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現代経済学の直観的方法
現代経済学の直観的方法
長沼伸一郎/講談社
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総合評価

81件)
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    資本主義が発展したが故に、縮退によるコプラサー化が進行した。それを防ぐにはどうしたら良いか。ある程度の不便のほうが気持ちが楽だと感じるのはこういうことだったのかな。

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    投稿日: 2025.11.27
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    経済学を物理学的、生物学的な切り口から説明されていて非常に面白かったです。あまり経済には詳しくない人の方がむしろ楽しめるかもしれません。ビットコインなどの仮想通貨のブロックチェーンにも触れられていて、最新の経済事情にも触れられています。  経済はまるで生物の進化のように発展していくものだと感じました。 特に印象に残ったのは、イスラームの投資の仕組みです。借りる側だけでなく、貸す側もリスクを負うという考え方は一見とても画期的ですが、実際には手続きが複雑で、主流の仕組みにはなれなかったそうです。こうした“非合理的な理由で衰退していく”流れが、生物の進化や絶滅の過程に重なって見えました。 ドルが基軸通貨となった理由やケインズ経済学にも、同じように「時代の流れの中で選ばれ、生き残っていった仕組み」があるように思います。 もう少し早くこの本に出会っていたら、経済を見る目が変わっていたかもしれません。

    1
    投稿日: 2025.10.24
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    斬新な切り口で経済学が書かれている。わかりやすい。 そして面白い。 経済学の一般的な本とは一線を画した内容。

    2
    投稿日: 2025.10.11
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    メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1962476836497293318?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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    投稿日: 2025.09.01
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    自分は、お金や投資についての知識は学んできたつもりでしたが、経済については全く分かっていなかった。この本を読んでやっと、分かっていない部分が分かったという状態でした。元々の基礎知識が積み上がっていないため、この一冊では全て理解することはできませんでした。でも、経済の中で自分は生きているということを実感したし、ニュースを見ていて、話題になっている根本の理由を考えようとする見方を教えてもらった気がします。 おそらくこの本は、理系の方、文系の方、どちらにも分かりやすく買いている工夫があると思います。勉強してこなくて、理解が追いついていない自分に悔しさを感じます。だから経済をもう少し勉強してまたもう一度この本を読んでみたいと思いました。

    0
    投稿日: 2025.08.17
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    Kindleのライブラリーを見ていたら5年以上積読していたことに気づき読み始めてみた。まだ1章までしか読んでいないが、現代のマクロ経済学の考え方やフレームワークとは全く異なる独自の解釈を与えている(例えば、最も基本的なモデルにおいて経済成長がゼロでも金利は存在するし、経済は永久に動き続ける)上に、著者独自の資本主義観が強く反映されており、最初の一冊としては勧められない。はしがきにあるような理系の読者層がこれを読み、経済学とはこういうものかと思い込んでしまうことを想像すると頭が痛くなる。とはいえ、(歴史や社会学の方面は全く詳しくないのでどこまで正確かはわからないが)著者の知識や文章力には脱帽するばかりで、読み物として読む分にはすらすらと面白く読める。経済に関してこういう見方もできるかと思う程度であれば構わないが、学問として体系化された経済学とは別物なのでそこは留意されたい。レファレンスがないのもどうにかしてほしい。

    0
    投稿日: 2025.08.04
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    自分が資本主義社会にいる限り、読み返し続けたいし手離したくない本。 働く中で感じた資本主義への危機感、社会の向かう先に対する不安。それらを惹き込ませるストーリーで語り、未来まで描いた素晴らしい本。感動。

    0
    投稿日: 2025.05.06
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    「はじめに」からすごく読みたいっていう気持ちになる。 銀行の仕組みから貿易や円安円高など、経済の基本から学べて、経済初学者としてはすごく勉強になった。 特に最後の、縮退によるコラプサーによって、社会が複雑からシンプルに変わっていくことこそが問題と提起していたところがすごく斬新で面白かった!

    0
    投稿日: 2024.11.23
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    名著の中の名著。前書きにある通り、「読書レベルは高い読者が、1週間から10日程度で経済学の大筋をマスターできる本」。 世の中には分かりやすい経済の本は存在するが、網羅的では無いケースが多い。 経済学と資本主義の未来を網羅的にマスターしたいならこれ買って読めば間違いない。新品だとそれなりの値段だが、間違いなく損はしないし、元が取れる

    1
    投稿日: 2024.06.01
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    マクロ経済学を直感的に理解できる。 1章では簡便な例え話でGDPの本質的な理解をうながす。 中盤で資本主義の宿命を仮想的な装置(燃料を組み上げる装置で、その燃料は自分自身で組み上げる)で説明。 最終章では縮退という概念を導入し、今後の経済への憂いと希望が書かれている。

    0
    投稿日: 2024.03.17
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    評判どおりとてもわかりやすかった。経済学というより経済的側面からみた社会の成り立ちみたいな話なので、残念ながら資格試験の勉強には使えなさそう。

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    投稿日: 2023.10.15
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    マクロ経済  企業、個人預金、銀行の仕組み  消費と設備投資は4:1の割合で継続していて、経済が止まることは経済の1/5が止まることである。何かぎトリガーとなって経済が止まったり、加速することでインフレやデフレご起こる。 ミクロ経済  需要と供給 農業経済から工業・商業経済に移ったことで経済が躍進さした。これらは商材の移動させやすさに起因しいてる。重厚長大から軽薄短小へ。日本の得意は車などの重工工業なので、ITなどをいかに輸出できるかが鍵。

    0
    投稿日: 2023.09.24
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    とにかく話が上手というか、メタファー使って引き込むのが上手い。 当然直観的理解に全振りのため、正確性少し不安を感じる部分もあるが、その枝葉を捨ててもなお得るもののほうが大きいのではないか。 気になったのは、伝統的社会は縮退に対応できているのではなく、縮退にたまたま対応できていた社会が残っていただけなのではないかということと、これまでの伝統社会と現代社会というスケールとOSが全く異なるシロモノを同じ土壌で見比べるのが適切なのか?ということ

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    投稿日: 2023.08.24
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    経済学と聞くだけでとっつきにくい印象を受けるが、うまく噛み砕いて具体例もつかって説明してくれているのでわりと抵抗なく(多少詰まる事もありましたが)スルッと入ってきます。とってもありがたいです。 ……この本を読む事で確実に経済学に対する苦手意識は減りました。 何回でも読み返したい一冊です。

    0
    投稿日: 2023.07.30
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    ゆる言語学ラジオで絶賛されていたこちら。最近読んだ「東大生が日本を100人の島に例えたら…」で、経済オンチを自認したので即ポチした。 「東大生が日本を…」を読んだ時も思ったんだけど、余剰の富を蓄積したり、売買や物流を便利にするための手段として機能していたお金が、経済の拡大とともに目的化していく構造が、この本を読んでいてもよくわかる。 一章ごとにそれこそハッとする学びがあり、とてもわかりやすい身近な物理で経済の流れ、構造を例えてくれるので、本当に直観的に理解が進んだ。 それにしてもはしがきからこの点のわかりやすさについて、自らめちゃくちゃハードル上げるなぁ…と、思ってたけど、 著者のまとめとしての考えである9章以外は経済オンチ、物理オンチの私でもそのハードルを難なくクリアできる高解像な内容だったのが凄い。 前評判どおり、ブロックチェーンについてもアレルギーなくするする読めて(わかったとは言ってない)新しい知見も難なく得られたので、前評判の絶賛を信じて本当に良かった。 9章はわたしにとっては他の章に比べるとかなり抽象度が上がったな、という印象で、縮退の話は面白かったけれど正直ピンとこないところもあった。 読みながら「暇と退屈の倫理学」に通じるのかなと思ったり、何度か行き来して読み返すとより理解が深まりそう。 それにしても頭のいい人の文章は凄いなぁ…。 そのうち「物理数学の直観的方法」にも挑戦してみようかな。

    1
    投稿日: 2023.04.30
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    経済学の門外漢ですが、説明がわかりやすく理解しやすかったです。ただしかなり込み入った話でこんがらがりやすいので、何度も読み返したいと思います。最後の章で初めて出てくる著者の考えも面白く、とても楽しめました。

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    投稿日: 2023.04.19
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    マクロ経済学を直感的に、かつ丁寧に解説した本です。 なかなか読み応えのある分量で、かつ書かれている内容も平易ではないです。(たぶん私に経済学のセンスがないのだと思います) しかし直観的でわかりやすい例えを多く使っているからか、そんな私でも読みづらいといったことはなく、確実に内容を反芻しながら読むことで理解することができました。この本は本棚にしまっておき、必要なときに取り出して内容を確認するといった使い方で運用したいと思います。 今までは経済的なニュースや読み物に対して、わからないからと無意識に避けていた傾向がありましたが、これからは臆することなく読める気がしています。確実にこの分野に関するハードルを下げてくれたと思います。オススメです!

    0
    投稿日: 2023.02.24
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    マクロ経済学を直感的にザックリ理解するための本。 マクロ経済学の諸理論を具体的にイメージしやすいように類似として物理学の法則に置き換えたり、事例として世界史の出来事で紹介してくれるのが心地よい。 ということで、マクロ経済学をこれから学ぶ人、途中で挫折した人向けの本と言える。特に物理と世界史を受験科目として勉強してきた人ならさらに理解の助けになると思う。 ただし、最終章「資本主義の将来はどこへ向かうのか」のくだりは難しかった。ポスト資本主義(あるいは資本主義の大問題「縮退」への処方箋)を説明しているが、囲碁で解説を試みたのが良くなかったと思う。囲碁をなまじ知ってるのが良くなかったかもしれないけど内容が入って来なかった。囲碁のアナロジーが正しいなら、人工知能が相手なら敵わないし(人工知能が地球環境からの全体最適を図ると最適解は人類を映画マトリクスのように容器に入れて夢を見させておくのが良い)、それに経済は「完全競争市場」でないように「完全情報ゲーム」ではないからそもそも例えとしてふさわしくない。 ちなみにミクロ経済学をこれから学ぶ人には、坂井豊貴さんの「ミクロ経済学入門の入門」がオススメ。 https://booklog.jp/users/kuwataka/archives/1/400431657X

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    投稿日: 2023.02.05
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    筆者は口車で読者をやる気にさせるのがとても上手い笑 1〜8章で経済学の基本的な所を抑え、9章で筆者独自の主張(縮退とコラプサー化、呼吸口)を展開するという構成になっている。 歴史を踏まえながら経済について分かりやすく解説してくれるので、歴史を知らない私には1粒で2度美味しい的な本だった。 各章の最後に要約があるので、先に要約を読んでから章の内容を読むと頭に入りやすかった。 図書館で借りて読んだけど、買って本棚に置いときたいかも

    2
    投稿日: 2023.02.05
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    経済について、色んな表現を使いながら解説してくれるので、理解が早く、インフレや貿易なども、そういうことか!の連続だった。 改めて、資本主義という世界を覆い尽くす主義の、止まらない経済成長という恐ろしさ、縮退、私たちはどこに向かうのかを考えさせられた。 経済とは、政治、社会、宗教、法律、文化、哲学の全ての根幹にあるものということが分かった、なおさら経済学の捉え方をもっと洗練させていかなくてはならない。

    0
    投稿日: 2023.02.02
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    経済学専攻でない人向けに書いた本。 第1章が秀逸。イメージがわかりやすい。 但し最終章はよくわからなかった。

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    投稿日: 2023.01.28
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    評判通り面白い。説明の仕方が独特だが分かりやすく、喩えも秀逸。タイトルで言う直感的方法ってのは嘘ではなかった。また、最終章で資本主義経済の行く末をテーマにしているが、意外性のある展開で、読み終わると逆に他の章の印象が薄れてしまった。不可逆的な縮退に陥るコラプサーという考えは初見だったが、ちょっと曖昧な定義が多くて歴史上の国々にも普遍的に当てはめるのはどうかと思ってしまった… 長期的な理想が短期的な利益を律することができるかってのは、まんま倫理観に直結してくるかと思うが、実際はどうあれ国連憲章やSDGsなどの周知を見れば歴史的にもここまで広く道徳が共有されてる時代は無いのでは… 映画やネットなどのメディアも大きな力を秘めているかと感じた。大企業が市場を寡占化していくのが縮退で、生態系の多様性が失われることもそうだとして、そこの共通点も薄く感じた。理系集団の武士が明治維新など、数々の国難を乗り越えさせたってのは、何の話かよく分からなかった。なかなか個性の強い考え方が散見されるが個人的には好き。 ブロックチェーンやビットコインの話は不勉強でほとんど知識がなく、非常に参考になった。改竄防止の方法として大規模なものと小規模なものがあるイメージ。ビットコインについてはマイナーなる、ブロックを作ってコインを報酬として得る人物・組織がいるとは・・ネットの世界に金(ゴールド)を作る発想は、結局は金本位制と同様の、必要な時に飛躍的な供給ができずに行き詰まるという弱点があるとの解説。

