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紀ノ川(新潮文庫)
紀ノ川(新潮文庫)
有吉佐和子/新潮社
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総合評価

73件)
4.0
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29
16
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    紀の川流域旅行の記念に購入。 知らない言葉が多くて時間がかかったけど面白かった! 私もわりと古風な家の長女なので、花にも文緒にも激しく同意したり、いやそれは違うと反発したりで情緒が忙しない。 ただ、家に忍従するつもりがあろうとなかろうと、まさに川の流れのように私も花や文緒のようなご先祖様から命を繋げてもらったはず。 生まれた環境も選べなかった境遇も糧にして自分なりの社会貢献ができれば上出来なんだろうと思わせてもらった。

    0
    投稿日: 2025.12.21
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    紀ノ川、奈良県では吉野と呼ばれる川が、和歌山に入ると紀ノ川と呼ばれ、有田川の北を走って和歌山湾に流れ込む。 紀ノ川沿いの九度山で、旧家に生まれ祖母に躾けられた花が、名家に相応しくお金と時間をかけて、しきたりにのっとった結婚の儀式を行うところから話が始まる。それはもう本当の話なのかと疑いたくなるほどの異様な式だ。川の流れに逆らってはいけないということで下流へ嫁に行く、というところまでは受け入れられるが、五艘の船に信頼縁者が乗り込み、その下流の六十谷(むそた)まで、途中何件かの旧家で休息を取りながら一日かけてゆっくりと下っていく、とか、披露宴は男しか入れないとか、結婚式まで二人はほとんど顔も合わせないとか、その日のうちに(客がいる間に)床入りし、初夜が明けると今度は「部屋見舞い」という習慣が待ち受けていて、女の縁者が新嫁を訪れて祝言を述べる、とか、今では考えられないことの連続。なんせ時代は明治の始め、まだ封建的な世の中だった。「三従と七去の教え」という言葉が出てくる。三従とは、女性は幼いうちは父に、嫁しては夫に、老いては子に従えということ。七去とは、舅姑に従わない、子供を産めない、不貞、嫉妬深い、病気持ち、おしゃべり、盗みをはたらく、これらのひとつでも当てはまる嫁は離縁できる。いやはや、すごい時代だ。 長男がいかに大事にされているかというのも驚きだ。兵役免除ですよ。次男以下は分家として名前も捨てないといけない。ただの平民になってしまう。長男の出来が悪かったらどうするの?実際この話の中でも花の長男は出来が悪く、文緒が男だったら‥などと嘆いている。 花の章で行数使った。この後、旧態依然とした花に反発心を抱き、常に突っかかる娘の文緒、外国で育ったものの古き良きものやしきたりも受け入れられる孫の華子と三代に渡る女の物語。

    0
    投稿日: 2025.10.23
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    紀州紀の川の流れとともに移りゆく女たちの物語 明治大正昭和の時代の女性の立場というか生き方の変遷に、徐々に引き込まれました。 花の目線で感情移入しているため、文緒の身勝手さ(に見える振る舞い)が腹立たしくありましたが、立場も状況も考えも変わっていく中で、こちらの印象も変わっていきました^^

    1
    投稿日: 2025.08.24
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    明治大正昭和と時代が変わると 人の価値観も変わる。 「普通」が「普通」じゃなくなる。 当たり前なんていうのはその時代の普通に合わせている。もっと言えば、周りの考え方に合わせているだけだろう。

    11
    投稿日: 2025.08.16
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    明治大正昭和に生きた女4人の人生が描かれている。 家への執着。伝統への反発。そして時代は変わっていく。 いざとなって頼るのは男の実家ではなくて女の実家… この言葉印象深い。 「死んだ家」の土台だったそうです。

    14
    投稿日: 2025.08.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「お母さん、乳房形って、どないして作るんですか?」 と訊きに来た。木綿のハンカチを扱って簡単に作り方を説明してから、 「あんた、慈尊院さんへ行くんかよし」 と尋ねると、 「ふん、まあ気休めやと思うけどの」 ぷいと立って行ってしまった。

