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国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―(新潮文庫)
国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―(新潮文庫)
佐藤優/新潮社
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総合評価

168件)
4.5
86
55
9
2
1
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    『獄中記』が意外にもとても良かったので、 図書館で取り寄せて読んだ。 こちらの知識が足りないのか、よくわからないが、他の対談や動画を聴いた時と同じ様に、混沌とした印象で、読み通せず返却する次第となった。

    0
    投稿日: 2026.01.01
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    外務省職員としてロシアとの北方領土交渉に当たっていた著者は、鈴木宗男バッシングが高まる中で、身に覚えのない背任容疑で逮捕されてしまう。著者はこの「国策捜査」に対して徹底抗戦するのだが…。 著者にとっては大変な経験だっただろうが、読み物としては抜群におもしろいドキュメンタリーになっている。田中真紀子と鈴木宗男のバトルや、取り調べの過程で西村検事と著者のあいだに生じてくる奇妙な信頼関係など、とてもおもしろい。 知らなかった知識をたくさん得ることができた。

    1
    投稿日: 2025.04.05
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    後半失速してしまったけど、とても面白かった。 まとまりがないけど、感想を箇条書きで残しておく。 ・論旨とはズレる感想だけど、 ウクライナ侵攻以降、ロシアという国やそこに暮らす人々をより遠く感じる中で、佐藤さんの文章読んで、巨大なロシアの官僚たちが豪快にウォッカ飲んでロシア語で語らって、サウナでも浴びるようにウォッカ飲んで汗かいてるところが目に浮かんで、なんとも懐かしい気持ちになった。ロシアに気持ちの良い人たち(熱くてまっすぐな人が多い)が多いのは事実だよな、と思い出した。 ・国策捜査、本当にやることが汚いなあと思った。 官僚の全員が全員そうではないと思うけど、本当に汚くてムカつく。 国政について色々思うことがある中で読んだので余計に腹が立ったり、頭が重くなったり、色々考えたりして、それも後半失速した原因かもしれない。 ・川上さんの解説読んでいて良いなあと思ったのは、うのみにしないということ。 情報を一方向から取り入れて終わりにしないで、いろんな角度から取り入れて、自分で考えて判断しようと改めて思った。 ・佐藤さんは人を見る目が鋭く、多大なナルシズムは感じるけど、文章表現がきめ細やかで、全体としてとても面白かった。他の作品も読んでみたいと思った。

    7
    投稿日: 2025.01.27
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    テレビで佐藤優さんをお見かけして興味を持ち、読んでみました。かなり面白く、どうしてこれまで無関心だったんだろうと、自分の視野の狭さを反省しましたし、どんなときでも冷静に状況を見極め、信頼を裏切らないところに感嘆しました。今更ですが、佐藤さんの他の著作も読んでみたいと思います。

    0
    投稿日: 2024.11.30
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    著者は「地アタマ」と記憶力がいい人なんだろうな。 ソ連・ロシアについてはゴルバチョフ・エリツィン・ペレストロイカ・グラスノスチなんて単語は知っていたが、それが何か、当時何があったのかは当作で知ることができた。 また、北方領土がその中でどういう位置づけであったか学ぶことができた。 また、外交官がどの様な働きをするのか、そもそも外交とは何か、興味深く読みました。 そして、国家組織の中にいる優秀な人物であっても、ひとたび国家に目をつけられるとどの様な扱いを受けるのか…恐ろしい。 ムネオハウスという単語が出てきた事件、おぼろげに覚えているがそんな事だったのか。 当然、これは一方から見た意見ではあるが、そんな事があるのかと思わされた。

    0
    投稿日: 2024.11.23
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    佐藤優さんが語る映像にふれてからどのくらい経ちますかね。ちょっと胡散臭い、が正直な第一印象。 でも、なにかが気になっていたのでしょうか、どんな人なのか知りたくて検索。 鈴木宗男事件 当時の記憶はあるが、佐藤さんの存在があったことは知りませんでした。 事件後30年になる2030年に、関連文書が公開された時、『国策捜査』の真実が明かされるのでしょう。 あまり経験することがなさそうな、いや経験したいとは思えない回想録なんだけれども、佐藤さんの、強い信念に生きる人となりが本当に良くわかりました。 この本に縁できたことに感動しています。 胡散臭いなんてごめんなさい。勝手に親近感。 ちょっと佐藤優さんにハマりそうです。

    33
    投稿日: 2024.10.30
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    改めて国家機関って敵に回すと怖いなと実感。 自分は佐藤氏のような立場になる確率はかなり低いけど仮になった場合、彼のような毅然とした態度がとれるだろうか。

    1
    投稿日: 2024.10.27
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    読まず嫌いリストの上位に常に置かれていた佐藤優氏の作品を初読了。 薄っぺらい感想だけ述べれば、「なぜもっと早く読まなかったのか」ということ。 国が個人に襲い掛かるとき何が起こるか。本人も書いているように、拘禁反応はあったようだ。しかし検察による取り調べの様子はきわめて冷静に描かれていることが示すように、決して自分を見失っていないことがうかがえる。 担当の西村検事との高度な駆け引きも魅力であるし、隣の部屋の死刑囚の様子も、刑務所という非日常を理解させられる意味で興味深い描写だった。

    3
    投稿日: 2024.10.08
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    世間を騒がせていたあの小泉政権、外務大臣の田中真紀子氏や鈴木宗男氏の動きが良く分からなかった。この本を読んで田中真紀子さんはとんでもく外交をぶち壊していたことを知った。ムネオハウスがどうしてあんなに貧素なんだろうと思った理由もロシアとの返還駆け引きでわざとそうしていた理由を知った。この本で全く鈴木宗男氏の見方が変わった。彼と作者は生粋の国士だな。 西村検事とのやりとりで政治調書を正しく残すこと。外交官としての最後の仕事として、 p329のところ。佐藤優さんは政治的、歴史的事項に関心がある。28年後に事件の関連の資料として公開される。供述調書には僕が言っていたことが事実に合致していたように検証できるようにしたい。その思いで法的な点においては違法性は無かったにも関わらず検察譲っている。歴史に残るようにの検証。 お勧めの「太平記」も読んでみよう。 その公開時期2030年が来たら関連資料を読んでみたい。 クオーター化の原則。 佐藤氏にとっての拘置所に居る安全。ここらへんも面白い。 外務省は鈴木を失跡出せるためにマル秘情報を共産党にわざと漏洩したこと。国が崩れて来た時期を見せられた。 現在自民党首相争いで候補者の主張を観ているが国を立て直す気概のある人は一人しかいないようだ。それもどうなることか。また組織で潰すのかな?

    1
    投稿日: 2024.09.15
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    私は佐藤優氏の本のよいコレクターと言えると思う。 一応、単著だけでも本書を含めて26冊持っているし、さらに副島隆彦氏、的場昭弘氏、池上彰氏、手嶋龍一氏、橋爪大三郎氏、片山杜秀氏、山内昌之氏、魚住昭氏等々との対談本になると腐るほどある。 だが、よい読者とは言えず、ほとんどザッと読み流す程度である。 それでも、佐藤優氏が書くものを、「何かとらえどころがないような奇怪さ」を感じながらも、ほとんど手放しで信頼してきた。 だが、最近、たまたま佐高信氏の『佐藤優というタブー』を読んでから、私の「佐藤神話」が危うくなっている。 例えば、佐高氏は辛口でこう書く: <・・・佐藤のウンチクは死体解剖である。思想を現実に生かすマルクスを求めるのではなく、ウンチクを売るためにマルクスの死体をいろいろといじくる。・・・> そう書かれるとムカッとするが、やがてそのようにも思えてくるのだから、じつに困ったものだ。 少し捕捉すると、佐藤氏は佐高氏の『佐藤優というタブー』の中の記述を名誉棄損で提訴した。 一方、佐高氏は「言論人なら法廷でなく『言論』で戦え!」と反論した。 この辺の事情は、佐藤氏と副島隆彦氏の対談本『「知の巨人」が暴く 世界の常識はウソばかり』――「「佐高信の正体」と構造改革派」に書いてある。 私は裁判の結末を知らない。 佐藤氏は『国家と神とマルクス 「自由主義的保守主義者」かく語りき』という本を書いているから、佐藤氏は「自由主義的保守主義者」である。 もちろん、歴としたクリスチャンでもある。 そのような佐藤氏は、同時進行で、インテリジェンス(モサドなどの政府諜報機関)、マルクス(「マルクス主義」かも知れないが、私にはわからない)、国家主義、ファシズム、地政学、新自由主義(冷酷・強欲な資本主義)、創価学会(池田大作氏の思想)などを好意的に評価している。 単純狭量な私は、佐藤氏に「何かとらえどころがないような奇怪さ」を感じてしまう。 推察するに、インテリジェンスは自己滅却しているだろうから、おそらく感覚(感情)も脱落しているだろう。 感覚脱落の詩人として、萩原朔太郎と西脇順三郎が輝いている。 それはさて措き、そういう人の言説を、凡人の私が安易に信頼しても大丈夫なのか? 表現が悪くて恐縮だが、気が利いた人はそういう佐藤氏の「くそみそ一緒」的なアプローチに疑問を持ち、距離を置くかもしれない。 最近、佐高氏の『佐藤優というタブー』や佐藤氏ご本人の本によって、佐藤氏の「何かとらえどころがないような奇怪さ」が、佐藤氏独特の「保身の術」であることを私は知った。 著書名を失念したが、佐藤氏は「たくさんの出版社から自分の本を出すのは、自分の敵を作らないためだ」という趣旨のことを書いた。 その延長として、たくさんの思想について書く(それらを称賛する)ことも「保身の術」になる、と考えるのも自然であろう。 保身のために利用できそうなものは何でも褒め称えて、八方美人になって敵の目を眩まして、佐藤氏の批判者(敵)を作らないようにするのである。 海岸の潮溜まりを覗くと、いろいろな生物がいる。 佐藤氏の「保身の術」は、愛嬌のあるヤドカリが自分が背負った殻にさまざまなゴミをくっ付けて(つまり迷彩して)歩きまわっている風景を彷彿とさせる。 しかし、佐藤氏の「保身の術」は、彼が理不尽な「国策捜査」によって投獄されたという恐怖の実体験から思い至ったものだから笑うことはできない。 ただ心配な点は、深層心理的に、佐藤氏の信頼性を損ねることになるかも知れないということ。 実際、頭が良い佐藤氏がカメレオンのように自在に書くものに騙されるかも知れない、と私は警戒するようになった。 佐藤氏の本を厳選して不要なものを処分しようと思うが、実行はなかなか難しい。 こういう話がある。 松本健一氏の『戦後の精神』の「花田清輝――<知>の袋小路」の中に、川本三郎氏の『同時代を生きる「気分」』の一節が引用されている: <どこをさがしても、花田清輝は、いないのである。いや姿は見える。ちょうど、モグラのように、あちこちで、ポコッと穴をあけ顔を出す。……モグラは、地上に見える軌跡を残さない。あらわれた証拠の土のもりあがりが人には見えるだけで、その軌跡はだれにもわからない。モグラは、論理的一貫性から解放され、また、ひとつの価値を中心に動くという方向性はまるでない。彼は自在に、周囲にある価値に冷水を浴びせかけては去っていく。> 花田清輝氏は「モグラ」のようになって、昭和のあの狂気の国家主義の時代をやり過ごした。 佐藤氏は「ヤドカリ」のようになって、「冷水」の代りに「好意的評価」「称賛」を浴びせかけて幻惑している、と私には見える。 妄言多謝!

