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あの戦争と日本人
あの戦争と日本人
半藤一利/文藝春秋
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総合評価

30件)
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    この数日、太平洋戦争に関する書籍を連続して読んでいる。太平洋戦争での戦いの変遷、周辺国での戦いの経緯と顛末と読んできて、本書で、日本が太平洋戦争に至るまでの因果関係を幕末の時代から遡って時系列でたどりながら(半藤解釈のもとで)紐解いて受け止めることができて、前よりも立体的に「あの戦争」のイメージが掴めてきているように思う。その上で改めて、自分の中で都合が良い日本のイメージをどこかで勝手に作り上げていたところがあるのでは率直に思う。他国の行為がどうこうという話は置いておいて、日本が行ったことを反省し、熱狂することなくリアリズムに立って、戦争を起こさずいかに国を守るのか、真面目に考えないといけないと思った。 本書は口語で語られた内容をまとめた本なので、全編通して堅苦しくない文章体になっておりスルスルと読めた。

    0
    投稿日: 2025.12.31
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    太平洋戦争という選択に突き進んだ発端は、日露戦争にあったという観点から歴史が振り返られている。明治を一つの時代として区切るのではなく、日露戦争前後で分けるという考え方は腑に落ちるものがあった。

    0
    投稿日: 2025.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    編集者に向けて喋った内容を記事に仕上げたとのこと。そのおかげで授業を聞いているような感覚で読めて非常に面白かった。 歴史的に何があったのか、流れがわかりやすい点がよかった。事実を並べていくと、裏では何があったのか、誰が何をどう考えて動いていたのかが見えてくる。人の記憶は正確でないから、その場その場での記録がいかに大事かもよく分かった。なかには筆者の推測も入ってくるが、それもまた興味深い。やはり戦争のことなので悲しくつらい内容ではあるが、その時代を見た人の話を聞けるのは大変貴重だ。 戦争に向かう空気、国民の熱狂と変貌ぶりは、今なら想像ができてしまう。戦争に関して、誰も本当の意味では責任を取れないという恐ろしさに、終始重苦しい気持ちだった。特に特攻隊についての章は。

    0
    投稿日: 2025.09.27
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    ☆☆☆ 2025年8月 ☆☆☆ 戦後80年を迎える夏に改めて読んでみた。 記録はつけていなかったが、これを読むのはおそらく4回目ぐらい。 まず肝に銘じたいのは「日本人の心のなかを掘れば『攘夷』が顔を出す」というもの。1941年12月8日の真珠湾攻撃時の日本人に巻き起こった歓喜。それが『攘夷』が表面に姿を見せたときだと半藤氏は指摘。現代の日本人はどうか。「外国人排斥」を訴えるような政党が一定の評価を受ける。「日本人ファースト」の一種の流行の中に僕は『攘夷』を感じて背筋が寒くなる。 P56に書かれている以下の指摘も重要。 「軍隊のみならず、日本の組織は何かやろうとするとき、一体何を目的とするのか、それを明確にしないでやってしまうことが多いんです。命令する方は、本当の意図はこれなんだということをあいまいにして、かっこいいことを書く」 大きな絵を描けない、大方針を立てられない。 この本を読めば、戦時下の日本がいかに悲惨な戦争に向けて突っ走り、戻れなくなり壊滅したかが少し見えてくる。統帥権、八紘一宇、鬼畜米英、戦艦大和、特攻隊といった、この時代を象徴する言葉についても深く論考していて、かつ分かりやすい。 また来年の8月に読んで、戦争について考える機会にしたいと思う。 そういえば半藤さんが亡くなってからもう4年。 もし半藤さんが生きていたらウクライナ戦争やガザの危機をどう見るだろうか。

    3
    投稿日: 2025.08.27
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    よく、歴史「を」学ぶのではなく、歴史「から」学ぶことが大事と言われる。 が、半藤さんの本を読むと、そもそも歴史「を」学ぶ段階すら十分ではなかったと痛感する。 表面的な部分ではなく、いわば”裏側”や”状況証拠”も踏まえて考察していくのが本当に興味深い。 この後は、同氏の「幕末史」「昭和史」にも当たっていきたい。

    2
    投稿日: 2023.08.13
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    最初は飄々と戦争譚を話してるだけかなって思ったけど、読み進めたら深かった。 戦争の中味を見たような気がした。 昭和天皇の苦悩や明治と昭和の違いみたいな件もそうだったのかと唸った。 戦争がどうして悲惨だったのかも理解できて、戦没者の無念を思わずにはいられない一冊です。

