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エトロフ発緊急電(新潮文庫)
エトロフ発緊急電(新潮文庫)
佐々木譲/新潮社
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総合評価

73件)
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    プロローグ 時は、1941年冬 鈍色の空が低く垂れ込み、海は重たい鉄板のようにうねっている 流氷の破片が軋む音が島全体のうめき声のように響く 遠く、霧の向こうでカモメが嘶く その鳴き声は、希望ではなく恐らく警告か!? コントラストの強い影と光が交錯しこの島は今日も 黙ってそこにいる そう、その島とは択捉島に他ならない!!! 今、不穏な物語が始まろうとしている、、、 本書 『エトロフ発緊急電』1989年刊行圧巻の★5 おびさんの本棚から おびさんのレビューでビビビッときた!!! 最初の頁を捲る はしがき〜プロローグで物語は始まるがその時点で ノックアウトだ 740頁にも及ぶ濃密且つ総重量も相当だが どの章も面白過ぎて箸休めや息継ぎが出来ない 良い意味でアップアップしながら物語は終結へと 一気に向かっていく 本作は、真珠湾攻撃が主ではない そこに至るまでの過程や駆け引きが主だ また、日本が犯した数々の罪も赤裸々に描いている そして、各国の思惑や思想は前提にあるものの 最終的にそこにあるものは、個だ! 人間が決してあがらう事が出来ない、血や本能、 そして愛という感情の前には誰もが平伏すのである 作中に何度も登場する“アメイジング・グレイス”に なぞらえた、魂の歌、人間讃歌に他ならない 日本冒険小説協会大賞 日本推理作家協会賞 そして山本周五郎賞の納得の3冠である!!! エピローグ 荒れた岬の先、朽ちかけた監視塔が一本、空に向かって突き刺さる 錆びた鉄骨は赤黒く、過去の緊張と血の気配を今も孕んでいるかのようだ 足元の苔は濃く、湿った土と混じり合い、踏みしめるたびに鈍い音を立てる ここでは一歩一歩が、生きている証明であり、同時に島への挑戦でもある ただ、冷たい風と荒波、そして重苦しい静寂で、訪れる者の覚悟を試す この島で邂逅した登場人物たちは、何を思い 何を護って生きてきたのか そして、何を糧に生きていくのか その答えは、我々読者に委ねられているのかもしれない                      完

    55
    投稿日: 2026.01.21
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    1990年第8回 日本冒険小説協会大賞 1990年第43回 日本推理作家協会賞(長編部門)1990年第3回 山本周五郎賞 『ベルリン飛行指令』 『ストックホルムの密使』 と共に佐々木譲の戦争三部作の1作 そして、今日は真珠湾攻撃のその日。 本書冒頭の「はしがき」にも 〈1941年12月7日、オアフ島真珠湾の米国海軍太平洋艦隊基地が奇襲された〉 と始まり、歴史上の重大な瞬間へと読者を引き込んでいきます。 ストーリーの基軸は、真珠湾攻撃の情報がアメリカ側の日系人スパイによって事前に察知されていたのか、そして第二次世界大戦中の諜報活動とはどのように行われていたのか、という点にあります。 読み進めるうちに、私は自分が「北方」を何も知らなかったことに驚きます。千島列島には、クリル人と呼ばれたアイヌ民族が生活しており、隣国ロシアとの混血も存在していた。酷寒の自然と厳しい環境の中で営まれる暮らしがあったのです。 そして当時の日本は、他国との開戦以前から、この地に対し厳しい支配と侵略を強いていたのだと、改めて思い知ります。 第二次世界大戦下のインテリジェンス小説として読めるのでは、と期待していました。けれど実際に描かれていたのは、訓練されたスパイの鮮やかな諜報戦というより、日本を恨み、複雑な出生を背負った男の力ずくの潜入劇。エトロフを目指すその道のりには、荒々しさと生々しい人間味が濃く漂っています。 私の中にあるスパイ像の柳広司『ジョーカー・ゲーム』のような知略に満ちた冷静さ――とはかなり異なったアプローチでした。 真珠湾へ向かう艦隊が、単冠湾にひそかに集結していた――その情報を送る緊急電。この場面は歴史のリアリティを感じさせるものの、カバーに描かれた繊細な空母の姿とは裏腹に、「この物語の軸はどこにあるのか?」と、後半になるほど揺らぎが生じてしまい、大作でありながら掴みきれない印象が残ります。 とはいえ、開戦前の日本の緊張感や 北方の地元民の様子等、読みどころは この長編の中に幾つもあります。 私がもっとインテリジェンスの奥行きを読むつもりだったんですね、きっと。

    110
    投稿日: 2025.12.08
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    最初読んだのいつだったっけ。全く憶えていない。 結局今年読んだ本の中でこれが一番面白かった。 P608、海霧の中から連合艦隊が現れるところは印象的。 実際見たかった。

    0
    投稿日: 2025.12.03
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    太平洋戦争目前のスパイ戦と択捉島単冠湾が 舞台。歴史的事実に、もしこんな物語があったら というドキドキしながら入り込める作品。

    0
    投稿日: 2025.07.28
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    「エトロフ発緊急電」(佐々木譲) 太平洋戦争の時の日米開戦の真珠湾攻撃前夜の話しでした。今の北方四島の択捉島に帝国海軍が秘密裡に集結してから奇襲攻撃を仕掛けた事は知りませんでした。史実に基づきその前夜の日米の緊迫した情報戦が筋立てですが、登場人物の全てが国家の単純なイデオロギーでは測れない奥行きを持っていて、その背景はまだ私には未消化です。冒険小説やスパイ小説というジャンルに収め切れない重厚な本に出会った気がします。

