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童の神
童の神
今村翔吾/角川春樹事務所
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総合評価

58件)
4.4
28
22
5
1
0
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    人を信じたい…その気持ちが無ければ、もっと冷酷に戦えたのかもしれない。 朝廷や政治に民の反感が向かないよう京を脅かす存在として忌み嫌われて生きてきた男たちの熱く激しい戦い。 流れている血はみな同じ。 それなのになぜ奪い、争うのか。 もうやめて…そう言いたくなるシーンが何度もあり、ハッピーエンドを期待する自分がいた。 争いは新たな憎しみを生み、負のループは途切れることがない。 争うことの虚しさと平和であることのありがたさを改めて感じる。 どちらが正義でどちらが悪なんだ? 偏見や先入観で人と接さない…小さなことだけど自分にもできることはある。 京に入ってみんなで歌ったあの時のように、心を一つにすることはできるんだから。 私もやっばり人を諦められない。

    1
    投稿日: 2026.03.01
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    「塞王の盾」「幸村を討て」に続いて3作目の今村翔吾さんの作品。物語の力がすごくて、心に刻まれた。泣いた。まず、童が子供ではなく奴隷という意味だったことを知らなかったし、雅なイメージのある平安時代に人外の者として迫害された人々がいたことも知らなかった。京の権力の外で、鬼や土蜘蛛、人外と差別されて、蔑まれながらも、国家権力にあらがった人たちに今村翔吾さんが光を当ててくれて千年後の現代に蘇らせてくれて、その物語を読めて本当に良かった。愛宕山に酒呑童子のお詣りに行きたい。 平安時代の差別は苛烈で暴力的で、あまりに哀しすぎて読み進めるのがつらかった。見て見ぬふりしたり社会の底辺に組み込むとかじゃなく、本気で皆殺しにしようとしてくる苛烈さが、すっごい哀しくて本当にショックだった...(泣) 白村江の戦いについて触れられていて火の鳥太陽編の犬上宿禰や妖怪たちの戦争のことを思い起こしたりした。これからは鬼の伝説を聞くたびに、鬼滅の刃を観ても、鬼側の味方になってしまいそう。畝傍山(うねびやま)や大江山に行って無もなき童たちに花を手向けたい。 渡辺綱や坂田金時のような朝廷側の武将との心の交流が素敵だった。

    0
    投稿日: 2026.02.12
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    グッと胸ぐらを引き寄せられて、物語にのめり込んでしまった。歴史的背景も御伽噺も知らなかったが、読み進めながら史実を確認していくうちに、あっという間に童たちの虜になる自分がいた。生きよう。もっと本を読んで教養を身につけよう。

    0
    投稿日: 2026.01.29
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    京人から嘲られてきた人々が調停と戦う物語。 主人公は酒呑童子。外国人とのハーフの生まれの設定となっている。史実をもとに、作者のインスピレーションを紡ぎ合わせてできたお話。 小気味よく流れていくストーリー。映画化もできそうな、スピード感。キャラの特徴をよく描けた小説だと思います。泥臭さ、汚さ、やるせなさはあまり感じず、さわやかな読み心地だった。ざらざらした感じが欲しい気もする。

    0
    投稿日: 2026.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めて歴史小説を読んだけど、大河ドラマとか朝ドラみたいな感覚で読んでいけるのがわかって楽しめました。もっと堅苦しいものだと思っていた!読んでる物語が完全に架空というわけではなく、現実にあったものなのかもしれないとほかのジャンルよりも思えるのは歴史小説の良さだと思いました! 特に感動したのは、皐月と安倍晴明の最期の描き方。さすがに感動しました。 あとがきにもかいてあったとおり、続編も書いてくれると思うので(もうあるのかな?)、書いてくれるのを待とうと思います!

    3
    投稿日: 2026.01.01
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    イクサガミで話題の今村翔吾作品。 いろんなキャラが出てきて、面白かった。 作者あとがきで、三部作構想だと書かれてたので続編も発表が楽しみ。

