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宝島(上)
宝島(上)
真藤順丈/講談社
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総合評価

43件)
3.9
12
14
12
1
0
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    9月に映画を見てから読み始めた。 戦後の沖縄を舞台に、米軍に対抗しながら生きてきた沖縄人の慟哭が詰まった内容だった。 飛行機墜落のシーンつらすぎ…。 他にも辛いシーン、暴力的なシーンがたくさんある。苦手な方は要注意。 あーあ。なんか疲れたな。(いやな疲れではない) 届きそうで届かない英雄オンちゃん行方不明の真実。 後半に続く。

    30
    投稿日: 2025.11.06
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    直木賞 山田風太郎賞 沖縄書店大賞 細谷正充賞 数年前に単行本に挑戦するが、読みづらく数ページであえなく断念。 映画化されたということで、再度手に取る。 全編、沖縄の語り部(ユンター)が語っているという形なので、正直読みやすいとは言えない。多くの言葉には沖縄弁のルビが振られており、それも読みにくさを増す。途中でまた断念しそうになった。 しかし、この書き方により、沖縄で起こっているという臨場感が感じられる。この本の作者が東京出身とは驚きだった。 血なまぐさいシーンが多く、私は得意ではないが、戦中戦後の沖縄を知ることができてよかった。 とりあえず下巻に進みます。

    23
    投稿日: 2025.10.25
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    2018年直木賞(下半期)受賞作 1950年代の沖縄の物語 戦果アギヤーのリーダーでコザの英雄オンちゃん オンちゃんの弟で荒くれ者のレイ オンちゃんの親友でいい意味で普通のグスク オンちゃんの恋人ヤマコ 埃っぽい情景が浮かぶ中で熱い人間模様が描かれる。ちょっと垣根涼介のワイルドソウルを読んだ時の感情を思い出したな

    0
    投稿日: 2025.09.27
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    どんな小説か、言い表すのが難しい……! 戦後の沖縄で、若者たちが命を燃やして暴れまわる物語、といえばいいのか… あるいは、「沖縄」というものに魂があるのであれば、それを描いているとでもいえばいいのか。 うまく言い表せないけれど、これは大作。 近年の小説の中で、これだけ骨太な物語を持つ長編は稀なのではないかなあ。 なんとなく村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』を彷彿とさせる。 主要人物たちの名前がカタカナだからなのか、彼らの倫理観がぶっ飛んでいるからなのか、物語の中でくりかえされる破壊と狂騒の熱量が似ているからなのか、、、 早く下巻を読んで、読み終わったらいま上映している映画も観てみたい。

    1
    投稿日: 2025.09.25
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    いやいや、読んでいて想像できないくらい辛い。 沖縄の事はいろんなところで目にするが、学んだつもりだか、これは。。 積ん読の下の方にあって、私には読めないだろうと思った。でも幼なじみたちがそれぞれ警察官、教師、テロリストになると言う話は興味があって買ってしまったんだろうと。 映画化にもなると言うこと、戦後80年。目を背けてはいけない本。 移動中、一気に上巻読み終えて。 いや、辛い。 そんな陳腐な言葉しか出てこない私が情けない

    26
    投稿日: 2025.09.21
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    映画化の話題本 戦後虐げられてきた沖縄県民の熱さ コザのじっとりした暑さが本から滲み出す 物語はどんな結末を見るのか…