    10
    投稿日: 2025.06.29
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    めちゃ面白い冒険小説。よくあるプロットを戦争というフィルターを通すことで奥行きが増している。陰のある孤独なヒーローとうら若き女性の報われぬ恋、孤立無援の状況などハードボイルドの基本を忠実になぞっているので一見難しそうにみえてサクサク読める。また脇役も魅力があり細部まで丁寧なのが好感触。前作との繋がりがみえつつ全く新しい戦争スパイ小説として(しかもアメリカ目線)一級品であることは間違いない。特に斎藤が択捉島へ逃げていく所は良い。追う側と追われる側の描写の迫力でグイグイ入ってくる。

    8
    投稿日: 2024.02.21
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    太平洋戦争開戦を巡る諜報活動の話。択捉島の取材なんてできなかったと思うが、リアルな描写に引き込まれる。佐々木譲さんの主人公は皆すごい能力を持っているのに恵まれない境遇で何処か諦念感漂う人が多い。 NHKドラマの「エトロフ遥かなり」見たいな…

    2
    投稿日: 2023.12.15
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    真珠湾攻撃と言う事で読了。佐々木譲さんの戦争三部作です。真珠湾攻撃の情報を掴む為、スパイとして採用されたケニー斎藤。 アメリカ、東京、広島、択捉島、、、と場面が転換して行く中で日系アメリカ人のケニー、混血のロシア人、タコからの脱出者、宣教師、クリル人、憲兵達が複雑に絡んで行きます。 中盤(北海道位まで)のスリリングさが終盤でややトーンダウンしてしまった印象を持ったのが少し残念だったかな。ベルリン飛行指令が良かった分期待値が上がり過ぎていたかも。

    5
    投稿日: 2023.12.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    それぞれ別個の人物を軸に幾つもの話題が展開されていたが、後半に向かって収束していき、択捉で全ての顛末を迎える。この全体の流れ、とても好き 国全体の流れとしては知っている出来事でも、それを個々人の視点で述べるという試みはやはり新鮮で好き。人間味のある行動の一つ一つ 何より人生をかけてこれだけの行動を成したにもかかわらず、還元されることなく無に帰したというのも無情、現実は小説よりも奇 エピローグ、少し助長ではという印象もあり、むしろプロローグとして書いても収まりは良さそう

    0
    投稿日: 2022.11.08
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    前回の読書会でお借りした本、その3。 北辰軍盗録と迷っていたらどっちも面白いから、とおススメされたので。 うん、どっちも面白かった! 特にこちらはめちゃくちゃ面白かった! メインの時間軸としては、日米本格開戦の直前、真珠湾攻撃の作戦立案から決行までなのかな。 最初はさまざまな場所、たくさんの登場人物がそれぞれにばらばらに動いているのからはじまり、その個々の事象が、大きく広がった風呂敷がだんだん畳まれていくようにだんだんと集約されていく様が圧巻。 スパイ小説は読んだことがなかったけど、ここらへんは極上のエンタメ小説な感じがしてめちゃくちゃ面白かったな、 追いかけられて追い詰められる夢をみてしまうくらい物語にのめり込んだ。 それと同時に、史実とフィクションの境目がわからないなぁと思えば思うほど、だからこそなのか、登場人物に共感してハラハラしたり、興奮したり、憤ったり、悲しくなったりしながらも、感情に流されずに歴史的事実は事実としてしっかり認識しておくべき、詳しく知っておくべきだろうなと冷静になったりもしたので、感情の振れ幅が大きくて忙しかった。 かなりの長編だけど、まったく飽きさせないし、エピローグまで小説としてすごく美しく纏まっていると思う。 そして読後にもう一度著者のはしがきを読むとさらにいろいろと考えさせられる。 内容はとてもハードだけどとても充実感のある読書になった。

    2
    投稿日: 2022.11.05
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    3.8的3です。 真珠湾攻撃開戦前夜という時代です。日系二世のスパイとロシア人が父の私生児のゆきの、悲しい物語でした。

    0
    投稿日: 2022.10.27
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    第二次大戦秘話三部作の2作目。 最初は本当に多くの登場人物が出てくるし、場所も東京、択捉島、アメリカと様々なので、どこで、どのようにすべてが繋がって関係してくるのかが分からないため、読むスピードが遅くなりがちなのですが、だんだんと関係性が見えてくると、スパイ活動を中心に描いているので面白くなっていきました。 日本の情報をつかむためにアメリカから潜入する主人公ですが、様々な危険を潜り抜けながら逃げ回ったりするので、ハラハラ、ドキドキする場面がある一方で、日本の南京大虐殺の描写もあり、現在もまだ戦争を続けている国のニュースのことを思い出し、余計に戦争のむごさを感じました。 この時代の愛国心、マイノリティ、そして人権とは戸言うことを考えさせられました。 最後に、択捉島の場面で出てくる北千島にいたとされるアイヌ人、クリル人という民族がいたことを知れました。今では彼らの文化も言語も残っていないそうです。日本が強制的に彼らの住んでいた地域を奪ったという歴史があることも知り、もっと第二次世界大戦前後の日本についてまだまだ勉強不足だな感じました。 *日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞

    6
    投稿日: 2022.10.09
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    ずーっと前(25年くらい前かな?)、NHKのドラマで見てから、ずっと原作を読みたいと思っていた。  昭和16年の日米開戦前夜の話。  1月、連合艦隊司令長官 山本五十六は、ある大胆な作戦を立てる。それは、もし日米開戦が避けられないことだとしたら、開戦初日に米国太平洋艦隊をハワイで撃滅するしか方法はないということであった。この決意を海軍大臣に対して手紙に書き、信頼出来る部下に手渡しさせる。そこから、秘密裏にハワイ奇襲攻撃の作戦は進めていたはずだった。  しかし、秘密は微かな穴から漏れる。東京のある教会のアメリカ人宣教師の元へある日本人から「日本はハワイを奇襲攻撃するつもりだ。」という情報が伝えられる。愛国心によりアメリカとの戦争をどうしても避けたかったその日本人は、その宣教師が実はアメリカ軍のスパイであることを知っており、アメリカ海軍極東課の情報士官テイラー中佐とも知り合いだった。  日本のハワイ奇襲攻撃作戦について複数のところから情報を得た、テイラー中佐は、ケニー・サイトウという日系アメリカ人に白羽の矢を立て、日本にスパイとして送り込む。サイトウはアメリカでは差別されて育ち、スペインで義勇兵として戦い、その後、殺し屋となっていた、アメリカにも日本にも帰属意識の無いアナキストだった。サイトウは日本語、日本海軍の艦船の見方、武闘、暗号解読などの訓練を受け、偽のパスポートを用意され、日本に送りこまれた。  日本でのサイトウのスパイ活動を助けたのは、先に登場したアメリカ人宣教師(彼は、南京大虐殺で中国人の婚約者を日本軍に虐殺され、日本に恨みを持っていた)、それから「日本に全てを奪われた」という在日朝鮮人だった。アメリカ人宣教師スレイセンは、親しくなった日本海軍の技術者を騙して、暗号通信機を作らせ、サイトウに渡す。  サイトウは海軍の要人の家に忍び込み、ある重要な海図を目にする。何処かの島の何処かの湾。日本地図を端から端まで目を凝らして見ると、それが千島列島の中の択捉島の単冠湾(ひとかっぷわん)だと分かった。  ハワイ奇襲攻撃のために日本艦隊が集結するのが択捉島の単冠湾だと分かり、スレイセンの情報からも大体の時期が分かったサイトウは択捉島に向けて、暗号通信機を持って出発する。その頃、サイトウがアメリカのスパイだと察した日本の憲兵は追いかける。  サイトウは追っ手を避けるため、わざと直通の汽車を使わなかったり、途中でヒッチハイクをしたり、家族連れのふりをしたり、最終的には舟を盗んだり(その過程で殺人を犯したり)して、足跡を残さずに単冠湾に到着する。一方、追いかける憲兵のほうは、サイトウの行き先も目的もはっきり分からず、偽装にも気付かないので、てんやわんやである。  サイトウは択捉島では、駅逓(馬を交換する所)の美しい女主人ユキとその使用人、宣造の好意を受け、正体を隠して匿われる。ユキはロシア人との混血児で私生児、宣造はクリル人。どちらも差別されているので、サイトウとは通じる所がある。  ある日、単冠湾に日本海軍の艦船が何隻も集結しているのを見た日から、サイトウは冬は稼働していない鯨の加工工場の発電機を利用して、暗号通信機を動かし、アメリカに暗号を送り続ける。そして、四日後、いよいよ出撃の様子。そのことを打電しようとした時、ようやく憲兵もサイトウに追いつき……。  結局、アメリカ側は日本の真珠湾攻撃に関する複数の警告を無視し、奇襲攻撃は成功した。  日米開戦の前、米国海軍情報部が日本国内に複数の協力者からなる諜報網を作り上げていたこと、「フォックス」のコードネーム(この小説でのサイトウのコードネーム)により、択捉島単冠湾から11月26日まで日本海軍機動部隊の出撃を報告する暗号電があったことは史実であったらしい。  国という大きな組織が戦争に向かって動いてしまっているときに、愛国者とは言えないアウトサイダーのような人達が、その大きな流れを変えるかもしれない活動を陰で、日本の端っこで行っていたということが興味深く、ハラハラすることだった。それが善であったか悪であったかは、その当事者にも今の私達にも言えないのであるが。   サイトウの持つハードボイルドな雰囲気にうっとり。テレビドラマでのサイトウ役の俳優さん、かっこよかったんだけどなあ。今は全然見ないな。

    21
    投稿日: 2021.06.13
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    国際謀略小説のなかで、日本人が残した逸品。 太平洋戦争の始まりに踏み込んだ作品。めのつけどころがさすがと。佐々木譲にはまることになったきっかけになりました。

    8
    投稿日: 2021.03.28
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    佐々木譲「エトロフ発緊急電」読了。「ベルリン飛行指令」に引き続く3部作の第2弾。スペインにて義勇兵、帰国後殺し屋の過去を持つ米国籍日系二世が、単身東京にスパイ潜入。そして‥ 択捉単冠に集結する日本艦隊機動部隊の出撃を目撃したのは1941/11/26で御座った!#読了 #エトロフ発緊急電 #佐々木譲

    0
    投稿日: 2021.03.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2021.2.22 読了  前半の伏線を回収しながら中盤から後半の息をもつかせぬサスペンスがいい。結果はわかっていてもハラハラする。登場人物に国籍や民族の多様性を盛り込んでいることでリアリティを引き寄せている。

    0
    投稿日: 2021.02.22
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    大戦三部作の二作目です。 1941年12月8日の、日本海軍機動部隊による真珠湾攻撃が題材になっています。 奇襲の情報をいかにして入手するか。 アメリカ合衆国の日系人スパイ、ケニー・サイトウは日本に潜入し、日本海軍の情報を探ります。 最後は択捉島に渡り、諜報合戦が繰り広げられます。 物語としてはスリルもあり、とても面白いのですが、かなり歴史的事実の誤認があります。 自虐史観に基づいた小説です。 まったくのフィクションとして読むのでしたら良いのですが。 小説としては良いのですが、歪曲された史実を使うのは、残念です。

