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泣かない女はいない
泣かない女はいない
長嶋有/河出書房新社
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総合評価

60件)
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20
4
2
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    ただただパートナーの気持ちを考えて切なくなってしまった。少しずつ何かが変わっていく日常の描写に気持ちがとてもざわついた

    0
    投稿日: 2025.06.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2001年デビューの長嶋有氏。「猛スピードで母は」で芥川賞受賞(2002年)。本作は2005年出版されたもの。 ・・・ 長嶋氏の作品は久しぶりでした。以前『パラレル』という作品を読み、まあ嫌いな感じではないのですが、男性優位な書きぶりで、これは今発表されたら許されないかもなあとハラハラして読んだのを覚えています。 では本作は、というと、とても静的で、淡々としていました。 逆に『あれ、長嶋有ってこういう感じだったんだ!?』と思い過去のブログのポストを再確認したほど。 ・・・ で、本作、中篇の表題作『泣かない女はいない』、『センスなし』で構成されています。 『泣かない女はいない』は、とある工場にパートに勤める睦美の、年上の工場の工員にたいする鈍色な恋模様を描く作品。 『センスなし』も、良一と別れ話中の保子の、回想と省察のストーリー。 良一が借りているアダルトビデオの返却に駅まで行って滞納金を一万円以上払ったり、良一のデジカメに知らない女とのツーショットがあったり、心がざわついてもおかしくない場面が続く中、淡々と心象風景が描写されます。その合間に、高校以来の友人みどりとの出会いや、彼らを結び付けた聖飢魔Ⅱの話など、ストーリーにスパイシーな味付けを加えています。豆腐屋のラッパの音だと思ったらG線上のアリアだったとか、くすっと笑える演出も随所に。 時代背景がどちらも2000年前後で、レンタルビデオ屋とか、ケータイを持っていないとか(大人ですよ)、というのが出てきて、わたくし的には世代ドンピシャでちょっと懐かしくなりました。 この作品の何とも言えない静かでふわふわした感覚にあたる言葉を探しあぐねていましたが、歴史家の加藤陽子教授が解説で『火照りと静寂が心に残る』と仰っていました。そうそう、そういう余韻を楽しめる作品だったと思います。 ・・・ ということで、長嶋氏の作品は二作目でした。 作風のかなり異なる作品を書ける器用な作家さんなのだなあと感じました。それでいて自由な感じが羨ましい! あと、二篇とも女性の主人公でしたが、女性の読者からみてこういう気持ちになるのかな?みたいなのは正直思いました。どうなんだろ。 今後も氏の作品を少しずつトラックしてゆきたいと思います。

    0
    投稿日: 2025.03.29
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    ある女性の心の移ろいを描く表題作「泣かない女はいない」と、離婚秒読みの女性のある一日を描く「センスなし」の2作。前者はモノローグが不思議系で、何考えてるのかわかりにくいタイプの女性を表現したのだとしたらうまいなと思った(つまり心の動きがよくわからなかった)。後者は主人公も友人のみどりもユニークで、暗さのなかの自由さが独特な読後感だった。

    0
    投稿日: 2024.07.15
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    この本の良さはよく分からん。 けど、「泣かない女はいない」の樋川さんに惹かれる気持ちが、睦美の生活を疑似体験することでよく分かった。それだけ。

    1
    投稿日: 2024.04.06
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    好きな小説だった! 文章に余計な装飾がなく、美しくて読みやすい 表題作の『泣かない女はいない』と『センスなし』の中編2作が入っていて、私は泣かない〜の方が圧倒的に好きでした 睦美の目からみたときの樋川さんの些細な仕草や行動、言葉が本当に魅力的で私も樋川さんがかなり好きになってしまった 『泣かない女はいない』という訳し方もまたいいんだ 何だか分からないけど、目で追ってしまうような、存在を意識してしまうような、恋と自覚する前の睦美の心の動きがとても良い 最後のシーンでぐっとくる 女泣くな 女泣くな それにしても99年ってこういう年だったのか、生きていたけど記憶にないことが多かった 『センスなし』の方はあんまり好みじゃなかったので足して割って本として星4でした

