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欲望(新潮文庫)
欲望(新潮文庫)
小池真理子/新潮社
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総合評価

64件)
3.8
15
23
17
3
1
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    ■参加者の感想をピックアップ■ ・主人公の類子が心から正巳を愛していることがよく伝わって、肉体を伴わない愛のレベルの高さに憧れた。 ・正巳が肉体が使えなくなったにもかかわらず、セックスへの憧れを捨てきれない姿が印象的だった。 ・肉体の対象と見られている阿沙緒は、類子の持つ平凡な家族への憧れがあり、この三角関係が興味深かった。 ・( 阿沙緒 の夫である) 袴田のキャラクターが良かった。肉欲が枯れても美しいものだけを愛でる姿勢が魅力的だった。 ・クライマックスで正巳が海へ消えていくシーンが印象的で、作品全体の静かな中に情熱があるというテーマに合致していた。 ・描写力が高く、美しい景色や遊びが海へと広がっていく様子が鮮明に描かれていた。 ・三島由紀夫へのオマージュやリスペクトが随所に見受けられた。作者の愛と敬意が感じられた。 ・阿沙緒 と正巳 が粉雪がちらつく中で車を運転するシーンは、三島作品『春の雪』の象徴的なシーンを思い起こさせた。 ・舞台が自分が昔住んでいた場所に近いことから、当時の風景がよみがえり、作者の描写力に感銘を受けた。 ■今月の課題本■ ・ 小池真理子著『恋』 ■開催日時■ 2023年4月 ■参加人数■ ・4人

    0
    投稿日: 2025.09.03
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    小池真理子さんの文体には三島由紀夫を感じる。 ひっそりと死がずっと漂っているのだ。 諦めや寂しさや激しさを内包して、それを明らかにしようとしない曖昧さを持ち合わせているような。 別に見せつけようとしなくていい、2人だけの関係が2人だけに分かっていればいいとお互いに思い合っているのが信頼なんだなと思う。 それは不倫であろうが、友情から始まる恋や肉欲からくる恋であろうとも。

    0
    投稿日: 2025.07.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    事故で性的不能に陥った美しい青年正巳と、彼が昔から欲望の対象としている美貌の女性阿佐緒、その夫の袴田、正巳と阿佐緒の幼なじみの類子。 これは類子の視点で語られる物語です。 類子は正巳を愛し、精神的なエクスタシーを感じながらも既婚者の愛人と肉欲だけの関係を続けます。 最終的に愛人と別れて正巳を一途に愛するように。 うーん、類子が正巳に感じるエロティックさはわからないでもないのですが、既婚者と平気で不倫する気持ちがわからないのでいまいち感情移入出来ず。 阿佐緒も正巳も揃って自殺…… 2人ともそれぞれ孤独を抱えているのはわかるけど命を大事にしてくれ……。 そこで終わってたらなんだかなーって感じでしたが、最後の袴田さんとの再開で綺麗にまとまった印象です。三島由紀夫の作品が出てくるので三島好きの人はおっとなるかも。

    7
    投稿日: 2025.07.06
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    日本一蔵書数の多い学校図書館に勤める主人公。こんなふうな生活に憧れるも、初版は私が産まれた年だと知って驚愕。三島由紀夫の新刊を楽しみにしてる中学生だったんだからと納得。阿佐緒は理想の親友だし、正巳は理想の片想いの相手だし、誰も報われない三角関係好き。

    0
    投稿日: 2025.05.16
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    小池さん作品3冊目。回想や手紙、死へ向かう等、他の作品と同じ要素ありでしたが、この作品は魅力的な登場人物が多く、タイトル通り「欲望」とは何か考えさせられました。 三島邸もどきでの再会シーンの楓、書架、南の島での明るさ、ラストの陽の当たる庭、すべて美しい場面でした。フェティシズム等ではなく若者が誰しももつ思慕を描いていているのに薄ぺらくならないのが凄いです。(偏愛ものや禁欲、忍耐系を期待した読書には物足りないかもしれません) 乳児が母親に触れたがるような単純な接触欲、 親しい相手と手を繋いで寝るような信頼•安心感、 母性、父性への憧れ、尊敬、肉体美、フェロモン 妊孕性的な生殖欲、挿入欲、野獣性、友愛、 コレクション的な統制欲、庇護欲、自我、承認、 思想、精神的な繋がりとのバランス... それらへの感じ方の微妙な男女の違いなどがグラデーションの様に変化して(しない人もいて)、性欲や官能という言葉では収まりきらない欲望とは、生命力であり欲望が激しいほど無や死と隣り合わせでもあると感じるような小説でした。

