ほのぼのラノベで、聞き流しにも最適な一冊。 主人公は異世界に転生した少女アイビー。与えられたスキルは魔物を従える「テイマー」だが、ランクは最弱の“星なし”。そのため親にも見放され、村から追い出され。孤独な旅立ちの中で出会ったのは、本来なら弱すぎてテイム不可能な“崩れスライム”のソラ。互いに最弱同士ながらも、協力し、信頼し合いながら旅を続けていく。 スキル至上主義の厳しい世界にあって、アイビーは陰ながら心優しい人々に助けられたり、可愛らしい魔物に懐かれたりと、想像以上に温かな交流に恵まれ、さらにソラには怪我を癒す能力が芽生え、過酷なサバイバルも次第に安心で快適なものに。 ゴミ拾いから始まる小さな冒険は、彼女の前世の記憶と洞察力、そして仲間の魔物たちの特殊能力によって少しずつ広がりを見せる。か弱い少女と愛らしい魔物が織りなす、癒しに満ちたサバイバルファンタジー。読んでいるだけで心がほんのり温まる、そんな作品。

　アニメ化で本屋に平積みされていたので、稼いだお金を無駄遣い、出版済みの11巻まで大人買い。 　面白い。というか、旅と料理とモンスターの生態と主人公の成長と、ちょっと慎重な性格と努力を認めてくれる大人と面倒臭い政治と，と私の好きなものが全部詰め込まれている！ 　お買い得でした。続きも楽しみ。

酷い親の元から逃げて、ゴミ捨て場を漁り、罠の狩りをして生きていく幼い少女アイビーが健気で、ついつい気になって読み進めてしまう。温かな人たちに助けられて生きていくが、いろいろ恐ろしいことや不穏なことが迫ってくるので、目が離せない。

スキルのせいで家族から見捨てられたアイビー。取り返しがつかなくなる前に自分から出ていくことを選べたのは、不幸中の幸いだったのかも。故郷に拘っていてもいいことはなかったと思うから。星なしであることを隠しながらの旅は孤独なものに思えるから、ソラという「家族」ができたのは本当によかった。味方になってくれる人も多そうだけど、アイビーが気を許せるようになるには時間がかかりそうだし。役に立たないといけない。そんな風に思い込んでいるアイビーは見ていて悲しかった。今後の「２人」の旅がどうなっていくか気になる。