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世界地図の中で考える(新潮選書)
世界地図の中で考える(新潮選書)
高坂正堯/新潮社
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総合評価

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    ベトナム戦争への日本の視点: 多くの日本の知識層は、アメリカのベトナム戦争介入を、アジアの民族主義に対する抑圧や自国理念の押し付けと捉え、批判的な見方をしていました。 アメリカ孤立主義の利点: 建国初期のアメリカにとって、ヨーロッパなどの対外的な問題から距離を置く孤立主義は、外部からの干渉を受けずに国内の体制構築と経済発展に集中できるという利点がありました。 タスマニア原住民滅亡の教訓: タスマニア原住民の悲劇は、異文化との接触において、疫病への免疫力や社会的な変化への適応力が低い文化が、一方的に破壊される危険性があることを示唆しています。 アメリカの優越性の要因: 第二次世界大戦後のアメリカの国際的な優越は、産業化に裏打ちされた高い効率性(組織力や標準化)と、戦争終結時に最も強力な国家として台頭したという状況によって確立されました。 国外行動の予測不可能性: 自国の常識やシステムが通用しない異国の状況では、正確な情報把握や行動の影響予測が困難なため、国外での活動は意図しない、予測不可能な結果を招きやすい傾向があります。 アメリカ大統領選挙制度の特徴: 候補者は、予備選挙(熱心な市民)、党大会(党関係者)、本選挙(一般国民)という3つの異なる段階で、それぞれ異なる層からの支持を獲得する必要があり、多面的な資質が求められます。 フランスの対米警戒心: フランスは、アメリカの強大な経済力や技術力によってヨーロッパが従属的な立場になることを警戒し、アメリカ主導ではなく自国の主体性を保つことを重視しています。 技術発展と相互依存の課題: 通信技術などの発展によるグローバル化と国際的な相互依存の深化は、世界を身近にする一方で、国家が自律性を保つことを難しくし、制御困難な問題や社会不安を生み出すという課題も抱えています。

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    投稿日: 2025.04.24
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    タスマニアへの英国の入植、世界大戦でのアメリカの役割、ベトナム戦争、インドにおける英国など、各文明と各地における影響などが幅広く取り上げられ、考察されていて、あれこれ考えるヒントになりました。 1960年代後半の作品ですが、2020年代の今から見ても通じる内容が数多くあり、最近の出来事や技術革新などを背景に考えながら読み進めていました。最後の文明には光の面と闇の面があり、場所によりそれが変わりうるという指摘は、非常に深い内容だと印象深く読みました。

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    投稿日: 2024.01.21
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    (中盤から難しくなりましたが)序盤のタスマニアの話が分かりやすいおかげでめげずに読み終え。 作者の「I told you」呆れ声が聞こえてきそうな。

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    投稿日: 2023.07.24
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    目の前のことで忙殺されるなか、少し大きな視点で物事を考えたいと思い、読んでみた。 表現が丁寧すぎる感じがするし、中身も少し難しく感じた。 他の本でもう少し勉強したい。

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    投稿日: 2023.01.23
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    国際政治の指南書というよりかは、国際政治学者が徒然と書いたエッセイという雰囲気。とは言え、高坂先生だけあって、決して簡単というわけではない。むしろ、著者の深い知見に支えられて思考が流れるように進んでいくので、気合を入れていないと迷子になるような本。 タスマニアに関する考察から本書がスタートするのは唐突にも思えるが、タスマニア原住民の滅亡を振り返ることを通じて、「巨大文明が新しい地域に突入していくときに何が起きるのか」という本書全体に共通する問題設定がなされる。そこから、筆者の思考は自由に流れ始め、イギリス、そしてアメリカという巨大文明の直面する課題、それに対する日本の反応など、世界全体を見渡す議論に進む。 数十年前の本であるにも関わらず、問題設定は今にも十分通じるもの。その課題を本にしたところに筆者の先見の明があるのだろうけど、結局、歴史は繰り返すし、私たちは解決できない問題を抱えたまま前に進み続けているということなのかな。

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    投稿日: 2022.07.18
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    高坂正堯の著作はどれも非常に興味深い内容で、私が今までの人生で複雑過ぎて理解しようとする努力を怠ってきたことに対して、大きな視点でかつ具体的な説明を与えてくれるものだ。中でもこの「世界地図の中で考える」は、例えばベトナム戦争について、アメリカの大統領選挙のしくみ、幕末における日本人の開国論と攘夷論、日本人のアジア主義的心情の根源など、どの分析も面白く、思わず夢中で読んでしまうものだった。今から50年以上前(1968年)に書かれたものであるにもかかわらず、その未来予測は古さを感じさせない非常に示唆に富んだものであると思う。

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    投稿日: 2020.09.29
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    とても50年前の論考とは思えない。それはつまり、後半に記述があるように高坂本人がいかにイメージでものを考えず、事実を把握したうえで論を展開した結果だと思う。特に若い人には必読書でしょう。

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    投稿日: 2016.09.07