    2
    投稿日: 2024.03.20
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    こんな感じだったな、駆け抜ける感じ。サイドカーに犬とかかなぁってこと。大宮駅のシャトルも渋いし、会社勤めの日々を淡淡と階段のない屋上とか近所の発見した公園の入口のベンチが魚臭いとか通勤の縦一列に歩く中学生とは違うし道端に置いてある板が後々そういうことだと振っている。激しい変化もなくて、でも社長の横田さんに桶川さんが辞めるのと好きな気持ちを言わない事とか、何て言えばいいのかわからないけど、夢中で読みました。スッキリした気分になりました。という割にはセンスのないを流し読みしてしまいましたとほほ。

    9
    投稿日: 2023.12.25
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    うーん、私には合わなかったとしか言いようがない。タイトルに惹かれて買ったものの初読み作家さんだった。情緒的というか日常の説明は文章ですらすらと頭に入っていくもののこれといった内容ではなく、、淡々と情景が頭に浮かんでいく。そのせいか携帯電話の説明も初々しい。スマホの時代がその後すぐやってくることを教えてあげたい。タイムリーに読んでいたらまた感じ方も違ったかもしれない。

    0
    投稿日: 2022.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初長嶋有。 表題作と「センスなし」からなる中編集。 1999年って、カセットテープと携帯電話が共存する不思議な時代だったんだよなー。ってことを思いながら読んでました。 泣かない女はいない。 タイトルがめっちゃ素敵。 変化がまるで感じられないような日常の中、昨日とは何かが違うと感じ取れる睦美の心の変化がリアルに伝わってきて、何だか切なかったな。 だって惹かれる気持ちって誰にも止められないんだもん。 泣いたことがない。という彼女が泣いたとき、それは幸せな涙であってほしいけど、人は案外幸せな場面では泣いたりしないのかも。ということを思いながら読んだ一冊でした。 でも、最後の場面では追いかけて行って欲しかったな。というのが私の思いです。 「センスなし」は、額に『肉』くだりがよかったです。

    1
    投稿日: 2022.02.16
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    読書開始日:2022年1月13日 読書終了日:2022年1月15日 所感 【泣かない女はいない】 とても好き。 最後のシーンがなんともいい。 まさに樋川さんがいう「泣かない女はいない」だ。 睦美が四郎に、樋川さんへの気持ちを伝えた部分は潔癖なんかではなく甘え。本当の潔癖なら自分にも相手にも綺麗さっぱりな状態をもたらすべき。 樋川さんはたくさん女の子を知らない間に泣かせてきたのだろう。いい意味で。 同じ女どもと、睦美を区別していた部分も、睦美には大きく響いていたはず。 なんだかとても良かった。 ここ最近で1番好きだ。 【センスなし】 保子は感情の発現が遅い。 自ら遅くしているのではないか。 その場で感情的になっても、自分に自信が無く相手に飲まれるから。 保子はプライドが高い。 だから良一への本当の気持ちも言えない。 精神病棟がもう使われていないことを急に了解したように、良一への気持ちもふいに了解した。 保子は良一のことが大好きなんだと思う。 表裏。 人間はいつでも表裏を彷徨い続ける。 ピサの斜塔は運がいい、救われる気がする 牧歌的 われわれは連帯しながら断絶している 理由も無く佇むということの説明がうまくできない 説明のいらない人 職場の制服の上にコートを羽織ると文字通り公私が入り混じる 恩着せがましいニュアンス 薄暗いカラオケボックスのソファではしゃいでいる人の顔をみて、なぜ寂しいと感じるのだろう こぼれそうな水を手にすくったまま、からおけぼっあからここまで歩いてきた気がした 汚れた皿を洗うよりもはやく家に帰りたい ああいう、使い道がないのに消えない記憶や知識は、使えるときに使ったほうがいいんだ。もったいないしそのほうがおもしろいだろう 睦美は樋川さんの靴底を書いていた 自分がへこたれている瞬間に愛すべき人間がなんの悲しみもなく過ごしているというのは、すごく安心することなんだと思った(四郎、あなたもそう思ってくれる) 潔癖がすぎただろうか。甘えだろうか。 潔癖と甘えは紙一重 ウェルカム、というようなひびに そういう樋川さんは晴々とした表情で、睦美はなぜか少し怯んだ 【センスなし】 馬鹿にされても本当は構わないのだが、良さを説明するのは面倒だった 良一が稼いでくる額面ほどの愛情を自分が相手に注いでいたかというと、保子は自信が持てない いつでも怒りは遅れてやってくる 蝶番 隠したからといって、自分の好きな物を自ら貶めたことには、ならないんだよ 打ち明け話ができない。傲慢だから。自分の苦悩が他人になんとかできないと思っているから いい選択肢などあるはずがない。どのカードも切りたくない だけど、私はタレが好き 秘密の気配 事後と進行中。みどりには全て事後報告を淡々と、自信満々に話して欲しい。デーモン小暮のように、それでしか生きられないと言わんばかりに

