
総合評価
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powered by ブクログ去年、図書館で借りたけど期限が過ぎてしまい途中でリタイア。久しぶりに読んでみました!不登校の小中学生が旅をする話です。今までにない形の物語の展開の仕方で面白かったです。また、私が中学生ということもあり共感できるところもありました。
78投稿日: 2025.02.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
みんなは、いま、それぞれいろんな壁にぶつかってると思う。その壁は、ほんとうに分厚くて高くて、目の前いっぱいに広がってるんだと思う。でも、ちょっとだけ時間のスケールを大きくしてみたら、いまの壁も、いつかは越えられるかもしれない。 親の大事な数字4桁は、お兄ちゃんの誕生日。 嫌いな子、たくさんいるんだ、リュウって じゃあ、リュウのことを嫌いな子もたくさんいるんだ。 5日かけて毎日じっくり読んだ。バイト中も読みたくてうずうずした。地下鉄を待っている間にも読んだ。 本当に、生きていてくれるだけで良いんだけど、当人は、苦しくて苦しくて仕方ないんだなあ。 登場人物の心理描写が本当に丁寧で、終盤はつい泣いてしまうところもあった。 信じられるものがないと、生きることが辛くなるよなあ。
1投稿日: 2025.01.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
5/5〜 生きていくのがしんどい子供たちの優しいお話で、当然ハッピーエンドになると思っていたから予想外の展開に最後は泣いてしまった。 世界が交わりだした辺りからちょっと分かりにくくて読みづらかった。 重松さんの過去作の登場人物が何人か出ているらしいから、もっと別の作品読んでから読めばよかったと思った。
1投稿日: 2024.12.26
powered by ブクログ小学生の時、読書感想文を書く際に読んだ本で、あの時全部読まずに感想書いた本。何故か、思い出して手に取ってみました。 この物語を高く評価した人は、恐らく登場人物と同じ位の歳に同じ境遇、もしくは違う立場で後悔をしている人達なんじゃないかな…。だから、今そういう状況の渦中にいる子供たち、また学生時代を終えた大人たちには1度手に取って貰いたい本。
4投稿日: 2024.11.21
powered by ブクログ#本 #読書 #読了 #重松清 『ゼツメツ少年』 中学2年生のタケシという少年から小説家のセンセイのもとに、一通の手紙が届いた。 「センセイ、僕たちを助けてください」 「僕たちはゼツメツしてしまいます」
0投稿日: 2024.10.26
powered by ブクログ2016年10月、確かこの本が10月最後の本だったような記憶。 すっかり忘れていたけどあらすじを読んで思い出した。そうそう、小説にこっそり子供達を登場させる話。 当時の私の感想は「泣く。」としか書いてなかった。滅多に泣かない私がこう書いたくらいだから、当時の私には刺さった話なんだと思う。中学2年生、多感ですからね。 確かこの本のあとに『ナイフ』を読もうとしたんだけど、冒頭のいじめのシーンがあまりにもつらくて挫折した。それから何となく離れたような気がする。重松清、いじめが多くてしんどいなって思っちゃう。中学生の時は特にしんどかった。
0投稿日: 2024.10.20
powered by ブクログ物語の面白さ、想像力、希望 色々と思うことはあった、いじめの話は少し学生時代の苦い記憶思い出してしまったが、それだけではなくてなぜ物語を読みたくなるのか考えさせられた。ただ幸せな物語だけを読みたいわけではないと気付かされた。
5投稿日: 2024.09.18
powered by ブクログ登場人物が受けたいじめや背景にショックを受けたが、話の途中から、現世の話なのは、夢なのか、あの世なのか、見失っていた。
3投稿日: 2024.04.30