    0
    投稿日: 2025.12.08
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    「童」とは、今でこそ子どもを意味する言葉ですが、平安時代では全く違う意味を持っていました。鬼や土蜘蛛と同じように、京の人々が自分たちと異なる土着の民を蔑んで呼ぶ差別的な言葉だったのです。 本作の主人公・桜暁丸は、皆既日食の日に生まれ「禍の子」と呼ばれます。京人に父や故郷を奪われた彼は、各地に暮らす「童」たちを集め、朝廷との闘いに挑みます。その姿は、やがて伝説に語られる「酒呑童子」として記憶される存在へとつながっていくのです。 一般的に酒呑童子は、源頼光らによって討たれる「鬼」として知られています。けれどこの物語で描かれるのは、その鬼がもともと人であり、虐げられ居場所を失った者たちだったという視点。なぜ「異なる者」として恐れられ、なぜ討たれる運命に至ったのか――その背景を追うことで、伝説がぐっと人間味を帯びてきます。 桜暁丸がいかにして酒呑童子と呼ばれるようになったのか。その過程を描いた物語であり、同時に「人はなぜ差別し、なぜ壁をつくるのか」という問いを千年前から今に投げかけてくる一冊でした。

    0
    投稿日: 2025.08.26
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    昔の鬼や、大蛇の退治ってこういうことなんですね。 ようやくわかった。 ちょっと、中盤中弛みしてしまって、少し残念。 私はくらましやシリーズの方が好き。

    0
    投稿日: 2025.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    余り歴史系小説は好まない方だが、すんなりと読めた。ちょっとフィクションと史実の境目が曖昧なところが魅力であり、逆に違和感でもあるなと感じた。 普通、童といえば子どもをイメージするけれど、作中の解釈は違っていて新鮮に思えた。そして、なぜ童の神なのか。最初の印象と読破後での印象では全く違って面白いと思う。

    2
    投稿日: 2025.04.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上洛の唄うシーン「男も女も、老いも若きも、生まれも育ちも、そこは人の作った忌まわしき境は何もなかった。」は、まさに往年の桜暁丸が理想とした世の中であり感動した。 登場人物や舞台の多さ、漢字や熟語の難しさがあり、読み進めるのに苦労した。アニメ化したら絶対面白い。

    1
    投稿日: 2025.04.16
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    これは、おもしろい! 文庫のあとがきが、またいいです。書かされた小説なんて、うらやましい。 童の神は3部作らしいです。 楽しみです。早く書いてください。 あ、あとがきを先に読まないほうがいいですよ。ネタバレではないけど、感動の大きさが削がれますよ。

    0
    投稿日: 2025.02.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    平安時代に「童」と呼ばれ京人から蔑まれていた人たちの、差別なき世の中を熱望し戦って行った人たちの物語。過去の書物から着想を得ており、フィクションではあるものの、歴史書みたいであり、面白かった。 童とは、京人ではない、地方に元から住んでいた人たち。京人に従わないと言う理由で迫害され、鬼や土蜘蛛といった妖の名前を冠せられた人たち。妖の裏にはこのような背景があるのがとても悲しかった。 また、京都での最後の会談に際し、最後まで信じる桜暁丸が格好良かった。自分のせいではないにしろ、これがお前らの結論か、と言われた綱はとっても哀れであった。その心の整理のための放浪なのかもしれないが。 後書きにて作者さんが、この話の前日譚と後日談を描いてくれるとのことでとっても楽しみ。前日譚で、何故このような差別が生まれ、この様な名をつけられ虐げられていたのかをもっと掘り下げて欲しい。

    7
    投稿日: 2025.01.21
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    平安時代、人と鬼との長年に渡る戦いを描く時代小説にして、2018年の直木賞候補作品。 当時の直木賞審査員の宮部みゆきさん曰く、「まつろわぬ者たちが自由を求めて戦い抜く平安版『ワンピース』」との通り、少年マンガばりの熱量でした。 異なる者たちの共生というテーマ、思いや失われつつある技術の継承など、現代に通じるものもあり、中には当然足を引きずる者もいて、改革の難しさを改めて感じました。 450ページ近くの文章量ですが、夢中で読めて、 年末の旅行の相棒として楽しませてもらいました。

    14
    投稿日: 2025.01.05
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    文句なく名作 だから、敢えてう〜ん?と感じたところを 「ここは俺に任せて先にいけ!」 「ぐふっ」 とにかくこのパターンが多い! 序盤から終盤までとにかくこのパターン それ以外はよかったよ

