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白い夏の墓標(新潮文庫)
白い夏の墓標(新潮文庫)
帚木蓬生/新潮社
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総合評価

65件)
3.8
12
29
20
2
0
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    謎解きは、早々とわかってしまった。それでも、そこに至る登場人物の描写が素晴らしい。読書中は、必要のない文脈のように感じたが、それがあってこその結末だった。 医学の知識が皆無のわたしには、読み難い場所は多かった

    0
    投稿日: 2026.02.28
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    仙台の大学に在学中、机を並べた親友・黒田はアメリカへ留学するも、留学先で事故死したと知らされた佐伯 と思っていたら、パリで開かれた肝炎ウィルス国際会議にて見知らぬ老紳士から、黒田はフランスで自殺したと告げられる 黒田の死の謎に迫るサスペンスやミステリー、死のトリックどうこうというよりも 黒田の、細菌学者としての理想と苦悩を、良心の呵責を、人となりを、黒田の過去を辿り、時には踏み込まなくていいとこまで踏み込んじゃって後悔しながらも、佐伯はひとつひとつ知っていく 黒田の過去と、過去に裏打ちされた生き様とに触れ、一度は切れてしまった黒田との糸を手繰り寄せる テーマがテーマだから、すごく専門的な用語が多いのは確か 難しいことを難しく書くのは簡単だけど、この本は不思議と読みやすい そこも素晴らしい 章立てがウィルスに関する用語になっていて、この物語と共鳴しているのも良いなと思う 最後は大どんでん返しで、自分としては救われた気がした あと、仙台ヴァイラスというウィルス、実在するらしい! それにも驚いた! ↓↓ちょっとネタバレ↓↓ 友達が密かに国境を越えれるか賭けをしてて、自分は越えれるに賭けていて、成功させたいからアドバイスして、っていう手紙を、ジゼルが伯父(養父)に送り、それに対して詳細な返事が届くくだり やっぱりわかってたんやな、と思った 気づけていない伏線も、まだたくさんあるのかもしれない 人を思う気持ちと、そのために何かに背く行動は表裏一体なのかも

    11
    投稿日: 2026.02.02
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    ミステリ部分というよりは、倫理と科学の探求の間で揺らぐ青年の心情描写が印象的でした。 手記の章が特に好きです。

    1
    投稿日: 2026.01.20
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    仙台ウイルスという新種を用いて、微生物兵器の研究が極秘裏に行われていた。 本作は昭和58年発行だが、内容はコロナ禍を彷彿とさせ、今読んでも非常にリアルに感じられる。 人が嫌いで誰とも打ち解けない黒田だが、実は人一倍繊細で優しい人物なのだと思う。 ラストはどんでん返しと言ってもいい展開で、最後まで面白く読めた。 フランスの地名が多く登場し、しかも説明なしにさらっと書かれているため、情景がイメージしにくい点は少し残念だった。

    25
    投稿日: 2026.01.16
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    夏フェア本2024。小難しそうで敬遠していた。理系サスペンスで、倫理を問う物語。細菌学者の死の謎。陸軍微生物研究所。不穏な場所だ。何を研究しているのか。想像通り、いや、想像以上に物騒な研究だ。良心の呵責、科学者としての理想や理念はどこにある。世紀の発見は、科学者としていつかは夢見るかもしれない。だが、正しくない使い道へと歩み出したら。あくまでも物語で作り話だ。それなのに、いつか現実に起こりうるのではないかと思わされるのが何よりも怖い。

    2
    投稿日: 2025.12.28
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    久々にのめり込んだ作品。 細菌兵器に手を染めさせられた科学者の悲運な人生をなぞる、自分にとってある種盲点な、なじみのないテーマに強く惹きつけられる。 本書で取り上げる科学の二面性は、昨今のAIに対しても同じ思いを抱かずにはいられない。

    2
    投稿日: 2025.12.28
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    大どんでん返しの結末。これには驚いた。 けれども、文章をしっかりと読んでいれば、ある箇所でその違和感に気づき、この結末を予想できたかもしれない。 ウィルス、そこからの細菌兵器開発へ。人のためになるはずの科学ではなく、”逆立ちした科学”。それに従事せざるを得ない科学者の苦しみ、葛藤。そして、そこからの逃亡。 1人ではできない、立っていられない。誰かが必要。 それにしても、見事などんでん返しだと思う。面白かった。

