
総合評価
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powered by ブクログ【図書館】なんばに宿泊したので、朝のウォーキングに「鯛よし百番」まで歩こうと決めて向かった。初めて訪れた飛田は、土曜日の早朝だというのに道にゴミひとつ落ちてなく物凄くキレイだった。たかが数時間前の昨晩、何事もなかったかのように。 その違和感の正体を知りたくて読んでみた。核心には迫れていないが、女性視点での主観が楽しめた。
0投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログ色街といえば一番に浮かぶのは「飛田新地」。女性が覗いてはいけない男の世界、そんな色街を女性である著者が、取材をし書き上げた一冊。 女性がひとりで歩いていたらドヤされるとか聞くし、取材は困難を極めたことだろう。 お客として行ったことのある人への取材はまあまあ詳しくされているけど、中の人は語りたがらないのか語ることが御法度なのか、飛田の真の姿が見えず少し物足りなさを感じた。 全てを見せないからこその飛田の魅力なのかもしれない。 女の子のいてるお店に上がるのは無理だけど、飛田新地の端に位置する遊郭として使われていた建物を利用した料理屋「鯛よし百番」へは一度行ってみたい。
0投稿日: 2024.04.08
powered by ブクログ正直、著者の生の感情は鼻につく。 けれど、調べられた歴史や語られる取材内容の面白さに、ぐいぐいと読み進めることになった。
1投稿日: 2022.07.19
powered by ブクログ可もなく不可もなくといった読後感。 飛田新地については、その多くが真偽不明のトンデモ本か、歴史情緒を醸し出すだけの本であり、この本のように現在進行形の飛田新地を扱った本は稀だとおもわれる。その意味では、一読の価値はある。また筆者に飛田新地に対する特別な先入観が強くない(少なくとも、先入観によって事実が曲げられることがない)ことも、安心して読み進められた要因である。 他方、取材しにくい対象であることもあろうが、関連法案や背景事情をあまりにも下調べせずに取材している様子も赤裸々に書かれており、もう少し何とかなったんじゃないの?と素人ながらに突っ込んでしまう部分があったことも確か。
0投稿日: 2022.05.07
powered by ブクログそこは桃源郷か地獄か。 大阪に残る色街、飛田新地。大きな声で語る人がいない、中の人も外の人も語りたがらない飛田について徹底した取材を元に書かれた労作。売買春は悪か、そんな話をするのではない。そこに生きた人、生きる人が口を開いた言葉を記録したものである。 性を売るのは自分の勝手ではないか。そういう意見の人もいるだろう。売春は悪いことだから廃業させなくてはいけない。そういう運動もあるだろう。だけどここに書かれているのは、他に行くことがなくて飛田に来た人がいて、飛田にいる人を蔑視する人がいるかということだ。そして悪いことだから辞めなさいと言って辞められるものではなく、他に生きる術を身につけさせて一人立ちさせるところまでやらないなら、この仕事はなくせないということだ。 あと読み終えて感じたのは、満たされてないことが他人への攻撃性を育てるのではないかということだ。貧しくても満足しているなら、自分を無理矢理持ち上げて、相手を下げる必要がない。近年日本でも海外でも閉塞感からか分断が広がり、自分と異なる者への攻撃が激しくなっているのは、それだけ満たされていない人が増えているからだと思った。
0投稿日: 2022.02.23
powered by ブクログ井上理津子著「さいごの色街 飛田」という本を読みました。 大阪のある街について深く掘り下げた本は決して多くない(ややこしいので掘り下げにくいのでしょう)のですが、先日読んだ「大阪アースダイバー」同様、この本も結構、頑張って取材している本でした。 飛田をマスコミで取り上げる際、所詮は「きれいごと」に終わるものが殆ど全部。この本も、最初はそういう類かと思っていたのですが、違いました。 文献などの資料で書かれた部分はもちろん、ガードが堅い飛田に体当たり取材して得た貴重な証言なんかもあって、勉強になります。 「飛田新地料理組合」の幹部が貸してくれたテレビニュースのDVDを見たら、差別問題に詳しい桃山学院大学名誉教授の沖浦和光さんが「義理と人情に塗り固まった町」「遊郭には重みがあった。・・・・・(飛田には)遊女の聖性が垣間見える・・・」と発言していて、開いた口がふさがらなかったと、批判をしていました。全編を通じて、決して批判的な本ではなく、告発本でもない。 ただ、行われているのが売春だと分かっていながらなぜ警察からの手入れも受けず、この商売が成り立っているのかという強い疑問は前提に出ていました。そして、「飛田新地料理組合」の顧問弁護士が、橋下徹氏だったことも、「発見」として報告をしていました。 この本で、いろんなことを知りました。 今の飛田の「料亭」は、「アルバイト亭」なんだそうです。 アルサロ(アルバイトサロン)が流行ったのがきっかけでそうなったそうで、バンスで売られてきた女性ではなく、昼間はOLなどがアルバイトで夜に稼ぐところ、といったところでしょう。だから、女の子の斡旋もプロの手によるものでなく、新聞広告で女の子を募集するとのこと。 80点ぐらいの本かな、という感じでした。
0投稿日: 2021.03.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あとがきに思っていたことがほぼ全て書かれていた。 純粋な疑問として、なぜ消費センターや警察に相談しないのかと思うことがあったが、私の無知が原因だった。 この世の仕組みから零れ落ちてしまう人たちがいる。 零れ落ちるという言葉が適正ではないかもしれないが。 飛田が舞台なので女性がメインだが、男女問わず両親などの幼い頃から青年期まで社会とはどんなところかを教えてくれる存在の不足がずっと続いてしまう。 連鎖は一度走り出したら止まらないのかもしれない。 遊郭の成り立ちを知りたいと思い関連する本を読んでいるが、そういう意味では遊郭そのものの成り立ちとは違うが飛田遊郭の成り立ちが参考資料を元にとても丁寧に記されていた。 女性の権利のために戦ってくれた人たちがいる。 その人たちがいてくれたおかげで今日の女性の権利が向上したのも事実。 だが、遊郭でしか働けない、働いたことがない人たちにいきなり「売春をするのは悪いことです、これから遊郭は閉じます」と宣言しても行き場がないのではないかと思っていたので、ページは忘れたが保護施設で娼妓の方がこれからどうするんだと怒鳴り込んだという記述は腑に落ちた。 やはり、行き場のない人たちがおり保護しますと言われても短時間では言い方が悪いが教養は身につかず、結局今まで就ていた仕事に戻ってしまう。 それは仕方のないことだと思う。きっと世間の目も厳しく働き続けるには難しかったのではないかと思った。 売買春が悪、根絶したいとするならばその後の行き場を作ってから取り締まらないといつまで経っても同じことの繰り返しだろうなと。 篠原無然さんのことを知ることができ、いつか記念館を訪れたいと思う。 本当のところはその時代を生きたものですらよくわかっていないのかもしれないなと思った。 結局人が人に話すことには色々なフィルターを通す。 都合の悪いことは記憶の中で薄れていくだろうし、そうでないときっと苦しんでしまう。 歴史は今この瞬間だけが真実で時が経ったものに関しては真実だろうけど、全くの真実とは少し異なるのかもしれない。 p166の喫茶店の方の言葉に不覚ながら涙が溢れた。 「ダメ。もうこんなところへ来たら絶対にダメよ。こんなとこを知ってると言うてもダメ。どこから知られるかわからへんから、もし今後どこかで飛田の話がでたら、『知りませんっていわなダメ。』言うて送り出したげた…」 その地で働いている人がそう言わねばならない世間の目、その目の中に私も含まれている。 お好み焼きのおばちゃんの話で、私自身曳き子のおばちゃんのことを十把一絡げで見ているなと実感してしまった。 おばちゃんもそれぞれ違うのに… 少し下に見てしまう根本的な原因はなんなのか新しく疑問に思った。 著者の胆力、凄いなと途中ハラハラする箇所がありつつとても勉強になった。(ヤクザの事務所のチャイムを押したところは肝が冷えた。) 難しいテーマの取材をし、本を出版していただいたことに感謝しかない。
1投稿日: 2021.03.05
powered by ブクログ女性の書き手がここまで書けたのが凄いが正直なところ。年月かけて取材している。今後、このような本は出ないと思う。
0投稿日: 2020.03.11
powered by ブクログ女性作家さんが描く色街の真実。 物語の中に出て来る遊郭は知っているが、今でも実在し、しかも女性が突撃取材をすると言うルポタージュは衝撃的。 普通の風俗でも、中でどのようなことが行われているのか、女性が知る由もない。そんな中で法的には違法とされる飛田を包み隠さず、描く今作はまさしく私にとって、知りたい世界だった。 仕事柄、宴会コンパニオンさんと一緒になる機会が多い。その度に自分では出来ないと思う仕事だと思う。コンパニオンと飛田の「女の子」とでは全く事情が違うとは思うけど、やはり飛田の「女の子」も自分では出来ない仕事。 ここ数年で「女の子」の働く理由は変わってきたようだが、作者が取材を続けていた当時は、やはり昔の遊郭同様、自分には逆らえない何かしらの理由で働いていることが多い。戦後、どんなに経済が高度成長を遂げても、変わらない世界があることを知った。 この本が出版されたのは2011年。その後、文庫版にするにあたって、「文庫版あとがき」が追加され、単行本が出た時の感想が付け加えられている。しかし、その中に女性の感想がない。普通の女性がこの作品を読んで、何を感じるか? 私はそれが知りたい。
4投稿日: 2020.01.30
powered by ブクログ貧困の連鎖。生きていくために選択肢は無い。そんな人たち、そんな人たちが生活する町をルポルタージュする。身を守るためにルールを設けて社会を作る。異論を唱えたら町から追い出される。店が更地になり、マンションになる。そして町は他と同様変貌していくのだろう。2019.11.4
0投稿日: 2019.11.04
powered by ブクログ大阪に勤めていた時、女の先輩に「飛田ってとこだけは行ったらアカン。今の時代に『売られたん!?』っていう女の子がお客を待って道に向かって座ってるんやで」と言われたことがある。 それ以来、ずっと飛田、いわゆる「ちょんの間」に興味があった。 このルポは売買春に対してフラットな立場でいようとするあまり、やや物足りない内容であったが、それでも経営者や「おんなのこ」の生の声もちょっとだけ覗けて、少しだけ知りたい欲が満たされた。 そう、欲。ここでたつきを得るしかない、ギリギリの生活をしている人々を興味本意に垣間見る。 なんて醜い欲望だろう。 だが、この街は欲望にまみれている。 だから、このくらいの下衆な視点がお似合いなのかもしれない。 江戸時代の遊郭と、本質的にはなにも変わらない袋小路が、まだ現実にあるなんて。 驚きと恐怖と、そしてーー認めたくないが、確かにワクワクして、この本を一気に読んでしまった。 罪滅ぼしとばかりに、負の連鎖、大富豪のゲームのように貧民に一度落ちたら抜け出せない社会構造に思いを馳せ、このサイクルからなんとかして抜け出せないかと考えた。 もちろん答えは出ず、暗い心持ちになるばかりだった。すえた臭い、薄暗い小部屋、行ったこともないのにそんな風景が浮かんでしまって、暗鬱たる読後感だった。
1投稿日: 2019.08.23