    0
    投稿日: 2025.09.17
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    感想は下巻にて✎☡ ✎︎____________ ふたつの目を開いて、命があるかぎりは走らんね。 生還こそがいちばんの戦果、だからおまえらはその命を持ち帰らんね。(p.42) われら沖縄人はみんな、いまのわたしやおまえとおなじ。呼吸もできずに青ざめているのさ。だがもっとたちが悪いのは、われわれが慣れる生き物ということでな。選択の自由のなさにも、海の底のように息苦しい生活にも慣らされて、地上に顔を出せばうまい酸素があふれていることも忘れてしまう。大切なのは、なにも疑問を持たない状態におちいらんことさ(p.83) おまえたち若いのはきっちりと刑期をつとめて、大手をふって社会に出ていかなくちゃならない。塀の外でのこれからの人生にこそ、おまえたちの本物の闘争が待っているんだからな。(p.147) これからの闘争はどんな局面でも、玉砕であってはならん。生きて前進することでしか輝かしい〝戦果〟は得られん。それを世界のどの民族よりも知っているのが、われら沖縄人ではないかね(p.152) この世界には、いったん転がりはじめたら止められないものがあるさ。貧乏とか病気とか、暴動とか戦争とかさ。そういうだれにも止められないものに、待ったをかけられるのが英雄よ。この世の法則にあらがえるのが英雄よ(p.156) そもそも教養があって、法や人権を重んじられる人間は兵士に向いていない。素朴な田舎者をためらいなく敵を殺せる機械に変えるのが軍隊というところだから。(p.208) この島にかぎっては、みんながみんなそうなんだよね。 自分だけやあらん。だれにでも大事な人を奪われた過去がある。 消えかけた希望を、離散や死別を、失った過去をひきずりながら。 それでもたいていの島民が、きちんきちんと日々の暮らしを営んでいる。 現実と向きあって、明るく、強く、生活や仕事に根を張っている。 それが大事なことだと知っているから。さもなければ過去の亡霊にとらわれて、死んだように生きることになると知っているから。 毎日生きなきゃならない。毎日生まれたばかりのように。(p.253) おれは最近、思うんだよな。ほんとうに目の仇にしなくちゃならんのはアメリカーよりも日本人なんじゃないかって。デモで声を上げるのが民主主義の基本だなんて復帰協は言うけど、この島の人権や民主制はまがいものさ。本物のそれらはもうずっと本土のやつらが独り占めにしてこっちまで回ってきとらん(pp.306~307) 日本人だって無関心な人だけやあらん。本土にだってこの島の政策に異議を唱える人はいて、そういう人たちとあたしらの点々としたつらなりが、暗いところから見上げる星座みたいにだれかを励ますときがあるんだよ(p.308) どんなときでも淘汰できないもの、君たちはそれをなにより大切にすることです──(pp.337~338) 魂を落としたならなんべんでも魂込めをしたらいいのさ(p.443) 恨みや憎しみで目を曇らせたらならんよ(p.444) たびかさなる弾圧や戦争を生きのびた年寄りが口にする〝なんくるないさ〟に勝るほどの助言はそうそうあるもんじゃないさ(p.444)

    61
    投稿日: 2025.09.15
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    ー われら沖縄人はみんな、いまのわたしやおまえとおなじ。呼吸もできずに青ざめているのさ。だがもっとたちが悪いのは、われわれが慣れる生き物ということでな。選択の自由のなさにも、海の底のように息苦しい生活にも慣らされて、地上に顔を出せばうまい酸素があふれていることも忘れてしまう。大切なのは、なにも疑問を持たない状態におちいらんことさ ー ずっと、ヒリヒリする作品。 何かが起きそうな、何かを起こしたくなるような。

    0
    投稿日: 2025.09.01
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    最初は少し読みづらかったけど途中から続きが気になってするする読めた。 沖縄のこと、知らないことが多い

    0
    投稿日: 2025.07.29
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    戦争の傷跡、戦後の混乱、アメリカ占領時の沖縄で、実際の事件とリンクさせながら、それぞれ必死に生きる若者の物語。結末は、私的には納得でした