    0
    投稿日: 2025.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    リハックで著者が出ていたのをきっかけに手に取り読んでみた。 鬼=悪。そう植え付けられて育ってきたのは僕だけじゃないはず。 鬼は退治されるものとして当たり前に教わり何一つ疑問を持たずここまで生きていたが、 その裏側では、鬼と呼ばれた虐げられた者たちもこの国でかつて生きて、自分たちの一族、場所を守るために命を燃やし懸命に生きていた。。。 そんなことをこの本を読むまで考えたこともなかったし、知らなかった。 この本の時代の中を生きる京の町の麓で生活をしている村人Aと自分は何も変わらない。 あそこには鬼がいると言われれば虐げる様に僕も眺めていたんだと思うと、 僕の人生、きちんと知りもせず差別したり偏見を持って接したりしてなかったか、と考えさせられる。 きっとしていただろう。 知らないって怖い。 きっと差別が無くなる世界になるためには、もっと相手を知る。周りの評判から評価するのではなくきちんと自分の目で見て聞いて知っていかなくてはいけないと思った。 酒呑童子が大江山の妖怪ではなく、懸命に生きようとした、ただの人間「桜暁丸」であったことを忘れてはいけない。 いつの時代も偏見や差別がなくならないが いつか無くなると信じて、、、、 まずは自分が変わっていこうと思う。

    1
    投稿日: 2024.12.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    歴史上のわずかな点と点をつないで見事な一連の流れとして物語をなしている。現代的な視点を盛り込みながらも、お説教臭くはならず、ちゃんとした人間の物語となっており、かつ歴史ものとして十分リアリティーを感じさせる。 作者の歴史への造詣の深さのなしえた物語と感じた。 すこし残念だったのは、戦の記述がやや定型的に感じられたことと、重要人物の綱の内面がいまいちわかりにくかったことであった。

    0
    投稿日: 2024.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    むかしむかしあるところに…で始まるおとぎ話。 鬼退治伝説の中に出てくる鬼とは何者か?? もちろん人である。 今も昔も変わらぬ戦の様、敵に共感を覚えると戦意は鈍るため、敵は悪党であり敵は鬼である。 鬼と呼ばれる人たちのシュプレヒコール 「童」…奴隷、鬼などの人でないもの(京人でないもの) 「鬼」…おらぬ=おぬ、転じて鬼と字を当てる。おらぬものとして扱われる存在 「土蜘蛛」…京以外では、山の穴に住む人達も多くいた

    0
    投稿日: 2024.11.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「世を、人の心を変えるのだ」「人をあきらめない。それが我々の戦いだ」 ――平安時代「童」と呼ばれる者たちがいた。彼らは鬼、土蜘蛛……などの恐ろしげな名で呼ばれ、京人から蔑まれていた。 一方、安倍晴明が空前絶後の凶事と断じた日食の最中に、越後で生まれた桜暁丸は、父と故郷を奪った京人に復讐を誓っていた。 そして遂に桜暁丸は、童たちと共に朝廷軍に決死の戦いを挑むが――。 差別なき世を熱望し、散っていった者たちへの、祈りの詩。 第一○回角川春樹小説賞(選考委員 北方謙三、今野敏、角川春樹 大激賞)受賞作にして、第一六◯回直木賞候補作。

    0
    投稿日: 2024.09.25
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    まさか酒呑童子を描く物語だと思わなかったので、思わず声が出た。 文庫版あとがきを読んで、歴史作家ってすげえと唸った。

    1
    投稿日: 2024.08.12
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    ヘタレなので人が多く死ぬ物語は気分が落ち込んでしまいます。でも自分が全く知らなかった京周辺に住んでいた童と呼ばれた人たちと、その苦悩、抵抗、希望が鮮明に感じられました。今では生まれによる差別などは少なくなったと思いますが、それがすべての時代は、弱いものにとってさぞ生きづらかったと思います。それでも京人の中にも互いの存在を認め合える種類の人もいたのは救いでした。最後の保昌の行動は、組織の中にいても上司がクズでも個人の信念で変えられるものがあるということも教えてくれました。

    0
    投稿日: 2024.07.29
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    歴史はこういう背景があり作られて行くんだな。綺麗事ばかりでは無い。虐げられる民族がいる。そして声を上げ立ち向かう。3部作との事ですが早く続きが読みたいです。

    5
    投稿日: 2024.05.21
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     本作発刊当時から、今村翔吾さんが紛れもないエンタメ作家で勢いのある書き手なのだと理解できました。理屈抜きに楽しめる物語でした。描かれるのは、土着の民たちの、朝廷への抵抗と差別のない社会の希求です。  平安時代「童」と呼ばれ、京人(みやこびと)から蔑まれ虐げられる人々がいました。朝廷の支配に屈しない先住の者たちです。  その一人、桜暁丸は凶事の日に生まれ、母の来歴や風貌もあり「禍の子」と呼ばれました。父と村を奪った京人への復讐を誓い、同じ境遇の仲間「童」たちと共に朝廷へ闘いを挑んでいく展開です。  今村さんは、神話や伝説を取り入れながら、想像力豊かな作品世界を作り出しています。特に闘いの場面は臨場感あふれ、手に汗握る描写です。人物の書き分けも明確で、心の機微や揺らぎ、変容などの表現も巧みで引き付けられます。
 桜暁丸が望んだ差別のない社会、平等で貴賤のない未来を夢見て散った者たちの願い‥。容易に埋めることのできない隔たりに、人間の負の側面を見せ付けられる思いです。  千年後の現在でも、洋の東西を問わず紛争の絶えない人間社会が続いており、彼らの願いが叶えられていない現実が哀しいですね。それでも、未来に希望を抱かせる読後感でした。

