが、自分が今まで知らなかった世界を、この本を通じて、たくさん教えていただいたと感じています。 私にとっては、それが本の醍醐味だと思っています。 とても楽しかったです。 この本に出会えてよかったです。 2026.2.12-2026.3.6

    2
    投稿日: 2026.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    亡くなった夫は、別人だった。一体誰?! 衝撃の設定だが、蓋を開ければ戸籍交換。メインは弁護士城戸さんの苦悩。ちらりと垣間見た妻のスマホの怪しいやり取り。夫婦の再構築は疑心暗鬼が付きまとう、怪しい雲行き。そこは深掘りされずに、りえさんの息子の逞しい成長に心奪われるラスト。

    3
    投稿日: 2026.03.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    亡くなった夫が騙っていた名前は全くの別人だった。幸せな思い出だった結婚生活が急に不安定なものとなり、夫が隠していた人格、誰にも知られていない一面が明らかになるのでは、との不安を抱える里枝。自分が愛したのはその人の現在なのか、それとも過去なのか。弁護士の城戸を通して解明されていく真実に、城戸自身の在日3世という境遇や、死刑廃止運動など、色々な要素が絡み合って飽きることがなかった。心情や情景の比喩も面白く、自分好みの文体だったので、他の作品もどんどん読みたいと感じた。

    1
    投稿日: 2026.03.01
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    現実的ではないようで でもきっとこの世の中にあることであろう戸籍売買 読み終えた後 身の回りの人たちが 実は全然違う人だったらと 想像を巡らせてしまった 全然別の名前を持つ人物だったとしても その人と出会った後の人生や関わりは紛れもなく事実なので それをどのよう折り合いをつけるかは その時その場にならないと分からないけれど かなり混乱することは間違いないだろう

    17
    投稿日: 2026.02.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    印象に残る考え方やフレーズが多くあったので星4つ 愛する人の過去が偽物だと知った時に、人はどうするのかという問いに対して、「愛し直す」という考え方。意外とない視点で、面白いと感じた。過去はもちろん愛を形成する重要な要素だが、全てではない。そもそも人間は過去のままではいられないのだから、愛を更新していくことは当たり前なのだと気付かされた。 また、人生の交換というテーマは斬新だった。特に印象的だったのは、人生の評価を客観的にできる点である。 もし自分がランダムで誰かの人生を引き継ぐとして、今の自分の人生が回ってきたとしたら、自分は喜ぶだろう。それはつまり、幸せということだ。 この内容にはハッとさせられ、今の環境が当たり前ではないことを強く認識した。

    3
    投稿日: 2026.02.17
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    読み始めから、ノンフィクションに手を出したのかと何度も確認するくらいリアリティのある内容だった。 身近にいる人が本当に戸籍の通りの人生を歩んできたのかなんて調べようがないし、調べたところで本当にその人がその名前で生まれてきたのかなんて、わかるすべもないというのが非常に怖いと思った。 100パーセント違う人に成り代わるのは無理だとしても、つかの間の違う人生が、幸せなものだったら良かったなと思った。

    54
    投稿日: 2026.02.15
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    【出生コンプレックスに効く本】 戸籍を変えて、別の人間として生きる人たちの精神的背景を追う物語。 弁護士の城戸は未亡人の里枝と出会う。その元夫は実際の名前の人物とは全くの別人だった。戸籍を入れ替えながら生きていく人間たちのバックグラウンドを覗き見ていく。一方で城戸自身は在日3世という出生であり、自分の戸籍には引け目を感じている。自分として生きることの本質を考えさせられる一冊だった。 戸籍を変えてまで生きていくくらいまで逆境に立たされた人物たち、そしてその周囲の人が混乱に巻き込まれ、今まで自分が生きてきた道を疑う姿を見て、胸が詰まる思いだった。当事者の心理的描写は少ないが、そのやり場のない感情は推し量ることができる。 物語は城戸の視点を中心に進んでいくのだが、城戸自身の出生に関しての描写が長く、同じところをぐるぐると回っている感覚になり、冗長に感じられた。自分の深層まで考え込むシーンが多く、小難しい思考が好きな人にとっては味わいが深いのだろうと推測する。 家庭内問題も解決していないうちに、幕引きもこれで終わりでいいのか、という気持ちになった。残念ながら、自分の肌には合わない作品だった。

    1
    投稿日: 2026.02.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    難しい。 私は縁がなかっただけで、きっと現実にも存在していることなんだろうな…。 自分の浅い経験では何が正しいのか分からなかった。 全部仕方なかったように思えてしまう。 大祐の最後の3年だけが唯一の幸せだったんじゃないか、というところを読んで泣いた。 このまま大祐として生きていいのか、言うべきか、言うとしてどこまで言うのか、その先に家族の未来があるのか、色んな葛藤があったんじゃないかと思う。 もっと長生きしてほしかった。

    2
    投稿日: 2026.02.13
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    なんというかな、ストーリーそのものも勿論面白いのだけれど、登場人物、全員ではないが、一つ一つのシーンにおける感情が本当に細やかに目の前に揺蕩うように見せる筆致は凄いものだなと思う。なーんて偉そうなことを言える自分ではないのだけれど、やっぱり日本語で書かれた書物は、その中でも特に小説は、日本という国の日本人たちが、古今東西、紡ぎあげてきた表現にどれだけ逢えるのかというのが、自分がこの本は面白かったなと思える一つの基準?うーん、そんな言葉ではないような気がするが、ともかくそういう事なんだな。新書のカッコいいについての話ではあまり感じられなかったように記憶しているから、この本が最初出た時も興味はあっても読もうとまでは思ってなかったのだけれど、その前のマチネの終わりにで、今回も味わったような至福の時間を経験していたことを全く忘れてしまっていた汗

    1
    投稿日: 2026.01.30
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    自分の夫が、まったく別人になりすましていたのだとしたら…。 そのことを夫・大祐が亡くなってから知った妻・里枝は弁護士の城戸に夫が本当は誰なのか調査を依頼する。 なんと、大祐は戸籍を交換して他人の人生を生きていたのだ。 この調査を引き受けた城戸は在日3世で、心の奥底で自身の出自を気にしていたことに、「原誠(大祐の本名)」の人生を追っていくうちに、気がつき苦しむ。 他人として生きたいと思うのって、普通では考えられない。 だが、殺人を犯してしまった実父を持つ誠は、同じDNAを受け継ぐ恐怖を感じ、自殺未遂もし、結局あかの他人の戸籍でひっそりと生きる。 そこで出逢った里枝との束の間の幸せ。 朝鮮人だが日本人として生きる城戸は、誠の人生に自分の人生を重ね、最後は、気持ちの整理がつき心穏やかになって行く。 ———- 平野啓一郎氏の小説は初読みだと、ついさっきまで思っていた。 しかし、このあと読んだ若林正恭(オードリー)氏の『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』の中で「分人」という言葉が出てきて、はて?となった。 奥付けのところに、平野啓一郎氏の著書『私とは何か「個人」から「分人」へ』からの引用とある。 私はこの本は読んでいないが、「分人」は知っている! 「分人」えーっと、確か、『空白を満たしなさい』に出てきたよね、って思い出し、調べたら平野氏だった! いやだ〜、初読みじゃないじゃん。 著者名が全く頭に入っていなかった〜。 そうわかってみれば、『ある男』も、『空白を満たしなさい』もとても着想が面白いし、人間の内面をするどく描いていて、話はちがうけれど、大きな枠が似ているというかんじ? それに、最初はぐいぐい興味深く読ませるけれど、途中から哲学的な感じも入って来て、少々硬いというか、理屈っぽいというか、そんなところも似ている。 すこし失速感があるんだよなあ。 最後までぐいぐい読ませてくれたら、最高なんだけど。

    0
    投稿日: 2026.01.29
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     映画を先に観ると、情景や登場人物が想像し易くて良いかも。最後、息子や遺された家族の葛藤に泣いてしまった。主人公・城戸の自分の家族への葛藤や自分の戸籍を蛻とすることへの憧れも理解できる。妻が不倫していると分かってしまった最後、どうするんだろう?映画ではどうにかなっていたような、気もしなくもないけど。