    0
    投稿日: 2024.07.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佐藤優氏が逮捕勾留される事になった事件の回顧録。この本に初めて興味を持ったのは週刊新潮に連載されていた「頂上対決第182回」の対談相手が取り調べを行った元検事、西村尚芳氏だったからである。 事件当時、鈴木宗男議員と田中真紀子議員と佐藤優氏がTVニュースに映りまくり、良くは分からずとも何やら大変な事件が起こっており「外務省は悪い人たちのいるところだ」みたいな印象を子供ながらに抱いていた。ので、長らくきっと事件の弁明みたいな事が書いてあるのだろうくらいにしか思ってなかったのだが「悪い人」であるはずの佐藤氏の名前をアチラコチラで頻繁に目にすると、流石にこの認識は大分違うらしいと気にはなっていた。文章を読むと俗悪さの欠片もない。凄い。ではなぜこんな凄い人が捕まったのか。またなぜ評価をくれているのか。知りたくなった。 元外交官とは知りつつも、よもやここまで世界情勢が絡んでくるとは思わず、イスラエルの知識まで増えるとは思わなかった。事件のみならず現在を理解するうえでも大変役に立ったし、僅かな海外経験の肌感覚も記述と合致してかなり納得できた。 事件の専門的な細部までは分からないし、伏せられていることもあって全容では無い。ただ、私の実質識字率は5%からは少し上がったと思う。今後も上げ続けていかなければ。 「利害が激しく対立するときに、相手とソフトに話ができる人物は手強い」激しく同意。西村検事はずっと敵なのに、信用できる人。小説ならば胸熱なキャラだけど、実在する人で、20年後の対談でもそれは揺らがない。「国益」という言葉が多用されていたが、つまるところ、命がけで挑める何かがあるか。そんなものを持つ人は明治大正時代あたりで消えたと半ば本気で考えていたが、私の視野が狭窄だっただけだった。破廉恥事件ばかりに目が行くが、こんな真剣な大人たちがいてくれることに救われる想いがする。 『自壊する帝国』もあまり時間を開けずに読むつもりだし、今後氏の著作は極力読んでいきたい。

    0
    投稿日: 2024.04.10
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    わかりやすく、読みやすく、丁寧に自身の逮捕された 状況をまとめているのがすごい。 ただ、こういうパワー抗争に全く興味がないので 途中で捨てた。

    0
    投稿日: 2023.11.01
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    知力を尽くした情報戦、そして、獄中での検察官との対峙、人間にとって、大切なのは、自分を保ちながら、筋を通すこと、そして相手を理解することで信頼関係を得ること 臨場感、細かい粒度、緻密な論理、意を尽くして事に当たれば、なんらかの道が開いていく、そんな思いを感じた書でした。 人間はまず内側から崩れる 決して自暴自棄になってはいけない 常に冷静さを失わないことだ ■外交 鈴木氏は類まれなる「地アタマ」をもった政治家であった 鈴木宗男氏はひとつの特徴があった。恐らく政治家としては欠陥なのだと思う。しかし、その欠陥が私には魅力だった。それは、鈴木氏が他人に対する恨みつらみの話をほとんどしないことだ。 何があっても取り乱してはならない と自分に言い聞かせた。 冷戦構造の崩壊を受けて、外務省内部でも、日米同盟を基調とする中で3つの潮流が形成されてくる  1 日本はこれまで以上にアメリカとの同盟関係を強化する  2 アジア主義、地理的にアジア国家であることをもう一度見直し、中国、アジア諸国と安定的な地位を得る  3 地政学論 政治家は長時間待たせた客のことを決して忘れていたわけではない。内心では何時間も待たせて済まないと思っている。私は逆転の発想で、待ち時間が増えることはその政治家に対して貯金をしていることと考えるようにした。 鈴木邸を辞去するのは午前2時頃で、それからメモを整理し、その時、鈴木氏に依頼された資料を準備する。これが終わるとだいたい朝の4時近くになる。そして、午前9時には、鈴木氏に依頼された資料を届ける。 もちろん鈴木氏とのやりとりの概要は外務省の上司にも報告する。こんな毎日が続いた。 ロシュコフ次官が言う。「佐藤さんはたいへんな愛国者だ。僕たちも愛国者だから、タフネゴシエーターでも愛国者と尊敬するんだよ」 政治家にはスイッチがある。スイッチが入っていない時に、話をもっていっても政治家の頭には入らず、感情的あ反発を買うだけだ ロシア人とは原理原則を大切にする相手とだけ真剣な取引をするのである ナショナリズムには2つの特徴がある  1 より過激な主張が正しい という特徴  2 自国・自国民が他国・他国民から受けた痛みはいつまでも覚えているが、他国・他国民に対して与えた痛みは忘れてしまうという非対称的な認識構造をもつことである ロシア人は、信頼する人にしか、お願いをしない 同じことでも言い方によって相手側の受け止め方は大きく異なる お前、うそをつくなよ といえばだれでもカチンとくるが、お互いに正直にやろう といえば、別に嫌な感じはしない、伝えたい内容は同じである ■国策捜査 日本の裁判の現状では黙秘は不利です。黙秘をすると裁判官の心証は「やった」ということになります。実態を話して最後まで否認することです。それをお勧めします 検事は官僚なので、組織の意志で動く。しかし検事も人間だ。この要素を無視してはならない 情報の世界では、第一印象をとても大切にする。人間には理屈で割り切れない世界があり、その残余を捉える能力が情報屋にとっては重要だ。それが印象なのである クオータ化の原則;全体像に関する情報をもつ人を限定することである 檻の中にいる者には極力情報を与えず、檻の中から得る情報については弁護団だけが総合的情報をもつようにするという考えである 西村検事に対しては、本捜査に関して4点のこだわりを伝えた  1 国益  2 特殊情報に関することが外部に出ないようにすること  3 チームメンバーにこれ以上の犠牲者を出さないこと  4 私の事件を鈴木宗男氏逮捕の突破口にしないこと 私はプライドこそが情報屋の判断を誤らせる癌と考えている。別にプライドをかなぐり捨てて、大きな目的が達成できるならばそれでよい 自分の盟友を「犯罪者だ」となじり、自己の無罪主張をすることになれば、私と親しくする人々は私についてどう考えるであろうか 人数は少なくてもいい。ただし、ほんとうの友だちを失いたくない 性格だと思う。自分で納得できないとダメなんだ。 クロノロジー(日付順の箇条書きメモ)をつくってこい 情報は人につく 私の記憶術は映像方式だ。手帳のちょっとしたシミ、インクの色を変えること、文字の位置を変化することで記憶を再現する手がかりが得られる 外交に触れたばかりの政治家は極端な自国中心主義、排外主義的なナショナリズムに陥りやすいが、だいたいこれは一時的現象で、国際政治の現実に対する認識を深めると極端な自国中心的なナショナリズムが日本の国益を棄損するとの認識も強くもつようになる 談合というのは日本の文化なんで、絶対になくならないんです。本気で価格競争でたたき合ったら、会社ももたないし、それに手抜き工事が起きたりしてみんなが迷惑する 国家権力が本気になれば何でもできるのだ 目次 序章 「わが家」にて 第1章 逮捕前夜 第2章 田中眞紀子と鈴木宗男の闘い 第3章 作られた疑惑 第4章 「国策捜査」開始 第5章 「時代のけじめ」としての「国策捜査」 第6章 獄中から保釈、そして裁判闘争へ あとがき 文庫版あとがき 解説 川上弘美 ISBN:9784101331713 出版社:新潮社 判型:文庫 ページ数:560ページ 定価:850円(本体) 発売日:2007年11月01日発行 発売日:2008年04月25日7刷

    13
    投稿日: 2023.10.31
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    フィクションかと思うほど自分の生活からかけ離れた世界だった。 ロシアとかソ連に全然詳しくないから最初は読むのが苦しいけど、そこを乗り越えるとすごく面白いし、何より勉強になる。 北方領土辺りの情勢を知りたい人にはいい本ではなかろうか。 外交官って思っていたより何倍もタフで頭が良くてコミュニケーションが上手くないとやっていけないんだろうなと感じた。 ページ以上に中身のある本。

    0
    投稿日: 2023.05.12
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    第82回アワヒニビブリオバトル「【往路】お正月だよ!ビブリオバトル2022」第5ゲームで紹介された本です。オンライン開催。チャンプ本。 2022.01.02

    0
    投稿日: 2023.05.07
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    面白かった! この本から得られる知識は次の3つだろう。 1. 外交のやり方(日露外交について、細かく書かれている) 2. 国策捜査について(政治家の不正がどうやって明るみに出るのかわかる) 3. 拘置所の生活について(著者が勾留されていた時の話を書いている どこも馴染みがない世界の話で、とても面白かった。 ただし、著者の主観で書かれているので、本書の内容を全て事実として信じるのは軽率な行動だと思うが。

    0
    投稿日: 2023.03.15
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    「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて 佐藤優著」読了。面白かった。夢中で読んだ。著者が騒がれていた頃にこの本が本屋で平積みされていた。写真付きで何か言いたそうな顔をしていた。立読みでちらりと読んだが、買わずに戻した。その時に読んでいれば、もう少し私の人生楽になったのでは?

    0
    投稿日: 2023.01.28
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    時折、本の内容などわからないまま、手に取ることがあります。そして、読んだ後に自分の予想を裏切る本に出会うことがあります。本書はまさにそんな一冊です。 著者が記す外務官僚のリアルや背負っている仕事内容、検察との闘いなど我々の仕事とも異なる独特な世界が広がっていました。 面白い一冊でした!オススメ!