    69
    投稿日: 2024.05.05
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    歴史は勝者により作られる。この事を強く考えさせられました。 室町時代に土蜘蛛、鬼等の化物話しが多くありますが、それらは人であり「京人以外は人では無い」という思想から生まれてたんですね。平将門の首が飛ぶ話しもこれと同様に、京人以外を化物扱いとする事で根絶やしにする口実を与える寓話となります。 欧州でも迫害の歴史が多くありましたが、日本でもこれ程の迫害が罷り通る時代があったとは思いもしませんでした。 歴史の裏を書き出し、その者達の抵抗がどれ程過酷だったかを知る事が出来ます。勿論小説としての面白さは十分。オススメです。

    1
    投稿日: 2024.04.11
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    味方がいて。 敵がいて。 それぞれに信念があって。 同情すべき過去があって。 裏切りがあって。 四天王がいて。 必殺技のようなものがあって。 こんなマンガがあったらな~って思ったらあったりして。 原作今村先生、原哲夫先生に描いてもらいたかった作品。

    1
    投稿日: 2024.03.22
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    平安の世で勃発する差別との闘いの物語。 てっきり、妖怪の話だと思っていたため、本篇を読み始めてから差別の話であることに気づいた。 差別と戦無き世を目指して励む主人公たちの姿が勇ましかった。

    1
    投稿日: 2023.12.31
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    今村さんの話は、本当に素晴らしい。思わず引き込まれる。この話、題材から最後が見えてるんだが、そうじゃない最後を期待してしまう私は愚か。しかし、同じような虚しさは今も世界のあちこちで続いているのが悲しい・・・。3部作の真ん中の時代のものと云う構想で今(2023年12月)には出てないようだが、きっと悲しい話になるんだろうなあ。でも、読んでしまう私

    2
    投稿日: 2023.12.13
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    大江山の鬼と渡辺綱、源頼光の伝説を、鬼と呼ばれた側から描いた作品。 人を蔑むことによって、自らが蔑まれない立ち位置を確保しようとする都人 その鋭い指摘は、現代にもつながる闇だ。 その蔑みを、自らの誇りをもって打ち破っていく桜暁丸とその仲間たる童たちの熱い想い。 仲間を守り、誇りを守るべく、最期の覚悟をもって闘う姿が心に残った。

    9
    投稿日: 2023.11.25
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    悲しい物語でした。 今で言うなら、人権問題に立ち向かった主人公。 どこに住もうが、家系がどうであろうが、人は皆同じであると言う信念のもと戦います。 戦などしたくはないけど、命令に従うしかない都の人々。 いつの世も戦は悲しみしか生みませんね。

    1
    投稿日: 2023.11.22
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    大江山の鬼退治という童話のような伝説ともなっている話を、リアルでありながらファンタジックに、生き生きと描いた小説。 平安時代。 中央集権が進み、宮中文化が栄えた平安時代は、平和でも安心できる世でもなかった‥? 安和の変が起きた962年に物語は始まります。 京の都にも、ほど近い地域にも、「童」と呼ばれる、朝廷にまつろわぬ者たちがいた。「童」というのは、子供という意味ではなく、鬼、土蜘蛛、夷、滝夜叉、山姥などをまとめて蔑んで呼ぶ言葉。 一方的に蔑む権力者に対抗して、乱が起きたのだが、あえなく鎮圧される。 安倍晴明は、皆既日食を凶事と断じ、ゆえに恩赦が出るように事を運ぶ。じつは童と通じていて、囚われた彼らを救ったのだ。 この年この日、越後で桜暁丸(おうぎまる)が生まれた。父は郡司で、流れ着いた異国の女性との間に子をなしたのだ。夷を差別しない人柄だったが、京に目をつけられてしまう。 桜暁丸は父と故郷を喪い、「花天狗」という盗賊となった。のちの「酒呑童子」この童子という名が子供という意味ではなかったわけです。 跋扈する盗賊や、表には出ずに山で暮らす人々との出会い。 それぞれの強さと意気地、はかなさとしぶとさ。 影に日に活躍する女性たちも魅力的です。 実在する人物も、伝承を思わせる内容も出て来て、その描き方がスピーディで熱っぽく、きらきらと輝くよう。 引き込まれて一気読み。 史実でこれほど大規模な闘いがあったのかどうか。 平安時代については、数字的なことがよくわからないのだが。 赤い血の流れる同じ人間でありながら、秩序になじまないという理由で、否定する。 元はそれぞれ離れた土地で、その土地なりに暮らしていただけなのに。 世の制度が整っていくときに起きる残酷さ。 時代の流れとはまた別な、異なるものを排除する心理。 現代でも、根深く、あちこちで起きている現象のようにも思います。 せめて、極端な差別や争いを起こさない方向へ、進んでいけたらと願うばかり。 2019年初読。2023年、文庫で再読。