    0
    投稿日: 2026.01.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何を書いたらいいか迷うくらい、読んでいて、また読んだ後に色々と考えた本だった。 読んだきっかけは、平野先生の分人主義の考えに共感し、他の書籍も読んでみたかったためである。映画化もされている作品だし。 本書にも、分人主義の考え方が取り入れられていると感じた。主人公は弁護士で在日であったのだが、弁護士としての自分、元在日としての自分としてだけ見られたくないというような記述があった。 私も、ある一面だけの自分をみられて、こういう人だよねと言われるとすごく違和感を感じていたので、この表現に共感した。 過去が偽りであるならば、愛されたことも偽りだったのであろうか。最後をみると、違う気がした。あるいは、亡くなった夫の本来の過去を知ることができて、腑に落ちたのだろうか。言語化が難しい。。 読了後に思ったが、「ある男」とは結局だれの事だったのであろうか。亡くなった依頼者の夫か、はたまた主人公なのか。 あと、冒頭を見ると、主人公は平野先生の本当の知り合いなのだろうか。執筆背景も知りたいと思った。 平野先生の作品は気づきがあったり、自分の中で言語化できていなかった事が書いてあったりするので、読むたびに考えが深まる気がする。 また他の作品も読んでみたい。

    1
    投稿日: 2026.01.27
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    すさまじく重層的というか、複雑な、でも悪いことばかりではない。前を向いていこうと思わせる希望を感じられるような読後感。子供を持つ身として、悠人とのやり取りとか、彼が気丈にふるまう姿とかを見ていると本当に涙が出てくる。何かが解決するとか好転していくという訳ではなく、過去に起こった事実は変えられないんだけれど、でもその事実の一端を紐解いて知ることで何かが自分の中で繋がったり腑に落ちたりして、前に進んでいけることってあるんだろうなという気がする。 彼とその家族が前に進める、幸せを掴んでいけると信じているし、幸せになってほしいと心から願わずにはいられない。そう思うのもやはり原誠が、真面目に真摯に生きてきたし、家族を作って幸せに暮らしていたことに対する報われた感というか、最後には幸せになれたことを嬉しく思うというか、そうであってほしいと思えるような、そんな人柄であるということがあきらかになったということも大きいだろうなと思う。 原誠を追う中での城戸の変化や、城戸自身の考えのようなものが深まっていくという側面も見逃せなくて、それは単に物語として読んでいるというよりも、自分自身のこととして迫ってきているような現実感があった。城戸を通じてその物語を追って、木戸を疑似体験しているというか、そんな感じだったのかもしれない。 終盤のスカイツリーの話、何でこの話をここに書いたんだろうかと、別に何かの伏線になっている訳でもないしと思って読み終えたが、ある意味これは夫婦間でのバランスを取るということなのかもしれないと思った。城戸は美涼といい感じになって、一線は超えないけれどドキドキした時間を過ごした訳で、でもそれでも家族を第一に考えて、そこから離れるという選択はしなかった。たぶん妻にも同じようなことはあって、お互い様というかそういうことを書こうとしていたのかなと思った。

    1
    投稿日: 2026.01.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    お正月、知り合いに「おもしろいから読んでみな」といただいた本。スムーズに読んでしまった!おもしろかった! 事件が主軸にありながらも、その生き方に翻弄されていく人間、影響される人間、そしてその話を聞く作者と私たち、など、様々な人間の人生がひとつのレーンに乗っかっている。 存在している世界線がこの世にひとつだと仮定すると、私たちはそのひとつの世界線のレーンの上で流されている存在である。もしその"私"ごと取り替えられたとしたら?私はどこまで私である証明ができるのか。 作中、戸籍を交換したことで、交換した相手の人格により寄るようになっている描写があった。 それはその人になりきろうとするものによるためなのか、潜在的にある意識が交換によって顕在化するのか、どちらなのだろう。そうしたら尚更、今私が私たる存在でいるのはなにゆえなのだろう。 また、これは好みが分かれるところだろうと思ったが、全ての人間の人生(結末)を書ききっていないところが私にとってはさらによかったと思う一点だった。 不倫をしていた香織と城戸はその後どうなったのか、美涼との進展はないままだったのか、あの小三浦は結局本当に小三浦だったのか、などなど。 この本で語られる全てが綺麗に解決し、明快にクリア!になるわけはないのだ。実際にどの程度戸籍交換がおこなわれているのか、在日韓国人がどれだけの生きづらさを抱えているのかなどが確実に解決されることは無いのだから(敢えて無いと断言します。今後法が整えられテコ入れがあったとしても、アンダーグラウンドでおこなわれることであろうし、そこから目を背けてはいけないと思うから)。 現実で明らかにできないものをフィクションで昇華する気持ちよさ、代替の仕方、みたいなものはあるだろうけれど、そういう消費だけで終わりたくない本だったので。実は人間関係は解決していないことが多いのです、しかし割り切って彼らはどうにか、どうにか人生を営んでいます、という終わり方だったの、私はとても好きだった。本当に面白い作品だった!!! そして、この本をくれた知り合いは、実は弁護士なのですが、読了後は彼の人生を考えざるを得なくなっている。私にこの本を渡したことに他意はあるのだろうか。偶然だろうけれど。

    2
    投稿日: 2026.01.19
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    メインのストーリー(ミステリ)と、主人公の周囲のテーマと、蛇足に思われたりもしたけれど、結局自分の人生の選択でアイデンティティは変わって行く。僕も徐々にまた新しいアイデンティティと向き合って行くんだろうな。

    10
    投稿日: 2026.01.18
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    『ある男』という小説をいま読み終えた。 長編小説にも拘らずこれはひとつの長い詩であると思う。文章はあくまでも澱みなく清冽で、決して難しくはなく、人間の心理のもっとも深い内部へ入リ込み、人の心を読み解く世界に引き込む力は、世界の名だたる小説家たちを前にしても曵けをとらない。 作家という職業のみならず、芸術家のその生涯において代表作というものに拘ると思う。音楽でも絵でも映画でも、ひとつ、自他ともに認める唯一無比の作品を創りあげようとすることに自己主張の意義を見出すと思う。その意味でこの小説は平野啓一郎の代表作になるに違いない。 設定が興味深い。4年近く一緒に暮らした夫が突然、木の伐採の仕事をしていて、不用意にも大木が倒れて来て下敷きになり死ぬ。ところが、その兄が線香をあげに来る。そして、仏壇の遺影を見る。そこで初めてその写真が実弟でないことが分かる。ここからドラマはのっぴきならない事情を標榜し、主人公の弁護士と死んだ夫の妻とを交互に活写し長い模索の旅に出る。 戸籍を他人と交換するーそういう現実は一体何を意味するのか。過去の自分を消したいということだろうが、そうせざるを得ない事情も慮れる。胸が張り裂けそうになった日々と決別したかったのは理解出来る。幼い頃から父親の暴力と接していた人間にとって親に対する愛など欠片も持ち合わせてはいない。その父親がギャンブルで大借金を抱え勤め先の工務店の社長宅に侵入し、一家3人を惨殺したのである。彼は十歳であった。しかも、母親も蒸発してしまう。それ以後彼がどんな人生を辿ったか ? 最初、映画を観て感動して、原作を読んでさらに感動した。それは、言葉では言い尽くせぬセンシティブな、絶妙なタイミングで鉱脈をあてた時、地団駄を踏むような感動なのである。 長編小説でありながら、詩のようだと言ったのはそういう意味である。 さいごに、映画での窪田正孝の演技は素晴らしく煌彩を放っていたと思う。

    0
    投稿日: 2026.01.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本を読み終わったあとに、他の人の感想を読むのが好きなのだけど結構同じ感想の人が多かった。というのも、城戸のバックグラウンドの話が長く、夫が誰なのかの真実を知りたいのにそれまでの過程が長かった印象。最初は楽しく読み進めていたけど途中がすごく長く感じて最後があっけなかった気がする。 テーマ自体は興味深く、わたしは里枝目線でもっと話を進めてほしかったなと思った。 でも愛にとって過去は必要か?と考えた時に、過去があったからこその今の自分がいるわけで、どんなにプラスなことやマイナスことがあっても、それをひっくるめての、それらがあったからこその自分であるからやっぱり必要なのかな?とも思った。 それを受け入れられるか、受け入れられないかはまた別の話で、今回の場合は大祐のバックグラウンドが苦しいものだったので、出来るのなら受け入れてあげたい。でも実際問題だったらどうなんだろう… 自分が自分であることは何をもって認識するのだろう。

