
総合評価
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powered by ブクログ日本国有鉄道の消滅とともに、鉄道公安官(正確には鉄道公安職員)も姿を消したのであります。 その職務自体は鉄道警察といふものが引き継いでゐるので、一般乗客はあまり変化を感じないでせう。 一番大きな相違は、鉄道警察は各都道府県警の組織であるのに反して、公安官は国鉄の職員であつたといふところですかな。 あくまでも、乗客が気持ちよく旅行が出来るやうに努めるサアビス業としての誇りがありました。ゆゑに警察みたいに睨みをきかせる手法は取らないのであります。 鉄道公安官を主人公にした小説やドラマは多くありますが、その具体的な職務とは何かを記した書物は、専門書以外ではあまり見かけませんでしたので、その意味で本書の存在価値はそれなりに高いかと。ちよつと雑学ぽい話も多いが。 スリや痴漢、キセルなどの取り締まりだけではなく、実に様様な役割を担つてゐたのであります。 大雪の時は除雪作業に追はれ、踏切事故防止の啓蒙活動では子供たちに紙芝居を披露し、自動車のドライバーにはティッシュを配る。地味な仕事も多いのですね。 また、ドラマなんかではメムバアの中に、必ず紅一点の存在がありますが、実際には女性の鉄道公安官はゐなかつたさうです。なあんだ。 汽車に乗りながら読む本として適してゐる一冊と申せませう。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-81.html
0投稿日: 2013.02.26
powered by ブクログ国鉄時代、今でいうところの鉄道警察隊の役割を担っていた「鉄道公安官」という人々がいた。 「警察官」ではなく、あくまでも「国鉄職員」という立場が第一。取り締まる役の前に、お客様に対応する鉄道員という立場を大事にしていたという。
0投稿日: 2012.08.13
powered by ブクログスリ、キセルと戦った国鉄のお巡りさん 鉄道犯罪を阻止するプロ対プロのドラマがあった。 「鉄道公安官」とは、昭和22年から国鉄分割・民営化まで活躍した「鉄道公安職員」の通称。現在、その役割は、都道府県警による鉄道警察隊に引き継がれているが、当時はれっきとした国鉄職員であった。本書では、国鉄マンとしての誇りを持ちながら戦い続けた、その全貌を、新たな資料とインタビューにより明らかにする。 鉄道公安官というと西村京太郎の小説を思い出す。十津川警部シリーズ「札幌着23時25分」という小説で、札幌裁判所で証言させるため証人を東京から札幌まで護送するが。航空機がストで使えないため、在来線で宇都宮(東北新幹線が上野まで乗り入れていない)まで行き、東北新幹線に乗り換え、青函連絡船、在来線を乗り継いで行く。襲撃者の目を欺くため、鉄道公安官に変装するというものであった。 本書では、鉄道公安官がどういうものであったのか丁寧にたどっていく。広く浅い感じは否めないが、類書は無く歴史の証言として貴重である。
0投稿日: 2012.07.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
●:引用 TVドラマ「鉄道公安官」か「新幹線公安官」に「我々は拳銃を持たない警察官なんだ」というセリフがあった(と記憶している)。だから、鉄道公安官は拳銃を持てないないと思い込んでいた。ところが、鉄道公安官は通常(第二種警備時)は拳銃を持っていないが、特別警備時には拳銃を携帯する。また、国体の射撃競技で入賞する人もいれば、公安官の射撃大会も開催されていたという。 ●国鉄が、特別警備(皇族・賓客が乗る列車警備など)を除いて、けん銃を持たせないことに決めたのは、国鉄のイメージ悪化を気にしたから、と考えられる。 そもそも鉄道公安官という名称は俗称であり、鉄道公安職員が正式名称であることも初めて知った。また、鉄道公安官が国鉄職員の一業務であり(最近認識した)、それ故、彼らは国鉄マンとしての誇りを持って公安業務を行なっていたことが本書では語られている。ドラマとは正反対の矜持を持って仕事を行なっていたことが面白い。 ●国鉄のサービス第一は、鉄道公安職員も変わらない。スリを尾行しているとき、駅に体調の悪そうな人がいたらどうするのか。警備で忙しいとき、列車の乗り場を尋ねられたらどうするのか。「駅員に言ってください」とそっけなく、その場から立ち去るわけにいかない。(略)旅客の安全維持に当たり、犯罪者を取り締まりながら、親切な国鉄マンであり続ける。迷子の世話、急病人の救護、列車や駅構内の案内といった、もうひとつの大きな職務があった。(略)「われわれは国鉄職員であると同時に、国鉄の営業マンであることを忘れてはならない。犯人を鵜の目、鷹の目で追い回すような”デカ根性”だけは間違っても持ってはならない(略)」 その業務内容も駅構内や列車内の治安維持だけではなく、鉄道付帯地の警備、荷物事故(窃盗、荷崩れなど)予防まで多岐にわたっていた。 ●踏切へ行って踏切の指導をしたり、踏切パトロールをやったり、あるいは踏切妨害が起こればその付近で張り込みをするとか、荷物事故や遺失物の処理をするとかいう面は、表面的な制服姿の駅頭警備や列車警乗の陰に隠れて、みなさんあまりご存知ないのです。 これもまた本書を読むまで疑問に思わなかった事だが、なぜ国鉄だけに公安職員がいて、私鉄にはいなかったのか(管轄警察が担当)。それがGHQの肝入りで、国鉄内の労組対策として発祥したと知り、納得した。 ●第3鉄道輸送司令部(MRS)が、運輸省鉄道総局に対し、「鉄道警察」をつくれと命じたのは、昭和22(1947)年3月のことだった。その1ヶ月半前、マッカーサーは、国鉄労働組合総連合会が参加する「2・1ゼネスト」を中止させている。アメリカ側が、鉄道公安職員にけん銃まで用意した背景には、国鉄労組を警戒する思惑がうかがえる。 その名は良く聞くものの、いかに鉄道公安職員の実体が知られていないか、そしてそのイメージがいかにTV、映画、小説、マンガなどのメディアによって作られたものであるかが分かって面白かった。 ●「鉄道公安官」は、昭和22年から国鉄分割・民営化まで活躍した、「鉄道公安職員」の通称。現在、その役割は都道府県警による鉄道警察隊に引き継がれているが、当時はれっきとした国鉄職員であった。本書では、国鉄マンとしての誇りを持ちながら、駅や列車内でのスリ、窃盗、暴力事件などと戦い続けた、その全貌を、新たな資料とインタビューにより明らかにする。鉄道という閉じた「舞台」ならではの犯罪エピソードも興味深い。
0投稿日: 2012.02.25