    1
    投稿日: 2023.04.27
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    『オール読物』の連載まとめで、雑誌編集者相手に語ったものを文章化。小ネタもあって口語体で読みやすい。特に、4章の統帥権と5章の八紘一宇の政治制度・政治思想的テーマの部分が面白かった。 ただし、いつもの「半藤節」なので、史観に偏りはあるし、事実関係にも少々怪しいところもあるのでその辺は留意して読む必要はある。

    0
    投稿日: 2023.04.22
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    「半藤一利」が描いた日本の戦争史決定版『あの戦争と日本人』を読みました。 「半藤一利」作品は、昨年の8月に読んだ「江坂彰」との共著『日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか 撤退戦の研究』以来ですね。 -----story------------- 歴史とは、一筋の流である。 戦争史の決定版 日露戦争が変えたものから、特攻隊、戦艦大和、原子爆弾などあの戦争を通して見据える、日本人の本質とは。 『昭和史』に続く決定版! ----------------------- 歴史探偵「半藤一利」が、自らの著書である『幕末史』と『昭和史』の二冊の間をつなぐように幕末・明治維新から太平洋戦争敗戦までの時代をわかりやすく語り下ろした戦争史です。  ■幕末史と日本人  ■日露戦争と日本人  ■日露戦争後と日本人  ■統帥権と日本人  ■八紘一宇と日本人  ■鬼畜米英と日本人  ■戦艦大和と日本人  ■特攻隊と日本人  ■原子爆弾と日本人  ■八月十五日と日本人  ■昭和天皇と日本人  ■新聞と日本人―長い「あとがき」として 歴史って、その時代、その時代で切り取られているわけではなく、前の事実を踏まえて後の事実が生まれてくる一筋の流れなんだな… ということを改めて感じた作品でした、、、 明治維新から、日露戦争、統帥権、戦艦大和、特攻隊… 悲劇への道程に見える一つひとつの事実は、いつ芽吹き、誰の思いで動き出したのかということが、わかりやすく解説されていました。 幕末史での薩長の美談や、日露戦争での二〇三高地での無意味な作戦(既に旅順艦隊は殲滅していた)等… 教訓に学ぶことなく、都合よく作り変えた物語(講談)を、あたかも事実かのように取り扱い、隠蔽しちゃったことがターニングポイントになった気がしますね、、、 「半藤一利」も語っていましたが、日露戦争後にきちっと事実を明らかにして、「日本はもう少し我慢しなくてはいけませんよ」、「国力に見合った国づくりをやっていかなきゃいけませんよ」ということを、指導者が語るべきだったんでしょうね… それをしなかったために、その後の日本人は勝利に酔って、謙虚さを失い、冷静におかれた現状を受け止めることもせず、やがて世界の孤児となり太平洋戦争に突入していくことになったんだなぁ、としみじみと感じました。 でも、わかっちゃいるけど、歴史から学ぶことは、実際はなかなか難しいんだろうなぁ… と、現在の日本の政治をみながら考えちゃいましたね。

    0
    投稿日: 2023.01.22
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    毎年8月になると太平洋戦争ものを読む。今年はこれ。歴史探偵、半藤さんの多くの取材から浮かび上がる明治維新、日清戦争、日露戦争、そして太平洋戦争への道。日露戦争後、地に足がつかず、現実的な判断ができなくなり、太平洋戦争へ突き進んだ。300万人もの戦没者をもたらした無謀な判断の数々。歴史にはやはりしっかりと向き合う必要がある。

    2
    投稿日: 2022.08.18
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    日露戦争までの日本人の苦悩の選択と昭和の戦争の安易な選択の対比がこれでもかとでてくる。 それ自体興味深いが、筆者が1番言いたいのはあとがきにある新聞と日本人ではないかと思った。

    2
    投稿日: 2022.07.23
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    半藤一利と言う人は優れた歴史家である。 ただこの本の中の 特攻隊と日本人の章では、どうしても同意出来ない箇所がある。 「自分の乗った航空機あるいは魚雷ごと突入して敵艦を撃沈するくらい。これは世界戦史の中でそれまで見たことのない常識外れのものでした。非情この上ない非人間的な作戦でした。」 確かに特攻は作戦として外道の外道であると言う事にはオレも同意する。 しかし、特攻が非人間的か否かは乗る人間の価値観で決まる。 乗る人間が身体、生命以上の価値を何らかに見出して、その事が特攻により守られる可能性があるなら必ずしも非人間的とは言えないと俺は考える、。

