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火刑法廷〔新訳版〕
火刑法廷〔新訳版〕
ジョン・ディクスン・カー、加賀山卓朗/早川書房
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総合評価

64件)
3.8
15
21
18
5
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初カー。なんだろう、ミステリなんだけどオカルト要素が多くて新鮮だった。 今思い返せば、語り手となる主人公が冒頭職場で上司に指示をもらう場面があるんだけど、読者が実感を持って読める場面ってそれくらいかもしれない。もうそこにクロスという怪しい影が滑り込んでいるんだけど… 休日を過ごす別荘地に向かう電車で、自分たちが普段生活している現実世界から遠ざかって、もう後戻りできないんだろうなという感覚がすごくある。 事件現場は由緒ある家族の屋敷、霊廟、消えた死体、壁をすり抜ける幽霊…オカルト要素満載なんだけど、トリックは超現実的で、男女が起こしたくだらない殺人事件だった。 なんだろう、ただのミステリをオカルト要素でデコレーションしたという感じではないんだよな…主人公も含め全ての登場人物や環境がきれいな舞台装置になっているというか…なんか不思議な読み心地の小説だった。 また気が向いたらカーのミステリ読みたいな。

    0
    投稿日: 2025.11.17
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    ジョン・ディクスン・カーの代表作のうちの一つを今更ながら初読。 広大な敷地を所有するデスパード家の当主マイルズ・デスパードが急死。 その夜、マイルズの寝室で目撃されたのは古風な衣装をまとった婦人の姿。 そしてその謎の婦人は壁を通り抜けて消えてしまう。 伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人であるパーティントンと スティーヴンズの手を借りて埋葬された伯父の遺体の発掘を試みる。 だが、密閉された地下の霊廟から遺体は跡形もなく消え失せていた。 消える人影、死体消失、毒殺魔の伝説。 不気味な雰囲気を孕んで展開するミステリーなのだが、 何より各章の繋ぎが本当に上手かった。 いわゆる連続ドラマで言うとこのクリフハンガーが抜群。 気になって結局手を止めることなく最後まで読み進めてしまった。 これが1937年というおよそ90年前に発表された作品とは恐れ入った。 物語は一抹の疑問を残しつつ収束を迎えるわけだが、 ところがどっこい、賛否両論のエピローグが待っていた。 全てがひっくり返る結末に唖然。 だが、解釈の仕方は二通り提示されているような気もした。 ここで詳しく述べるのは野暮なので詳細は避けるが、 どちらがあなたの好みですか? そう聞かれているような気がした。

    0
    投稿日: 2025.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どちらが正しいのかは据え置くとして、推理小説の文脈を怪奇小説の文脈が超克してしまうラストに痺れた。こういうの大好き。それまで書かれていた生真面目とも言える論理の積み重ねが一気に反転し、闇を信じる者が論理からの支配を脱却する姿。アンチミステリ的なこの佇まいを1937年の時点でやってのけてるのが驚きだし、魔女の言葉として語られる最後の言葉も含めて額面通りに受け取って良いのかを曖昧にしてるのも素敵だ。何故ならこれは探偵の推理が必ずしも絶対的なものでは無いことの証左であるから。反転して、「真相」として添えられたエピローグもまた個人の中にある真実に過ぎず、真実と虚構が時に同じ位相に存在することを物語っている。ガッチガチに論理で固めた『三つの棺』の後にこれを書いているという点に感動すら覚えた。

    3
    投稿日: 2025.07.19
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    妻が過去の毒殺魔にそっくりな理由は、どう転んでも偶然かオカルトかでしかなくて 推理小説には合わないテーマな気がした 偶然だとすればつまらないし、オカルトなら設定を開示しないとアリバイとかトリックこねたってな〜 結局魔術で殺したってことなの? それとも、似てるのは偶然で妄想オチ? どちらにしても、推理小説としては好きじゃなかったです。 タイトルや装丁はものすごく良いのに〜

    0
    投稿日: 2025.06.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一冊目が合わなかったので違う作品にチャレンジ。こちらも有名な作品とのこと。個人的にこっちのほうがまだ読みやすかった!人名多いし愛称まで含まれるのでかなり混乱しちゃうけど。ミステリなのかと思いきやホラーというかオカルトで、でもちゃんとミステリ部分もある。ラストとかびっくりした。想像よりも面白くてホント良かった。

    0
    投稿日: 2025.04.28
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    密室トリックの第一人者であるカーの代表作であり、本格ミステリの中でも名作と言われている作品です。 しっかりしたトリックと無気味な雰囲気。 そして、どんでん返しまでありました。

    0
    投稿日: 2024.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2024年のベストミステリはこれかもしれません。面白かったー!と素直に言える本に、久々に出会いました。 翻訳ミステリを読むのが久しぶりなこともあり、正直序盤は誰が誰だ?と半ばうつらうつらしながら読んでいたのですが、 「スティーヴンズは自分の妻の写真を見ていた。」 の部分でハッと目が覚め、そこからグイグイ引き込まれていきました。 加賀山卓朗さんの訳もオシャレで、ザ・翻訳小説な雰囲気を味わえたのもよかったです。ストリキニーネ、ベロナールなどクリスティーでおなじみの薬品が出てきたのも。笑 この本については以前から”オカルト的要素”の足し方が秀逸、といったことを聞きかじっていたので、もしかしてラストも”超自然”で片付いてしまうのかしら……と密かに心配していました。 ところが、探偵役の登場で「幽霊の正体見たり……」とばかりにそれまでの超自然現象に説明がつき、立派な本格小説だ、と満足して本を閉じようとしたところにあのラスト5ページですよ。 99%クロな容疑が晴れていく『杉の柩』を思い出していただけに、このエピローグによってみるみる世界が信じられなくなるのを感じました。 クセ強な名探偵として華々しく登場し、去っていったゴーダン・クロス。 カーの他の作品では、どんな名探偵が現れるのでしょうか。 ミステリにひと匙の怪奇要素を求める方には、ぜひオススメしたい一冊です。