    1
    投稿日: 2026.01.13
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    本題である亡くなった方の追跡と、弁護士の在日3世の葛藤やら悩みが入り乱れるため、、無用に複雑になり、闇を落とす割には、特にエンディングに効いてこないので、「社会の本」いう印象。 作者の文字癖というか、 •寧ろ、を多用しすぎ •イベントじゃなく、イヴェントと表現 テン台詞での?の使い方のクセ が気になってしまって、集中できなかった部分もある。

    1
    投稿日: 2026.01.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    分かるけど、むずかしー。 伏線なのかしら?と気になりつつも、最後まで分からない部分もあったりして(大祐と会った後の美涼はどうだったのかとか、小見浦は本当に小見浦なのかとか、恭一にはどう報告したんだろうとか、大阪のアパートを持っていた工務店のおじさん?とか)。 純文学って、やっぱりむずかしー。

    0
    投稿日: 2026.01.06
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    平野啓一郎が提唱する「分人主義」への強い共感から手に取ったが、まさに自分自身の生存戦略を肯定されたような感覚に陥った。そもそも私自身、この「自分の中には相手ごとに異なる複数の顔がある」という感覚なしには生きていけない。その視点を、社会派小説であり推理小説でもある文学として、ここまで読みやすく、かつ物語としての読みやすさを保ったまま描き切る手腕はさすがプロというかこれがトップクラスの作家なのだなと思った。深い共感と納得感を与えてくれつつ、物語としてとってもおもしろい名作だった。

    0
    投稿日: 2026.01.03
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    映画→小説→舞台 --- 言葉にならない。 自分は何者なんだろう。 悠人が自分の苗字が何度も変わることに戸惑うシーン、心が痛かった。 「お父さんが好きだった」への帰着…苗字がどうとか過去がどうとか以前に、その人自身を見つめる大切さ。 * 最後スーッと背筋が凍る感じは、星新一の読後感にも似ている。 ラストはルネ・マグリットの『不許複製』。 冒頭をもう一度確認してしまった。 「ある男」は誰だったのか。 --- 上記は映画を観た後のfilmarks感想だが、小説は映画では描ききれなかった部分を淡々と埋めてくれる感じがして、より一層心を掴まれた。

    0
    投稿日: 2026.01.03
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    最後の3年9ヶ月がどんなに幸せだったとしても彼の背景は悲しすぎるなあ。 事故死という突発的な事で全て明らかになってしまったけど、彼が生きていたらこれからもずっと偽り続けていただろうから、嘘という点だけで見ると、バレなかったままの嘘をつかれ続けられる生活とどちらが良いか考えてしまう。

    0
    投稿日: 2026.01.01
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    あらすじに引かれた。だが、途中で長いなと思ってしまった。 難しい!とにかく読書初心者には難しかった。

    2
    投稿日: 2025.12.30
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    面白い!心の動きが細かく書かれている。 止まらなくなってしまった。 最後はスッキリ終わった。 以下心に残った言葉 真の悲観主義者は明るい。期待して無いから。 真っ当な考えでは無いが、愛する人が先に死んでいてくれる事は、死の不安をなだめ、孤独な生を支えている。 人は思い出によって自分になる。 何度もその人を愛し直す。愛は変化していく。

    1
    投稿日: 2025.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    装丁とタイトル、あらすじに魅かれて手に取り、かなり期待値をあげて読み始めたものの、思っていた感じではなく、読了まで時間がかかりました。 弁護士の城戸が依頼を受け、死んだあと別人とわかった夫が誰なのか調べる話。 捨てたくても捨てられない“スティグマ”を持つ人が、戸籍交換という手段で別の人間として生きていたという真相が判明。 しかし、、城戸自体に「在日三世」というスティグマがあり、在日についてや妻との関係について書かれている箇所が多く、特に前半はなかなか進みません。 冒頭に「ある男(主人公)」が城戸だと書かれているので仕方ないのですが。ただ、読み終わったあと城戸ではなく原誠の人生に思いを巡らせましたので、自分の中の主人公は原誠。 最初にあらすじを読んだときに一番気になった「亡くなった人は誰?」がわかるまで、城戸がちょっといいなと思った女性と美術鑑賞するところなどをふんばりながら読まねばなりませんでした。美涼さん、必要だったのかなあ。そして香織の不倫を知った城戸は何もしないの? 著者の略歴に「美術や音楽にも造詣が深く~」とあったのでそういう描写が多いことには納得。 平野啓一郎さんの作品を初めて読みましたが、私には文章が回りくどく小難しかったです。 映画化されているので、そちらの方がわかりやすいかも。

    3
    投稿日: 2025.12.28
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    推理ものとしても人間ドラマとしても恋愛ものとしても社会派小説としても読め、おもしろかった。安藤サクラさんもイメージにぴったり。

    2
    投稿日: 2025.12.19
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    芥川賞作家の、純文学風のミステリーといった印象で読み終えた。 あらすじ的には面白くて、様々なテーマに沿ったメッセージが込められているのだが、やっぱり純文学にありがちな回りくどい言い回しは気になる。 特に序盤は結構人物とか背景とか意味分からなくなって、読んでは戻りを繰り返して疲れてしまった。これを読みこなせるようになったら、なんか読書家的にレベルアップ出来そうな気がする。

    29
    投稿日: 2025.12.11
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    読み応えあった。映画の予告は見たことがあって気になってはいたけど、こういう話だったか。序章は必要か?って思ったけど、客観的に主人公を見る目としては確かに面白い導入かも。 映画も観てみたいな、でも配役を見ると、だいぶ小説とはイメージが違うな。。

    1
    投稿日: 2025.12.09
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    最後の方は人がたくさん出てきてややこしかったけど笑、全体的にすごくよくできていて、いろいろな伏線も回収していた。関係なさそうな変身物語の話とかも話に実は関係していたところがよかったなぁ。

    2
    投稿日: 2025.11.30
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    実写化の方を先に視聴。 改めて原作を読んで振り返り。 労働事故で亡くなった夫の素性を調べながら 社会で起きている色々な問題が描かれています。 差別、家族、死刑制度、ちょっとした恋慕。 何というか、いい意味で"人間臭さ"がキャラクター達に 出ていて、共感は出来ない所もあったが 考え方とか見れて楽しく読めました。 過去を書き換える事は出来ないからね。 読んでいて"世知辛い"なと思いました。 騙したくはないけど、自分を偽らないといけない。 忘れたくても、背負ってしまう辛い過去。 行きついた答えが"戸籍"だったのかもね。。 人間は過去を知りたがる生き物だ。 そこから得られるヒントが大きい部分もあるし その人の軌跡を知る事でどんな人間が分かる部分もある。 "真実"を知って、知らない方が良かったという事もあるだろう。 しかし、"愛"と"幸福"には過去は要らないね。 現在進行形で感じる事が出来るから。 谷口一家は、真実と正面から向き合った上で この2つを強く貰っていたと思いました。

    12
    投稿日: 2025.11.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分とは何か。自分を自分たらしめてるものとは何か。戸籍が変わったらもう別人なのか。では、愛した人が別の誰かの人生を歩んでいる人だと分かったら?いったい自分は誰を愛していたのか?その人のことを今も愛し続けられるのか? 私は過去の自分が今の自分を作り出していると思うので、たとえ戸籍を変えようとその戸籍を変えるに至った「私」も「私」なのであり、名前を変えようが過去の履歴を変えようがその人であることに変わりはないと思う。そして愛した人の過去がどうであれ、今この瞬間のあなたを愛していると思う。 美涼が言っていた、「分かったところからまた愛し直すんじゃないか。一回愛したら終わりじゃなくて、長い時間の中で、何度も愛し直すでしょ」という言葉が一番しっくりきた。 重く考えさせられるテーマで興味深い話ではあったが、何だか中途半端に終わった感じがした。最後に悠人が真実を受け入れ、ひとまわり成長した姿には感動したが、城戸と美涼の関係はこれで終わり?美涼と大祐の再会はどうなった?香織の上司からのメッセージの真相は?と、どれも何となく匂わす感じで終わってて、なんだか作者、途中で力尽きた?みたいに感じた。途中で長々と出てくる神話の話とかにページ割くくらいなら、それらの結末をもう少しちゃんと描いてほしかった。 あと、この著者の作品は初めて読んだが、やたらと難しい語彙やまわりくどい表現が多く、読書初心者の私には読みにくかった。文学的、哲学的な思考や対話が好きな人には向いているんだろうなと思った。 また、人は行動するたびにここまで思考を巡らせるものかなとも思ったし、城戸が香織や美涼との関係をあれこれ思考し悩むけど、やたら容姿を褒めてて、結局美人が好きなだけじゃんと思った。