    1
    投稿日: 2022.05.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    亡くなったことをきっかけに手にとって、あぁ、どうして生きているうちにちゃんと読んでおかなかったのかと後悔。 戦略がない、精神論だけ、先の対戦の反省が今の日本に活かされているのか、いや、これからこそ、この退潮の時代を精神論でなくどう切り開くべきなのか作者の声を聞きたかった。 最近、組織について考えることが多く、エリートを集めた軍部も、自分の周りの小さな組織も、病理は一緒なのでは、という気持ちになった。

    0
    投稿日: 2021.10.13
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    ある一つの事実があっても、その事実が全てではない。必ずそれに反対するような史実が出てくるに違いない。 歴史というのは、前の事実を踏まえて後の事実が生まれてくる一筋の流れである

    0
    投稿日: 2021.08.22
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    著者の半藤一利氏が今年亡くなられ終戦の8月になり氏の本を初めて読む。 一度は読むべき本と思う。 教科書で習った明治時代の富国強兵、脱亜入欧から軍国主義全盛の昭和、あの戦争がどれだけ悲惨だったか、その思いに耐えて読まないといけない。 昭和天皇から当時の皇太子宛の手紙の内容、戦争とは関係ないと思っていた宮沢賢治の以外な活動など、初めて知る事ばかり。 終戦の8月になると著者に去来する思い「死者は 私達が思い出すかぎり行きている」、慰霊の念は忘れてはならない。

    0
    投稿日: 2021.08.17
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    日露戦争後の日本。大国主義に陥り南進政策を推し進め、それによって米英の不況を買い、禁輸等の貿易政策により追い込まれ、反米機運が高まり、最後に戦争に至る。今の米中がまさに同じ道を辿っているように見える。 ・自爆テロは日本の特攻を引き継いでいる、十死零生の攻撃なら同じだろうと言われるが、全く異なる。日本の特別攻撃隊は、組織の命令でやったというところに悲劇がある。

    0
    投稿日: 2018.12.21
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    著者の見識の広さとバランス感覚の良さにより、なぜ明らかに勝てない相手と戦わざるを得なかった太平洋戦争へ向かっていった道筋を教えてくれる。

    0
    投稿日: 2018.08.16
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    大東亜戦争のベースは、殆ど奇跡的に勝利した日露戦争においてつくられた考えが引き継がれていることが分かる。例えば、大艦巨砲主義、艦隊決戦、十死零生の特攻、火力重点よりも精神力よりも白兵主義など。でも、大東亜戦争に敗北した主な理由は、上記の過去の成功体験に固執したことなのだと思う。

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    投稿日: 2018.02.19
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    半藤先生は他の著作でもちょくちょく「昭和史を追っていくと、明治・大正の近代史に目が向くようになる」と書いているが、本書はまさに、そんな近代史と昭和史との繋がりを辿ったものと言えようか。明治と昭和(日露戦争とアジア太平洋戦争)とを比較・検討し、そこに潜む戦争の内実や、国民の心の有り様を追う一冊。いつもながら、半藤先生の、真摯かつ謙虚な、良識ある歴史との向き合い方には感嘆させられる。「歴史に学ぶ」とはどういうことか、思考の一助になる名著だと思う。

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    投稿日: 2018.01.08
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    先の戦争を肌で知っているこういう人はじきにこの世からいなくなってしまうんだな。非常に惜しい。 戦争を文字や伝聞でしか知らない2世、3世の政治家ばかりになった日本の行く末は実に暗い。いまや日露戦争で薄氷の勝利をした後のような世相に見える。 それと、あとがきの内容は納得。マスコミと言う名の暴力機関が国を誤らせてゆく。しかもそれはすべて金のためだ。

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    投稿日: 2017.11.23
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    全国民が読むべき。てか、これを教科書に教えるべきじゃないか。我々はもっともっと、あの戦争のことを学ぶべきだと思う。半藤さんの冷静に事実を見つめる目と人間、国への愛情が本当に素晴らしい。

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    投稿日: 2017.10.13
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    8月の課題図書…と言い続けて、年レベルで時間が経ってしまった…。 読み出したらあっという間なんだけどね! この人の本はとっても読みやすいので。 テーマごとに「あの戦争」を振り返るという内容。 相変わらずはっとさせられる文章がいっぱい。 惜しむらくは私の中で当時の情勢が順序立って記憶できていないので、個々のエピソードを面白く読んでも、それを自分の口で系統立てて話せないんだよねえ。 ど、努力が、必要であります!