    5
    投稿日: 2022.05.14
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    佐藤優さんの本はとても面白く、いくつか読んでことがあったのに、佐藤優さんとは何者なのか全く知らなかった。元外務省職員だったということすら知らなかったことに気づいて、この本を読むことにした。 内容は想像もしていなかった世界について書かれていて、国策捜査という概念があることも知ったし、絶対に争うことのできない国家権力の強大さに関係ないはずの自分でも背筋が凍る思いをした。 とはいえ、怖いマイナス面だけでなく、国益のために頑張っている役人たちがいることに嬉しくなったし、何よりも佐藤優さんの信念の強さや人と人との関係を大切にする人柄を知って、より好きになった。 もっと他の本も読みたいと思った。

    2
    投稿日: 2022.04.27
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    当時は鈴木宗男さんが捕まったというニュースを見た記憶があるくらいで、田中眞紀子氏もモノマネでしか見ていないから、いろいろビックリした。 世の中の多くのものごとは、どんなに声が大きく聞こえても浅い話にすぎず、当事者が発信しないと伝わってこないものなのかもしれない。 あと地味にこの当時から日本の実質識字率5%という認識があったことに驚いた。 いつもなんでそんなによく覚えているんだろうと不思議だったが、記憶の定着のさせ方が出てきたのでなるほどとなった。でも私と認知特性が違うので全然真似できない芸当だったw 検事さんの様子から察するに、自己保身が当たり前の世界で、信念や長期的視野というものに出会う機会は少ないのかもしれない。 三権分立とは…と考えさせられる。 捕まるニュースのインパクトって大きいけど、誰が捕まったかより、判決結果や中身のほうが肝心なんだなぁ。 ちっちゃな視野で叩いた結果、自分の首を絞めている構図がえぐいなぁ…。

    0
    投稿日: 2022.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―(新潮文庫)2007/11/1 国策捜査は「時代のけじめ」をつけるためにおこなわれる 2019年6月22日記述 佐藤優氏による著作。 2007年11月1日発行。 単行本としては2005年3月新潮社より刊行された。 鈴木宗男氏にまつわる騒動で著者も逮捕された。 もうかなり前のことではあるけれども、当時のニュース等を思い出す。 当時何が起きたのか、著者の体験を元に書かれている。 言わゆる経験者しか書き得ないものばかりで面白い。 今でも中央官庁や政治家と絡む仕事をするなら読んでおくときっと役に立つを思う。 一般人も東京拘置所とはどんな所か勉強になるだろう。 また当時熱狂的に支持された小泉内閣、特に田中真紀子氏がいかに国益を毀損する存在であったか・・・ 反面教師にしなければいかない。 また当時TVを通じて田中氏に好意的な印象を持っていた自分を恥ずかしく思った。 印象に残った部分をあげていきたい。 強い者の方から与えられる恩恵を受けることは構わない。 しかし、自分より強い者に対してお願いをしてはダメだ。 そんなことをすると内側から自分が崩れる。 矯正収容所生活は結局のところ自分との闘いなんだよ。 ロシア共産党守旧派の政治家たちは、日本の自民党の政治家に似ている。 人間関係を大切にし、物事は何であれ事前に根回しする体質をもっていた。 外務省では、語学別に「スクール」というグループがあり、「スクール」を異にすると親しくなる機会はなかなかない。 親しくもない人間がなれなれしく話しかけてくるときには何か意図がある。 人間には学校の成績とは別に、本質的な頭の良さ、私の造語では「地アタマ」があるということを私はソ連崩壊前後のモスクワで体験を通じ確信するようになった。 鈴木宗男氏の魅力・・他人に対する恨みつらみの話をほとんどしないこと 裏返して言えば、このことは他人がもつ嫉妬心に鈴木氏が鈍感であるということだ。 公判の現状では黙秘は不利です。特に特捜事案では黙秘しない方がよいと思います。  事実関係をきちんと話し、否認することです。 この事務官は経験不足なのか、自己陶酔癖があるのか、仕事に酔って興奮しているだけだ。こういう手合いはたいしたことはない。 過去の経験則から、私は利害が激しく対立するときに相手とソフトに話ができる人物は手強いとの印象を持っている。 その意味で、この検事の方は相当手強そうだ → 西村 尚芳 (にしむら ひさよし) 指印は黒色の朱肉で押す 日本という国の根本的な方針が、小泉政権の登場前と後では大きく変貌を遂げたというのが、私の分析である。 歴史を振り返った時、あの時が、ターニングポイントとなったという瞬間がある。 「小泉内閣の誕生」は日本にとってまさにそんな瞬間だったのではないだろうか。 組織内部に異なる潮流が存在するのはよくある現象であり、これが組織を活性化する基盤となることも少なくない。 そして同じ考えを持つ人同士がグループ、つまり派閥を作るというのもごく自然な現象である。 派閥があれば必ず抗争が生じ、それはまた必然的に人事と結びつく。 しかし、派閥の存在が肥大化すると、往々にして抗争自体が自己目的化しはじめることになる。 そうした動きを組織が抑えきらず、組織の目的追求に支障を来すようになった時、組織自体の存亡にかかわる危機となるのである。 能力がなくて、やる気があるのが、事態を紛糾させるのでいちばん悪い 日本人の実質識字率は5%だから、新聞は影響力を持たない。 ワイドショーと週刊誌の中吊り広告で物事は動いていく。 国際情報屋には、猟犬型と野良猫型がある。 猟犬型の情報屋は、ヒエラルキーの中で与えられた場所をよく守り、上司の命令を忠実に遂行する。 全体像がわからなくても危険な仕事に邁進する。 野良猫型は、たとえ与えられた命令でも、自分が心底納得し、自分なりの全体像を掴まないと決してリスクを引き受けない。 独立心が強く、癖がある。 しかし、難しい情報源に食い込んだり 通常の分析家に描けないような構図を見て取るのも野良猫型の情報屋である。 野良猫型だけだと組織は機能しなくなる。 猟犬型だけでは、組織が硬直と緊縮を起こし、応用問題に対応できなくなる。 結局、両方が必要なのである。全体として見れば、 国際情報屋は、猟犬型9割5分、野良猫型5分くらいに分かれる。 冷戦後存在した3つの外交潮流は一つに、すなわち「親米主義」に整理された。 日本人の排外主義的ナショナリズムが急速に強まった。 私が見るところ、ナショナリズムには2つの特徴がある。 第一は「より過激な主張が正しい」という特徴で、 もう一つは「自国・自国民が他国・他民族から受けた痛みはいつまでも覚えているが、他国・他国民に対して与えた痛みは忘れてしまう」という非対称的な認識構造である。 ナショナリズムが行き過ぎると国益を毀損することになる。 私には、現在の日本が危険なナショナリズム・スパイラルに入りつつあるように思える。 ロシア人は、信頼する人にしか「お願い」をしない。 そもそも外交の世界に純粋な人道支援など存在しない。 どの国も人道支援の名の下で自国の国益を推進しているのである。 日本の裁判の現状では黙秘は不利です。 黙秘をすると裁判官の心証は「やった」ということになります。 Ⅰ種職員は能力や性格に相当の問題がない限り大使ポストを保証されているが、 専門職員(ノンキャリア)で大使になる人は5%程度で、しかも中小国の大使だ。 大学で机を同じにし、能力的には それ程違わなくても外務省内での出世街道は大きく異なる。 もっとも小国語の専門家として結構楽しく仕事をしている東大卒の専門職員もいるので、要はその人の価値観である。 私は1996年から2002年まで東京大学教養学部で「ユーラシア地域変動論」という科目を教えていたので、東大生気質はそれなりにわかっている つもりである。ときどき「あえて外務省の専門職員になり、佐藤先生のように外交官と学者を両立させたい」という相談を受けたが 私は「東大生に関しては、ほとんどがⅠ種職員だからあえて違う道を選ぶことは勧めない。2つの世界に足をかえていても僕みたく両方とも中途半端になるから・・・・」と答えていた。 これは国策捜査なんだから。 あなたが捕まった理由は簡単。 あなたと鈴木宗男をつなげる事件を作るため。 国策捜査は「時代のけじめ」をつけるために必要なんです。 時代を転換するために、何か象徴的な事件を作り出して、それを断罪するのです。 評価の基準が変わるんだ。何かハードルが下がってくるんだ。 僕たち(検察)は適用基準を決められない。時々の一般国民の基準で適用基準は決めなくてはならない。 冤罪なんか作らない。 だいたい国策捜査の対象になる人は、その道の第一人者なんだ。 ちょっとした運命の歯車が違ったんで 塀の中に落ちただけで、歯車がきちんと噛み合っていれば、社会的成功者として称賛されていたんだ。 そういう人たちは、世間一般の基準からするとどこかで無理をしている。 だから揺さぶれば必ず何かでてくる。 そこに引っかけていくのが僕たちの仕事なんだ。 だから捕まえれば、必ず事件を仕上げる自信はある。 ナショナリズムには、いくつかの非合理的要因がある。 例えば、「自国、自民族の受けた痛みは強く感じ、いつまでも忘れないが、他国・他民族に対して与えた痛みについてはあまり強く感じず、またすぐに忘れてしまう」という認識の非対称的構造だ。 またもうひとつ特筆すべきは、 「より過激な主張が正しい」という法則である。 国際協調を考慮し、時には自国中心のナショナリズムを抑えることが日本の国益を増進することもある。 真に国を愛する政治家、外交官はこのことをよくわかっている。 31房の隣人=死刑囚坂口弘

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    投稿日: 2021.12.12
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    佐藤氏を罠にはめたのは誰なのか? それは存在のない国家ということか? 特定の誰かでは無い組織の意思というものがあるのかもしれないし 国策捜査なるものが、その組織の意思に沿って行われることがあるのかもしれない。 これに対して国益を第一に考え、敵対するものと対決し屈指なかった佐藤氏の強靭な心と知識、経験、人間力に尊敬の念を抱く。 鈴木宗男氏の著、闇権力の執行人を先に読んで疑問に思っていたことも、この本を合わせて読みことで納得のいく部分があった。 外交の複雑な事情や駆け引きは、難しくて理解にはほど遠いが、北方領土問題とはどんな問題があるのかなど、なんとなくではあるが分かった。 自分のスキルを大義のために使うのか、自己の利益に使うのかは、その人の魂のあるところに依るのであろうか。

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    投稿日: 2021.11.12
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    佐藤優、読めば読むほど興味をそそられる。それにしても、鈴木宗男事件、そして外務省の内部事情が垣間見られて興味深い。国家捜査にひっかかって運が悪いといって済まされる問題ではないと思うが、それを受け入れる佐藤優。本当に強く、頭がいい人だと思う。そんな人が書く文章だから、惹き込まれるしおもしろい。ここに出てくる人たちのその後がとても気になる。事件の真相は、2030年に関連文書が公開されることに明らかになるとのことで、それはとても楽しみだし、それに対して佐藤優に改めて書物に纏めるなどし、改めて総括してもらいたい。

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    投稿日: 2021.05.04
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    ロシア外交、鈴木宗男事件、田中真紀子外相の更迭、小泉政権下の「国策捜査」による佐藤氏の勾留。新聞やTVで報道されていることが真実とは限らない。鈴木宗男氏の印象は180度変わったほどだ。この本は、情報を鵜呑みにしてはいけない、よく観察しよく考えて、多面的に物事をみる事の大切さを教えてくれた。

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    投稿日: 2021.03.20
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    遅まきながら国策捜査というものの真髄を知った。当時の政治的社会的背景から見ることにより、あの事件はなんだったのかということも、遅まきながら理解した。

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    投稿日: 2021.02.27
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    今さらながら。 鈴木宗男氏と佐藤優氏については当時のワイドショーレベルの知識しかなく興味もなかった。 ふと対ロシア外交と佐藤優氏に興味があり読んでみたところ… 何だこの内容の濃さは、ほとんど小説ではないかと驚愕。いろんな驚きと学びが去来する異様な読者体験となった。 ロシア外交とインテリジェンスの世界、政争と国策操作、拘置所と刑事訴訟手続きなど、それぞれ1テーマで出せそうな内容が出るわ出るわ。しかも内容が具体的かつ理論構成が整理されているので、素人にも分かるように書かれている。 佐藤優氏の怪人ぶり(驚異的記憶力と博覧強記)とストイックな人生観に妙な感動を覚えます。 戦争と平和があるのではなく、戦争は外交の延長にあるのが現実なのであれば、安全保障、食料、エネルギーを海外に依存している日本にとって外交は生命線であるはずで、ロシアや中国といった強大かつ文化的共感のない敵性国家とどう付き合っていくかは死活問題と思われる。 氏の他著作を読んで勉強したい。