    1
    投稿日: 2025.07.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞受賞作ということで、前から興味はあったのをやっと読み始め。 今の所、宝島感はないストーリー展開。 所々に沖縄弁(あってんのかな?)の台詞があって意味というか意図が分からない部分がなんか、入って聞けないなぁと最初は思ってたけど、意外となれるもんだな。 ストーリーの戦後沖縄。教科書程度の知識と勝手な想像での世界観とは異なり、生きるだけでも大変な世界。色々考えさせられる。 話の展開からしてもどう考えても所謂ハッピーエンド機なならない予感しかしないな。 どうでもいいけど、上と下の厚さが違いすぎてびっくり。

    9
    投稿日: 2025.06.07
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    5/22〜6/1 最初はちょっと読みにくく、「これは離脱コースかな…」と思ったけど60?ページあたり(キャンプ嘉手納らへん)から面白くなってきたぁぁああ! それでも若干難しい場面はあったけど、日本人として考えさせられる場面もあり…… 早く下巻読みたい〜〜

    0
    投稿日: 2025.06.01
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    最初は読みづらくて失敗したかなと思ったけど、どんどん没入していく感じがありました。 登場人物の汗が額にしたたる感じまで自然と想像ができる本で、映像としてみたいと思えました。

    1
    投稿日: 2025.02.24
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    「戦果アギヤー」と呼ばれる米軍施設から物品を強奪して市井の人々に配っていた、現地の英雄について描いた作品。 妻が出身なこともあり、沖縄に興味がある為読んだが、結構難しかった。内容が理解しづらい、ということはないが、独特な表現が多く、読んでも目が滑る感覚で、あまり中身が入ってこなかった。 とはいえ、直木賞受賞作であるので、流石のエネルギーは感じた。コザ・そして沖縄に住んだ人々の魂の叫びがこの作品には詰まっている。

    12
    投稿日: 2025.01.09
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    戦後の沖縄を舞台にした仲間4人のお話でした 沖縄って大変だったんだなと感じた 米軍相手の商売で成り立っていた感じかな 仲間たちはそれぞれ成長しそれぞれの道を行く 英雄の行方が気になってしょうがなかったです 生死もわからなかったし・・・ 下巻も楽しみです

    17
    投稿日: 2024.11.29
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    沖縄の本土復帰前に、こんな悲劇が起こっていたとは…。 日本の復興は、多くの犠牲の上に成り立っていることを忘れないためにも、多くの人に読んで欲しい直木賞受賞の一冊だと感じた。

    1
    投稿日: 2024.08.22
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    まだ沖縄が日本に返還される前の時代、 在日米軍の基地から物資を奪う戦果アギヤーと言われる集団。 そんな若者たちの魂の物語。 想像以上にエンタメ要素も盛り込まれ、引き込まれる内容だった。 英雄と呼ばれた戦果アギヤーはどこへ消えたのか? 読者を引き止めるしっかりとした謎を根底に、 当時の沖縄の現実をしっかりと描く構成力。 どれをとっても引き込まれる物語であった。

    0
    投稿日: 2024.06.22
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    第一部・二部をまとめた厚さもスルッと読め、物語の熱さにうなる。 米軍統治下で彼らに抗ってきたウチナンチュ、その中でも英雄と称えられた男の失踪と、彼に最も近い親友、恋人、弟のその後の人生を、これまであまり触れることになかった返還前の20世紀中盤の沖縄史とリンクさせて描いているが、思った以上に壮絶であり、これが返還後50年経った現在にも影響があるのでは、と感じるところがあった。 沖縄へはまだ行ったことがない。下巻まで読みきってその地に行くことがあったら、どんな景色を見るのだろうか。

    1
    投稿日: 2024.04.05
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    沖縄一人旅を機に読んだけど、すごく面白い。アツい。沖縄という、いろんな歴史を持った土地で暮らし、その歴史に翻弄されながらも強く強く生きていく人たちの物語。 消えてしまった英雄オンちゃんを追いつづけながら、警察、テロリスト、教師にそれぞれ成長したグスク、レイ、ヤマコ。それぞれの思想や生き方の中に、沖縄への地元愛やオンちゃんへの愛や執着があって、それぞれ一生懸命生きてて。守ろうとして傷つけたり、頑張ろうとしても力が足りなかったり、必死にそれぞれの場所で足掻いてる。 力強い語りに本当に胸が熱くなる。 戦争時のガマでの話や、米兵の幼児殺害事件や、アメリカ機が小学校に墜落するところ、戦果アギヤーという存在、沖縄が抱えてきた苦しみや文化にシンプルに驚愕しながら読んでる。下巻も楽しみ。

