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ディアスポラ
ディアスポラ
勝谷誠彦/文藝春秋
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総合評価

7件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み出す前からあの勝谷誠彦の作品というわかっていたので、チベットが舞台とわかって彼らしいなあとか勘ぐってしまった。どうも原発事故かなにかで日本人が離散した世界でのチベットに逃れた日本人たちのお話というディープな設定だが、淡々と描かれていて文学チック。もう一篇の「水のゆくえ」も寒村に放射能が降った世界の話だが、人々の生活に焦点を当てた文学チックな作品。

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    投稿日: 2025.09.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    入院した身内の見舞いに行ったら長時間待つ羽目になったので、待合の「院内文庫」にあった本のうちこれを手に取ってみた。チベットの地の鮮やかな描写に惹き込まれてよくわからないままに読み進めると、設定が次第に明らかになってくる。 原発事故で日本の全土が居住不能レベルに汚染されたとしたら―この作品は小説の形をとった思考実験なのである。 表題作はディアスポラ(撒き散らされた者)となりチベットの地に難民として暮らす日本人、同時収録作「水のゆくえ」はダム建設予定地だったとある地に残留する村人が仮定されている。 こんないい小説なのになぜあまり話題にならなかったのか不思議だなと思うくらい。著者のガラの悪さがために軽く見られてしまっているとしたらもったいない。それとも、著者は20年前の臨界事故に着想を得てこの作品を書いたらしいが3.11以降中途半端なリアリティになってしまったからだろうか・・・もっと読まれていい本だと思う。 P9 あの、日没時に分厚い大気を透過してやってくる夕日の叙情はこの地ではありえない。そのために万物は途方もなく長い影を持つ。 P71 ダライ・ラマはこの風の中にいる。土地にでもない、血統の中にでもない【中略】チベット人がいる限り、ダライ・ラマはその中に生まれる。そしてカイラスがあそこにあるように、風はなくならない。 P94 死ぬのに理由はいらない。しかし、死は理由なく訪れてきて、家族の永遠を断ち切るのだ。

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    投稿日: 2019.11.09
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    コーマック・マッカーシー「ザ・ロード」に負けない日本の文学。スケールも大きいし悲しみもかけています。テレビの印象があるのかもしれないけれど置いて読んでほしいな。質の高い文学作品だと思います。日常についていろいろ思ったり日本酒が飲みたくなったり原発の向こう側の作品です。福島原発事故前に書かれた作品で踏まえて書いてない中で、これを書いたのはすごいなと思う。ただ、そういうの抜きにして日本に住んでいる文学好きには多く手に取ってほしい作品。

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    投稿日: 2017.12.18
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    3 原発の事故で日本に住めなくなり民族離散(ディアスポラ)した話。チベットの難民キャンプと被曝しながら日本に残った人達の二本立て。生活に民族としての苦悩やその生活の中での苦悩が描かれている。百田尚樹の解説によると、純文学で売れないらしい。話に救いがなく読みやすいわけではない。

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    投稿日: 2016.08.28
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    【日本人とは何者か? 比類なき予言の書】“あの事故”で国土を失い、世界各地の難民キャンプで暮らす日本人。確かな情報も希望もなき異邦の地で「日本人として」生きる人々。

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    投稿日: 2014.09.09
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    10年以上前に書かれた現在の日本を暗示するかのような純文学的な小説。表題作の『ディアスポラ』の他に『水のゆくえ』を収録。 『ディアスポラ』とは民族離散という意味のようだ。ある事故で日本列島に居住不能となり、チベットの難民キャンプに暮らす日本人の物語… 『水のゆくえ』も原発事故後の日本を舞台に杜氏の一家を中心に物語が展開する… 二編のいずれも、日本人なら悲しみを覚えるような小説である。

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    投稿日: 2014.03.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2014/2/8 Amazonより届く。 2018/4/26〜4/28 原発事故で住めなくなった日本を脱出し、世界に離散した日本人を描く表題作の「ディアスポラ」、また汚染後の日本に留まり、目前のやるべきことをやり続ける人々を描く「水のゆくえ」。勝谷さんのロマンチストの一面が色濃く出た純文学。百田さんの解説も面白い。

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    投稿日: 2014.02.07