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    投稿日: 2021.01.09
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    鈴木宗男氏絡みの事件で実刑判決を下された、元外交官がその顛末を書いた本。 誰かからの指示で、国策捜査として鈴木宗男氏を逮捕することが決まり、それに捲き込まれてしまった著者。ちょっと信じがたいのだが、この本を読む限り恐らく事実だと思う。なんとも恐ろしい世界。 北方領土の返還を実現させるべく、高い知性と熱い情熱を持って仕事をされていた著者が、このような顛末になるとはなんともやるせない気持ちになる。 ロシア要人たちとの外交や拘置所ないでの生活など、知らない世界を知る意味でも面白い。 面白いしためになる、誰にでも一度は読んでもらいたい素晴らしい本でした。

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    投稿日: 2020.12.24
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    プライドは邪魔なので持たない。  悪かった、悪かった、運が悪かった。 国民の雰囲気が罪を決める。 内容は言うまでもなく面白い。こんなすごい作家が元官僚で、しかもノンキャリアだったことに日本の官僚は凄いと思ったものだが、国策捜査の恐ろしさ、検察の取り調べ、留置所の生活を冷静な視点で描いているところも斬新であったし、ロシアとの北方領土問題についてもこんなに詳しく書かれたものは読んだことが無かった。それもそうで、条約交渉は外交機密のため、下手な事を書くと国益を毀損する恐れがあるので、ほとんどの人が書く事ができないのだ。著者によると情報(インテリジェンス)関係者から許しを得て詳しく書けない部分はありながらも、かなりわかり易く書かれているのだ。    「国策捜査は時代のケジメ」確かに私にも振り返ってみると得体の知れない高揚感や嫌悪感を感じたことがある(小泉政権誕生や、ホリエモン騒動など…)。                初めて本書を読んだ時に著者の博覧強記に驚いたが、その後の作品を読む毎に、これがヨーロッパのエリートが持っているべき教養なのかと恐れのようなものを覚えた。  キリスト教に基づいた教養というものは、私にはピンとこないし、哲学、語学、歴史もちょっと本を読んだくらいでは身につくものではない。きっと上流階級の方たちはそのような教養を身につけているのだろうが、こんなにさり気なく教養をまぶしてくる著者は一般家庭て、団地出身である。 本書を読み、興奮し、その後著者の本をかなり読み漁ったが底知れない知識に佐藤優さんとは凄いものだなと思い知らされた。  

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    投稿日: 2020.08.24
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    むむむ。国策捜査は冤罪じゃない、だと。 だれだってたたけば小さなほこりぐらいは出るということかね。 P366 「これは国策捜査なんだから。あなたが捕まった理由は簡単。あなたと鈴木宗男をつなげる事件を作るため。国策捜査は『時代のけじめ』をつけるために必要なんです。時代を転換するために、何か象徴的な事件を作り出して、それを断罪するのです」 P369 「国策捜査は冤罪じゃない。これというターゲットを見つけ出して、徹底的に揺さ振って、ひっかけていくんだ。引っかけていくということは、ないところから作り上げることではない。何かスキがあるんだ。そこに僕たちは釣り針をうまくひっかけて、引きずり上げていくんだ」 「そうじゃないよ。冤罪なんか作らない。だいたい国策捜査の対象になる人は、その道の第一人者なんだ。ちょっとした運命の歯車が違ったんで塀の中に落ちただけで、歯車がきちんとかみ合っていれば、社会的成功者として称賛されていたんだ。そういう人たちは、世間一般の基準からするとどこかで無理をしている。だkら揺さ振れば必ず何か出てくる。そこにひっかけていくのが僕たちの仕事なんだ。」

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    投稿日: 2020.02.29
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    ノンフィクションであり、当時の外交状況から拘留中の取り調べなど、詳細に書かれていてる。国策捜査の中で、著者が優先したことは日本の国益であり、そのためには自らを犠牲にし筋を通すところは尊敬に値する。外交官時代、日本の首相やロシアの官僚が認めた人物であったことは納得できる。

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    投稿日: 2020.01.11
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    面白い。 佐藤優氏の人生の岐路となった一冊。他の対談本などで語られているように、その後の人生を物書きとして生きる為に絶対にホームランを打たなければならなかった著者の渾身の一冊。ポイントは3点。 ・ミクロとマクロの書き分けが絶妙。外交官の背景、ロシア外交の裏話などは詳細に、細かい罪状などはあっさりと読者を置いていかないようにペース配分が非常に練られており良い。 ・小説的表現が秀逸。西村検事との掛け合いはドストエフスキーの罪と罰を彷彿とさせる会話劇で、非常に愉快。 ・国策捜査は時代のけじめ、として本事件をまとめているが13年後の2019年を予言しているとしか思えない。この頃から新自由主義に舵を切った日本は格差拡大とナショナリズムに苦しんでいるように感じる。この時代に知識人はそこまで予見出来ていたのならば驚愕だ。しかし、本書を読み終えたときには当てずっぽうで買いているとは思えないだろう。 マイナス点としては、当時のニュースを知らない若い世代の人間が読んでもワイドショーも見ていないのでなんのことやら分からないが、本書は元々13年前の大人をターゲットにしているので仕方ないだろう。宗男ハウス、ググっちゃいましたよ、ネーミングセンスあるなぁ。

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    投稿日: 2019.12.11
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    【これは国策捜査なんだから】(文中より引用) 日本中が騒然とした「鈴木宗男事件」とはいったい何だったのか。「外務省のラスプーチン」と呼ばれ、自らも逮捕された人物が語る「国策捜査」の内幕とは......。著者は、本書で毎日出版文化賞特別賞を受賞した佐藤優。 本当に久しぶりに再読したのですが、国家権力というものを知る上でここまで優れた著作にはそうそう出会えないのではないかと思います。驚くべき情報量だけでなく、その一つひとつが濃密であることに驚かされるばかり。また何年かしたら戻ってきたい作品です。 行間から匂い立つものが凄まじい☆5つ

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    投稿日: 2019.12.09
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    2007年に新刊で出た時に買ってそのまま積読。干支が一回りして、やっと読了。 かつての日露外交の真相と国策捜査の裏側。 当時は、マスコミを鵜呑みにして、ムネオは悪い奴で、それを裏で操っている怪しい人くらいにしか思っていなかったけど、見方を変えないとな。 ロシアとイスラエルのつながりとか、もっと早めに知っておくべきだったことも書かれていて、12年間放置したことを少し後悔。

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    投稿日: 2019.10.26
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    例の「ムネオさんの犯罪」辺りに連座して、背任、偽計業務妨害で起訴された著者である。 この本は、田中真紀子外相(当時;「外務省は伏魔殿発言」などで旧弊にクサビを打ち込む正義の味方に見えたっけ) vs ムネオさん戦争の裏事情や、北方領土を巡って、ソ連~ロシアとの間で水面下の交渉が進められていた頃の内幕、逮捕拘留されてからの検察官とのやりとりなどが迫真の筆致でえがかれている。 そして、外交とはどういうものか、検察とは(あるいは国策捜査とは)どういうものかについてアウトラインを教えてくれる。さらに、小泉政権を境に日本はいったいどう変わったのか?についても理解を与えてくれる。(それがつまり、傾斜配分:格差社会の始まりと、国際間協調ではないアメリカ偏重外交の始まりである) たいへん感銘を受けた。

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    投稿日: 2019.06.13
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    鈴木宗男と佐藤優は、ロシアを見ながら、日本の国益に忠義を尽くした人達だったと、初めて知った。ヤワな裁判懺悔録とは一線を画す佐藤優の獄中録。 拘置所での検察官との対話を通じて国策捜査を読者に教えてくれる。 自らの困難を客観的に著述できる著者の教養本は、今後も売れるはず。 佐藤優って、胡散臭い元外交官のオッさんでしょ?という人にはまず読んで欲しい作品である。

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    投稿日: 2019.01.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    国策捜査がどう生まれどのように行われるかが良く分かる。後半の西村検察官とのやり取りがハイライト。 独特の風貌もあり何となく怖い人、悪い人という印象だったが一変。明晰な頭脳で国家の為に尽くした外交官であったのだろう。もちろん自身に有利なように書いている部分はあるのだろうが、それでも抜群の頭脳と豊富な知識量を持つことに疑いの余地はなく、こういう人を外交官から失ったのは明らかに国家の損失。現代の知の巨人。 ・ナショナリズムには二つの特徴がある。第一は、「より過激な主張が正しい」という特徴で、もう一つは、「自国・自国民が他国・他民族から受けた痛みはいつまでも覚えているが、他国・他民族に対して与えた痛みは忘れてしまう」という非対称的な認識構造である。ナショナリズムが行き過ぎると国益を毀損することになる。 ・国策捜査は時代のけじめをつけるために必要なんです。時代を転換するために、何か象徴的な事件を作り出して、それを断罪するのです。法律はもともとある中で、その適用基準が時代によって変わってくる。特に政治家に対する国策捜査の適用基準のハードルは驚くほど下がっている。適用基準を決めるのは検察ではなく一般国民が決めている。

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    投稿日: 2019.01.05
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    日露外交の発展のため、命を賭して戦った佐藤氏と鈴木宗男氏のドキュメンタリーである。国策捜査によって理不尽な獄中生活を送った佐藤氏が、情報分析官として、検察や外務省との当時の記録が具体的に残されている。 自身の信念を曲げず、国家権力と戦う佐藤氏の姿勢に感銘を受けるとともに、ひたむきに努力を続け、必死に生きる人には、次に進むためのステップが用意されているように感じた。

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    投稿日: 2018.11.09
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    2018.2.8 国策捜査の対象が何故鈴木宗男になったのかという考察が大変面白い。大きなパラダイスシフトのシンボリックとして、運悪く選ばれてしまった。このパラダイスシフトは、今にも連なる流れだ。自由主義経済と、ナショナリズム。そして、個人と国家をそれぞれ志向する両者は、実はベクトルが違う。これ、まさに今にあてはまるのではないだろうか。 日露の北方領土問題は勉強になった。領土の帰属を解決するまで平和条約は締結しないと。国際ルールか。 北方領土にディーゼル発電機を供与することで、日本への依存を高めようとする戦略。ロシアとイスラエルの関係。

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    投稿日: 2018.02.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佐藤優氏が捕まるまでと逮捕された後の刑務所の実態が書かれている。外交官という仕事をより深く知ることができる良書であり、佐藤優氏を含めた外交官は相当な努力に加えて、官僚内の社内政治の中を生きてきたのだと知った。 鈴木宗男氏や田中真紀子氏について、当時のマスコミの報道から受けた印象とロシアの第一人者として活躍する鈴木氏では全く印象が違い、いかにマスコミが無能で事実を報道していないのか、その差に驚く。

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    投稿日: 2018.01.10
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    国のために仕事してたのに、国策逮捕された著者の拘置所での話。検察官とのやり取りが興味深い。 検察官も著者がそれほど悪くないのは解ってるけど…ってのがやりきれない。 著者側の視点だし、機密もあるから全部が明らかになってるわけじゃないけど、一時期の鈴木宗男バッシングは完全に政府側にコントロールされた話だったんだな、ってのが解る。 自分も何も知らないけど彼は悪い奴なんだって認識だったからな。一度鈴木宗男の著作も読みたいと思った。 ところで今の外交はそんな評判悪くないみたいだけど、著者の意見を聞いてみたい

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    投稿日: 2017.12.25
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    いかに官僚の世界が高度であり、一般人にはなかなか類推しがたいほど複雑に動いているかが分かった点でとても面白かった。 どれほど内容が正確かは確かめようがないが、ここまで詳細に状況を記述できる著者の記憶力と描写力に感動した。