    0
    投稿日: 2025.04.04
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    「恋」と似た男1女2の微妙なバランス物語か〜、とか 時代背景がいまいちわからんな〜とか 人物像をなぞるのがまどろっこしいな〜とか 色々なことを考えながら最初は読み始めるんだけど、 いつのまにか周囲の音が聞こえなくなり、 読み耽ってしまっていた。 解説にもある通り、 この持続力のある文体の魔力はすごい。 類子は精神のつながりが〜とかやんや語っているけど、結局は満たされている側の人間の発言で、 自死にまで追い詰められてしまった阿佐緒や正巳の渇望・苦悩に対して冒涜なのでは、とか感じてしまった。 なんていうか、関係性や周囲の環境に酔いしれているというか。美化しているというか。 人間は性欲や承認欲求が満たされないと どこか狂ってしまうんだろうか。 この物語を読んでここに至ってしまった私は俗で浅はかなのか。 なんか色々考えてしまった。 解説のように高尚に考えることはできなかった。 物語は面白かった。第7章あたりからのジェットコースターたまらんかった。

    1
    投稿日: 2025.04.01
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    小池真理子さんの小説は、読んでいてとても心地よく、癒される。上品で、自然に流れる文章に引き込まれ、気付くと物語の世界に自分が居る感覚・・何度も味わっている。大好きな作家さん。

    2
    投稿日: 2025.01.16
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    どこかずっと不穏で危うい美しさがあり、破滅や死の香りもするような、仄暗いお話でした。 健全な恋愛小説でもなく、圧倒的に破滅に突っ走る地獄というほどでもない、動きの少ないながら最後まで楽しめたのは美しい世界観あってこそだと思います。 何回か同じことループしてるだけじゃん、と少し退屈に感じてしまう箇所もありました。

    5
    投稿日: 2024.11.17
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    長い小説で同じような場面と言葉が繰り返されているようでいて、少しずつそれらが変化していく。水が一番低いところへ流れ着いてようやく落ち着きを手に入れるように欠落を抱えた人物たちが、それぞれの思考と行動で生命をたどっていく。 多くの欠落を抱えていれば、一つ一つの欠落はむしろ楽しめたかもしれないのに、完璧さの中の深い欠落に絡み取られる。それは当然のような、もったいないような気がした。

    0
    投稿日: 2024.10.04
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    ラスト、何故か泣きそうになりました。 男と女の恋愛や人生に対する考え方、感じ方に違いがあるのは間違いないことである。

    0
    投稿日: 2024.02.23
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    一日の終わりに人一倍疲れを感じてしまう彼は、時々ベッドの中で私の頭を抱き寄せ「すまない」と言った。疲れすぎていて、どうしても肌を合わせることができそうにない、という意味だった。 何故あやまるのかわからなかった。交合はしなければならないからするのではない、したいからするものだった。ましてそれが愛情の証であると信じるほどわたしたちは若くはなかった。それに第一、交合は官能の象徴ではない。いわばそれは、官能への入口のちょっとした扉のようなものでしかない、と私は考えていたのだが、そうしたことを彼に説明するのはなんだか億劫だった。(本書P456) そして、三島由紀夫「天人五衰」をオマージュしたラストの華麗さを味わってください。

    1
    投稿日: 2023.07.16
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    インポテンツってそんなに屈辱的なものなのかな。 女だから分かりませんでした。 解説の「この人の文はすっと入ってくる」って言葉、分かるなあって思った。水みたいにするすると読める。あっという間だった。 映画も見てみたいな!