    4
    投稿日: 2022.01.15
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    人の生活や心を覗き見してる気分になる小説だった。 解説にあった「人を好きになるというのは、物事の来歴や由来、つまり歴史を共有することなのだ」っていうのが好きだった。

    1
    投稿日: 2021.07.16
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    表題作は都心ではない、かと言って地方でもない、どこか間の抜けた郊外の風景を時にしょうもなく、また時には愛すべき空間として切り取る描写が上手いと感じた。

    0
    投稿日: 2021.02.07
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    長嶋さんの作品、既読のものはどちらも群青劇っぽかった。こっちの作風の方が好きだなあ。「泣かない女はいない」の睦美も「センスなし」の保子も、鈍感なんだけど淡々と生きていてよかった。隠したからといって自分の好きなものを自ら貶したことにはならないんだよ、そうかなあ。

    0
    投稿日: 2020.08.27
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    アラフォーだけどなんかピンとこなかった。 この手の女子が嫌い。 文章の書き方と相まってなんか苦手な小説。 離婚の会話で、ほんとつまらない女だなと思った。 デーモン木暮はいいよね。

    1
    投稿日: 2020.02.07
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    No woman, no cryを、泣かない女はいない、って訳す上司。好きになっちゃうのもわかるよね。 この出だし。素敵じゃない? 読んでる時はそんなつもりないのに、読み終わって少し経ってからから心に残ってることに気づく。

    1
    投稿日: 2019.12.31
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    読みながら何回か「えっ」と声が出たほど、上品で小さな驚きがいくつか。あとは特に壮大なことが起きるでもない、平熱といった感じの2編でしたが、ストーリーがどうでもよくなるくらい、都会的な文章に惚れ惚れします。おしゃれで美しい。

    1
    投稿日: 2019.02.09
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    控えめな日常。 でもそんな日常から少しだけはみ出る様な感覚が心地よい。 泣かない女はいない なんて美しいタイトルなんだろう。

    1
    投稿日: 2018.10.21
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    男性作家さんだと思い込んでいた。 後で思い返すとそれほど印象に残ってはいないが、読んでいる間はほんわかしていて、なかなか好きだった気がする。 ーーー ごめんねといってはいけないと思った。「ごめんね」でも、いってしまった。ーー埼玉郊外の下請け会社に、事務として中途入社した、澤野睦美。恋人・四郎と同棲する彼女に、不意に訪れた心変わりとは? 話題の表題作ほか、「センスなし」を収録。恋をめぐる心の不思議を描く魅力あふれる小説集。

    0
    投稿日: 2017.07.07
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    ぼんやりしてて、牧歌的で、効率化とは無縁で。 いい職場だなあ…としみじみ思ったところで、 あれ、そういえば、と最初の方を読み返した。 そうだ。最初はこうではなかったんだ。 親会社の機嫌を気にして、テストの解答を改ざんする社長。 とても嫌~な感じ。 あの優しくて威厳がなくて疲れてる横田さんとは思えない。 でも、こういう思い出、自分もある。 はじめて会った職場の人が柄シャツ着てゴツいベルトをつけてるのを見て、もう終わりだと絶望した。 あとになって、ごく普通の気さくな人だと分かるんだけど。 判断材料が少ない状態で、えっ…と思うようなことがあると、 そのインパクトに振り回されすぎる。 のちに笑い話になるのなら、それでもまあいいのかどうなのか。 やっぱり長嶋有さんの文章表現がとても好きだ。 睦美がはじめて屋上へ昇った場面では、 強い風を受けて皮膚がソワソワするあの感じがした。 日常からちょっとだけ外れる瞬間を味わいたくて、何度でも読み返したくなる小説。