powered by ブクログ2014年 第68回毎日出版文化賞受賞。 いろんな賞があります。 小説家の元にゼツメツ少年と称する子供から「助けてください」という手紙が届く。小説家は、三人の少年少女を隠す物語を書き始める。 イジメや家庭問題等で居場所を失いつつある子供達の心の叫び。主題は、いつもの重松さん。 なのだが、何かいつもと違う。どんどん話が複雑になって、救いがなくなってくる。 重松作品をすべて読んでいるわけでもなく、順を追って読んでいるわけでもないので、明確に覚えていないのだけど、過去作品の登場人物達も現れ、三人の子供達と触れ合っていく。 エピローグで、この小説を書く決心をした、友人との悲しい思い出が書かれていて、この作品をこの結末とした悲しい理由がわかる。 イジメにあう子供達の心情を丁寧に書いて、その子供達を小説の中で生かそうとした力作だと思う。 ただ、私はそろそろイジメにあっている子供達が親を心配させても良いし、役に立たない教師学校から脱却してほしい気もする。 本当は優しい子供でも家庭に何かトラブルがある子供でもイジメをする側が確実に悪いのだから。 恐喝なんか警察介入で良い。 イジメは許されないという断固とした小説を重松さんにお願いしたい。救いがなさすぎる。
77投稿日: 2024.03.02
powered by ブクログ『変化していくような本』 序盤は何だか不思議?かと思うようだが 話が進むにつれ点と線が繋がっていくような感覚 こういうことか…?と考察しながら読み進められる これは私の想像力というか諸々足りない故かもしれないが、最後の最後にそういうことか! といった答え合わせが出来るような感じ
2投稿日: 2023.11.02
powered by ブクログタイトルと表紙に惹かれて、買いました。 最後の方を読みながら、大号泣してました。 思い出すだけで悲しくなるけれど、とても素晴らしい、良い作品だなと思います。 泣いちゃうので、外では読めない作品です。
0投稿日: 2023.09.13
powered by ブクログ2013年刊の文庫版。過去作の登場人物と新規を加えて、創作の世界が現実(として描いた世界の展開)と意図的に干渉し、良い方向へと導き直すことは可能か?…的な実験的な長編。主題は「イジメ」、又は、生きることを許容されない者達の苦しみと絶望、僅かな希望。 文庫版で後書きを含めて500ページ余り。概ね黒いページが多い上に、これでもかと追い詰められ、屈辱的な危機状況を書き連ねられていたり……。 この本を勧められるのは、いじめる・いじめられる子の現在と経験の認識を知る&理解したい人、疑似体験してみたい人、作者の大ファンで多くの作品を読んでいる人、かな。 勧められないのは、既にメンタルが溢れそうな人、傷跡の痛みが癒えていない人、感情移入し過ぎてしまう人。自分は残念ながら後者なので、評価は下げました。救いが無い。読み物として面白くはあるけれど、読後感は非常に良くない。疲れた。
0投稿日: 2023.04.30
powered by ブクログ家族の愛と絆を、とても儚い形で表現した作品でした。最後は涙なくして読めませんでした。電車内で誤魔化しながら読んでいて、コンタクトが外れてしまい大変でした。この作品が誰かを救ってくれるといいなあ。
1投稿日: 2023.03.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
P 79 いつでもいいから、なんでも話しなさい P 238 ゼツメツの意味が、いま、わかった。 「僕…生まれてこないほうがよかったんです…」 P 246 「わからない」というのは残酷な言葉だと、タケシは思う。「おまえはバカだ」と言われるより、「おまえが嫌いだ」と言われるより、「おまえのことがわからない」と言われるほうが、ずっと悲しい。 P 391 「それでも死ななかった」 P481 「だから、もう、これ以上壊されたくないの。踏みにじられたくないの。大事にしていたものがどんどん壊れちゃって、潰されちゃって、もう残り少なくなったっていうのがわかるから、怖いの、もう」 P 485 「生きてほしい…ずっと、ずっと、生きてほしい… 夢なんかなくても、優しくなくても、正義の味方なんかじゃなくてもいいから、生きていれば…明日、夢が見つかるかもしれないし、明日、自分が自分であるという誇りが持てるかもしれない。それでいいんだよ。」 大事なのは想像力だよ。
2投稿日: 2022.12.08
powered by ブクログちょっと久しぶりの氏の著作を。小川版・作家の値打ちでの超高評価を見て、本作をチョイス。なるほど、信じていた場面がガラッと変わっていく展開は、一風変わった企みで面白い。全てを読んでる訳じゃないし、読んだものも詳細を忘れているしで、個人的にはほとんどピンとこなかったんだけど、過去著作の登場人物が要所で登場してくるってのも、きっとファンにとってはたまらない仕掛け。さすが安定のクォリティ。