    0
    投稿日: 2023.05.27
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    著者の直木賞受賞作「恋」よりはまだ理解できる内容。だけどやはり、そこまでこじらせなくてもよくない?今ある現実に満足しようよと思ってしまう私にはあまり共感できない。三島由紀夫オマージュという内容だったけど、三島由紀夫もこじらせ系なのか。読んだことないけど。

    1
    投稿日: 2022.11.22
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    人間関係、ドロドロな小説。 と言ってしまえば一言で終わるし、全く面白くは聞こえないと思うが、忘れられない小説。 主人公は今は幸せなのか?誰も救われていないのか?色々考えてしまう。 所々の描写が美しくて、その部分だけ読み返してしまうような本。

    2
    投稿日: 2021.05.10
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    幻想と現実 そして肉体と精神の乖離… 小池真理子さんの本は独特の世界観があるなぁと思いました。 気だるいような感じもしますが、ダラダラしている訳じゃなく。 精神で結ばれるのってすごく幸せなことなんじゃないかと私は思います。 これを機にもっと小池真理子さんの本を読みたくなりました。 もう一度『恋』を読み返そうかな。

    1
    投稿日: 2021.02.05
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    目眩く性と死…圧倒された世界でした。 類子と正巳と阿佐緒、そして袴田…形の違う欲望でも、それぞれの欲望はとても強かったです。 肉体だけでなく精神のエロス。かなり際どいことも書かれているのですが全く厭らしくないのはさすがです。 正巳が性的不能者じゃなかったら、類子と正巳はここまで感応し合い、高まらなかったのではないか…とも思いました。 静かに狂っていく感じも良かったです。正巳の最後の海での言葉は悲しくなりました。 そして三島由紀夫の豊饒の海を今度こそ読破したくなります。その上で再読したいです。 官能にもみくちゃにされました…すごかったです。

    5
    投稿日: 2019.05.30
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    林真理子と間違えて買う。せめてあらすじ読んでから買うんだった。超絶つまらなくてほとんど読まなかった。

    1
    投稿日: 2019.04.22
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    恋、無伴奏に続き、欲望を読み終えて三部作を読破。 最後の解説にもあったけど、文章がすぅっと入ってきて、ついついゆっくりと読みふけってしまうー、そんな作品でした。 読み始めてからラストまで、とても濃密な時間を過ごした感じ。 三部作のなかでは本作が一番好きかな。

    2
    投稿日: 2017.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    感想を書くのが難しい。 EDである男性をどう愛するのか、また自分がEDなら女性をどう愛せるのか。なんとかその壁を乗り越えられそうな、でもやっぱり乗り越えられなさそうなもどかしい感じがしました。

    0
    投稿日: 2016.09.24
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    小池真理子らしい、濃密な物語。 阿佐緒の奔放さが切ない。能勢と主人公との交わりも、正己の秘密も。ぐいぐいと読ませるけれど、なんだか読後感はどっとくる感じ。

    1
    投稿日: 2016.08.17
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    静かに引き込まれていった。なんというかこういう性的描写もあるのか。と思うような精神のエロスでした。 インポになってしまったイケメンと繰り広げるなんとも複雑な恋愛小説なんだけど、特にどうってことないっちゃ、ない。ものすごい事件もないのに気がつくと周りの音が聞こえなくなるほどに本に取り込まれるような感覚。 なんか、なんかわからないけど、不幸でも幸せでも懐かしくもないのに、なぜか目が離せない展開を繰り広げる主人公たち。 なんだろう。なんだか性的な精神的な不思議な国のアリス感漂う、夢の中のの出来事のようなそんな一冊です。 この人の小説。なんか気になる。

    0
    投稿日: 2015.03.18
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    決して叶えられることのない欲望を持つというのが、こんなにも切なく悲しいものだとは。 それなのに正巳に恋焦がれる類子の想いが、中学生の初恋みたいで初々しいとすら思う。 文章が美しく、きめ細やかで、たっぷりと作品の世界に浸ることができた。

    0
    投稿日: 2015.01.06
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    三島作品は中学のときに何作か読んだのですが、その当時のあたしのできそこないの頭では理解できなかったので、この作品を読んで、もうそろそろ私 ちゃんと三島作品読んでみたいなって思いました。 主人公が過去を思い出しながら 物語を進んでいくのですが、どんな悲しみも時がたてば 思い出になっていくんですよね。 悲しみはずっと悲しみのまま、心に保存していたら 心がパンクしてしまうから、思い出になるように人間はなってるのかな。

    0
    投稿日: 2014.03.01
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    読みきったので一応感想。紳士・エキセントリックな美女・若くガテン系のいい男・語り手女性・そして起こる悲劇、という筋書きと設定で、同著者の『恋』の焼き直しという感じが最後まで拭えず。三島由紀夫を読んでたらもう少し楽しめたのかな?