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    投稿日: 2017.08.20
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    佐藤優氏の著作を多く読んでいるうちに、今更ではあるが原点の著書を読み返してみた。 外務省時代の彼の仕事ぶり、そして逮捕後の拘置所内での検察とのやりとりなど、非常に興味深い内容であった。 自分も当時はメディアの情報を丸呑みしていた者として恥ずかしく思った。彼ら(鈴木宗男氏や著者たち)がどれだけ真剣に日本そして北方領土問題を解決しようと奔走したのか、そしてそれを政治的な理由だけで検察に捉えられたしまったことがどれだけ今の日本にマイナスになっているのかを悔やまれてならない。 あれから数十年も経っているのに、このような本気で国のことを考えて奔走している人たちが政治に利用されることがないような仕組みを日本という国が作れていないことに恐怖さえ覚えた。 微力ながら時分ももっともっと知識をつけて、声を発していかなければいけないと考えさせられた。

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    投稿日: 2017.07.01
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    恐らくは未だ口外できないことが多いのだろう、何故著者が逮捕されたのか、どのような力が働いたのか…言おうにも言えないもどかしさを感じた。あと、著者の恐ろしいまでの記憶力と再構築力には畏怖すら感じる。知性の構成要素で最も重要なのは記憶力だと思う。 この本で最も印象的なフレーズは「日本人の実質識字率は五パーセントだから、新聞は影響力を持たない。ワイドショーと週刊誌の中吊り広告で物事は動いていく」。 かといって「いや、俺は様々な情報をベースに世間を見ているぜ」というポーズをとる輩も危うい。そして、冷静なふりをしつつ、一方的な主張を繰り返す人間が最も危うい。

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    投稿日: 2017.02.21
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    著者はロシア関係の外交官だった佐藤優。 今、ロシアのプーチン大統領と安倍首相の会談が話題になってる中、この本を読んだ。 田中真紀子に「外務省のラスプーチン」といわれて、鈴木宗男と共に国策捜査されて512日間に拘置された人。 つい先日、冤罪の恐ろしさを描いた『殺人犯はそこにいる』を読んだのだけど、これはある意味冤罪よりも恐ろしい国策捜査の話。 冤罪は助かる可能性もあるけど、国策操作は著者が「地獄の双六」と証するように、最初から逮捕することが目的なので絶対に助からない。 それでも獄中で著者はインテリジェンス(諜報活動家)として、取調べの検察官と虚虚実実の駆け引きをするのだけど、基本的には負け戦の撤退戦。 最終的に本丸の鈴木宗男も逮捕され、彼自身も刑を執行されるのだけど、インテリジェンスの矜持は最後まで守ります。 「刑に執行猶予はあるけど、インテリジェンスの違反に期限はない」というのが印象的だった。

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    投稿日: 2016.12.18
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    今迄読んだ佐藤優氏の本の中で一番読みやすかった。正確性・事実性を大切にする書き方は、この後次第にエスカレートしてゆくのだろう。確かに、この作品にもその片鱗が見受けられる。 読了後でも、佐藤氏が逮捕された背景がよく分からないのだけれど、塀の中に入ってからの感性と思考性はより研ぎ澄まされたものとなる。後半の展開はあたかも推理小説を読んでいるかのように進んでゆく。

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    投稿日: 2016.08.24
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    ・国際協調的愛国主義から排外主義的ナショナリズムへ ・クオーター化(全体像に関する情報を持つ人を限定する)=秘密を守る方法 ・田中眞紀子、トリックスター(騒動師、文化人類学)、その言葉は人々の感情に訴えるのみでなく、潜在意識を動かすことができる。規制社会の道徳や秩序を揺さぶるが、同時に文化を活性化する。(しかし、その活性化された政治がどこに向かうか、ということ。)

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    投稿日: 2016.05.21
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     外務省内部に共産党のシンパがいる・・・保険として民主党にも告発文(マル秘文章)を送った。マル秘文章を手に入れることが出来るのは外務省幹部である。外務省は田中真紀子と鈴木宗男をどちらも切りたい・・・(文庫あとがきP519参照)  真紀子の我儘、宗男の恫喝で外務省幹部が我慢ならないところまできたのだろう、詳細については500ページある著書の中にも詳しくは書かれていないが、その雰囲気は伝わる。国家のためと思う気持ちが強い分、無理をしいて役人たちに嫌われたのだろう。宗男の娘が共産党との共闘姿勢を見せた民主から自民に鞍替えしそうだが、宗男の共産党嫌いはこのあたりにあるのかと知る。

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    投稿日: 2016.03.11
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    田中真紀子が外務大臣になった時の外務省にいた佐藤氏の告発本です。鈴木宗雄代議士と組んでロシアとの友好に尽力していたところに田中大臣が乗り込んできてとんでもないことになった事件の話。結構面白い。

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    投稿日: 2016.03.08
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    佐藤優万歳なわけではないが、読み応え抜群。マスコミの操作で鈴木宗男悪代官と感じていたが、実際はこんな動きがあったのかと目からウロコ。ムネオハウスの実態についても知れた。国家の罠というタイトルはなかなかいいえて妙である。 北方領土について。途中までの流れはひょっとするとひょっとしたかもしれないなと感じた。2000年までに解決すると言っていたがあれから15年。なんら進捗がないところをみると、この頃が一番話が進んだのかもしれない。北方領土についてもっと知る必要あり。

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    投稿日: 2015.11.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    事実、読了に時間を費やしたが重厚な読み応え。 「国策捜査」を軸にした、検察と自身との神経戦。 佐藤氏の著書は数冊経験済みだが、なるほどこれが原点。 ロシア人、外務省人、検察人、弁護人。 極限状況にあっても、冷徹なまでの分析・観察眼、そして記憶力。 過度な悲壮感もドラマなく、淡々と綴られている事に、むしろ恐ろしさが。インテリジェンスのプロフェッショナルだからこそのノンフィクション。

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    投稿日: 2015.11.23
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    非常に興味深く最後まで読めた。マスコミの偏向報道により、何となく鈴木宗男=悪代官的政治家、と思っていたが裏でこんなことがあったなんて。そもそもあの時、田中真紀子と鈴木宗男が何で更迭されたかすら分かってなかったし。 筆者は鈴木宗男と連座というか前座というかで逮捕され、出所後文筆業で名を馳せており、以前からその知識人っぷりに興味津々だったのだが、読んでさらに興味をかきたてられた、是非他の本も読もう。ただし筆者の態度を借りるなら、この本もあくまでも一方からの言い分であり、鵜呑みにはしないように。

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    投稿日: 2015.07.30
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    外務省専門職員(ノンキャリア)の外交官だった佐藤優氏が、背任罪で起訴され、その事件の背景を細かくなぞってゆく。筆者の理路整然と物事を述べてゆく筆力にはただ圧倒される。 筆者は以前ロシアの大使館で書記官を務め、外務省に戻ってからもロシアとの外交を主に担当していた。元国会議員の鈴木宗男氏とタッグを組んで、北方領土問題の解決に全力を注いだが、裏のより大きな力により(つまり誰かに目を付けられ)、「国策捜査」の対象となってしまった。本書は逮捕に至るまでと、拘禁中の佐藤氏の生活や検察および弁護士とのやり取りなどが中心に描かれている。 本書を読むまで、ロシアとイスラエルのつながりがいかに強いかなど、その歴史的背景を知らなかった。外交は、様々な要素や各国の思惑があり、それをうまく扱いながら進めていかなければならない、とてもデリケートな分野だ。情報の専門家の作者は、幅広い外国人との交友関係を利用し、外務省で活躍するが、それを面白く思わない人もいたのだろう。 元国家議員の鈴木宗男氏も同様の罪(北方領土のディーゼル発電の入札に絡む不正の疑い)で、続けて逮捕されることになる。本書によると検察はまずターゲットを絞り、その人物を逮捕すべくストーリーを描き、周辺を徹底的に調べるんだそうだ。タイトルは「国家の罠」だが、まさに国益のために尽くしてきた著者が国に裏切られる形になり、さぞかし無念だったろう。 著者は敬虔なクリスチャンで、とても正義感の強い人である。頭脳明晰で論理的であり、罪を認めたほうが早く社会復帰できるとささやく検察とのゲームにも負けなかった。 ずっしりと重く、考えさせられるノンフィクションである。毎日出版文化賞特別賞を受賞している。

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    投稿日: 2015.05.18
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    2002年の田中真紀子外務大臣と外務省との対立、鈴木宗男の汚職と逮捕で新聞・テレビが随分にぎわっていたのを覚えている。どうしても田中大臣=無能なわがままおばさん、鈴木議員=悪徳政治家、著者=陰でなにをしているのかわからない怪しい外務省員というマスコミそのままの印象しか抱かなかったが、内実はかなりことなることに驚いた。 国策捜査とは知らない言葉であったが、罪の有無など関係なく敵とされたら葬られる仁義なき政治の一面を垣間見せてくれた。書かれた内容を信用するならば、著者が有罪とされる理由は微塵も見いだせず、鈴木議員も逆に実力がありかつ誠実な政治家というしかない。 国を思う政治家がおり、自己顕示欲しかない政治家がいる。同様に国を思う官僚がおり、省益を思う、自己の出世を思う官僚がいる。当たり前であるが一般の社会もこれに同じであり、安易なイメージを信じることには何の益も見いだせなくなった。 それでも、かような転落をも恐れず職務を全うした著者並びに鈴木議員には賞賛を送りたい気持ちになった。人より多くの仕事を果たした何よりの証拠であろうと思われる。 今、2015年、田中大臣は議員としての評価を下げ続けた後亡くなられたが、著者の佐藤氏、鈴木議員をもはや前科者として知る者も多くはいるまい。 私を含め多くの国民が二人の逮捕に喝采を送ったと思うが、それが国益にかなったことだとは思えない。国民が政治の正しい姿をすることは今後非常に重要だと考える。

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    投稿日: 2015.03.31
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    全ては国益のため。 ダイヤモンドの書評でしたり、新聞の書籍広告でお名前はよく見かける方。 そして「知の巨人」と呼ばれている方。 この人がどういう人で、具体的にどんな考えをもっている人なのか。 それを知るために、この本を手に取りました。 国のために。「国益」という言葉が頻?に出てきます。 その言葉の通り、国のためにまさに朝から晩、いや明け方まで情報を交換し、 インプットをアウトプットにまとめ、酒を酌み交わし人脈を構築していく。 自分の知識が及ばない部分も広くバックグラウンドに持った膨大な知力の泉から 湧き出る文章に、付箋をつけ、辞書で調べての繰り返しになりました。 解説でも書かれていましたが、情報のプロが書かれた、誌かも内用が内容でありますから 全てが事実なわけではなく、「国益」に沿う内容としてかかれている、ということは 肝に銘じないといけません。 情報を取り扱うプロとしての意見が非常に為になり、 おそらく情報についての書籍もお出しになっているでしょうから、ぜひ読んでみたいと思います。 お金とか地位とか名誉ではなく、プライドを人の目を曇らせるものとし、 日本国家と日本人にお仕えするために情報を発信している、という佐藤さんの書籍、 文章は今後も積極的に触れていきたいと感じました。

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    投稿日: 2015.03.16
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    対ロシア外交官としてロシアでの人脈つくりの中で経験したロシア政治家の行動思考様式。イスラエルのロシア外交における特殊性・重要性。外務省、検察庁の「組織の論理」等々ノンフィクションのリアリティが下手な小説を量がする面白さがあった。