0投稿日: 2022.10.11
powered by ブクログイジメに合い、学校で家でそれぞれ居場所をなくした、中学二年のタケシと小学五年のリュウそれに少女のジュンの三人が家出する。 重く哀しい話であるが、送り主のタケシの手紙と、センセイと呼ばれる小説家の文章とが交錯し、現実と小説内が混然とすることで、その哀しみが軽減される。 三人が、センセイの小説の中の登場人物と会うことにより、化学変化を起こすような不思議な小説。 タケシが語る 「人間には誰だって、どんなときだって、物語が必要なんじゃないか、って。特にキツいとき、自分がこのままゼツメツしそうなほどキツくて、苦しくて、たまらないとき、頭の中で物語をつくりあげて、そこに現実の自分を放り込むことで救われるのだと思うのです」 「人間は誰もが物語を必要としている」 小説のひとつの効能といっていいか。
7投稿日: 2022.09.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
p.223 エミさんは「おとなをナメんな」と、笑いながら、そっけなく言った。 恵美がでてくるとは! また、きみの友だちを読みたくなりました。
0投稿日: 2021.06.03
powered by ブクログいじめがテーマとなる青春小説 題名でもあるゼツメツと言うのは、恐竜の絶滅とかけており、このままでは自分たちがゼツメツしてしまうと危惧する少年少女のお話。 クライマックスはどうなっているの!?と、理解に苦しんだ箇所もあったが、自分的にはハッピーエンドと捉えた
0投稿日: 2021.06.02
powered by ブクログ3人それぞれの今までの生き方、のちに出会う人の思いなどをうけて一冊の中色々な気持ちになった。 一人一人が自分の意思を最後はしっかり持ててよかったし、とても感動した。
0投稿日: 2021.02.17
powered by ブクログ月に一冊は読みたくなる、重松清さん。 小説家のセンセイの元にある少年から一通の手紙が届く。 行き場のない僕たち3人を、センセイの小説の中に隠して欲しい、と。 その3人は、 いじめられっ子を助けたばかりに自分がいじめの標的になってしまった少年リュウ。 自分が生まれる前に亡くなってしまった「姉」の存在に苦しむ少女ジュン。 そして、幼い頃から兄と比べられ、その兄からの壮絶ないじめに苦しめられてきた少年タケシ。 彼らはある集いで知り合い、タケシの提案で、「家出」することを決意する。 「家出先」で彼らは何人かの登場人物に出会う。 それが重松作品の過去のキャラクターのようなのだが、私は重松作品まだまだ初心者のため、ピンと来なかった。 きっと重松ファンなら、ああ、あの作品のあの人だ! って分かるんだろうな。 物語は、センセイの視点と、リュウの視点で交互に進んでいく。 重松先生は少年たちのいじめ問題を扱ったテーマの作品が多いけど、 この作品は特殊。 少しファンタジー要素も入っている。 これは実際に3人に起こったことなのか、それともセンセイが脚色を加えて書き進める「物語」なのか。 想像力が求められる。 展開としては、悲しい。 重松作品は、ハッピーエンドではない物語も多いんだよな。 これは私の希望だけど、この作品のパラレルワールドのような、違う展開と結末が用意された物語を、もう一度重松さんに紡いで欲しいな、と思った。 リュウ、ジュン、タケシ。3人の歩んでいく姿をまた見てみたいと思った。
1投稿日: 2021.01.27
powered by ブクログ途中から、ある予感に囚われるようになる。そして、その予感はどんどん強まり、お腹が重苦しくなっていく。 自分の子どもがこんなことになったら、と思うと苦しくてたまらない。 読み終わって何年も経つけど、今思い起こしても涙が出そうになる。
0投稿日: 2020.10.09
powered by ブクログ途中から理解出来ないまま読み進めて、最後に納得。そんな作品だった。 結末は個人的に、スッキリしないかな。それでも、涙腺はやられてしまったのだけども。 はあ。辛い。 ちょっと次はハッピーエンドを読みたいな。笑
1投稿日: 2020.10.03
powered by ブクログちょっと不思議な設定の小説。三層の劇中劇のような体裁を持ちつつ、劇中劇とも微妙に違う。 これは、ちょっと強引だけど、ファンタジーなんじゃないかと思う。 おそらく、重松清の他の小説に登場した人物も出てきている。 空想的なストーリーが印象的だけど、やっぱり、どうしてもこれだけは言いたい。 どんなことがあっても、自ら死を選んではいけない。