    13
    投稿日: 2024.12.22
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    そうか、犯人はそこかぁ、あぁトリックはそうなっていたのかぁ、ふむふむふむ..........え? という感じでした。

    1
    投稿日: 2024.12.12
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    冒頭の掴み方がすごい。 この冒頭部分は裏表紙のあらすじには書いてないのでここでも書くのはやめておきます。 最初のたった20ページくらいでもうガッツリ掴まれて、先が読みたくてたまらなくなる。 登場人物と一緒に「えっ!?」と驚いて固まってしまった。 裏表紙あらすじから少し。 伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人達と埋葬された遺体の発掘を試みる。 だが、密閉された地下の霊廟の遺体は… 全体的に不気味で仄暗い感じ。 読んでいると物語の中に入り込んでしまうような没入感があり、登場人物達と一緒にゾクゾクしながら体験した。 オカルトは好きではないんだけど、この作品はオカルトと本格ミステリーの配合が絶妙!! オカルト好きも本格ミステリー好きも両方が楽しめる最高な作品だった。 冒頭もグッと掴まれて面白いけど、ラストはもっと掴まれてしまった…。さすがディクスン・カー。 今までオカルトは胡散臭さが苦手だったけど、ディクスン・カーの描くオカルトはそれを感じずに楽しめた。

    99
    投稿日: 2024.10.10
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    カーは『死者はよみがえる』『皇帝のかぎ煙草入れ』に続き3冊目。 端的に言うと私の好みではないかも… オカルトの説明が長くちょっと飽きてしまったのと、事件の解決の進みが遅め。ちょっと分かりにくい。 カーでは評判が1番良い/有名な作品なだけあり、なるほどと思う箇所は随所にあったが、総じての読後感はすっきりしなかったかな

    0
    投稿日: 2024.09.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    犯人はマーク・デスバードとコーベット。元々両者は愛人関係にあった。マイルズの遺産、マークの正妻ルーシーを排除する為に共犯した。 オカルト要素で偽装しつつ、解決ではきちんとした本格ミステリの謎解きとなっています(一応は)。ただ、古いミステリなので、肩透かしの印象は拭えません。 ①壁を擦り抜けた女性は、マイルズの隣の部屋にいる看護師が鏡と光の加減を上手く調整して壁をすり抜けたように見せかけた。 ②消失した死体は、霊廟の壺の中に隠してあり、ほんの一瞬のスキを突いて移動させた。その後もパーティに行っている家族のスキをついて死体を暖炉で焼いた。 なのですが、とにかく文章が読みにくいです。登場人物一覧に無い相性で呼び出したり、家や霊廟の配置が分かりづらかったりと不親切です。訳者のせいか、元々のオカルト味を活かしたかったかわからないけれど。 エピローグの真相は"やっぱりマリーは魔女で、コーベットを追い詰める為に画策していた"と云うオチでしょうか。 "首無しの如き祟るもの"で読んだ事があるパターンなので、自分にとっての目新しさは無かったかな。

    2
    投稿日: 2024.05.10
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    なんだか読みにくくて、前半ずっと眠くなってた。 途中かなりオカルトな感じになって、あれ?私本格ミステリ読んでたよな?って混乱してきた。 最後もええーそんな感じぃー?ってスッキリしない終わりだった。。 あと家の間取り図とか図解が欲しいです!

    2
    投稿日: 2024.04.23
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    読後感は随一でした。エピローグが本作の魅力を決定づけ、思いもよらない結末に衝撃が走ります。 ミステリーなのかホラーなのか、はたまたオカルトなのか。色々な要素があり、様々な解釈や楽しみ方をさせてくれる本作はやはり素晴らしい作品であると思いました。 詳しくは書けない作品の一つではありますが一読の価値はあると思います。

    20
    投稿日: 2023.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    手持ちの文庫本は表紙がクラシカルな雰囲気の女性のポートレートで登録されている表紙より好きだが、もはやポップとも言えるようなどんでん返しの本書には多少アニメっぽいイラストの方が合ってるのかもしれない。本作より後のクリスティ「蒼ざめた馬」がかなり好きで、本作もヘンダーソンが引用する昔の知人バリンジャーさんの「死んだ人間などちっとも怖くない、注意しなきゃいかんのは生きたろくでなしどもだ」という名言通り、怪奇現象を科学的に解明する話だろうと思いながら読み進めて説示までなかなか面白かったが、いきなり探偵役が倒れるあたりから収拾のつかない展開に。評決と言う短い終章でガラッとオカルトに揺り戻され、ここが本作の最大の魅力なんだろうけど、魑魅魍魎を斬る蒼ざめた馬のさっぱりとしたラストとは対照的。ツッコミを入れながら楽しむ作品のようです。鏡の前で手持ちの服をとっかえひっかえする若い女の子みたいにお洒落好きなおじいさん、殺されてかわいそう!「アクロイド殺し」で犯人が犯行当日あれだけの行動をとるのは忙しすぎて時間が足りず無理、との指摘を読んだことがあるが、本作の死体消失トリックも相当際どい短時間決戦。看護師は確かに正妻に罪を着せようと試みたり人が悪いかもしれないけれど過去の経緯は気の毒なところもあるし、「本当は罪を犯していない」のに終身刑ってかわいそう。いつの間にかゴーダン・クロス殺人事件にすり替わってしまっているが、これ結局真相不明だし、その前の毒殺のドレスの謎とか警察が深追いしなくてよいのかなあ…マークが急いで金が必要な理由どこかに書いてましたっけ?事件後行方不明になった、で終わるのは省略の美?何世代も放置していたにもかかわらず、この物語の時点から過去世の復讐話になるなら、あの「奥様は魔女」はマークだけでなく妹や弟(珍しい性格設定だけど知人で似ている人います)も亡き者にしてその際に夫を仲間に引き込む展開が想定されているのか。マイルズは図らずも死後に火刑に処されており、八つ墓村(映画しか見てないけど)なら被害者の子孫が復讐という形になっていたが、こちらでは犠牲者の甥が無意識のうちに自ら手を下すのが凄まじい。