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    投稿日: 2015.03.01
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    何にせよ筆者の言うように筆者が潔白かどうかは2030年以降にわかる。しかしこの件に関する検察の言い分も聞いてみたい。

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    投稿日: 2015.02.23
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    大変面白かった。検察とのやりとり、政治の裏側、国家としての在り方、何もかも新鮮で、興味深かった。初めて佐藤優さんの本を読んだけど、他にも読みたいと強く思う。

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    投稿日: 2014.12.04
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    一生関わることのない(関わりたくない)世界を見せてくれる本。自分みたいな小市民が何をしても、国策捜査の対象になることはないけど、万が一そういう事態になっても、検察の追求に、著者のようには振る舞えない。胆力とはどういうことかも教えてくれる本だったと思う。 仕事の出来る人は、ロジカルシンキングとか、文章力、表現力、マネジメント能力など、あらゆることを備えているものなのですね。

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    投稿日: 2014.11.20
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    ホリエモン事件の流れから検察関連で選んだ一冊。 これは相当面白い。 鈴木宗男事件とは一体なんだったのか。 国策捜査とは一体何なのか。ぜひご一読。 外交、官僚、検察、ロシア、北方領土問題、国策捜査、などなど、 それにダイレクトに携わる人は必読すべき。 そうでない人でも、国民の一人として読んでおくべき非常に重要な一冊だと思う。 確かに難しい内容ではあるが、その文脈は哲学的でもあり、崇高な文章。 そして著者の教養と志の高さを感じさせる、美しく熱い一冊。 特に、最後の「被告人最終陳述」は素晴らしすぎる内容。 ぜひ読んで欲しい。 鈴木宗男事件が起こり、この本が刊行される2005年当時に、 リアルタイムにこの一冊に出会っていたら、 日々マスコミを通じて見える日本の政治・社会がまったく違ったものに見えたかもしれない。 また、当時のこの一冊に対する日本の反応も肌で感じてみたかった。

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    投稿日: 2014.11.05
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    めちゃくちゃ面白い。歴史や外交に関して一切知識を持っていなかったけど、説明の量や質が適切ですごく読みやすかった。逆に少しでも知識を持っている人が読んだら、少し長ったらしく感じるかもしれない。ただ、2014年8月現在起きているガザとイスラエルの戦争がなぜ連日日本で報道されているのか、などを知るきっかけにもなるのでとりあえず読んでみることをお勧めします。 世界とか国とか宗教とか歴史についてもっと知りたいという知的好奇心がガシガシ刺激される良書だと思います。

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    投稿日: 2014.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    <インテリジェンス・オフィサーのお仕事> 色々と、知らない事が多く、非常に知的好奇心を刺激する一冊であった。この本を読むまで鈴木宗男、いや鈴木宗男さん、いや鈴木宗男先生の事をただの汚職政治家だと思っていた。当時のマスコミの言う事だけを鵜呑みにしていたという訳だ。解説の川上弘美さんが言われるとおり、何事も鵜呑みにしてはいけない。そう、作者は行間の中に繰り返している。 本書を読んで初めて知った事。具体的に挙げると… ・国策捜査から逃げる事は出来ない。 ・外務省は、国益に直結した機関である。 ・外務省、商社、政界、その中には自己及び組織の保身しか考えてない人間もいるが、本気で国益を考えている者も入る。 ・イスラエルとロシアの関係は深い。 ・国策捜査は「時代のけじめ」(by西村検事)をつけるために行われる。 ◇現在の日本では、内政におけるケインズ型公平分配路線からハイエク型傾斜分配路線への転換、外交における地政学的国際協調主義から排外主義的ナショナリズムへの転換という二つの線で「時代のけじめ」をつける必要があり、その線が交錯するところに鈴木宗男氏がいるので、どうも国策捜査の対象になったのではないかという構図が見えてきた。373 ◇検察の論理からすれば、金曜日の逮捕が最も望ましい。金曜日に逮捕すれば、月曜日の午前中まで弁護士との接触はできない。410 ◇沖縄には独特の人間観がある。一人の人間んに魂が複数あるのだ。522 ・『太平記』は特定の勢力に肩入れせず、極力事実を忠実に描こうとしている。

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    投稿日: 2014.08.13
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    国際情報屋には、上司の命令を忠実に遂行する猟犬型と、独立心が強く癖ががある野良猫型がある。 情報入手の方法は、獲物の通り道で待ち伏せし、近付いたら一気に襲いかかる虎型と、幅広く網を張り、獲物がかかるのを待つ蜘蛛型がある。 読む前は著者を怪訝な人だと思っていたが、誠実でとても頭の良い人。情報の扱い方は参考にするべきことが多い。 検察とのやりとりが一番おもしろかった。何かに似てると思ったら、ル・カレのスパイ小説、『罪と罰』のラスコーリニコフと判事の会話。

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    投稿日: 2014.06.23
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     鈴木宗男氏が逮捕されたとき、テレビでもよく紹介された「ムネオハウス」 当時からなぜプレハブなのか不思議に思っていたのだが、謎が解けた。  北方領土は実質的にはロシアが支配しているけれど、日本は日本の領土と主張しているから、恒常的で頑丈な物は建前上造れない、ということらしい。。  宗夫は収賄で金儲けしているのに、こんなケチ臭いものしか造らないなんて、とんでもない守銭奴だ!と思っていたが、全然違う真相だった。  そもそもテレビのワイドショー的なニュースにまんまと騙されていた自分は、鈴木宗男氏が悪い奴だと思い込んでいた。この本を読んで真相を知ってからは自分の馬鹿さ加減が嫌になった。  鈴木宗男氏ほどロシアと日本の政治に通暁していた政治家はいない。それが田中真紀子というパフォーマーが外務大臣になったことにより、悪役にされてしまった。  そしてワイドショーは二人の口論を面白おかしく報道する。それに洗脳された自分…つくづく腹立たしい。  田中真紀子によってズタズタにされた外交政策は、さながら年々と積み上げられてきたジェンガが一瞬にして崩壊したようなもの。この暴君がいなければ北方領土問題ももっと進展していただろうに。小泉元首相が田中外相を更迭したのは正しい判断だった。  それにしても国家が罪のない人を犯罪者に仕立てるなんて、戦前の話かと思ってたけど、今でもやることにびっくりした。  感想ばかりで申し訳ないが、内容が盛りだくさん過ぎて要約なんてできそうにない。  悪しからず。

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    投稿日: 2014.06.23
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    これを読む前は佐藤優は犯罪をきっかけに本を出す胡散臭い人だと思っていた。この本を読んで何となくこの事件について知ることができた。

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    投稿日: 2014.05.24
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     当時、マスコミ報道しか知らず、鵜呑みにしていたものについて内情を知ることができた。「国策」捜査。まさに日本国中が、鈴木宗男=悪という考えに流れ、まるでスケープゴートにされているような感覚はあった。  近年の鈴木氏のメディア露出等で、違和感を感じ、自分の感覚を疑うことにより、真実を知りたいという思いから本書を手にとった。  全編真実かどうかは判断できないが、少なくともメディアに踊らされる愚かな一国民とならないためにも、情報の自己判断能力を高める必要性を痛感した。  それにしても検事とのやりとりで口語体になると微妙にオネエ口調になるのが気になる・・・。

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    投稿日: 2013.11.24
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    佐藤優さんの本は文章が硬いので、読むのに苦労します。が、検察官の捜査の実態、外務省の実態がよく分かったので読んで良かった。折に触れて読み返そうと思う。

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    投稿日: 2013.09.30
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    今まで、テレビや新聞でしか知ることができなかった、「鈴木宗男事件」政界と外務省の内部事情がよくわかり、面白かった。これから参院選があるが、どの政治家が真に日本の将来を考えて動ける人なのか、改めて考えたいと思った一冊になった。

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    投稿日: 2013.07.06
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    もっと早く読んでおけば良かった、と後悔。面白かった!国策捜査というものがどういうものかも分かったし、知識のない私でも、最後まで読むことができた。行間を読ませる作者である。ハンストをしたというところで、すごく心を揺さぶられた。やはり、作者は強い信念の持ち主。そして、ぶれることがない。外務省の文書がでてくる時を待ちたい。時折でてくる文章に吹き出すこともある。

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    投稿日: 2013.06.21
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    「自壊する帝国」を読んで。 前述著書のレビューにも書いたが、伊藤潤二の「憂国のラスプーチン」を読んでから入ったので、すんなり飲み込めた。 そうでなかったとしても、複雑な事の成り行きや時間軸を丁寧に噛み砕く文なので、非常に読みやすい。

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    投稿日: 2013.05.25
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    「鈴木宗男事件」は国策捜査であり、時代を転換するために作り出された象徴的な事件である。 ダ・ヴィンチ・コード以来のおもしろさでした。インテリジェンスな人たちの能力やプロ意識ってすごいなあ。 粛々と進めていく、検察や司法もまた、大変な仕事だ。

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    投稿日: 2013.04.21
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    シンプルに「おもしろい文章を読んだ」感でいっぱい。読ませるなあ。検事とのやりとりになると2人とも語尾が「~だぜ」になるのがちょっとツボ。

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    投稿日: 2013.03.29
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    非常に面白かった。読むのに時間かかった。 西村検事「これは国策捜査なんだから」 自身の外務省時代の活動、逮捕から起訴、公判、保釈、判決、その後に至るまで、克明に記録しておかなければ書けないし、文書と照らし合わせなければこんなに正確に鋭く書けないし、凄い。それから、逆境の中でこれだけ記録し続け勉強し続ける信念。自分の置かれた状況全てをプラスにしていこうという…自分もやるからにはこれだけの信念と先読みと冷静さと熱意(たくさんあるなぁ;)で何事も取り組んでいかなきゃいけないなぁ。 表層だけ聞きかじってた政治ニュースがこうして進んでいるのだと知ったのも、とても興味深かった。 なぜ解説が川上弘美かは分からない…

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    投稿日: 2013.03.07
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    書き手の、寛容と忍耐といったものをうかがわせる内容でした。また、私がまるで知らなかった世界の現代史の動きが、非常に精緻な筆致で描かれていて、読み応えがありました。昔からその存在は知っていましたが、少々のきわものっぽさと、生臭さを感じて、近づかなかった本です。

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    投稿日: 2013.02.13
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    著者の客観性がもたらすのでしょうか。生々しさを感じさせつつ、展開は静かに進捗する。凄い人だし、すごい本。読み進まずにいられない本でした。著者の今後の活躍に期待します。

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    投稿日: 2013.02.08
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    外交の舞台にいた本人が描く外交の裏側。すごい世界だ。凡人の私には理解できないことが多かったが、筆者が自分の信ずることを最後までやり遂げようとしていた姿勢は胸を打つ。緊迫感や人間の生々しさなどがリアルに伝わってくる一級品のノンフィクションだ。

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    投稿日: 2013.02.07
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    書き口が非常に冷静。 そもそも逮捕に至った外務省の内情とか、国策捜査についてもかなり突っ込んで書かれている。 ページ数の割には、読み切るのに時間が掛かったが、苦痛ではなかった。 同じ事件での、鈴木宗男の汚名とは、随分違う気がする。

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    投稿日: 2012.12.01
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    事件と関連して描かれる日本に置ける、外交路線の転換、内政の変化、国策調査などは、現在(2012.11)の国内情勢を見る上でも大変興味深いです。 あとエリツィン氏のサウナ政治に関するエピソードがちょっと衝撃的です(笑い