0投稿日: 2020.05.06
powered by ブクログ古今東西、ヒトがどうして物語を求めているのかというと、死という大きな問題に向き合うためだと思います。 あいつはどうやって死んだのだろう 死ぬときってどういう感じなんだろう 死んだら人はどこに行くのだろう 死んだあいつはいまごろ何してるのだろう こんな感じで、僕たちは死や死後という誰も答えてくれないとても大きな大きな問題を内包して生きています。そのために物語があるんだということを再認識させてくれた小説です。 「大事なのは想像力」 タケシと、リュウと、ジュン。彼らを物語として書き直すことでしか、彼らは生きることが、そして死ぬことができない。現実はあまりにも残酷です。なぜかって、最後の最後は、その死ぬということの現実を誰もが共有できないからです。周りの人間は、物語を想像し、そこに祈りを込めるしかないからです。 あんまり書くとネタバレになるので…
0投稿日: 2019.11.20
powered by ブクログ学校や家で居場所を失った少年たちが逃げ込んだ先は、意外な場所だった。 悲しみと悔しさのラスト。残された者たちにはたくさんの後悔があったなぁ。 小説家は過去の自分の作品の登場人物が今なにしてるかなぁ〜って思い浮かべるんだって。それだけ想いを込めて書いてるんだなぁ
0投稿日: 2018.12.03
powered by ブクログ君達は死んでいたんだ。タケシ、ジュン、リュウ。美由紀も。センセイは作者の重松ではなかった。そしてそのセンセイも亡くなっていたとは。多くの意外な展開、イジメの想像を絶する凄まじさ。本書は無理にでも暗くならないような配慮が随所に感じられる。人間性豊かなツカちゃん、ナイフさん、全てをわかっているエミさん。これらの脇役?の素晴らしさ。イジメた子供達にも配慮が。 登場人物の土台となった小説があるのだろうか。そこから読みたかった。あるような感じがするだけだが。もしあるなら、冒頭にそのような紹介があればベストだ。
0投稿日: 2018.09.06
powered by ブクログ500ページある小説が、ぐいぐい引き込まれてしまいます。 重松氏の代表作になりそうな一冊でした。 これまでの小説中の登場人物が多く登場します。 重松ファンにはたまらない作品。 でも、しっかりシゲマツワールドで、決してハッピーエンドでは終わらない・・ これからに対してのメッセージ。 ずっと大切にしたい一冊です。
10投稿日: 2018.08.21
powered by ブクログ夢オチとまではいかないけれど、作家が描くストーリーという設定の物語なので最後までハッピーエンドを信じました。バットエンドとは言わないかもしれないけれど、少なくも幸せな結末ではないですね。 もともとツカちゃんとエミちゃんが出てくるお話だと前情報で聞いたので、これまでの人気作品を絡めたその後の物語だと軽い気持ちで読み始めました。軽い気持ちで読んではいけなかったですね。読後のダメージが大きかったです。誰かにとって嫌いな人は、誰かにとって大事な人でもあるんです。それを後で後悔したって時間は戻せないのです。物語の中で幸せに生きていたってそれが現実でなければ辛いだけですし、発作のように突然襲ってくる苦しみや悲しみには想像力では勝てない。それでも遺された人たちは生きていかなきゃいけないなんてしんどいですね。
0投稿日: 2018.07.28
powered by ブクログどっぷりハマった。重松さんは、ホント思春期の子どもたちの心情を描くのがうまい。ラストの終わり方だけが、不満。なので、星4つ。
0投稿日: 2018.04.12
powered by ブクログ本篇の登場人物である作者を通して、この世の苦しみから逃れるために、物語の中に登場し、話が進められてゆく。 現実なのか、物語の世界なのか。 現実であるなら、あまりにも悲しく、物語の世界なら物語の世界だけにしてほしい。 再度に、自らの命を絶とうとする少女がおもう「一番」を踏み二次られたことの絶望に対して、同行していた少年の父親は 「君に思う一番である『夢』、『希望』、『正義』、『優しさ』、『思いやり』は一番ではない。本当の一番は『生き続ける事』。 明日を考えると怖くなる。しかし明後日はどうだ、一年後はどうだ。生きているということは何かを信じる事なんだ」という。 大切に思うことを踏みにじられ、いじめられることは本当につらい事だと思う。 いつになったら、そのようなことのない世の中になるのだろう。 重松清のテーマであろう。いつも考えさせられる一冊だった。