    0
    投稿日: 2019.12.06
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    【256冊目】バーのママに「佐々木譲先生の作品で一番おもしろい」と勧められて読んだ本。山本周五郎賞とってるのね。知らなかった。真珠湾攻撃に択捉島が関わっているとは知らなかったけど、それよりも佐々木先生の物語構成力と人間像の描き方に注目が行く。スペインと函館から始まった物語は、ニューヨーク、ハワイ、東京、そして択捉島へとダイナミックに場を移しながら展開していく。複数の人物を並行して描きながらも、物語の筋を読み失うことがない。良い意味できちんとまとまっている。こういうのが文章力というか、小説家の力なんだなぁと痛感。 それと、前半で出てくるセックスと後半で出てくるセックスの対比が良い。詳細に描いているわけではないけど、主人公の獰猛さから愛情への変遷を印象づける上手い小道具として使っている。

    1
    投稿日: 2019.09.08
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     太平洋戦争開戦前の日本、アメリカ、択捉島を舞台に繰り広げられるスパイ小説。真珠湾攻撃に関する諜報活動を取り扱っている。実際の歴史の結末の制限がある中で、ドキドキとするようなスパイものを描いている。最初は登場人物も舞台もあちこちに飛ぶことにちょっと戸惑ったが、だんだんと話の筋が見えてくる。登場人物も様々な背景を抱え、さらにまさに戦争が始まろうとする時代には民族の国籍の違いによる差別や弾圧も受けながら、それぞれに生きていこうとする姿が描かれている。映画に知れたらいいのにと思ったが、調べてみるとNHKでドラマ化はされたらしい。

    3
    投稿日: 2019.07.16
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    人物造形の巧みさ、当時ならではの雰囲気。追う者・追われる者を描いたパートは緊迫感が溢れ本当に興味深い。 そして、結末における日系人スパイ・サイトウの心情たるや、必読。

    0
    投稿日: 2019.06.10
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    佐々木譲の売れなかった傑作群の一つ。ドラマ(確か沢口靖子と阿部寛)で見て気になっていた本だった。 ううむ、重いよね。時代も背景も、そして内容も。考えさせられる一冊。 そして、ゆきという女性の凛とした生き様に心揺すぶられる。

    0
    投稿日: 2018.10.14
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    まず、凄い長編だった。佐々木さんの本は警察小説しか読んだことがなく、ストーリーの重厚さ故背景の説明が長くなってしまうのは仕方がないのだが…。 主人公がヒロインと出会うのが遅すぎた感は否めない。勿論、テーマはそこではないのは承知している。日本人の一人として過去の過ちを忘れてはならないという思いを新たにした。

    2
    投稿日: 2017.09.21
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    職場の人に勧められて読んだ。 戦争がもたらす社会や人の感情や行動が描かれていて、改めて戦争は恐ろしいものだと感じた。 小説としては、スパイが択捉島に着くまでの追いかけっこのところがおもしろかった。

    0
    投稿日: 2017.07.31
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    悲劇の島「択捉島」。太平洋戦争の開戦のキーポイントとなり、戦後はソ連の実効支配化となる。緊急電はいまだに鳴りやんでいない。

    1
    投稿日: 2017.02.26
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    史実かどうかとかは途中からどうでもよくなります。 斎藤が日本に入ってから一気に面白くなるので、厚いけど一気読み ラストは少しあっけなかったのが残念… 三部作の二作目らしいですが、これだけでも楽しめました。

    0
    投稿日: 2016.10.03
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     こちら「面白いおすすめ本」として記憶にあって、やっと読むことができた。すすめていたのが雑誌なのか小説のあとがきだったのかは不明。『エトロフ発緊急電』は太平洋戦争三部作の2冊目、他に『ベルリン飛行指令』『ストックホルムの密使』がある。この2冊もぜひ読んでみたいものだ。ところで『エトロフ発緊急電』は吉村昭著『大本営が震えた日』(新潮社 1968年)の日本軍が真珠湾攻撃に際し、敵軍の発見を恐れ北上海路を取った経緯が細かく小説になっているが・・・1989年新潮社発行された本書はこの本を参考にしているのだろうか、ちょっと気になる。

    1
    投稿日: 2016.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    択捉島に着くまでの描写が長く、択捉にたどり着いた時点で、もう残りわずか。 なので、緊急電を発する場面はさらりと流れたようにも思う。 日系人・混血児・朝鮮人・クリル人、いわゆるアウトサイダーの人々がどのように考え生きてきたのか。 そこは丁寧に描かれていた。

    0
    投稿日: 2016.06.30
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    自分でもどうかとは思うけれど、読み始めてようやく題名のエトロフと択捉島がつながった。島の地名が北海道ととても似通っていて懐かしく、ああ同じ国だったのだな、と初めて実感できた気がする。国という枠組みは本当は流動的なもので、帰属意識を感じられない登場人物たちは、国のためというよりは出会った人のために動き、だからこそ共感できる。ずっと読みたかった名作に満足。山本周五郎賞キャンペーン。

    1
    投稿日: 2016.04.04
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    山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説大賞を受賞した現代の名編。期待にたがわず面白い。以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou4204.html

    0
    投稿日: 2015.02.28
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    本の厚さに躊躇していた一冊。流石に600頁は時間がかかったが、ぐいぐい引き込まれる作品。 登場人物の背景が、それぞれ色々な意味で考えさせられる。 人種・差別・帝国主義、こういうスパイスが真珠湾攻撃というメインに絡んでくるところは素晴らしい。