    0
    投稿日: 2025.07.08
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    和歌山の旧家を舞台に明治から昭和にかけて四世代の女性を通して時代による価値観の移り変わりを描いた作品。 力作であることは間違いないが、庶民感覚とはあまりにかけ離れた大地主一家の価値観がそのまま時代を表しているとは決して思えず、そのせいで素直に読めなかったところが残念です。

    0
    投稿日: 2025.04.02
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    紀ノ川上流の名家出身の花が嫁いでからの生涯が明治、大正、昭和の時代を経て語られる一代記。 花は古き良き伝統を守る模範的な女性であり、川を下っての厳かな嫁入りの描写は美しく、凛とした花の振る舞いや紀州弁の物言いも優雅で、前半は華々しくて素敵だった。 そこから劇的な展開があるわけではないけれど、時代の移り変わりにより、求められるものが変化していき、女権論者の娘との対立や「家」が崩壊に向かう様子が流れるように描かれていく。 ハッとさせられる表現があったり、女性たちの逞しさを感じたり、生命力溢れる魅力的な作品だった。

    18
    投稿日: 2024.08.24
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    明治大正昭和を生きた紀州の女三代の話。豊乃、花、文緒、華子のタイプの違う女達の生き方に共感する部分反発したくなる部分が混ざり合い時代の移り変わりに心も揺れ動く。男尊女卑の中、強かに逞しく生きる姿に憧れを抱く。この一族に想いを馳せながら紀ノ川を見たくなる。

    4
    投稿日: 2024.05.23
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    和歌山の素封家を舞台に、明治・大正・小話を生きた3代の女たちの年代記。 祖母の豊乃に手をひかれて九度山の石段を上る花の描写から始まるこの物語は、花が嫁いでからのことがいちばん長く、きっちりと嫁として、妻としての務めを果たし長男を産みその後に長女の文緒を産んだと同時期に豊乃を亡くす。 母の花とは違う文緒は、ひたすら我が道を進み一風変わった強情な女子であった。 母の思いを全く与することなく結婚後も自分の思うままである。 その文緒の子である華子は未熟児で生まれてから身体も弱く、和歌山の花と過ごす時期もあった。 花の子どもにしても男もいたが、いずれも家を離れてしまっていて、戦局苛烈においては彼女の周りに集まったものは、娘たちや外孫ばかり。 母系というか女の実家に集う女、子どもというのは、いつの時代も変わらないのではないかと思えてくる。 祖母から伝えられた紀ノ川のことを九度山へ上ったことを我が子へそして孫へと語りたかったのかもしれない。

    57
    投稿日: 2024.04.22
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    明治、大正、昭和へと続く、母から子、孫に至るまでの年代記。 有吉版『細雪』のよう。細雪よりはだいぶコンパクトながら、明治のお家騒動にとどまらず、昭和までの時代の移り変わりが書かれているのがすごい。 川の流れのように続いていく命と、変わっていく「家」のあり方を体感することができ、しっかり満足感。 「〜のし」という独特の方言も癖になる。

    29
    投稿日: 2024.02.24
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    明治時代に和歌山に生まれ育った花を中心に、子の文緒(大正)、孫の華子(昭和)を通して、時代の移り変わりを描いた作品。 私の義実家は和歌山なので、話言葉や食べ物(駿河屋のまんじゅう、富有柿)、地名(岩出)和歌山城やぶらくり町が聞き覚えがあるもので、読んでいておもしろかったです。 私は強い女性の話が好きなので、この小説は大好物でした。 主人公の花は明治時代の女性の見本のような、夫をかいがいしく世話するように見えて自分の野心のために動かすような女性(に見えました)。 その母を反面教師とした文緒は、「女性でも自立していく時代だ」と大口を叩きながらも、実家のお金を頼りにする女性。 孫の華子は、花の隔世遺伝を受け継いでいるような女性。花に親しみを感じ、受け継がれてきたものを客観的に見ています。 女性が直接的に社会に出ていないながらも、家の中のやりとりを通して、間接的ながらも社会に貢献してきたこと、こまごましたやりとりを通して考えが次世代に繋がっていくさまが描かれていておもしろかった。 「原始社会の母系家族は自然やったんやと思いませんか。いざとなって頼るのは、男の家やのうて、女の実家方ですよ。」 紀本家の豊乃から、花へ、そして文緒から自分へと確かな絆が力強く繋がれて、花の胸の鼓動が直に華子の胸に響いているのを、華子は感じたのだ。