    30
    投稿日: 2023.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    塞翁の盾の前に読むつもりやったけど、予約期限の関係で後回しにした本作を読んで納得。今村翔吾は外したらアカン、フォロー必須の小説家。 日本史の悪役として虐げられてきた化外の人々。ちょっと目線を変えたら彼らこそ被害者、力を持つものに敵視され捕らえられ奴隷とされて忌み嫌われ差別されてきた人々。 「人を分けるな」「人を諦めない」…生まれた場所、地位、性別、趣向、何がどうであっても人は人なのであり、等しく同じく赤い血が流れている。桜暁丸の目指した世の中は千年たった今も達成されてはいないが、それでも俺たちはまだまだ目指していけるはずである。 民俗学や伝承を重層的に構築しなおした設定に難しいテーマを載せている小説だが、痛快でさわやかで少し切ない水滸伝にも通じる名作、個人的には生活圏の山々が舞台となっているのも良かった。 究極の個人主義は無差別社会に通じると思う。俺は俺、お前はお前、必要に応じて連携もするが、基本的にはそれぞれで頑張れ、各々で楽しめ…それでいいじゃないか。

    1
    投稿日: 2023.09.25
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    酒呑童子の話を酒呑童子の側から見たお話。 歴史は勝者が語るものなので、こういうことがあってもおかしくはないなと思うものがあります。 登場人物たちが敵味方含めて魅力的な描き方をされているので(一部そうでない人物もいますが…)ぐいぐい惹きつけられるのですが結末が分かっているだけに読み進めるのが辛かったです。 あとがきを見ると三部作になるらしいので、また出たらきっと読みます!

    7
    投稿日: 2023.08.03
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    泣かされた〜! 歴史において退治される側である桜暁丸が主人公に据えられている時点で結末は分かってはいる。 だけどそれでも読む手が止まらないくらい惹き込まれた。 蔑まれた彼らの生い立ちは誰もが皆辛いものだけど、それぞれの立場故に敵対し苦悩もする。 幸せになってほしいのに、そうさせてくれない史実が悲しい…

    7
    投稿日: 2023.07.01
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    平安時代、朝廷は体制を維持するためのスケープゴートとして、京人に従わない土着の集団を人間以下の存在と蔑称で呼び、数の力を持って征服していた。同じ人間のはずなのに、この理不尽に憤り、抵抗する人たちの物語。 場所は違えど高橋克彦氏の東北シリーズと類似のテーマです。人間性や武力など個人の能力は優れているのに、最後は朝廷側の姑息さと数によって無念の死を遂げてしまうところも歴史である以上は残念ながら変えられませんが、風の陣を呼んだ時の感動が蘇る素晴らしい作品でした。三部作の構想があるとのことなので、続篇も大いに期待します。

    1
    投稿日: 2023.06.09
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    インパクト!冒頭のたった一人の登場人物により、興味津々!10P進まないうちにくぎ付けになっていた。晴明に始まり、当時の藤原家の全盛期の時代背景の中で源頼光、渡辺綱、坂田金時と役者たちが次々と登場してくる。そうなれば主人公は酒呑童子? 「童の神」 晴明と結ばれ、子を授かった女人は平将門の遺児。しかし主人公は桜暁丸。癖のある面々を脇に従え、調停を相手に彼の奮闘劇が始まる。これは三日に1Pの割合で進んでいたのだが、4日目にはすべて読み終えてしまった。ついつい読みいってしまう題材でした