    3
    投稿日: 2025.11.28
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    城戸の考え方とか、感性が自分と似ていてすごい共感しながら読めた。めっちゃ自分に向いてる本やと思った。読みやすいのに、考えさせられる本。平野啓一郎もっと読む。

    0
    投稿日: 2025.11.26
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    『ある男』を読んで、私は二つの楽しみ方を味わった。 第一の楽しみは、物語そのものの魅力だ。 この作品は、登場人物の複雑な心理を精緻に描き出し、読者を深く物語へと引き込んでいく。里枝の再婚相手・谷口大佑が仕事中の事故で突然命を落としたことをきっかけに、彼が“谷口大佑として生きていた別人”であることが明らかになる。真実を求める里枝は、弁護士・城戸に依頼し、「夫はいったい誰だったのか」という謎に迫っていく。 その過程で浮かび上がる人間模様は、ときに痛ましく、ときに深く考えさせられ、ただのミステリーにとどまらない重層的な読書体験をもたらしてくれた。 第二の楽しみは、時系列を読み解く面白さだった。 この作品には、登場人物の生年月日や出来事の前後関係など、時系列を示す手がかりが緻密に散りばめられている。東北の震災を一つの基点として、点と点がつながり、全体の時間軸が少しずつ明確になっていく。そのパズルを解くような感覚が心地よく、まるで自分自身も別のミステリーに挑んでいるかのようだった。 二重構造の謎を追う面白さと、人間の内側を照らし出す深いドラマ。その双方があるからこそ、『ある男』は読み終えたあともしばらく心に残る作品だった。

    26
    投稿日: 2025.11.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    厳しい環境に置かれた人が描かれる小説の受け取り方がまだわかっていない。著者自身の思想がよく透けていて、他の作品を読んでその思想に近づきたいと思った。美涼が都合よく城戸のことを好きになってるのだけ普通に気に食わなかった

    2
    投稿日: 2025.11.19
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    亡くなった夫の名前は、全くの他人のものだった、と知ったらどうなるの?と思うと、次が知りたくて、初めは急いで読んでいた。割と早い段階で、夫自身の過去はわかってしまったので、あとは、終わりまで読もうという義務感で失速しながら読了した感じ。 テーマは良かったんだけど、私の中では主人公は城戸なのに、途中でフェイドアウトして、結局里恵と息子が主人公だったの?と、視点がブレてしまったので、考えさせられる重いテーマなのに、読後そんなに残らなかった。 もう少しあとで、夫の過去がわかった方が盛り上がって、よかったのでは? 他の人たちの境遇などが共感出来なかったので、余計に退屈な印象になってしまったかも。 初めの期待が大きすぎたから、かえって評価しにくくなった

    1
    投稿日: 2025.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    信じて愛した人が名前も生い立ちも違くて殺人犯の子供だと分かっても同じように好きと思えるのかな?と考えさせられた。 今が誠実な生き方をしていれば過去なんて関係ないって思うけど綺麗事かもなー。 過去に囚われて普通の生き方ができなくて戸籍交換したわけだし 朝鮮人の話や神話とかちょいちょいつまらないなって思った。 主人公ちょっとお花畑だよね?なんか痛いおじさんだなって思った。思いとどまれたのは耐え

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    映画化されている作品なので以前から読みたいと思っており、最初は話の展開に夢中になりましたが、徐々に飽きてきてしまいました。担当弁護士のルーツについての語りが正直疲れてしまいます。 戸籍を変えたいとまで考えざるを得ない人生を送る人が世の中にはいると思うと、平凡な自分の人生がありがたく感じました。

    1
    投稿日: 2025.11.09
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    "一体、愛に過去は必要なのだろうか?" 在日朝鮮人 、親族の犯罪、差別や偏見、死刑制度、戸籍のロンダリングなど、重くて深い話題がたくさん出てきます でも意外と難しくはなく読みやすかった テーマが一貫していたからわかりやすかったのだと思います 読後感も良い 過去から離れたくて大祐になった「ある男」…幸せな月日があって良かった

    0
    投稿日: 2025.11.05
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    感想が難しい。面白かった点と、何だかなぁって点が混在している。素朴ながらも素敵な出会いで再婚した夫が、実は偽名でまったくの別人だった。その謎を解くというあらすじは興味深くそそられたが、ストーリーの軸となるのは弁護士の人生観みたいな?なかなか偽名の謎が進展せず、弁護士のアイデンティティをじっくりと読ませられている感じ。これが個人的にはちょっと冗長だった。しかし「愛にとって過去とは何か」という問いかけとアンサーは腑に落ちて良かった。それにしても文章といい言葉のセンスといい、独特な作家さんだなぁ。

    2
    投稿日: 2025.10.30
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    事故で亡くした夫が「谷口大祐」ではなく全くの別人だった。愛にとって過去とは何か? 差別、出自、社会構造などに対する問題意識への語りが強く、ゆえに「愛に過去は必要か」という物語上のテーマがぼやけてしまっているものの、平野さんの知性や思考性が存分に堪能できる作品でもあった。 自分ではない人生を生きるということ、自分とは何か、自分と過去の連続性とはという思想的なテーマに対してじっくり論理的な分かりやすさのもと物語ってもらえるのは、なかなかに興味深い体験だった。 謎を紐解いていくようなストーリーそのものは魅力的で面白かった。

    1
    投稿日: 2025.10.26
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    平野さんの物語りには、最後に「未来」や「救い」があるので好きです。 本当は誰なのか? が知りたくて読むパワーになるけれど、本当は誰か?なんて、、、そんなに重要じゃない、、、かな、少なくてもワタシにとっては。 ワタシにしたって、貴方は本当は誰?と聞かれても…これこれこういうモノです…というのは、その時々で違いそう。 名前なんて、もっとそう。 イーロンマスクじゃないけれど「記号」のようなもの。 戸籍を変えたとして… ルーツや過去の物語りを変えたとして… 何が変わる?何か変わる? 変わったと思ってるのは気のせいなんじゃないかな。 さして、重要だとは思わないかな。 どこをどういじっても、ワタシの目の前にいる「その人」を、その時どう見てどう感じて、どう愛したか。 そして「その人」と過ごした時間がどんなものだったか…は…ワタシの中では変わらない。 目の前の「その人」の過去がどうであれ 名前がどうであれ。。。 もし偽りの仮面があったとしても… その時、それを知った時、、、 どう思いどう行動するか、、、はその時に決める。 だから、それまでの自分を疑わないし、「その人」を疑わないし、共に過ごした時間はもっと疑わない。 疑わない、っていう決意をできる自分でありたいし、その目を持つ自分でありたい、と思う。

    16
    投稿日: 2025.10.21
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    映画化された時のCMをうっっすらと覚えていて気になってたなと思い読み始めました。マチネの終わりの方なんだ!と期待して… もう重い!重すぎる!重厚過ぎるテーマで辛くなっちゃいました。批判ではなくて、あんまり好きじゃない。読むの疲れました。

    3
    投稿日: 2025.10.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    次男の死と離婚を経て故郷に戻った里枝は「谷口 大祐」と出会い再婚する。長女も産まれ、家族4人で幸せに暮らしていた。しかし、大祐は林業の仕事中に事故死してしまう。 大祐から止められていたが、大祐の親族に連絡を取ると、大祐は別人だと告げられる。 里枝から相談をうけ、弁護士の城戸は「谷口 大祐」の正体を調べていく。 難しい!? いや、面白かったんです! でも、最後までいろいろ考えました。 時間がかかりました。Audibleなのに。 城戸と里枝を中心に、登場人物に感情移入し、楽しみながらも、自分は全てを理解しきれない、明確な答えを出しきれないモヤモヤを抱えて読み進めてるしんどさがありました。 うーん上手く言えないなぁ〜。 人は過去、例えば出自や環境や経験やそれらに伴う感情で出来ているとして、それらが自分自身や社会に受け入れられない物なら、捨ててしまわないと人として愛されないのか。人を愛することは出来ないのか。 うーん上手く言えないなぁ。それだけでは絶対にないんだけどなぁ〜。 ラストは里枝と悠人と花ちゃんの幸せを祈って泣きそうになりました。 悠人の俳句に残された人の言葉に出来ない気持ちを感じてしまいました。 蛻に いかに響くか 蝉の声