    0
    投稿日: 2017.05.08
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    いいなあ、いいなあ。 なーんにも起こらないんだけど、長嶋有さんの小説はとてもいい。 「泣かない女はいない」って、ボブマーリーの歌からのタイトルだったのかあ! 私も確かにあの曲の歌詞カードに「女 泣くな」って書いてあったの覚えてる。なんじゃそりゃ、と思ったっけ、その時は(笑) 表題作より「センスなし」の方が好き。 焼き鳥は塩よりタレっての、すごいわかる。 なんかみんな、「タレ」って言うより「塩」っていう方が「通」な感じするって思ってそうで嫌(個人調べ。特に私の旦那の身内(笑))。私は昔から焼き鳥はタレで食べてたから、塩だとなんか物足りない感じする。ホントにみんな、そんなに塩?とか思っちゃう。

    0
    投稿日: 2017.03.29
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    17/03/09 ⑯ タイトルすごく沁みる。泣かない睦美もさいごは泣くのね。泣かない女はいない。いない。 ・睦美はほっとした。女の子たちに「公園まで散歩にいく」と説明したときは「公園でなにするんですか」といわれて困った。理由もなく歩くとか佇むということの説明が、うまく出来ないのだ。説明のいらない人にはいきなり通じてしまうことが嬉しくて、そして不思議だった。(P35) ・自分がへこたれている瞬間に愛すべき人間がなんの悲しみもなく過ごしているというのは、すごく安心することなんだと思った。(P100)

    0
    投稿日: 2017.03.09
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    この人の小説は初めて読む。名前からてっきり女性の作家かと思っていたが、折返しの作者紹介欄を見てびっくり。文章はシンプルで淡々としていて中性的。別れ際のアラサー女性を書いた中編2編。 『泣かない女はいない』は知らぬ間に他の男に心を惹かれていて、そのことを自覚していく様子にとてもリアリティーがあった。一目惚れなんてのはほとんどなくて、この話みたいに少しずつ疑惑から確信に変わっていくのがリアルな感覚だよなあと思った。最後の場面もよかった。存分に悲しみを味わえた。一つ気になったのは、展開が強引なところが少しある気がした。 『センスなし』こちらの方が個人的にはよかったと思う。夫に愛人が発覚したばかりの、相手をいまでも好きなのか嫌いなのかどう思えばいいのか自分でもよく分かってない感覚がとてもよく伝わってきた。昔ハマったバンドに対する感じ方と夫に対する気持ちとの対比がよかった。空虚感の伴う切なさに胸が詰まった。

    0
    投稿日: 2016.08.23
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    表題作と『センスなし』の二篇。表題作は中途採用された会社で働く女性、もうひとつは夫が若い女と浮気をしてほぼ家に帰ってこない女性が主人公。しっかりと、でもやわらかい雰囲気。初夏に近い春の筆で秋の日常を描いている感じ。2000年前後が舞台なので、時おりカセットテープなどの時代を感じるものが登場するが、古臭い感じはあまりしない。

    0
    投稿日: 2015.02.01
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    風景描写が多く取り入れられてたり、主人公の心情が絶妙なバランスで伝わるかんじ。 ただの平凡なOLの話なんだけど、ひとつひとつのシーンが印象深い。 桶川さん、かっこいい。 会社の雰囲気も、ゆるく距離がありながらも些細な出来事で近付いてる感じが自然ですき。 好きな分は、 使い道がないのに消えない記憶や知識は、使える時使った方がいい。 我々は連帯しながら断絶している。

    0
    投稿日: 2015.01.15
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    中途入社した先での人間関係や恋人とのこと。そして心変わり。 浮気して出ていった夫とのやり取り。それを告げられないまま交わす友人との電話。 二作それぞれに何か淡々とした女性の心理を感じる。 2815.1.12

    0
    投稿日: 2015.01.12
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    こういう何でもないひとの平凡な日々を丹念に書く作品は読み手のメンタリティと嗜好にかなりの部分左右されると思う。 今回はそれが合致していてすごく好きな雰囲気だった。 裏表紙のあらすじほど恋人の別れ感は薄く、特に終盤まではお仕事小説の色合いが強い。 埼玉にあるメーカー子会社の物流会社に転職した主人公。 働いていない恋人とふたり暮らし。 同僚の女性社員は実家通いで給料はおこずかいに遣ってしまうような子ばかりで、なんとなく空気が違う。 些細な出来事を積み上げて、だんだん親しくなっていくという描写が優しい。 物語自体も、事件やで変化により動きがあるので冗長さもなかった。 主人公がどういう性格なのかあえて掘り下げられないのが、ラストシーンの切なさに効いていると思う。