    1
    投稿日: 2023.05.20
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    当初、あまり気が乗らず放置する事半年。 再度読み始めたらエンジンが掛かり一気に読了。 今村翔吾氏 は火事場や戦場など人の躍動を描いたら天下一品だ。 かつて蝦夷と呼ばれた我が北国にも阿弖流為(アテルイ)という英雄がいた。その姿を重ねて読んだ。彼も坂上田村麻呂に討伐されたが、田村麿も渡辺綱と同じような感情を持ったのではないか。そう、切望する。

    3
    投稿日: 2022.12.18
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    ぼろ鳶から思っていたけれど、この方の戦闘描写があまり好みでは無いので、戦闘が多い本作は合わなかった。設定は面白いが展開もそこまで面白くは…。 期待しすぎた。

    1
    投稿日: 2022.11.25
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    平安時代、京を中心とする朝廷は、童と呼ばれ、鬼、土蜘蛛などという古来からの朝廷とは対立する集団の討伐を繰り広げていた。 もしかして、大陸からきていた蘇我氏であったり、蝦夷であったりしていただろう。 平安時代の有名人、安倍晴明、源頼光、頼光四天王、渡辺綱・坂田金時・碓井貞光・卜部季武、酒呑童子など、オールスターキャストのエンターテイメントに仕上がっている。

    0
    投稿日: 2022.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    源頼光、渡辺綱が登場し、桜暁丸が酒呑童子だとわかった時点で結末は悲劇であることが知れ、読み進むのが辛かった。語り伝えられている大江山の物語とは違ったラストだったらいいのにな…と少し期待しながら読んでいた。 桜暁丸や仲間たちの覚悟に涙し、桜暁丸の「人を諦めない」という純粋な想いにまた涙。 でも、桜暁丸の夢見た世界は遠い… この『童の神』は三部作の第一部だそうで。 続編が楽しみだ~。

    0
    投稿日: 2022.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ⁡ 凄く面白かった✨ 「共に生きる」 読んでいて、涙が溢れてきました 人が人として、生きれない人達がいた時代。差別は、いつの時もある、 1000年前の時を感じながら読みました 時は平安時代、貴族達が蔑む人々、鬼、土蜘蛛と呼ばれる土着民がいた。 その総称を童と呼びます。 その童が、人として、差別なき世を作るため、朝廷軍と戦うおはなし ⁡ 主人公の桜暁丸のかっこよさはもちろんの事こと、皐月、袴垂、晴明、鞠人の息子達のかっこいい事ったら、胸が熱くなりました

    0
    投稿日: 2022.05.20
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    2022.3.27 ラストが格好良かった! 自分より下がいる事で安心するのが人間の性だけども、醜いねぇ。 人を超えたいよ〜

    0
    投稿日: 2022.03.29
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    朔の日に朧月 は、合っているのか…? それだけが気になりました。 感想としては面白かった!! 直木賞作家さんとはしらず、『鬼を切った渡辺綱』の話が読みたくて検索してたら辿り着きました。 各ゲームのキャラクターが頭をよぎったりもしますが、史実か、創作か、どちらにしても勉強になったなと思う。 昼休みや帰りのバスで読みながら泣きそうになったりもしました。 全3部作にする、とあとがきに書いてあったので楽しみに待ちたいと思います。はやめに。お願いします。 読んでよかったです。

    0
    投稿日: 2022.03.26
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    時代小説好きなおかーちゃんが 読むかもしんないなー って買っておいた本 子供の神様が大活躍する ファンタジー そう思ってたのに ぜんぜん違った びっくり 胸アツだし いろいろ考えたし 滾ったから 星は5つ

    1
    投稿日: 2022.02.01
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    今まさに頬を濡らして読み終わりました。 今村さんの先品は火消しシリーズではまりました。 時代物は好き嫌いが出やすく、読み始める時に躊躇しがちなのですが今村さんは間違いない。 この作品も今後2作続くそうなので楽しみにしたいと思います。 直木賞取った作品も読みたい。

    0
    投稿日: 2022.01.31
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    源頼光、坂田の金時、渡辺綱に酒呑童子、子供の頃に読み聞かせてもらった御伽噺の類としてしか知らなかった彼らが絵本から飛び出し、血も涙もある肉体と崇高な魂を持って躍動する、権力と民の戦の物語。