    1
    投稿日: 2022.09.23
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    ❶資本主義はなぜ止まれないのか ①資本主義は常に成長をしなければいけない、何なら成長は加速させなければいけない、ということを宿命づけられてる。なぜ、そんなことになるのか。鍵は『金利』にある。 ②ここ30年くらいの平均経済成長率は3%程だが、これは24年で2倍になるというとんでもないスピードである。同じペースで仮に100年続くと16倍。 例えば、石油が使われ始めたのが1850年代からだが、統計によると、1865年に1日7000バレルの石油使用量は1945年時に710万バレルに、そして現在9700万バレルの利用まで増えている。ここから経済が拡大するにつれ、同じペースでエネルギー使用が増やせるかといえば難しいだろう。 石油使用を抑えた経済成長をするには、今の使い捨て経済を止めないといけないが果たしてそれが出来るだろうか? ③経済と軍事は極めて密接である。現在でも経済力で勝つ国が軍事でも覇権を握る構図である。特に、鉄道が出来てからは兵站が劇的に変わってしまったため、人、モノ、カネの総力戦の時代になってしまった。日米戦争でも分かる様に経済力に勝るものが戦争に勝つ時代に入ってしまった。『戦争=カネ』である。 ④経済世界の鉄道網というべきものが金融機関である。儲かるマーケットがあれば、そこに大規模に迅速に資金を供給して資本の投入量で勝負を決める。 ⑤中世ではカトリックにせよ、イスラムにせよ利息、というより貯蓄そのものを望ましいものだと考えていなかったと思われる。カトリックは教会に寄進させ、イスラムは貧しい者に施しをさせるように仕向けた。 ⑥貯蓄というものは皆がやると貧しくなる。誰かが持ってる以上に使ってこそ、パイが増えるのだ。 ⑦現在の日本は個人消費と政府支出でおおよそ8割。住宅投資3%と設備投資14%、公共投資5 %が変動要因として景気を動かしている。 米国は民間最終消費1555兆円(68%)、政府最終支出322兆円(14%)、民間設備投資307兆円(13.4 %)、住宅投資85兆円(3.7%)、公的固定資本形成78.5兆円(3.4%)、純輸出-67.4兆円(-2.9%)である。 中国は日米と比べて歪。1次産業7.3%、2次産業39.4 %、3次産業51.3%となっている。 具体的には、農林水産8%、製造26 %、建設7.2%、商業・飲食・宿泊11%、運輸・倉庫・通信7.8%、不動産7%となっている。中国は他国と比べて固定資産投資がドライバーとなっており、ここが崩れると成長率が低下しやすい。 一般的な国では、この『製造のための製造』の2割が景気変動要因のキーなのである。 ⑧資本主義というものは本質的にカンフル剤の連続投与によって維持されているようなものだ。 所得=消費+投資(貯蓄)と考えるのであれば貧血でジリ貧になるか超高圧状態になるかのいずれかである。この投資と貯蓄が一致しないと経済は一気にバランスを崩す。 ⑨西洋の資本主義に影響を与えた人物としてマックスウェーバーがいる。彼は、金儲けに正当性を与えたことが大きい。金儲けは卑しいものというものが宗教的に強かった中で、利潤追求を是としたこの転換は非常に大きい。 また、合理的に生産するために複式簿記が導入され、資本蓄積も進んだ。現代の資本蓄積の礎となった。 ❷農業経済はなぜ敗退するのか ①農業経済の泣き所は大きく伸びない需要と、伸ばせる供給量というギャップである。供給過剰に陥りやすく、値崩れしやすい。 商工業は需給が大きくゴムの伸縮みたいに動く。そして、歴史的に過剰生産と新たな需要を起こすイノベーションによって成り立ってきた。 ②歴史的には石炭文明→石油文明→半導体文明といっところか。今の半導体文明の難しいところは技術の陳腐化が異常に早いことである。 ❸デフレとインフレのメカニズム ①インフレというものは次々に飛び火していく性質を持っている。1ヶ所で値上げが起これば、それがサプライチェーンに沿って値上げが連鎖され、賃金まで波及すれば、そのサイクルは繰り返し起こることも珍しくない。これを学問的に、失業率とインフレ率の関係で見たものが『フィリップス曲線』というやつである。 ②インフレのメカニズムを整理すると主に3つである。 ⅰ)紙幣の増刷 これは第一次世界大戦後のドイツが典型 ⅱ)供給不足 これは、コロナ禍のモノの供給不足がわかりやすい。 ⅲ)好景気に伴う供給のボトルネック発生から波及するもの これが好景気のインフレの典型。現在のインフレはⅱとⅲの複合型ともいえる。 ③インフレで得をするのは誰か。『機動性の高い』人が得をして『動きの鈍い』人は損をする。わかりやすくいうと『金を借りる側』は得をして『金を貸す側』は損をする。 ④インフレになった時の対処法としては、金利を上げ、金の需要を遮ることで、金の流れにブレーキをかける。 ⑤デフレはインフレより恐ろしい。モノの値段が下がっていくデフレ下では買い控えが起きやすくなる。企業も売上が減るので賃金を上げられず、賃金が上がらないのでさらに買い控えが起きるという悪循環に陥るのがデフレである。 ❹貿易はなぜ拡大するのか ①貿易のメカニズムは『価格差』である。 ②自由貿易の怖いところは一者総取りであり、産業競争力でトップの者が利益を攫っていく。歴史的にこのような例は沢山ある。 ③貿易で繁栄した国といえばオランダがあげられる。17世紀後半に英蘭戦争で英国に負けるまでオランダは世界の覇権国にいたが、オランダの稼ぎは東インド会社ではなくバルト海の穀物貿易がメインであった。当時の欧州は人口増加に穀物の供給が追いついていなかった。また、穀倉地帯だったウクライナのあたりがオスマン帝国の勢力圏にあったため、オランダが支配していたバルト海のルートからの穀物供給が使われた。 ④米国の南北戦争の戦争の要因として、工業経済であった北部は英国と比べて競争力が低かったので、保護貿易的な政策を採りたかったのに対し、農業経済であった南部は原料輸出がメインであったため、自由貿易的な政策を採りたかったのがぶつかったことが要因。結果は北部が勝つことによって南部がいわばモノカルチャー国のような立場に変わったことで劇的な発展を遂げることになった。同じようなことは、鄧小平時代からの中国にもいえる。農村から安い労働力を大量に動員して発展した。 ⑤戦後の1980年代、日本は工業国として世界で最も高い競争力を誇っていたが、戦争で負けた経験からか、保護主義的な政策にこだわった。一方で、米国は逆にナンバーワンから転げ落ちたにも関わらず、自由貿易を掲げ、日本の貿易黒字を数値目標として管理するという客観的には保護主義的政策を採った。 ⑥19世紀から20世紀にかけて自由貿易が浸透していったが、その一方で格差の拡大も大きくなった。南北問題である。これを壊しにいっているのがインターネットの存在だ。情報の格差がなくなったこと、経済の形が情報経済になるにつれて、南側諸国にも勝ち目が出てきている。 ⑦仕事を南側諸国に奪われた北側諸国の人間が増えるにつれて、貧困も北側諸国に戻ってくる。これが政治のポピュリズム化を促してしまっているところがある。トランプ政権の政策を考えるとわかりやすい。米国の製造業はコスト面などで競争力を無くしているため、大きな部分を中国等に持って行かれた。トランプ政権はブルーカラーの票取りのために保護主義的政策をとり選挙に勝った。 ❺ケインズ経済学とは何だったのか ①ケインズ経済学を理解するにあたって重要なのが『乗数理論』であり、政府の財政出動が投入規模の何倍にもなって経済に影響を与えることを級数を使って説いた理論である。 ②有効需要の不足を考えるにあたっては2つ考える。1つは使う意志があってもカネがない、もう1つはカネはあっても使う意志がない、である。日本は貯蓄率の高さから考えても後者が強いのかもしれない。 ③不況になると、すぐに『財政出動』という言葉が出てくるが、これはまさしくケインズ経済学が浸透しているということを意味する。 ④社会全体で富の重心が低所得者側にあると、貯蓄をする余裕がないので消費性向が高くなり、有効需要は減りにくい。一方で富の重心が高所得者層にあると、貯蓄が多くなり、消費性向は低くなりがちである。 ⑤経済が縮小均衡に陥りそうな時、ケインズ経済学(突き詰めて財政出動)は常に有効かといえばそうではない。当然、副作用もあり、それは財政赤字とインフレの温床になりやすいということである。 ⑥財政赤字は富裕層に増税すれば良いという議論になるが、これをやるとうまくいかない。経済全体が縮小均衡に陥っているときは富裕層がイノベーターとしての消費主導になることも多いからである。 日本が多額の財政出動をしたにもかかわらず、縮小均衡から抜け出せなかったのは、財政出動というアクセルを踏む一方で富裕層や中間層の可処分所得を削ったことも大きい。 財政出動=国債発行であり、これは一種の通貨膨張でありインフレを招く要因となる。 ⑦ケインズ経済学の1番のリスクであるインフレは1970年代に爆発した。遠因として、1960年代の公民権運動(キング牧師が有名)を躱すため、少しでも失業者がいればすぐに財政出動をしたのと、ベトナム戦争の財政赤字が大きいだろう。また、ブレトンウッズ体制も1971年に破綻。1973年までスミソニアン協定で頑張ったが変動相場制に移行。ドルの信任が破壊されている状態で1973年のオイルショックが起きてインフレが止まらなくなった。 ⑧ケインズ経済学が敬遠されていく中で急激に支持を得たのが自由放任主義を唱えるミルトンフリードマン率いるシカゴ学派のマネタリスト達である。 自然失業率仮説(経済社会においては健全な状態でも一定の失業者がいる)を唱え、過度な救済に疑義を唱えた。 ⑨1980年代のレーガン政権には本格的にケインズ経済学が駆逐され、『小さな政府』を主張するマネタリスト達が席巻した。これはリーマンショックまで続くことになる。 ⑩歴史的に、投資家層、消費者層(労働者層)、企業家層(生産者層)は組み合わせを替えて2対1の対立を繰り返している。19世紀の資本主義の時代は企業家層と投資家層が同じようなものであり、労働者層と対立をした。企業家層が支持したのは自由放任主義を唱えるアダムスミスから進化した古典派経済学であった。 労働者層に手を差し伸べたのがマルクスであり、ここに、資本主義対社会主義という我々がよく知る対立が生まれた。 ケインズ経済学は、企業家層と労働者層が手を組んで、投資家層に対抗した。大恐慌時代に象徴される大失業時代に要求された組み合わせであった。 1980年代からの新自由主義は、投資家層と消費者層が手を組んで、生産者層に対抗をする。投資家は世界で最も有利な場所に投資をし、消費者は世界で最も安いところでモノを買うことにより、国内の生産者層を駆逐していった。 11)余談ではあるが、今の中国は投資家層を力で圧殺して、生産者層と労働者層を強制的にくっつけている状況でないか。 ❻貨幣はなぜ増殖するのか ①貨幣の『自己増殖』という観点から見ると、貴金属から紙切れに変化したときが最も大きい質的変化となった。貴金属のような人間の手で勝手に増やせないものから、その気になればいくらでも増やせるものへの変化、ここをまず押さえたい。 ②中央銀行が発券した現代の紙幣はイングランド銀行が発祥と言われているが我々の想像とは違う形で出来た。つまり、国家権力の信用において流通させたという性質ではない。当時は名誉革命時で、カトリックとプロテスタントの争いも絶えず、治安が悪い時代であり、市民は金や貴金属を金細工に預けていた。その預かり証を中央銀行がまとめる形で紙幣が発行されたのだ。 ③貨幣は放っておくと級数的な広がりで増えていく。その中心的役割を担っているのが銀行である。銀行が預金者からの預金を又貸しで回転させるため、市中で観測されるお金の量が増えていくのである。これをセーブするために、中央銀行は準備預金という形で強制的に積ませる仕組みを導入している。 ④世の中の人間が誰も借金をせずに手元にあるお金しか使わない人たちだけで構成されている場合、その世界では経済の拡大はあり得ない。 誰かが今ある資金以上のお金を使って、そのお金が実際に市中に回ることにより、拡大という概念が生まれるのだ。 ⑤金本位制の1番のメリットはインフレを抑えるということである。金の裏付けなく紙幣の発行ができないため、財政難に陥った政府当局が輪転機を勝手に回してインフレになることを防ぐ効果がある。蛇足だが、中央銀行が政府と独立しているのは政治的理由で金融政策をさせないためである。 ⑥一方でデメリットもあり、経済が拡大する時は紙幣がうまく回らず経済活動を阻害してしまうのだ。 ❼ドルはなぜ国際経済に君臨したのか ①ブレトンウッズ後の米ドルは金の裏付けのある通貨であった。それがニクソンショック後は『世界最強の軍事力』を背景とした通貨に変わった。前ページの話で言えば、イギリス型の金の裏付けがある形ではなく、モンゴル型の軍事力を背景とした裏付けになる。 ②米ドルを世界通貨として使っている現状には大きなジレンマがある。それは、各国に十分な量の米ドルを供給するために、米国が貿易赤字を垂れ流さないといけないということである。 ③第二次世界大戦後の歴史を見ていくと、1950年代までは米国が貿易黒字であったこともあり、ドル不足であった。これは日本の当時の経済情勢を見ても一目瞭然であった。これが1960年代に入ると、米国が世界にふんだんにドルをばら撒き、今度はばら撒き過ぎてドルの信用不安が出てくる。これが、一気に表面化したのがニクソンショックであり、そこからドル安が止まらなくなった。(そして、高インフレの時代に突入した) ④そもそも米ドルの供給量は、米国の国内の経済情勢によって決められるべきものである。これを国際貿易に必要な量はいくらかという基準によってドル供給を行おうとするから無理が出てしまうことになる。 ⑤現代社会において、人類は貨幣の量に対して『ある場合には絶対増やせないが、別の局面では自由に増やせる』という二律背反の要求をしている。現在、この要求に最も応えられているのが米ドルであり、日本円も仮想通貨もその要求には応えられていない。 ⑥米ドルが基軸通貨で居続けられた一番の背景はやはり軍事力である。ロジックはモンゴル帝国のロジックと同じである。 ⑦金本位制を採用する理由は、2国間で価格差が発生した場合にはアダムスミス的な神の手で修正されるというロジックが根底にあった。 ⑧このロジックには落とし穴がある。例えば、貿易赤字になり国内価格が下落、輸出で稼ごうという際、海外から原料を輸入しようという場合、そもそも外貨がなければ何もできない。国内もデフレになってしまうので、経済運営が難しくなる。 ❽仮想通貨とブロックチェーン ①仮想通貨の仕組みで最も押さえておきたいポイントは『すぐには増やせないが、ゆっくりなら増やすことができる』という、これはまさに金が持っている性質である。 ②ビットコインやその他の仮想通貨がドルなどの法定通貨に取り変わる確率は低いだろう。ただし、ブロックチェーンの技術は法定通貨の補助、例えば地域通貨や企業のポイントなどの形で、うまく使われる展開を想定している。 ③ブロックチェーンの直感的な理解としては、ハッシュ関数のハッシュ値が次々書き込まれ、改竄できないように並べた仕組みである。 ④ビットコインの場合、10分に1個のブロックが作られており、改竄は難しい。 ⑤ビットコインはデジタルゴールドを目指して設計された。リブラはドルもの交換を保証した商品券の拡大版として設計された。ステーブルコインみたいなものである。構造的には、ビットコインは不特定多数に管理させる超大型機タイプ、リブラはフェイスブックが中心となり団体レベルで管理可能な中小型機タイプと分類することが可能だろう。 ❾資本主義の将来はどこへ向かうのか? ①1970年代には経済成長と石油使用料がパラレルに動いていたため、化石燃料の枯渇が強く懸念されていたが、現在、そのような懸念は起きていない。これは経済成長の形態が大きく変わったからだと考える。そして、それを考えるにあたって『縮退』という概念を考えたい。 ②縮退は『寡占』と言い換えることも出来るだろう。あらゆる業界は札束での殴り合いで上位数社に集約していく。現在の経済は、この寡占に至るまでの過程で誕生した巨大企業がその他の利益を奪う形で富を形成してるように感じる。 ③たまにスマホやEVのようなゼロから巨大市場が誕生することもある。ただし、莫大な富が生まれるのはそれが量産されて大衆化と陳腐化が始まりかけた頃である。(今のEVがまさにそのような感じ)そして、これが社会の縮退(競争の激化)と組み合わさった時、巨万の富が生まれる。 ④多様化を進めようとすればするほど一強による画一化を招く。政治では、それを回避するシステムが2大政党制であり、例えば天体においても二体問題が安定的でそれ以上になると、軌道の計算が全くできなくなってしまう。 ⑤1970年代と経済成長が大きく変わっていないのであれば、以前のような石油消費に依存する量的拡大から何が変わったか、カギを握るのは『金融市場の拡大』であろう。 ⑥本来ならば世界のマネーは実体経済にくまなく行き渡るようにすべきものだが、非常に狭い金融市場の中で投機のために回るようになっている。 ⑦なぜ、短期の欲望が長期の理想を駆逐するような状態に陥ってしまったのか。資本主義世界、特に米国では『大勢の短期的欲望を集めていけば、それは長期的欲望(全体)に一致する』と思っているフシがある。 物理学の考えで言えば、二体問題であれば、部分の要素を集めていけば全体の動きが分かるが、三体問題以上になると、部分を集めても全体の動きは分からない。 ⑧共和制ローマから帝政への移行にかけての出来事は現在我々が抱えている課題に示唆を与える。 共和制の時代、社会は基本的には自作農中心の自由農民で成り立っており、戦時には自由農民が戦力の中心となった。共和制の末期になると、ローマの属領が増えて、そこから安い農作物がローマに流入し、自作農は没落。自作農が手放した土地を金持ちが手に入れ、さらに格差拡大という流れに。同時に、自作農中心の戦力も、雇用、もしくは金持ちの私兵で構成され、歯止めが効かない状態に陥った。 この行き着く先が帝政への移行であった。つまり、カエサルへの権力集中であった。 あるデータによれば、ローマの人口120万人のうち約半数が生活保護者であり、奴隷を除くと自活していたのは1割しかいなかったというデータがある。 ⑨われわれの経済は力学として捉えると、その根本原理は『欲望を満足させて、利益を極大化させようとするただ1つの力で動いている』ということである。 ⑩われわれが物質的に恵まれているにも関わらず、幸せを感じられない理由は『想像力』を奪われているからであろう。欲望は次から次へと叶えられ、望むものがなくなった結果、幸福を感じることができなくなった。