    1
    投稿日: 2024.04.01
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    直木賞受賞のニュースを見てから、ずっと読みたかったけど全然古本屋に出回らず後回しになっていた作品。 大好きな沖縄の暑さ、湿気までも伝わるとともに、知らぬふりをしていた戦後の沖縄の状況が痛いほど伝わった。 アメリカ人と結婚してアメリカに住んでいる私に出来ることはなにか考えさせられた。

    2
    投稿日: 2023.12.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「宝島 HERO’s ISLAND」。 文庫で上下巻。 コザが舞台の中心になる小説を読むのは、池澤夏樹「カデナ」に続いて2冊目。 時代的にも近いので、互いの理解が進んだ。 20年のスパンの物語なので、人も変われば時代も変わる。 Bob Dylan「Blowin' in the Wind」……。 本格ミステリとは違うが、いわゆる謎の引っ張りと、その真実が明かされる構成も、いい。 が、もっともいいと思ったのは、地の文の語り手が、土地の語り部、というところ。 口調はのんきだが、厳しい現実を見聞きしてきたことがわかる、ゆんたく。 語り部が、いわばカメラを当てるように視点人物(主に3人)に憑依して、語るのだ。 うがひゃあ! あきさみよう! たっぴらかすよ! かしまさんど! とか、言葉がいちいち上等ですね。

    9
    投稿日: 2023.11.14
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    第160回直木賞受賞作品。 独特の文体で語られる物語は正直読みにくく、自分の好みではありません(笑) しかし、テーマ自体は、沖縄の戦後史という形で、メッセージとして刺さってきます。 戦後から返還前の沖縄の物語、沖縄の人々の苦悩、哀しみが感じられる物語でした。 上巻では、 戦後の沖縄で、米軍基地から物資を盗み、人々に配る「戦果アギヤー」。 英雄のオンちゃん、グスク、レイ、3人を見守るヤマコ。 嘉手納基地を襲撃し、米軍に追われ、結果オンちゃんは行方不明に。 オンちゃんをの行方を思う3人。 ヤマコは女給から教師へ。レイはヤクザ、グスクは警官となって、それぞれの道を歩んでいきます。 行方不明のオンちゃんは? そういった中で語られる、戦中、戦後の沖縄の現状。 沖縄人たちの思い、憤りが伝わってきます。 沖縄の基地問題の根っこの部分がわかります。

    56
    投稿日: 2023.10.15
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    読了まですごい時間かかった。テンポよく読めない。沖縄ことばのルビかもしれないし、話しことばのような文体のせいかもしれない。 それはそれとして、沖縄は辛い経験をしてきたことがわかった。気楽に沖縄へ行けなくなった。(行ったことないし行く予定もないけど) 後半、下巻に向けて話が盛り上がってきた。下巻に少し期待。

    2
    投稿日: 2023.10.08
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    先日、沖縄に行ったこともあり贔屓目があるかもしれないが、非常に面白い上巻だった。沖縄の地理も頭に入っていたので地名が出ても、あのあたりかなと想像ができ、絵が浮かんできた。 戦果アギヤーと言われる戦後沖縄の英雄たち。オンちゃんを中心に、グスク、ヤマコ、レイの生き様が描かれる。アメリカの占領下での厳しい生活の中、内地に住む私たちの感覚と違う現地の人の心がよくわかり、彼らの矜持というものが垣間見えてくる。 灼熱の太陽に爽やかな南風。しかし、どこか悲しい空気が漂う沖縄と言う土地を感じた。