0投稿日: 2017.11.24
powered by ブクログ心に響いた言葉 『赤ちゃんは抱っこして落とせば簡単に死ぬ。鼻と口を塞いだら簡単に殺せる。自分より弱いものを抱いて守ってやってる時の感触や気持ち。忘れたくない』 『大事なのは想像力』 『誰かのことを変わってるって思う人は自分の世界がまだそれだけ狭いという事。世界が広がればそんなの別に変だとは思わない。』 その通りだと思う。その人も普通だと思ってやっているのだから、変ではないはず。自分の世界が広がればそれも普通なのだ。
0投稿日: 2017.08.11
powered by ブクログストレスのはけ口がイジメに繋がっているのか、部活動のような没頭できる事を見つければ、解決するという単純な問題でもないか。経済が豊かさが増えても、こころの豊かさは伴わない。2017.7.6
0投稿日: 2017.07.06
powered by ブクログさすが重松清さん。終盤は号泣。 現実と小説が入り混じるような不思議な世界だったなぁ。 「季節風 秋」と並ぶ“泣けるバイブル”になりそう。
1投稿日: 2017.05.05
powered by ブクログリュウのお父さんの最後のセリフ 自分の子供に一番伝えたいことは、生きていてほしいんだ。 この一言にすべてもっていかれました。 重松さんの小説はすべて読んだわけではないけど、そこかしこにあの作品に出てきていた登場人物だ。って気付いたときは、私も長らくあっていなかった大切な人達に再会したときのような喜びがあった。幸せであってほしいと、幸せであってくれれば私が嬉しいと思った。 「生きることは大切だ」なんて、もうずっと言われ続けている抽象的で輪郭のない論理を押し付けるつもりはない。 だけど私も辛かった時期に、その後に、自分の生きる意味や存在に出逢えたことがある。それはこの世の全員にあてはまることはきっとなくて、私は幸福な人間なんだろう。だけど、特に子どもたちには、その希望を捨てないでほしい。長い人生の中でみたらたった三年間。虐げられている子ども達には一日がずっと永遠に続く苦痛の時間だろうけど、それでも三年。我慢しなくてもいい。ただ生きてほしい。その原動力が怒りだとしても。 生きててよかった、という瞬間が絶対おとずれる。私は死ななくてよかった。私の生きる意味である存在に会えた。あのとき私を軽視していた奴らに負けて死んでいたら、私は彼や彼女に会えていなかったと思うと、生きていてよかった、としか言えない。ざまあみろ。今、私は幸せだ。残念だったね、最後まで私をゼツメツさせることができなくて。 そんなときを信じて、生きてください。
0投稿日: 2017.04.30
powered by ブクログ61)不登校になった生徒は、先生や親から『なんでも話しなさい』と言われる。喋りたくない時に喋らさるのは、キツい。 なんでも話しなさいー。 いつでもいいからなんでも話しなさいー。 けっこう大きな違い。 でも、無理して話すことなんかない。
0投稿日: 2017.03.27
powered by ブクログ劇中劇のような不思議さ。追い詰められゼツメツが見えてしまった彼らの痛みと辛さに胸が苦しくなる。哀しい物語ではあるが読者に問いかける素敵な作品でした。 あらすじ(背表紙より) 「センセイ、僕たちを助けてください」ある小説家のもとに、手紙が届いた。送り主である中学二年のタケシと、小学五年の男子リュウに女子のジュン。学校や家で居場所をなくした三人を、「物語」の中に隠してほしい。その不思議な願いに応えて彼らのお話を綴り始めたセンセイだったが―。想像力の奇跡を信じ、哀しみの先にある光を探す、驚きと感涙の長編。毎日出版文化賞受賞。
0投稿日: 2017.02.25切なくも不思議な感動
「ゼツメツ」この物騒に思える言葉をキーワードに行動する少年・少女たちのお話。 小説家と半ばその作品の登場人物になってしまっている家出少年との手紙による会話、それと並行して進行する少年・少女の家出中(冒険?)にある出会いやエピソードの数々。 なんか、子供時代にこんな感じに近い感覚があったようななかったような。・・・でも、私には彼らのような行動力もなかったし、自分と向き合う勇気も持ち合わせていませんでした。 そのことについて後悔をしているわけでも、それで良かったとも思うことが未だに出来ないのはなんだろう?そんなことを考えてしまいます・・今年の夏にもう一度読んでみようと思っています、なぜなら、これは夏休みの間の物語だからです、そうするともっとぐっと迫って感じることがありそうだからなんです。