powered by ブクログ読了。西成は父の出身地である。親戚もいるので、良く遊びに行ったことがある。飛田という地名は聞いたことがあったが、西成にあることは、この本を読むまで知らなかった。私には、売買春について、意見を言える資格はない。それは、わかった。
1投稿日: 2019.07.15
powered by ブクログなんでこんな凄いところが日本に残ってるのかという秘密がわかるかと思って読んでみたけどやっぱりわからなかった。残念ながら取材力不足、とも思いましたが、結局書けることと書けないことがあるというのが事実かもしれませんね。
2投稿日: 2019.05.21
powered by ブクログ10年以上に及ぶ飛田での取材に基づいたルポ。筆者は豊中の人で、ところどころ「綺麗な北から、ごちゃついた南への視点」を感じてしまったのは、私の私情からだろうか。貧困の末に飛田でしか生きられない女。非合法と知りながら黙認する社会や男。構造がつらい。
0投稿日: 2018.04.18
powered by ブクログ確かに日本ではもはやここだけ、と思われる特殊な街を描いた作品。特段風俗好きというわけでも無いのだが性風俗ものには何か心惹かれるので手にとってみた。本業は旅行が専門の女性ライターがたまたま宴会で訪れた飛田に興味を持ち12年かけて取材したものらしい。昔からの色街で古い形態のまま商売してるのは確かにもう飛田くらいなのかも知れない。作者のスタンスがこの特殊な街のことを世間に知らしめたいというだけで変に悲惨さを強調したりせず事実を淡々と述べているところが良い。アポなしでヤクザの組事務所にまで取材をかける根性にも驚かされた。読んでて気持ちのいい話では無いが変な偏りがないので読めたのだと思う。興味深い街だし面白いと思ったがおそらく一生行くことはないだろう。本だけでじゅうぶん。
0投稿日: 2018.02.12
powered by ブクログ「夜のとばりが降りた時刻、客引きのおばさんが手招きし、紫や赤の けばけばしい色の蛍光灯が、上がり框にちょこんと座った女性を照ら す店に、一人、また一人と吸い込まれて行く。私は、その光景を見な がら歩くうちに、頭がクラクラしてきた。さっき、近くの商店街の食堂で 食べたきつねうどんの、やたら甘ったるかった出汁が、食道を伝って 口の中に逆流してきそうな気分に襲われた。」 引用が長くなった。本書の書き出し5行目からの文章なのだが、既に この作品に対して印象が悪かった。先入観と言われればそれまでなの だが、読み進むにつれ「これは飛んでもない作品に手をつけてしまった か」との思いが深くなった。 今も昔も女性が春をひさぐ町。そういった町を女性が取材する難しさ は分かる。男性の書き手と違って、実際に商売の行われている場に 潜入は出来ないのだから。 それを差し引いたとしても本書の著者の取材姿勢には嫌悪感を覚える。 著者が本書の冒頭で書いたような、吐き気を伴うような強烈な嫌悪感だ。 書かなきゃよかったのにと思う。吐き気を催すほどの光景のある町を、 何故、取材対象にしようとしたのかも分からない。こだわりもなく、愛情 もなく、事前勉強(売春防止法やら、風営法やら)もせず、女性が座る 店先を冷やかして歩き煙たがれる。 私は差別主義者ではないのだけれど、素人の女性が足を踏み入れは いけない場所はあると思うんだ。それが本書で取り上げれている飛田 を始めとした色町なのだと思う。 東京の吉原や玉井を描いた男性の書き手による作品は何作か読んだ。 そこにはノスタルジーがあり、体を売ることで生活の糧を得る女性に対し ての愛情が溢れていた。 そういった一連の作品と比較して本書に著しく欠落しているのが、取材 対象に向けられる愛情だと感じた。 飛田に関係があると噂されるヤクザの事務所にはアポイントメントなし で突撃しているのに(一旦、取材拒否)、管轄する警察署にはライターで あることを隠して「飛田では売春が行われているのに、何故、取り締まら ないのか」と意見するってなんだろう。 対応した警察官に問われて「一市民として知りたい」と言いつつ、後に は身分や目的を明かして取材しているのだが、飛田の「なか」では著 者の取材に協力してくれた人もいるのに「売春している。取り締まれ」 なんてよく言えたものだわ。裏切り行為じゃないんだろうか。 結局は詳細な話は聞けてないんだよな。色町という場所だけあって、 みな揃って口が堅い。話を聞けている部分もあるのだけれど、相手が 話したいと思うことを話させているだけ。相手の起源を損ねるのを恐れ て「はい、はい。そうですね。飛田は情緒があっていいところですね」の ような太鼓持ちになっている。 挙句、「あとがき」で「なお、本書を読んで、飛田に行ってみたいと思う 読者がいたとしたら、「おやめください」と申し上げたい。客として、お金 を落としに行くのならいい。そうでなく、物見にならば、行ってほしくない」 なんて書く始末。 だったら、作品として発表するなと申し上げたい。むしろ足掛け12年の 著者の取材期間こそ物見遊山だったのではないのか。 言葉遣いはおかしいわ、文章は拙いわで久し振りに酷いノンフィクション を読んでしまったと後悔している。
1投稿日: 2017.08.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「性」を売るということは そのまま、命を売るということだ―― 精神を削り、捨て、私は何も感じてないと 嘘をつき、ついた嘘のぶんだけ消耗し ひたすらに擦り減っていく。 心も体も。 常に命がけの病気と背中合わせで 守ってくれるものは何もなく、 時として、剣より強いペンにさえ 面白おかしい玩具のように表現される。 なぜ、そこにいるのか? なぜ、そこでしか生きられないのか? 真剣に向き合っている本。 著者の結論としての 「行くなら金を落とせ」という言葉も 一つの真実だとは思うけれども 命を削って売らなければ 生きられない世の中はどこかが なにかが、歪んでいるとしか思えない。
5投稿日: 2016.09.14
powered by ブクログ「東京広しといえどもああいう町はどこにもない。」 ひょんなことから飛田に行き、衝撃を受けた。あんな空気を、今まで吸ったことがなかった。心臓がバクバクした。そして、今まで聞いたこともなかった飛田新地のことを知らないといけないと思い、読んだ本。ブログの面白半分な情報よりは、女性目線、10年かけた取材、という所から歴史を知る手がかりになった。 女の子と、やり手婆。風俗というと黒服で強面の男性、という印象だったが、客引きが女性のしかもおばさんであることに驚いて、そこが理解できなかったが、この本を読んで女の子とやり手婆の信頼関係があることを知った。売り、買い。性というものがこういう使い方をされることはやはり嫌悪感を抱くが、飛田という街の生々しさは生きること、を考えさせられる。 「怒ったり、笑ったり、騙したり、騙されたりを、どうしようもなく繰り返す人間の性がむきだしのあの町」 ハリボテのような嘘にまみれたどこにでも蔓延している空虚の街よりも、人間らしいある種のひさむきささえ感じた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ヒトは多面的です。きれい事では済まされない。人間は汚れた部分を持たざるを得ないから、取り巻く社会にも何重もの構造がある。だから、世の中、面白いのだと思いませんか。」 「この商売をして、よかったと思うことは一つもない」と、料亭経営者のマツノさんは言った。「現状満足度はゼロ%や」と、女の子を経ておばちゃんになったタエコさんも言った。それでも、みんな、生きていくために飛田にいる。 「そりゃあ、風俗という選択をしないで人生を送るほうが、女性としては幸せなんだと思いますよ。でも、何かの事情でやむを得ず風俗の世界に飛び込んだのやったら、(風俗の仕事を)ポジティブにとらえて、頑張って一円でもたくさん儲けるほうがいいに決まってますやんか。」
0投稿日: 2016.05.07
powered by ブクログ今後この街はどうなって行くんだろう?徐々にフェードアウトして行くんだろうな。興味本意で見に行くなとは言うもののどんな風景、雰囲気、人達がいるのか見てみたいと思った。
0投稿日: 2015.12.10
powered by ブクログ何よりも女性である著者の得体の知れない執念に驚かされる。7割ほどが無駄足の道程、それを延々と記すとは…。
0投稿日: 2015.12.09
powered by ブクログ飛田新地のルポ。10年かけて、紆余曲折ありながら着実に情報を集めて形にした一冊。 性を搾取する場所があるなんてとんでもないというスタンスで取材をはじめる。しかしそのスタンスが取材を経るにつれてどんどん変容していくところが面白い。 本書の最後は「興味半分で行くな、お金を落としていけ」と締める。 今も昔も女性が色街で働く理由は「お金」である。売りたい側買いたい側が存在し続ける以上このような場所はなくならない。
0投稿日: 2015.08.24
powered by ブクログ確かに、面白い本。 天王寺駅周辺は訪れたことがあったが、あの近くにあったとは。 中二階の部屋。 自分もちらっとだけ、みたい気がした。
0投稿日: 2015.07.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
[ 内容 ] 遊廓の名残りをとどめる、大阪・飛田。 社会のあらゆる矛盾をのみ込む貪欲で多面的なこの街に、人はなぜ引き寄せられるのか!取材拒否の街に挑んだ12年、衝撃のノンフィクション。 [ 目次 ] 第1章 飛田に行きましたか 第2章 飛田を歩く 第3章 飛田のはじまり 第4章 住めば天国、出たら地獄―戦後の飛田 第5章 飛田に生きる 第6章 飛田で働く人たち [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
0投稿日: 2014.11.06
powered by ブクログいろいろ思うところあり。感想はブログに書いた↓ 「『さいごの色街 飛田』を読んで滅入る」 http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-855.html
0投稿日: 2014.09.18
powered by ブクログ高村薫の小説に「飛田新地」って出てきてて、それでなんか興味持って読んだ本。取材に10年以上かけたとか、女性がなかなか足を踏み入れられない場所であるとかヤクザに話しを聞きに行くとか、そういうところはスゴイなあよくやったなあと思うけど、なんだろ、文章が甘いというか、ボカさなきゃいけない部分やらやっぱり踏み込めない部分やらいろいろあってしょうないんだろうけれど、それでもなんかあんまり世慣れていないお嬢ちゃんがきゃーきゃー言いながら書いてますぅ、みたいな感じがして、そこが残念。
0投稿日: 2014.08.29