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    投稿日: 2016.01.09
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    語り口調で分かりやすく日本人と戦争との関わり合いを述べている。内容としては行ったりきたり、いろいろ話が飛ぶもののどれも興味深く、知らない内容も多かった。後半にいくにつれ内容的にも重く、しかし大事なことへとつながった。最後に、「あの戦争」と述べている理由も分かって納得。これをベースに『日本の一番長い夏』の再読に挑むつもり。

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    投稿日: 2015.07.03
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    このところずっと読み続けている形となる昭和史モノ。 前回の『日本のいちばん長い日』の流れで半藤一利氏の描く近代日本の姿を主に日露戦争時から第二次世界大戦の終戦までを時系列的に述べたモノである。 ただの通史ではなく、それぞれの歴史の転機における主導層の動き、考えと世論、新聞、大衆の動き、考えを合わせ、当時の『日本人』というものが情勢をどう捉え、どういう思想を元に、どういう行動をなしたのかということが非常にわかりやすく整理された本である。 話が変わるがボクはあとがきが好きである。 なので、中身の読書に入る前にあとがきから読み進めてしまうケースが多い。 中にはネタバレのようなあとがきもあるが、本書に対する作者の思いというモノがあとがきには書かれているケースが多いので、本全体の雰囲気を最初に捉えておくためにも、はじめにあとがきから読んでおいたほうが、ボクは後々の読書をしやすいのである。 本書のあとがきではいきなりきな臭い話から始まっている。 書名である『あの戦争と日本人』。 なぜ、書名で『あの戦争』という言葉を使ったのか、使わざるを得なかったのか?ということから本書のあとがきは始まっている。 その理由の中にも自虐史観だのなんだのとボクらが学校で習ってきた『太平洋戦争』という言葉に対する、保守反動的な圧力が働くのだという。 日本ていつのまにこのような息苦しさを感じる国になったのだろうか? いちいち、作者に反論を寄せるのも大変だろうに...。 それもこれも特に『昭和』という時代についてはまともに歴史を教えてこなかったが故だと思う。 また、あとがきの中に『非連続』という言葉が綴られている。 最初にあとがきを読んだときにはサッパリ意味がわからなかったが、本書を読了する中でこの『非連続』が意味することがよく理解できた。 幕末から明治となり近代日本の夜明けを歴史の授業として習っていく中で、幕末以降の近代日本は明治・大正・昭和と繋がっているという感覚はないだろか? ボクは本書を読むまで繋げて理解していたのだ。 薩長が中心となって明治政府を作り上げ、廃藩置県・富国強兵により天皇を中心とした中央集権的な近代国家として発展を遂げてきた。 日清・日露・第一次世界大戦により国際的な列強の一角に肩を並べるに至り、世界の利権配分争いにより旧列強(英・米・仏)と新列強(独・伊・日)による第二次世界大戦が引き起こされ、新列強の三国の降伏により終戦。日本はアメリカによる占領政策下で象徴天皇制に基づく立憲君主制で再スタートを切る。 といった、バカみたいに略しすぎだが明治・大正・昭和(戦前・戦中)までは幕末の薩長の体制を中心として、脈々と繋がってきたという理解なのである。 それが全くの誤解であるというか、そもそも教えられてこなかったことに驚きだ。 教えてこなかったのだからある意味当然なのだが、昭和の戦前・戦中までの話が今ひとつ理解できなかった要因に『統帥権』『天皇機関説』というモノがある。 これまでこの二つのキーワードが出てくるとボクはもぉ〜お手上げだったのだ。 大日本帝国憲法なるモノを掲げる立憲君主制国家でありながら、なぜ内閣は軍隊の暴走を止められなかったのか? 統帥権干犯とか言われて軍部に脅されても、内閣には陸相も海相もいるわけだし。天皇自らが作戦を指揮するわけじゃないんだから、参謀本部・軍令部といったって無茶できんでしょ? また、天皇機関説がけしからんっ!といってもそもそも、内閣も軍隊も天皇は『玉』としか考えてないでしょ?幕末に倒幕の象徴として担ぎ上げた時代から?? どの組織でも『天皇』という位であれば今上天皇でなくても代わりの『玉』がいればいいんでしょ? そしたら、昔から天皇は『象徴』でしかないじゃないすか。 天皇機関説のナニが悪いの??? とボクの灰色の脳味噌はこの二つのキーワードが理解不能でなにが問題なのかすら解らなかったのである。 それが、本書を読んだことによりすっきりした。よくよくよぉ〜やく理解できたのである。 やはりキモは『統帥権』なる謎の権利なのだ。 しかも、この統帥権なるモノは山県有朋の発明により、大日本帝国憲法が作る前から成立していたと。 要は内閣という行政府が出来る前から軍事に関することは天皇直轄の幕僚組織としてすでに 独立した機関として成立していたと。 とすると当然、遅れて成立した憲法なんぞにこの幕僚組織を定義する条項などないに等しいのである。 国の舵取りを司る行政府のコントロールが一切及ばない外側に日本の軍は存在した。 『政府の前に軍が存在している。』終戦を迎えるまでの日本はそんな国だったということである。 また、この憲法以前に統帥権の独立ということが天皇機関説のミソでもあるのだ。 天皇機関説は『象徴』は象徴であれど、憲法下において天皇を位置づけ、ようは『統帥権の独立を憲法下に再定義する』ということであり、だからこそ陸軍を中心に統帥権干犯を問題視して大騒ぎになったということらしい。 なるほど、『統帥権』という謎の言葉の意味が効能を理解することによりわかりづらい昭和史というモノが見えやすくなった。 また、このある意味制限があって無いようなモノである『統帥権』を魔法の杖のように軍が遣い出すことにより、明治以降粛々と成長を続けてきた近代日本と、明治の成果のみを観て生きてきた次の昭和世代に非連続な歴史が垣間見られるということも本書を通して読むと実によく理解できる。 昭和史が苦手な人はまずこの本から読むべきだと思う。