    11
    投稿日: 2024.02.24
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    めちゃくちゃ面白かった。 第1章が終わり、第2章が文緒が女学生になったところから始まることに気づいた時点で「文緒が女学生になるまでに何があったかも教えてよ!!花の視点を共有してよ〜!」と駄々をこねたくなった。 内孫、外孫、長男がどう、と家父長制的な視点を持つ花に対し、文緒が「実際に深い交流があるのは外孫ばかりではないか、母系家族は自然だったのではないか」と訴えるシーンは特に印象に残った。 母と娘が反発し合いながらも、宥和できる部分は時間をかけて宥和し、その様子を見る孫娘は祖母に対して親近感を持つ、という描写は、そうやって昔から連綿と命が続いてきたのだなと思わされた。 一方で、晩婚化や出産の高齢化、核家族化が進むいまでは、祖母と孫娘の距離はこの作品ほどは近くないのだろうなと少し残念に思った。

    6
    投稿日: 2024.01.17
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    朝日新聞の和歌山紀行での推薦本である。有吉佐和子は、恍惚の人や複合汚染で有名になっていたので、その本を読んだが、こうした昭和の初めの地方の和歌山の女性を描いたとは思わなかった。和歌山を昭和にかけて知るにはガイドブックとして最適であろう。

    1
    投稿日: 2023.07.23
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    23.1.21〜2.5 有吉佐和子、面白すぎ❗️ 花と祖母の関係性、習慣。絆。嫁入りの様子は鈴木清順の映画を思い出した。 カバンに大量のキューピーをぶらさげて田舎を闊歩してる文緒、可愛げありすぎ。 華子を見つめる花の目線と、終盤に彼女が語る言葉で感極まった。 武蔵美に友達の卒制を見に行った帰りに、近くにあった古本屋さんでこの本と『複合汚染』を買ったんだけど、複合汚染を見た老齢の店主さんが「うん……うん…‥いい本だよね、これ」って呟いてた。紀ノ川も良い本だったよ、店主さん❗️

    1
    投稿日: 2023.04.27
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    三代に渡る女性の人生を描いた作品。戦後を迎え、封建的な一族も衰退し没落していく様子は残念でならなかった。 そしてこの一族の女性たちは皆強く逞しいことにも胸を打たれた。男尊女卑が残る時代においても男を黙らせるほどの女性の行動力、発言力には読んでいて惹かれる部分もあった。

    2
    投稿日: 2023.04.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    花の一生、理想の女の生き様かと思えばもっと濃いもの。教養はあれどしとやかであれ、というだけに止まらず家に対する執念など。 花の死際、家の縛りから放たれ、抑圧していたものが全て解放している様は読んでいて辛い。呆けだけではなくヤケのような、 白蛇が出たのだからじきに花も死ぬのだろうが、その場面まで書かれてなくてよかった、きっと耐えられない 美っつい川。