    1
    投稿日: 2023.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冒頭から奇妙な符合がたて続き、それら全てが主人公の妻が犯人であることを示唆しており肝をひやす、というところまではよくできたミステリにおける、一種の定型だが、それだけではなくその奇妙な符合は全て彼の妻がすでに処刑された魔女であることを暗示しているように思われる、となっていて読者の心を掴む。 中盤では推理合戦が繰り広げられ、その過程でタイトルを意識したような、法廷尋問のようなくだりもあって、遊び心がある。 クライマックスで、探偵が謎解きし全てが実現可能なトリックとして解き明かされなーんだと思うのも束の間、最終的な結論としては、やはり魔女だったのか…?と思わせるようなものになっている。そんなことありえるか?と思い返す。彼の妻にはやはりアリバイはなく、しかし部屋の鍵はどうしたんだ?と考えたとき、作中の魔術に関する本の記述に思い至る。過去に不死者が鍵をすり抜けたというくだり。斯様に本作は、以前のところでサラッと出てきた一見無関係ながら興味深い記述が、読み進めると突然再浮上してピッタリと鍵穴におさまるような、奇術のような仕草が至るところに仕掛けられている。

    2
    投稿日: 2023.07.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世評の高いミステリー。期待して読み始めた。 「火刑法廷」という題名からも推測できるが、オカルティズムに溢れて、魅力的な謎に密室。そして訳ありの登場人物の面々と、てんこ盛りではあるのだが、どうにも気に入らないのは、最後に登場する探偵役に今一つ魅力とキレがないことと、登場する必然性に作為がありかなり無理がある事。 ただこれも、最後の最後に訪れるビッグサプライズの布石だと思えば納得できるが、この最後のサプライズで本書はミステリーからホラー小説に変わる。

    10
    投稿日: 2023.04.29
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    オカルトムード漂って何が事実かどうかわからないままずっと進みでいった。状況がイマイチ想像力足りずついていけず、入り込めなかったけど最後5ページで、最後まで読んで良かったと思った。が、スッキリはしない!

    6
    投稿日: 2023.03.18
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    構成され切った本格ミステリ。 として完成されていること自体が、伏線。ラスト5ページで世界を一変させる。 「ラスト1行の衝撃」や「ラストで絶対騙される」的な煽り文句は、昔から多いけれど。「火刑法廷」ほど鮮やかに品よくひっくり返してくれるものがどれだけあるだろう。

    2
    投稿日: 2023.02.17
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    これは面白い! 読むまで法廷ものなのかと思ってました。汗。 壁を通り抜ける幽霊、死体の消失、伝説の毒殺魔…。要素がてんこ盛りで、登場人物はどの人も怪しいオーラ満点。雰囲気たっぷり! そして、すべての謎を回収していく後半部と、ラストの素晴らしさよ。めちゃくちゃかっこいいミステリです。

    2
    投稿日: 2023.02.05
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    1937年に発表された小説ということで、もはや古典といっていい作品のようですが、まったく古臭さを感じることなく(もちろん新訳版ということもあるでしょうが)、グイグイと読み進めることができました。 情報は小出しにされ、些細な疑問ですら解決しないまま物語は進んでいきます。これ、どういうことなのかな?とモヤモヤが払拭されないまま、次々と新たな事態に突入。更なる謎や疑問が追加される展開に、もう翻弄させられっぱなし。うまい。この絡みあった糸をはやく解きたくて、頁を捲る手がとまりませんでした。 舞台は現代なるも、題材が近世フランスの魔女裁判、ということで、独特の雰囲気が醸しだされています。日本の怪談話のように、不気味で、刺激的で、興味が駆り立てられる。先述のモヤモヤした展開と非常にマッチしていて、この独特の雰囲気を楽しむことができました。 そして何より、わずか5頁の最終章の存在感。こりゃ名作ですわ。

    2
    投稿日: 2023.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    カーの不気味な雰囲気が存分に楽しめる作品だった。 推理小説かと思いきや、ホラー小説かな、これは。分類し難いところが既に洒落ている。 クロスが探偵役で登場したところから解決編がなかなか圧巻で、マリー視点のラスト素晴らしいの一言。 クロスの前世の魔女仲間がマリーで、現世でマリーに見つけてもらうために自身の顔写真を本に載せていたのはわかるけど、スティーブンズとゴーダンが結びついたのは偶然??ここがわからなかった。 仮面舞踏会や墓荒らしなどの場面はあるものの、全体的に重々しい、暗い雰囲気の作品だった。

    1
    投稿日: 2022.11.27
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    カーの小説はどれも読み難いのが難点(私にとっては)だったけど、これは読みやすくて助かった。 冒頭からオカルト風味満載な雰囲気の中、ちゃんと合理的に解決できて安心した…けれども、終わり方がなんとも… 続けてM・R・ジェイムズが読みたくなったw

    0
    投稿日: 2022.08.16
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     1969年作。かなり後期の作品と思われる。  ホラーに近い作品と何かに書かれていたので期待して読んでみたが、これは、いけない。良くない作品だった。  せっかくオカルトな要素が最初の方から出てくるのに、そんな素材が全然生きてこないし、プロットの進行が何やらモタモタしてして緊張感が無く、途中でうんざりしてしまった。今回は私自身の気分があまりふさわしくなかったのだろうか?  ミステリとしても、際だった探偵が出てこないので盛り上がらない感じがした。これなら、横溝正史の方がずっと面白い。

    1
    投稿日: 2022.08.10
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    最初のどう見てもオカルトな事件が、ちゃんと論理的に解決されて、そして…という展開がとてもハリウッドのサスペンス映画っぽくて面白い!