    1
    投稿日: 2014.09.17
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    そんなに可愛いとか思ったこともない女性に、いきなり告白めいた事を言われて、急にゾワッとしたって感じ。 泣かない、淡々とした女が見せた最後。 本当に淡々としていて、田舎の町にあまり考えもなく来てとりあえず仕事して… 一緒に住んでいる人はいるものの、特筆するほど出てこない登場人物の一人で。 そんな生活にもちゃんとドラマがある。大手の下請け工場でも、静かにも激しい感情の揺さぶりは起こる。それはとても当たり前の事なんだけど、作者の切り口がほんの少しのほころび程度の感情の描き方なので、最後の鮮明な描写にハッとさせられ、呼吸を乱される。 元社長の入院の後、奥さん綺麗でしたねの一言で和む場面。ちゃんと君はムードを作れているじゃないか。 自分がへこたれている時、愛すべき人がなんの悲しみもなく過ごしているというのは、すごく安心することなんだ。 の一言に、この主人公の人の良さを感じる。そして思いを伝えてもいない人の事を、同棲相手に話しちゃうとことか。 結局伝えられない、シーンで野球のボールを大事に持ってるとか、少女漫画みたいなんだけど、美しくも気だるい切なさが伝わってくる。 評判が良くて読んだ、初めて読んだ作家だが、とても文体が心地よかった。どんどん読んでみよう。 エレカシの生活が聴きたくなった。 あとね、彼女は買い物の帰り道

    1
    投稿日: 2014.09.09
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    かっこいい男(樋川さん)を書かせたら実は長嶋先生の右に出る者はなかなかおらぬのではという程のキュンがある表題作。牧歌的な職場やパッとしないシャトルの描写、ありそうでなさそうであたたかな場所にもキュン。再々読。

    0
    投稿日: 2014.08.06
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    中篇2作とも身近なものへの感性が非常に鋭敏な割に、世間との距離感をうまくつかめない女性の日常を描いた作品です。 視点が優しく細やかで、男性が書いたとは思えない味わいがありました。

    0
    投稿日: 2013.10.07
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    ボブ・マーリィの「NO WOMAN、NO CRY」から? 北関東の片田舎の会社を舞台にしたしみじみした話なんだけれど、一つ一つのシーンが不思議な存在感で心に残る。 これって、傑作なのではないでしょうか??

    0
    投稿日: 2012.12.30
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    てっきり長嶋有さんを女性作家だと思いこんで読んでいて、後になって男性だと知り驚きました。 心理描写の描き方が淡々としているのだけど、繊細で質の良さを感じる文章だと思いました。

    0
    投稿日: 2012.09.17
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    作風としてはかなり淡々として劇的な変化も無いような日常生活をつづっているのですが、なんというか、品がある。質が高い。穢れが無いというのかな。それでいて、現実的。 不思議な文章。 にしてもタイトルが(笑)まあ、いないだろうけど、泣かない男もいないと思う!と関係ないことを書いておきます。

    0
    投稿日: 2012.08.20
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    主人公の変に冷めてる感じと、周囲の人のちょっと変な感じとが、妙になまなましいというかなんというか。 出てくる人たちは「きらきら」してない。特別に大きな幸福も不幸も無い。絶妙な「普通」に生きている人たち。 物語に登場するからにはなにかしら、こう、「きらきら」していてもよさそうだが、全然「きらきら」しない。 ので、日常にすんなり溶け込んでくる。

    0
    投稿日: 2012.08.15
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    あんまり好きじゃない。 「センスなし」の中で、愛人を作って離婚したくなった夫が 慰謝料はいくらでも払うから、って申し出たとき 「お金はいいから、額に肉って入れ墨入れてきて」って答えた主人公はナイスやと思いました。

    0
    投稿日: 2012.06.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長嶋さんの作品は、 いつも何か特別なことが起こるわけではなく、 日本中のどこかを探したら、きっとこんな人がいるんだろうなぁっていう 現実感とか、日常の延長っていう感じで、読むときに力を消費することなく、 いい意味で特別な読後感もなく、とても安心して読める。