    0
    投稿日: 2014.02.08
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    小池さんワールド。 心から愛した人が性的不能。 なんとなく、死が近づいていることがわかりながらも、2人の心の繋がりを信じたかったなあ。 なんでこんなに、世界に浸れるのか不思議。それくらい引き込まれた。

    0
    投稿日: 2014.01.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。 大人の恋愛小説。男と女が一緒にいるには体だけではないってこと。相手が性的不能であっても、精神のエクスタシーが得られればそれでいい。ハッピーエンドであったらもっと嬉しかったけど。そこが小池真理子らしいところなのだけど。 昔、初めて本作を読み深く感銘したのを覚えてる。が、こんなの読んでるの?と官能小説扱いされ、私のことをいやらしい目つきで見た友人。まだまだこいつは稚拙だなと思った。精神的にも肉体的にも。

    0
    投稿日: 2013.12.26
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    美形で知的な性的不能者の熱い恋。その彼に恋する女性。ともに満たされないがゆえにとめどない欲望。そういう葛藤を味わわせてくれる小説。 突拍子もない展開もなく、比較的淡々としてるがしっかり読ませてくれる文章だと思う。

    0
    投稿日: 2013.10.24
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    初めて読んだ恋愛小説。 良かった。冒頭の主人公が書店で本を買う場面から、のめり込んで読んだ。回想録ぽい進め方が、良かったのだと思う。 ミステリー小説以外で、貪るように読んだ本は初めてだった。 また三島由紀夫との絡みもよく、ラストの余韻の残しかたなど最高だった。 初めて読んだ恋愛小説が、あまりにも良すぎた為に、なかなかこの作品を越える小説がなく、今はすっかり以前のように恋愛小説を読まなくなってしまった。 三島由紀夫の作品は、読んでみたくはなったが。

    0
    投稿日: 2013.03.02
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    古典的な香りが色濃く感じられる究極の恋愛小説。 三島由紀夫に興味がなくても読める。 主人公は図書館司書の類子。かつての同級生で、建築家の正巳。もう一人の同級生、阿佐緒。 物語は三人を中心に進んで行く。 それぞれが抱える心の闇は深くて重い。特に、建築家の正巳は事故により性的不能者である。 色々な事件を織り交ぜながら、確実に死へ向かって行く者達。そこに行き着くまでの心理描写が細密。 愛する者達を失っても、生き続けていかなければならない人間の静かな強さを感じさせるラスト。 余韻が切ない。

    4
    投稿日: 2013.02.28
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    旅先で泊まった宿にあったから、という理由で手に取った。そういうきっかけがなければ読むことはなかったであろう。ということで、こういう出会いはおもしろい。 しかしまあ~読んだ感想は、1997年って、こんな昔だったけか!? 三島を根底においてるせいもあるのかもだけど、とりあえず出てくるキャラがみんな昭和~。そしてキャラクターが平気で作中未成年飲酒やら、飲酒運転やらしまくる描写が出てくるんだけど、こういうのって今でもあるのかな・・・? そして話の結末は、やっぱちょっと「ええー」と思った。なんていうのか、自分が道徳的過ぎるだろうが、実際にインポで悩んでる人だって世の中にはたくさんいるだろうに、こういう結末でいいの・・・?て思っちゃう。 まあ、基本的には美意識とか価値観が私とは大幅にずれてる、ということだと思う。うむ、三島もマッチョもあんま趣味じゃねーんだ(笑)

    0
    投稿日: 2013.02.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    三島由紀夫の話題が全編の下敷きになっている。 著者の三島由紀夫に対する、あこがれと一つの回答になっている。 登場人物が、著者の三島由紀夫に対する回答の道具になっているかもしれない。 次々に亡くなっていく知人達。 生き残った主人公の思いが不透明。