    10
    投稿日: 2025.10.26
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    フランスで開催される肝炎ウイルス国際学会に出席した佐伯教授は米国陸軍微生物研究所のベルナールという人物からの訪問を受けた。かつて仙台で一緒に机を並べていた黒田がアメリカ留学時代に事故死したと思っていたが、ベルナールが言うにはフランスで自殺をしたという。そしてフランスの田舎に黒田の墓があるのでぜひ見舞ってほしいという…。思いもしない旧友の後を追うことになり、細菌兵器研究の闇を覗くことになった。

    1
    投稿日: 2025.10.09
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    ウィルス研究は兵器製造にも繋がるという恐怖と、知らずにその罪に加担するおぞましさ。 並行して黒田の死が二転三転するところにも引き込まれる。

    30
    投稿日: 2025.08.24
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    「色褪せない」ってこういうことなのかと思った。 描写が美しくて、頭の中で情景がふぁ〜って広がって、映画を見ているみたいな感覚になった。 余白がたくさんで、すごく好き。 最近の本に多いようなスピード感があるからページを捲る手が止まらないのとは違った感覚で、どんどん読み進めて、終わるのが寂しいって思った…もう一回読みたい。

    5
    投稿日: 2025.07.14
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    この手の医療倫理モノって今となっては多数存在するのだけれど、40年以上前に発表され、今もってまったく古さを感じさせないというのは凄い。そして、書いたのが帚木さんというところに、本の説得力がある。 センダイ・ヴァイラスを発見、研究していた黒田氏がアメリカにヘッドハンティングされ、そのままアメリカで亡くなったと聞かされていたにもかかわらずフランスに手がかりが……という国際色溢れる作品。さすが、医学は国境を越える。 純粋なサスペンスとして、黒田の”死”の真相や、登場人物の関係性が徐々に明らかになっていくのは面白い。本当に、古さを感じない作品。 あと、センダイウイルスが実在することにも驚いた。完全に創作だと思ってた。

    7
    投稿日: 2025.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    若き日に机を並べた研究室の友人。 その死から20余年を経て、その半生を辿ってゆく。 墓標を目指す過程において、友人の新たな一面を垣間見るにつけ、 事実と思っていたことは、簡単にひっくり返ってゆく。 人の命を救うはずの医学の探求は、 一歩間違えば無敵の殺人ウィルスを生み出す「逆立ちした科学」となり、 研究室の天才的な隣人が、そんな恐ろしい研究に関わっていた。 精神疾患は、優しさ・繊細さと表裏一体で、 友人は、精神疾患を発症するかもしれないリスクに怯えながらまるで繊細でないかのように振る舞っていた、そんな彼の脆さにも気づく。 そして友人の死は事故死じゃなく自死だったかもしれないし、もしかすると何らかの陰謀だった可能性もあるし、もしかすると……………。 ある程度の人生を生き、振り返った時、 その物語は容易くひっくり返る「表裏一体」のことばかりで、様々な選択の結果として絶妙なバランスで紡がれてたことに気づくのかもしれない。 20余年という月日が流れ登場人物たちに 人生の最期が迫っているからこそ、 積年の悔恨や懺悔が切なく、 最後はそれらの深すぎる想いを奥歯で噛み締めて飲み込んで、ページを終えた。 ……感慨深い。 帚木蓬生作品は9作めの読了。 今回も人間の精神の奥行きというものを深く知らしめてもらった。

    5
    投稿日: 2025.05.25
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    友人が間違って同じものを買ってしまったので、と言ってくれた本。帚木蓬生さんの本は、当初私が友人に勧めた。気に入ってくれたみたいで、今度は他に目移りしていた私に勧めてきた。久しぶりに読んだらやはり面白い。最初から「ミステリー」の体をなしている訳ではなく、徐々にじわじわと謎が染み出してくる。その上著者の本職である医学用語が物語の品と言うか、知的な読み応えも満足させてくれる。昭和58年発行で、令和5年27刷目!すごいなー

    2
    投稿日: 2025.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昭和54年刊行…が古くささを全く感じさせない。 医学用語的なことも全くわからないのに、引き込まれた。

    4
    投稿日: 2025.04.22
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    以前読んでるけど、随分前だったから内容は全く憶えてなかったので新鮮な気持ちで読めた。 でも、帯の文言に期待高まっちゃって。 個人的に帯とか疑いもせず期待を高めるタイプだから、帯の評価文が良いと読み終わって、なーんだ。ってなっちゃう。 そういう人少なくはないと思うから、本を売るためには良いのかも知れないけど、作家さんにはデメリットな気がする。 帯はあらすじ位がちょうどいい。 と思われ。