    0
    投稿日: 2012.06.11
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    巻末に各作品ごとの初出が記載されているが、ここにあった書き下ろしの「二人のデート」というのが点字データには含まれていなくてがっかりした。というのはさておいて、「どこかでこんな話読んだんだか聞いたんだかしたことあるなあ」という妙な既視感を感じた。

    0
    投稿日: 2012.06.08
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    この本、読んだことあった! なんというか、たんたんとすぎていく日々の一片をきりとったようで。 あまり好きではなかった。

    0
    投稿日: 2012.05.04
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    教えてもらった時のカバー裏の話は図書館で借りたら閉じ込められて誰にも読まれない話になっていた。 町口覚装丁。

    0
    投稿日: 2011.11.16
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    女性心理を書くのがうまいよねー。 パンチはないんだけど、読後に登場人物のことを、いろいろ考えてしまいます。読んだ後も楽しめる作者さんです。

    0
    投稿日: 2011.09.18
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    短編が2編。 どちらもほのぼのとしているけど、それぞれの主人公の感情がよく見えるというか、面白い。

    0
    投稿日: 2011.03.21
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    人には勧めたくないほどの傑作。長島有の描くルーティンの生活の中で細かく積みかせねていく恋愛感情が直接的ではなく表現されていて、最高の読書体験だった。

    0
    投稿日: 2011.03.08
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    いかにも「泣かせまっせ、今回は!」と売り出した出版社が足を引っ張ってる気がした。 長嶋有の作品はそういうんじゃない、と思う 否、思いたい。 表題作『泣かない女はいない』は、よくある物流会社の日常と、生まれていく繊細な恋愛のようなものと、変わっていくものものを描いている。 『センスなし』は、壊れていく夫婦と壊れない女の友情とを交互に描いている。 本文中の表現で 激情して夫を置物で殴ろうとして避けられた主人公と、新聞記事にて同状況下フライパンで殴打され死んだ男(妻の攻撃を一度も避けなかった)の対比。 慰謝料では慰謝されないから、額に肉と入れ墨してと頼み、それはすごくいい案だと思った矢先に「バカじゃないの?」と一喝されるなどなど、うまいなあと思う。 主人公は淡々と生きていくように描かれている。 2作とも「泣かない女」が主人公だ。 そんな2人が真に追い詰められたときを、陰からそっと見守るような話。 落ちていくかに見せて 救いを残し、浮上させていく様に安心する。

    0
    投稿日: 2011.03.05
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    工場みたいなところで働いている女性の話とせいきまつが好きな2人の女性の話。 なんか大四者みたいな視点から書かれてるなぁーと思った。

    0
    投稿日: 2010.07.23
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    おしゃれなタイトルだと思いましたが、内容はおしゃれじゃありませんでした。 でも、自分的にはかなりのヒットです。この身近さはなんだろう。 20代後半くらいと思われる女性が、中途採用された地味な会社に淡々と通う。 その通勤風景から仕事内容から、職場仲間から休憩時間の使い方から、 淡々ではあっても、なんかものすごく詳細に描写されて、 彼女と一緒にその会社にお勤めしているような気持ちにさせられていく。 波乱万丈な筋立てを求めている人には、いい加減にしろ退屈なんだよーなんて、 ちゃぶ台でもひっくり返されそうな平凡な日々が続いていくんだけれども、 何故か私はどっぷりハマってしまって、大下物流のOLさんになって行きました。 主人公の睦美が、自分を投影しやすいキャラだったことが大きい。 私もきっと、年下の女の子たちにもパートのおばさんの輪にも入れず、 でも特にそれを苦にも思わないまま、昼休みは近隣に冒険がてらの散歩に出かけただろう。 (と言っても、職場の雰囲気は素晴らしいです。こんな会社で働きたい。  楽しいフォークリフト) 私もきっと、屋上に登っただろう。で、先客に申し訳なく思っただろう。 そしてきっと、やっぱり樋川さんに恋をしただろうなと思います。少しずつ着実に。 一緒に暮らす恋人がいても。嫌いになったわけじゃなくても。 というかリアルに、樋川さんを好きになっちゃった気分です。 説明しなくても、わかってくれる人。何よりも得がたい。 だからラストは猛烈に切なかったですね。 ここだけは、睦美の背中をどやしつけたくなった。しっかりしろ、後悔すんぞ!と。 こんな気持ちが、まだ自分の中に残っていたとは。なつかしいわ。 味わわせていただいて、どうもありがとう。 そんな感じで、これはたいへん気に入りました。地味に確実に揺さぶられました。 まだ図書館にこの人の作品がたくさんあることが、幸せだと感じてます。 でも、もう一本収録された「センスなし」はいまひとつでした。 前作の余韻が強く残った状態で読んじゃったからですね、 すこし平常心に戻ってからにすればよかった。デーモン小暮閣下に、思い入れないしな。 「夫の延滞エロビデオ」というお題だったら、私も書けることがあるんですけどね(謎