1投稿日: 2017.02.18
powered by ブクログ「僕たちをゼツメツさせないでください」。悲痛なメッセージが小説家のセンセイに届いた。この言葉が意味することは何か。想像力の奇跡を問う長編小説。 重松さんが一貫して私たちに訴える生きることの大切さ。いじめや差別の無意味さは誰も分かっているはずなのに、何故なくすことができないのだろうか。こんなことで命を失うのは、本当にやりきれない。
0投稿日: 2017.02.02
powered by ブクログつらい。 こういう結末だとは、読み始めには思わなかった。 けれど、意外にも、暗さはない気がする。 「銀河鉄道の夜」を、ふと思い出した。 でも、ジョバンニは出てこないんですよね? リュウがジョバンニになるのかと思ったのだけれど… 彼も、列車からは降りなかったんですね。 そして、途中から美由紀さんの物語と二本立てのようになる。 物語の中でしか生きられなかった彼等の「光」とはなんだろう? 『生きていてほしかった』という、親の願い? 『仲間』とたどった最後の旅? なかなか、答えがみつかりません。
0投稿日: 2017.01.27
powered by ブクログ哀しい。こうなる前にできること、あるんじゃないって言われてる気がする。重松さんの話は、それぞれの立場から物語を見せてくれるから、こっちから見たらこうなのかという景色がいっぱいあります。
0投稿日: 2017.01.22
powered by ブクログ重松清ファンがにやにやしてしまう作品だとおもう。 でも、そうやってにやっと笑える話というわけではない。 決してない。 子どもの心のあたたかさ、しょっぱさ、儚さを描いてると思う。 著者本人も書いてたと思うけど、本人を救う意味もあるんじゃないかな。 またえらそうに書いているけれど。
0投稿日: 2017.01.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
どう捉えたらいいか、難しい。 ゼツメツしないために家出した少年たち。 きっと何かを見つけて希望に向かって最後はそれぞれ帰って行くのか、、、と結末を予想していたのに。。。そう来たか。 切ない気持ちで終わってしまった。
0投稿日: 2016.12.17
powered by ブクログいじめ。 イジメ。 難しいなあ。 苦しいなあ。 なくせるものなのだろうか。 なくしていけるのだとうか。
0投稿日: 2016.11.27
powered by ブクログ久々の重松清作品。「その日のまえに」を読んで号泣したのでこれも泣いてしまうかと思ったけど、かろうじて耐えた。 -------------------- 「センセイ、僕たちを助けてください」ある小説家のもとに、手紙が届いた。送り主である中学二年のタケシと、小学五年の男子リュウに女子のジュン。学校や家で居場所をなくした三人を、「物語」の中に隠してほしい。その不思議な願いに応えて彼らのお話を綴り始めたセンセイだったが―。想像力の奇跡を信じ、哀しみの先にある光を探す、驚きと感涙の長編。毎日出版文化賞受賞。 -------------------- 大切なのは想像力。信じることも想像力。この作品は物語の中と現実が交差してゆくので想像力が大切になるけど、すごくせつない物語。最初は少年少女の冒険!なんて楽観的に読んでたけど、そうじゃなかった。たくさん考えさせられる作品。
0投稿日: 2016.10.11
powered by ブクログ重松氏の作品は、読んでいるうちに胸が締め付けられるような気持ちになるものが多い。目を背けたくなるようなことから目をそらさず、しかも安易な解決でごまかさない強さがあるからだと思う。この小説もそうだ。 小学生を主人公にした物語がスタートし、感情移入しかけたところで「やっぱり」と思う告白があり、個性豊かな少年少女が、闇を抱えながらも活躍し始めると、導入にあったメタ小説的な趣向のことなどすっかり忘れてしまう。ただひたすら、かれらがゼツメツしないことを祈りながら、魅力的な登場人物とエピソードに彩られた物語を追いかけてしまうのである。時々チラリと見える「趣向」に小さな違和感を感じながら。 