    0
    投稿日: 2015.01.21
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    戦争時代辺りの択捉島のことが知りたくて手に取った本。史実に絡めてあったこともあって読むのが楽しかった。個人的には別にロマンスはなくても良かったかなーと思ったけど、それがなければ択捉島の生活も書かれないわけで。スパイ戦は話を追うのが大変だけど、これくらいならまだ平気。

    0
    投稿日: 2014.08.12
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    山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。 海軍が1941年12月8日の真珠湾攻撃するとの情報のために、命がけで択捉島へ渡る日系人スパイ、ケニー・サイトウ。彼が北の小島で見たものは、、、 話の脇の軍の蛮行が胸にささる。 からの諜報戦。行き着くまで裏をかき続け、ハラハラ、スピード感! (反面、磯田軍曹の徒労感たるや、、、果てのまさかの封鎖⁉︎心底気の毒になった。) 人種差別、貧困、嘘、すべて受け入れてそして恋も。 結末は何通りか描けたが、やっぱりこうなってしまったか。なんだったの、なんのためにケニーは。お偉いさんの頭の中はどうなっているのか。 エピローグに希望が見えた。戦争が終わっても苦難はあるだろうけど、幸せになってくれてると信じたい。 いい本にあえました。

    0
    投稿日: 2014.08.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

     昔勧められた小説。表紙と厚さから敬遠していたけどやっと読了。  真珠湾攻撃の裏側を描いた作品で、史実にフィクションが混ざっている。太平洋戦争について詳しくないが、人物の描写は凄いと思った。当時人々がどのような生活をしてどのような価値観を持っていたのかが窺えた。最後、暗号は発信されたのになぜ黙殺されたのかという謎。現実でも分かっていないが、作中の中での納得のいく答えが見たかった。

    0
    投稿日: 2014.06.12
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    1940年。 第二次大戦シリーズ。 日米混血の斉藤は、スペイン内乱(よく知らないの)でココロ折れて、アメリカで殺し屋生活。スカウトされ、アメリカのスパイとして、択捉島へ。 一方、択捉島へ帰ってきたゆき。彼女は日露混血。男を追いかけて本土へ行き、囲われ生活を経て、水商売してたが、叔父がなくなったので択捉島へ。 残り1/3くらいで二人は出会い、お決まりの。 日本では、択捉島の緊急伝が届かなかったから、真珠湾奇襲に成功したのだと、思われたが、アメリカは、知ってて見過ごしたみたいね。 てか、真珠湾奇襲は、択捉島からだったんだねー。 エピローグは戦後2年後の昭和22年。 択捉島から、本土へ向かうゆき。男の子といっしょに。 個人的には生んでないから、こういうのは心にしみるファンタジー。  あと1冊だけど、寄り道。

    0
    投稿日: 2014.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日米開戦まで時間の問題という時、日系アメリカ人・サイトウは米国海軍情報部のスパイとして日本に潜入。 彼が目にしたものはエトロフ島に集結した日本海軍の大艦隊だった。 宿の女主人・ゆきが死んだサイトウの子供を身ごもっていた、という話はありがちだが面白かった。 前作ベルリン~のキャラクターのその後にも触れられていて良い。 本作の中でいちばん頑張ったのは磯田だと思う。

    0
    投稿日: 2014.01.13
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    この作者、警察物よりこっち系のがイイのかなぁ。周知の事実をどお結ぶのかと思ったが、ナルホドって感じ。

    0
    投稿日: 2013.11.19
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    警察小説で直木賞を取った佐々木譲氏の第二次世界大戦中の日本を舞台にしたサスペンス3部作の2作目を読んだ。一作目は零戦をドイツに売り込む為に零戦をアジア、中東経由でドイツまで飛ばすという荒唐無稽なお話だったが、2作目はハワイ奇襲の動きを探ろうとする日系アメリカ人が命をかけて艦隊の動きを探り報告する様を描いた物でこれまた作り話ではあるが、こんな事はもしかした本当にあったかもと思わせるような素晴らしい物語になっている。刑事物もよいのだが、またこのような作品を書いてほしいなあ。

    0
    投稿日: 2013.11.05
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    主人公・賢一郎の「この世界は、おれが真面目に怒らなくちゃならないほどの価値はない」 朝鮮から強制連行された金森の「わたしはこの国が一面焼け野原となるところを見たい。この国の連中が上から下まで餓えて路頭に迷い、わずかな食物を争って殺し合うところを見たいんです。」 戦争という時代に翻弄され、国を、血を追われながらも生きていく中に今の時代にない虚無感を感じました。 アメリカ、スペイン、中国、日本など大きく動きながらも、択捉島までよく、まとめられるなぁ~ 2013.09.30

    0
    投稿日: 2013.09.29
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    休みで、昨日は雨模様だったので一気に読んでしまった。 読み終わったのは朝の2時半くらい。 600ページ超の文庫本でこんなペースか。 前回作『ベルリン飛行指令』、今回の『エトロフ発緊急電』 共通するテーマは何か考えてみた。 両作品に登場する、山脇順三海軍省書記官、大貫誠志郎中佐、安藤真理子。 重慶無差別爆撃、南京大虐殺、ゲルニカ。 阿鼻叫喚の地獄絵図。 今回の舞台は、スペイン、ニューヨーク、サンディエゴ、東京、択捉島。 特に択捉島の描写、地理、天候、自然、基地風景、時代、歴史。 これをどうやって整理して物語を作るんだろうね。 何か創作技術みたいなものがあるのだろうか。 この600ページに及ぶ文章の何が15時間くらい連続で。 読んでみたいという衝動を引き起こすことが出来るのか。 一気に読んでみた今、単純にそれを知りたい。 文庫本の最後の解説で気になる文章があった。 この作品が出た直後にはケン・フォレットの『針の眼』との共通点を 指摘する声がしきりに聞こえた。 たしかに『針の眼』と本書とでは、物語の構造に共通する因子が少なくない。 今度ちょっと読んでみるか。 でも次回作は『ストックホルムの密使』か。 また共通の登場人物がいるのか。 何にしても読書好きの中年オヤジに一気読みさせた作品ということ。