    50
    投稿日: 2023.09.19
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    伝説の戦果アギヤー、おんちゃんはカデナ基地を襲撃した後に行方不明になる。 行方を探るグスクとレイとヤマコ、アメリカーやヤマトへの怒りを胸に違う道を歩み、返還へと向かう時代を見つめ、最後におんちゃんが残した予想外の戦果の意味を知る。直木賞受賞の歴史エンタメ。 島津藩の侵略から現代に至るまで、日本政府やアメリカの統治の中で人と扱われぬ日々を生き、時代に翻弄される沖縄の人々の怒りを代弁したような、とても読み応えのあるお話でした。特に、返還では政治家の間で交わされた約束で、島民の悲願だった基地は残ると知った時のヤマトへの絶望とやるせなさ、それは現代までつながっているお話なのだと思います。まぎれもない宝島、その宝を吸い尽くして知らぬ顔を決め込む我らのなんと醜いことか。 これはもうもちろん佐古忠彦さんのカメジローシリーズ(映画)と一緒にどうぞ。

    3
    投稿日: 2023.08.07
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    終戦後から、アメリカからの返還までの沖縄の現実。1972年沖縄返還から、50年が過ぎました。 アメリカ統治下の沖縄がどのような生活だったか、どんな圧迫を受けていたか、沖縄の戦争は終わっていなかった様子が、ノンフィクションのように迫ってきます。 今まで、この時代の沖縄の作品は初めて読んだと思います。沖縄の尊厳を守るように戦う人達。 アメリカ兵により理不尽な犯罪。ベトナム戦争の基地としての役割。 三人の友人達のそれぞれの立場からの戦いを描きますが、彼らに悲壮感を感じない。強かさな生きる力を感じる。 それは、真藤さんの文体や、沖縄の方言を豊富に使いながら沖縄に寄り添った創意によるところかと思う。 なんだけど、読み慣れるまでストーリーが読み取れず苦戦しました。

    54
    投稿日: 2023.07.13
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    真藤順丈の宝島を読みました。 終戦後、返還前の沖縄が舞台です。 アメリカの倉庫から物資を盗む戦果アギヤー、ねずみ小僧のように恵まれない人に物資を置いていきます。 その、英雄がオンちゃんで、そのオンちゃんを慕う三人の物語です。 オンちゃんが好きなヤマコとレイとグスク ヤマコは女給から先生になり、レイはヤクザ、グスクは警官とそれぞれの道を歩んでいきます。 米軍の兵士の治外法権のような理不尽なことは、当時本土にも伝わってきましたが、ニュースでは傍観者のようでしたが、この本を読むと当事者の憤りが伝わってきました。 451ページはなかなか読み応えがありました。 お勧めの本です。

    6
    投稿日: 2023.05.12
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    当時の沖縄にいた戦果アギャー、グスク、レイ、ヤマコ、そしてコザの英雄オンちゃんを中心としたミステリー。実際あった事件や人物も登場し、語り部(ユンター)を通した第三者目線から語られるストーリーは非常に新鮮に感じた。本土と沖縄の人の間にある意識の差など、沖縄問題に揺れる今だからこそ読むべき一冊だと感じた。

    4
    投稿日: 2022.09.18
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    沖縄の方言や独特の言い回しが多く、読みにくい シナリオも正直微妙 沖縄の戦後史を知るという意味では非常に良い作品だと思う

    4
    投稿日: 2022.09.04
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    面白くて数日で一気読み。 物語に引き込まれ、戦後沖縄の歴史(教科書ではなく現地の実状)を知ることもでき、大満足。 下巻も楽しみ。

    2
    投稿日: 2022.08.22
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    この夏1番の熱を感じた作品。動乱の沖縄を生き抜くそれぞれの想いに胸打たれる。沖縄の歴史に考えさせられることも多かった。