    83
    投稿日: 2025.10.19
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    面白いんだけど… 他の人も書いてるように城戸さんのいらん情報も多すぎて途中で挫折しかけるという気持ちもわからんでもない… 全て書いてあることに意味を持てとはもちろんいわないけど…そこは謎の人である夫の細かい部分を書くとか…そんなんを思ってしまいました

    1
    投稿日: 2025.10.19
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    なんだか小難しそうで敬遠していた平野啓一郎に初挑戦。映画化されていたとは知らず、なんとなくこれは読みやすそうかな?と書店で手に取った。読んでみた結論は、平野さんのファンになりました!笑 物語は途中までなんとも不気味でうすら怖い。「ある男」の正体が誰なのか見当もつかないまま、戸籍売買や死刑制度、在日差別などの問題について、様々な人たちの様々な視点で語られていく。複雑な話ではあるが、文章が美しく読みやすいので、ストレスなく展開がスラスラと理解できた。登場人物もリアルに生き生きと描かれていて、まるで知り合いの話に首を突っ込んでいるような身近な感覚を覚える。最後は「ある男」に関わった人たちに感情移入して泣いてしまった。

    2
    投稿日: 2025.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2022年に映画化し、気になっていた作品。 やっと読みました。 平野啓一郎さんの作品を初めて読んだが、 文章が硬めで表現方法が難しく何度も単語を調べた。 読み進めていくと、単語の難しさを後回しにしたくなるほど物語が深かった。 単に里枝の亡夫の戸籍交換の事実がわかっただけでなく、戸籍交換しなければならなかった過去、結婚後も嘘をつき騙していた訳ではなく言えない理由があったこと、他人の人生を丁寧に生きていたこと、里枝を心から愛していたこと。 城戸が谷口大佑とすり替わっていた原誠の真実を追うごとに彼の壮絶な過去と芯の部分の優しさを感じた。 城戸の生きる境遇や里枝の息子の葛藤も心動かされた。 とても良い本でした。

    1
    投稿日: 2025.10.11
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    かなり前に読了したため詳細を覚えていないが、 文章がすごく読みやすかった印象。 展開的にも色々難しいのにそれでも理解できるようになっていて、バカな自分でも引き込まれた。

    0
    投稿日: 2025.10.09
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    改めて、刻一刻と過去になる今を大切に噛み締めて生きたいなと思った。過去は変えられないが、そのことは人生においてプラスにもマイナスにも働く。城戸と同じような夫婦関係を私も築いているが、城戸はこの先をどう生きていくか気になった。私は城戸のように妻を受け入れたり、まわりの情にほだされたりしないことはできないかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.10.08
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    初めての平野啓一郎。面白い。単純にこの作品を1人の人間が考えて書ききったことに驚嘆。世の中には天才がいるんだなあ。戸籍のことや在日朝鮮人への関心も生まれ世界が広がった。主人公の苦悩にシンクロして自分もパートナーとの関係を改めて考えた。自分たちのパートナーシップは自分の家族、友人、職場の人間、そして社会から良くも悪くも影響を受け続けていく。関係を続けていくには対話が必要で、それができない人との関係は長く続かないなと思った。相手の言うことに耳を傾けて、相手がちゃんと聞いてもらえたと思ってくれるようにこれからも頑張ろうと思った。

    0
    投稿日: 2025.10.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    複雑に価値観も状況も思いも違う人生同士が絡み合う。その人生を生きること他人の人生とそれを絡み合わせること。多種多様に示唆される悲喜交々の人生が影響を与え合い恐ろしく難しい人生同士の交差模様を描いている。他人の人生を介することで自分の人生を見つめ直して愛せるか、自分の人生のままならなさをどう受け止めるか、あるいは自分の人生の可能性を見た上で今生きる人生を見るか、他者の人生の痕跡からその人の人生を見つめることができるということ、別の人生を我が物としてそれを全うしようとすること、人生のあり方によっては人はガラリと変わってしまうということ、相手の人生や過去という不確かなものをどうして愛せるのか、人生同士の一瞬の交錯、人生における傷を共有することとその癒し……面白く胸に残るメッセージも多いが理解しきれない部分も数多い、とにかく面白かった。

    0
    投稿日: 2025.10.03
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    自分ではどうすることも出来ない出自や差別について考えさせられた。偽りの戸籍であっても、里枝と過ごした3年9ヶ月は本物の幸福な時間だったに違いない。

    0
    投稿日: 2025.10.02
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    謎が少しずつ解明されていく過程が面白く、ラストでは子供の成長がひしひしと伝わり、思わず涙が出た。 強く生きる力や子供の純粋さは、本当に尊いものだと感じる。 また、人を愛するうえでその人の過去はどれほど重要なのかを考えさせられた。 また、戸籍を変えて別の人生を歩むことが本当に幸せにつながるのだろうか… 自分のせいではなく、どうしようもない環境要因によって苦しむ人がいて、そういう人が幸せを掴むのはとても大変だと思う。 誰もが平等に幸せを掴める世の中であってほしい、と感じた。

    25
    投稿日: 2025.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私という人間は、生まれた瞬間から両親が決まっていて、物心着く頃には名前も決まっていて、それは自分では決められない。 その人自身には何の薄暗いことがなくても、そのせいで人生に翳りが生じてしまうこともある。 生まれの豊かさとか、国籍とか、性別とか、身長とか、自分では決められないものが、自分という人間の生身を形作る要因になる。とか思うと子供を産むことにも責任感じちゃうかも。 警察になる時に身元調査とかあるけど、それも親のせいで子の未来を奪うことになりうるの残酷だなと思う。機密情報のことを考えると必要だけれど。

    1
    投稿日: 2025.09.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    宮崎にいるりえと夫と子供たちのパートが一番惹かれた。 不幸ばかりが見つかる過去から逃げ切って、幸せな生活を手に入れて死ねた、とても幸福な人の話だったことに気づくと救われる気持ちになる。 悠人はきっと、束の間のお父さんの一生分の愛を受けて、良い子になる。絶対なる!と思った。 推理するような展開が面白かった。 かげの主人公、城戸の家庭と城戸の逡巡などについてはイマイチ分からなかった。この人物像は作者に近いから省略されているのかなと邪推した。 作者が男だけあって、やっぱり登場人物の男性たちが表情豊かだなと思った。女の人は、良い役を貰っているけれどやっぱり「主観」という描き方じゃなくて遠い感じがした。批判ではなく。

    2
    投稿日: 2025.09.23
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    この人の2冊目だから、わかってきた感。難しいとこもあるし、スッキリする訳でもないんだけどなんか好きなんだよな~~おもしろいし

    1
    投稿日: 2025.09.20
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     平野さんは好きになりたい作家だけれど、なんだろうか、最後のラストスパートがスッキリしない。文体なのか、文調なのか、結末がありがちな内容だからなのか。そこに行くまでの面白さが萎んでいく気持ちを抑えられなかった。でもトーンば純文学、なかなか芳醇にならない日本文学をさかせて欲しいなと思います。

    1
    投稿日: 2025.09.19
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    文章が自分と相性が良くないのか、何度も挫折しそうになったが、最後まで読み切ったのは、話の内容が面白かったからだと思う。亡くなった夫が全くの別人だったという相談がある弁護士に寄せられて、そこからその亡くなったXの人生を遡っていく話。最後の方はそのXに共感し、同情し、会ってみたかったとさえ思うほど彼の人生にのめり込んでいく…でも難しかったー

    2
    投稿日: 2025.09.13
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    2022/12/27 「ある男」読み始めました。通勤時間が短くなったのと朝は結構な満員電車なので毎日ほんのちょっとしか進まない。牛歩読書。 ↓ (友人) その本は見た事が無いような漢字がちょいちょい出てきました。まあ読めなくても文章の流れとか漢字そのもの意味でなんとなく理解はできるんだけど…私はそういうのをきっちり調べないと気が済まないのでスマホを手離せなかった。 そんなんだから本を読むのにいつも時間かかっちゃうのよねー ↓ わかるー!この作者は漢字にこだわりがあるのか同じ読みでも一般的に使わない方の漢字を当てはめてくるよね。わたしも同じくスマホ片手に読んでますw