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    投稿日: 2013.09.04
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    「第二次大戦三部作」 読み出しは???と感じたが 読み進めるうちにどんどん引き込まれてしまった。 戦争、植民地支配、、お国のためにこの命まで。。 平和であることがありがたい!

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    投稿日: 2013.08.07
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    ついに日米開戦にまで時は進んでゆく。 前作の登場人物ももちろん健在だ。 真珠湾攻撃までを米国の諜報網は追い続けてゆく。 択捉島の単冠湾に集結する艦隊の描写は、 想像力をとてつもなく、駆り立てる。 終盤の展開はとてもスリリングだ。

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    投稿日: 2013.04.14
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    日系アメリカ人の主人公が、日米開戦の直前の日本にスパイとして送り込まれる話。面白かった!特に後半、日本軍が斉藤の存在に気付いてからの展開はとても読み応えがある。さすが評価の高い作品だと納得。

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    投稿日: 2012.12.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    哀しい話、と言うのが読後の印象。血筋や時代に翻弄される、主人公を含む多くの登場人物の姿が、自分にはどうにも切なく映って仕方ありませんでした。 実際、そのうち何名かは悲劇的な結末を迎えますし、生き残った何名かも、大戦開始後の混乱が待っているかと思うと、重苦しい気分になってしまいます。 スパイ小説、冒険小説としては、めまぐるしく変化するスピーディな展開でとても楽しめました。特に主人公が青森から函館、そして目的地へと検問をかいくぐりながら進む場面はスリリングで非常にアツい。 それでも、やはり登場人物たちが纏う重苦しい雰囲気、生い立ち、そして結末のためか、読了した後は深いため息をついてしまいました。良作かと思いますが、重苦しい何かが胸に残る感があることは否めません。個々の人物に着目せず、大局的な視点で読むことが出来れば、印象はだいぶ変わるかもしれませんが…

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    投稿日: 2012.10.09
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    既に数冊読んだ佐々木譲作品の中で、この作品が最もその余韻の心地よさという点で秀逸だったように思う。良質の映画を観終わった時にすぐに座席を立つのが惜しいような気がしてエンドロールを感慨深く見続ける。この作品の読後感はそんな感じに似ているような気がしてならない。

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    投稿日: 2012.04.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    太平洋戦争3部作の第2弾。 順序を違えて、本作を最初に読んでしまったが、不服は無し。 哀しい男と哀しい女の物語ともとれる。 結末は・・・正直言うと不満ではあるが、主人公たちの人生や激動の時代を描いた、筆者の筆力に脱帽。結構な長編であるが、一気に読まされてしまった。 2010年頃.読了。 2012.02.28.書。

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    投稿日: 2012.02.28
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    お客様からの借り本 。 なかなか読めず苦戦。読まずに返そうかとも思ってるが太平洋戦争も絡んでるお話なので興味あり。 でも厚いなあ…(悩) 2012.1

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    投稿日: 2012.01.18
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    真珠湾攻撃に至るまでの日本軍部、米諜報部と択捉を舞台に描かれた人間ドラマ。人物背景の描写と息詰まる展開が見事、択捉に連合艦隊が集結するとこはゾクッとする。ゆきとケニーの切ない関係もたまらない。NHKさん、このドラマDVDにしてくれ。

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    投稿日: 2011.12.11
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    各登場人物の背景を丁寧に描いているところが、評価されているポイントの一つだと思うが、ストーリーを追いたがりな私には、まどろっこしく感じてしまった。 また、創作キャラクターの描写に力を入れた結果、前作にあったノンフィクションっぽさが消えてしまったのも残念でした。 ただ、自分の趣味にちょっと合わなかったとはいえ、太平洋戦争前夜の日本を舞台にした優れた冒険小説であるとは思う。

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    投稿日: 2011.11.30
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    太平洋戦争を時代背景としているが、決して歴史小説ではなく、人間の生き様が佐々木譲らしく描かれている。ただ、この時代について、著者がどのように認識し、戦争や、当時の軍国主義に強い拒否反応を持っていることも感じられる。

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    投稿日: 2011.11.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佐々木譲『諜報3部作』中の最高傑作だろう。スペイン内戦で人間の醜い内面を垣間見て絶望した日系アメリカ人のケニー斉藤が米軍のエージェントとして帝国海軍の情勢を探るため北方領土に潜入。そこでロシア人とのハーフとして生まれ、奔放に生きてきた岡谷ゆきと邂逅する。寄る辺ない人生を送ってきた二人が交錯し、日米開戦前の緊迫した状況が拍車をかけ、物語は悲劇的ラストへと疾走する。不条理というのは実存哲学の専売特許なのだが、普通に暮らす僕らもやるせない気分になったり、疎外感を覚える。だから、アウトサイダーへの共感は強くなる。また、ケニー斉藤を追跡する憲兵隊の磯田曹長の実直な態度を描くことで、労働階級の日本人の美質としての勤勉さにも賛意を送っているように見える。佐々木譲の屈折が抒情的に結実した珠玉の名作。

