
総合評価
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powered by ブクログあまりにも切ない物語。 見てきたように語れる著者の作品の中でにあっても、際立つ白眉だ。 「愚挙」「捨て石」といわれる水戸天狗党の挙兵。 悲惨すぎる末路へと、物語は冷酷に進んでいく。 しかしたとえ結果的に愚かな行為だったとしても、そこには生きている人たちがいて、信頼関係を築き、見えない未来に向けて熱い想いを燃やしていたのだ。 著者はそれぞれの思惑を、またそれぞれにやむにやまれぬ背景を、丁寧に説いていく。したがい読み手は、登場人物たちとの信頼関係に巻き込まれてしまう。 何度、この本を中途で閉じたことだろう。 未来を知るとは、これほどつらいものなのか。 できれば、彼らが幸せな段階で時が止まってほしい……そう願いつつも、やはりこの本の締めくくりには納得できる。 著者の筆力に圧倒される傑作。 日本人なら、教養としても必読の書だ。
0投稿日: 2025.06.08
powered by ブクログ伊藤潤を初めて読了。いろんな作品が高く評価されてるし、日経夕刊書評でも度々推奨されている。NHK大河ドラマ「晴天を衝け」でも印象的だった天狗党を題材にした本書にトライ。北方時代劇的なやや大袈裟な表現とスピーディーな展開。義理と人情と男泣き。後半の京都を目指す道行がクライマックス。戦いながらの行軍を経た後に雪と峠に阻まれながら京を目指す姿が痛々しい。 そして悲しい結末。ここでの慶喜は草彅くんみたいじゃなく、評判どおりのダメ将軍でした。 3.8
0投稿日: 2021.09.11
powered by ブクログ「水戸天狗党」という言葉は聞いたことがありましたが、去年「恋歌」を読んであまりの壮絶な出来事に驚きました。 ボタンをひとつ掛け違えたように悲劇に転じていく様がわかりました。それにしてもこの時代は藩がまさに「国」だったのですね。藩の矜持なのでしょうが、遺体を藩に持ち帰り、改めて磔にするなど、現代の私にはただただ残酷なことにしか思えませんでした。大義に殉じた侍たちの意志は崇高ですが、彼らが新政府で活躍していたらと思わずにはいられません。
1投稿日: 2017.11.27
powered by ブクログ幕末の水戸藩内の抗争と、そこから派生した一集団(天狗党)が京都を目指して西へ行軍する様子を描いた歴史小説。幕末の政局は難しすぎて、内容を理解しきれない…。1000人近い武装集団が移動する中で、天狗党の通り道となった村々や宿場町が見せた様々な対応が興味深かった。彼らにしてみたら、天狗党の通過はいい迷惑だったと思うよ。
1投稿日: 2016.12.15
powered by ブクログ血で血を洗うお家騒動、この本を読む前の水戸藩のイメージはそれだけでした。この本を読み、彼らの強い志が新しい時代への礎になったのだと思い胸を打たれました。 莫大な資料を調べたのだろうと感心させられた一方、それらを一部割いてでも、もっと伊東さんの描く人物像や歴史観が全面に出ていても面白かったのではないかと思いました。
1投稿日: 2014.11.27
powered by ブクログ余りにも多くのことが次々に起こる時勢の中、とにかくも信じるところを訴えようとした一団が在り、無残に粛清された…敢えて一言で言えば、“天狗党”の歩みはそういうことになるのだろうか?何かそういう辺りに、煩雑な経過の“時代モノ”でありながら、強い“今日性”を滲ませる物語だった…更に余計な話しをすれば…本作は“映画原案”として好適かもしれないと読後に思った… 劇中人物達の“迷い”のようなものが赤裸々に綴られる感で、少し圧倒された…そういう辺りが、この天狗党の一件を扱った従前の作品とは一味違うと感じた…お勧め!!
0投稿日: 2014.11.04