    0
    投稿日: 2010.04.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分はめったな事では泣かないと思っているあなたへ どうぞ泣いて下さい。泣けて・・・初めて自分の思いに気付いたりしますよね~!

    0
    投稿日: 2010.03.29
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    「泣かない女はいない」 埼玉郊外の物流下請会社に就職した睦美は、恋人の四郎と同棲している。しかし次第に職場の倉庫で働く樋川さんに惹かれていき、四郎に自分の心変わりを告げる。 「センスなし」 聖飢魔Ⅱのファンという共通点から親友になったみどりと電話の交流を通しながら、主人公保子の雪の一日を描く。夫の良一のデジカメに発見した愛人の写真、延滞しているアダルトビデオ、近所の雪だるまに豆腐屋の笛と紛らわしいG線上のアリア。  いずれの作品も淡々と進行し、最初のうちは少し退屈にも感じるが、丁寧に描かれる主人公の心情の変化にいつのまにか引き込まれてしまう。作品に2000年前後の流行物の固有名詞が頻繁に登場するのがいささか小説的に軽薄な感じがして馴染めなかったが、もっと時がたってから読むのならかえって新鮮に感じるのかもしれない。(2009.11)

    0
    投稿日: 2009.11.20
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    今まで読んだ長嶋有の中で、私的には一番良かった作品。 なんか、感情の動きが凄くリアルな気がして そして出てくる男性の魅力が、ストライクな感じで なんていうか、結果ハッピーエンドじゃないのに じんわりと幸福感が得られるというか、 あぁ、これも悪くないんだなぁって思える。すてきだ。 これまで読んだ作品も、もう一度読み返してみたら 印象が違うのかもしれないな。

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    投稿日: 2009.11.19
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    ここ2年くらい、長嶋有が気になります。 男が書いた恋愛小説て大嫌いなんですが、 この人の描く女って自然すぎてびびる。 実際女性作家と間違われる事が多いらしいですね。わかるな。 てか基本恋愛小説て大嫌いなんですが この人の文体すごい気持ちいいです。

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    投稿日: 2009.10.05
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    「文庫本セット」で手にした本。 長嶋有さんはこれが2冊目。 どこか、ちょっとすっきりしなくて。 そのすっきりしない加減が魅力なのかなとも思えて。

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    投稿日: 2009.09.14
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    倉庫で事務をしてる女性の話と聖飢魔IIのファンの友達が淡々と語る二本立て。 まあ、佳作じゃないでしょうか?長嶋有の究極の名作とはいかないにしても、安定して面白いです。 小道具で使われてる聖飢魔IIが渋いです。良いチョイスだと思います。僕は音楽の事全然分りませんが、XJAPAN、聖飢魔II、筋肉少女帯を笑う奴がいたらそいつらは音楽を全然分ってないって判断していいと思います。かくゆう僕も大して聞いてもいないのにマイケルジャクソンを鼻で笑って友人になめられた記憶がありますが。

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    投稿日: 2009.06.13
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    ちょっとした社会の日常を淡々と、でもさわやか?に書かれている。 世代が近いからか、親近感がわく。 「センスなし」の方は、普通にありそうで、逆にだいぶこわい。

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    投稿日: 2009.04.25
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    五つ星。 まるでわたしが書いたかのように 自信を見せて、五つ星。 文庫判(だけだと思う)には 表題作の他『センスがない』も収録されてます。 が、 表題作『泣かない女はいない』こそ、 出会えてよかった。 こういうのに 出会えると思ったんだ、長嶋有なら。 「重なった」という気持ちが 『サイドカーに犬』『猛スピードで母は』『ジャージの二人』を 読んで感じたの。間違いじゃなかった。 もう最高ですよ、長嶋有。