    0
    投稿日: 2022.08.08
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     とてもとてもJ.D.カーらしい、凝りに凝ったオカルトミステリ。  殺害現場からの犯人の消失、と霊廟からの死体の消失、というふたつの密室を軸に、犯人含めた登場人物たちの思惑が絡み合った推理合戦から、異様な雰囲気を増していく中盤がキャッチーで読み進めやすい分、真打ち登場とばかりに躍り出る探偵役のオーラが凄い。キワモノ。  謎解き自体は正統なミステリで、これまで醸成されていた不気味な雰囲気が祓われるように晴れてーーいったと思ったら。そこからの揺り返しが凄い。  真実は何処、というか、真実の軽さよ…  ☆3.5

    0
    投稿日: 2022.06.29
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    死体消失と人間消失。2つの謎があり、その真相をきいてなるほどと思ったと同時に疑問も持った。読み終わっても読者に考えさせるものを作った作品だと感じた。

    0
    投稿日: 2022.04.11
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    終盤まではオカルトが絡んだ推理小説で、おもしろいが特段目を引くものでもなかった。 しかし最終盤、最後の最後でこの本が名作と評されているわけが分かった。 この結末を忘れることはできないだろう。

    1
    投稿日: 2022.03.21
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    火刑法廷は17世紀フランスで行われた裁判。登場するマリー・ドブレーは実在の毒殺魔と同名。デスパード家当主急死の謎を解くミステリー。最後の数ページでミステリーから怪奇に変わる。面白い。

    4
    投稿日: 2022.01.23
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     ニューヨークの出版社の編集部員であるエドワードが週末を過ごす別荘へ向かう車中で出版予定の小説原稿に添えられた写真と名前は別荘で待つ妻マリーだった・・・小説は事実を基にした70年前の毒殺事件でマリーである筈がないがエドワードの心にはシコリが残る。。。 時期を同じくして別荘近くの大地主でデスパード家の当主が病死するが甥で友人でもあるマークから砒素を使った殺人の疑いがあり容疑者探しを行う。 妻似の70年前の砒素毒殺事件犯人は魔女で”不死者”といわれ時代を超越した幽霊が犯人なのか? 霊廟に安置された筈の当主の亡骸は何処へ? 唯一の目撃情報である”古いフランス様式のドレスを着た女性”は誰なのか? デスパード家の一族・使用人とエドワード夫妻及び友人医師の怪しい人間関係と隠されたトリックは予測出来ない驚きです! 火刑法廷とは毒殺犯罪者(主たる犯罪者は女性が多い)が処刑として生前や死後に焼かれる事。 特に毒殺は魔術とされ火刑で罰せられた女性を”不死者”として魔術信仰された。

    0
    投稿日: 2021.08.24
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    冒頭の妖しいムードに惹き込まれつつも、ついつい混同する登場人物の名前や序盤のもたついた筋運びに乗り切れないまま読み進めたが、第Ⅲ章から俄然面白くなる。解決編の第Ⅳ章で探偵役が推理を披露するのだが、消える人影の種明かしはまだしも遺体消失のトリックや犯行動機について後出し感が拭い切れないのは私が普段所謂本格推理ものを嗜まない所為だろうか。目眩し的に積み上げてきたオカルティックなネタをエピローグの第Ⅴ章で反転に用いる試みは功を奏したようだが、中世魔女事情に精通していない私には今一つピンと来ない部分も多かったり。

    0
    投稿日: 2021.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    随分前に「読みたい」に登録していてなかなかだったのですがようやく読みました。 オカルト的な雰囲気がそこかしこから漂っていて、これはミステリーなのか?と疑問に思いながらもきちんと納得のいくトリックが明かされます。ホッ。 でも探偵役の人は死んでしまうわ、最後の最後にまたやっぱりオカルト?と思わせる章があり、ちょっと嫌な余韻を残す本でした。

    0
    投稿日: 2021.04.23
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    魔女やら幽霊やら、オカルト色満載の舞台で繰り広げられる密室殺人。結末で明かされる事実は、それまでの文章を細かくよく読んでいけば確かにそうだなと思えるもので、決して後出しの情報で進んでいくわけではない。(事件のトリックに関連しない部分で後出しの部分はあるが) 最終章をどのように読めばいいのか。超常現象の見せかけを打ち砕いてきたそれまでの章からは考えられない不思議な最終章。

    1
    投稿日: 2020.06.21
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    ギロチンに処された上,火刑となった殺人鬼.その顔は妻と瓜二つだった. 完全なる密室から消失した遺体. 古めかしい装いをした,首が繋がっていない女性の姿. 毒殺された名門家の当主.