    0
    投稿日: 2013.01.03
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    うーん、これは究極の恋愛ドラマよね~。 『欲望』というタイトルからすると、ちょっとエロっぽい響きがあるけど、これはそのエロさがない。 だって、起たない男を軸にしたストーリーなんだよ。 インポな男に恋した『私』こと類子と、インポな男に愛された女・阿佐緒の三角関係。 こう言葉にすると安っぽく感じるけど、これがとーっても重い内容になってるわけです。 しかも、あの大作家・三島由紀夫の本も絡んでくるのでかなり重厚感あります。 女の私からすると「たたない」「セックスできない」って言うことは、読んで字のごとくそんなこととしか意味しないけど、男からすると言葉以上の重みと意味があるらくしくって、それは男でもなんでもないことを意味するらしい。 私は、別にセックスなしでも生きていける人間なので、そういうことについてはよくわからないんだけど、好きな人ができれば、「抱きたい」「抱かれたい」と思うのが普通なのかな~??? 男の視点からの恋愛感をじっくり読んでみました~。 ただ、この本、登場人物が少ない上に、中間まで同じような調子の繰り返しでちょっと前半は退屈したけど、後半はだんだん追い上げでくる感じでとてももの悲しい話になってます。 最後、三島の本から楓の葉がヒラリと落ちてくるシーンがとっても印象的でこの本の刹那さを印象してる気がしました。 ただ体を合わせるだけでは恋愛じゃない。セックスをしなくても相手のことを本当に好きなのが本当の恋愛だと、ちょっとわかりました。 体の結びつきよりも心の結びつきこそが本当の本物の恋愛だと思うけれど、それは健全な体を持ってるセックスしたことある私だから言えるのかもしれない。。。。 正巳の悲しさ歯痒さは、たぶん一生私にはわからないのかもしれない。。。。

    0
    投稿日: 2012.11.27
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    すごく意味深長な内容だったと思う。 性と愛と肉体とは切り離して考えることは出来ないのだろうか。観念的には切り離して考えることは出来そうな気がするが、現実的には難しいようにも思える。 一方で、自分の愛を性と言う肉体で表現したくても出来ない正己の苦悩には、現段階で共感できないのが複雑だった。きっと将来読み直すときには、また違う視点で捉えることができると思う、

    0
    投稿日: 2012.09.02
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    事故により性行為が不可能になった、学友を密かに想い、また、他方では奔放な性愛に浸る主人公。 学生時代から、性的象徴だけが目立つ同級生との三角関係も織り交ぜながら、官能小説っていうんだろうな、こういうの。

    0
    投稿日: 2012.08.29
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    何だか『レベッカ』を読んでいる様な 『痴人の愛』のナオミを見ている様な感覚に囚われました。 (あくまでも、私の感覚ですので…!) 人と人は色んな繋がり方で繋がる事が出来るのですね。 だけど、やはり大切な人が居なくなってしまうのは淋しいなぁ。。 お話の中で出てくる三島由紀夫。 実は私読んだ事がないんですよねー。 小さい頃、強烈に怖いイメージを持ってしまって、未だに三島由紀夫の本は手に取れず…。 小池真理子の作品は今回初めて読んだのですが また他の本も探して読んでみよっと。

    0
    投稿日: 2012.04.01
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    初めて読んだ恋愛小説 主人公の回想で語られる 濃密で奇妙な男女3人の関係が語られる。主人公と同級生の男子との関係は、恋愛と言える関係とは違う。 現象にあり得ない関係を、三島由紀夫の小説などと絡めながら、展開されていき、ラスト前の出来事へと進んでいく。 ベタな恋愛小説なら途中で止めていたと思う。幻想小説ぽかったから、最後までイッキに読んだ。 これをきっかけに、小池真理子を読むようにはなったが、他の作家の恋愛小説は読まないな~。やはり、恋愛小説は合わないわ。

    0
    投稿日: 2012.02.08
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    恋愛小説は苦手なので、基本的には読まないのだけど、この小説は『この文庫が、すごい!』というムック本に紹介されており、「面白そうだな」と思い購入した。 現実には体験出来ない恋愛が書かれていたのが、良かったのかもしれない。いっきに読めた。 しかし、この登場人物みたいな男子とは恋愛したいとは、思わないな~(⌒-⌒; ) 色んな意味で…\(//∇//)\ 初めての恋愛小説がレベルの高いもので、良かった! これがきっかけになり、小池真理子の小説を読むようになった。早く、読めば良かった。 次は直木賞受賞作の『恋』を読むぞ~!