powered by ブクログ「人が商品として店頭に置かれるという衝撃 」 大阪西成区にある飛田新地は大正時代に創られ、かつて日本最大の遊郭であった。そこには平成の世となった今なお表向き「料亭」と称し、独自のシステムで女性の性が商われている。12年に亘る体当たりの取材で著者によって明らかにされる「飛田」とは。 通りに面して一見町屋風の料亭が並ぶ。どの店も共通の体裁の店看板を出し、京都のどこかの小路でもあるかのような風情がある。だが、大きく違うことがある。玄関が大きく開かれこうこうと明るいその上がり框には、きれいなおねえさんが通りにむいてちょこんと座っている。軒並み、寺の本堂に鎮座する本尊のようにそこに収まる綺麗なおねえさんを想像した時、激しい違和感というか嫌悪感を感じた。 著者は時を経て今もなお実質、遊郭として機能しているらしいこの飛田という街の実態を明らかにするため、実際に飛田で遊んだことがある男性たちの証言をとることに始まって、基本「飛田には触ってくれるな」という姿勢の店の経営者たちで組織される飛田の料亭組合の本部、町内はもとより周辺にある飲食店に根気強く足を運び、その輪郭を明らかにしようと試みる。 法をかいくぐり地元の警察さえ暗黙の了解で口をつぐむことで営業が成り立っている飛田新地の人々の口は一様に重い。だが著者の根気強さ、また大阪という土地柄もあるのだろう、彼らによって虚実とりまぜ断片的に語られるピースを丁寧にはめてゆくことで、徐々に明らかになっていくその実態、そこに働く人々の事情、延いてはその人生は衝撃だ。 女性として本書を読むとき、ストレス発散なのか、擬似恋愛なのか、単なる遊びなのか、理由はともあれおおよそ排泄行為として以上の性が行えるとは思えない20分に一万円という対価を払う男性の気持ち(というよりは生理というべきか)はとうてい理解できないし、売春自体も決して肯定されるべきものではないとは思う。だがそうした世界とはとりあえず無縁でいられる者がきれいごとを並べて斬り捨てるだけではすまない「現実」が確かにここには存在するのだ。 飛田という街の印象から生まれた嫌悪感をもう一度見つめなおしてみる。倫理的、衛生的に違いはあるにしても男と女がいる限り、その間で行われる行為自体は、飛田の料亭であろうが夫婦の寝室であろうが変わるものではないだろう。売春という行為も非合法であるにもかかわらず、全国の歓楽地、ましてやネットの世界を通じて無くなってはいないことは想像できる。だから飛田だけを取り上げて云々というのは違うのかもしれない。 だが飛田の料亭の玄関に置かれているのは人形などではない。生きた女性、女性である前に人間だ。今のこの世の中になお、人が商品として堂々と店頭に置かれているということ、ましてやそれが軒並みにだ。一番の嫌悪感はそこにあったように思う。
0投稿日: 2014.05.11
powered by ブクログ力作。しかし、書けないことの方が本文の何倍も要素あったんだろうなあ。結局、面白いことって表には殆ど出て来ない。
0投稿日: 2014.04.26
powered by ブクログ古色蒼然、いや化石レベルの社会的構造、つまり貧困層を生み出し続ける要因は数百年来なにも変わっていない、むしろ近代以降悪化しているとも思わせるのが、飛田のまちである。 私もかつて仕事で飛田のど真ん中の施設に出入りしていたため、否応にも目にしていた光景。その背後には、こんな状況があるということがよくわかった。 どんな人にも一読を、といいたいが、読後感はまずい。
0投稿日: 2014.04.25
powered by ブクログ人間の欲を凝縮している街、飛田。 著者が12年かけて取材した渾身のルポ。 昭和を色濃く残す街であるが、事情がある人が集まり、 外からの人間を拒絶する。 写真を撮ることも簡単ではない街での取材、女性目線からの取材は興味深い。
0投稿日: 2014.04.19
powered by ブクログなかなか知ることのできない飛田のなかの「彼女たち」の事情や「まわりの人」の素顔、飛田に通う人の横顔などを、著者はじっくり年月をかけて通って浮かび上がらせている。古くから風習や古い建物、昔ながらの闇取引の関係は近代化が進む周囲から断絶しているかに見えるが、「彼女たち」の事情は貧困や教育格差以外の現代らしいいきさつもあることを知った。女の子を斡旋する女の心情はどんなものかと思っていたが、インタビューを読み、割り切れないところも残っているようだと知って同じ女性として少しばかり救われた気がした。
0投稿日: 2014.02.16
powered by ブクログ大阪でも有名な「飛田新地」についてのドキュメンタリー。かつて友人に連れられて怖いもの見たさで訪れ、その光景にただ驚くばかりであった記憶がある。この本を読んでからまた行くかと言われると、あとがきにもあった通り物見遊山で行くところではない。表の煌びやかに見える部分に隠されて、裏の知られざる世界があるということ。そこに作者がまあこれだけ取材御法度の街を調べ上げたことに頭が下がる。
0投稿日: 2014.02.08
powered by ブクログ女性ライターが長年にわたり飛田を取材した内容をまとめた一冊。飛田の歴史から、内部だけでなく周辺人脈にまでおよぶインタビューも収録。女性なのにかなり深部まで切り込むことに成功した渾身のルポだと思う。飛田管轄の警察に飛田は違法行為をやっているのになぜ取り締まらないのか?と聞きに行ったところが面白かった。別の人の著書だが、「飛田に生きる」、「飛田の子」と併せて飛田三部作として後世に残ってほしい。
0投稿日: 2014.01.26
powered by ブクログ飛田は本書にもある鯛よし百番には行ったことがある。 『料亭』の前を通ったとき、見せもんちゃうで!って怒鳴られたわー。 取材の際に怖かった、とかビクビクしてた、とかあるのが 親近感湧いた。
0投稿日: 2014.01.23
powered by ブクログ取材禁止の大阪府ミナミの色街・飛田について、様々な資料を調べ、様々な人にインタビューして、細かに書き上げた本。こんなところがあるなんて知らなかった。現代社会の一つの側面が見える。
4投稿日: 2014.01.12
powered by ブクログ大阪に今もなおある遊廓・飛田について書かれた本。 飛田は、閉鎖的な社会のせいか、著者はインタビューに苦労したようだ。 著者は女性なので、客として行くわけにもいかず・・・。 そういうこともあってか、歯切れが悪いというか、あいまいというか、そんな印象がする本だった。 同じ飛田のことを料亭経営者(男性)が書いた本の方が、よりリアルでおもしろかった。
0投稿日: 2013.10.04
powered by ブクログ飛田ほど異様な街は、この日本にそう多くはない。21世紀の法治国家においてそういう街が公然と存在していること自体が本来おかしな話なのだが、日本一の高さを誇るあべのハルカスの徒歩圏内、住宅地と商店街に囲まれたその領域が放つ異世界感も尋常なものではない。 しかし、そうした異世界も日本の近現代とは無縁でなく、異世界であるからこそかえって社会や制度の変遷に強く影響を受けながら今の姿にたどり着いたのも事実。そして当然そこに住む人働く人がいて、彼らが綿々と紡いできた営みの帰結でもある。飛田を知ることは、日本が歩んだ近現代の歴史の一側面を知ることでもある。ただ性的な関心や倫理的な正義感だけでは語り尽くせない射程を飛田はもっている。 ところが、飛田を知ろうとしても、飛田に関する文献資料はその知名度に比して驚くほど少ない。域内に百数十ある「料亭」はウェブサイトすら持たないし、関係者も多くを語らない。一般的なメディアで飛田が取り上げられることはほとんどない。もちろん域内での写真撮影が厳禁なのはご存知の通り。 そんななかで、10年という長期に渡って広範な文献資料と多くのインタビューを収集し、飛田の歴史からそこに集う人々までを描写した本書は単なるルポとしてだけでなく、日本の近現代を読み解くための資料としての価値も極めて高い。ノンフィクションとしてのつっこみの甘さは指摘されているものの、その後出版された料亭経営者自らによる手記を除けば、ひととおりまとまった唯一の文献であると言える。そして、その存自体が非合法である以上明日すぐにでも消滅するかもわからない飛田の記憶を、散逸してしまう前にこうして残しておくことは意義のある行為だろう。 とはいえ、飛田という土地の異様さや異世界感は、本書を読むよりも実際にその地を訪れた方がよほどよくわかる。飛田の光景を見れば、普段眠っている倫理観や問題意識が湧き上がってくる。日本の近現代を見直すうえで、飛田はいちどは訪れておくべき土地だと思う。
0投稿日: 2013.09.14
powered by ブクログ先月読み終わってから久しく間が空いてしまったが、 これくらい時間が必要だった1冊。 北海道にいた頃は、せいぜい「北方領土問題」と「アイヌ文化」 くらいしか思い浮かばないくらい、 地方の問題というものが身近ではなかった。 こっちにきて、それが現実的に身近に感じることが多くなった。 ニア大阪なので、まだかろうじて全てが直接的ではないものの、 「同和」「民族」そしてこの、本書でレポートされているような世界だ。 それは例えば、主人の実家に帰省する際、 通り道を隔てた地域一帯がそうだと教えられたことに端を発し、 地域を知れば知るほど、そこの歴史が見えてくるような感じである。 そしてそれが、ここで住む時間が長くなればなるほど、 その歴史がいかに複雑で一筋縄ではいかず、 共存することがいかに難しいかを、あらゆる状況から考えさせる。 そんななか、(訂正)2012年ダヴィンチ7月号にて2012年上半期のBOOK OF THE YEARにて本書を知り、今までどこかで触れてはいけないような気持ちになっていたパンドラの箱を、ついに開けてしまったような心境で読み進めていった。 ちなみに、正直あまり触れたくなかったのだが、やはり身近な人間に 聞いてみたくてだんなさんにこの地域のことを尋ねてみたが、 意外にもだんなさんは知らなかった。(あとからあれこれ検索している姿を見て、おいおい、この歳で興味持ってくれるなよ、と内心おだやかではなかったが)そんなものなのかな。 10年にわたって取材されたと言うそれは、 著者は女性なのだか、とにかくよくここまで足しげく通い、まとめてくださったととにかく感服。事実ご自身も何度も、タイプの違う怖い思いを、とにかく何度も体験されているのに、最後まで遣りきり仕上げたこの1冊は、とても価値があるし、だからこそ読み応えのあるものになっていると思います。 女性ゆえに足を踏み込んではいけない場所のようにも思うし、 女性だからこそ、知っておくべき場所なのか。 そこには「男」と「女」がいて、 生きていく人間の姿があります。 とにかく禁断の場所というのは今の時代も変わらないらしく、 そういう意味ではおそらくこの街を、実際歩いてみることはわたしには なさそうだけど、街を知る貴重な作品だと思います。 興味深く印象的だったのは、229Pの記述。 折りしも「慰安婦問題」で連日名前を聞いていたときだったので、 橋下さんの発言の根幹にある部分を、少しだけ垣間見ることができて 納得するとともに、だからこそもっと丁寧に発言してほしかったと今でも その考えは変わらない。
0投稿日: 2013.09.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大阪の新世界に拡がる遊郭・飛田の歴史、そしてそこで働く「女の子」と「おばさん」(呼び込み担当)と経営者への取材から、この色街の実態がリアルに描かれている。著者の友人タカヤマ女史と共に経営者による女の子の採用面接に乗り込んだ場面は特に圧巻。しかしこの本を読んでいると実は違法地域だということを忘れてしまうような、普通の人たちの世界であるように思えてしまうのは危険なことだと思う。時代が変わり、これからこの町がどのように変化していくのか(生き残るのか)が興味あるところ。
0投稿日: 2013.08.22
powered by ブクログ飛田って外からはわかりにくい町なんだと思うけど、そこを頑張ってよく取材したなと思います。近代以降の日本でこうゆう業界がどんな歴史を辿ったかってのも勉強になったし。
0投稿日: 2013.07.21
powered by ブクログ世間をお騒がせの橋下大阪市長が過去に顧問弁護士をしてた、とかからの興味で読みました。 壮絶な人生が、お姉さんの数だけではなく経営者や曳手と呼ばれる客引きの人にもあることを知らされる内容でした。 だから、締めにある「客として行ってお金を落とすのは構わないが、物見遊山では行くな」には同意。