「趣向」が物語を支配するのはほぼ終盤である。僕は唖然とし裏切られたような気持ちにさえなって、でもページをめくるぺーすははやくなるばかりだった。この物語がどんな結末を迎えるのか、怯えながら飛び込んでいくしかなかった。最後の最後まで読んで、なぜこんな趣向が必要だったのか理解したとき、本当に胸が締め付けられるような気持ちになった。こういう読書経験はなかなかできない。 小説の中に描かれた出来事に対して、ぼくはどのように心を整理していいのか、いまだによくわからない。整理なんて不可能なことなのかもしれない。でも僕は、何らかの意思を、この小説が示す現実に対して持たなければならない。そういう意味で、ただ「この小説が、よかったよ」というだけではすまないものを、宿題としてもらったような気がする。
0投稿日: 2016.09.04
powered by ブクログ物語が持つ力は偉大だ。人間誰しもその気はなくても物語を心の拠り所にしているんじゃないか? しかしどんなに残酷で悲しい話に出会ったとしても、それは本の中の話であると錯覚してしまう大人たちがいる。いじめは最低。なんでそんなことするんだろう。読んでる時はそう感じたとしても、現実世界でそれと同じことが起こったとき、あなたたちは物語と現実とを切り離してしまう。いじめなんて子供の世界のことだけじゃない。大人の世界でも簡単に起こりうることだ。 いじめ
0投稿日: 2016.08.24
powered by ブクログ「生きてくれさえすれば良い。」勉強でも、夢でもなく、親が子に思うもっとも大切なこと。生まれてくれたとき、確かに思った大切なことを、ついつい忘れてしまっていたことに気づかせてくれた大切な本。
0投稿日: 2016.08.18
powered by ブクログタケシとリュウとジュン。「ゼツメツしてしまう!」という悲鳴を抱えてさまよう3人。助けになったのはセンセイの物語の人物たち。君たちの現実の世界に助けてくれる人たちはいなかったの? もう一日 遊んでみませんか
0投稿日: 2016.08.09
powered by ブクログ「センセイ、僕たちを助けてください」。そんな手紙をセンセイがもらったところから小説は始まる。手紙はタケシという少年からのものだ。少年は「僕たちはゼツメツしてしまいます」という。そんなゼツメツしてしまうかもしれない2人の少年と1人の少女の小さな冒険の旅を中心に物語は進んでいく。 「大事なのは想像力です」、そう少年はいう。だからこの小説を読み進めていくには想像力が必要だ。私たちが出会った人、出会わなかった人、出会ったかもしれない人、もう出会えない人に対して。 家出をすることにした少年たちは、その昔、陸地から海へと帰っていったクジラの先祖に例えて、「イエデクジラ」と自分たちのことを呼ぶ。彼らは、クジラの先祖がどのような気持ちで「テーチス海の岸辺」から海を眺めていたかを想像する。クジラの先祖たちが「陸上では自分たちはゼツメツしてしまうかもしれない」と考え海に戻っていったのだと彼らは想像する。 センセイは小説家で、不思議なことに少年たちはセンセイの小説の登場人物たちにも出会う。センセイの小説の中の人たちとの交流を通し、少年たちはすこしずつ心を開いていく。そして典型的なジュブナイルの様式を取りながら、物語は驚きの展開をしていく。 「大事なのは想像力です」。本を閉じたたとき、読者は確かにタケシの言うとおりだと思えることだろう。 ---------------- 小説を読んで涙が止まらなくなることはある。しかし、慟哭するように、声をだして泣いてしまうような経験はおそらくほとんどないだろう。 この小説はすべての人に向けられてはいないのかもしれない。想像力によってのみ救われることがあると思えるかどうかで、読者としての体験は異なるだろう。しかし、人に与えられた能力の中で想像力はもっとも大切なもののひとつだ。想像力や希望はすべての人に平等にある。そう考えれば、この小説はすべての人にとっての希望へとつながる。 もし読者が少年たちとともに「テーチス海の岸辺」に立つならば、読者は2度とその光景を忘れることができなくなるだろう。テーチス海は自分の中にひろがっている。 大事なのは想像力なのだ。この小説は尋ねてくる。人はどれほど想像力の翼を拡げるられるのかと。表面的な、おためごかしではない想像力とは、どのようなものなのかと。 希望とは想像力だ。そのことを最初から最後までこの小説は示している。なぜ"ゼツメツ"はカタカナなのか。