    1
    投稿日: 2012.02.07
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    三島由紀夫というつながりを持つキーパーソンたち。 想像以上に、純文学のような内容だった。 キャラクターたちが取る行動が、どき理解できなかった。 恐らく自分の経験不足なんだと思う。

    0
    投稿日: 2011.11.30
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    女の話。即物的なエロよりも、概念というか触れないエロのほうがいやらしい。斜め上の人との結びめないけど切れない関係とか? よくわかんなかったかも。

    0
    投稿日: 2011.11.19
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    切ない。 登場人物それぞれが、それぞれの立場で切なすぎる。 どこにも持って行きようのない切なさに、読んでいて苦しくなる。 でも、たまらなく好きな作品。

    0
    投稿日: 2011.09.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    身体的な交合なんて、言ってしまえばかんたんに出来るけど、精神的な交合を実感できるってとてもすごいこと。 類子と正巳は、精神的な交合が出来ていたんじゃないかな。 正巳は、とても清々しい気持ちで青い海の深くへ、胎内に戻るようにして沈んでいったんだろうと思う。 しかし、正巳が性的不能でなかったら、2人はこれほどに強く惹き付け合ったのだろうか。 もし簡単に身体的な交合を遂げていたとしたら、存外あっさりとした関係だったのかもしれない。そう考えると、肉体と精神の連動、ということに混乱してくる。連動しているのか、していないのか。 それにしても、なにか身体的な欠陥を持っている人に魅力を感じてしまうのは私だけかしら。 三島を読み直してみよう。

    0
    投稿日: 2011.09.06
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    淡々としているようで とても熱い。 こんな切ない恋愛関係があるんだろうか? 500ページ弱、集中して読めたけれど テーマはきつかった。

    0
    投稿日: 2011.06.08
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    「無伴奏」や「恋」からすると、ちょっと落ち着いている。 だけれども、「欲望」というタイトルだけあって、 いわゆる、精神的にも肉体的にも、登場人物は欲望に忠実。 それだけに、リアリティがあるかもしれない。 ところどころに、少女漫画的な表現もあるが、 (※どうやら、作者もそれを自覚しているようだが) それと欲望に忠実な様のギャップが面白い。

    0
    投稿日: 2011.04.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    三島由紀夫の小説を読んでいればもう少し深く物語に入り込めたかもしれないが、『仮面の告白』しか読んでいないので中途半端にしか入り込めなかった。でも読んでいなければ全く入り込めなかったかも。 肉体と精神とを分裂させて云々・・・というのは『仮面の告白』のテーマの一つでもあるし、たぶん普遍的なテーマなのだろう。でもこの物語はそれが全面に押し出されすぎな分、どうしても嘘くささ(というか作り物くささ)が際立ち、欲望をテーマにしている分生臭いところが重すぎ、そして両方が全く溶けあわずに乖離しているように読め、正直全く好きになれない話だった。 類子は正巳の心の傷を、正巳の側にたって理解しようとせず独りよがりだし、その独りよがりが結局正巳を死に追いやっていったように思えるのだが、間違っているかしら?間違ってないとすれば、本当にひどい話だ。

    0
    投稿日: 2011.02.16
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    誰も幸せにならなず重い話なのに なぜかそれを感じず綺麗に話が進んでいく。 作者の文章が良いんだろうな~。 三島由紀夫につい興味が沸く。

    0
    投稿日: 2010.11.16
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    司書の類子、性的不能の正巳、奔放な阿佐緒、三人の元同級生をとりまく恋愛小説。 今まで読んだこの人の作品の中では、飛びぬけて好きかも。 作品中に三島由紀夫のエピソードが、上手くちりばめられていて、特にラストのくだりは印象的。 また、「豊饒の海」を掘り返して読みたくなった。

    0
    投稿日: 2010.10.08
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    期待通りの重さがあった。 同じ著者の「恋」を彷彿とさせた。 いわゆる幸福な人、は全く描かれていなかった。

    0
    投稿日: 2010.08.14
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    図書館の本 内容(「BOOK」データベースより) 三島由紀夫邸を寸分違わず模倣した変奇な館に、運命を手繰り寄せられた男女。図書館司書の青田類子は、妻子ある男との肉欲だけの関係に溺れながら、かつての同級生である美しい青年・正巳に強くひかれてゆく。しかし、二人が肉体の悦びを分かち合うことは決してなかった。正巳は性的不能者だったのだ―。切なくも凄絶な人びとの性、愛、そして死。小池文学が到達した究極の恋愛小説。 三島をちゃんと読んでからもう一回読んだほうがいいかしら?と思った作品。 無伴奏、恋、と読んで来たのでだいたいよめっちゃっている部分もあったんですが面白かった。 ただね、ラストが。。。。 会わなくてもいいじゃん? と思いながら読んでいたんですがそっか、そうなのね、と思ったのです。 ただ、やっぱりそれだけじゃ悲しい。 切なさが増しました。