    0
    投稿日: 2025.03.27
  • 白い夏の墓標

    この作品を読んで物語の中に吸い込まれる箒木蓬生さんの作品にハマりました、

    0
    投稿日: 2025.03.02
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    書店で帯に惹かれ購入。名作と言われるだけあって繊細で綺麗で切ない文章が読む手を止めなかった。 210頁「人は理由なしに生きることはできるけれども、十分な理由なしに死ぬことはできない。」本質的な素晴らしい一文だ

    1
    投稿日: 2024.11.22
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    ウィルス研究者のかつての同僚の過去を知り、米国の細菌兵器の研究をしていたことを知る。どんでん返しはないが、同僚の生い立ちや心理描写が良かった。

    0
    投稿日: 2024.10.29
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    聞き慣れない、見慣れない単語、文字、文章で読むのに苦労した。けれど 時代背景も内容もスケールの大きい話で面白かった。 ウィルス兵器、闇深く実際にあることなんだろうとは思うけど 間違った方法で使用されないことを祈るしかない。怖い。 少し自分の知力が高まった感覚を味わえる。笑

    0
    投稿日: 2024.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佐伯 北東大学ウィルス学教室。 ラザール・ベルナール アメリカ陸軍微生物研究所。 黒田武彦 二十四、五年前、ベルナールの部下。スペインとフランスの国境だ雪の日の自動車事故で亡くなる。 ジゼル・ヴィヴ 二十年来、武彦の墓の世話をしている。 リチャード 佐伯の旧友。十年前佐伯がロンドン医科大学にいた時の同僚。 仙台に駐留していた米軍北部兵站司令部の疫学部長。 市郎 黒田の兄。精神病院に入院している。 クレール 黒田の娘。

    0
    投稿日: 2024.09.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    黒田という人間が尊く、その生に魅せられました。 本書には、細菌学全般の知識を全く持ち合わせずとも、そのテーマの中で描かれるキャラクターの心理描写や人間ドラマが数々あり、思わず涙するシーンもありました。 その主な要素となるのは、やはり本書の主人公である黒田武彦です。 恐らく、誰もが彼の光の当たらない暗い闇の中で生きる様に共感をした場面が少なからずあったのではないでしょうか。 彼の生はあまりにもリアルで酷いものでしたが、私はそこから生まれる黒田の人間らしさに共感し、より彼を好きになりました。 本書の狂言まわしである佐伯も語っていましたが、黒田には、いわゆる「知らない方が幸せ」とされる世の中の闇が見えすぎていました。 それを無視することができずに悟ってしまったことで、彼は自ら閉ざした一人ぼっちの世界で生きるしかなくなったのだと思います。 しかしその生き方の根本にあるのは、紛れもなく黒田の捨て切れなかった良心です。 その良心が黒田を苦しめたのだと思うと、彼の辛さが痛いほど心に伝わってきました。 最後に彼は、自分の心の奥底にある小さな小さな火種を見逃さずに現実に抗いました。 無惨にもその計画すら命もろとも幕を下ろすことになりますが、私は黒田の置かれた状況下で彼が自分の意志を貫いて生きていこうとする姿に励まされました。 黒田はいつ狂ってもおかしくない精神状態だったのだと推測されます。 私なら、いっそ狂ってしまった方が楽だと、そのまま身を任せてしまうかもしれません。 しかし彼は、精神を病めてしまった兄を間近に見ていたために、その恐ろしさを身をもって実感してか必死に抗っていました。 私はそんな黒田に感化され、黒田が生きようとするなら私もこの世にまだ希望を持って生きてみようと思うことができました。 読者は黒田武彦の人生をどう思うのでしょうか。 もしかしたら、「可哀想に」と思うだけの人も中にはいるのかもしれません。 しかし私は心から、彼の人生はかけがえのないものだと思います。 そんな彼自身を愛してあげたいと思いました。

    1
    投稿日: 2024.08.17
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    1979年第81回直木賞候補作 文庫化は1983年 コロナ禍で、ウィルス研究小説として再注目されたようです 「ウィルス」研究の成果を評価され、アメリカの研究施設へと乞われた一人の若き細菌学者 程なく、同じ細菌研究者の友人は、突然の彼の事故死の連絡を受けた 数十年後パリで死んだ男の元上司の訪問を受け、彼の墓がフランスの田舎にある事を知る 墓を訪れた友人は、死んだ男の元恋人と会い、彼の死の真相を知る事になる ウィルス研究に没頭していた男の生い立ち、アメリカへ渡ってからの研究者としての葛藤が、徐々に明らかになっていく 研究が兵器として使われる事を拒んだ男の過酷な人生を友人がたどる 細菌研究について、詳細で さすがお医者様作家 フランスの山間の極秘研究所等魅力的な題材です