それは読者にゼツメツの意味を想像してほしいからだ。我々もまた「テーチス海の岸辺」に立つものかもしれない。もし我々が「テーチス海の岸辺」に立つものであれば、我々もまた「想像してほしい」と望むだろう。 この小説を読むとき、人は「あのとき」に帰る。「あのとき」は人によって違う。しかし、おそらく誰にでも「あのとき」といえる瞬間は確かにある。それがこの物語の普遍性だ。小説を読み進めるにしたがい、自分の中の「あのとき」が、まるで昨日のことのように蘇ってくる。それは苦しいことでもある。しかし、それは希望へと変えることが可能だ。ゆっくりと真実とは何かについての思いを深め、想像することで、それは希望へとつながる。 この小説を読み終えたとき、「崖の上のポニョ」の幻想性を改めて了解できる。クジラの先祖たちが帰っていった「テーチス海」と「崖の上のポニョ」の海はつながっている。「大事なのは想像力」だ。
0投稿日: 2016.08.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物語が頭に入って来ない。。以前は重松清作品をむさぼるように読んだものだけど、最近ダメだなあ。私の好みが変わったのかな。少しお休みしよう。 どうやら今までの作品の登場人物が出てきたようだけど、まったく記憶になく。気づきもせず。
0投稿日: 2016.08.02
powered by ブクログ重松清の作品でこんなに長いのを読んだのは初めてかもしれない。 いじめのフリーパス。衝撃を受けた。重松清はよくいじめを取り上げているが、大人が何とかしようと努力している作品はないように思った。きっと、もっと大人が頑張れ!というメッセージを読書に伝えたいのだろう。 一人の大人として、子どもたちのために頑張りたい。
0投稿日: 2016.07.29
powered by ブクログこれを読もうとしている人は、他の重松清作品を読んでから読むことをお勧めする。 -------------------------------- 「ゼツボウ」 それは何を意味するのか。 -------------------------------- 個人的にはあまり好きな題材ではないので、文章は面白いものの評価低め。 時間軸やら場所やらが飛びすぎて読むのが面倒な割に、最後にあっと驚くオチがあるわけでもない。読み直したら、読んだときに分からなかった内容に納得がいく、といった思いもない。 更に言えば、主人公だと思っていた3人の役割はなんだったのだろう。「センセイ」を「美由紀」に導くためだけに存在していたような印象を受ける。 多分、こどもがいる親や「生きること」を題材にしたテーマの本が好きな人ならきっと好きだろうと思う。
0投稿日: 2016.07.26
powered by ブクログファンタジーですかね!? 今まで読んだ事のない感覚。 勢いよく読み終えました。 感極まる場面も多く、会社で読んでて泣きそうになりました。 お勧めですね。
0投稿日: 2016.07.13
powered by ブクログ「俺、いま、居場所、ある」と笑った。 ータケシ 作家ってすごい。と思った。 エミちゃんとか出てきた時、嬉しかった。 他のを読んでまた会いに行こう。
0投稿日: 2016.07.10
powered by ブクログいじめをテーマにした物語。 重松さんの得意とするテーマの一つですが、今回はかなり趣が違いました。 物語の中に作家が出てきたり、過去の作品の主人公が入ってきたり(もっともすっかり忘れてしまってますが)かなり複雑な構成です。 しかし、そこまで凝る意味があったのか。ひょっとしたら、いじめ物の集大成なのかもしれません。
0投稿日: 2016.07.05
powered by ブクログいつにも増して、現実と創作の世界の境界があやふやだった。終盤、急に現実から切り離されて怖くなって、でも、だからこそ、この終わり方は創作だからなんだ、と言い聞かせられたような気もする。 今までの作品に出てきたひとたちが出て来る度にドキドキした。あの時も、その時も生きていて、今も生きているのかもしれないと思った。 重松清の作品の中に出てくるひとたちは皆んな「この気持ちは自分にしかわからない」と思っていて、そういうところが「わかる」、だから、「自分だけではないんだ」と安心する。ヒーローがやってきて悪者をやっつけて皆んなが幸せになるような話ではないのに、どうしてこんなにも救われるのだろう。
0投稿日: 2016.07.03