    0
    投稿日: 2022.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    終盤になって桜暁丸の京人からの呼び名が酒呑童子であることから一気に全て繋がった。 鬼の頭目である大江山の酒呑童子が源頼光に退治された話は知ってたが、妖怪としての印象しかなく、ここに登場する鬼、土蜘蛛、滝夜叉、犬神などが歴史上、実は人間であり、恐れられたことから妖怪として語られていたのかもという新しい視点を持つことができた。 桜暁丸が上洛した時の掛け声のシーンが1番心が熱くなった。 結末シーンは私は好きな終わり方だった。 めちゃくちゃたくさんの人物が出てきてはバタバタと去っていく。

    2
    投稿日: 2022.01.22
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    平安時代中期、安和2年(969年)の「安和の変」に端を発する物語。 この時代のことを知らなかったので、読み終わってからここに登場する人物のことを調べてみたが、源頼光や渡辺綱ら四天王は酒呑童子ら都を荒らす悪党を平定した武人として紹介されており、この本を読んでからそれを知ると、ふ~ん、そうなんだという感じ。 往々にして歴史は勝者によって都合良く書かれたものであるので、通念にある正邪をひっくり返し虐げられた側から書こうとした作者の企てはなかなか興味深い。その根底には人の生きる権利や平等に対する思いが流れているが、それを声高に叫ぶことなく、面白い読み物に仕立てあげられたところに値打ちあり。 それにしても、袴垂に、酒呑童子とその配下、土蜘蛛、子持山姥、滝夜叉姫に安倍晴明…、数多の書物、伝承伝説から御伽草子や能、神楽まで呑み込んで、よくもここまでキャラとつながりを作り込んだものだ。対峙する四天王もそれぞれに個性あふれる人物として描かれ必ずしも悪役でないところもまた良し。 色んな場面で映画のように映像が目に浮かぶ書き振りを楽しんだが、中でも、帝の意思に従い上洛した大江山の一行と京の民との祭りのような一瞬の交わりの場面が白眉であった。

    12
    投稿日: 2021.11.03
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    「俺は人を諦めない。それが我らの戦いだ」 物語の舞台は平安時代。京人から鬼や童と蔑まれる者たちがいた。 平等とはなにか。差別する心はどこから生まれるのか。 多様性が尊ばれはじめた現代。彼らの願いが叶うかどうかは、1000年後を生きる今の僕たちにかかっているのではと思った。

    1
    投稿日: 2021.08.18
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    そうそうこういう作品がまた読みたかったんだと個人的にはどストライクな小説。 垣根涼介さんの室町無頼が好きな方にはおすすめ。 さて内容はというと主要登場人物のすべてがキャラクターがしっかりあってすごく楽しめる。 桜暁丸や晴明、滝夜叉、連茂、袴垂、鞠人など主人公の味方達だけでなく敵方の満仲のラスボス感や頼光と四天王のキャラクターも良く読み進めるほどどんどんと面白く深くなってゆく。 個人的には藤原道長だけは許せんが。 間違った思想によって虐げられ続ける人達の強い想いや虐げる京人側にも救いになろうとする人や従いながらも迷う人達。 それぞれが一生懸命に生きた生き様が強く印象に残った。 文庫で読んだのであとがきに続編というか安和の変の前と本作の内容の続きの三部作で構成されている様なので楽しみに待ちたい。 絶対読もうと思う。 2021/7

    7
    投稿日: 2021.07.04
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    水滸伝を読んでいる様な、合戦や戦闘の臨場感や哀愁、小説としての重厚感!昔話しを見ている様な物語の展開!漫画「キングダム」の山の民や暗殺集団等の奇抜な発想、懐かしい様な物哀しい様な心の動きがあり読み応えのある一冊であった。是非とも続編が出て欲しいと切に願います。

    5
    投稿日: 2021.05.24
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    鬼に横道なきものを  鬼とは何者なのか。  都の人々から恐れられ蔑視された土着の人々。自分達の暮らしを守りたいだけなのに、都人に駆逐されていく哀れな人々を、酒呑童子を中心に描いていった物語。  鬼とは何者なのか。

    0
    投稿日: 2021.04.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「共に生きる」 何度この言葉が出てきたことだろう。 同じ一つの国の中で生まれ育ち、同じ赤い血の流れる”人”のはずなのに、貴族と庶民、京人と鄙の者、内と外、となにかと区別したがる”人”の弱さを思い知る。 己の地位を確立するため、それを妨げる者を一方的に虐げる”人”の強欲さに胸苦しくなる。 多種多様な人が混じり合い共に生きる、そんな忌まわしき境のない世が、きっと千年の後には出来ているはず、と期待を寄せた桜暁丸。 桜暁丸の生きた世から千年後の世となる現代において、残念ながら桜暁丸の期待には応えられていなくて申し訳ない気持ちでいっぱいになった。 千年経っても変わらずに存在する、人と人との間を阻む大きな壁を打ち砕く”何か”を見出さなければならない。 最後の最後まで熱き心を失わなかった先人たちに思いを馳せ、胸の奥をぎゅっと掴まれたまま頁を閉じた。 史実とはいえ、結末が悲しすぎる。 桜暁丸たちの魂の炎は、決して消えることはないと信じたい。 『文庫版あとがき』によるとまだこの物語は終わっていない、とのこと。 物語の続編が今からとても楽しみだ。 先に『きつねの橋』を読んでいたお陰で、物語に入りやすかった。 立場や目線が違うとこうも違うのか、と驚いた。