    1
    投稿日: 2015.04.25
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    『日本のいちばん長い日』の半藤一利氏が日露戦争から太平洋戦争までの歴史の流れを日本人の資質とともに解説したもの。『日本人のいちばん長い日』が素晴らしく質の高い本であったのと同様この本も読む価値のある本である。 「あの戦争」とは太平洋戦争のことだが、どう呼ぶかによってイデオロギーの問題が生じるからとの説明だが、「あの戦争」という呼び方がこの本にはふさわしいように思う。 本書では、日露戦争の「勝利」が、「あの戦争」への道筋に与えた影響は大きいと論じる。さらに、日露戦争とあの戦争における指導者の覚悟と責任感の違いが、状況をさらに悪いものにしたのだという。 最後に「新聞と日本人」として、長いあとがきを書いているのだが、世論形成においてマスコミが果たした役割についての考察は心に留めておくべきだと思う。後世からは、新聞によって民衆が踊らされたという印象があるが、事実はむしろその逆で、部数の確保のために民衆が求める記事を書いていたというのがより真相に近いようだと。このことは現代でもまったく変わっていない。新聞がテレビになっても、そしてWebになっても変わらないということは肝に銘じておくべきことだ。 以下に章立てを書いておく。そうしておく価値があるように思えるから。 第一章 幕末史と日本人 第二章 日露戦争と日本人 第三章 日露戦争後と日本人 第四章 統帥権と日本人 第五章 八紘一宇と日本人 第六章 鬼畜米英と日本人 第七章 戦艦大和と日本人 第八章 特攻隊と日本人 第九章 原子爆弾と日本人 第十章 八月十五日と日本人 第十一章 昭和天皇と日本人 新聞と日本人 - 長い「あとがき」として 自らを歴史探偵と任じ、当時書かれた文書や当人へのインタビューを元に何が起きたのかを再構成をしていく。著者は戦後あまり時間が経っていない時期に雑誌記者としてインタビューをしているので、そこで聞いた言葉をもとにした語りには説得力がある。自身で行ったインタビューや多くの一次資料に当たっているので信頼感が持てる。現代は、より多くの記録された情報で溢れている。フーコーがそうやったように、また著者もそうしたように、未来の誰かがよりテクニカルに洗練された形で「文書」を掘り起こしてこの時代がどのような時代であったのかを語ることになるのだろうなと思う。ぜひともそういったものを読んでみたい。

    0
    投稿日: 2015.03.29
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    【歴史とは、一筋の流である。戦争史の決定版】日露戦争が変えたものから、特攻隊、戦艦大和、原子爆弾などあの戦争を通して見据える、日本人の本質とは。「昭和史」に続く決定版!