    2
    投稿日: 2022.08.17
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    戦後直後の沖縄の物語 史実と絡めながらのストーリー展開だったので、途中で事件のWikipediaも読みながら読了 やや話としては長いが、自分の当時の沖縄にいるような感覚になるような表現が多くてとても入り込めた 幼なじみの心理描写もすごく丁寧で共感できた。。 沖縄の人たちはいつも犠牲になってるんだと改めて感じた

    2
    投稿日: 2022.08.11
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    沖縄本土返還50周年を機に読んでみた。 国のせいで苦難が多くて本土のこと許してくれるんやろうか。 4人の幼馴染がそれぞれヤクザ、警察官、教師になって行方不明になった英雄の謎を追う。

    4
    投稿日: 2022.07.07
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    沖縄返還50周年、そして慰霊の日(6/23)に合わせて。最初はちょっと途惑うが、島言葉を織り交ぜた語り口が特徴的。時代の波に翻弄される4人の沖縄人の物語。アメリカ占領下の象徴的な事件・事故を絡ませながらの展開は、瀬長亀次郎の登場あたりから俄然熱を帯びてきて、ページを捲る手が止まらなくなる。即下巻へ。

    9
    投稿日: 2022.06.21
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    ウージ(砂糖黍) 振り払えない数多の記憶 ユンター(語り部) 雄々しく呼吸を深めて 戦果アギャー(戦果を挙げる者) 怠りなく準備をして 嘆きや憤りが混淆(チャンプルー)された表情は張り詰め過ぎて あの戦争を生き抜いた島の女の金科玉条 意識の海を泳ぎ回る思念の魚を網にかけて、舌で鱗の一枚一枚を剥がすように吟味した。 どんな語り部(ユンター)でも太鼓判を押すだろう 稀代のアジテーターの面目躍如 ふした臥した男は衰弱し過ぎてた 与那国島の西崎から眺める夕陽の美しさ 悪霊(マジムン)達にも追いつかれない速度で走ってきた トロフィー・スカル グスクは城(キャッスル)という意味らしいね 軍司令部(ライカム)の主導で アメリカと琉球を架橋するのさ 壜ビール ちき知己を頼って 胸の高鳴り(チム・ドンドン) なき英雄の為の弔歌 しょこう曙光 ぎのわん宜野湾 ちき知己 擦り減った心身を癒すじう慈雨のような言葉に ごうぜん傲然と見下ろしている こうしょう哄笑 ユタの信仰や紐帯ちゅうたいになっていくもの ウタキ(御嶽おたけ) せいそう盛装の紳士淑女が杯を交わし

    2
    投稿日: 2022.05.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    歴史の本には語られない、戦後の米軍統治下の沖縄の様子が分かります。 第一部は、進んで読み進めるほどではなかったですが、第二部は、ハマっていきました。ただ、方言が多いからなのか、わたし自身、気持ちが寄り添えるほどの知識がないからなのか、今一つ現実味がなかったです。 今まで触れることのできた戦時中と戦後の日本の様子とはかなり違っていて、沖縄という地域での特殊性が色濃く出ているのかなと思いました。本当の部分がどこまでなのかはわかりませんが。 失った過去を抱えながらしなやかに生きる。それは一見強さを持った尊い生き方に見えるけれども、そうしなければ生きて行けない現実から、逃げられなかった結果の生き方とも言えるんじゃないかなと思いました。

    2
    投稿日: 2021.10.24
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    面白かったです。戦後の沖縄の様子が目に浮かびました(フィクションなのかもしれないけど…)。レビューにもあったように、たまに入ってくる作者の括弧書きコメントはたしかにいらなかったかもしれない…

    4
    投稿日: 2021.10.10
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    現代の沖縄の人はこの沖縄言葉の混ざった小説を自分たちの言葉として感じていけるのだろうか。読んで理解するより感じて心に響く沖縄返還前後のストーリー。なんだかよくわからない勢いに駆り立てられながら下巻へ。