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    投稿日: 2009.02.11
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    表題作、大好きです。自分も「大下物流」の一員になっているようなリアル感がいいです。 朱に混ざらないタイプの主人公が、会社の人々がなんとなく好きになっていく。居心地を良く感じるようになっていくって様がいいです。 社長に新所長に樋川さん・・そしてフォークリフト。

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    投稿日: 2008.11.26
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    こ、これは・・・・! 書くことは見ることで見ていないとどうにもならないということを とても感じた本 なんとなく自分のターニングポイント はじめは女の子のだらっとしたことをよう書くなあとおもっていたくらいだったけど よんでいるとみている感覚になるのが面白かった それは目の前でその人たちを見てるってことじゃなくて ぼやーんとした流れていくものをぼやぼやみているというだけ

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    投稿日: 2008.04.06
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    劇的なものはないゆるやかに流れる日常の中の社内での片思い。 長嶋有の凄さは人物描写のさじ加減で、出すぎることなく好感の持てる人物を描き出している。 まいったなーと連呼させずにはいられない作品。

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    投稿日: 2008.03.12
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    淡々と日々は続く。会社が傾いても、恋人や夫との仲が壊れても。それが日常で、それが時々ちょっとだけ哀しい。 ふとした瞬間に人を好きになってしまうことがある。だからといって、それが必ず燃え上がる訳ではない(というかそれでは世界は大混乱だ)。 同じくらい突然、嫌いになって別れることもあれば、自然に戻ることもある。 きっと恋や愛の話なのに、それだけに注目できないほどに日常の出来事が心の中を閉めているんだな、と思う。 もしかすると、恋をして勉強も仕事も手につかないようなことってほんの一瞬しかなくて、幸せなことなのかもしれないと思うのでした。

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    投稿日: 2008.01.06
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    通り過ぎる日常のなかに生まれる「その瞬間のひらめき」がある。いつも時間のなかに埋没させてしまうけど。そんな感覚すらもかいてある。 単行本もだが、装丁がよろしい。

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    投稿日: 2007.12.27
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    タイトル買い。悪くもないけど、良くない。淡々と物語が進んでいく感じ。読む人間の年齢や性別なんかも、少なからず関係するんだろうけど・・・。僕の年齢では少し早かったよう。もう少し年を重ねてから改めて読みたい。

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    投稿日: 2007.11.24
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    「泣かない女はいない」と「センスなし」という中篇がふたつ。「泣かない〜」が景気悪そうな小さい会社の事務職に就職したOLの話、「センスなし」が夫に愛人ができて離婚しそうな主婦の話。どちらにも、雪の日が出てくる。長嶋有の小説はやっぱり好きだなと思った。なんだかすごく淡々としている感じとか。なのに、妙なところですごく細かい部分にこだわるようなところとか。(「センスなし」で主人公がデーモン小暮のファンってことで、やけに詳しい話がおもしろかったり。)主人公がいろんなところでわかっているようなわかっていないようなあやふやな感じとか、結論らしいものがないところとか。でも、なんとなくさわやかなようなところとか。うまく説明はできないけれど。わたしは長嶋有の小説の主人公を嫌いと思うことはないような気がする。

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    投稿日: 2007.11.20
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    2つの短編の入った小説集。 この「泣かない女はいない」というタイトルは、作中に登場する樋川さんという、主人公が密かにそして徐々に思いを寄せていく男性が、レゲエの神様・ボブマーリーの曲、『NO WOMAN NO CRY』を訳したものだ。 歌詞の訳をネットで検索してみたら「泣くなよ、お前」みたいなのが主流(?)で、作中に出てきたCDの訳では「女、泣くな」という何のひねりもない訳がついていた。 意訳なんだろうなと思うものの、秀逸だと思った。 「泣くな」という訳なのに「女はみんな泣くものなんだよ」というような意味に置き換わることがなんとも面白い。「泣くな」と言いながらも、実は「泣いたっていいじゃないか」みたいな風に言っている様な気すらしてきた。 この作品の主人公の女性は「泣かない」というのだ。でも「泣いたっていいじゃないか」と全て読み終わった後で感じるのだった。

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    投稿日: 2007.10.28
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    10/12 角田光代っぽかったけどそれよか読みやすかった。しかしこういう「記述から読み取って!」的なのは基本的に苦手。だから!?て思ってしまうもの。

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    投稿日: 2007.10.16