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    投稿日: 2022.09.16
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    縮退によって富が引き出されている 多様化は縮退に繋がるので、二大政党制の方が良い 多様化は短期的な願望を満たすため縮退を満たす ドラックとVRによって「幸せ」を感じることができ、社会はそちらに向かっている ドーパミンコントロールが重要 現代は欲望を満たすという幸せは完全に満たされ尽くしている 可能性への想像力が幸せの終着点 本質を見抜く力が理系的思考、文系の特に経済系は短期的な利益を求める つい思考を二つに分解して考えてしまうが、三つや四つでも良い

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    投稿日: 2022.08.23
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    近著「世界史の構造的理解」の底本という位置付けで再読した。本書のポイントは次のとおり。 ①暴走中の資本主義の駆動原理は次の3つ。   軍事力維持(英国)   未来に夢を与える(米国)   他国の資本主義から身を守る(日本)  これらを全て満たす新たな思想が必要。 ②縮退(退化)過程で富が引き出されている。   回復不可能になる前に対応が必要。   鍵は哲学・物理学等と融合した真の経済学。   少なくとも新自由主義では話にならない。    読み返してみて改めて名著だと思ったが、第6章で貨幣の増殖を「また貸し」を前提に語っている部分は明らかに間違い。これほどの論考ができる著者がなぜこのような説明をしたのか興味がある。  単なる無知とは思えないのだが。

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    投稿日: 2022.07.23
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    理系文系問わず、まず読んでほしい。現代の経済の状況を「お金持ちの話」と遠くからみていた自分としてはかなりわかりやす。なぜ、今の状況になったのかが歴史的な事実を踏まえて解説されており、アナロジーの巧みさがすごい。

    1
    投稿日: 2022.07.21
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    感想はあとで ---- 戦争のパラダイムシフトのキーファクター=鉄道 経済においては銀行がお金という資金を融通するいわば鉄道 宗教は資本主義ブレーキ装置 金利の禁止 寄付(キリスト教)、喜捨(イスラム教)の教え →貧富の差が巧妙につかない仕組み プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 ピューリタンの予定説が資本主義促進のエネルギー 「天国に行ける自分は現世で報われるから稼げるはずだ」 資本主義が必要な理由: ・軍事力の基盤  ・人々が夢を持つ ・他の資本主義から身を守る →資本主義の代わりを訴えるならこれに対する答えが必要 徳川政権の珍しさ 米が金銀に優先される 商業を抑え込んで農業の地位を押し上げる なぜ農業は工業 商業より儲からない? →所得が倍になっても食費は倍にならない →工業、商はスケールしやすい 一次産業の中でも石油だけ別。 商工業のスケールに対応できる製品であるから。 ケインズ経済学vs古典は経済学 ニューディール政策による景気回復の本当の理由は第二次世界大戦 古典派→ケインズ経済学(大きな政府→新古典派(小さな政府) ケインズの弱点は国家の赤字、インフレ 基軸通貨: 米国が米国民のためだけに刷ったお金を国際取引で使われることがでファクトスタンダード化した状態にすぎない. 米国ドルの権威=軍事力 純金の権威=物理的希少性 →「これは価値がある」というメッセージを人為的に作るか,不変的事実として作るか. この貨幣は今日も使えるから明日も使える →慣性的共同幻想 ブロックチェーン、ビットコインの説明が超優しい 短期的願望・長期的願望 人間を死に至らしめるのは苦難ではなく絶望 愛国心、地域主義→価値判断の拠り所 宗教、神、崇拝 縮退を防ぐ、短期的願望を抑える文化や慣習はそれ自身が資源。

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    投稿日: 2022.07.16
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    自分は学がなく頭もあまり良くないので、よくは理解できなかった。それでもスゴいことが書いてあるという感じはあって、興味深く読ませてもらった。 貨幣とか、金本位制などについてその歴史から本質を捉えて未来について語っている気がした。そこから必然的に出来する「縮退とコラプサー化」を扱いまだ産まれていない対抗策の見通しを示す。 どうやら本書は経済に疎い理系の読者を想定している模様。文系の社会発達モデルって、対立する概念の間を揺れ動きながら、螺旋的により高度化していくようなイメージがある。 対して理系のそれでは、「この先にこんな技術がありそう」という方向に一足飛びにジャンプしていく感じ。 個人的には、この本こそ21世紀の資本論と呼ぶに相応しいと思った。

    6
    投稿日: 2022.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    骨太の経済学の根源解説本です。 理系畑(物理ご専門)の著者が経済に疎い理系読者を念頭に原理原則をつまびらかにしてくれている、そんな印象です。 第1章:資本主義はなぜ止まれないのか 所得=消費+投資(銀行などの貯蓄が設備投資などへ流用)の公式が鉄道のメタファーで視覚的に想像することができた。 利息(貯蓄)の正当性は、カルヴィニズム、予定説による徹底的な禁欲生活、つまりは稼いだ分を消費に回さず貯蓄する、その貯蓄額こそが天国へ行けるという証なのだという論理が発端となっている。 第2章:農業経済はなぜ敗退するのか まとめると、農業経済は機動性が不足している。一定した需要と漸増する供給の最悪の組み合わせにより、農産物は価格低下の一途をたどり、成長性が見込めない。 第3章:インフレとデフレのメカニズム ここでは、資産家階層・企業家階層・消費者階層の3層構造でインフレ・デフレの利害関係をまとめているのが新しい知見。インフレは、資産家・昇久階層は損する一方、企業家階層が得している現象という認識でひとまず良いのでは。 どうも最近の暴力的なインフレは、消費者たる私は苦境に直面しております。 第4章:貿易はなぜ拡大するのか 自由貿易体制は関税を撤廃することで先進国の安価で質の良い商品が流入し、発展途上国の自国産業の発展を阻害する危険がある。「先に二階へ上がったものがはしごを引き上げてしまう」制度である。 インターネットの登場で最近では国対国の貿易ではなく、より部分的なつながりで利益を共有する方法というものある。 軽く飛ばして、 第8章:仮想通貨とブロックチェーン ブロックチェーンの台帳にタグ付け、ハッシュ関数の利用、ナンスの活用という説明で、大方理解が深まった。 マイナーは何してるんだろ?にたいしても、新しいブロックチェーンの創造と報酬としての仮想通貨の入手でだいたいイメージつかめた気がする。 最終章の経済界の縮退に対する危機感は、理論ぽくなってきて理解が難しい。しかし、現在の自由主義経済の中における飽和であるがゆえの虚無感、一般意思(理想)ではなく全体意思(欲望)を追い求めているが故の束縛感というのはまさに自分が感じていることだし、現代人の根本的な課題なのだろうと思もう。徹底的な個人主義ではなく、他社との関係性により吸気口を共有し息詰まりな状態を打破するいった方向性は、非常に共感します。しかし、個々人としてどういった生活を営めばよいか、生きるとは、悩ましいところですし、今話題のポスト資本主義というテーマが注目される現代、一つの転換点なのかもしれません。

    1
    投稿日: 2022.05.07
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    こんなにわかりやすい本に出会えて感謝。疑問に思っていた貨幣制度や金本位制のことからビットコインまで分かりやすく書かれている。何冊か購入して周りに勧めている。

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    投稿日: 2022.05.03
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    色々と面白い切り口というか、話はあるんだけど、 いかんせん貨幣感がアウトかなぁ。 ブロックチェーンのとこは単純に勉強になる。 オーディブルで聞き流しならまぁアリ。。

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    投稿日: 2022.04.21
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    経済学素人でも経済学の概要を掴める本。素人なので本当に合ってるかは分からないけれども。 マクロ経済とブロックチェーンのイメージが掴める。

    0
    投稿日: 2022.04.11
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    ここ何年かで一番「読んでよかった」と思う本。 感動を通り越してもはや感謝。 もう、ずっと面白かった。 経済に興味がある人も、興味がない人もオススメ。

    1
    投稿日: 2022.03.30
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    2022/03/04 読了 重厚長大、けど分かりやすい文章、本当に素晴らしい。 みんなが言うけど、ブロックチェーンの解説が本当に分かりやすく頭に入った(覚えているとは言ってない) 図書館で借りたけど、いつかKindleに入れたい。100回くらい読む価値ある。

    0
    投稿日: 2022.03.04
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    大変理論的かつ理解し易い展開で、ざっと読むとなんとなく経済学が分かったように思える。 じっくり読むと更に理解が深まると思う。

    0
    投稿日: 2022.02.14
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    著者の語り口、賢い人だなあと思います。 仮想通貨が掴めたのが良かった、最終章の理解が追いつかず再読しよう。