    2
    投稿日: 2021.10.02
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    上下巻の本が続く。3連休でもあるし何とか上巻はいけるだろう。 1952年の沖縄、米軍基地に忍び込んで物資を奪う「戦果アギヤー」として活躍していたオンちゃん、グスク、レイと、オンちゃんに好意を寄せるヤマコ。 極東最大の軍事基地「キャンプ・カデナ」に忍び込んだ夜、米軍に追われたオンちゃんは行方不明になり、後に残された3人は紆余曲折を経て、グスクは警官に、レイはやくざに、ヤマコは教師になって、戦後の沖縄を生きる、というお話。 米軍施政下の沖縄で実際に起きた事件とやくざの抗争に3人の行動が絡まり合いながら熱くスピーディーに話は進む。 小学校への米軍機墜落事故の衝撃などを含め戦後の沖縄で生きる人々の苦難の暮らしもつぶさに描かれ、今更ながらにその歴史の中身を反芻したが、結構深刻な内容でありながら、語り部の合いの手もリズム良く、軽やかに語られたのはこの本の値打ち。 オンちゃんが消えた謎やその夜に探し当てた“予定にない戦果”を探る流れはまだまだ緩やかであったが、節々に挟まれる、刑務所の暴動、西原飛行場での抗争、ハーバービュークラブでの拷問、悪石島への暴風下の航海、高等弁務官の暗殺阻止などの活劇の疾駆感には血が騒ぐ。 一方で、グスクが刑務所でカチャーシーを踊る場面の浮遊感やヤマコがオンちゃんへの未練と訣別する場面のきっぱり感も良かった。 ★は下巻にて。

    6
    投稿日: 2021.09.22
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    沖縄言葉に意識しすぎてストーリーが入りづらい笑 でも教室に飛行機が墜落した時のシーンはそのむごたらしさが想像できた。 下も引き続き読もう。

    2
    投稿日: 2021.09.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    グスク レイ ヤマコ オンちゃん そして、ウタ オンちゃんの行方は? グスク、レイ、ヤマコの思いとストーリー! そして、予定にない戦果とは?

    2
    投稿日: 2021.08.14
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    山風賞受賞作ってことで。直木賞も取ってるしね。沖縄の戦後史を元にした活劇。ヤクザの両巨頭、聞いたことのある名前だと思ったら、やはり実在のレジェンドでした。沖縄ヤクザ史ムックを読んだ時の記憶が残っていた。それだけインパクトが出かかったということなんだけど、本作中でも両人の存在感は大きい。主人公もそこと絡めて描かれているから、なおのこと。米国と戦い、うちなんちゅとも戦い、更にはしまんちゅ同士でも争い合う。凄まじい闘いの日々の行く先には…?下巻では、どんな結末が待つのでせう。

    2
    投稿日: 2021.08.11
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    真藤順丈『宝島(上)』講談社文庫。 第9回山田風太郎賞、160回直木賞受賞、第5回沖縄書店大賞受賞の3賞受賞作というから期待は高まる。上巻が450ページ余りで下巻が250ページのアンバランスさ。上巻には第一章と第二章が収録され、下巻は第三章のみの収録だからアンバランスなのは仕方が無いか。 1950年代から1970年代の沖縄を舞台にしたなかなか先の読めない展開の小説。正直に言って、自分の好みには合わない。 第一章は序章に過ぎず、オンちゃん、グスク、レイたちが戦果アギヤーの仲間たちと共に嘉手納基地を襲撃し、米軍に追われるところから物語は始まる。逃走の過程で行方不明になった島の英雄オンちゃんの行方をグスクとヤマコが探し、レイは刑務所に収監される。 第二章。グスクは刑事になり、ヤマコは教師になり、レイはテロリストとなって、再開を果たす…… 定価924円 ★★★

    16
    投稿日: 2021.08.08