    1
    投稿日: 2025.09.10
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    在日三世であることを川底に置きながら、弁護士として関わる人の人生をなぞり、自分とはなにか、死とは何か問い続ける。これは、日常の自分にいつもある問いではなくとも、ふとした時に気付かぬうちに隣ににあるような問い。そして慈善活動に対する思いの家族間での違いもリアル。夫婦とは、そのような些細なしかし根底として譲れない価値観を実は押し込めながら長年過ごし、人によっては見ないふりをしたり別れたりする。 平野作品は過去に何度か挫折していて、文体が自分に合わないのではと思っていた。この本を読んで、他の本も絶対読もうとすぐに次の本を探すほどに作者に興味が湧いた。 自分とは何か、戸籍とは、無戸籍になること、在日問題、社会的スティグマ、夫婦関係、子育て観といった深い問いから広く共感しやすいものを絡めながら、物語は謎にむかってスピード感をもって心を惹く。古典文学の表現や音楽も取り上げながら無知の読者を置き去りにしない。 ミステリー感だけならよくある一瞬の読後感、しかし私はラストがとても好きで、人の複雑さや不条理を文学を通して浄化へ導くような心地よさがあった。桜の木と蟬の抜け殻をそのように感じ表現する子どもを描く、その句の感性を、作者が作り上げた。もっと別の作品で作者の目を通した言葉の世界を知りたいと思った。

    2
    投稿日: 2025.09.09
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    他人の人生を生きるって どうなんだろ… 幸せにはなれないと思う 次男の話は読んでいて辛かったけど 里枝と長男の関係は素敵だな

    6
    投稿日: 2025.09.07
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    難しい本で、一回読むだけでは、全てを理解できなかったと思います。 (結婚観、人種差別云々…) 人のルーツは良くも悪くも、将来に何らかの影響を及ぼす。 未来は自分次第で切り開けるかもしれないが、それは綺麗ごと。 やっぱりどうしても過去がまとわりつき、自分の立場が形成される。 「一回、愛したら終わりじゃなくて、長い時間の間に、何度も愛し直すでしょう?色んなことが起きるから。」という美涼の言葉が印象に残りました。

    44
    投稿日: 2025.09.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本人自身が犯罪を犯したわけでもないのにレッテルを貼られてその人の善良さなんか全く見てもらえない、そういう不寛容さはどうしてなんだろう 弟と父親を亡くしたけど自力で創作することによって自分自身を救った息子さんの悠人くんとすぐに日韓友好のためのデモ行進に行った美涼さんの輝きがすごかった

    2
    投稿日: 2025.08.27
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    愛に過去は必要か? 生まれ、出自、親、戸籍、、、、 私たちを私たちたらしめるものは何だろう? 他人の人生を生きてみたい。 自分の人生を愛せない。 もし私もその呪いを解くため、自分を辞めることを選ぶ悲しい人生だったならば、 その選択は、 自分を自分たらしめるものが意志ではなく、 外界から受ける自分への扱い方と、自分自身を許せない、愛せない呪いのようなもので縛り付けることから逃げるための楽になれる唯一の解決策がこれだけだったのかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.08.26
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    過去を捨てて人生をリセットしたら、幸せは訪れるのか。それとも運命と割り切って生きて行くのか、考えさせられるストーリーでした。

    1
    投稿日: 2025.08.26
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    結婚して亡くなった夫は、偽りの戸籍だったという話。 実際にそうなったらどうなんだろう。そのままその人のことを愛せるのだろうか。 また、新しい人生を歩めるのだろうか。 映画も見たけど小説の方が好き。 城戸さんの繊細な心の移り変わりや葛藤を映像にするのはさすがに難しい。 そこがわかるのは小説ならではかなと思う。

    1
    投稿日: 2025.08.26
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    「愛する」とは相手の何を愛しているのか? 我々は恋愛や結婚だけでなく、家族や職場、その他の関わりある人々について「愛」をもって接している その「愛」はどこから生まれてくるのか? その相手が実はまったくの他人だった場合に、その「愛」はどこまでが本物と呼べるのか? 夫が亡くなり、とあることから夫が全くの別人であったことを知る妻とその依頼で本件を調査する弁護士がそれぞれに辿っていく物語 名前や戸籍、過去を変えてしまわないまでも、自分の生活に当てはめて考えさせられる主題だった 目の前にいる「その人」の人生を、人間性を私たちはどこまで「わかった」と言えるだろうか? そして「その人」に抱いている感情は「その人」自身によるものがどれだけあるだろう 実は、その周囲の環境によるもの、社会的な風土や言説によるものにも多いに影響されてないだろうか? そして、そうした外的な要素は時代とともに変化していく そのような本人ではどうしようもないものを「その人」自身に良い方にも悪い方にも押し付けていないか? それでも「その人」を愛したことも事実 私は自分に置き換えて、どうあがいても目の前の「その人」を全て理解することはできないと割り切った上で、それでも共に過ごした時間や思い出は「事実」そのものであると受け止めて、愛し続けたいと思った たとえ、実際にはそこまで綺麗に割り切れないものばかりでないとしても、だからこそ共にした事実だけでも愛し続けたい

    0
    投稿日: 2025.08.25
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    事件としては、ミステリー要素であるが、内容は、他人の人生だったら?本当の自分とはるなどについて考えさせられる要素が盛り込まれている。 これまで、小説を読んでから映画を見たことがないのだが、今回チャレンジしてみようかと思う。

    0
    投稿日: 2025.08.23
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    ミュージカル鑑賞にあたり読了。 こんな小説があるのかと圧倒された。素晴らしかった。 きっと城戸はもう依頼人に入れ込むことはなく、割り切ることで自分の幸せを保つのだろう。

    2
    投稿日: 2025.08.16
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    ボリュームが気にならないほど面白かった。ミステリー要素もありつつ、謎の対象だけでなく、その謎を追う人物自体にもスポットライトを当てている構造が新鮮で、かなり読み応えがあった。ルーツに関する話は、思わず現代の日本の雰囲気を重ねずにはいられなかった。 女性の描写がところどころ引っ掛かりはしたけど、そこも含めてリアルなのかもしれない。 立体的で厚みのある物語。

    2
    投稿日: 2025.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大祐が別の人物だという前書きからミステリーだと思ってたら、 心のうちを鮮明に描写していたり、 人間としての存在に触れるような、 とても考えさせられる描写だった。 面白かった!

    1
    投稿日: 2025.08.14
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    「愛したはずの夫は、”まったくの別人”だった」 という、あらすじの記載から、妻がその夫の真実を調べていく物語かと思っていたが、そうではなかった。 城戸という第三者がその真実を調べていくことでこそ、その夫の正体の全てが明らかとなっていく中で、客観性と主観性、そしてその夫の境遇への共感すらも感じさせる構成となっている。 城戸視点の中で述べられる在日についてとその差別に関する話は、最初はノイズのようにも感じたが、このエピソードがあるからこそ、城戸という人間が調査することによる意味が深まっていくんだと感じられた。 どうすればそんなことができるのかは、いまいちよくわからなかったけど、そんなことができるとしたら、確かにそういうニーズはあると思ったし、どうしようもなくやるせない境遇に置かれた人達にとっての救済ともなるのだろうとも思った。 この夫が死んでさけいなければ、悠人や花ちゃんらは平凡で変哲のない幸せな暮らしができていたんだろうなと思ったし、彼らにとっては確かに本当にいいお父さんだったんだろうなというのが凄く伝わってきた。

    2
    投稿日: 2025.08.13
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    あらすじで引き込まれます。なぜ別人なのか?が掘り下げられ気になって気になって一気読みしました。面白かったです。