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    投稿日: 2022.02.13
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    「ビジネス書大賞2020 特別賞(知的アドベンチャー部門)受賞」とのことで以前から気になっていた本書 これ一冊を読めば経済の大まかなあらすじがわかることを掲げ、経済がわからないが読書レベルが高い人、今まで経済の本で何度も挫折した人、そういう人向けであるとのこと また初心者向け過ぎず、専門的過ぎず、中間レベルの本であること、また各テーマやエピソードなどを交え読みやすい…などそそられる文句が「はじめに」にずら~っと並んでおり、まんまと引っかかったというわけである 金融機関での勤務経験があるものの、経済全体への理解が足りず、勉強したい気持ちはあるが、専門書を読むと眠くなる… 著者がいうように近頃の経済の本といえば「株で儲ける」とか「仮想通貨について」なーんていう投資ならぬ投機目的の本が多く、うーん違うんだけど…と思っていたところである さらに著者の言う通り入門書の類は多いが、その次のレベルになると専門的過ぎる 個人的に何かに特化した専門的知識が必要なわけではなく、今の知識をもう少し掘り下げたてみたいという目的があったため、まさにビンゴの本なのだ! さて内容は… 読み物として楽しめる工夫があり、読みやすい! 兎にも角にも、とことんわかりやすさを追求し、ロジックもしっかりしている だからといって(よくありがちな)やたら絵と図解ばかり…といった幼稚さはない 世界の金融経済の歴史を通じて経済を知ることができるのだが、やはり歴史を知らないことには始まらない!と納得 歴史をベースにあらゆる物事は展開するのである (余談だが、歴史を知ることはあらゆる物事の基本だとしみじみ感じるこの頃…) とは言うもののところどころ完全に理解できない部分もあり、また一部納得がいかない箇所もあったが、総じて良書である(経済の本は総じて面白みに欠けるものが多いのはなぜだろう…) ★資本主義については思うところが多々あるがこちらは他の書で語りたい ※気になる方はぜひAmazonの試し読みをご参照ください  結構な量を試し読みできます! ちなみに著者は以下のように紹介がある かなり物理学に強いマニアックで凄い方のようだ 〜早稲田大学理工学部応用物理学科(数理物理)卒業後、同大学理工学部大学院中退。1987年、自費出版『物理数学の直観的方法』(通商産業研究社)の出版によって、理系世界に一躍名を知られる。その後も組織には属さず仲間と一緒に研究生活を送っている〜 -------以下は個人的備忘録のためまったく面白くなく超長いです(すみません)------- 【第1章 資本主義はなぜ止まらないのか】 ■大多数の企業が大量の資金を銀行から借り、そこには「金利」が発生する  その「利子」返済により、企業は借りた資金以上に売上を増やさなければならない  この循環が止められない資本主義の流れ ■中世と現代の経済社会の違いとして、中世では市場にダブついたお金は…  ・カトリック:教会へ  ・イスラム:貧困層へ これにより資本主義の成長を意識的に抑制していた ■投資と貯蓄は一致する  国民所得=消費+投資 これがマクロ経済の中枢 ■資本主義の必要性の「3要素」  ①軍事力の基盤を確保するための資本主義  ②アメリカンドリームの舞台としての資本主義  ③他国の資本主義から自国を守るための資本主義  (日本の資本主義の本質は③になる) 【第2章 農業経済はなぜ敗退するのか】 ■農業経済が脆弱な理由→産業としての機動力の差  ・農業:需給バランスのコントロールがしづらい   例)食糧不足になった時に故意に供給を減らして、儲けるのは生存に関わるものだけに難しい  ・商工業:迅速に攻め口を転換できる ※農業経済が脆弱な理由は少々弱いか…もう少し掘り下げる必要あり 【第3章 インフレとデフレのメカニズム】 ■インフレのメカニズム  ①紙幣の発行量がふえてしまうことによるもの   例)第一次世界大戦直後のドイツ  ②品物の供給量が突然減ってしまうことによるもの   例)1970年代の石油ショック  ③好景気に伴ってどこかに供給のボトルネックが発生し、それが社会全体に波及するもの   例)需給バランスの崩れなど→好景気に起こりやすい ・長期的に見ればインフレは実態経済に何も影響がない ・短期的にタイムラグ(機動性の差)により以下となる   資産家階層(機動性鈍い)→損をする   企業家階層(機動性高い)→得をする   労働者階層(機動性鈍い)→損をする ■デフレ…インフレより社会全体に悪影響  消費者買い控え→モノが売れず企業が値下げ→従業員の賃金カット  経済の悪循環、社会全体が貧しくなる ※長い目で見るとある程度のインフレの方が社会全体に良い影響をもたらす 【第4章 貿易はなぜ拡大するのか】 貿易の歴史 ■オランダ  オランダが最も反映した時期において、東インド会社が出していた利益は、オランダ全体の貿易の利益の2%程度  バルト海からの穀物貿易が利益の主流  ただし競争相手がいない独占状態のため潤ったに過ぎない  英国との制海権争奪に破れ転落 ■英国  国内で生産した「毛織物」を輸出し貿易の王者に(右から左に物を動かす「商業」から「産業」をベースに貿易が転換する)  19世紀自由貿易と産業革命により量産された綿製品がインド国内へ  たちまちインドの繊維産業が壊滅、インド経済の大打撃   ■米国  南北戦争の真の原因:南部の自由貿易主義的な主張を、保護主義を要求する北部の工業経済が排除しようとしたことにある  北部:工場を経済基盤にし、自立したい(イギリスに対抗)→保護主義の導入が不可欠  南部:奴隷を使った農業経済のため競争力が強い→自由貿易を指向  貿易体制を一方にするため、北部が圧倒的な国力差をもって、南部の試みを粉砕した ■日本   鎖国後…生糸が日本の最重要輸出品目(富岡製糸場等で生産)  第二次世界大戦後…重工業(自動車など)へ  ■イスラム世界  最初から自由貿易以外の体制が成立し得ない…メッカへの巡礼(国境線で商業を管理しきれない)  メッカに急速に自由経済が流れ込んできて、道徳的退廃が蔓延し、その対策として宗教が導入された  競争力を激化させる「産業」とは結び付かなかったため(あくまで商業にとどまる)、凶暴な経済展開に発展せずにすんだ ※宗教と自由貿易の関係は要確認 ■現状~将来  コンピューター・ネットワークの発達によるグローバル化によって、自由貿易と保護貿易との本当の適正点がわからなくなっているため、 模索していくことが必要   【第5章 ケインズ経済とは何だったのか】 ■経済が縮小均衡の状態と陥ったとき→政府の公共事業により資金を注ぎ込んでやるのがよい  一時資金より相乗効果があり、最初の何倍もの経済効果に付与する ■欠点 増税しない限り財源は国債発行となり、財政赤字とインフレの温床になりやすい こうしてみるとケインズはの理論は普遍的ではなく、19世紀の「世界の工場」として繁栄のピークであった英国限定モノを作ろうとしたのでは… 当時英国は世界のトップであり健全経営のため、借金の必要もなく、海外投資してもめぐりにめぐって自国へ戻ってきた しかし米国の工業力が追いつくと、自己資金が自国へ戻らなくなり英国が衰退しだす→その対策として有効であった また多くの社会階層を成す英国投資家が、英国内の企業よりも自分の私利私欲を優先し、政界にも大きな影響を与えるほど力を持ち、問題視されていた→ケインズ理論が役立つ ケインズ経済政策はインフラを引き起こす 企業家階層、労働者階層→お得 投資家階層→損をする 大量の失業者を救うとともに、力を持った投資家階層を解体できる 英国経済にとってはプラスになる ■経済学の勝者を決める3つの層  ①投資家層  ②企業家層・生産者層  ③労働者層・消費者層 この3つの層の中で二者がくっつく一種の同盟関係が成立していて、その2対1の構図がしばしば一種の外交ゲームのように状況を支配していた 例a)①②vs③ ・19世紀  資本主義vsマルクス主義と言う二大理論の形の対立構造 例b)①vs②③ ・20世紀中頃〜70年代  ケインズ主義  投資家層と起業家層との間の関係がほころびはじめ、生産者層が労働者層と手を組んで投資家層から主導権をもぎ取ると言う形式 例c)①③vs② ・1980年代〜  レーガン・サッチャー主義 この時期は投資家層が反撃を始め、消費者層を誘って新たな同盟関係を作り上げ、生産者層から主導権を脱会することを狙ってきた 【第6章 貨幣はなぜ増殖するのか】 ネットワークの発達により仮想通貨など新形態の貨幣が登場し、勝手に増殖しているような錯覚を起こすが、そうではない 自己増殖のメカニズム自体は遥か古くから存在する イングランドの紙幣とモンゴルの紙幣 ■モンゴルの紙幣  ・国家の意志で整備された行政機構の力によって流通 ■イングランドの紙幣  ・市中の個人事業者が無許可で発行したもの   (1694年当時の金細工師たちの厳重な金庫に市民たちが自分たちの金を預け、その預かり証から始まった) ■貨幣増殖とは… 銀行などが預かったものをどこかへ「又貸し」した時、貸し出したものと通帳の数字が二重に市中に出回ることで起こる ↑この増殖がいわゆるマネーストック(以前のマネーサプライの呼び名と同等) すなわち「通貨供給量」が増えたというのは造幣局が紙幣を増刷したからではなく、銀行が貸出量を増やし、 それに比例して預金通帳の数字という形で「虚の貨幣」が増殖したことを意味する ■仮想通貨は「虚」ではなく「実」 「又貸し」で増えるお金ではない(逆にむやみに発行できない仕組み) またキャッシュレス化も単に「実」のお金が「電子化」しているに過ぎない 【第7章 ドルはなぜ国際経済に君臨したのか】 ■もともとはドルが金との引換え証だったからだが、  ドルが米国という強い国の通貨だったことは二義的な問題だった ■基軸通貨とされるドルだが、単に米国が使っているドルが、貿易のための通貨としても使えるに過ぎない  ましてや最初から米国が他国にあらかじめドルを配ったわけもないので、各国は自力でドルを稼がなくてなならない  →米国の貿易赤字をもたらすことに(ある国の国内通貨を同時に国際通貨として使うという二重性は無理が生じる)  金に裏打ちされる固定相場制→変動相場制へ ■経済力だけでは基軸通貨になれない  米国の保有する各兵器が後ろ盾となりドルの価値を保証していた←? ※理解が微妙な項目 【第8章 仮想通貨とブロックチェーン】 ■ビットコインとは「電子の世界の金本位制」  「金本位制」の特徴:①人が勝手に増やすことができない ②人から人へ渡って誰でも自由に使える ■どうやって電子の世界で「増えない量」と作り上げるか  「誰がいくらそれを支払い」「誰がそれを受け取ったか」この情報を台帳なるもので徹底管理  ただし、これを「誰もが必要に応じて見ることができ」「誰も改ざんすることができないようにする」  →この仕組みが「ブロックチェーン」 ■ブロックチェーンのメカニズム  ブロックと呼ばれるデータの単位を生成し、時系列に沿ってチェーンのようにつないでいくことによりデータベースとなる  各ブロックは、連結されたブロックの一つ前の「ハッシュ値」(ハッシュ関数により計算された値)を持っており、それをさかのぼることで、つながりを辿ることができる (この詳しいメカニズムは本書にあり、文系の人間でも理解できるよう説明がある) ■ブロックチェーンを作った人間(マイナーと呼ばれる)への報酬がビットコイン  これでビットコイン全体の総量(発行高)が公正な形で少しずつ増える仕組み  マイナーの選出方法はゲームやレースで1位になった者  ※ちなみにこの「マイナー」は採掘者、鉱夫を現わす 金本位制度を彷彿させる ■発行高を定められた量に安定させる仕組み  マイナーに支払われる報酬額で調整(発行高が一定になると報酬が半分に減る仕組み) ■弱点  金本位制度同様に必要に応じて適切な量に増やしたり減らしたりできない  (現在の通貨のようには誰もコントロールできない)  そのため金本位制度の限界=ビットコインの限界になるのでは… ■ビットコイン以外の仮想通貨  基本的にはその価値をドルや円などの通貨に依存する形  運営母体がそれとの交換を保証する  商品券の拡大版というイメージ 最高にためになった! 仮想通貨(暗号通貨)の根本が理解できたかも 仮想通貨と一言でいってもビットコインタイプとその他は全く違うものだ 【第9章 資本主義の将来はどこへ向かうのか】 縮退が進行して希少性の低い状態に移行する過程で、富が生まれる →大企業が中小企業を絶滅させてその縄張りを吸収することで巨額の富を得る 社会を縮小させるとその過程で富を引き出すことができる →核家族化 家電の必要数が増えるなど 願望の短期化により富が生まれる →強引にスピードを持って欲求を満たす どうすれば良いか… ◎縮退を止める道具として「大きな物語」が重要(宗教、愛国心、郷土愛、歴史物語、文明進歩など) ◎ある程度の幅で縮退や自由を許容する社会のほうがむしろ望ましい ※この章は理由あって諸々省略

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    投稿日: 2022.01.30
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    良書。ビットコインのくだりは取ってつけたような印象だがそれまでの章は歴史的背景も踏まえて貨幣経済の成り立ちから核兵器の存在意義まで初めての人にもわかりやすく書かれていた。オーディオブックから入ったが、大変図が多いため更なる理解を深めるため愛読書として書籍を購入することにした。

