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イソップ寓話の世界
イソップ寓話の世界
中務哲郎/筑摩書房
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総合評価

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    イソップ寓話が実は紀元前にできた話、というのを聞いて興味がわいて読んでみた。 が、正直私には難しかった。 以下メモ 現在イソップ寓話と呼ばれているものが本当にイソップ(人名)が作ったという証拠はなく、何世紀もかけてイソップの名のもとに形成されてきたと考えられている。 イソップ(ギリシア語ではアイソーポス):紀元前630年ごろの人物。 サモス島(ギリシャへの奴隷供給地として有名な島)出身。 聖物窃盗の濡れ衣を着せられて断崖から突き落とされ非業の死をとげた奴隷。 口が達者という記録もある。 「イソップの戦略の基本は、言葉を字義通りに取る。そして、言葉とそれが表すものとの対応が実はきわめて曖昧なものであることを顕わにすることにより、曖昧な常識とそれに安住する支配階級を撃つというものであった」 例えば、「お前はどこから(来たか)→「肉から(肉でできた人間)」 「そうではなくて、どこで生まれたのだ」→「母の胎内で」 「豆を煮ておけ」→豆を一粒だけ煮る。 「風呂上がりの飲み物をくれ」→ふろの湯を椀に入れて渡す。 嘘と嘘つきにまつわる諺の最古とされるのが以下 嘘をつけ、(然るのち)真実を言え。それは嘘と思われるだろう これを寓話化したものが、「羊飼いのいたずら」 オオカミが来たぞ~と嘘をついていた。本当にオオカミが来た時に信じてもらえなかった話。 ただ、この手の話は東洋にも存在する(褒娰の笑い・司馬遷の史記) イソップ寓話だけがこの諺の寓話化でもなく、世界中で寓話化されているかもしれないという研究。 日本では、1593年に「伊曾保物語」が成立。イエズス会の宣教師により伝えられた。 が、イソップ寓話と同様の話は、これ以前から日本にもあり(例:金の斧・ごましお頭と二人妻・三本の矢の教え)それより前に伝わってきたものか、それとも日本でも、たまたま同様の話が生まれてきたのか色々な説がある、らしい。 ※ごましお頭と二人妻 二人の妻を持つ男、老婦からは友白髪になれと言われて黒髪を抜き、若い妻からは白髪を抜いて若作りせよと言われて白髪まで抜き捨てた上に、白粉を面に塗り青黛(主に 青い眉墨)を眉に描いて瓢箪に絵をかいたような姿になる。こうして両方から嫌われて捨てられるのが第一弾。 第二弾では、男は農耕で世を渡ろうとするものの、雨降れば山に登って田を開き、日照れば谷に下って田を作りするうち、山の田を日照り、谷の田を洪水で失ってしまう。 第三弾は、男は死後畜生の報いを受け犬になって、食を求めて東の里、西の里を行きつ戻りつするうちに大河の中で力尽きてしまう。 この話のパターンは色々な年代、地域にみられて、ここから導かれる教訓も様々らしい。

    6
    投稿日: 2025.08.01
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    イソップが生まれる以前からイソップ寓話が存在したと主張する本。読んでみるとなるほどなと思わないでもない。

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    投稿日: 2023.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    寓話が無知蒙昧の徒を説得する方便、幼童教育の教材とされているわけであるが、寓話はまた奴隷と結びつけられて、弱者の主張の隠れ蓑とも考えられていた。 「ここで簡単に、寓話というものがなぜつくりだされるにいたったか、説明させていただくことにします。そもそもは罰を恐れて何も言えない一人の奴隷が、自分の気持ちを短い話に託し、滑稽を隠れ蓑に叱られるのを免れようとしたのがはじまりです」(パエドルス『イソップ風寓話集』)p29 「イソップの寓話は翻訳する値打ちがあるが、適正な配列と部類分けを施すのがよい。それは、ただ一人の人間が作ったものではなく、何世紀にもわたって多くの人々が営々と書き継いだ本であるからだ」(マルティン・ルター『卓上語録』)p50 イソップという名前はただひとりの人物に対応するというより、寓話作家の集合名詞に化している。p52 【寓話作家イソップの誕生】 人々が才能の分前をヘルメス神に祈った時のこと、イソップの捧げ物は極めて貧しく、ヘルメスは豊かな捧げ物をした者から順に哲学、弁論術、天文学、音楽、叙事詩、イアンボス詩、等の能力を授けて行ったが、疲れてイソップのことは忘れてしまった。そこでヘルメスは、生まれて初めて揺籃の中で使った寓話の術がまだ残っていたのを幸い、それをイソップに与えた、と。(ピロストラトス『テュアナのアポロニオス伝』)p65 【ヘシオドスの教え】 悪しきことはいくらでも、しかもたやすく手に入る、それに通ずる道は平らであり、しかも身近に住む。だが不死の神々は、優れて善きことの前に汗をお据えになされた、それに達する道は遠くかつ急な坂で、始めはことに凸凹がはなはなだしいが、頂上に到れば、後は歩きやすくなる- 始めこそ歩きがたい道ではあるが。p71 【賢者はつねに自分の内に宝をたずさえている】 シモニデス、船が難破。何も持って行こうとしない(宝石など) 「財産はひとつ残らずこの身にたずさえている」 知識や見識は何が起こっても自分の内に残る。p99 インドの寓話を含む重要文献としては1世紀から6世紀の間に原本が成立したと考えられる寓話集『パンチャントラ』が挙げられる。p149 毛利元就「三本の矢の教え」

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    投稿日: 2011.12.12