    0
    投稿日: 2025.08.11
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    「じゃあ、……僕の『谷口悠人』って名前は、……何なの?」 この台詞に胸が痛くなった。 愛した人が別人だったら?という主題は妻目線だが、子ども目線に置き換えるとまた別の深刻さがある。慕ってた父親が偽りだったならどう思うだろう。 城戸を通して、ある男の正体を探る物語を追いつつ、アイデンティティを巡る問題や物事を無闇にカテゴライズすることの暴力性、人間の人格形成について共感するところもあり考えさせられた。差別や偏見という問題にも通ずる。 愛にとって過去とは何か? という問いに対して、様々な視点が展開されるが、登場人物達は(主人公の周りの女性陣は特に)前向きに捉えてるのが印象的だった。 他人の人生を通じて自分の人生に向き合うことは、小説や映画など、物語に触れ合うことで多くの人が体験しているだろう。 城戸の「他人の傷を生きることで自分自身を保っている」と言う言葉は、2周目以降で理解できるようになるため、何度も読み味わいたくなる本。 物語の中に出てくる城戸の思考に共感をしつつも、夫婦生活においては、家庭が第一優先である香織の気持ちは当たり前だと感じるし、香織と直接話し合いをせず自身で離婚を仄めかす城戸に対して、自分の中で考えを完結して抱えすぎではないかと突っ込みたくなった。

    0
    投稿日: 2025.08.11
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    本当に読むたびに作風が変わる作家なんだと驚いた。人がなぜ小説や映画を、物語を求めるのかが「人の人生や物語を通して自分の人生の問題に向き合う」というような表現をしていてなるほどと思った。映画も見てみたい

    1
    投稿日: 2025.08.06
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     この数ヶ月、父から借りていた本を読んでいました。21冊もあったので、出来るだけ早く読んで返却することを最優先にさせていたので、感想を書く余裕がありませんでした。  ここからは、自分のペースで読み進められるので、しっかり感想を書いていく予定でいます。  さて、本作を読んだきっかけはミュージカル化される舞台を観に行くことが決まったからです。  最初は未読のままで観劇する予定でしたが、現在と過去の登場人物が同時に舞台上に存在する演出であると聞いて、混乱を避けるために先に読むことにしました。  読後の感想をひとことで表現するならば「もやもやっとしている」となります。  けど、それはきっと作者である平野先生の狙いなんだろうなと思っています。  自分が城戸だったら、Xだったら、どうしますか———?  そういう問題提起の作品なのだろうと。  そして、今はこの「もやもや」っとしたままにしておこうと思います。  そのままの気持ちでいて、観劇した後で自分がどう思うのか———?  果たして、この「もやもや」は解消されるのか、もしくは、もっと「もやもや」するのか。  それが楽しみにもなったので、今言えるのは、先に読んでおいて良かったということですね。  観劇後に再読した上で、きちんと感想を書こうと思います。

    0
    投稿日: 2025.07.30
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    城戸の出生とか人生の在り方に話を割く事が多くて、『谷口大祐』が何者なのか調査が進んでるようで進まなくて、途中で飽きてしまいそうになった。 自分の出生とか人生に不満があって、リセットする為に戸籍を入れ替えて別の誰かの人生を生きる。 別の誰かを生きるって憧れるけど、自分がどこの誰なのか分からなくなりそうで、それは怖いなあと思った。 愛した人の過去は大事なのか。 今自分に見せてくれてる姿がその人の全てなんだと思えたらいいよね。

    0
    投稿日: 2025.07.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終わった後にもう一度ら丁寧に読みたいと思った。 思わず小説を読んですぐに映画も見た。 小説を読んでから映画を見たのでストーリーは終えたが、小説を読んでいないとこの映画は一体何を伝えたいのか伝わってくるのだろうかと思ってしまった。 逆にいうと、小説を読んで初めて何を伝えたいのかがわかる作品であり、著者の言葉選びが非常に逸脱であるという事を思い知らされる。 ただその作品は小説も読んで映画も見ると、よりその深みが増すというか、それぞれに訴えたいものが違うように自分には思えた。どちらもそれは大切なことで、小説で言葉にするからこそ意味のある事、映像となるからこそ伝わってくるものがあるように思えた。 そういう意味ではこのある男という作品はどちらも丁寧に自分に落とし込まなければならない作品のように感じられる。 過去があっての自分という事は当たり前のように言われて、確かにその通りなのだが、もしその過去が自分にとって忌まわしいものであるなら、それをある意味受け入れて生きていく自分は本当の自分であると言えるのか。他人の人生を背負ってでもそこから先を幸せに暮らせたら、それもまた自分の人生なのか。 他人になりすまして生きていくという事が自分にとってどういう意味になるのか。 本当に色々と考えさせられる作品でした。

    0
    投稿日: 2025.07.27
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    結局、人に絶対性はなく関係性のなかで役割を演じているのかもしれない。著者が主張していた分人を問い直したような小説ですね。

    0
    投稿日: 2025.07.22
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    本作が映画化されているのは知っていたけど、今度ミュージカル化されるとか。 色々と考えさせられる内容が多すぎて、消化出来ていないけれど、感じたのは、どんなことにも正解はなく、正しいも間違いもないってこと。 どんな人生にも正解はないし、そもそも自分だって、自分を演じて生きてるわけだし。戸籍を変えてみても、その人になる訳でもない。 どうしても戸籍を変えて別の人物になりたいと思う時は、他人からの偏見や差別にあったときだろう。加害者家族という立場を「気にするな」と言われても、本心で言ってるのか、当の本人は、一生、疑い続けねばならない。 でも、自分でない人物の過去まで演じるのも、気持ちがいいものでもない。それは自分ではないのだから。自分の境遇をなんの偏見もなしに受け入れてもらえる世界をどれだけ夢見たことかと思うと不憫でならない。 本当は星5でもいいのだけど、個人的に最後がサラリと終わった感じがしたので、星4にしました。

    14
    投稿日: 2025.07.18
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    なんか、意外となんとも思わなかった。 特に感想なし。 普通な人の探偵の話なのになんかオチが薄い。 監獄の誕生面白いのはめっちゃ同意。

    0
    投稿日: 2025.07.15
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    ちょっとキザな文体だったけどじきに慣れた。 城戸と作者が会ったのは谷口ダイスケの謎が解ける前だったのか それとも、その後かも気になった。 大きな秘密を抱えたままでも、家族と絆を育んだXの方が遥かに幸福だったんだろうか。 むしろ、Xと同じようにこの幸福を維持するために、妻の秘密はなかったことにしたのか。 でも気持ちがありながらも一線を超えず建て直しをはかる城戸より、不誠実だなあと感じずにはいられない。 本物の谷口ダイスケと、美涼から語られるダイスケのギャップも薄寒く 再会後の描写がなかったことからもあまり気持ちの良いものではなかったんだろうなと。

    0
    投稿日: 2025.07.08
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    途中の作者の趣味である知識のひけらかしがいまいちしっくりこなかった。 よく知らない北欧神話や、よく知らない音楽。 村上春樹の下位互換のような文章だった。 先が気になって読んだけど、オチもこれといってしっくりこなかった。

    0
    投稿日: 2025.07.07
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    名前をロンダリングするとは思いもしませんでした.原誠の心情を自分に置き換える想像をしただけでも息苦しくなります. 心の底から幸せを感じることは誰でも多くはないと思います.それぞれの人らからそんな事を感じました.

    0
    投稿日: 2025.07.07
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    過去は、ある人にとっては自分の生きた軌跡が無視され、勝手に自分というものを判断されてしまう憎いもの。 でも誰もが他人の事なんて判断できなくて、怖くて、だからこそ過去を聞く。 でもそれは、偏見を伴う...堂々巡り。 ぐるぐるぐるぐる考えたけど、どうすればいいかわからなかった。 この本を納得いくまで落とし込むにはまだ時間が足りないな〜 歳を重ねてまた読んだ時に何を感じるか気になる。

    1
    投稿日: 2025.07.06
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    平野啓一郎さんの長編小説、2冊目。 星を4か5で迷っている。 在日、殺人犯の息子、など自分の持って生まれたアイデンティティを変えたいとする人々のドラマ。在日3世の弁護士。事故で夫を亡くした妻。バーで働く元カノ、実兄、10歳の子供。 それぞれ興味深い登場人物で、腑に落ちる心理描写というか、行動で、読み進めていくのが楽しかった。 彼の小説で面白いのは、「浅草物語」、ナルキッソスなどの引用が登場人物たちの心情を表現するのに用いられていることで 小学生が作った古墳公園での俳句も良い表現になっていた。 本が大好きな人が書いた小説というのが伝わってとても読み応えがあった。 途中で終わってしまったような感じがしたのでやっぱり星4かなと思う。 すごく力強い小説だったことは確か。

    0
    投稿日: 2025.07.06
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    過去を捨てて新しい自分を生きる。人生を全て捨てるってのはなかなかに覚悟があるなと思ったが、過去を捨てることも一つの生き方だなと想った。