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    投稿日: 2022.01.05
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    【感想】 経済学を苦手とする人は少なくない。その理由は、大学で学ぶ「経済学」と社会の中の「実体経済」が往々にして乖離しているせいだと思っている。 大学で学ぶ経済学は、まず「経済の成り立ち」から勉強していく。需要量と供給量と価格、貯蓄=投資、GDPと経済成長率の関係、国際収支と為替レートなど多岐に渡るが、単体の項目だけなら基礎的で単純な内容が多い。しかし、実体経済はこれらが全て組み合わさった複雑な層になっており、個々の事象が全体に通じていることを直感的に理解しにくい。さらに厄介なのは、モデル式は理論上正確だが実態上正しいとは限らないことにある。こうした矛盾を孕んでいても「成り立ってしまう」のが実経済であり、それが分かりづらさを生んでいるのは間違いないだろう。 本書は、そうした曖昧な「経済学」に対して、「なぜ資本主義は暴走していくのか」という一本線を引き、この軸に沿って経済学をカテゴリごとに学びなおすことを目的としている。大学のテキストのような総ざらいの学習ではなく、「資本主義の問題点」に強くフォーカスを当て、本で述べる知識と実体経済の成り立ちが乖離しすぎないよう、丁寧に現代社会の特徴を説明していく。 特に複雑な数式は含まれておらず、思考実験や図解を用いて直感的に理解しやすい本を目指しているため、これから学び始める人の入門書としてとてもオススメだと思う。同時に、物理学や生態学からのアナロジーで得た「縮退」「呼吸口」という概念を使って、今後の資本主義に必要な要素を経済学外に求めていくため、経済学に理解がある人にとっても新たに学ぶことのできる本となっている。とても贅沢な一冊だった。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 本書で私が「なるほどなあ」と思ったのは、現代経済と中世ヨーロッパ・イスラム文明の経済を歴史的に比較している部分だ。 中世ヨーロッパでは教会が商業を危険視していたため、民衆に「金は悪だ」と説くことで教会への寄進を促し、集められた金を教会の地下にしまいこんでいた。(結果的にはその金の誘惑に聖職者が負けてしまったのだが)また、イスラムでも同様に富の集中を悪としていたが、貧しいものへの喜捨という形で市場に流させていた。 2つのうち、原則として金利を禁じていたイスラム文明では、民衆の間に発生していた余剰資金が無闇に貯響に回らないよう、「喜捨」という形で撤退路を与えていた。ところがそれは、ケインズ的観点から見ても結果的に、興味深い機能を果たしていた。 一般にぎりぎりの生活をしている低所得者有層は収入を貯蓄に回す余裕がなく、それらを右から左に生活必需品の消費に使わねばならない。つまり所得の大半が消費に回っており、経済学の用語で言えば「消費性向が高い」ことになる。一方逆に、使い切れないほどの金を稼いでいる高所得者層は所得が消費に回りにくく「消費性向が低い」。つまり社会全体の富の「重心」が高所得者層の中にあるほど、富の大半が貯蓄に回りやすく、経済全体で消費性向が低くなりがちだということである。そして「貯蓄が有効需要を細らせる」という原則に従えば、これは有効需要の不足となって現れる。そしてイスラム経済の場合、この「喜捨」という行為が、実は社会の富の重心を消費性向の低い層から高い層ヘシフトさせ、結果的に有効需要を安定したレベルに維持するという、意外な役割を果たしていたと考えることもできる。要は、金持ちの財産を貧困層に分配する制度が、「教義」という形で内包されていたのである。 こうして見ると、「経済」は(変動為替相場制以降の高速経済だけでなく)古くから存在していたということをはっきりと認識できる。しかも、ある程度現代資本主義との共通点がありながら、解決方法を全く別とするユニークな制度である。こうした歴史的な要素を世界史の上から見つめ直すことができるのも、本書の面白い点だった。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 【まとめ】 1 暴走する資本主義 資本主義にはその速度をどんどん速くしていかなければいけないという強烈な圧力が、宿命として根本部分に組み込まれている。経済活動の5分の1(貯蓄率)が、経済を加速度的に早めるための設備投資に向けられている。 貯蓄という行為は、本質的に経済社会に貧血か超高血圧かの二者択一を強いる。企業は人々の銀行貯蓄をもとに設備投資を行うが、そのスピードを緩めるわけにはいかない。消費と投資を連続的に続けていくと、経済の速度計の針が際限なく上がっていく。 現代社会が資本主義をもはや手放せなくなっている理由は、ほぼ次の3点に要約できる。すなわち ・軍事力維持の基盤としての資本主義(旧英国型) ・人々に未来の夢を与えるための資本主義(米国型) ・資本主義から身を守るための資本主義(日本型)の三つであり、これから何らかの新しい経済体制を設計しようと思った場合、必ずこの3点すべてについてクリアできることを何らかの形で保証できねばならない。 2 農業経済 一般に文明においては、産業は農業から工業へ、工業から商業へ移行していく。その最大の理由は、産業としての機動力の差だ。農業は需要が伸びにくく、供給もやや遅いスピードでしか展開しない。それが弾力性のある工業に負ける要因であった。 3 インフレとデフレ 一般に好景気の状態はインフレを発生させやすい。そして社会全体を眺めると、インフレ状態のもとでは社会にサンドイッチ状の損得が生じ、資産家階層と労働者階層が損をする一方、企業家階層が得をする傾向にある。そのためインフレの功罪は、視点をどの立場に置いて眺めるかで異なってくる。 最気を良くするためには、政策当局は故意にある程度のインフレを期待することがある。ただしその際には大勢の民衆の生活が犠牲になっており、もしそちらへの対応を優先してインフレを防止しようと思った場合には、金利を上げるのが有効なコントロール策だ。これがいわゆる「金融引き締め策」である。 4 貿易 近代になると貿易の世界、というより経済世界全体が「商業」から「産業」の世界へ移行した。中継貿易で生きるオランダやイスラムなどの存在を駆逐し、英国をはじめとする、国内の生産品を官民一体となって強引に売り込む産業国家を貿易の主役とした。 貿易が生み出す利益は、当初は中継貿易勢力が吸い取っていたが、そのような「産業化」に伴って、利益が関税という形で国家政府の金庫に流れ込むことになった。そしてさらに自由貿易の登場によって流入先を変え、その利益は個々の企業にコスト低下という形で広く分散されている。 現代の世界では、コンピューター・ネットワークの発達によるグローバル化によって貿易の常識がかわりつつあるが、自由貿易と保護主義との本当の適正点はまだわかっていない。 5 ケインズ経済学 経済というものは、石油ポンプが自分の汲み上げた燃料で動いているようなもので、何らかの形でひとたび縮小均衡の状態に陥ってしまった場合、外から一度バケツで資金を注ぎ込んでやらないと、自力では拡大が難しい。 そのため、「バケツの役割は、政府の公共事業が果たすのがよい」というのがケインズの考えである。失業救済に対しても経済全体を拡大させることで行うべきというアイデアだ。そのようにバケツで注ぎ込まれた資金は「乗数効果」によって、当初資金の何倍もの最終的効果を伴って経済拡大に寄与する。 ただしケインズプログラムの一般的な欠陥は、公共投資を行うため「大きな政府」を要求する上、その財源としてしばしば国債発行という手段に頼るため、財政赤字とインフレの温床になりやすいことである。 6 貨幣増殖 貨幣の増殖は、銀行などが預かった貨幣をどこかへ「又貸し」した時、又貸しした貨幣と預金者の手元へ渡した「預かり証(預金通帳)」が二重に市中に出回ることで起こる。現代世界では、預金通帳の数字自体が後者に相当して実質的な「虚」の貨幣となっている。 企業も銀行も現金をなるたけ短い間しか自分の手元に置いておきたくないので、それは多数の企業と銀行の間をたらい回しのようにされて、何重にも預金と貸出が繰り返されてしまう。そのため磁石が延々と子孫を作っていくのと同じようにして、オリジナルの何倍もの貨幣が生まれることになる。 その際に増殖の限界を定めているのは「準備率」というもので、銀行が預金全部を貸し出せずに、利用者の引き出し要求に答えるべくある程度を予備として手元に置いておかねばならないことが、無限の増殖に制限を加えている。こうした増殖メカニズムは、一見不健全な制度に見えるが、実は経済社会が好景気などによって拡大したがっている際には、どうしても要求されるものである。逆に言えば、このメカニズムと縁を切るには、経済が全く成長しない絶対的な定常社会でない限りは無理である。 7 国際通貨としてのドル 国際通貨としてのドルの問題の本質は、世界政府も中央銀行も存在しない国際社会に、全員が使える共通通貨が存在してほしいという要求を、しかも成長の宿命を抱えた経済の中で実現しようとしたことにある。つまり前者の部分では、その通貨が誰かの恣意で増やしたりできないという厳格な硬直性が要求されるが、後者の部分ではその通貨が世界全体の経済成長に合わせて量を増やせるよう、ある程度の柔軟性が要求される。つまり「急速には絶対に増やせないが、長期的にはゆっくりと増やすことができる」という、完全に矛盾した要求を課されてしまうことであった。 ドルの場合、本来は米国の国内通貨として整えられたものだったが、周辺諸国は第三国同士の国際貿易でもその支払いにドルを使いたがり、そのため前者が要求するサイズと後者が要求するサイズが矛盾を来たしてしまった。 それでも当初は米国経済の規模が圧倒的に大きかったので、その余裕の分を周辺諸国が利用するという形で何とか継持されていた。しかし周辺諸国が自分も経済成長して、その図体が米国を脅かすほどに大きくなると、それを支え切れなくなってしまった。 当初ドル体制は、金との交換を決まったレートで約束する、実質的な国際的金本位制だったが、そういう事情で支えきれなくなって、その約束を放棄する変動相場制に移行せざるを得なくなった。 8 資本主義の未来 現在の資本主義は縮退という繁栄に向かっている。縮退とは、大小様々な企業が相互作用によって絶妙なバランスの上で生態系を保っていたのに対し、資金の流れなどが超巨大企業と巨大投資家の二者の間だけで回るようになり、末端が生態系に無視される形で衰退していくことだ。 縮退の際は、劣化が起こっているにもかかわらずその過程で富が生まれてくる。 現代社会の富は、単に巨大企業が活発化しているというより、昔の時代からの伝統や習慣で長期的に整っていた社会生活のシステムが、壊れて縮退する過程でしばしば生まれており、むしろ後者がメインとなって富が引き出されている。 現代の資本主義社会では、「大勢の短期的願望(部分)を集めて行けば、長期的願望(全体)に一致する」という勘違いをしてきた。それゆえ、量的変化の増大が質的変化を生み、企業が人々の願望にどんどん短期的に応えることで、経済が加速し続けてきたのだ。 そして、縮退は放っておいても元に戻らない。行きつく先は、短期的願望の塊がすべての長期的願望を押し潰して、恒久的に抜けられなくなる「コラプサー化」だ。 とすれば、寡占へ対抗するために「多様性」を積極的に推進することが有効だ、と思うかもしれないが、そう単純ではない。もし個体が細かい多様性を過剰に主張しはじめると、逆にグループや種としての特性が履曖昧化・希薄化してかえってその多様性の力が弱まり、結果的に短期的願望の巨大な塊をベースに成り立つ単一勢力が勝利することで世界全体が画一化する、というパラドックスが起きるからだ。これは悪い多様化の典型例であり、多様化というのは本来「それを行っても縮退度がさほど増大しない」という局面でのみ許されることだ。 いままでの経済学を一種の力学として眺めた場合、その根本原理とは要するに「われわれの経済社会は、欲望を満足させて利益を極大化させようとするただ一つの力で動いている」ということである。つまりもし経済社会の中に存在する唯一の力がそれで、その力が縮退方向にしか働かないのだとすれば、進行はとまらない。なにか別の力を見つけてこない限りは、回復は望めない。 その力とは短期的な欲望ではなく、「想像力・可能性による幸福」である。即物的な欲望の穴埋めによって希望がまたたく間に塗りつぶされるような息苦しい状況ではなく、空白が生まれる余地を残し、「大きな物語」の実現に向けて呼吸口を残しておける社会が必要になってくる。

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    投稿日: 2022.01.04
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    発行日:2020/5/1 購入日:2021/10/26 読了日:2021/12/28 ゆる言語学ラジオ 「ギガが減る」を許せない頑固おじさんの会心 【今年の新語予想】#67 https://youtu.be/Fc8ugpF5_C8 で紹介されていたためKindleで購入 すばらしい構成 長沼伸一郎 1961年東京生まれ。1983年早稲田大学理工学部応用物理学科(数理物理)卒業、1985年同大学院中退。1987年、『物理数学の直観的方法』の出版により、理系世界に一躍名を知られる。「パスファインダー物理学チーム」(http://pathfind.motion.ne.jp/)代表。 目次  はじめに  第1章   資本主義はなぜ止まれないのか    1 資本主義の中の中枢部を解剖する     止まれない資本主義     資本主義の成長スピード     軍事史と鉄道     「経済社会の鉄道網」     中世世界と貯蓄    2  「経済社会の鉄道網」と      資本主義の恐ろしく不安定なメカニズム     貯蓄の持つ二つの意味     金貨の循環がもし目で見えたら     貯蓄で社会が貧しくなる     パン屋の事業拡大     いかに貯金は還流されるか     常軌を逸したサイクル     意外な一致     政策当局の目から見ると     マクロ経済学の最重要ポイント    3 文明社会はいかにしてそれを選択してきたのか     金利が容認されるに至った文化的背景     ウェーバーの伝えるカルヴィニズムの真実     切断された相互扶助の糸     資本主義の必要性の「3要素」     反対側から見た光景=イスラム世界と金融     現代イスラムの「無利子銀行」     資本主義は最終的な勝者か   第2章 農業経済はなぜ敗退するのか    ペティ・クラークの法則    徳川政権の経済問題    農業と機動性    徳川政権のジレンマ    現代の原料産出国の悲惨    産油国の反撃    商工業国側の苦労    需要拡大の歴史    石炭文明から石油文明へ    石油文明から半導体文明へ   第3章 インフレとデフレのメカニズム    ドイツの天文学的インフレ    インフレ状態の図式化    循環作用の中のインフレ    サーキットのボトルネック    フィリップス曲線    インフレのメカニズムの整理    「貨幣の中立性」という考え方    インフレで誰が得をするか    デフレはインフレより恐ろしい    戦後日本のサバイバル    政府当局のインフレへの対応策   第4章 貿易はなぜ拡大するのか    1 貿易のメカニズム     貿易を行う理由     貿易の生み出す巨大な利益     貿易の力学     利益の取り分の国家への移行     自由貿易体制の登場    2 貿易の歴史     没落してしまった「商業民族」     オランダの場合――繁栄を支えたバルト海の穀物輸送ルート     英国の場合①――毛織物、毛織物、毛織物     英国の場合②――自由貿易論の登場     米国の場合――南北戦争の舞台裏     日本の場合①――近代化の生命線だった「絹の道」     第二次世界大戦とブロック経済への移行     日本の場合②――重工業への移行     「中世自由貿易圏」としてのイスラム世界     グローバリゼーションの波と新興国の台頭     世界経済全体の効率化か国内の安定か   第5章 ケインズ経済学とは何だったのか    ファラオの名誉回復    奇妙な石油ポンプ    ケインズ的な経済観    金貨と銀貨の経済効果    乗数効果のメカニズム    大恐慌下でのケインズの挑戦    新旧学派の言い分    中世には貯蓄の問題はどうだったのか    ケインズ経済学の泣き所    ケインズ政策の暴走と新古典派の台頭    英国におけるケインズ経済学の特殊事情    経済学の勝者を決める「同盟ゲーム」    経済学の系譜   第6章 貨幣はなぜ増殖するのか    増殖してきた貨幣    イングランドの紙幣とモンゴルの紙幣    磁化される貨幣    磁化はどこまで続くか    増殖してしまった金細工師のお金    現代の銀行での貨幣増殖    貨幣はこのように増殖する    増殖メカニズムの定量面    「通貨供給量」の定義    なぜ社会は貨幣の増殖を容認したのか    金本位制度の弱点    貨幣の世界の「虚と実」の変遷    仮想通貨は「虚」か「実」か   第7章 ドルはなぜ国際経済に君臨したのか    1 ドルから見た国際通貨     国際経済に君臨するドル     ドルの奇妙な変貌     ジレンマに陥ったドル     解決し難いジレンマ     国際通貨の困難の根源     ドル以外の選択肢なし――「モンゴル型」への変貌     円の基軸通貨への道は遠かった     現代の経済世界で貨幣価値を保証する後ろ楯は何か    2 過去の国際通貨はどうだったか     イスラム貨幣はどうだったか     ポンドの場合     英国以外の紙幣の進化     金本位への奇妙な愛情     一見魅力的な国際収支回復のメカニズム     金本位制の意外な落とし穴     現代世界では舞台から消えた「グレシャムの法則」   第8章 仮想通貨とブロックチェーン    電子の世界の金本位制    どうやって電子の世界に「増えない量」を作り上げるか    ブロックチェーンの「超大型機」と「中・小型機」    中・小型機タイプのブロックチェーン    台帳ファイルを細かく分けてタグをつける    改竄をどうやって防ぐか    「入力を1だけ変えると結果が大きく変わる」例    「ハッシュ関数」とはどんなものか    ブロックチェーン化という改良    ブロックチェーン化で改竄は格段に難しくなる    何冊の台帳を同時に改竄しなければならないか    ハッシュ関数の性質    中・小型機タイプでは膨大な計算は必要ない    超大型機タイプのブロックチェーンのシステム    「ナンス」の組み込み方    「マイナー」は何を動機に面倒なことをするのか    ビットコインはマイナーが少しづつ流し込んできた    ビットコインの「半減期」    ビットコインと金本位制    過去の議論との奇妙な共通性    ビットコインの歴史的存在意義    他の仮想通貨について    現時点での仮想通貨の構図   第9章 資本主義の将来はどこへ向かうのか    1 「縮退」という大問題     「縮退」という考え方     縮退のメカニズム     メカニズムの本質     劣化状態から抜けられない事例     縮退の過程で金銭的な富が生まれる     人間の長期的願望は短期的願望に縮退する     縮退は放っておいても元へ戻らない     謝った「多様化」はかえって縮退を加速する     「ごみ」という概念自体が縮退によって生まれる     世界はどう縮退して富を絞り出しているか     実体経済と乖離する世界     変化した経済の常識    2 われわれはどうしてこんなに      大きな誤解をしてきたのか     大きな勘違いを導いたもの     天体力学が作り出した巨大な錯覚     人間の短期的願望と縮退の行き着く果て     政体循環論と縮退     「コラプサー」と「縮退」の語源     過去にローマで何が起こったか     西欧地中海世界はどうコラプサーから内服したか     中国の場合     もう一つの力が存在しなければコラプサー化は止められない    3 経済世界に縮退を止められる力は存在するか     オルテガのヒント     その隠れた力の経済への意外な影響力     現代の閉塞感の根源     碁石をヒントにした基本原理     資本主義社会の人間の精神状態はどう表現されるか     ジョイントは基本的にまず上下方向に発生する     呼吸口の数え方     経済社会を動かすもう一つの力     縮退を止めるための力学     縮退を止めやすいパターン     一国主義や地域主義の意味     将来の経済学  おわりに           

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    投稿日: 2022.01.01
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    2021.12.29 141 非常に良かった。これはみんなに読んでほしい。 縮退。理想と欲望と現実。短期的なもの、長期的なもの。 伝統的社会。イスラム社会、キリスト社会。 宗教。