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    投稿日: 2011.11.19
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    主人公たちの設定はありがちなもので、内容も想像通りのひねりもあまりないものだが、引き込まれるのは文章力によるものか。ドラマや映画しやすい作品だと思う(実際一度ドラマ化されているし)

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    投稿日: 2011.11.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    10年以上前の読了。 3部作の中でも最も哀切漂う作品、ケニー斉藤の孤独、岡谷ゆきの孤独、惹かれあう二人…この先は辛い、泣ける。 例によって史実が微妙に影響してるところは取材と筆力の賜物、いろんな賞を受賞してるのも納得。

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    投稿日: 2011.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    真珠湾攻撃が始まるまでの、日米の探り合いを描く。ほぼ史実だというが、やはり書き手の力によって何倍も面白くなる。 米からスパイとして送り込まれた日系人賢一郎は、キリスト教会の神父スレイセンの助けを借りながら、エトロフが怪しいことを突き止める。が、エトロフに侵入したところで、駅逓を営むユキに恋してしまう。逃げようと目論むが、最後は本土からの追手に殺されてしまう。 追いつ追われつの臨場感と、「皆帰属意識がない」とズバリついた解説にハッとした。

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    投稿日: 2011.10.16
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    たしかに舞台設定や登場人物造形は秀逸である。 でも前作もそうなんだけど、この人、クライマックスが書けないんだ。 さんざん引っ張っておいて、なんでラストが盛り上がらないんだろう。 はっきり言えば、エンターメント小説の書き方を知らないんだ。 もったいないなぁ。

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    投稿日: 2011.10.03
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    帝国主義ということだけではない日本の村文化的な社会・生活の暗部も描かれている。思い入れできる英雄が出てこないのがさびしい様な気もするけれど、それが戦争かなぁとしみじみ。

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    投稿日: 2011.09.24
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    太平洋戦争の裏側で暗躍するスパイの人生と夢路。 極東の果てで何を見たのか、熱い愛情か、それとも情報か。

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    投稿日: 2011.09.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    だいぶ時間がかかってしまいましたが読了。第二次世界大戦時の真珠湾攻撃にまつわる情報戦の話し。中盤くらいまでは、択捉・アメリカ・東京の話しがバラバラなので、なかなかわかりづらいところですが、賢一郎が日本でのスパイを開始した中盤以降は、話しの流れが一気に加速。択捉に上陸、ゆきとも出会い。。。終盤は怒濤のごとく物語が終息へ向かいます。最後、賢一郎はアメリカに向けて艦隊出撃の打電をしたのか否か?してないんでしょうね。たぶん。違うのかなあ。古い本ではありますが面白いと思います。男性向きでしょうかね。

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    投稿日: 2011.09.08
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    最高でした。 誰もが知る歴史上の大きな戦争を背景に、その中で、時代に翻弄されながらも力強く生きる人達の姿を描いた長編作。 人物を描く力が弱い方の、テーマが大きかったり、ストーリーが複雑なミステリなどを読むと、いつも決まって消化不良を起こし、ヒドク気分が滅入ってしまうことがあります。 この作品の著者は、他の作品でもそうでしたが、目の前にいるかのように感じるほど、とても力強く、濃く、人物を作品中に浮かび上がらせることができるのだなぁと思います。 2ヶ月ほど前、ストーリーとか展開とかを小手先でゴテゴテ書いて、人物がのっぺらぼうな、昨今のバカ売れしてるミステリじゃなくて、どシーンとくるような作品は無いのかっ!!と、怒りにも近い気持ちを腹に据えながら書店を巡る日々を送っていました。 そんな中、「制服捜査」という作品を偶然知り(とても有名な作家で有名な作品のようですが知りませんでした・・・)、以降、「警官の血」→「新宿のありふれた夜」→「ユニット」を経てこの作品に辿り着き、毎作毎作堪能しています。 ラストに向かうシーンで、「俺は、過去にこのシーンを見たことがあるっ!しかも、ずーっと昔にだ!」と、デジャブして眠れない日々を過ごしていました。 読後に、作品に登場する街などをWikipediaなどで調べていたのですが、1993年に「エトロフ遥かなり」のタイトルで、NHKドラマ全四話として放送していたそうです。 私は、中高生の頃、当時、小説や漫画を進めてくれる親友の影響でNHKドラマを良く見ていました。 つまり、私はこの作品を全編、映像という形で体験していたのですね。 18年経って小説という形で同じ話に再び巡りあうとは思ってもいませんでした。 こんなこともあるんですね。 本当に何もかもが素晴らしい作品でした。

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    投稿日: 2011.05.06
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    2011.2.23(水)。 1990年 第3回山本周五郎賞を受賞。 日本推理作家協会賞長篇部門・日本冒険小説協会大賞

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    投稿日: 2011.04.23
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    山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、受賞作。 佐々木譲は初めて。これまで読んでなかったのが悔やまれるくらいのクオリティの高さ。傑作。ここまで重量感と奥行きのあるストーリーは、男性作家では珍しいかも。 とにかく面白すぎて、やばい。

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    投稿日: 2010.12.19
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    高校時代に初めて読み、これほど面白い小説があるのかと感動した記憶がある。佐々木譲初体験。主人公に惚れそう。