    0
    投稿日: 2019.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    以前読んだときよりも面白い。 っていうか~読書会というきっかけがなければ再読はしなかったなぁ~。 なぜなら、…………… エピローグまで、読んだとき「え!」「あ?」って思ったという記憶があったから。 そんな思いはやっぱり再読の今回も…だから。

    1
    投稿日: 2019.08.22
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    珍しく外国の小説を読んだ。ネットのお勧め小説だったかと思うが、期待を裏切らず面白い小説でした。 時代背景の違いや価値観の違いによる、洋書特有の違和感はあり感情移入は難しかったが、わかりやすいキャラクターやストーリーでその場の雰囲気が想像でき、オチには見事に騙されてしまいました。ミスリードに対する種明かしも納得のいくものでした。 また、エピローグで煙に巻くような後味の悪い終わり方をするので、それが苦手な方は注意してください。 あらすじとしては以下の通り。 主人公は編集者で仕事として、過去の犯罪を扱うノンフィクションの小説を渡される。そこには彼の妻とそっくりの、斬首刑となった犯罪者の写真が掲載されていた。 時を同じくして、彼の隣家で資産家の老人が亡くなるが、老人は毒殺された形跡がある。 使用された毒は、小説に出てきた妻と瓜二つの犯罪者が使用したものと同一であり…。

    0
    投稿日: 2019.04.08
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    非常によくできたミステリ。表向き見事に解決したかに思われる事件が、最後の短い章ですべて覆される。最後の章がなければ、これほど長く評価はされなかったかもしれない。

    0
    投稿日: 2018.07.03
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    物語の導入部から、いきなり事件の渦中に放り込まれてしまいます。ストリーは前世紀の魔女裁判も絡んで、オカルティックな雰囲気を醸しつつ、息をつく間もなく展開していきます。後半姿を現した探偵役の人物が、見事な論理の組み立てで事件解決かと思いきや・・・。 読み終えてすっきりした心持ちと、もやもやが増した気分、両方味わえるちょっと意外な本格ミステリでした。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

    0
    投稿日: 2018.03.03
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    2018/02/15 フェアだわーフェアだなぁと思う 読み込みが足りない 魔女裁判 妻はもしかして魔女っ娘!? 海外の人の名前が覚えにくい

    0
    投稿日: 2018.02.15
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    海外の古典的名作とされる作品は まだ殆ど読んでいない。 どれもがこの作品と同等の出来なら 全てを読破する必要がある。 タイトルから勝手に 法廷ミステリだとイメージしていた。 しかし、富豪の死の謎、 密室からの消失、 壁をすり抜けた不可解な女、 200年前の毒殺魔、不死者、 疑惑の妻、怪奇的雰囲気。 あらゆる要素を取り入れた 極上のエンタメミステリだった。 冒頭から読者を物語の中へ 一気に引きずり込む。 そこから、いくつもの謎を一生懸命 考えながら読むのだが、 一向にその真相が思い浮かばない、 可能性のありそうな流れが想像出来ない。 ここまで、一体どうなっているんだと 思いながら読み続けられた作品は 他になかなか覚えがない。 大抵は、ある程度大まかな終局への 流れを想像出来、 それをさらに裏切るラストを 楽しみにするってのが、 私のミステリの楽しみ方なんだが。 この作品には通用しなかった。 探偵登場、数々の謎についての 真相究明。更にラストのあのオチまで とにかくずっと飽きさせる事なく 翻弄してくれた傑作。 新訳版だが、それでもあまり読み易い 文章でなかったのが唯一残念な所。

    1
    投稿日: 2017.02.11
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    本格推理の古典みたいな作品らしい(知らなかった)。怪奇趣味も混じりつつ、現実的な犯罪事件…横溝正史作品と似ているかなと思ったのは私だけ? デスパード家の当主が急死。その夜目撃された当主と向かい合う謎の夫人の後姿。現当主マークが叔父は毒殺されたのではと疑い、墓を暴いて遺体を出そうとするが… 一方、マークの友人で編集者のスティーヴンスは担当する作家クロスの原稿に添付されていた昔の毒殺魔の写真が妻マリーとそっくりなのに驚き… いろいろたたみかけるような謎が続き、読みやすいです。犯人も真相も合理的なものですが、若干解決できない部分を残している(ホラー的な?)ところも個人的には面白かった。

    1
    投稿日: 2016.07.18
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    全編を覆う薄気味悪い空気の描き方がうまい。疑惑の渦中にいる人物は登場こそ少ないものの、物語全体に不気味な影を落とす。正直、西洋のオカルト要素に恐怖は感じないし、不死者や黒魔術などと言われるとファンタジーかと構えてしまう。でも終盤までのオカルトに完全にはオチない紙一重の緊迫感は実に見事だった。どちらかと言うとオカルト比重の方が強く、終盤に訪れる論理的な真相解明が残念に思えるほど。お陰で納得の『評決』(好みではないけど)。どちらに転んでも細かい疑問は多々あるが、それが気にならないくらい秀逸な出来栄えだった。 行方不明になったあの人がどこに消えたのか…はかなり気になるところ。

    4
    投稿日: 2016.03.09
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    読んでみたいと思っていたディクスン・カー。 古典の正当な推理ものとしての面白味と怪奇ものとしての面白味と両方楽しめる作品。 殺人、遺体消失、壁に消える女といった謎を解いた先に待っているものとは。 読み終わると結局どういうことと悩んだりもするけれど、そういうところもこの作品の魅力なのかもしれない。 面白く読み終えた。 簡単な感想になっちゃった。 大掃除の仕上げして、注連飾りつけないと。 昨日、植木屋さんばりに植え込みを手入れして全身筋肉痛と闘っています。

    3
    投稿日: 2016.01.28
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    言わずと知れた有名ミステリ。事件そのものは案外と地味で、「あれ、他に事件は起こらないの?」と少し思ってしまったのだけれど。その事件を取り巻く不可解状況と、不可思議な怪奇的要素とが魅力的でした。 なんといっても毒殺魔・マリー・ドブレーを巡るオカルト要素がどうなるのか、という部分がホラー好きにはたまらなくって。だけどさすが、古典ミステリだもんね。そのへんもきっちりしちゃうんだものね、と思ってたら。 ……え? それってどういうことー!!! でもそれ自体が妄想って可能性もあるんだよなあ。さて、どっちをとるべきか。いい意味でのもやもや感が印象的でした。