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    投稿日: 2012.11.23
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    「僕こんなヒドイめに遭いましたー!国策捜査ヒドイ!」という内容ではありません。あくまれも冷静。分析調。でも何かが伝わる。 それにつけても真紀子の愚かさよ♪(おやつはカール風に)。

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    投稿日: 2012.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佐藤優、鈴木宗男 この二人の事件は何となく記憶している程度で、当時の印象はとてつもなく悪い人、私腹を肥やす汚い人・・・ でも この本を読んで印象が180度変わった。人間くさくて温かい人。国の為に尽くしてくれたこんなにも素晴らしい人たちがマスコミによって悪人に仕立てられている。国策捜査という言葉は昨年の小沢一郎疑惑で知っていたが、権力にまかせて事件をねつ造し犯罪者を仕立て上げる戦法に腹が立つ。外交官という職業内容も初めて知ったし拘置所生活も興味深かった。ノンフィクションということで重い内容であったが時間がかかったが読了した。他の作品も読んでみたい。

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    投稿日: 2012.09.24
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    国力は国内市場の強さからくる 外交官の交渉力は大きくそれに依存する 国内官僚がすべきは国力増強 官僚は議員とともに国策を進めていかねばならない 大きなことを成し遂げるには周りの助力が必要 外国のことを調べ、相手国に合わせたスタイルを作る必要がある

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    投稿日: 2012.09.01
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    一言で言うと「佐藤優」入門本である。 佐藤氏とはいったいどういう人なのか?というのがわかります。そこからさらに対ロシア外交についてしりたい場合は「国家の罪と罰」あるいは東郷和彦氏の「北方領土外交秘録」を、佐藤氏の獄中での出来事について興味がある場合は「獄中記」を読めばOK。 佐藤氏の本は読み始めるとググッと引き込まれるものが多く、また作品によってはそもそも著作中で触れられている内容(哲学、神学がらみの部分)が完全に理解できないこともあります(獄中記とか)。 しかしこの本はそういう難解な部分が無いので、どんな方でもスムーズに読めるでしょう。 とはいえ、この本を読めば、佐藤氏にハマるでしょうね。

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    投稿日: 2012.08.18
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    とにかく興味深い内容だった。 鈴木宗男の逮捕、ムネオハウスなどと世間を騒がせていた事件の背景、実査の検察とのやり取りなどとてもリアルに書いてある。事件当時の頃を思うと私は「鈴木宗男が随分と悪い事をやったらしい。政治家の汚職事件」という風に思ってたくらいだ。この本の途中にこんな事が書いてあった「日本の実質識字率は5%だ。・・・世論はワイドショーと吊り革広告で決まる」と。そういう意味では私も字が読めない一人だったわけだ。 当時の対露外交の実際、鈴木宗男をターゲットとして国策捜査が行われたかの考察などがとても面白い。小泉政権下、田中眞紀子が外務大臣として選ばれ、そして更迭されるあたりから現在の親米一本の外交に突き進んで行ってしまう。簡単に言うと田中眞紀子は父ゆずりの対中外交を重要視したが更迭によりそれは消える、同時に鈴木宗男の対露外交も消え、残るは対アメリカ。そして今をみれば韓国、中国、ロシアとの領土問題は解決するどころか後退している。ってことはいつまでたっても沖縄から米軍は引き上げないって事。アメリカの思惑通りだね。 鈴木宗男をターゲットとされた「国策捜査」は一つの「時代のけじめ」の象徴として行われる。それを佐藤氏は「国際協調的愛国主義」から「排外主義的ナショナリズム」への転換と分析する。排他的ナショナリズム、とは例えば「自国民・自民族の受けた痛みは強く感じいつまでも忘れないが、他国民・他民族に対して与えた痛みについてはあまり強く感じず、またすぐに忘れてしまう」という事。さらに「より過激な主張が正しい」という法則だとの事。今起きている、韓国、中国との領土問題への両国民の反応は「排外主義的ナショナリズム」そのもののような気がする。 佐藤氏を担当しつづけた検察官西村氏はこう言う「あなたも鈴木さんも政治犯だ。あなたや鈴木さんは2000年までの日露平和条約締結という目標のためにはどんな手段でも使っていいと考えた。もしそれが成功していれば、鈴木先生は英雄だったし、官邸入りし、あなたもおそらく鈴木さんと一緒に官邸に入っていただろう。・・・あなたが自分のことを省みずに国益のために一生懸命仕事をしてきたことはよくわかっている。しかしこれは国策捜査だ。あなたが憎くてやっているわけじゃないんだ。」 鈴木宗男はもう少しで北方領土の問題解決というところまでこぎ着けていたのだという事や、国民から無能扱いされてた森嘉朗などは随分とロシア外交では活躍していたのだとこの本で知った。領土問題解決が実現していたら、また今の日本とは随分違う状況になっていただろうとも思う。そして領土問題の解決が終わっていないという事は、実はまだ完全に戦争が終結したわけではないのだという事を感じた。

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    投稿日: 2012.08.16
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    国家の罠。 以前、著者が逮捕された事件が世間を騒がせていたのを何となく記憶にとどめている程度だったが、読んで見てなるほどと思った。何が正しいのか、正しくないのか、それは分からないが、なんだか内輪で揉めているだけのようで残念だ。どちらかというと、だれそれの意見や態度が豹変しただとか、だれそれが何を言った・言わないという所より、留置場に入ってからの検察とのやり取りや生活における話のほうが興味深かった。

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    投稿日: 2012.08.13
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    今とはなっては懐かしい小泉政権のときの鈴木宗男関連国策捜査で逮捕された佐藤優。田中真紀子外相「外務省は伏魔殿」なんてのも懐かしい。当時単行本で読んだが文庫版を再読した。逮捕の理由であるロシア関連の政治問題の部分と、国策捜査における検察・特捜の取り調べ部分、どちらも興味深い。今読むと、自分の知識が増えたので内容がよく分かり、以前より楽しめた。本書で国策捜査における特捜のやりすぎが指摘されているが、まさに昨今の証拠捏造などの特捜問題に繋がっているし、橋本・小渕・エリティン・プーチン時代の平和条約・北方領土問題は、今年のプーチンの大統領復帰に関連して再登場しそうだ。

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    投稿日: 2012.06.20
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    佐藤優という人は、何となくうさんくさいというイメージがあったが、印象がガラッと変わった。裁判の結論は知っているのに、ドキドキ感は最後まで持続した。官僚、外交官、検察官たちの裏側を暴露するネタであり貴重な本。ここまで書いて大丈夫なの?という感じ。彼も真面目に仕事をしただけなのに、ちょっとした運のツキで犯罪者となってしまった。我々国民は、溜飲をさげるだけの公務員批判をするだけで、有能な公務員の活躍する場を与えていないのではないだろうか?と反省させられた。彼のケースはまさに「国策捜査」だったろうとは思うが、その理屈付けについてだけは理屈つけすぎ感が否めず、やや理解できなかった。

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    投稿日: 2012.06.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2002年に起きた「鈴木宗男事件」。鈴木宗男氏の側近であり、一連の事件で逮捕・起訴された著者が、事件の真相、検察との攻防、「国策捜査」が行われた背景などをリアルに描いている。特に、著者と西村検事との間には、両者の立場が違うものの友情さえ感じられるような人間ドラマが展開されている。 国策捜査について、著者は「歴史的必然性がある」と述べている。日本が新自由主義、ナショナリズムの強化へと構造転換する上で、公平分配論者で国際協調主義者の鈴木宗男氏を断罪する必要があり、そのため氏が国策捜査の対象になったと分析している。そして、検察がそのシナリオを描くため、著者も逮捕されることとなった。しかし、著者はその逮捕を「運が悪かった」と割り切っているだけで、弁解を一切していない。時代の変化が自身の逮捕に繋がったと捉えている。当事者でありながら一連の事件を客観的に分析できているところに、著者の頭の良さを感じる。 先般の大阪地検の証拠改ざん事件などもあるため、著者、検察双方の言い分をどの程度信じて良いかは解らない。しかし、一人の外交官の見解として読む分にはおもしろい。

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    投稿日: 2012.06.03
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    鈴木宗男事件に関わった元外交官の独白録。 事実がありのままに書かれているが、そこには今の日本の抱える問題がこれでもかというぐらいに描かれている。司法制度、官僚制度なりマスコミが決して手を伸ばさない内部を理解する、というよりむしろ「体感する」に近い表現力で迫られて圧巻の作品だった。 北方領土、検察、この2つについてはもっと他の文献を読んで知識を深めたい。

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    投稿日: 2012.05.03
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    外交政策に関する部分が難しくて時間がかかったが、ようやく読み終わった。ここに書かれていることは本当なのだろうか。だとしたら、私たちは皆国家のメデア操作の罠に落ちていることになる。世の中に流れている情報をそのまま信じてはいけないのだとつくづく考えさせられた。検察が犯罪を捏造することがあるということは大阪特捜部が断罪されたことで広く世間に知れ渡ったが、これはそれ以前に書かれ、一般人は検察特捜部を疑ってかかることなど思いもよらない時。まさか、これほど世の中に受け入れられることになるとは著者も思わなかっただろう。

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    投稿日: 2012.04.15
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    『国家の罠』 読了後にすぐ読み返しました。そして、又、色々調べながらもう一度読み返しました。タイトルは、『国家の罠』ですが、「作家の罠」に完全に引き込まれました。国策捜査という得体の知れないものの輪郭が少し見えてきました。 国策捜査とは、 一義的には、政府や国民の意向を受け不正を糾弾するということ。ポピュリズムなのかもしれないということ。 二義的には、政府並びに時の権力者の意向のもと、本書の中での西村検事を借りていうならば「時代のけじめ」をつけるということ。パラダイム変換にともなう,象徴的な出来事を作るということ。 本書で非常に印象に残ることは、第5章の「再逮捕の日」の中での西村検事の「駐車違反といっしょなんですから『駐車場がないのがおかしい』などといった言い訳をしても無駄なんです。」という会話です。第4章、第5章で述べられている「可逆的違法性の観点」とも関連して考えさせられる点でした。これらのことをふまえると、人は誰でも立件され裁かれても不思議ではないということです。 しかし、第5章の「不可解だった突然の終焉」の中での西村検事の「目的のためには手段を選ばず、平気で法の線を越えるので僕はいわば法に対するテロリストとして、カネや出世を動機に連中よりア悪質だと自分に言い聞かせている。あなたたちは革命家なんだ。」ということば裁く意味として納得できるものでした。 本書の書かれた意義について、著者は『太平記』にならった橋本氏、小渕氏、森氏そして鈴木氏への鎮魂のためであると述べているが、外務省への「うらみ」、官僚機構への仕返しがあるのではと感じました。「矛盾」の明確化を目指したのではないでしょうか。