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    投稿日: 2021.12.30
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    物理学者による経済学の基礎部分の解説書。理系な視点から経済学を捉えるという試みが新鮮で面白かった。 冷静な分析かつロジカルな構成で理解しやすく、経済学の入門書としても使えると感じた。ただし若干乱暴な主張や議論が必要な論もあり、そこは注意が必要かと思う。(裏を返せば読み手に違和感を抱かせて議論に巻き込むという点でも有益な一冊だとも言える) 個人的には第5章のケインズ経済学と古典主義の攻防、最終章の縮退理論が読み応えがあって面白かった。

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    投稿日: 2021.12.14
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    今まで経済についての本を多少なりとも読んできたが、この本が1番わかりやすい。 経済を学ぶ上で最初に出会いたかった一冊。

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    投稿日: 2021.12.09
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    ビット・コインの採掘量はあらかじめ決められているというのは、知っていた。目的も手段もわからなかったが、本書を読んでなんのためにそうした取り決めがあるのかが理解できた。 著者はむずかしいことをわかりやすい喩えと図で説明する。そのセンスがずば抜けている。最終章では、閉塞感に満ちた現代社会が囲碁を使って説明される。すばらしい。

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    投稿日: 2021.11.17
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    紛れもない怪作であり著者の縦横無尽な知性を見せつけられるが、注意して取捨選択すべきポイントも少なくない。 1. 欲望に対する自動ブレーキが中世社会に埋め込まれていたのは事実に近いだろうが、それが意図的に設計されたものであるかのように捉える必然性は無いはず。 2. 近現代を「資本主義の暴走に呑まれた不幸な時代」、それ以前を「調和が保たれていた古き良き時代」と捉えているように見える。しかし暴力も貧困も疫病も今の何倍も身近にあった時代が、果たして今よりも幸せであったかどうかは難しい問題である。 3. 随所に出てくるアナロジーは確かに理解の助けになるが、囲碁のあたりなどはさすがに無理がある。イメージとして伝えたいことは理解できるが、論理の対応が無いので腑に落ちない。

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    投稿日: 2021.10.09
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    応用物理学者の長沼伸一郎さんが、現代経済学の直観理解のための解説をまとめた一冊。資本主義とは、グローバル経済とは、仮想通貨とは何か、といった、現代社会・現代経済を理解したい方には、とても良い一冊。もともと経済学には強い関心を持っているが、これほどわかりやすい本はなかった。まさに「直観的」。鉄道の発明と普及が戦争を大規模化・グローバル化させたことと、銀行の発明と普及が資本主義を大規模化・グローバル化させたという比喩などは、まさに本質をついた解説。特に印象的なのは「縮退」という考え方。短期的欲望と長期的願望が競合するとき、人々は短期的欲望を優先しがちであり、経過として経済の規模としては維持もしくは僅かでも成長しつつ、社会やコミュニティが多様性を失い、格差が生まれ、文明としては退化する。これ、ビジネス・サービス・商品開発の世界でも起こり得るし、実際に起こっていることでもあると思うので、起業家や経営者の方は再認識・再検討が必要と感じた。

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    投稿日: 2021.09.08
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    理系が経済学の中で呼吸をするため、だけでなく、 社会に投げ込まれた理系の手本となる本。 マクロ経済学を含めた現代経済的の説明だけでなく、 鉄道やつるべの例えなど、 よく考えられたアナロジーになるほどが止まらない。 特に、縮退とコラプサーについては驚いた。 伝統文化を資源とみるなど、展望がひらけた。 鉄道の例え 資本主義のスピード インフレと大きな政府 商業経済と産業経済 銀行券と貨幣の増殖 金本位制、国際通貨、仮想通貨 縮退とコラプサー

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    投稿日: 2021.08.18
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    難しめだが、論理展開が綺麗でとても読みやすい。 中盤までは歴史の変遷を経済的側面から振り返り、モノの価値や貨幣の価値がどのように移り変わってきたかが記述されている。余談だが、世界史で学んだ要所も振り返ることができるという意味でも面白い。 後半は資本主義に関する著者の考察が展開されている。 縮退という概念は初めて知ったが、近代から現代までであらゆる観点で当てはまることがあり、大変興味深い。 短期的な願望が長期的な願望や理想につながると錯覚して奮闘する人々とその実態は納得させられた。 是非様々な方に読んでもらいたい。

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    投稿日: 2021.07.18
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    ー 実はこれは一種の縮退なのである。つまり長期的願望というものは、人間の願望が社会の中を大きく回って結果的に自分に戻ってくるため、デリケートな生態系に似ているが、それに対して短期的願望は、そんな複雑な経路を全部ショートカットして強引に直接望みをかなえようとする。つまりこれは先ほどの構図と全く同じなのであり、そのため社会の中で短期的願望の割合が増大することは、生態系としての劣化であることには多くの方が賛同されるのではないか。 そしてこれを踏まえてあらためて広く見直すと、現代の資本主義経済がいかにそれに依存しているかがよくわかる。つまり多くの場所で、人々の願望にどんどん短期的に応えることによって、そこでの勝者が繁栄すると共に、以前より多くの富が引き出されているのである。 つまり現代社会の富は、単に巨大企業自身が活発化しているというより、昔の時代からの伝統や習慣で長期的に整っていた社会生活のシステムが、壊れて縮退する過程でしばしば生まれており、むしろ後者がメインとなって経済社会では富が引き出されているのである。 ー 面白い! 資本主義は何故止まれないのか、そしてその先に何があるのか、という大きな物語で経済学を解説していて面白い。 経済学となっているが、むしろ人類史を経済の側面から説明した論考に近い。だから面白いし、頭にすっと入ってくる。 「退縮してコラプサー化していく」世界と経済の大問題を、いろいろな側面から考えていかないといけないな。

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    投稿日: 2021.07.11
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    面白い!第1章が特に秀逸で読む価値あり。 ・人が貯蓄をするから、銀行を介して投資しないと経済が保たれない。消費の20パーセントはこの分。 金利があるから、経済は大きくし続けなければならない。20パーセント分、投資をするから規模拡大する。→資本主義は止まれない! ・低所得者を経済的に救済することが、結局は社会全体の利益になる!消費性向が高いから。ケインズ経済学的考え方。イスラム金融の喜捨は、この役割を果たしている。 ・ビットコインの致命的な弱点は、金本位制と同じく、簡単に量の増減ができないこと。それゆえに自分自身の価値の増減で総額を調整するしかなく、そこにビットコインに対する期待感や投機性などによる実態経済とは乖離した売り買いが加わることでボラティリティが大きくなってしまう。

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    投稿日: 2021.04.13
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    端的に経済学のオーバービューが記載されており、内容も非常に分かりやすくなるよう工夫されているので満足。

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    投稿日: 2021.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    経済は大学の授業で挫折してちんぷんかんぷんみたいな人向け、驚くほどばっちり分かるようになると聞いて、半信半疑で買ってみたものの積んだままにしていた本。読んでみたら本当にするする読めてちゃんと分かるようになるからびっくりした。 今までニュース等で金利だの何だのの要素だけ聞いても、経済全体においてどういう意義があって影響するのか分からないのでちっとも頭に残らなかったが、この本はそういった理解の枠組みを与えてくれることに重点があるので「あれはこういう意味だったのか…」と腑に落ちることがいっぱい。私は数字に弱いんだけど、可能な限り数字が出てこないか単純化してあるようになっており配慮を感じる。あたたかい。ありがたい。 歴史における経済の移り変わり、その原因が分かるようになるのが大きく、見通しがすごくすっきりする。そして最後に資本主義の行きついた場所、袋小路に見えるその先についての論考があってそれが非常に面白い。 長い歴史の中で人類が、自由と平等の名の下に伝統的価値観を破壊してきたことで、資本主義が暴走することを許し、精神までも取り返しのつかない段階まで蝕まれる「縮退によるコラプサー」状態に陥っていて、孤立し空虚さを抱えている、という分析。似たような話は哲学や思想系では読んできたが、碁石のモデル化など、経済や物理の視点から分析・表現するとこんな風になるのかと新鮮な驚きがあった。ローマ帝国の成り行きの話あたりは、自分でも確かに世界史の授業を受けながら「これって現代の状況がなぞっているのでは」と思っていた記憶があり、すごく納得。 縮退から脱出するためのエンジンとしての「大きな物語」をどう作っていくのかという話については、著者は「物理・数学レベルから設計された大きな思想」というものの登場を想定というか希望しているけれど、それが現実に登場するかはかなり怪しい気がする。少なくとも、著者の想定するようなインテリ主導というのは現状考えづらいように思う。 ちょっと前にネグリが提唱していた帝国論のマルチチュードなんかは、本人たちはそういった壮大な広がりを夢見ていたように思うのだが、結局限られた界隈の「竹製の手製ロケット」であった。昨今のアメリカのポリコレ関係や欧州の移民にまつわる問題、社会的分断を鑑みてもリベラルインテリ層と「それ以外」の乖離は絶望的に見えるのだ。 現状の資本主義秩序を打破するための世界的な影響力・実行力という面で考えると、今一番成功しているのはイスラム国ではないかと思ってしまうくらいだが、当然普遍的な広がりは(今は)考えられない。 この本で言うブロックチェーンの話みたいになるが、大きな物語はもはや意義はあっても運用は現実的ではなくて、結局そのような夢を見つつ「小さな物語」をなんとか保護してたくさん運用していくことに注力する方が希望がある気がする。物語は個人個人の中で確立してしまえば、無理に成長する必要はないのだし、ごくごく小さな家族の繋がりのようなもの、浸食されにくい極小の繋がりをめいめいがきちんと掴み、握れるようにするための取り組みが必要なんじゃないかと思う。

    1
    投稿日: 2021.04.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    知人が高評価をつけていたため、図書館にて借りて読んでみた。 第一章 資本主義はなぜ止まれないのか 第二章 農業経済はなぜ敗退するのか 第三章 インフレとデフレのメカニズム ここまではまだ初心者の私でも大変理解しやすかったが、それ以降の章は一読だけでは理解が難しかった ↓以下忘備録のためほぼネタバレ↓ 第一章要約 ・貯蓄と言う行為は、本質的に経済社会貧血か超高血圧の二者択一を強いる性格を持っている。 ・投資と貯蓄が一致すると言う条件が満たされないと、経済はバランスをとって走り続けることができない。 ・資本主義経済は本質的に「空気より重い乗り物」であって、連続的に設備投資を行って行かねばならず、それが突然完全に停止したならば、経済は浮力の5分の1程度を失って落下してしまう。 第三章要約 .インフレと言う現象は、基本的には物資と貨幣の対応バランスが崩れることで起こるものであり、そのメカニズムをスマートに直観化するには、逆ピラミッド型図形をイメージするのが最も早い。 .ただ、それは必ずしも造幣局が紙幣乱発をしたことで起こるものばかりではなく、むしろその多くはサーキットが広くなっていく過程で生じたボトルネックが全体に波及していくと言うのに似たメカニズムによる。そのため一般に好景気の状態はインフレを発生させやすい。 現代社会が資本主義はもはや手放せなくなっている理由は、ほぼ次の3つに要約できる。 ①軍事力維持の基盤としての資本主義(旧英国型)、②人々に未来の夢を出るための資本主義(米国型) ③資本主義から身を守るための資本主義(日本型) インフレ環境の下では一般的に、 .資産家階層(もっとも金持ちととその資産で生活=機動性鈍い)は損をする .企業家階層(2番目に金持ちとと借金をし=起動性高い)は得をする .労働者階層(もっと貧乏=機動性鈍い)は損をする

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    投稿日: 2021.03.29
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    早くも2021年読んだ本の中でベスト。 日々の仕事や今後の事業の方向性を考える上で、ミクロの時点で物事を考えてしまいがちだったが、この本を通してマクロの観点から考えることの重要性を再認識できた。

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    投稿日: 2021.03.01
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    経済学の各トピックについてはすでに理解している部分もあったが、独特のアナロジーやトピック間の関連付けとストーリー性の部分に多くの新規性があり、十分に楽しむことができた。たしかにこのレベルについては経済学のバックグラウンドに関わらず全ての教養人が理解すべきと言える。ただ、理解のために単純化している部分も多いため、理解した"つもり"で終わらないためにさらなる情報収集が必要と思われる。

    0
    投稿日: 2021.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    経済学のいろはを学べ、最終章は筆者の考えである縮退がテーマになっている。 最終章以外は、図を用いて非常にわかりやすく経済の勉強ができた。特にブロックチェーンと仮想通貨は概略がはっきりと理解でき、目から鱗だった。 縮退については、まさに現代社会が抱えている「個人が幸せを感じにくい」という課題を解決しうる概念だと思った。個々の自由を完全に認めていてはどんどん縮退が起き、コラプサーが発生してしまう。今からでも遅くないので、意識的に縮退を止めるよう、全体として大きな物語をいかに作るかが大事。 これまでの経済学とこれからの経済学を直感的に把握。経済学から人類の幸福を考える。

    1
    投稿日: 2021.02.07
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    物理学者視点での、初心者向け経済学解説書。 歴史に基づいた説明が非常に興味深い。 ブロックチェーンの説明も、分かり易かった。

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    投稿日: 2021.01.31
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    最終章での、個人主義下で一人一人が一生懸命息をしようと動き続ける論理は実感するところもあり、このままじゃ疲弊するよな…とも思った。ケインズの見方を学びたいと思ったが、この本だけでわかった気にはならない方がいいと思った。欲求と欲望の違い、それらの連動性、個人個人の欲求と欲望の配置の違い・・・自分の欲望を見つけなきゃと焦らずとも欲求と連動しているものかと捉えると、そう焦るもんでも無い気がする。人生長いし焦らずじっくり刻んで生きたい。