    72
    投稿日: 2024.08.13
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    科学は人を生かすことも殺すこともできる。研究を続けるためにアメリカへ飛んだ若き科学者は自分の信念を黙殺して組織に従うのか、それとも信念を貫いて組織に殺されるのか。 こういったジレンマは数多くの物語のテーマになっているけど、飽きもせずいつの時代も人々はその物語を読み、考え続ける。1983年にこの本が出版されてから、世代を超えて読み継がれ、今また注目を集めていることが素晴らしいと思う。 日々のニュースでは人間の嫌な部分ばかり強調されるけど、そんなに悲観する必要はないのかもしれない。

    4
    投稿日: 2024.07.28
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    40年以上前の話と思えないほど現代に通じるものがあった。 終盤は予想外の展開でページをめくる手が止まらなかった。

    9
    投稿日: 2024.07.18
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    【2024年読了ー57冊目】 帯が強烈で… 「1983年に出版された本ですが、名作といわれるものは絶対に色褪せることはありません!!」 でも間違いなかった…(笑) パリで開かれた肝炎ウィルス国際会議に出席した佐伯教授は、アメリカ陸微生物研究所のベルナールと名乗る見知らぬ老紳士の訪問を受ける そして佐伯は、かつて仙台で机を並べその後アメリカ留学中に事故死したと聞いていた友人・黒田が実はフランスで自殺したのだ、と告られている   本作の魅力は… ・なぜアメリカに留学していたはずの黒田がフランスで自殺したのか?彼に一体何が起きたのかという真相を探るミステリーであること ・「細菌にせよ、ウィルスにせよ、人間を相手にするよりよっぽどおもしろいさ」 「ウィルスは人間よりもきれいだ」と言い切るまでに至った貧しく絶望的な幼年期を過ごした研究者黒田の研究者として、人としての葛藤が描かれる人間ドラマ ・黒田の足跡を辿りながら、アリエージュの歴史、ピレネー山脈を堪能できること この作品が1983年に出版されていたとは驚きです… コロナを体験してこの作品を読むとウィルスと世界の闇にどうしても想像力を膨らませてしまう…

    5
    投稿日: 2024.07.15
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    この作家さんの話は専門的だけど好きなんです。今回もまるでコロナが以前から知っていたような感じをさせる物語であるともいえる。まぁ所々専門すぎて読み飛ばしたものはありますが(笑)

    0
    投稿日: 2024.06.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    20年前アメリカ留学中に事故死した黒田の 死が自殺だと告げられた佐伯が墓石のあるピレネーへ向かい過去を振り返る話。 アメリカ留学の真実に黒田の過去、徐々に明かされながら緩やかに進むこの世界から逃れたくない。黒田が佐伯に抱いてた感情も良くて、それが死後に伝わる虚しさ。黒田が足掻いた生き様を忘れたくない。なんやろ、読み進めるにつれてゆっくりと心臓を鷲掴みにされてる感がある。 そして最後の光が柄にもなくホッとした。いやそんな期待してなかったからこそそうか、そうやったんや、って胸に落ちた。良かった。

    1
    投稿日: 2024.06.01
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    すごい 面白い 古さを感じない話題、作者の卓越な知識をもとにした文章、引き込まれる構成、全てが面白かった。 途中、黒田のことを考えて辛過ぎて心が沈んでしまった。それぐらい読んでて引き込まれたし、心が動かされた、

    0
    投稿日: 2024.05.07
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    帚木蓬生著 白い夏の墓標  二、三年前古書店で比較的綺麗な形で並べられておいたので購入しておいた。最近書店で平積みで売られていたので読んでみた。40年以上前、著者は三十代に入った頃に書かれた本であるけれども、全く題材は陳腐化しておらず、今の時代にも十分通用する医学ミステリーであり、細菌兵器の開発をあつかったサスペンスです。  最近見た「オッペンハイマー」は核兵器開発の映画でノンフィクションですが、こちらはフィクションで細菌兵器をアメリカ政府機関での開発に関わった細菌医学者が最後良心に立ち返って、細菌をこの世から廃棄して上司の指示で殺し屋によってピレネー山脈の山深くで抹殺されてしまうストーリーです。スペインの国境の山間の地にある研究所と病院、そこからのフランスへの恋をした看護師との逃避行をみずみずしい文体も相まって非常に惹き付けられた一冊でした。