1投稿日: 2013.07.13
powered by ブクログ飛田の歴史は100年前に遡る。1912年難波新地の火災で芸娼妓解放令の影響で遊郭の営業は再許可されず飛田が代替地として選ばれたのが通説らしいのだがどうも府会議員が土地を買っており利権がらみの場所決定だった様だ。難波新地はその後ミナミとして栄え当時の地名は宗右衛門町を残すのみだ。一方当時の阿倍野近辺は内国博覧会会場として通天閣を中心とする新世界が建設された所だったが、飛田は元はと言えば江戸時代に刑場もあった墓地のはずれ当時も畑だった。遊郭が出来た大正時代にはまだ新地内は治外法権に近い状況だった様だ。飛田の最盛期は昭和初期から戦前にかけてで当時は今では有名な安倍定も一時いたらしい。空襲にも焼け残ったがGHQの命令で公娼制度は廃止されたが特例措置として売春地域「特殊飲食街」として1958年まで容認され続ける。1958年の売春防止法の完全施行により飛田は表向き「料亭」として生まれ変わり現在に至る。 大学の頃は(一応ほぼ)毎日天王寺経由で通っていたが阿倍野で飲んだのが何度有ったか、だいたい出るならミナミだったし、今では賑わうジャンジャン横丁ですら当時はそんなとこに行くという発想は無かった。もう通天閣から向こうは西成とイメージがかぶってたので近づくという発想がそもそも無かったのだ。最近では有名になったらしい飛田の鯛よし百番も大学の先生に話を聞いたことがある程度だ。その後バブル時代にフェスティバルゲートができそして潰れ、スパワールドは外国人が選ぶ日本の観光地ベスト10の常連となりあべのハルカスが開業した。しかし昔も今も飛田や西側の愛隣地区は別世界のままだ。 飛田は取材拒否、写真厳禁の街らしい。基本的に違法営業だからだろう。それでも試しにグーグルのストリートビューで見てみると正月の飛田の街は見ることが出来る。さすがに店は全部閉められており、人通りは全くないのだが。ついでに愛隣地区の三角公園も写っている。グーグル恐るべし・・・ 取材の有った2009年当時、飛田新地料理組合には組合長と茶髪の顧問弁護士が一緒に写った写真が飾られていた。当時大阪府知事の橋下徹、沖縄で米軍幹部相手にもっと風俗業を利用しろと言った人は飛田の元顧問弁護士でもあった。だからあれは普通に自分の本音を言っただけなのだろう。お客さん、経営者、街の料理屋そして何人かの女の子のインタビューものっているが特に昔の経営者には悪いことをしていると言う意識はあまり無さそうだ。あるいはそれよりも表向き合法であり金儲け優先と言う感覚なのかも。橋下発言からも似た感じを受ける。 著者の井上さんは飛田に12年間通い詰めたそうだがこの本の終わりに「飛田に行ってみたいと思った読者がいたら、「おやめください」と申し上げたい。客として、お金を落としに行くならいい。そうでなく、物見にならば、行ってほしくない。そこで生きざるを得ない人たちが、ある意味、一所懸命に暮らしている町だから、邪魔をしては行けない。」と結んでいる。飛田にとけ込まないと取材できなかったのでこういう発言になるのかもしれないが、ちょっとずるい。しかもこの本は話題になってしまっている、ただの物見の人も増えるだろう。
0投稿日: 2013.07.01
powered by ブクログ途中からもう無性に腹が立って腹が立って、読み終わった日の夜は、怒りのあまりよく眠れなかった。何にかというと、橋下大阪市長の厚顔に対してである。 本書は大阪のアンタッチャブル、色街飛田を、果敢にも正面から取材した希有な一冊。「ちょんの間」と呼ばれるそのものズバリの売買春行為の場となる店は、公的には「料亭」ということで認可を得ていて、経営者たちの団体は「飛田新地料理組合」と名乗っている。著者は単身その組合の事務所に取材に赴くのだが、対応した組合長らは(著者一人に対して六人がずらっと並んだという)不愉快そうに「書いてもらわんでもいい」と取材を拒否する。その理由は「私らはイカンことしてるんやから。書かれては困るんや」。 著者も「驚いた」と書いているが、組合自ら飛田の「料亭」で「イカンこと=売買春」が行われていることを認めているのだ。橋下氏は、この組合の顧問弁護士をしていた。「従軍慰安婦問題」に関して、外国人記者クラブでこのことを指摘されたとき、彼は「料亭なんだから何の問題もない」と言い放った。そのとき私は、まあグレーゾーンみたいな店が結構あるんだろうな、くらいにしか思わなかったのだ。まったく無知はどうしようもない。 本書を読んで、その認識は全く違っていたことがわかって驚愕した。私は就職してから大阪に住むようになったので、大阪をよく知っているとは言えない。釜ヶ崎(愛隣地区)を中心とするあたりは「物騒なところ」で、天王寺界隈には足を踏み入れない方がいいところがある、という程度に思ってきた(最近新世界が観光客で大賑わい、なんて話を聞くと、ちょっと驚く)。飛田については、昔の遊郭地帯として名前を知っているだけ。それが、こんな現役バリバリの「色街」だったとは。 著者もふとしたきっかけで飛田を訪れて、あまりに公然と売春が行われている様子に衝撃を受け、調べていく中で、飛田が「語られない、語ってはいけない街」であることに疑問を感じ、できる限りのことを知ろうとする。 その「ライター魂」は本当に敬服に値する。十二年もの長期にわたって、何度も怖い目に遭いながら、粘り強く取材を続けた著者は、私よりちょっと年上の女性なのだ。「料亭」の経営者、店の女の子は言うに及ばず(どちらの取材も苦労の末)、飛田を縄張りとするヤクザにまで、常に正面からぶつかっている。すごい、としか言いようがない。 あとがきでも書かれているが、話を聞いた人たちはみんな「平気で嘘をつく」。井上さんはその嘘の中の「心の真実」に寄り添い、中にはとても親しくなった人も出てくる。そうした心の交流もある中で、彼女が決してなくさないのは、女性を売春に追いやっていき、搾取するものへの怒りである。 売春を「好きでやっている人もいる」とか「職業として選ぶ場合もある」とかいう言い方を最近よく聞くが、それが何かの言い訳になるのか? そもそも、いったいどれくらいの人が「好きでやってる」のだろう。この本でも書かれているように、多くの場合、売春する事情は昔と同じ、貧困である。ただ今は、単純な貧困だけではなく、ホストやブランドもののための借金で縛る「作られた貧困」が目につくようだ。 どちらにせよ、無力・無知であることにつけこんで、人を食い物にしている構図に何の変わりもない。無力なものを利用して自分が利益を得るのは、誰が何と言おうと、この上なく卑しいことだ。「料亭」経営者らもそれがわかっているから、「おとなしく」商売し、儲けで郊外に家を建て、子どもは名門私学に通わせて、「飛田」を隠してきたんじゃないか。橋下氏は「弁護士時代は年収三億円だった」と自慢していたが、その一部は飛田の女の子たちの稼ぎを巻き上げたものだ。恥を知れ!と言いたい。 「さいごの色街」というタイトルから、もっと軟派な「情緒たっぷり」という紹介のされ方かと誤解していた。早く読むべきだったと深く反省。
10投稿日: 2013.06.24
powered by ブクログ飛田新地のルポルタージュ。 12年かけて、紆余曲折ありながら着実に情報を集めて、集め続けて、ようやく形にした一冊、という仕事の重さが何よりもものすごい。 まず読んだ上でポイントになったのは、書き手が女性であること、で、女性であるがゆえに、かもしれないが、性を搾取する場所があるなんてとんでもない、というスタンスで取材をはじめること。で、そのスタンスが取材を経るに連れてどんどん変容していくこと。 で、本書の最後は「興味半分で行くな、お金を落としていけ」と締める。この意識の変容に12年。本書のジャーナリズムとしての価値は、おおむね此処にある気がするな。たぶん本文には出てこないような怖い目にもあったろうし、そもそも黒に近いグレーゾーンだもの。恐怖心もあったろう。 私がこの本を読んでみようと思ったのは、もうそれはひとえに「飛田新地への好奇心」だし、「なんとなく実際に行ってみるのは怖いから行ったこと無い」ンであって。 生前の談志師匠が「人間の好奇心に勝つのは恐怖心だけだ」って云ってたけれども、その恐怖心を克服してまで、十数年も取材したいという何かがあったのであろう。12年の意識の変遷を書いているのが、実は読み物としての大いなる価値であると思う。 読んでいる側も、ほんの紙面での遊郭物見遊山のつもりがすンばらしい仕事に出会ってしまった。 そういう本です。物書きの仕事として、とんでもなく、いいものです。
0投稿日: 2013.06.22
powered by ブクログ勉強になる本。ルポというには人に迫りきれてない感じ。 10代最後の年を過ごしたのはほんとにこの付近。基本が天王寺みたいな。 なのに飛田のことは名前すら知らなかった。 韓国で出会った矯風会のひとたち。 読み進めていくうちに橋下さんがここの組合の顧問弁護士だったのもなんだか納得してしまった。 ここでしか生きられないひとがいる。それはそうなんだろうけど。 居場所が一応あるあたしに何も言える事はないけど、想像することはできて、それは近い感情だと思うのだ。 しかし欲ある側のひとがしか見えないから、何も肯定できないのだ。ここにしか居場所がないひとたちの居場所として存在しているわけではなく、あらゆる欲(金・権力・性欲)を持つひとたちのために存在している場所なのだ。
1投稿日: 2013.06.13
powered by ブクログ前にレビューした、「面白い本」で見つけて手にとった一冊。現代の日本に実は非公式に、暗黙に残っている、遊郭街。全く知らなかっただけに、好奇心をくすぐられた。自分の知らない、想像もつかない世界を(事実として)見せてくれるのが、ノンフィクションの最大の楽しみ。そういった意味では、最高の一冊でした。 ただ、他の人のレビューでも見られましたが、取材のやり方と掘り下げ方については今ひとつの迫力でした。テーマで勝ちといったところでしょうか。
0投稿日: 2013.05.23
powered by ブクログ著者渾身の12年かけたノンフィクション、その年月が あまり感じられないが、とにかく力作であるのは間違いない。 次の歴史的事実が、興味深く。 滋賀県八日市市(現、東近江市)の遊郭では、娼妓になる儀式として 人間界最後の風呂に見立てた風呂に入れて、全裸のまま土間に 蹴落として、ネコマンマのような飯を手を使わずに食べさせることで 自分は「畜生界」に入るということを自覚させたことがあったらしいこと。 飛田を抗争で勝ち取ったのが、あの柳川組であったこと。 お店・客・従業員、どれもこれも単発的なインタビューしか取れて いないことに本作の取材の難しさを感じる。 飲み屋で取材のあと、”こてんぱん”なやつに背後に忍び寄られる シーンはかなりナイスだ。 お客はわずか15分程度の疑似恋愛と割り切る、店主も割り切る、 何故ならここは特別な世界なのだから。 唯一少しもやもや感が残るのが、相手となる本番の女性。 永沢さんの「AV女優」の影響があるからかもしれないが、 一番興味あるのはそこで働いている女の子の肉声。 それが本書では、あまりにも少ないことが不満でもある。 ただしそれが出来ないことが、この飛田新地の別世界、 触れてはいけない神秘性を出している所以かもしれません。
0投稿日: 2013.05.08