    0
    投稿日: 2021.01.30
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    9章。環境と格差問題のラスボスに「縮退」が控え、抜けれない「コラプサー」状態にある。ゴミは縮退なのだ。資本主義と民主主義をひとつ大きな視点、神や宇宙、何千年という視点から語っていて、大変勉強になった。 現代社会の富は単に巨大企業自身が活発化していると言うより、昔の時代からの伝統や習慣で長期的に整っていた社会生活のシステムが壊れて宿題する過程で、しばしば生まれており、むしろ後者がメインとなって経済社会では富が引き出されているのである。383ページ 現在では町の商店街はコンビニに取って代わられ、また人間の行動はスマホの中で展開され、その内部だけが非常に活況を呈している。そしてそれはしばしば社会的にも問題を引き起こし、ちょうどかつての乱開発による自然環境破壊に劣らない弊害をしばしば及ぼしているように見受けられる。382ページ ところが90年代あたりから、資本主義は単純な消費の量的拡大に需要の主力を依存しなくなっていったのであり、むしろその代わりに、質的な縮退によってその需要を満たす方向に変化していったのである。384ページ 現実の森林と言うものは、その平和的な外観と裏腹に、太陽の光を奪い合う過酷な生存競争の場である。つまりその競争に勝って大きく育った際、周囲の木より高い位置にたくさんの葉を茂らせて、太陽の光を独占的に吸収できる一方、下の小さな器はその影に入ってしまって、十分な日の光を得られなくなる。そしてある程度時間がたって、森は勝者となった巨木で覆われて、その下は葉の影となって昼でも暗いほどになり、新しい若い葉は育つことが難しくなる。 そのため森林は古い巨木だけが茂った状態で固定化され、新陳代謝が停止してしまうこともよく見られる。これはまさに森林の縮退なのだが、ここでしばしば大きな山火事が皮肉にもそこからの脱出を助けることがあるのである。つまり山火事がそうした古い巨木を全て焼き払ってしまうことで、地表に一時的に氷が戻って若い苗木が育つことができるようになる。385ページ 短期的願望などが極大化した状態で、進むことも退くこともできなくなり、回復手段を失ったまま飯永久的にそれが続くようになってしまっている状態をコラプサーと呼ぶことにしよう。 386ページ 乱立は結果的に一強を招くと言う現象ではないか。全員が多様化を唱えてバラバラに立候補し、乱立状態になると、結局は単一の強者だけが勝利して、最も画一的な状態が生じがちなのである。多様化が帰って縮退を加速すると言うパラドックス。387ページ 縮退を防ぐ最も有効な手段が古典的な文化や伝統だった。 誤った多様化は、弱い側のグループ内部でめいめいが自己主張を始め今後我々はグループから出して独自の生き方をすると言い始めた場合に相当する。

    0
    投稿日: 2021.01.23
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    資本主義とは何なのか、なぜどの国も農業から工業に移りゆくのか、ドルはなぜ国際通貨になったのか等々、経済学の理解が曖昧なところを非常に分かりやすく説明されていた。社会の縮退理論は、なんとなくみんながぼんやり思っていたことを理論立てて解説していて、なるほど納得だった。

    0
    投稿日: 2020.12.13
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    経済成長の速度を遅くするような社会的技術が必要。 経済社会は、拡大し不安定化する、と考えるのがケインズ派、自動的に復元し安定すると考えるのが新古典派。 現在の消費と設備投資は4:1.そのままに留まろうとすると1/5の消費が失われる。 マクロ経済学の最重要ポイントは、投資と貯蓄は一致する、ということ。貯蓄することで、消費が落ち込むか、投資を続けるか、が必要となる。 (家計貯蓄-家計投資)+(企業貯蓄-企業投資)+(政府貯蓄-政府投資)-(輸出等-輸入等)=0 カルヴィン派の教義では、享楽にために使うということはない。近隣で助け合うという概念はない。結果的に貯蓄に頼らざるええなかった。 現代社会が資本主義を手放せない理由。 軍事力の基盤を確保するため、アメリカンドリームとしての舞台、他国の資本主義から守るための資本主義。 イスラム教では、カネを貸すことは共同で事業をするに等しい。リスクは共同で分担すべし。金利がない理由。 資本主義は、実は最も原始的な社会経済システム。それ以上壊れようがない。 農産物の価格は下落する運命にあり、だんだんもうからなくなる。その結果、従事する数が減る。 農業は、需要が伸びず、生産が中途半端な速度で伸びる、工業は供給の伸びが速すぎるが、需要が伸縮自在なので不利をカバーできる。 植民地ではモノカルチャー経済が強要された。 景気が良くなるとインフレになるのは、値上がりが連鎖する性質だから。一部供給のボトルネックがあると、そこがインフレの火元になる。 インフレの原因。 紙幣の増加=ドイツなどの例。供給不足=戦後の日本、好景気と供給のボトルネックのせい。 デフレは、物価と賃金の下落の悪循環が起きる。 戦後の日本は、鉄鋼部門と石炭部門に集中してお金を投入して生産を復活させた=傾斜生産方式。 貿易は価格差で動く。自由貿易は関税収入はなくなるが、経済の拡大による税収の増加がその分を補う。関税の利益は、大衆の手に渡る。 自由貿易は、最初に2階に上がったものがはしごを引き上げてしまう制度。 かつての商業民族(中国人、アラブ人、ユダヤ人)は没落した。商業より工業が儲かる時代になった。 オランダは、バルト海貿易(商業)で栄えた。 イギリスは、毛織物(工業)で栄えた。衣料品は、耐久消費財より買い替えが多く、穀物より単価が高い。当初は保護貿易。アメリカ独立戦争のあたりに、自由貿易論に転換した。すでに2階に上がっていた。=アダムスミス学派の登場。インドの繊維産業を壊滅させた。 アメリカの南北戦争は、綿花を売りたい自由貿易主義の南と、工業化のため保護主義にしたい北との戦い。南部は、北部のモノカルチャー経済に取り込まれた最初の経済植民地。 ブロック経済化が第二次世界大戦の原因=自由貿易が善とされている。 日本の高度成長期までは、安い人件費は武器になった。1980~90年ごろには、技術面の差がつきすぎて、安さだけでは戦えなくなった。さらにロボット化で、安い人件費も無力化した。 現在の新興国は、製品の一部だけを細分化して低賃金を武器にサプライチェーンに参加した結果。しかし、その結果、奪われた分野で貧困が先進国に戻ってきた。 将来は、世界経済の発展か、国内の安定か、の選択になる可能性がある。保護主義とのバランスが必要。 古典派の考え方では、縮小均衡も均衡のうち。ケインズ派はそれを打破するために、需要喚起策(有効需要の増大)が必要、と考えた。 乗数理論=ケインズ派のよりどころ。需要を増やせば、何倍かになって増える仕組みがある。 貯蓄が、成人病のように有効需要の足を引っ張る存在になる。古典派の考えでは、これを掘り起こす手段がない。 所得の高い人は消費性向が低い。しかし、彼らへの増税は得策ではない。なぜなら彼らが新たな産業のきっかけになることが多いから。 そこで、財政赤字を出してでも国が消費する。 マネタリストが自然失業率という概念を出してきた。レーガン政権以降小さな政府に徹する。 ケインズのISLM分析は、金利を下げる効果を説明している。 イングランドの紙幣は、自然発生的にできたもの。イングランド銀行の意義は、ばらばらな銀行券に国王の特別許可状により統一されたこと。 モンゴルの紙幣は、武力を背景に、強制的に流通させたもの。このタイプの紙幣は、末期には乱発によって自滅する。 銀行による又貸し機能が経済の成長を助けている。堅実な人だけで借り入れを行わなければ、経済は拡大しない。 金本位制は、ゆっくりした拡大であれば、デフレになることで価格変動は可能。しかし急な変動に対しては、資金不足が急速に起こる。 仮装通貨は、虚か実か。又貸しのメカニズムを持てば虚のマネーになるが、実の部分だけならマネーの代替になるだけ。 現在のドルは、金の裏付けがなく、アメリカの軍事力という裏付けがあるだけ。 ドルが支払い手段になるためには、貿易赤字になってドルをばらまかなければならない。アメリカの貿易赤字はアメリカの弱体化=ドルの弱体化。解決しがたいジレンマがある。しかし、どんなものでも基軸通貨がないとはじまらない。 レーガン政権の双子の赤字でも、ドルは強かった=有事に強いドル。 核兵器の影響が弱まったとしても、慣性質量が大きいので、基軸通貨として通用する可能性がある。 貨幣は、すぐには勝手に増やせないが、経済の拡大に合わせてゆっくりとなら増やせる、必要がある。 金本位性の信奉者は、自由放任主義、自由貿易主義が多い。神の見えざる手を信じている。 金本位制には、貿易赤字解消の自動調節機能が内蔵されている。じっさいにはゆっくりしかこの機能が働かないため、追従できなかった。いったんデフレになるため、現実には機能しない。財布の中をマイナスにはできない。 ケインズの提唱したバンコールは、IMFのSDRとして機能している。 現代社会では、グレシャムの法則はない。兌換貨幣ではないため。 暗号資産=正式名称、仮装通貨は、電子の世界の金本位制。 貨幣は、短期的には量を絶対に増やせないが、ゆっくりであれば状況次第で増やせるもの。 仮装通貨は、台帳を改ざんできない仕組みがあり、仮装通貨を発掘できることで、増やすことができる。 一部で通用するブロックチェーンを応用した通貨ならばあり得る。 金本位制がビットコインの限界。 政府が信用できないという理由、しかし金本位制と同じ目に合う。信用できない理由は、必要に応じて量を増やせるから。その限度がないことが信用できない理由だが、限度があると、デフレに陥る。 ビットコインも金も裏社会では、活躍の余地がある。 縮退という繁栄。大きなお店が流行り、小さな商店街が衰退するが、経済全体は成長する、減少。 恐竜が絶滅する直前は、ティラノザウルスとトリケラトプスばかりになった。 縮退は、作用マトリックスというツールで表される。 良い生態系は、多種共存の状態、悪い生態系は少数の主だけが繁栄し、他の弱小種を駆逐している状態。 偶然良い生態系が生まれることは非常にまれなこと。 縮退の過程で、富が生まれる。 希少性の高い状態から低い状態に移行するときエネルギーが生まれる。=エントロピー増大の法則。 人間の長期的願望と短期的願望の間でも縮退が起きる。願望が短期化することは一種の縮退。長期的願望は、注意していないと短期的願望に圧倒されて駆逐される。 巨大企業が活発化しているだけでなく、昔のシステムが縮退することで生まれているのが、現代の富ではないか。 縮退は、自動的には戻らない。 乱立は、一強を招く。個体が過剰に主張を始めると、結果的に巨大な塊をベースに成り立つ単一勢力が勝利する。 現代の世界経済では、世界金融市場の内側だけの投機でぐるぐる回るようになっている=マネーの動きの主要部分が縮退している。 長期的には購買力平価によるが、短期的には金利動向で為替が動く。 マネーは、戦争における補給路だったはずだが、マネーの流れが縮退することで、そちらのほうが主流になってしまった。 部分の総和は全体に一致する=大勢の短期的願望を集めれば、全体の長期的願望になる、は間違いだった。 要素還元主義では解けない。リベラル進歩主義は、縮退を進歩と勘違いしている。近代以前の社会のほうが短期的願望を抑え込む必要性を理解していた。 真の高い文明とは、人間の長期的願望が短期的願望によって駆逐されるのを防ぐ方法を知っている文明、ではないか。 地域的な結びつきを強める動きや愛国心は、巨大な金融の力に対抗するには力不足。 将来の経済学は、縮退をどのようにコントロールするか、が問題になるのではないか。

    0
    投稿日: 2020.12.07
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    ボリューミーな本であるが非常にわかりやすい。 経済学の基本が良くわかる。 最後の章だけは残念な内容。

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    投稿日: 2020.12.06
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    これほどまでにわかりやすいとは、衝撃的だった。 章立ての展開や例示表現など、至る所に理解が進む工夫が含まれてる。 学生も本書籍を読んでから講義を受けるなどすると、理解が一気に進むと思う。 本書で得た感覚をもとに、より専門的な書籍にトライしてみたい。

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    投稿日: 2020.12.05
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    スゴ本でした。これはお勧めします。大人の教養本。 極論したら経済学の本なんてこれ一冊でいいです。体系的、かつ網羅的。経済学どころか歴史、宗教、地政学、哲学、テクノロジー、政治までパッケージされてます。 理系畑の著者が、理系研究者が世の中で冷や飯食らわされてるのは経済学に関する基礎的知識、そもそも興味がないのが問題なんだということで入門書として書かれた本書。たしかに本当に読みやすい(ボリュームがあるので読むには時間がかかりますがw)。そしてタイトルにもある「直感的方法」、これが凄い。 電車の上り下りの例えで「家計の貯蓄=企業の設備投資」というマクロ経済の第一関門をお茶の間レベルの分かりやすさでエレガントに解説した第1章だけでも2640円の値打ちがあると思う。各章にはそういった卑近なイメージに例えてぼんやりした経済学を実態として噛み砕けるような著者のサービス精神が散りばめられている。 他にも中央銀行が実はマネーストックを増やせない訳や仮想通貨は金本位制を目指しているから現行貨幣を超えられないという限界説など、新刊だけに刺激的な内容が盛り沢山。 しかも著者は御用学者でもないし、政界とも経済界とも距離のある人なので、特定の主張を啓蒙しようという意図がないのがまたよろしい。最終章はなんかしんどそうでしたけど。

    0
    投稿日: 2020.12.03
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    最初は単に、経済の原則について簡単に学びたいと思って手にしたのだが、「暴走する資本主義をどうやって遅くするか」という問いに、人間の根源的な欲求を絡めた答えを導き出しており、その類い稀な洞察力に衝撃を受けた。 第一章で資本主義を「最も原始的な社会経済システムなのであり、それ以上壊れようがないからこそ生き残ってきた」としている。なぜ高度な中世の文明が壊れ、いま原始的な文明が残っているのか不思議に思わざるを得なかったが、縮退という概念を理解すると腑に落ちる。 かつての縦関係を重視し、神話など大きな物語を中心にまとまっていた共同体では、多様な関係者がバランスをとる希少なシステムが構築され、その中で経済を回すことができた。しかし、カリブィニズムの誕生を機に、共同体が瓦解すると人間の短期的な欲望を叶えるべく資本主義が暴走を始めていく。 今後その進みを遅くするためには、カリブィニズムに匹敵するほど衝撃的で、全員に心底理想だと思わせる大きな物語を与えなければならない。 それをシェアリングエコノミーは担えるのだろうか。別の本を読み、考えていきたいと思った。

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    投稿日: 2020.11.14
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    「経済というものが全くわからず予備知識もほとんどない(ただし(読書レベルは高い)読書が、それ一冊を持っていれば、通勤通学などの間に1日当たり数十ページ分の読書をしていくだけで、1週間から10日程度で経済学の大筋をマスターできる」(本書「はじめに」より)。 具体的な内容としては、「資本主義はなぜ止まれないのか」、「農業経済はなぜ敗退するのか」、「インフレとデフレのメカニズム」~「仮想通貨とブロックチェーン」等々の全9章。 全部で450ページのボリュームだが、「(本来なら3000ページ近くなる)」(「はじめに」より)とのことなので、経済学の超濃縮エッセンスが詰め込まれていると考えれば、そのボリュームも十分納得できる。 内容も確かに素人にできるだけわかりやすく平易な文章と、時にイラストを交えながらの解説なので、読んでいて「なるほど!」、「そういうことだったのか!」と思ったことが多かった。 加えて各章には簡単な「要約」も付されていて、その章の復習ができるところも親切。 個人的には仮想通貨とブロックチェーンの章がとても分かりやすく、面白かった。 これで著者は経済学の専門家ではなく、「もともと物理屋であって、経済学部の出身ではなく、経済の現場に身を置いたことも一度もない」(本書「おわりに」より)というから驚愕。どんだけ頭いいねんっ!と思わずツッコミが入ってしまった。 社会人は意識しているしていないにかかわらず、経済に無縁である人はほぼいないであろうから、本書を読むことで自分に有形無形で影響を与える「経済」について本書で認識を改めることはとても重要なのでは、と思った次第。