    6
    投稿日: 2025.07.01
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    ミュージカル化するということで、キャストさんでイメージして読んでみました。 自分の人生は特に面白いこともなくつまらないとおもっていたけれど、傷だらけの人生をリセットして転生したつもりで今を生きることで、より全てに感謝して前向きに生きられるかもしれないなと思いました。

    2
    投稿日: 2025.06.30
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    他人と名前を交換し、表面的な名前だけでなく、その後の人生を丸ごとその人になりきって生きるのはどういうことか。 朝鮮人の曾祖父母を持つ弁護士(いわゆる在日3世)は、既に生まれた頃から日本に住んでおり、周囲の差別とはほぼ無縁であった。 それでも自分のルーツを知る妻や親戚から、差別についての心配を受ける度に、逆にその出自が意識に上ることになる。 そんな弁護士が、依頼人の亡夫が生前他人と名前を交換していたのではないかという事例を扱うにあたり、過去をすべて投げ捨てて、他人の人生を生きるのはどういうことか回想する。 例えば殺人犯の親から生まれた子どもは、たとえ本人にその意識がなくても、その凶暴さが遺伝しているのではないかと周囲から仄めかされるにつれ、自分自身もそれを内在化してしまう可能性がある。 そのように、人はどんなに努力しても過去屋出自と全く無縁ではいられず、隣の芝生が青く見えるということは多々ある。 そんな時、自分の過去を捨て去り、他人としての未来を生きられるなら… もし愛する人から、自身の名前と過去をリセットしたことがあると打ち明けられた場合、その過去も含めて愛することができるだろうか…。それとも、リセットした後の今の存在のみに焦点を当てられるか、はたまたその嘘に憤慨するのか。 これは永遠に答えの出ない本書からの問いだと思いました。

    18
    投稿日: 2025.06.28
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    読書で人が救われる気もするし、読書家に畏敬がある。他人の人生を生きると、過去の自分が薄れていく、所詮自分の過去の積み上げはそんなものなのかもしれないし、人の過去なんてわからない。 他人になりすますヒリヒリ感、感じてみたい。

    2
    投稿日: 2025.06.24
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    句点の多い文章がどうしても肌に合わなくて、半分ほど頑張って読んだけど断念した。 ストーリーや文体はとても惹かれる。素晴らしい作品だと思う。 でも句点多過ぎて読むときにいちいちつっかえてしまう。その独特の文章のリズム感も高く評価されているのかもしれないけれど、わたしは文章読むスピードを邪魔されてるみたいに感じてイライラした。 評価の高い作品だからせめて最後まで頑張って読みたかったけど、本当に句点多いのがイライラしすぎて無理だった。 映画の方観ようと思う。

    1
    投稿日: 2025.06.24
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    先に映画を観ていると、どうしてもそちらのイメージに引っ張られる。まあ、でも、ずいぶん前に観ているから大丈夫だと思うけれど。全体としてはずいぶんと重たい話だけれど、素直に読み進めることができた。ヘイトスピーチのこととか、ちょっとしんどくなることもあったが、スコーピオンズとかUFOとか出てくるあたりはぐっと共感できた。しかし、城戸さん鈍感すぎますよね。美涼って四十代だったのか。清野菜名をイメージして読んでいたかららちょっとびっくりした。まあ、確かに大祐と同級生なわけだから、それくらいなわけだ。もともと映画でも美涼だけちょっと浮いていたような気もするしなあ。「愛は変化するから持続できる」か。これはもう動的平衡だなあ。生命そのもののようだ。おっと、城戸さんはちゃんと気付いていたのか。見ようとしたわけではなく、偶然目に飛び込んできたライン。嫌だよなあ、それ。僕にも同じような経験がある。見なかったことにしておくしかないのだろうなあ。中学生の悠人は平野啓一郎自身なんだろうか。なんとも早熟だ。とにかく芥川の「浅草公園」を読んでみないといけないかなあ。「愛に過去は必要なのだろうか?」全部ひっくるめて愛さないといけないのか。そんなことはないだろうなあ。すべての分人を知る必要もないと思うし。最終盤、悠人が涙ぐむ場面で僕も涙がこぼれそうになった。3年9ヶ月幸福だったというのが救いだなあ。いい話だった。(「浅草公園」読んでみたけれど、残念ながら何も得るものがなかった。)

    3
    投稿日: 2025.06.20
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    新着感想でぼかしなしのネタバレが多く見られるので、前知識なしで読みたい人は気をつけてください。 愛した人間が全くの別人だった、という設定でミステリー要素と平野啓一郎さん特有の細やかな心理描写を両方楽しむことができました。 生まれや育ち、経験や環境を取り払って本来の人間性を見抜いて欲しいと願う気持ちは、人生に重りがついている人間は誰しも一度は他者に望んだことがあるのではないでしょうか。 アイデンティティとは?愛とは何か?を考えさせられ、読後感が尾を引く満足感のある作品でした。

    8
    投稿日: 2025.06.15
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    「あの人は、本当に“ある男”だったのか?」 亡くなった夫が“別人”だったーー。 そんな衝撃の依頼を受けた弁護士・城戸が追いかけるのは、ある男の「正体」と「過去」。名前、経歴、すべてを偽っていた男は、いったい何者だったのか? なぜ、他人の人生を生きていたのか? 物語はミステリー仕立てで進んでいくが、真に問いかけてくるのは、「人間の本質」そのもの。人は、名前や経歴で定義されるのか? 本当の自分とは何か? 誰かにとっての“良い人”であれば、それが偽りでも意味があるのか? 静かな筆致で深く掘り下げられるテーマに、読み終えたあともしばらく思考が止まらない。重くて深くて、それでも心を打つ傑作。ミステリーであり、哲学小説であり、優しい人間讃歌でもある。 「人は、なりたい“誰か”になってはいけないのだろうか」――そんな問いが、胸に残ります。

    5
    投稿日: 2025.06.12
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    マチネの終わりに、もそうだったが、淡々とした哲学的な思考に近い部分が難しいと感じる部分も多かったが、自分とは何か、愛とは何か、という深い命題が隠れており、現代にもある在日朝鮮人の問題など様々な方向にその命題が広がって、とても考えさせられた。特に、愛に過去は必要か、という点に関しては、人間を見る中で少なからず過去や周りの状況をもって判断している部分があると感じ、難しい問題だと感じた。

    1
    投稿日: 2025.06.10
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    ずっと読みたかった本でやっと読めた 糸をたぐって真相に迫っていくという表現が一番似合うミステリーだった。

    1
    投稿日: 2025.06.10
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    犯罪加害者の息子、それも同級生が殺されてるなんて、自分のルーツを消し去りたいと、思うだろうな。わからなかったのは、その殺人者が、優しい絵を描いていたこと。そんな非道な人でも優しい絵が描けるのかな。私は最後まで、それは冤罪だったってオチがあるんじゃないかと思って読んでいたけれど。冤罪ではなかったんだ。。。

    1
    投稿日: 2025.06.09
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    最後、含みを持たせたまま終わっていて、それぞれの登場人物たちのその後がすごく気になる。 かなり奥深い質の高い物語なのに浅い感想しか出てこない自分が不甲斐ない。

    11
    投稿日: 2025.06.08
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    事故で死んだ夫の名前や過去が実は別人のものだった。依頼を受けた弁護士が謎に迫るというエンタメ小説だが、家族や夫婦の愛情、人と人との関わりについての本質とを考えさせるテーマで読みごたえがあり、とても面白く読むことができた。作者本人を直接に投影しているわけではないだろうが、登場人物の言動に作者の主張や趣味、考え方がストレートに現れ過ぎているようなところがあり、少し平板に感じられる。

    4
    投稿日: 2025.06.08
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    自分とは何なのか、何をもってその人とするのかについて、哲学的な問いを投げかけられる作品。 自分は過去があるから、私なんだと思う。過去無しで自分を語れば、それは私にとっては私じゃない。 違う過去を語った瞬間、それは違う誰かになってしまうし、私は身近な人に対してもその態度を求めている。 でも、そう言い切ってしまうことは、人によっては残酷で、そうあるべきと求めることは過度で傲慢な態度なのかもしれない。そんなことを考えさせられた作品だった

    15
    投稿日: 2025.06.08