    0
    投稿日: 2024.04.04
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    これはなんだ?というのが読み始めて正直な感想。 昭和58年(1983年)の医療をテーマにした小説。道にウィルスをテーマにヨーロッパで謎に向かって突き進む主人公。ウィルスという最近人類が苦しんだテーマに真正面から向き合った作品だ。ウィルスのメカニズムについて解説もされていて記憶に新しいことが40年前に描かれているのだ。 そしてフランスからピレネー山脈での出来事が深く面白い。 とても40年前の作品と思えない斬新さを楽しめた。

    0
    投稿日: 2024.02.23
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    「この本、本当に凄いぞ!!」の帯に衝動買い。45年前とは思えない現代的内容の医学ミステリー。 アメリカで客死した学友の痕跡をおって行くうちに辿り着く細菌研究所。細菌兵器の研究に従事する医学者たち。逆立ちした科学。人体実験やウイルスなど、COVID19の出自を預言しているかのような内容。 書店員のオススメのとおり大当たりでした。

    0
    投稿日: 2024.02.11
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    この作品が45年も前に書かれたとは思えないほど、決して古びない科学の進歩と科学者の向き合い方の問題が描かれる。 貧しさと人間不信故にウイルス研究に憑かれた男の哀しい人生。死んだことにされ生涯を無名の科学者として国に奉仕することを強いられた男の行く末。 手記の形で描かれる黒田の生い立ちや、唯一の拠り所だった研究が「逆立ちした科学」であることへの疑問と絶望がヒリヒリと胸に迫る。 巻末の手紙が全ての謎を明らかにして、そこに一筋の希望が残されたことに安堵する。 科学の進歩も使い方次第。人を生かすも殺すも紙一重の医学の闇。 核兵器よりもはるかに安価で開発ができ、簡単に大量殺戮が可能な細菌兵器。あの国もまたあの国もきっと開発して備えているんだろうと思うと背筋が寒くなる思い。

    1
    投稿日: 2024.02.02
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    最後の最後でそういうことか 行ってよかった わかってよかった フォアに行きたくなった 40年以上前に書かれた本作が現代のcovid19に大きく関わりがあるように思える 昔から言われていたことが現実化。。? なわけないか

    0
    投稿日: 2024.01.06
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    3日間で読み切った。文章がきれいなので情景が浮かび引き込まれる。社会派的なストーリーも引き締まっていてよい。全体的にスキのない作品。

    0
    投稿日: 2024.01.01
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    「この本、本当に凄いぞ」との帯につられて、購入。 ハードルが上がりすぎていたせいで、期待はずれだった。 しかし、物語としては大変楽しかったです。 黒田という寡黙な研究科。 友達もいないので、過去も謎だが読み進めていくうちに、 どんどん人間味がでてきた。 コロナなどもあって、作者が詳しくかいているため、 人工ウイルスあるかもと思えた。 ふむふむ。。

    0
    投稿日: 2023.12.07
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    細菌兵器の開発という、「逆立ちした科学」に携わってしまった男達の苦悩の物語、といった所か。語り部的な立ち位置の佐伯教授は、その足跡を追うのみで、大きな事件に巻き込まれる訳ではない所がやや不満。  本作の舞台となっているモンセギュールはまた、『聖灰の暗号』――多分、初めて自発的に購入した帚木作品だったと思う――の舞台でもある。と思うと、また読みたくなった。

    1
    投稿日: 2023.09.03
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    どこかで読んだようなと思ったら、聖灰の暗号、と いう本の前に書かれたものだった。トュルユーズ、南フランスへの思い・憧れが溢れた本。行って見たいし他の本でも出てくるフランス・スペイン国境・どんな所なんだろう。

    0
    投稿日: 2023.08.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    孤独と言われる黒田にもジゼルや娘など一生涯想ってくれる存在はいるということが嬉しかった。黒田と佐伯は全てを語り合えるような関係ではないが、別々の場所に行ってもお互いのことを思い合えているのが不思議だった。ジゼルさんの人生を黒田が良い方向に変えてくれたのがわかった!