    5
    投稿日: 2020.11.07
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    分厚さとタイトルの重々しさで手に取るのを躊躇していましたが、レビュー評価が高いので読んでみました。 結果、非常にわかりやすい良書です! たとえ話が秀逸で、私のような経済学素人でも概念を十分に理解できます。 資本主義社会の構造と課題、そして最終章では著者なりの課題解決アプローチまで論じられており、気づけばすっかりのめりこんで読破することができました。 良い本に巡り合えたと思います。

    0
    投稿日: 2020.10.17
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    経済学がこんなにも物理的だったとは! 現代経済学の問題を提起する後半より、「むっちゃわかりやすくて面白い、経済学の教科書」といった感じの前半が、読んでてワクワクした こんなにわかりやすくていいのかと、不安になるほど。

    3
    投稿日: 2020.10.03
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    現代経済学の本質をここまで大胆かつシンプルに切り取って良いのだろうか。これまでに読んだマクロ経済学に関する書籍の中で最も刺激的かつ分かりやすく、本当に知性というのは複雑な事象をいかにシンプルに説明できるか、という点にあることを痛感する。 マクロ経済学について学びたいと思っている人がいれば本書を全力でお勧めする。それは数式はわかるもののその意味合いがなかなかピンと来にくい「国民所得=消費+投資」というマクロ経済学の基本理論について、”列車”のモデル図を使って見事に説明された第2章を読むだけで強く実感してもらえると思う。恐らく本書の大半の内容は高校生でも理解できるレベルであるし、マクロ経済学の歴史についても言及されており、世界史/経済史の良い勉強にもなるはず。 改めて恐ろしい価値のある一冊である。

    1
    投稿日: 2020.09.20
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    とてもわかりやすく書かれていて、経済学をまさに直感的にわかりたい人にはオススメ。前半半分はやや退屈だったが、後半半分(第6章以下)、とくに仮想通貨のところの説明は大変参考になった。歴史的な事例も豊富。 最後の第9章は「縮退」というキーワードを用いて資本主義の将来を考える重要な章なのだが、やや難しい。「縮退の少ないように巧妙に作られた伝統的な制度というものは、実はそれ自体が一種の「資源」なのである」(p.448)という指摘は深い。

    0
    投稿日: 2020.09.20
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    揺さぶられる 貨物車とか囲碁とか例えが独特 かなり共感したのだが自由貿易否定のくだりだけは違和感が私には 私が自由貿易に毒されているからだろうか 経済数学よりも本書のほうが物理数学ののあの衝撃に近った

    1
    投稿日: 2020.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    経済学を史実と筆者の主張をもとに網羅的にまとめられた一冊。基本原則から電子マネー等に至るまで扱うテーマは幅広い。扱わられる言葉は一見難解だが、結論が明確に示され、例えを用いて記されており内容としては理解しやすい。 人間の内的な想像力が外部からの過剰供給により枯渇していくことが文明社会が直面する本質的な問題。 やや論点は異なるかも知れないが、コロナ禍によりリアル空間で得る情報が減り、五感を持って体験する機会も減った今、感性を磨くことが更に困難になりまた所謂縮退が進むように思う。

    0
    投稿日: 2020.09.02
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    これまで、経済学の全体像をつかむということでは、色々な本を読んできたが、分かりやすい譬えを使って、直感的な理解に導いてくれる本。特に、マクロ経済学の要点が、少し腹落ちしたように感じた。また、貨幣、金本位制の話から、仮想通貨という流れは、頭の中が整理された感じ。ちょっと横道だったのかもしれないが、ブロックチェーンの説明には、今までのモヤモヤが晴れた感じがした。 最後の縮退を避ける方法については、トクヴィルの民主制への流れは不可逆だが、民主制をうまく動かすためには、宗教が大事だとの指摘に通じるものがあると感じた。何か、別の軸・価値観が無いと、うまくいかなくなる。面倒だけど、それが現実なんだろうなぁ・・・

    0
    投稿日: 2020.08.31
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    マクロの経済の原理原則の理解に役立つ。 特にインフレあたりの話は今現在起こっているので実感しやすい。

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    投稿日: 2020.08.24
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    これはとても素晴らしい本でした。どなたにもお薦めできます。 現代の行き過ぎた資本主義に懸念を持った方には、かなり刺さる1冊だと思います。 もう、内容の全てが完璧なまでに計算されています。 一つ一つが分かりやすい。本当に直感的に掴めるようになっていて、作者の力量に感服です。 そして話の展開も、理解→疑問→次の理解→次の疑問→と、こちらも人の直感的な理解を助ける構成になっているのでページを捲る手が止まらなくなります。 きっと何度読んでも面白いし、その度に新たな発見や理解を得られる本だと思うので、手元に置いておいて損はない1冊です。

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    投稿日: 2020.08.21
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    経済学の本質を鋭く、簡潔に突いた本。 これ一冊でかなり経済学の核に迫ることができる。 物理学者なのにここまで整理して自分なりに理解している著者がすごい。

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    投稿日: 2020.07.17
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    経済を学ぼうとして挫折人は多いと思う 昨今経済を知らなければならないと言う圧力が 日に日に高まってくる中、いざ学ぼうとして本屋に行っても 株と為替の本ばかりで経済全体を学ぶ本はとにかく難しい しかし、この「じつに難しい本です」と言わんばかりのこの本はとても分かりやすく、イメージがしやすい本なのである。 値段も決して安くなく分厚いが絶対に買って損はしない1品である。

    0
    投稿日: 2020.07.14
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    非常にわかりやすく面白い。が、こんなにもわかりやすいはよいのだろうかと不安になる。以前、友人の経済学者が数式のない経済学は経済学ではないと言っていた。本書にはまったく出てこない。参考文献もまったく注としては表記されない。そういう意味ではこの本で経済学がわかったと思うのは危険だと思うが、それでもわかってしまった気分にさせるくらいの危険なわかりやすさがある。最終章は1章~8章を読むことによってより著者の考えや思いがわかるようになっている。そこで展開されている論は筆者オリジナルの論をこれもわかりすく書いているので生煮えの感があり、1章~8章に比べると積み上げられた理屈の強度が低いような気もする。しかし、9章にこそ筆者がこの本を作った根拠があるようにも思われ、そこに誠実さを感じるところもあるので私としては良書である。

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    投稿日: 2020.07.12
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     著者の「経済数学の直観的方法(マクロ経済学編・確率統計編)」には本当に驚かされた。単に経済学の主要理論が物理数学をアナロジカルに用いることで記述できるということを示したにとどまらない。そもそも経済学という学問そのものが、西欧自然科学の豊潤なアチーブメントにより醸成された「直観」をもとに構成されているということ、さらに現代経済学の主流派の隠れた意図がその「直観」を通して見ることで極めてクリアになることを、門外漢にもわかりやすく喝破したのである。西欧的・経済学的パラダイムにどっぷり浸かっていては絶対に見出すことのできない斬新な視座であったと思う。  「はじめに」等によればそもそも本書は、経済学に昏いために社会的に「使われる」立場に置かれがちな科学技術の専門家に対し、国を動かす側の論理である「経済学」を啓蒙する意味で、あくまでもで内輪向けに書かれたものであったらしい。それが読者の強い支持を得てまとめられたのが本書のようだが、僕はむしろ、(本職の専門家などは別として)経済に明るいことを自ら恃みにする文系人や実務家こそ読むべきではないかと思う。よく言われるように、経済学というのは他の自然科学に比べ、どこかいい加減で非科学的な柔軟性を多分に有している。経済通の間では余りに自明のこととして共有されているものの中に、どうしても辻褄が合わないとか、どう考えてもトートロジーや循環論を含んでいるとしか思えないものがままあるが、現実の経済はそのような矛盾を曖昧にぼかしたまま「回っている」のだ。しかし傍目八目ではないが、当事者がかえって気づかない矛盾に、著者のような他分野の専門家からの指摘を受けて初めて気がつくということはよくあることで、そこを改めて熟慮してみることには多大な意義があるように思う。矛盾を含みつつも機能しているシステムには必ず歪みが蓄積しているもので、そこで将来予想される調整に伴うムーヴメントを予測する上でも、またその歪みそのものを修正する方策を探る上でも、著者の物理・数学的な知に基づくアナロジーは極めて有用な補助線となるはずだ。  本書のテーマは「資本主義はなぜこのようなものなのか」ということに尽きる。なぜGDPの2割もの投資が必要なのか。なぜ利子は正当化されるのか。なぜ貨幣価値は維持されているのか。そしてなぜ、経済はこれほどまでにイデオロギーに左右されるのか。本書では、こういった自明すぎて答えに窮するような疑問が、電子回路やエントロピー、天体運行などのパラダイムを用いたアナロジーにより問い直されていく。そこでは、物理や数学のような自然科学からはどうしても漏れ出てしまう経済学の非合理性、さらにはその非合理を飲みこんでなおも動きを止めない柔軟性や可塑性といったものが、剥き出しの本質として眼前に提示されることとなるのだ。  第8章までの記述はどこかで既に扱われているトピックに関するものであり、視点こそ目新しくはあっても既視感は否めないが、本書の肝は第9章での著者の提言にある。現在の経済繁栄の原因が経済エコシステムのエントロピー増大過程から富という形でエネルギーを抽出してきたことにあり、その結果システムが「縮退」、すなわち少数種による寡占と多数種の衰退を起こしているとの警告だ。このような過程をもたらしたのは、近代以降の啓蒙主義が天体の二体問題における自動軌道修正を経済学に拡大適用し、人間の短期的願望(欲望)が大数としては長期的願望(理想)に一致するという過剰な楽観主義定着を促進したからだというのである。そして現状の回復も死滅にも至らない「コラプサー」への落ち込みを打開するには、前述の富の抽出過程の他に、エコシステムを破壊的に再構築する「もう一つの力」が必要だと説く。それがセルオートマトンのアナロジーと哲学者オルテガの引用で説明される「呼吸口」の力だという。人間は可能性を閉ざされても満たされ過ぎても精神的に死に至るのであり、「呼吸口」=想像力を媒介とした幸福の摂取により、エントロピックな縮退の進行を少しでも止めてカオスへの落ち込みを防ぐべきと説いている。  ただ一方で、この縮退が不可逆的なもであること、また人々の短期的欲望を完全に抑制することが非現実的であることを認めるところが、著者の物理学者らしいリアリズムの顕現と言えるだろう。著者が期待する「もう一つの力」の効果の発揮には数学や物理に基づく真理に裏打ちされた「最高レベルの知性」による「大きな物語」の提示と共有が必要だとするが、それには現代政治に立ちはだかる大きな壁、すなわち反知性主義の克服が無論のこと必要になる。また現下のコロナウィルス禍をみる限り、外生的ショックは肥大化した残存種よりも寧ろ絶滅に際する希少種を駆逐する方向の推進力を持っているのではないかとも思える。しかし種々の困難はあろうが、著者の駆使するアナロジーの力による共感の醸成と知性の共有が、長期的には必ず人々の行動原理に変化を及ぼすものと信じたい。それが、非科学的な側面を持ちながらその巨大な慣性質量で命脈を保ってきた経済学と、科学的ではあっても必ずしも人々にそのエッセンスが受容されていない自然科学が、今日まで共存している理由なのではないだろうか。

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    投稿日: 2020.05.10
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    https://www.silkroadin.com/2020/05/blog-post_5.html 現代経済の背景や仕組み、成長を続けなければならない資本主義社会の宿命と原則原理とこれから 本書は、タイトルの通り現代経済学について書かれた本です。 「現代経済について学ぶ」には過去の経済が辿った道筋を理解している必要があります。 そして本書を見ると、外見上はやや厚め一冊の本のようだが、実はむしろ9冊分の本を極限までコンパクトにまとめて一冊の合本にした、オールインワン的な本だと思っていただいた方がよい。(引用、現代経済学の直観的方法、長沼伸一郎/講談社) つまり本書は、「現代経済」と「関連する過去の経済」の最重要部分を1章ごとに最小限までコンパクトにまとめた、9章から構成された1冊となっています。 読み終えた後も手元に置いて読み返したい、完全保存版です。 経済の成長拡大が思わしくない現代。 わたしたちが出来ることのひとつは経済について知る、もっと理解を深める、再確認することです。 本書を読むことは家にいながらでも手軽に出来て、経済の成長拡大を理解するきっかけとなります。 わたしたちが「経済を理解してサポートする」ための第一歩を踏み出しましょう。 現代経済学の直観的方法、長沼伸一郎/講談社 是非ご覧ください。

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    投稿日: 2020.05.08
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    「経済数学の直観的方法」でお世話になった者としておもしろいのは分かっていたので、発売日に購入。 まったくもって期待通りと言うか期待以上。 ① まず、いわゆる「経済学部」レベルでのマクロ経済学について、「ひらたくいうと何なのか」を知りたい、という人。端的に言ってこの本最強。 詳しいひとの「記述が正確じゃないあーだこーだ」はとりあえず気にしなくて大丈夫。 ② 経済学部とか公務員試験の準備とかで中谷巌の「マクロ経済学入門」は読んだよ、クラスの人。読後、「自分の言葉で整理できた」感が半端ないはず。 ③ マクロ経済のMicro Foundation、ブラック・ショールズ理論がカバーされてないぞ、これでは「現代経済学」とは言えない、みたいなことを言えちゃう人。→「経済数学の直観的方法」、併せて必読。 ④ PhDクラスの人。私にはわからないが、「厳密性」を追求するならアンチ含めていろいろ指摘はあるかもしれない。が、著者が目指している本書のゴールはそこではないだろうとは思う。 さて、その上で、私的には、本書の白眉は「ブロックチェーン」を貨幣数量説、金本位制から説き起こしている章と、資本主義を「縮退」なる理系概念を便宜的に援用して語る思考実験の終章。こういうことを語ってくれるひとはそうはいないと思う。 世の変革期には「理数系武士団」とでもいうべき人々(蘭学の素養のある幕末期の武士のような、つまり理系のバックグラウンドはありつつ経済学にアレルギーのない人)が必要、と。 私は文系だが、本当にそういう一団を待望したい。 そのために、とくに理系の方々にぜひ読んで頂きたい本。

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    投稿日: 2020.05.01