    30
    投稿日: 2021.03.01
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    平安時代、越後で生まれた少年・桜暁丸が“まつろわぬ者”として戦い、やがて大江山の“鬼”と呼ばれるまでを追う物語。 童視点で進むので、童の側から見た頼光が徹底して非道。最後まで桜暁丸と頼光が対面しないことで、頼光が敵の悪辣な首魁として際立ってた。 金時や、袴垂のような、童と京の間で揺れる人々との交流で成長していく主人公の頼もしさ、とても読みやすい。

    0
    投稿日: 2020.12.15
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    「じんかん」に続き、読んだ。史実をもとに最終的には桜暁丸にスポットを当てた話だったが、ちょっとしたことが差別や憎悪、争いに繋がる世の中を連想した。戦の駆け引きにはドキドキしながらページをめくった。人間味溢れる登場人物にも惹かれた。 本作が三部作の一作目で続編が構想されているという。楽しみである。

    0
    投稿日: 2020.11.01
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    いやおもしろかったわ〜 ほんとうに平安時代のオールスターキャスト登場だった まずそれぞれのキャラが じーちゃんから子どもまで 人間離れの強さとカッコよさ 言い伝えでは 酒呑童子は凶悪な鬼の親玉で 倒した源頼光らが英雄だが 鬼の側からすれば彼らこそが巨悪の根元 何故鬼と呼ばれるようになったのか 童の意味とは… そして戦いの行くえは… もうやめられないね ただちょっと難しい漢字が… 最初はかながふってあるんだけど 次に出てきた時は前のページに戻って 確認するはめになった とくに粛慎(みしはせ)はなかなか覚えられなかったなぁ

    2
    投稿日: 2020.07.28
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    民の目を政治に向けさせない為に人を区分けする。大陸から渡って来た人や自分たちと違う生活をする者を蔑視させる。見かけの違いと共に、殊更忌むべきものとする情報操作によって。 化け物ではなく同じ人間だという叫びが胸に迫る。桜暁丸たちの願いは叶っているのだろうか今の世で。 思い出すのは「橋のない川」。少しはましになっているか?本当に?

    2
    投稿日: 2020.07.15
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    平安時代、運命の子として生まれた桜暁丸は、都から蔑まれていた童たちを率い、朝廷軍に決死の戦いを挑む。  平安時代という馴染みのない時代や人物でしたが、魅力ある人物たちの活躍を読み進めているうちにすぐに物語に入り込む自分がいました。  都から見た地方に住まう者たちの蔑まれた思いが熱量となって物語を支えているように感じました。  その象徴である桜暁丸の強さと心の両面の成長の物語としても、読みごたえがありました。  最後まで読み終わり、歴史に生きる者たちの祈りが伝わってきた感じでした。  最終的に3部作になる作品とのことなので、これからも目が離せません。  桜暁丸の思いが1000年後も日本だけでなく世界に届くことを願っています。

    10
    投稿日: 2020.07.12
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    熱い筆圧で引き込まれた。酒呑童子の伝説をもとにしてるというが、全然知らなかったので興味が湧いた。 ストーリーに重きが置かれてる感じがして、個人的にはキャラ一人一人の人間味をもう少し感じたかったが、それでも十分面白かった。

    0
    投稿日: 2020.07.11
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    平安時代 まつろわぬ者たちの、かりそめの平穏と「人」としての認知の間で葛藤する姿が描かれる。 いつの時代も統治者は、階級を作ること、敵を作ることで、民衆の目を外に向け、統治しやすくしようとする。 それは、情報があふれる現代でも変わらない。 フェイクニュースによる誘導、大量の情報拡散によるマスキング、そんな状況の中で、大江山の鬼たちと同じ状況になっている人たちがいるかもしれない。 真実を知り、冷静に合理的に判断する様にしていかなくては。。。

    0
    投稿日: 2020.07.05