powered by ブクログ取材12年、ノンフィクション。 昔の話と思っていた、飛田についてのこと。 街がある限り、人がいて、人がいるのだから、様々な人生がある。 当たり前なのだけれど、そのそれぞれの人生があまりに想像を逸脱している街。 このノンフィクション、女性により12年もの時間をかけてまとめられた、と言うこ とにも、脱帽した。 フリーライターの意地なのだろうか。たぶん辛い取材が多かったに違いないだろう に。 よくぞ、と賞賛したい。
0投稿日: 2013.05.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・1~2年の取材なら、良く書けた内容だと思ったが約10年?だとしたらペラペラです。所々に見える取材態度を、相手側に見透かされてた為か? ・隠し部屋に案内された時の「私、無理!」は無いでしょ。肝試しじゃなく取材してると意識が無いのでしょう ・飛田の下世話な部分でなく、そこで生きぬき死んでいった遊女や関係者達の歴史や思いを、深く探る姿勢を取っているが一番下世話なのが筆者自身なのが良く分かる
0投稿日: 2013.04.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こんなまちがあるのかという驚き どうやって女性の著者が 取材するかというおもしろさ やばいとこに近づくどきどき でも一番印象に残ったのは なぜ古い辞めてしまった料亭が 壊されずに残っているか どれも3階がある そして 3階に近づく著者が感じる霊感 古い座敷牢 岩井志麻子のような世界を一瞬感じる こわいなあ
0投稿日: 2013.04.19
powered by ブクログ市図書館。 女性目線の性風俗ルポ。 遊郭に歴史あれど、そこで働く「商品」である女性がどのようなきっかけでその世界に足を踏み入れて行ったのかという部分は、昔から変わらず「カネ‐金‐」なんだなー、と。 同じオンナ同志だからこそ言えない・言いたくない部分もあったろうに、よくインタビューして聞き出しているな、と感心(上から目線??・笑)。
0投稿日: 2013.04.17
powered by ブクログかなり興味深かった。 閉鎖的、貧困の連鎖。 社会問題の集まっているところ。 こんな場所を調べるのはとても怖いことだったと思うけれど、知りたかった。 売春、女性の人権、生活保護等、型に当てはめないで、歴史、インタビューから「飛田」と言う街を炙り出そうとしていて、真摯に向き合っているのが伝わってきた。 すべて良かった。
0投稿日: 2013.03.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
かなり前になるがある書き手のオフ会で飛田の中にある「鯛よし百番」という料理屋さんに行ったことがある。その時初めて飛田という地域を知った。阿倍野区にしかも阪堺線の沿線で小学4年まで暮らしていたのに、近くにそんなところがあったとは少しも知らなかった。中学生くらいになっていたら知っていたもしれないけれど、とにかくひどくショックを受けた。 鯛よしへ行くまでの道すがらの異様な佇まいと雰囲気に圧倒されて食欲はすっかりなくなっていた。 大人になって飛田という地名は活字としては知っていたが歴史的なイメージしかなかった。それが今も現存していた!その衝撃は生々しくてこの本のタイトルを見た時、すぐに注文していた。 実に粘り強く取材されている。12年もかかったらしいが頷ける。ドキュメンタリーとかレポートとはこうでなければと思わされ、書けない部分の方が多いのだろうなと行間を探らされる。 闇社会や警察との関わり、需要と供給、女の生き方など多くの可決できない問題があって町の灯は消えることなくこれからも続いていく…いいとか悪いとか簡単にはいかない永遠の課題なんだなと、そんな問題提起がこの本にはある。 「物見にならば行ってほしくない。そこで生きざるを得ない人たちが、一所懸命に暮らしている町だから、邪魔をしてはいけない」とあとがきに書かれた著者の文言は重い。 「千と千尋の神隠し」の湯屋が「鯛よし百番」を彷彿とさせられたのを思い出してしまった。
0投稿日: 2013.03.10
powered by ブクログうーん。自分では決して足を踏み入れない場所。そこに行った著者には敬意を表するが、それ以上でも、それ以下でもない感じ。
0投稿日: 2013.03.10
powered by ブクログ「飛田新地」知られているのかいないのか。 関西以外の人(在阪歴長くても)に言っても、特に女性にはマッタク通じない。 単に風俗街と言ってしまうと、タダのハコモノとは明らかに一線を画するし。やはり一言で言い表すとすれば「遊郭」と言わざるを得ない。 そうすると、大方の反応は「えー、現代日本に遊郭なんてあるわけない」というような感じになる。 しかしあるのだ。 道頓堀・新世界あたりはかなり「観光用大阪」になってるけど、新世界から程近いこちらは観光マップには載ってないし、ましてやキャラクターなんかもない。 本書で知ったが、公式サイトに類するものも全く作らないらしい。 その他の風俗はかなり充実したサイトを作ったり宣伝に務めてるけどね。 そんな女人禁制(というのも変だが)の禁断の場所に、12年もフィールドワークを行った力作です。 いつも思うんだけど、こういう取材とかって良い加減な所で発表しないと、先を越される恐れもあると思うんですけどね。 男でも冷やかしだけでは行きにくい所。 実際、かなり筆者も罵倒されたり怖い目にもあったとのこと。 同性から好奇の目(?)で見られるオネエサンの立場も当然理解して臨んでいるとは思うんだけど、最初から最後まで作者のジレンマを感じる。 売買春は当然違法であり、いけないこと。 しかし、必要悪(敢えてこの場ではこのように書くが)としての存在も安易には否定できない。 本書の冒頭ははフェミニストの感情論がにじみ出るような書き出しなので若干「ん?そういう切り口か?」と鼻白んでしまったのであるが、読み進めていくとそのような皮相的な調査ではないことがわかってくる。 多分、平松前大阪市長の仕業だったと思うが、大阪のその手の案内所で一切案内をしなくなってしまった。キャバクラレベルのご案内。 て、言っても、案内所の中のパソコンで検索できると思うんだが。 そんな中途半端な規制をしてどうなるというのか。どういうビジョンで規制するつもりなのか。 管理もせずに規制だけかけるとどうなるのか、思い至らんのだろうか。 当然、裏風俗として地下に潜り、オネエチャンたちが犯罪被害に巻き込まれる可能性が高くなる。 事実、本書のレポートとしてホテヘルで怖い目にあって飛田に鞍替えしたという内容も出てくる。 人類最古の職業とも言われる売春そのものが、そう簡単に廃絶できるわけもなかろうに。 しかし、だからと言って飛田(松島も今里もだが)に問題がないかというと、おおありである。 未だに人身売買の温床になっている側面もなくはない。 その反面、性産業として自発的にポジティブに働いてるオネエサンたちも少なからずいるようだ。 飛田のオネエサンたちになんとか取材を行うのだが、ほんの数人なので、サンプルとしては少なすぎる。 学歴や生まれ育った境遇面で大きくディスアドバンテージを付けられている子達が多いという書き方。 本当のところはわからない。 変な喩えだが、本書はまずいサンドイッチみたい。 3分割すると、真ん中が飛田の歴史が数字などを交えて淡々と書かれている。 本来はこれも面白い内容ではあるのが、それを挟む現在のレポートである前後の内容が面白すぎる。 筆者はボクと同じ豊中市の北部に住んでいると書いている。 駅で言うと桃山台。大阪北部のかなりお上品なところである。 そこから大阪南端の飛田まで通い続けたらしい。 事実なんだから仕方ないけど、どうしても上からになってしまいそうなポジショニングである。事実そのような描写も出てくる。 しかし、そうならないのも作者の人徳か。 なんだか普通のオバちゃんm(_ _)mがドキドキ腰が引けながら取材しているのが手に取るようにわかる。 すぐにぺこぺこ謝るしw。 言いたいことはあるけど、ここは頭下げといた方がいいよな・・・的な。 その割には飛田料亭組合とか、ジャーナリストとかを受け入れないややこしそうなところに食いついて行ったり、なんのコネもなく暴力団事務所に突撃かけたり\(◎o◎)/!、命知らずというか凄い行動力。 本当にページをめくると飛田の空気があふれだすような力作。 飛田新地という遊郭がどうなっていくべきなのか。知っている人も知らない人も、読者がそれぞれ考えていける内容です。
0投稿日: 2013.03.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
不思議な街である、飛田。 ここにしかないにおいがる。 寂れた昭和初期の様な風景、更に、それ以前の遊郭の風景。 テレビのセットでしかみたこともない風情がそこにはある。
1投稿日: 2013.03.06
powered by ブクログHONZの紹介で読んだ。実は、大阪の色街、九条を偶然歩いたことがある。今の時代にこんな場所があったのかと衝撃を受けた。数百万の借金(バンス)で働くことになり、借金が終わる前に、贅沢をおぼえさせたり、高いものを買わせて、最後はホストと手を組み、ホストに入れ込んで金が必要となって、抜け出せないようにする手口が怖い。
0投稿日: 2013.02.26
powered by ブクログ西成区といえばじゃりン子チエやな。 知らないことだらけで、最後まで大変興味深く読みました。 女も男も逞しいなあ。金を稼ぐってこういうことか。 売りモンになるのは二十代くらいまでと思てたが、そんなこともないんですね。 客にはなれないので、飛田に行くことはないであろう。多分…。 著者の他の本も読みたいと思いました。
0投稿日: 2013.02.18
powered by ブクログ軽く読むにいはいいのだが、中途半端なルポに思えるのは、生半可様子を知っている身だからか。◆全く飛田を知らない人にとっては、ちんぷんかんぷんだろう。◆◆騙される奴をとことん騙さんでどうするというのは、いやはやえげつないところやな。
0投稿日: 2013.02.18
powered by ブクログ古い町とそこに住む人々を取材し本にするというのは非常にデリケートなことですね。さらにこの飛田の、他には無い成り立ちと歴史。人に会い取材中に浮いたり沈んだり、聞き耳を立て繕ったりまた沈んで、偶然の出会いに喜んで。長年かかって一冊の本を生み出した著者のエネルギーが素敵です。つぶせない旅館の三階の話し…私たちと同じ時代を生きる「お姉さん」たち…表には出てこない、掘り起こされたエピソードの数々。この本を読むまでその存在を知らなかった無知な私にはショッキングな一冊でした。 あと著者の友人タカヤマさん男前ですね。
0投稿日: 2013.02.04
powered by ブクログ長年にわたっての取材に感心しました。著者が女性なのでずいぶんと敷居が高かったものと思われ、事実、苦労した記述も多いのですが、その分、より客観的な内容になり、著者に強力なインパクトを与えたさいごの色街の様子を読者にうまく伝えることができているのではと感じました。
0投稿日: 2013.01.31
powered by ブクログ雑誌で誉めてたこの本。 女性がこんなテーマを取り上げるとは?!と気になって読んだが。店の子と同じ女性作者やからこその、半端な感情移入も重なり。 ちょっと中途半端。 なんか後味の悪さだけが残った。。。
0投稿日: 2013.01.30