    1
    投稿日: 2016.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    魔女裁判の話と見せかけて、毒殺魔の話で……という流れで、面白かった。 翻訳ものはあまり得意ではなく避けて来たが、これは読みやすかった。 けれど、本格ミステリー好きにはおすすめしない。 以下、あらすじ(オチつき)覚え書き。 編集長から、ゴーダン・クロスの原稿を渡されるスティーヴン(以降、テッド)。 彼は過去の事件をあたかも見て来たかのように書くことを得意とする作家で、テッドもファンのひとりだった。 原稿を渡す際の編集長の様子が気にかかったが、列車の中で原稿をひも解くテッド。 内容は毒殺魔の女性・ブランヴィリエ侯爵婦人の話だったが、そこには自分の妻・マリーの旧姓(マリー・ドブレー)と顔写真が貼られていた。 その女性は火刑裁判にかけられた上、ギロチンで処刑されていた。(魔女扱い) マリーの先祖が毒殺魔だったのかと恐れるが、それにしても写真が似すぎている。 疑心暗鬼に陥るテッド。 別荘で夫を待っていたマリーは、テッドが知った事実から目を背けさせようとする素振りを見せる。 そんな中、友人であるマークが、先日胃腸炎で亡くなった叔父はヒ素で毒殺されたかもしれないと訴えて来る。 それを確かめたいからと墓場を暴くことに、手伝い夫と元医師と共に協力する。 墓を暴いてみたところ、叔父の遺体はなくなっていた。 遺体がなければ証拠も出ない。 しかし、墓場に荒らされた形跡はなく、盗めるはずもないと手伝い夫は訴える。 さらに、叔父がなくなる直前、手伝い夫の妻は奇妙なものを目撃していた。 それは、叔父と話していた古くさいドレスを着た女性の姿で、女性は壁の中に消えたのだと言う。 その女性の衣装が、マークの家の廊下にかかっていた肖像画(顔と肩は酸で焼かれてわからない)のものだというから、問題は大きくなっていく。 何故なら、その日は仮想舞踏会があり、マークの妻・ルーシーがその衣装を作って着ていたからだった。 警察もやってきて、事態は明るみに出る。 はじめ、ルーシーに疑いの目がかけられていたが、看護師の証言により、マリーに疑いがうつっていく。 しかし、看護師がマークの愛人と発覚し、事態は大きく様変わりする。 この事件はマークと看護師が企てたものだと判明し、その謎を解いてみせたのはかの作家・クロスだった。 しかし、謎解きのラストにそのクロスが毒殺される。 グラスを渡した看護師が犯人として逮捕されるが、無実だと訴えている。 マリーは過去は、もらわれ子であり、虐待を受けていた記憶によりトラウマが魔女の証拠のように見えていたという説明がつけられている。テッドもそれに納得し、事件は解決したに見えた。 しかし、ラストにマリーがやはり魔女なのではとにおわせてエンド。

    3
    投稿日: 2015.07.27
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    ミステリ史上に残る傑作。 この作品最大の魅力は、人間消失などの複雑怪奇な謎の論理的解決と同時に、相反する非論理的なオカルティズムを融合させ、見事に成立させてしまったところにある。 エピローグを読み終え、ゾッとする悪寒を覚える読者を想像してほくそ笑むカーのしてやったりの表情が浮かぶようだ。 この力技は、カー以外では成し得なかったであろうし、ずば抜けたストーリーテーリングがあってこそのプロットだ。最初から最後まで強烈なサスペンスに満ち、登場人物の優れた造形が物語に深みを増し、天才カーの迷宮世界が妖しくも絢爛と形作られている。

    2
    投稿日: 2015.07.06
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    週刊文春 臨時増刊号「東西ミステリーベスト100」の海外編の10位に選ばれていたので、手に取った。 火刑法廷(1937年発表・原題:The Burning Court )の著者は、アガサ・クリスティー、エラリー・クィーンとともに英米黄金期本格ミステリーの三大巨匠とみなされているジョン・ディクスン・カー。特徴である怪奇趣味、不可能犯罪という要素が、ふんだんに盛り込まれていて読み応えがあった。 先に読んだ「樽」と17年しか違わないのに、読みやすさは格段に異なる。もちろん新訳版だからというのもあるのだろうが、構成や展開のスピード感が全く違う。自分は前者よりこちらのほうが好ましいと思った。 非常に面白かった。全く古びていない。 ただし、この作品を名作たらしめている最後の叙述については、予測がついたし、驚愕するほどの内容でもないように感じた。時代を感じたというのが正直なところである。とはいえ、きっと後続の作家や物語をつむぐ人達が模倣に模倣を重ねて、陳腐化してしまったのだろうとも思う。 尚、ブランヴィリエ侯爵夫人は実在したそう。 その淫蕩ぶりと残忍さ強欲さは、マリーと重なりにくい印象をもった。最後まで読んでもなお。 2014.2.21読了

    1
    投稿日: 2014.02.22
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    「火刑法廷」ディクスン・カー◆デスパート家の当主が急死した夜、彼の部屋では一人の女性が目撃されており、彼女は壁を通り抜けて消えたという。毒殺を疑うマークは遺体の発掘を試みるが、遺体が入っているはずの棺は空だった。ミステリアスな事件に「不死者」伝説も絡んで、良い具合に不気味です。

    2
    投稿日: 2013.10.01
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    「部屋の壁の中に消えた婦人の謎」では、トリック自体は大したことはないものの、犯人によるミスリードが巧妙でした。 「密室から忽然と消えた死体の謎」も、一連の怪奇現象を用いて不自然さを消すことに成功しています。何れもトリックというより、「ないように隠す手法」が非常に上手いなと思いました。 最後のオチは好みではありませんが、不思議な余韻を残すことに成功しているので良く出来ていると思います。

    3
    投稿日: 2013.08.03
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    推理小説の巨匠、ディクスン・カーの代表作の1つ。 4章まではいわゆる本格推理小説で、一見複雑な謎が探偵の手によって単純化されていくのが快感。 しかし、5章のエピローグに入ると話しが変わってくる。 ネタバレはしたくないので詳しくは書かないのだが、このエピローグが名作にしている所以だろう。 全てがひっくり返る感覚。 新訳で翻訳もの特有の読みにくさはあまりないのでこの暑い時期は特にオススメ。

    2
    投稿日: 2013.07.21
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    うーん、オカルトとミステリーの融合なら、もう少しおどろおどろしい雰囲気に酔いしれたかった。翻訳のせいかも?

