ゾンビのことを学びながら、研究の進め方や考え方を学ぶことができる本です。 「研究を始める際は、研究対象について説明せねばならない。」といって本の探し方やインターネットで調べものをするときの心得なども教えてくれました。 ネットの情報ってあまり信用できないなーと思っていたのですが、使い方しだいで自分の役に立たせられると気づかせられます。 「ネットの検索に打ち込む言葉をどれだけ知っているかによって得られる情報に限りがある」…たしかにそうかも。

サブタイトル「人はなぜゾンビに惹かれるのか」ってのは、まさしくそう思います。ホラー好きなので、ゾンビコンテンツも好きだけれど。ゾンビってたぶん実際にいたらめちゃくちゃ嫌だし気持ち悪いし、ゾンビそのものを「好き」とは到底言えません。おそらく他にもそういう人多いと思うんだけど、人気なんだよねえ。そういう疑問点が、多角的視点からゾンビコンテンツを考察することによって解決する……かもしれない一冊です。 ゾンビについて事細かに学ぶわけではなく、ゾンビをテーマとして社会情勢や心理学的観点について広く学べる本。さまざまな映画やコミック、ゲームなどが題材にされていて、馴染みのあるものもあるので読んでいて楽しいです。なるほど、そういう見方をすると面白いのね。 なかなか奥が深いですゾンビ学。しかしこれほどゾンビを愛してらっしゃる（たぶん）著者さんをしても、ゾンビ・コンテンツにはくだらない作品が多いって（笑）。いや、わかります。わかりますが……そのくだらなさとか馬鹿らしさも魅力の一環なのかな。

さらば青春の光の「さらばのこの本ダレが書いとんねん！」を観て俄然興味を惹かれ拝読。映画以外、アニメもゲームも全く興味ないのだが、広範囲にわたるゾンビ考察はとても興味深いもので、特に第五章「なぜ人々はゾンビに惹かれるのか」は秀逸だった。ゾンビに興味がなくても面白く読めると思う。

大学で学ぶゾンビ学～人はなぜゾンビに惹かれるのか～。岡本健先生の著書。ゾンビとはなにか、ゾンビの魅力はなにか、なんて考えたこともなかったけれど、ゾンビについて真剣に研究しているゾンビ学の研究員、研究者がいて、ゾンビ学の講義を受けたいと希望する生徒がたくさんいるなんて素敵なこと。研究、研究員、研究者というとどこか堅苦しく聞こえるけれど、研究は本来は自由に好きなものを選ぶもののはずだから。だれでも自由に研究していいし、好きなことを研究している人はだれでも研究員で研究者。