powered by ブクログ大阪で過ごした学生時代、飛田新地の存在を知ってはいたが訪れたこともなく、男性との会話に出てくる程度だった。 本作は12年に渡り、文字通り体当たりで取材を続けてきた女性フリーライターの描く「遊郭の風情を残す色街」飛田新地を描いたルポ。 飛田という街。身体を売って生きている「女の子」や、周辺で働き、飛田で食わせてもらっている人達。 女の子に身体を売らせて搾取し儲けている「イカンことをしている」自覚はあるが、売るにしても買うにしてもこの街を必要としている人達がいること。 それ故のタブーが満載のこの街に入り込み話を聞くことは大変なことであったろう。 レビューを読むと取材方法や詰めの甘さなどを指摘する批判もあるようだが、女性にしか描けなかった(描こうとしなかった)、このテーマに取り組んだこと、そしてそれは男性には決して出来なかったであろうことを思うと、その功績は少なくない。 本作を読んで思い出すのが、女性史研究家、山崎朋子氏の『サンダカン八番娼館』だ。 第二次大戦時、長崎は天草から女衒に売られて東南アジアで身体を売っていた最下層に生きる「からゆきさん」の生き残り、おサキさんと寝食を共にして聞き書きした著者渾身のルポだ。 本作ではケース数こそ少ないが「女の子」達の生の声を聞く。 中にはたかだか数百万円で売られて、乳飲み子を抱えて車に乗せられ降りた先が飛田の料亭だった、など仰天するような境遇も。 貧しさから女衒の甘言に騙され、または親自らが幾ばくかの金銭と引き換えに海を渡った「からゆきさん」の時代から何も変わっていないことに愕然とする。 『肉屋が牛肉の赤身を美しく見せるために使うライトと同じく、女の子を左右と前から照らす。』 商品として切り売りされる性。 男と女がこの世にいる限りなくなることはないであろう。 ただ彼女達は無知でだらしなく、そして生きるには優し過ぎるのだ。飛田に来る男性諸氏はカラダ目的だとしても、せめても彼女達の優しさをひと時買っているのだ、と思いたい。
0投稿日: 2013.01.26
powered by ブクログ暗黙のタブーとされてきた飛田の歴史を正面から扱った良書。途中、関係者へのインタビュー等は素人を思わせる構成だか、資料にあたって飛田の歴史に迫る部分は迫力がある。本書が後世に残す意味は少なくない。
0投稿日: 2013.01.09
powered by ブクログ地元・横浜を流れる大岡川沿いの黄金町は、かつて「ちょんの間」と呼ばれる飲み屋が軒を連ねる一大歓楽街だった。「ちょんの間」とは、ちょっとの間で飲み屋の2階で、客と女性従業員がいわゆる男と女の交わりをすることからついた名称。実質的な売買春だ。でもこれがなぜか売買春に当らないことにずっとなっていた。客と従業員はお酒の席で恋愛感情を持ち、そのまま2階でいちゃついて、火がついた二人がコトに及んだだけ、店側は関知していない、という理屈。 なんだそれ? と誰でも思うが、よくわからないけど、法的には通用するらしい。 女の子を持つ親は、あの辺りには絶対行ってはダメ!とよく言い聞かせていたらしい。とはいえ、横浜では開港150年を前に、一斉浄化作戦が決行され、今じゃ一軒もない。現在は跡地を若手アーティストに安価で貸出し、アートの街へと変貌しつつある。 いまも、こんな売買春が上のような理屈で行われているのは「飛田新地」だけだ。この本は、さいごの色街の実態を丹念に取材したノンフィクションだ。 遊廓の名残をとどめる街という説明から、花魁文化みたいなのが今もあるのかと思ったが、さすがにそれはなかった。遊廓っぽいというのは「料亭」と呼ばれる建物と、女性が玄関で正座して手のひらを添えて、お辞儀して男性客を迎えるところ。玄関は開け放してあり、男性客は外から女性を選り好みして、気に入れば店に入る。料金などの交渉は、曳き子と呼ばれるおばさんがする。女性が着る服はいたって今風のもの。女性も特別な芸事ができるわけでもないので、風俗で働いている女性と変わらない。違いは本番をするかどうかだけで、現に他の風俗から転職して飛田に来る女性も多いようだ。 閉鎖的な街だが、著者は12年にわたり取材を続け、少しずつ糸口を見つけて飛田で働く人たちの本音を聞き出していく。 料亭の経営者と曳き子のおばさんの関係、暴力団との関連性(飛田に暴力団が絡んでいない理由)、地元警察との関係、飛田という街が歩んだ歴史など興味深いが、なにより飛田の街で春を売る女性の声が面白い。なぜかあまり悲壮感がない。借金で首が回らない、金の計算ができないのが共通点みたいだが、経営者と女性たちの関係は概ね良好で、搾取されているという気がない(そこが金の計算ができないということらしいが)肉親に冷たくされた女性たちは経営者に親子のような情も抱くらしい。風俗で働くより、飛田で働く方が肉体的に楽だ、というのもほぼ共通した意見だ。男にはわからないことで、意外だった。 どこの「料亭」は慢性的な人手不足らしい。だから長く勤めてくれる女性には待遇を良くしている。募集はどこでしているのかというと、男性が読むような週刊誌とか夕刊紙にコンパニオン募集と広告を打ち、電話を待つ。または、パチンコで負けた女性に高利で金を貸して、借金を返せなくなった女性を飛田に紹介する女衒みたいな人もいるらしい。 著者は地元警察にも取材を申し込んでいる。「売春なのになぜ摘発しないんですか」とストレートに聞いている。でも警察ははぐらかすだけで「一斉摘発は難しい」と言い、時々どこかの料亭を申し訳程度に摘発するだけだ。横浜でできたのだから(というか全国でやったから飛田だけになったのだから)警察が本腰を入れれば飛田も無くせるとは思う。でも完全になあなあの文化ができている。これが良いのか悪いのか… その前に飛田を遊廓の文化を残す街と言っていいのか悪いのか… 著者は長く取材を続けたから、もしかしたら好意的に見過ぎているんじゃないかと、穿ってみたくもなるくらい、肯定的な意見が多かった。果たしてこれが飛田の全貌なのか、それとも一部なのかは判断がつかない。でも、これを読んだ人は、たぶん「飛田を潰す必要はない」という意見に傾くと思う。 自分の意見は… 自然に衰退していくのにまかせる。 読んでいくうちに、おそらくそうなっていくんだろうなと思った。
0投稿日: 2012.12.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ノンフィクション。飛田そのもののレポートなのか取材手記なのか。飛田の人となりなんかはあまり伝わってこなかった。
0投稿日: 2012.12.06
powered by ブクログなんとまぁ、日本にまだこんな場所があったとは!!飛田を全く知らなかった私にとって、秘境ルポのような興味深さと新鮮な驚きがありました。想像していたような怖い世界ではなく、飛田は情のある遊びの街でした。著者の飛田批判の目線が、少々読みづらいですが。ページ数の割に使えるインタビューが少いのは、この者の偏見がネックとなったのでは。どんなに綺麗事を並べても、こういう場所が必要だという事実もあると私は思う。変わりつつある飛田がどうなっていくいのか…。
0投稿日: 2012.12.04
powered by ブクログなんかみてはいけない世界をのぞき見た気分。 噂には色々聞いていた場所だったので、ちょっと遠巻きにでも見てみたい、と思ってた場所だったけど、軽い気持ちで近づくべき場所でもないのだなと・・・。 他の人のレビューをみて思いましたが、確かに著者の主観が入りすぎてるのが気になりました。こんなこと書いていいのか?と人ごとながら心配になったり・・・。
0投稿日: 2012.11.25
powered by ブクログ飛田という町の魅力に取りつかれた著者。 飛田に10年以上通い、集めた史料も興味深いが、少しずつ知り合いが増え、町に馴染んでいく様子が最高におもしろい。 小さな町にも関わらず、そこに住んでいる人々の様子があまりにも多面的で、ひとりの登場人物が何役もこなし、時間に多層性を増していく様子はドストエフスキーの小説のよう。 町って、人って、おもしろい。
0投稿日: 2012.10.23
powered by ブクログ本当に井上さんはすごい度胸だなと。 飛田で実際に働いている人にインタビューをしたいがために ビラを撒いたり、 ヤーさんと面会したり・・・ 私は飛田に行ったことがない。 でもこれを機会に少し見てみたくもなった。 でも、日本のこういう世界も なめたら絶対にいけないことを肝に銘じようとも思った。
0投稿日: 2012.10.22
powered by ブクログ大阪市西成区に今なお存在する「飛田」という「色街」があるという。何とかこの街の記録を残したいと、興味を持った作者が2000年からこの街について取材を始めた。 女性である作者にとって、この街の取材はやりにくかったのではないか。 飛田界隈は、昔でいう遊郭というべき性質の街だから、お客様は男性ばかりで、客引きおばさんも女性には目もくれない。店に中に入れないから取材もできない。 そこで作者は男性の知り合いに頼んでお客となって店に潜入し、お店の「おねえさん」から飛田で働くことになった顛末や、飛田での労働条件などの待遇を聞き出してもらうことから始めた。 足掛け12年の取材。そのうちに飛田で知人もでき、飛田を取り仕切る「飛田料理組合」の存在を知る。そこから調べあげたのが飛田の歴史とそこで働く人々の移り変わりだった。 飛田で働くことは戦前は「人身売買」ではないかと言われ、行政が関与して借金を払い、「おねえさん」たちを田舎へ帰したこともあったそうだが、飛田で働く「おねえさん」にはここでしか働けない家庭の事情があり、いつの間にか舞い戻って来たという。 飛田にある店は一応「料亭」となっている。しかし、その2階で行われていることは売春ではないのか。警察はなぜ黙っているのか。作者はそこも鋭く、警察へ取材していた。 警察も分かっているのだが法に触れるところは何もないとし、歯切れの悪い回答だったそうだ。風俗とヤクザという関係も思い当たり、作者は、暴力団にも飛田との関係を取材しに行っている。この飛田に関しては何もないという、ヤクザの回答に拍子抜けたようだったが…。 それにしても今だにこのような街が本当にあるのが不思議な気がした。もちろん、観光客お断り、写真撮影お断りと、特殊な環境をマスコミや興味本位の目から避けているのが、知っている人は知っているのだ。 風俗業は呼び名も形態も多種多様になったのに、場所もやり方も遊郭のままの情緒を残している飛田には、常連客やリピーターが多いという。現在、自主的に働く「おねえさん」たちには、借金のためとか家のために働くという昔のイメージはない。自分の生活のために、この仕事をしているという観念があるのが進歩的だ。 「娼妓」というのは哀しい女と思いがちだが、現代の飛田の「おねえさん」たちはみなたくましい。それぞれが複雑で暗い半生を持っているが、それでも生きていくために働いているのだ。そして、一生懸命にお店のために働く子は「いい子」だからとお店の主人にかわいがられ、そこそこに安定した暮らしを与えてもらえるという。 21世紀における亡霊のような存在の色街「飛田」の物語だったが、ここでもまた印象深かったのは『女性の生き抜く力』だった。 飛田の「おねえさんたち」にもルポライターとして必死の取材をした作者にも同じように、図太く生きるしたたかさを感じた。
0投稿日: 2012.10.11
powered by ブクログ女性ライターが、飛田を10年以上取材した結果をまとめたルポ。歴史などは単純に興味深いし、どう取材したのか?はワクワクしながら読みました。 情報源が少ないせいか、記述はあまり整理されてはいませんが、非常に特殊な場所である飛田の雰囲気はなんとなく伝わってきました。 ちょっとノンフィクションにしては作者の考えが入り過ぎてる箇所があるような気もしますね。(題材が題材だけに仕方ない気もしますが)
0投稿日: 2012.09.03
powered by ブクログなかなか本音を喋ってくれない状況を,辛抱強い取材行動を積み重ねて完成した労作だ.このような環境で働かざるをえない人たちがいることを再認識できる内容だ.