    0
    投稿日: 2023.07.21
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    昭和50年代に出された作品なのに、今読んでも色褪せない。仙台ヴァイラスを持ってアメリカの研究所へ渡った同僚の事故死。でも、それが事故じゃないと聞かされてから始まる物語。 細菌の融合によって生物兵器をも作り出せてしまう。逆立ちの科学。人を救うためのものではないのか。そんな自問自答が苦しいほど伝わる。 同僚の墓参りをし、しかし死体がないと聞かされる。 ひとすじの光に導かれるようにページをめくると真実にたどり着く。 某書店のポップアップ【どうしても売りたい本】というのに深くうなずける。そのポップがきっかけで手に取ったようなものだった。 南フランスの牧歌的な情景と、ピレネー山脈の風景が目に浮かんだ。美しい話だった。

    0
    投稿日: 2023.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    星3.5かな 黒田とジゼルが恋人になれたのは逃げている時だけだったので、それがやりきれないと思った。が、そうではなく、クレールは自分の父親を知ることができていた。礼拝堂でひっそり生きているのでもなく、救われたラストだった。

    0
    投稿日: 2023.07.01
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    時代は昭和、戦後8年程経ち、ウイルス学の研究の先端にいた大学の教室では黒田という男が渡米します。その手腕を買われ米国の研究所に招聘されたのです。佐伯は黒田の数少ない友人でした。佐伯はその黒田が10年程後、交通事故で死んだことを知らされます。年月が経ち、佐伯は出席したパリでのウイルス学会で出会った老紳士から20年ぶりに「クロダ」の名前を聞きます。更に驚くべきことに黒田の死因は、別なものだったことを知ります。その老紳士は黒田の上司だったのでした。 戦争では様々な兵器が使用されますが、密かに開発され実際に使用されると核兵器に劣らぬ甚大な被害が予想されるものに生物兵器があります。太平洋戦争で日本陸軍で開発されていたという細菌兵器は悪名高いものです。 科学者は、その知的好奇心の満足のために人類の幸福とは逆の顔を持つ危うさを秘めています。黒田もその恵まれない生い立ち故に一旦は道を踏み外してしまうのですが、彼の軌跡を辿った佐伯により、一筋の光明が当てられたのでした。 パリや欧州の山岳地帯の風景の描写など、物語の背景が余韻としてあります。

    0
    投稿日: 2023.05.24
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    36年前大学1年の時に地方のショッピングモールにある書店で新潮文庫の新刊を見つけ購入した。暴力的な学生寮の生活の中で読書に逃げ込み、そのモノトーンな描写と海外ミステリのような空気感に一気にとり込まれてしまった。そしてその完成度に驚き、それからは常に手元にある文庫本である。今回もブクログに登録するために久しぶりに手に取ってみたところ、結局最後まで読み通すことになってしまった。 何度読んでも引き込まれてしまう。 すべての筋書きは覚えてしまっているのに、夢中にさせてくれるたぐいまれな小説。この後の帚木蓬生は変なイデオロギーを感じてしまいこの小説しか読んでいない。

    0
    投稿日: 2023.04.02
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    帚木蓬生さんのミステリータッチの作品を初めて読んだ。相変わらず読みやすい文章。冒頭からスッと入っていけるのも特徴。すごく面白かった。プチどんでん返し系ですね。

    0
    投稿日: 2022.04.05
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    純粋な探究心と倫理の矛盾 科学の発達と共に、この命題は果てしなく続くんだろう 特に命の重さについて いつまで、どのような命を救うんだとか

    0
    投稿日: 2021.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「幸福を追求するハズの科学も、科学者も、戦争のイデオロギーの前には無力でした。」科学技術の軍事利用に対して、研究者あるは科学者は、ある程度理解している・納得せざるを得ないと思っていた。仕方がないといった諦めも含めて。 だから、ドローンもAIも軍事利用が許されるのだと思っていた。誰の責任かは別として。 ただ、ウィルスや細菌といった細胞融合の技術を利用した生物兵器の研究となると、直接過ぎるのでしょうか?技術の応用の範囲を超えているのでしょうか? 最先端の設備での研究を任されて、何を思い、何を感じながら、自分の研究と向き合うのか。最先端の設備をそろえるその環境は、なんのために存在していたのか 自分のしたいこと、野心、思いとか、希望・望み、そして要求。それらに苦しむクロダの思いが、十分通じる。 最後は悲惨な結末かと思ったのに、救いがある結末になっていてほっとした。

    0
    投稿日: 2021.08.15
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    医学ミステリーでこれも当時話題だっただろう旧い作品。 ウイルス研究が細菌兵器になるという恐ろしいことを下敷きに 一人の医学関係男性が翻弄される、時と場所のスケールが大きい物語。 フランスとスペインの境ピレネー山脈にアンドラ公国なんていう 小さな小さな国があったなんて、この本を読まなければ知らなかったわ。