    0
    投稿日: 2013.06.03
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     探偵小説の巨匠、ディクスン・カーの作品。    デスパード家当主マイルズ・デスパードが死亡した。かかりつけ医は自然死と判断したが、マークはマイルズの部屋の現状から、砒素による毒殺を疑う。果たして、確かにマイルズは砒素により殺されていたのである。  ヘンダーソン夫人がマイルズの部屋を隙見したときに見た、無いはずのドアを抜ける不思議な女性と思しき人影、霊廟に埋葬されたはずのマイルズの遺体が消失するという事件、そして、エドワード・スティーヴンズの妻マリーと19世紀初頭の毒殺魔マリー・ドブレーとの関係。オカルティックな雰囲気に包まれた事件は、意外な様相を呈し始める。

    2
    投稿日: 2012.11.06
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    新訳と言うことで大いに期待!  確かに斬新な訳だ。改行の位置とかが臨場感があり、すばらしいと思う。まだまだ日本語は改良の余地があるんだなぁと感じた次第。  で、肝心の作品は、とにかく事件のあらましを解説する部分が長い。本格ミステリーはすべてを読者に提供しないといけないらしいから特にそうなるんだろう。その辺でギブアップ寸前。  加えて、殺人者が部屋から消えたとか、死体が消えた程度なら許せるんだけれど、オカルト的な設定があるのが個人的には好きではない。不老不死の魔女とか・・・。  名作だと言われている作品なんだが、ミステリーとオカルトの融合という意味ではそうなんだろうけれど、ミステリーとしてみるならイマイチかなぁ。

    2
    投稿日: 2012.09.30
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    確かに面白い。不朽の名作とはまさにこんな作品を指すのだろう。 でもね、あのエピローグ読んですっきりする解を導き出せる人がいったいどれほどいるのだろうか。現実的解釈をしようにも、矛盾点多すぎて挫折。んじゃーオカルトでいってみようとパラパラ再読してみたが、壁すり抜けはそのままとしても、死体消失は誰がどうやったんだろう?霊廟への壁もすり抜けたんならもうお手上げ(笑) まぁ、この最高に気味悪いラストへの伏線も十分すぎるほど張られていて、些末なことは大概どうでもよくなるわけだが。 90点(100点満点)。

    3
    投稿日: 2012.09.18
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    もっとぶっ飛ぶくらいの超絶トンデモトリックかと思いきや、論理的だった。最後に世界がひっくり返る感はある。 オカルト風味やひっくり返し方が、島荘や綾辻の原点をみる様だ。

    1
    投稿日: 2012.06.17
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    オカルト+本格ネタ2件のキレイな謎解き。だけど魔女? 解けそうにない謎、スッキリ解決、そしてスッキリ忘れる? 忘れさせないためのすごいトリック。

    1
    投稿日: 2012.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    過去の毒殺婦と瓜二つの妻マリー。彼女と毒殺婦の関係を疑う夫スティーブンズ。 そんな中彼の友人マーク・デスパード宅で父親マイルズが毒殺された。使用人のヘンダーソン婦人が目撃した密室から壁に消えた女の姿。その姿がマークの妻ルシーに似ていると訴えるヘンダーソン婦人。そして、検死のためにマイルズの遺体を調べようとしたが墓地から消えた死体。使用人の部屋に現れた死んだはずの男。マイルズの看護婦コルベット嬢が盗まれた薬。マリーが助けを求め事件解決に現れたゴータン・クロス。クロスが語る事件の真相。毒殺されたクロスとエピローグ。