    0
    投稿日: 2010.06.12
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    恋に引き続き読みました。 回想のきっかけ、回想、現実に戻るというパターンが 恋と同じだったので、新鮮味が無く、話自体は面白かったけれど ☆1つ減らしました。 とはいえ、他の作品も是非読んでみたいと思わせるだけの 内容でした。

    0
    投稿日: 2010.05.13
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    引用になりますが解説にて池上冬樹氏がこう綴っています。「とにかく本書は女性の官能の世界を激しくきらびやかに描いた作品である。<中略>三島文学を継承した、比類なき美しさをもつ現代文学の古典といっていいだろう。」 私の感想を自分の言葉より端的に表現していますので感想として引用させていただきました。実に美しい物語だと思います。

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    投稿日: 2010.05.02
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    人を愛するときに、その人を形作っている要素が一つでも違っていたら、 その人を愛したかどうかわからない。 漠然とそんなことを感じた。 主人公は、彼が性的不能でなければ、こんなに彼を愛したのだろうか。 終盤の海でのシーンが印象的で、具体的に情景が浮かんできた。 静かに訪れる、愛する人を失う悲しみ。 読んだ後はしばらく余韻が消えず、ぼうっとしてしまった。

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    投稿日: 2010.02.28
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    むずかしい   すごくむずかしい ラスト、海の場面は 悲しくて息がつまる。 なんでそうしなきゃいけなかったのか わからない私はまだお子様なのか

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    投稿日: 2009.12.17
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    三島由紀夫邸を寸分違わず模倣した変奇な館に 運命を手繰り寄せられた男女。 図書館司書の青田類子は 妻子ある男との肉欲だけの関係に溺れながら かつての同級生である美しい青年・正巳に強くひかれてゆく。 しかし、二人が肉体の悦びを分かち合うことは決してなかった。 正巳は性的不能者だったのだ―。 切なくも凄絶な人びとの性、愛、そして死。小池文学が到達した究極の恋愛小説。 タイトルだけだと どんなストーリーになるのか?と思ったけど こんな切ない恋愛があるんだろうか・・・

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    投稿日: 2009.11.25
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    タイトルでお薦めしても色んな人が一歩引くけども読んでほしい作品。ここで描かれている精神的な欲望のかたち、は理想的なもののひとつなのかもしれない。

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    投稿日: 2009.08.13
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    51/100 98年 第五回 島清恋愛文学賞受賞作 現在作者は同賞の選考委員をしてますー 表題からして暗めな内容なのですが、なぜかしら全体を通してさわやかな感じ、 文章からくるものなのか、作者の人柄なのか・・どろどろさがまるで伝わらない、 そこを伝えたいわけじゃないんだ、読み手はそこにわくわくするのに(笑 『肩ごしの恋人』 唯川 恵もどちらかというとさわやかな印象を受けたけど、 注:ひょっとしてラストだけ? こちらは更にさわやかな印象を受けた。

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    投稿日: 2009.07.12
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    どちらかといえば展開はゆるやかで。設定もキャラクターの性格も地味な恋愛小説。 なんか、すごい。 面白いか否かの判断をくだすでもなく、ただ漠然と「すごい」と思う。 好きかどうか聞かれたらまたそれは別問題であって、なんていうか、言葉の使い回し、表現、考え方、などなど…すごいなって。 構成は綺麗で読者を惹きつける。 あとのことは何も具体的に言えません。 ただ、「すごい」と。 抽象的だけど、そんな感じ。

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    投稿日: 2009.02.12
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    三島由紀夫邸を寸分違わず模倣した変奇な館に、運命を手繰り寄せられた男女。図書館司書の青田類子は、妻子ある男との肉欲だけの関係に溺れながら、かつての同級生である美しい青年・正巳に強くひかれてゆく。しかし、二人が肉体の悦びを分かち合うことは決してなかった。正巳は性的不能者だったのだ―。切なくも凄絶な人びとの性、愛、そして死。小池文学が到達した究極の恋愛小説。 終始古典的な匂い(三島由紀夫をテーマだから当然!?)は現代との乖離=非日常を強く感じさせる。でも存在する世界は必ずあると疑わせないバランスは保っているところが良いと思う。