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    投稿日: 2012.03.29
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    新聞などで読む彼の文章にほぼ必ずのように出てくる「国益」という言葉に、以前からひっかかっていた。 「国益」という言葉には、他国との利害対立があるなかで、自国の利益をいかに守るかというような含意がある。ゼロサムゲーム的な状況の中で主に使われる言葉であろう。 しかしそうした「国益」という、自分たちの利益の確保というような観点とは別に、彼の書く文章には、より普遍的な価値の達成というような観点も同時に強調されているように感じる。「国益」という概念の中にさえ、国内におけるさまざまな利益集団ごとの利益(たとえば外務省という集団の省益、さらには省の中のアメリカ・スクール、ロシア・スクールといった派閥の利益、など)に対する、ノン・ゼロサムゲーム的な観点が常にこめられていて、そうした(ラッセル=ベイトソン的な意味での)論理的な階層性が常に意識されているように感じていた。 そして彼の頭の中では、おそらく国益の追求は単に集団内での協調だけを意味するのではなく、対立が新たな価値を生み出すという弁証法的な発想がある。まさにこの本で描かれる彼の拘留期間中に(アメリカの司法制度を「当たり前」に感じている感覚からすると、検察の主張を認めなければ保釈が認められることはまずない、という日本の司法の仕組みにはうんざりさせられるが、それはおいておいて)、彼が繰り返し読んでいたというヘーゲルの発想だ。 その弁証法的な新しい価値の追求が、この本の中でもっともはっきりあらわれているのは、彼と立ち向かう西村検事とのやりとりの中で、国策捜査の意味を探し出そうとする両者の奇妙な共同作業の過程である。西村検事が進めようとしている国策捜査は、少なくとも彼らの観点からすれば間違いなく一つの国益の追求であり、しかもそこには勝ちすぎても負けすぎてもいけないという微妙なバランスの追求でもある。こうしたバランスは、アメリカの司法においては、共通ルールにしたがった双方の必死なたたき合いによって生まれるものと仮定されているようだが、検察と裁判官・弁護士が、対立・葛藤とは違ったひとつの大きな相互依存的システムを作りあげている日本においては、そのシステム全体がそうしたバランスを作り上げる。 この著作の物語は、そうしたシステムが自分自身の犠牲を要求してくるときに、個人はどのように振る舞うべきなのかという一つのケースを提示しているように感じた。

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    投稿日: 2012.03.01
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    ロシア外交や北方領土政策に関わってきた著者による、「鈴木宗男事件」と国策捜査についての手記。 川上弘美の解説がとてもしっくりきた。まさに『鈴木宗男がすごく好きになってしまったかも』と思ったし、そして書いてあることを『うのみにしない』が大切だと思った。 政治的な駆け引きの裏側や、検察官とのやりとりなど、読物としてもおもしろくとても読み応えがある一冊。

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    投稿日: 2012.02.09
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    作者の外交官としての仕事から、当時の日本の外交戦略、鈴木宗男事件、収監生活が書かれている。 始めから終わりまで、後書きと解説含めて全て、読むべき箇所が満載の価値のある一冊だと思う。 「原理原則を忘れない」この事を忘れないようにする。

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    投稿日: 2012.02.07
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    一連の田中・鈴木騒動に関する報道ははっきり覚えているが著者のことは記憶になかった。私事ながら著者とは同じ時期・同じ大学で学んだ。猫の額のようなキャンパスゆえ、すれ違ったこともある筈と思いながら読み進める。当事者の著作ゆえ丸ごと鵜呑みにすることはできないが、非常に興味深く納得性のある内容であった。最後は何故か「カラマーゾフの兄弟」の法廷場面を思い出した。2030年には関連外交文書が公開される。はたして真相は何処に。何はともあれ、これからもフォローして行きたい書き手であることは間違いない。

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    投稿日: 2012.02.07
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    今や売れっ子作家となった佐藤優氏の最初の著書。 今更ながらという感じではあるが読んでみた。 もともと著者には関心があったがきちんと著書を読む機会がなく、シンガポールにいたときに某日系書店で一部立ち読みをしたことをきっかけに強い興味を持って読むようになった。 この著者は右から左まであらゆるジャンルの雑誌に連載を持っていて、その主張から政治的ポジションも単純ではないため、毀誉褒貶が激しいようだ。ただ、保守的だとか進歩的だとかというような単純な思想的枠組みで外交というものが成り立たないことは読んでいてわかる。そういうものを超越したところに外交があるのだと思う。 しかし一方で、取り調べについての記述で語られるが、ワイドショー的な議論で国策捜査が進められてしまう現実がある。特にネット上などでは好き嫌いで外交が語られてしまうことが多いが、その危険性は指摘してしすぎることはないだろう。 著者はこの国策捜査が「ケインズ型福祉国家」から「ハイエク型新自由主義」へと移行する「時代のけじめ」として行われたと指摘しているが、これを與那覇潤式に言えば(『中国化する日本』)「江戸」から「中国」へと日本社会が移行する「時代のけじめ」であるとも言える。為政者や官僚を延々道徳的に叩くのは儒教的とも言えるし。この著者が與那覇氏の枠組みをどのように評価するのか知りたい気がする。 ついでにもう一つ希望を言うと、これってTVドラマにしたら面白いと思う。こう思うのは一人だけじゃないだろう。

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    投稿日: 2012.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

     鈴木宗男氏が収監・仮釈放されたことで話題になっているかもしれないが、鈴木氏に関連して逮捕・起訴された外務省職員である著者が事件について語った本。その後、佐藤氏は、数々の著作をものにし、テレビのコメンテーターなどでも活躍している。  これまた流行の国策捜査という単語の意味を知りたいなら、ぜひこれを読んで見るとよいと思います。  自らにかけられた容疑とその裁判の記録にもかかわらず、ドロドロした部分がない。論理は明快で読後感はさわやか。不思議なものを読んだ気分だ。外務省主任分析官にして鈴木宗男衆議院議員の腰巾着。逮捕当時、そのような論調で報道された著者による自らの事件の分析記録が本書である。  「国策捜査」。本書のキーワードとして出てくるのがその言葉である。これは、国民が感じる社会に対する不満を解消するため悪役を作り出し、それを代理で裁くことによって、不満を感じる原因となっている社会構造の不備などを解消しようとする働き(政治的思惑も含まれるだろうが)のことである。  なぜ鈴木宗男氏と著者はこの「国策捜査」の対象にされたのか。それに対する著者の分析が興味深い。これには、日本社会および国民性の変化の兆しが関係しているという。一つは、日本の社会主義的な利益の平等配分から傾斜配分への移行。もう一つは、協調主義的外交からナショナリズム優先の外交への移行である。  この時代変化の潮目にいたのが、旧来の地域利益誘導型(正しい表現かは分からないが)の政治家であり、協調主義的なロシア外交を展開していた同氏だというのだ。そして、この2つの潮流は異なるベクトルを持っており、容易に両立しうるものではなく、いずれ揺り戻しが起こる可能性があると看破している。そして、実際にそれは起こりつつあるのではないだろうか。  ボクは本作を著者が登場する別の対談集で知った。そちらの対談集で感じる著者の印象は、自らの業績に酔いしれるエリートというもので、若干、鼻持ちならなく感じた。しかし、本作から感じる印象は、冷静な分析者のそれである。一体どちらが本当の姿なのだろうか。

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    投稿日: 2012.01.29
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    佐藤優さんの独特さはさておき、鈴木宗雄の絡んだ事件の裏側を知ることができた。 それと同時に、人間どん底に落ちた時にこそ信頼できる人間がだれか分かるのだと感じた。自分も親しい人に対しては、その人が世間で何を言われようとも理解者であろうと思った。

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    投稿日: 2012.01.05
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    「鈴木宗男事件」。その“断罪”の背後では、国家の大規模な路線転換が絶対矛盾を抱えながら進んでいた―。『国策捜査』とは歴史の転換点なんだ。という事がすごくよく分かりました。 筆者と検事との攻防も見所です。 先日この本を読み返していました。あまりの面白さにしばらくこの本に没頭してしまいました。この本を読むとなぜ堀江貴文が現在『別荘』の中にいる理由が少しだけ分かったような気がいたしました。内容は大きく分けて2つに分けられると思います。前半部は筆者が外交官として外務省に勤務し、鈴木宗男さんとともに北方領土を日本に返還されるために文字通り東奔西走していた時期。 後半に入る前に田中眞紀子さんとの一悶着を経て筆者が小菅の東京拘置所に収監され延べ512日間に及ぶ拘置、独房生活の末、第1審で下された判決は「懲役2年6カ月、執行猶予4年」。著者は即日控訴の手続きを取った。と言うまで。そして保釈後。と言う構成になっています。僕は前半部を読んで政治家としての鈴木宗男という人間が僕の中で変わっていくのを感じました。この記事を書いている現在、彼もまた『お勤め』の最中ですが、必ずまた表舞台に帰ってきていただけることを心から願っています。 僕がもっともこの本の中で引き込まれたのが拘置所の中で筆者と担当検察官である西村尚芳氏との息も詰まるような攻防の場面で、筆者をして『尊敬すべき敵』と言わしめるように、怒鳴ったり、ゆすったりしないで、あくまで誠実な態度で筆者に接し、なおかつ全人格、全存在をかけて筆者と『知恵比べ』の静かな戦いを繰り広げる姿にはサスペンス小説をワンシーンを見ているかのようでした。 詳しいことはここでは一切省きますが、それと同時に『検察官』と言う人間がどのような思考パターンを持っていて、なおかつ事件の組み立て方、そして、落としどころに持っていくまでのプロセス、と言うものがまことに詳細なまでにつづられていて、これを読んでいると、『国策操作』と言うもので個人が組織にかなわない、と言うことを知りつつ、検察に徹底的に最後まで争った堀江貴文氏が本来執行猶予付の判決になるにもかかわらず、ああして長い裁判を経て『お勤め』にはいるに至った経緯、もしくは裏の事情、と言うものが分かっただけでも、この本を読んだ価値がありました。 今後、僕らも『もしかすると』こういったものにかからない、とは限りませんので、もしそうなったときのため、そして純粋に国家と組織と個人。その関係を見つめる、と言う点でも、きっとこの本は役に立つと確信しております。

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    投稿日: 2011.12.26
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    良書。 一つ思ったのが、国策捜査を「時代のけじめ」としているが、この論で行くと、堀江氏の件では一体何にけじめをつけたのかな、と。

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    投稿日: 2011.12.09
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    専門的過ぎて、私の貧しき理解能力を越える点はあったけれど、メディアの怖さ、疑うことの大切さを感じさせる本だった。何も考えずに見ている新聞やニュース、その裏にある真実をすべて掴むことは出来ないけれど、流れてきた情報がすべて本当だと思ってはいけないと思わされた。 独房で怒り心頭でうんこを全身に塗りたくってやろうとまで考えるのに、翌日の朝食の焼きたてコッペパンやシチューが美味しくてご機嫌になって考えを改めるシーンで、急速に私も作者が好きになった。 今は理解仕切れないが、再度チャレンジして読めるようになりたい。

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    投稿日: 2011.12.02
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    嘘ではないだろうが、だからといって真実でもないだろう。 そのためそういった判断は保留、というか、特にする気もない。 興味としては獄中記ではあまり語られなかった事件の背景と、取り調べの詳細。それがある程度知ることができただけでもよかった。 取り調べは基本的に拘留期間の前半でほとんど終わってたのね。ずっとやってたような印象があったので意外。 とまあ、そんなカンジに読んでたんだけど最後らへんのエピソードで持っていかれる。母親が面会に来たと告げられ、「おふくろ。すぐに行きます」とうれしそうに小走りで面会場へと向かっていく確定死刑囚のエピソードで。しばし悲劇について考える。構造と有責性、というか自業自得性。

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    投稿日: 2011.11.19