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    投稿日: 2021.08.13
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    あらすじを読んで、あまり期待しないで読み始めましたが、読み終えたあと、たった一冊の本を読んだだけなのに、長編の物語を読み終えたような満足感があった。 パリの学会で、若い頃に数年だけ机を並べて、その後一度も会っていない同僚についての消息を聞くところからお話が始まる。 黒田さんの幼少期の芹を売りに行った話やジゼルの初恋の話など、メインストーリーとは全然関係のないエピソードが、それぞれのキャラクターに厚みを与えて、全体として重厚な話に感じたのかな。 涙を流して感動するような話ではなかったけど、心に残るお話でした。

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    投稿日: 2019.01.13
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    私的には低い評価になってしまいます。 私にとっての帚木さんは、ヒューマニティの作家さんなのです。でもこの作品は普通のサスペンスですね。まあ、裏表紙の解説を見た時点で、その覚悟はしていたし、そのため今までこの作品に手を出さなかったのですけどね。 悪い作品ではないと思います。ズンズンと力強いものではないですが、静かに引き込む力を持っていますし、終わり方も綺麗ですしね。ただ、帚木さんに対して私が勝手に持ってる要求がかなえられなかったと言うだけで。。。。

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    投稿日: 2017.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今回は細菌学をテーマとしており、多少医学の知識がある私でも難しかったです。しかしさすが帚木氏。黒田の死の真相が明らかになっていく過程が良かった。佐伯氏が本当の黒田を理解したのかなぁ~と感じた。ベルナール氏も本当は心優しい科学者だったんですね。最後までハラハラしながら読める作品でした。

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    投稿日: 2017.09.23
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    2016/10/03 - 2016/10/09 パリで開かれた肝炎ウィルス国際会議に出席した佐伯教授は、アメリカ陸軍微生物研究所のベルナールと名乗る見知らぬ老紳士の訪問を受けた。かつて仙台で机を並べ、その後アメリカ留学中に事故死した親友黒田が、実はフランスで自殺したことを告げられたのだ。細菌学者の死の謎は真夏のパリから残雪のピレネーへ、そして二十数年前の仙台へと遡る。抒情と戦慄のサスペンス。

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    投稿日: 2016.10.06
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    医学の世界がリアルに書かれてて、お見事!の一言。派手に知識をひけらかす訳でなく、基礎がどっしりしていて、医学を学んだ者でも納得しながら読める。 なおかつ、故人を訪ねて死の謎を追っていくミステリーの要素もテンポよく進んでいく。最後の手紙で、エンターテイメントとして丸く収まったか?

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    投稿日: 2015.11.04
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    読了。僕達を封じ込めているのは社会とか思想とかではなく、1日24時間という物理的制約と知性という生理的限界だけである。テーマの割に明るい展開と相変わらず引き込まれるわ。ただ、読書に絶望的な虚脱感を求める僕としてはハッピー(?)エンドにそうなの?感はあり。間違えなく面白いけどね。

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    投稿日: 2015.10.12
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    テーマや環境が似すぎていて、だんだん全部が同じに思えてきた。 細菌兵器を作るために引き抜かれ・・・だけどやりきれなくなり逃げて自殺したと思われていた友人の足跡をたどる話。

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    投稿日: 2015.06.26
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    純粋エンタメに近い医療サスペンス。帚木氏ならではのスケール大きな舞台展開と一気に読ませる筆力。一方でテーマの深みにはやや欠ける感があり、帚木氏独特の壮大な人間愛を期待した身としてはやや物足りなかった。

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    投稿日: 2015.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生物学に多少の造詣が無ければ読みにくいかもしれない。むしろ、あればこそこの作品はもっと意味深く読み取ることが出来る。帚木蓬生の書く医療ミステリはそのミステリ性のみならず、医療の暗部に警鐘を鳴らすような社会的な主張が強く感じられる点が特徴的だ。今回も細胞融合の技術を利用した生物兵器という起こりうる闇を描きつつ、ミステリとしての本筋からも外れない見事な作品となっている。

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    投稿日: 2013.10.01
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    医学サスペンスというよりは純文学のようでした。医学としての題材といい舞台のヨーロッパの情景も書かれておりとても興味深く読めました。とても好きな作品です。

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    投稿日: 2013.07.22
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    『聖灰の暗号』でおまけしたので、こちらは★2つ。 その『聖灰』と同じなのだが、惜しいんですよね、この作家。 十分な魅力を振り撒きながら、結末が尻切れトンボ。 というより締めの重厚さが欠落している。 興に乗って読んでいる内にはたと残りのページ数が余りに少な過ぎることに気づき、その落差からか余計に失望感が増してしまうといったところでしょうか。