0投稿日: 2012.08.26
powered by ブクログ最初は興味深く読んでいたが、ルポとしてはいまいちな書き方。憶測と主観がけっこう入っていて読みづらかった(´Д` )ただこの題材に取り組んだことはすごい…
0投稿日: 2012.08.25
powered by ブクログ現代社会に、未だに色町があることを知らなかった。 正確には、吉原とか薄野があるのは知ってるけれど、未だに「女の子を入り口に座らせておき、戸口から客を呼ぶ」場所があるとは知らなかった、というべきか。 著者はグレーゾーンのこの場所に対し、過去の新聞や資料はもちろんのこと、客や女の子、経営者や組合のどうにも食えない、一筋縄ではいかない方々に果敢に突っ込んでいく。読んでいるとすごい。 現代社会になったけれど、性と金は未だ生々しい力があるなぁと思った。 いやすごいわ。
0投稿日: 2012.08.22
powered by ブクロググーグルアースでたまたまここの街並を見て以来、その歴史的で趣のある街並とそこで行われているコトが全然むすびつかなくてすごく気になっていました。 そこで働く子達、客の男達、経営者の詳細から町ができた背景まで事細かに書かれており、自分が女であることも加わって中々衝撃を受けました。 自分の生活圏内のすぐ近くに、こんな町があるのか。。。
0投稿日: 2012.08.14
powered by ブクログ以前から「こんな街がある」と聞いていて、でもまったく行く機会もなく・・・という中で、何かで知ったこの本。 百聞は一見に如かず、というコトで、行って見てみないと何とも言えないが、別の部分で色々考えさせられる・・・。
0投稿日: 2012.08.13
powered by ブクログ教育とは何か…それは人生の帰路に立った時、抜き差しならない危機に陥りそうになった時に、正しい選択肢を捻り出せるように有益な経験を積ませるということ。また、その選択肢を選びとる勇気を育むこと。そういうことなんだなー、とこの本を読んで思いました。
0投稿日: 2012.08.12
powered by ブクログ本書に書かれていることは事実だが、フィクションだ。「常識」が通らない人間関係が矛盾に満ちた人々の語りに現れてくる。理屈ばかりがはびこる時代に飛田の矛盾は「情緒」として人を惹きつけるのだろうか。読んでいると著者とともに「さわったらあかん」街の全貌を明らかにしていく気分になる。
1投稿日: 2012.08.12
powered by ブクログ遊廓の名残りをとどめる、大阪・飛田。社会のあらゆる矛盾をのみ込む貪欲で多面的なこの街に、人はなぜ引き寄せられるのか?取材拒否の街に挑んだ12年を綴る。 ダ・ヴィンチの上半期エッセイ・ノンフィクションジャンルで堂々の1位になっていて気になって読んでみた。 内容はすごい。正直女性がここまで乗り込んで取材できたのは著者の並々ならぬ執念があったからこそだとは思うし、絶対に知ることができないだろうなと思う飛田の「中」を紹介しているという意味では価値がある。無駄に下世話な話ではないし、飛田に対し良いとか悪いとか極端な意見を述べていないのも良かった。ありのまま、ただ飛田を知りたいだけだから。 一番心に残ったのはやっぱり曳き手のおばちゃんの話。振り返ってこの道を選んで良かったなんて思わない人生。それでも選ばざるを得なかったという事実。その道を蔑む権利なんて私たちの誰にもないと感じました。飛田にいる人だって、好きで選んだわけではないのだと。ここで生きて行かなければいけない社会を作ってしまった私たちに、女の子やおばちゃんは関係ない話ではない。今まで遠いと思ってた世界がガラリと変わった。それはこのルポルタージュが大きな役割を果たしたと言えると思う。 ただ、人として取材対象者に対しだまし討ちのような事を繰り返すのはどうかと思う。もちろん踏み込んだ取材をするためには必要かもしれないけど、嘘をついたことを平然と書き綴るのは頂けない。協力者に対し、もっと敬意を払うべき。内容だけなら星5つなんですけどねえ。
0投稿日: 2012.08.05
powered by ブクログとある会話で飛田の話を聞き、カルチャーショックというか、そんな街が今の日本に残っているんだと少し衝撃を受けた。図書館でたまたま見つけて、読んでみると、まさに会話の通り。飛田の歴史やそこで働く人や、また周辺の人々への取材がまとめられた一冊。
0投稿日: 2012.07.29
powered by ブクログ自分では詮索できない地域なので 読めてよかったと思いますが、 ちょくちょく見受けられる筆者の余計なひと言が 気になりました。 まぁ図書館で借りる程度でいい本です。
0投稿日: 2012.07.20
powered by ブクログ大阪・飛田。看板を料亭とし、客と仲居(ってことになってる娼婦)との個室内での性交渉を「自由恋愛」の名目で今も営業している遊廓のルポ。作者は12年この街を取材し続けたようだが、どうもスッキリしない。取材の経緯や作者の葛藤や逡巡の説明が多くを占め、肝心の対象の街と人のことが今ひとつよくわからないのである。それだけ取材の難しい街という言い方もできるが、意味がないか。 肉屋が赤身の牛肉をキレイに見せるようなライティング、ってどんなだろう。
0投稿日: 2012.07.06
powered by ブクログ今なお昔の風情を残す、日本最後の(といわれている)遊郭、飛田。 そこに体当たりで取材したノンフィクション、なんと12年越しで書き上げたらしい。 文の端々に飛田、というか風俗に対する著者の嫌悪感がにじみ出ているのが気になるが、それでも閉鎖的といわれる飛田についてここまで書き上げたのはすごいと思う。 ただの風俗と思うなかれ、そこには厳格なルールやしきたりが存在している。そしてそのルールも、かつての歴史から学んだ、生き延びる為に必要なものだった。 性風俗でして明らかなのに警察もむやみに取り締まれない理由とかも書いてあって納得した。 お客の話は、まあ探せばすぐ出てくるだろうからいいけど、実際に飛田で働いてるヒキコやお姉さんの話は貴重なのではないかな? 嫌われ松子のような人生を実際に歩んでいると思われる人たちがごろごろ出てくる件も複雑。 また、インタビューの中で繰り返し出てくる「男と女がいるからこれは必要なものなんだ」というような内容。 確かに、ビジネスとして当たり前に必要なものなのかもしれない。 性に関わっているというだけでどうして一線おかれてしまうのか。 どうして取り締まられるのか。 どうして下に見られるのか。 その行為で、人類みな生まれてきているのに。 そんなことも考えてみたり。 最後に「飛田に行きたいと思った読者に『おやめください』と申し上げたい」というオチ付。
0投稿日: 2012.06.24
powered by ブクログよく取材出来たなぁと感心する。 「売春」はダメ!という筆者視点で書いているのが…段々と取材を続けて実情が分かって行くうちに、筆力が落ちて行くのがホントに聞き込んでるなと思わせた。 世の中はこういうものだ!!