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    投稿日: 2008.06.09
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    今のところ「恋」に次いで好きな小池真理子さんの作品。 ますます小池ワールドに引き込まれていきそうです。 「三島由紀夫」にまつわる話が出てきてこれを読んで三島由紀夫の作品を読みたくなり思わず購入してしまいました。 (08年5月3日)

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    投稿日: 2008.05.05
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    ここ暫く、ファンタジーの世界に浸っていたので、ちょっと大人の世界に戻ってみました。 これは随分前に買っておいた積読の中の一冊です。 小池さんのデヴュ作:悪女のすすめをオンタイムで読んだ時には、こういう人が出てくる世の中になったか・・って思いました。 その後暫く続いた彼女のエッセイは全く読んでいません。 久しぶりに彼女の著書を読んだ時に、ちょっと年上のおねえさんのとわず語りを聞いているような気がしましたっけ・・ この著書に関しての感想は書きずらいです。 事故により10代の終わりに事故により性的不能になってしまった幼馴染の正巳と20代後半で再開し恋いつつ、違う男性と愛のない肉欲に溺れる主人公類子。 自分の不完全さが受け入れられない正巳、確かにそうかもしれないけど、本当にそうなのか・・・ 愛の形は人の組み合わせほどあるものだと思えるのは、この年齢の私だから思うのか・・ 私が男性で当事者だったら、果たしてそう云えるのか・・ でも、恋愛は、何も血気盛んな10代後半〜30代だけのものではなく、大人にだって色んな形で静かに存在するものだと思うし、例えば女性同士の同性愛とかはどうなるのだ?とか読んでて頭を過ぎりました。 そう思うと、恋愛にも年齢に応じて段階があり、年を重ねてわかっていく境地があるものでしょう。 そこを乗り越えれば・・何もそんなにコンプレックスのように感じなくても・・って思うのは、きっと私の大人的な発想なのでしょう。 それにしても主人公の類子さん、しなやかに強いです。 立原の舞の家の類さんも強かった・・と、ふと思い出したりして・・ もう一つ、今の私にもう一度三島を読ませたいと思いました。 気が付けば、三島が自決した年よりずっと大きくなってしまった^_^; 大人ぶってわかったような顔をして読んでいた高校や大学の頃と間違いなく違った読み方をするでしょう。 どう感じるのか、私は私にとても興味があります。 そおそお、こちら、映画化されていたのですね。 ググってみれば、邦画にしては珍しく、原作に忠実に描かれていると対談記事にありました。 主人公の類子役の女優さん、実は知らないのだけど、他の配役は目に浮かぶようです。 機会を作って、レンタル屋さんで借りてみましょうか・・・

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    投稿日: 2007.07.07
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    感動した、と言う訳ではないが泣いた。不完全なままで生きていくのは辛い。でもそれを内に秘めて生きていく類子は美しいとさえ思える。 再読するには結構重いのだが、私の心に強烈な楔を打ち込んだ1冊。 私も三島を読み返したくなった。島清恋愛文学賞受賞作品。

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    投稿日: 2006.05.01
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    この本の帯からは「官能的」という表現しか印象に残らないけど、実際はそうじゃなくって、心の情景描写が自分の心にも沁みる、儚い物語りです。

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    投稿日: 2006.03.28
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    読み終えるのがしんどかった。 文章がちょっと自分には合わないような気がする。 華美な説明表現がかなり窮屈。 物語の展開もおそすぎて退屈な印象。 最初はいい感じだったんけれど… いったん面白くないと思ってしまったら 読書はちょっとしんどい作業に成りえてしまう。。。

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    投稿日: 2006.02.04
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    妻子のある男との肉体関係に溺れる司書、性的不能の偉丈夫、奔放な美女と初老の男性。三島邸を模した館を取り囲むように、静かに物語は紡がれていきます。捉え切れない様々な欲望の形を緻密に書き表した一冊です。

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    投稿日: 2005.11.23
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    それはかすかな、それとはわからないほどかすかな嫉妬であり、悲しみであり、空しさだった。慣れているはずの感情には違いなかった。私はいつも、人生に生じる、幾多のささやかなドラマの中心人物にはなれない人間だった。よくても端役、悪ければ黒子にすぎず、ドラマは私がいなくても、滞りなく進んで終焉を迎えた。 だが、ずっと後になってこんなふうに思ったこともある。私が黒子しか演じられない人間だったからこそ、正巳は私に気持ちを許したのかもしれない、と。(p.79)

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    投稿日: 2003.09.01