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    投稿日: 2013.04.18
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    医学者佐伯が、パリで開かれた国際会議で知り合ったベルナール教授から懐かしい人物の名前を聞かされる。 大学時代の忘れられない友人黒田が、自分とは別の道に進んでからの様々な出来事を、佐伯は旅しながら知ってゆくことになる。 ウィルスや様々な医学的な実験の話が細かく綴られているが、医学サスペンスというよりは、純文学のような味わいの本に思える。

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    投稿日: 2012.09.30
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    科学的な内容が大半を占めているが、人物の表現は純文学のよう。知的興味をそそる一方で、登場人物の切ない思いが綴られた良作。

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    投稿日: 2012.08.24
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    2012.04.03 『閉鎖病棟』からはじまって帚木蓬生のファンなのだけれども、 この作品は、初期の頃のものかな。 わたしが「好きだ!」って思う一群とは、少し作風が違う感じがしたよ。 ストーリー性ははっきりしていて、スピード感もあって、おもしろい。 だけど、もっと“人”に近くて、登場人物ひとりひとりに寄っていく感じが いつもの、ってわたしが思う部分だったのかな。 と、それは置いておくとしても、 これはこれで迫力のある、読み応えのある物語だと思います。 クロダのノートの部分が、なんといっても一番息をのむ部分。ハイライト。 明晰な頭脳を持つウイルス学者が、最先端の設備での研究を任されて、 何を思い、何を感じながら、自分の研究と向き合うのか。 最先端の設備をそろえるその環境は、なんのために存在していたのか。 その、医学的倫理を問う部分はもちろんのこと、 人の生き方とかあり方とか、そういうことについても考えさせられる。 今って、ものすごく“自分”が大事にされてる時代だな~と思う。 自分らしさ、自分探し、個性とか、オリジナルとか。 でもその一方で、社会への参加とか、貢献とかがものすごく評価される。 いつの間にやら、社会に貢献できる自分を自分が一番評価してる、 そんな感じになってっちゃうかんじがする。 自分のしたいこと、野心、認められたい思いとか、いろんな欲とか、 社会から、他者から、求められること。 それを重ね合わせることに苦しむクロダの思い。 わたしたちにもじゅうぶん通じるものがあるなと思った。 …物語終盤。 佐伯が、「このノートは、どうして残されているんだ…?」と、気づくところ。 そこがもうひとつの見所だと思います。

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    投稿日: 2012.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佐伯は医療学会に参加するために赴いたフランスでベルナールという老人から学友の黒田が事故死ではなく自殺したのだと聞かされる。黒田はなぜ死んだのか、黒田の残したノートや友人、元恋人の話をもとに彼の人物像や死の謎を解き明かしていく医療ミステリー。

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    投稿日: 2012.01.13
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    医療の研究分野は、一歩踏み間違えると、恐ろしい研究へと繋がっていくんだなあ~と言うのが一番の印象。 この話の主人公は、研究者としての卓越した才能がありながら、生い立ちから負の連鎖で、自分では望まないのに、負の方向へと追い込まれていくしかない…それが悲しい。 その悲惨な生涯で、心を許したただ一人の友が、途中で投げ出さざるを得なかった研究を、受け継いでくれそうだ…という最後に救いがあるかな。

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    投稿日: 2010.11.28
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     再読。初読のとき、ものすごい衝撃を受けた本。  冒頭の、肝炎ウィルスについての解説の膨大さに、「医者だな〜」と思ったものの、その後に続く物語のテーマの重さと危うさと、読者の想像力の広がりに限界を定めないだけの物語の奥行きに驚かされた。佐伯と黒田は無事、再会を果たせただろうか。佐伯は、黒田の遺産をどう正しい科学として生かしただろうか。本当に、想像は尽きることがない。  そして、この本に出会うきっかけになった出来事も思い出した。帚木蓬生という作家を薦めてくれた学部時代の教官。その話をしたのは、学部の私たちの代の追いコンの二次会だった。本当に、懐かしい。

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    投稿日: 2006.09.13
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    『三たびの海峡』とセットで読んでほしい。 そうでないと、帚木蓬生というひとについて誤解した思いを抱くことになりかねないので。

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    投稿日: 2005.06.23
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    さすが現役のお医者様である。医学知識に基づく巧妙なストーリー・テリングは言うまでもないけれど、それをせつないサスペンスに仕上げるとは本当にお見事!氏ってホント、涙のツボを押さえるんですよね〜。

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    投稿日: 2004.11.22