0投稿日: 2012.06.16
powered by ブクログ私が飛田新地のことを知ったのは、つい最近だった。友人に会うために大阪に行く際、まち歩きが好きな私は大阪のまちを歩いてみようと思い立った。その時、ある人が言った。「大阪には行ってはいけない場所がある。そこには絶対に近寄らないと約束して」と。 その場所というのが、JR大阪環状線のすぐ南に位置する西成区という場所。グーグルで検索をしてみると、出てくる出てくる。日雇労働者、やくざ、ドヤ、暴動、物騒な落書き、職業案内所に毎朝できる行列、怪しい物を売る露店。その街の隣には、歴史ある風俗街が堂々と残っているという。私は見つかる限りの情報を読み漁った。こんな「タブー」が身近な所にあったのだ。 それは私の知的好奇心を異常なまでに興奮させた。「やめて」と言われると、さらにその世界を覗いてみたくなった。気になって仕方がなく、頭から離れなくなった。でも、本当に行ってみたらどうなるだろう。興味があるから、というだけの理由で歩くことができない場所であるということは感じとった。行きたいけれど行けない。私は悶々とした。 それがだいぶ落ち着いた頃に、ネットでこの本の存在を知った。著者が女性だということに驚いた。私には見ることを許されないものをこの女性は見ていて、私が知ることができなかったものがこの本に書いてある。ハードカバーにも関わらず、鼓動を早め、鼻息を荒くしてレジに持っていった。買ったその日の夜から朝にかけて夢中になって読み切った。 著者は飛田を肯定もせず、否定もしなかった。そのシステムをどうこう論じるのではなくて、外や中の人間ありきで進めていく姿勢に好感が持てた。内容としては、飛田に行く人の視点から入り、だんだんと飛田の中の人たちに視点が移る。そこから飛田の歴史、飛田をとりまく人々、最後はまた飛田の中の人の話で締める。だんだんと著者の取材がうまく、良い意味でずうずうしくなっていくのが面白い。 そして、行動力がまたすごい。飛田を仕切る組合、元「料亭」のマスター、やくざの組長、警察、客の相手をする「おねえさん」、色々な方向からアプローチしている。この本を書くことという理由の根底に、純粋かつ強い「知りたい欲求」があったのだろうなあと感じた。飛田のまちに関わるごとに強まっていったのだろう。 飛田には予想通り、「わけあり」が渦巻いている。口にしてはならないことが沢山ある。だから皆感情を押し殺して、割り切って淡々と仕事をしているのかと思いきや、そうでもないことにまた驚かされた。人情がある。とても特殊だけども。ちゃんと、「街」には「人間」がいる。当たり前のことのはずなのに、妙に感じ入ってしまった。 「なお、本書を読んで、飛田に行ってみたいと思う読者がいたとしたら、『おやめください』と申し上げたい。客として、お金を落としに行くならいい。そうではなく、物見にならば、行ってほしくない。そこで生きざるを得ない人たちが、ある意味、一所懸命に暮らしている町だから、邪魔をしてはいけない。(あとがきから引用)」これは、ある意味邪魔をしまくった著者だから、言えることだ。だから私は飛田には行けない。女だから行けない。だからこそ、この本を読んでよかった。でも、★いくつかの評価はしかねる。いくつつければいいのか、分からないのだ。 それにしても、久しぶりにエネルギーを消費する読書だった。
5投稿日: 2012.06.16
powered by ブクログなんだか題名と表紙に騙されたみたい・・・ 昭和情緒のこるはんなりした・・・そうかん違いした私も悪いのですが、 さいご、どころか現在進行形の風俗店街なんですね。 体当たりルポルタージュってことで評価はいたしますが、 なんだか後味は良くない。なぜかと言えば、ウソつきながら取材したってこと、あからさまに書いてあるし。 井上さんももうこの街には関わらないって言ってることだからいいのですが、もう足踏み入れられないですよ、コレでは。 女の子たちのこれからに幸あれと祈ります、ってコレじゃァ私も上から目線。スミマセン。
2投稿日: 2012.06.11
powered by ブクログとても良い本だと思った。 ごく素直に、わたしの平凡な毎日に絶対に関わることのなかった、この本が出るまで存在すら知らなかった飛田という街のことを、教えてくれてありがとうと思う。 知らなかったことを知りたいから、ノンフィクションを読むのだから。 表面だけを書いているだけではないかというレビューも目につくけれど、そうだろうか。きっと筆者は飛田に愛着があるのだろうし、情報提供者を尊重するのは当然のことだと思う。しゃべりたがらない人が多いのも当然だから、騙し打ちのように入り込むこともやむを得ないだろう。書きたくないことは書かなくていい。ごくあたりまえのことじゃないか。 今まで目立って本に書いた人がいない、もしくは読まれていないだけで、そんなことをした人はきっと少なくないだろうと思う。 この本が話題になり、たくさん読まれるようになった、だからこそ出てきた、これこそ表面的なレビューじゃないか。 もっと深く知りたい方は自分がいってみたらいいし、その時はぜひ本にして発表していただきたいものだ。 わたしは、女性が性を売るお仕事をすることにあまり嫌悪感を抱かない。 単純にサービス業の一種であり、高等な技術職だと思っている。 もっとずっと若いころは、キャバクラとかで働いてみたいと本気で思ったこともあって、それは「人の心をつかむ接客サービスを学びたい」という意図だった。 わたしがそのお仕事を選ばないのは、他にたくさん選択肢があって、そっちを選んでいるというだけだと思っている。 飛田で働く女の子、おばちゃん、共に確かに抗えない借金(本の中には「抗えない貧困の連鎖」とあるがわたしはお金がない=貧困と思わないのであえて借金と書く)があり、しかたなくここにいるのだろうから、わたしののんきな職業を選ぶ自由みたいなお話は関係ないのかもしれないけど。 筆者が伝えたかったこととはまったく違うかと思うけれど、 わたしはこの本を読んで、どうしてパチンコを規制しないといけないか少し理解した。 取り締まられるべきは飛田の料亭ではなくて、借金を膨れ上がらせるシステム(そのうちのひとつの温床がパチンコだということ)だよね。 飛田の料亭やそのほかの色街が無くなった時、そうしてお金を稼いでいた人たちは今度何をすることになるのだろうと考えると、それはそれで新たな闇が、いまよりもっと狡猾に法をすり抜ける闇ができあがるだけなのではという気もする。 「男女が出会って、お茶を飲んでいるうちに自由恋愛に発展して、性行為が行われる。お茶がものすごく高額」そうだね、何もおかしくないよね、と思う。素晴らしい言い訳だ。
1投稿日: 2012.06.08
powered by ブクログ「飛田新地」…聞いたことはあったし、どういうコトをする場所なのかもなんとなく分かってた。 この本も出たときからなんとなく気になっていた。 それぞれの事情を抱えて、色街で働くしかなくなった人たち。 ”由緒ある”遊郭の雰囲気を今もたたえる飛田。 覗けば覗くほどその闇が深そうだ。
0投稿日: 2012.06.06
powered by ブクログ前半は冗長な感じやったけど、後半は深いとこまで突っ込んだ取材に変わっていったように感じた。 格差社会が凝縮したような、嘘でもなんでもあり。「そっとしといて」という言葉に代表される、普通に街中にあるのの不思議な空間。
0投稿日: 2012.05.26
powered by ブクログ渾身のルポ。かけた期間と労力が半端じゃない。採算とか関係のない度合い。 なんやよーわからん、でも、とにかくそこに人が暮らしてる、生きてる、ということが伝わってくる。静かに熱い本。
0投稿日: 2012.05.19
powered by ブクログ日常生活では接しないところだけど 人間の本性を、この資本主義の世界で存在させた 世界の本でした。 女性が取材をするには抵抗がありそうな分野だけど 取材姿勢も内容もよかったです。 いろいろ考えさせられる一冊でした。 世の中は多様性の集まりです。 そして人間は根本的なところは昔からかわっていないかな
0投稿日: 2012.05.19
powered by ブクログ先日、たこ焼き器を購入した帰りに立ち寄った書店で購入した「さいごの色街 飛田」(井上理津子著/筑摩書房)。著者が12年に渡って取材した飛田という街。通り過ぎていく男たちが、利用はするが言葉は濁すこの街に、ふれればむき出しになる貧困と差別の気配あり。
0投稿日: 2012.05.06
powered by ブクログ飛田という街は外から見た事があるが、内情等はまったく知らなかった。 一人の女性が、12年もの歳月を掛け、よくここまでやりのけた物だ。 彼女が書かなければ、飛田の歴史は形として残る事は無かっただろう。すばらし。
0投稿日: 2012.05.02
powered by ブクログよくぞ ここまで 踏みとどまって 書けたものだ と 感心する 自分(作者)の立ち位置がしっかりしているので それなりに 感情移入して 読み進められた そりゃあ 12年の歳月はかかったでしょう と 思える労作です
0投稿日: 2012.04.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
飛田新地のことを題材としているが、決して下世話な話ではない。 新地と呼ばれる場所は、百年前にタイムスリップしたかのような「娼婦が当たり前に客引き」をし、その場限りの関係が後腐れない関係が気づける唯一の場所として、筆者が取材したもの。 飛田は大阪にもともとあった、難波新地の代替地として設置。他国からの目、国内での女性の権利向上を訴える反対運動も起こったが、最終的には大久保利武(利道三男)の置き土産で、認可を通れば設置可能に。 これが逆に女性参政権獲得運動へと繋がる。 以前は、暗黙理に町の必要悪として認められていた飛田新地も、 現在は大々的な求人広告が打てないこと、女性斡旋してたヤクザも立ち回れず、新手の斡旋業者が出たことで、飛田新地は食いつぶされている。 やってることは売春だが、かつてはおやかたが女の子を親のような気持ちで親身になって、困ったときは手を差し伸べてた。それが飛田新地の情緒だっま。 暴力団規制の後の穴を、警察が埋めている。 かつて総会屋で起こったことが暴力団全体にも起こる可能性が。
0投稿日: 2012.04.29
powered by ブクログ丁寧な取材と、いまある世の中を(それが一般的な意味で否定的な世界であっても)噛み砕き、やさしく飲み込む筆者の良心的な書き方に好感を抱く。 内容は「色街」飛田(大阪府)の成り立ちと、人間を見つめたお話。
0投稿日: 2012.04.17
powered by ブクログタイトルに惹かれて購入したが、率直な感想を言うと、あまり良くなかった。 いまも遊郭の風情を残す大阪・飛田の実情を探ろうと、著者は12年にわたって同地を取材。しかし、取材の仕方がなぜか素人臭く、飛田の表面をさらっただけのような印象だ。 出会った人物や、そこで交わされた会話が収録されているが、単に取材経過を記録したメモのようで、情報をうまく加工しきれていない感じがする。 しかもネットや飛田を扱った小説、歴史資料からの引用も多く、飛田で暮らす人々の息づかいが伝わってこない。 現役の待合主人やそこで実際に働いている女性と出会った、最終章から書き起こせば良かったのではないか。
0投稿日: 2012.04.16
powered by ブクログ男性が単純に考える色街とは違う一面をみせる。ただ単に性のはけ口としてではなく、飛田という地に関わる一人ひとりの事情を考えさせられる。飛田の歴史には利権からんでますね
0投稿日: 2012.04.11
powered by ブクログ10年以上も飛田に通いつめたその気力に脱帽する。 異世界に対する好奇心に、著者が持つ指向が合わさって この大仕事を成し遂げたのだと思う。 指向というのは人それぞれで、宿業とも言えるのではないか。 ある人は全く惹かれないものが別のある人にとっては抗い難い 力を持つ。 それでこの世は廻っているのだなぁと思った。 この著者を惹きつけた飛田という土地よりも、 何故この著者がこうまで飛田に惹きつけられたのか、 その内面を知りたくなった。
0投稿日: 2012.04.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
図書館にて。 ドキュメンタリーはあまり読まないけれど、話題作だったので借りてみた。 すごかった。いつもは一日1冊ペースなのにこれは3日かかった。 どうにかならないのか、この悪循環は。 でもそれを必要としている人たちがいる。 大元は男性の性欲なのかもしれないが、そこにお金が発生し、体を売る女性、それを搾取してどんどん金持ちになる人々。 汚いといってしまえばそれまでだが、いつの時代にも必ずある風景はシンプルなエゴでそれでいて恐ろしい。 できれば、一生踏み入れたくない世界だし、そちらの世界の人とも接したくないと思ってしまった。
0投稿日: 2012.03.27