    0
    投稿日: 2014.09.09
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    「戦いに敗けた以上はキッパリと潔く軍をして有終の美をなさしめて、軍備を撤廃した上、今度は世界の輿論に吾こそ平和の先進国である位の誇りを以て対したい。(中略)世界は、猫額大の島国が剛健優雅な民族精神を以て、世界の平和に寄与することになったら、どんなにか驚くであろう。こんな美しい偉大な仕事はあるまい」 さて、問題です。 この発言の主は誰でしょうか? 今なら観念的平和主義などと揶揄される左翼思想の持ち主だと勘違いされるかもしれませんね。 正解は、何とあの満州事変の首謀者、石原莞爾元陸軍中将。 その石原が戦後、述べた決意です。 なんて私も偉そうに紹介していますが、本書を読んで初めて知りました。 なんとも胸がすくような言葉ではありませんか。 戦後の右翼なんて恐らく束になっても敵わない石原が、あのこっぴどい敗戦を経験して掲げた平和への決意。 それに比べて今の為政者が口にする「平和」の言葉のなんと軽いことよ。 この石原の言葉を知ることができただけでも、本書を読んだ甲斐があったというものです。 本書はベストセラー「昭和史」を著した半藤一利さんの「語りおろし『戦争史』」。 博覧強記の半藤さんが「あの戦争」について縦横に語り尽くして「え? そうなの?」「知らなかったぁ」などと感嘆に次ぐ感嘆で興奮のうちに読了しました。 私は本を読んで心を動かされる個所に出くわすと、そのページの下の隅っこを折る習慣があるのですが、ほとんどのページを折ってしまいました(笑)。 本当はすべてを紹介してこの興奮を少しでも分かち合いたいですが、私もこれで忙しい身なのでそうもいきません。 ただひとつだけ、どうしても紹介したい個所があります。 それは日本が太平洋戦争(大東亜戦争)への道を急ぎだす昭和15年9月の日独伊三国同盟の締結に際し、近衛文麿が昭和天皇に奏上した内容です。 「この三国同盟の目的はやがて日独伊ソの四国協定にまで拡大していき、結果的には日米戦争の防止になること、かつ同盟を締結しなければ日米戦争の危険はかえって大となること等々」 どうでしょうか? 最近、これに似た言葉を聞いた記憶はないでしょうか。 私は安倍首相が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した時の記者会見で、「日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく」と発言したことがすぐに想起されたのです。 集団的自衛権が米国との同盟を強化することに主眼が置かれていることは論を俟ちません。 いつの時代も政治家は、「同盟の強化で戦争の可能性は小さくなる」と強弁するものらしいです。 敷衍すれば、「軍事力を高めることが平和を維持することにつながる」と言うこともできるでしょう(実際、こういう発言をしょっちゅう耳にしますね)。 そんなことは決してありません。 軍事力を高めれば、戦争をしたくなるのです。 これも本書を読んで知りましたが、米国は当初から確実に使用することを意図して原爆を作ったのではありません、原爆が完成したから使ったのです。 私は、このたびの閣議決定で集団的自衛権の行使が可能になったから、ただちに戦争になるとは思いません。 ただ、「ノー・リターン・ポイント」に立ち至ったというのが、不案内な私の認識です。

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    投稿日: 2014.07.12
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    今、あの戦争について知っている人、知りたいと思っている人がどれほどいるだろうか? 日露戦争をはじめるときと太平洋戦争をはじめるときの違いがよくわかった

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    投稿日: 2014.03.09
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    日本の一番長い日と平行して読む。色々な間違いが積み重なって悲劇が起こる。やはり民族としての経験不足もあるのか、極東の島国が気質を生むのか。日露戦争で少し負けておいた方が第二次大戦の悲劇はなかったかも。アジアを欧米の植民地から開放する、という大義はよいが、ミイラ取りがミイラになってはいかん。

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    投稿日: 2013.10.13
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    3日で読了。読み易いが、聞き書きなので少々、内容がだぶりがちな印象。 石原莞爾と宮沢賢治が日蓮宗の拡大主義の産物だと言い切った所が秀逸だった。阿南と米内の確執も説得力があった。

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    投稿日: 2013.08.25
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    7、8月に必ず読む終戦もの。半藤さんのバランス感覚と資料に裏付けられた発言は、目から鱗のことがままある。今回もそんな一冊でした。

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    投稿日: 2013.07.22