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    投稿日: 2010.11.10
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    20年前に上梓された小説でいまさらという方も多いでしょうが、こんな面白い冒険小説があったのか!一気読みで読後にジーンと余韻が残った。文句無しに面白い冒険小説!こんな感覚は箒木蓬生の「逃亡」以来。 最近警察小説で活躍し先日直木賞を受賞した佐々木譲の「エトロフ発緊急電」 日米開戦前夜、日本のハワイ真珠湾奇襲をめぐる日米の情報戦争に意図せずに巻き込まれ、アメリカのスパイとなって日本に潜入したアナーキスト日系人の冒険物語。太平洋戦争のしっかりした史実をベースにまるでノンフィクションと錯覚するくらいのリアリティで緊迫感あふれるスリリングなストーリーが展開する。日本軍憲兵の追跡をかわして東京から北海道、択捉島に潜入する追いつ追われつの展開はスピード感に溢れ圧巻。登場人物は、アイヌ人、韓国人、アメリカ人、アナーキスト日系人の主人公に彼と恋に落ちる択捉生まれの日露混血女性と多様で、日米開戦という歴史の流れのなかで国家と個人、少数民族、差別と被差別などがからみあいそれぞれの運命を生きる。 まあ解説はともかく、面白かった! 「エトロフ発緊急電」はこの著者の太平洋戦争に取材した三部作の第二作目であり、他に「ベルリン飛行指令」「ストックホルムの密使」があるという。どちらも未読なので楽しみである。 佐々木譲氏は近年警察小説で人気があり気にはなっていたが、まだ一冊も読んだことがない。警察小説で人気のある作家は何人かいて少しは読んだが黒川博行以外は世評のわりにはイマイチだった。こんな面白い冒険小説を書く人なら警察小説も面白いはずなので、そちらも楽しみ。

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    投稿日: 2010.10.23
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    ベルリン飛行指令に続くシリーズ2作目。日系アメリカ人スパイのケニー斉藤の足跡を描く。スパイものの例に漏れず物語に起伏がありますので、個人的には前作よりも面白いと感じる方が多いのではないかと思っています。

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    投稿日: 2010.06.23
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    太平洋戦争開戦直前の連合艦隊主力の動きを追う、重要で危険な任務を遂行するスパイの物語。 フィクションではあるが、史実においても重要かつ謎の多い開戦直前の時期だけに、非常に緊張感ある場面が続く。 たった一文、しかし決定的な電文に命をかける主人公の姿に惹かれる。

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    投稿日: 2010.05.12
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    佐々木譲の作品、第2時世界大戦前後を描いた3部作のひとつ。 個人的にはこの作品が一番好きです。 スパイものにありがちな、ドキドキしながらどうなるのかとページを進める、というのはもちろんありますが、 主人公の内面の葛藤にも胸が痛くなりました。 心をどこかおきざりにしたハードボイルドとは区別したいです。

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    投稿日: 2010.02.21
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    スパイもので、ハードボイルドで、歴史が主題、と硬派な仕上がり。賢一郎がかっこよかったです。サツモノとは違う魅力であふれている。

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    投稿日: 2010.02.07
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    歴史サスペンスです 真珠湾奇襲攻撃までの息を呑むようなスパイ活動 主人公はこの作者らしい、寡黙で実行力があります 最初は別々にであったヒロイン(又は脇役も)の 人生も、引き寄せられるように北の地に集結 この収束感がたまらない作品です

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    投稿日: 2009.10.31
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    日系アメリカ人の、ワケアリのスパイが太平洋戦争開戦直前の日本に潜入し、様々な人物とかかわりあいながら、択捉島に集結する海軍機動部隊を追う、とゆう長編ストーリー。・・・長かった。作品のスケールや仕掛けは大きいのですが、なんとゆうか、個々のエピソードの内容が描き足りてなくて物足りなく感じる部分もあり、やや不満が残ります。また、魅力的っぽい人物が多く出演しているのですが、せっかくのキャラたちが100%活きていないとゆうか、もっと個々の人物を深く掘り下げてもよかったんじゃないかと。そのあたりも、若干不満。しかしながら、北方領土の歴史や、そこに暮らしていた多様な民族についてなど、その方面がちょこっと垣間見えたような気がしました。にしても、せっかくいい資質(?)をもつキャラ達がいるのに、じ・つ・に・もったいない!。まあ、ただでさえ長編なので、そんなとこまで挿入してたら収拾がつかないですわな。たしかに。

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    投稿日: 2009.08.19
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    ハワイ真珠湾攻撃をめぐる諜報活動のお話。やや男性に都合の良い感じもしましたが面白かったです。人のお勧め本を読むと自分では選ばない本が読めて良い。

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    投稿日: 2009.06.26
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    真珠湾攻撃の裏舞台。 主人公・賢一郎のキャラクター設定が魅力的。 最後少し駆け足で読んでしまったので、そこだけでももう一度読み返したい。

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    投稿日: 2009.05.11
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    第二次大戦直前のアメリカ・日本が舞台。日本帝国軍の動向を探るために日本に入国する米国人スパイが主人公。登場人物のキャラが際立っている。史実とも矛盾しない。良い小説。

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    投稿日: 2008.06.04
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    昔NHKで「エトロフ遥かなり」日本海軍連合艦隊が次々に終結するシーンに興奮してたのを思い出して読んでみた。  日系スパイ 男と女の友達 ケニー齋藤の潜入 執拗な憲兵の追ってそしてゆきとの恋 結末 1人の人間の生き様の表現巧いっす

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    投稿日: 2006.05.14
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    スケールの大きい冒険小説。第二次大戦直前、世界各国で繰り広げられる各国の諜報活動。その思惑が北方領土の択捉島で交錯する。真珠湾攻撃は果たして奇襲だったのかどうか、アメリカはどこまで知っていたのか、択捉島を舞台に諜報活動を描いた快作。

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    投稿日: 2004.11.15