    1
    投稿日: 2012.04.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    驚くべき展開のミステリー、もしくは怪奇小説。 ------- 以下、覚書。 Ⅰ起訴 出版社の編集者として働くエドワード・スティーブンスが別荘に向かう汽車の中で、ゴーダン・クロスの原稿に、妻マリー・スティーブンスの究明と同じ名前を持つ顔までそっくりの、かつて砒素での殺人事件を起こし斬首刑に処された女性の写真を見つけるところから始まり、のっけから不穏な空気。 それに加えて、別荘の近くに住む友人マーク・デスパードの叔父マイルズが仮面舞踏会の夜死亡したことがまるで添え物のように語られます。 別荘に到着したのちにもスティーブンスはメリーへの疑念怒られ不安を増大させるが、マリーは幾つか思わせぶりな言い方をするのみ。 またマークが医師パーティントンを伴って現れ、マイルズの死が砒素による殺人だったのではないかという疑念を示し、霊廟を開け、遺体を確認することになります。 Ⅱ証拠 ヘンダーソン老人が加わり、苦労して霊廟を空けたが棺はもぬけのから。 彼らはこの謎について、またマイルズの死の謎やマイルズの死の直前にヘンダーソン婦人がカーテンの隙間からのぞき見た古めかしい服の女性について議論しますが答えは出ず、スティーブンスは砒素が存在した事実などから、マリーへの疑念を募らせたまま帰宅して、釈然としない言い訳のような書置きをのこしマリーが消えたのを発見します。 Ⅲ弁論 翌朝、何者かの電報によってブレナン警部を加え関係者が集められます。警部の集めた証拠や事実によって、マイルズの死の夜のアリバイが積み上げられて行き、関係者の完璧なアリバが判明していき、マイルズが魔術についての本を読んでいたこと、その中にある「不死者」ランヴィリエ公爵夫人についての章が語られます。ランヴィリエ公爵夫人が漏斗による水責めの刑に会ったことも語られ、ランヴィリエ公爵夫人の旧姓がマリーと同姓同名であることやマリーも漏斗を恐がるという事実から、マリーが「不死者」ではないかと言う疑念が高まります。 ここで、ヘンダーソン老人が霊廟を暴いた夜小屋でマイルズを見た、と言うエピソードが加わります。 Ⅳ説示 ここで、作家かつ犯罪研究家であるゴーダン・クロスが現れ、 まるで超常現象のように見えていた様々な事実を現実的な手法で証明し、すべてはマイルズ付きの看護婦コーベット嬢(ジャネット・ホワイト(マークの愛人))とマークの共同の犯行であったこと。霊廟を暴いた夜、いかにマークがマイルズの死を超常現象であったかのように演出し誘導したのかを証明します。 しかし証明を終えたクロスは衆人環視の前でシアン化合物により毒殺され、またこの犯行がコーベット以外に不可能であることから結果、マークはすでに失踪していましたがコーベット嬢が捕らえられ、物語は現実的な解決編を示していったんは終了します。 超常現象などは存在せず、全ては策略と偶然であったとそう示して。 それどころかこの後に章があるのに気付かず読み終わりそうになりました。 Ⅴ評決 短いマリーの独白と記事。 しかし物語はここで反転します。いっそ潔いまでに。 マリーの独白を信用するならコーベットは誰も殺していないことになり、そうなるとマークの共犯もなかったことになり、となるとマイルズのしたい消失トリックも行われなかったことになり、やっと解決した物事がまた謎へと還ります。 記事ではクロスには共犯者がいてコーベット嬢の罪を確立するために具合が悪くなるだけの少量の砒素を呑むつもりだったのが、共犯者によって殺されたのではないかと言う弁護側の主張が抜粋されました。 また、ゴーダン・クロスやマリーは不死者であるようなことが語られ、ということはつまりマイルズも不死者になったということなのでしょうか? ------------------- Ⅳまでを読めば、ただの良くできたミステリーですがⅤを読むと怪奇小説と姿を変え、こちらを混乱させてくれます。 新訳であるからか、翻訳者特有の読み辛さがあまりなく、またスティーブンスの中で膨らむ疑念や不安感に取り込まれたように没頭できる小説でした。

    1
    投稿日: 2012.02.29
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    推理とオカルトの見事な融合。さすがカーの代表作! 物語が二転三転し最後の最後まで結末が見えない。 これ程推理小説で感動したのは久しぶり。

    3
    投稿日: 2012.02.07
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    カーの代表作のひとつということで、きれいにまとまっています。最終章が謎というか、卓袱台をひっくり返すというか、あの章をどう解釈するかで楽しみ我変わるのだろうな、と思います。読書慣れしていない自分には、やっぱり翻訳ものは苦手です。

    1
    投稿日: 2012.01.31
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    カーの作品にしては凄く読みやすかったように思った。 きっとこれは“新訳”だからだろう。 こうなると俄然新訳ではないものを読みたくなる。 (実際レビュー見ると、難しいらしい) ミステリとしての、謎解きを楽しむというよりは、これは読後の余韻を楽しむ部分が大きいように思う。 実際に、事件の動機だとか、そのあたりの“殺人事件”の内容は、イマイチだったように思う。 登場人物の人間関係なんて、解答編になって“実はこの二人は”なんて言われても、しらけてしまう。 けど、話の流れなんかは、流石でした。 読み始めたら、ぐいぐい読めます。 最初も最初あたりで、“どうなるんだ?”と思わせてから、 ブレナン警部が出てくると、彼がサクサク話を進めてくれる。 で、解答編イマイチで 余韻を楽しんだ。

    2
    投稿日: 2011.11.24
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    新聞でレビューを読んでからずっと読みたかった本。 アガサ・クリスティのような、クラシックなミステリーのいいところが存分に出ている感じ。 最後に後味の悪さをそれとなく残すのも、今のミステリーとは残し方が違うのでまたよい。 すべて説明がつくのかつかないのか、そのへんもまた今では書けないミステリーだと思う。 全体の雰囲気といい、面白い読み物を読んだ。

    1
    投稿日: 2011.09.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    オカルトな雰囲気がたまらなく楽しい1冊。 あらゆる人物が怪しく、あらゆる出来事が不可解で、気味の悪い雰囲気が最高です。 それまで目の前を覆い隠していた霧を一気に晴らすような終盤の解決が気持ちいいですが、現実に戻った、と一安心のところからのラスト数ページが素晴らしい小説でした。

    1
    投稿日: 2011.09.12
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    古典ゆえトリックに斬新さはないものの、怪奇的な要素と推理的な要素がどこで出会い読み手を納得させるのか気になります。最終的に形容し難い余韻を残してページは終わります。新訳だったので読み易かった。

    3
    投稿日: 2011.09.11
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    おもしろかった!傑作呼ばわり伊達じゃない。途中からのワクワク感がすごい。エピローグの効き目にまいった。古典海外ミステリって食わず嫌いで読んでないのが多かったけど、村上版「長いお別れ」といい、これといい、ここ何年かで出てる新訳版ってのは、読んでみようっていう良いきっかけになるなぁ。

    2
    投稿日: 2011.09.08