    1
    投稿日: 2022.08.16
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    花(明治)・文緒(大正)・華子(昭和)の三代記と、少し前の朝ドラを彷彿とさせる構成。事前に著者の生い立ちを確認していると、自伝的小説だと言うことに途中気づく。 開始早々泣きそうになった。 嫁入り前の花が祖母の豊乃と寺の石段を上るシーンから入るのだが、孫へのはなむけの言葉がもう優しくて、優しくて…。 明治初期に身内が嫁入り前の女子に説くことなんざせいぜい嫁の心得だろうに、「身体を大切にしなさい」等今と変わりないしどれも愛情深い。早逝した実母に代わってどれだけ彼女が手塩にかけてきたのかがよく分かる。 作家の桂芳久氏は解説にて、著者は紀ノ川に「いのちの流れ」を象徴させたと書いている。出来た嫁の花は作中で紀ノ川に例えられているが、桂氏曰く「(自分より早逝した)夫や義弟のいのちを吸収して逞しい生命力に溢れている」という。正しい解釈かもしれないが、まるで花が悪霊のような書き様に思えて自分はこれに賛同しかねた。 和歌山市の有吉佐和子記念館を訪れた際紀ノ川も見えたが、水流は穏やかなれど水の色は凛々しい青だった。芯の強い花に屈強な文緒、これからの時代を逞しく生きていくであろう華子を想起させる、揺らぎのない青。性格や得手不得手は違っても、彼女らに共通する強さは脈々と受け継がれる。これが読後に見出した、自分なりの川の解釈。だいぶ単純なものになってしまったが~_~; 男性陣が儚い印象だが、花の小舅にあたる浩策だけは異色だった。小気味の良いツンデレっぷり(あの重度の皮肉屋を容易にツンデレと呼んで良いものか、書いてから悩んでいる…)で、基本的には長兄や花にジェラシーを燃やすひねくれ者。しかし彼もどこかで花たちと繋がっていたかったのか…?と思っちゃうほど、交流を続けていた。 子供たちとの交流や、年老いて一人になった花の元に書籍を届けたりして、何だかんだで花も彼への警戒を解くようになっている。 だが「家」には決して染まらず、登場人物の中で一番思い通りの人生を送れている。桂氏風に言えば、花にも吸収できない川があったってこと。 毎朝読んでいたから、こちらも自分にとっては「朝ドラ」にあたる笑 先のリアル朝ドラとはまた違った瑞々しさ。バトンをつないだ華子の未来が前途洋々であれと、紀ノ川を眺めた時のように流れを見守っていた。 『恍惚の人』に続き、こちらも知人から紹介して貰った一冊!有吉氏の代表作にようやく辿り着くことができて達成感でいっぱいです^ ^ この先(一生かけてでも⁉︎)︎他の作品も制覇していきたいです。

    55
    投稿日: 2022.08.03
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    女三代期。戦後財閥解体を経て没落した一家を描く。紀の川上流の紀本家から嫁いだ花。花を旧世代だと批判する娘文緒。幼少期を外国で過ごした病弱な孫華子。それぞれの女の力強さを感じる。

    1
    投稿日: 2022.05.10
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    女性3代にわたる物語、紀ノ川のゆったりとした流れのように時代と共に、変わっていく聡明な女の物語、和歌山に行ってみたいなー

    2
    投稿日: 2022.03.15
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    紀伊半島一周の旅、終着の和歌山市にて。 和歌山の言葉は初めて知ったなあ。 豊乃〜花〜(文緒)〜華子と、紀ノ川が流れるように移ろっていくお話で、すらすらと読みました。 それぞれに大変な苦労が起きてるにも関わらず、心を重くせずにいられたは、4者4様に持つ強い芯としなやかさの為かな? 次に訪れた時は、紀ノ川をじっくりと味わおう。 関係ないけど、 居酒屋のお兄さん(同い年!)と、スーツさんやら鉄道の旅やらの話で盛り上がったのは良き思い出。 旅先でその土地を舞台にしたお話や、その土地出身の作家作品に触れるという恒例行事は、続けていこう。

    0
    投稿日: 2021.12.20
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    三代に渡る女の人生。 描く人が違うとまた濃厚さが違う。 風景の描写も流れる時間もまた違って方言まで美しく感じる。 気丈な花が老いてワガママになるのも計算の内なのか、今まで抑えていた気持ちをボケたふりして孫に語っているような気がして、というよりそうあってほしいと思う。

    1
    投稿日: 2021.11.27
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    朗読の時間 人の一生は川のようなものなのだとつくづく思う。 悠然と流れる川もいろいろある。 登場人物、必ずしも同意できないが 大河のような物語だった。

    0
    投稿日: 2021.08.20
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    紀州の素封家を舞台に明治、大正、昭和の時代を紀ノ川のようにたくましく生きた女の物語。 九度山の名家・紀本家の娘・花は、早く亡くなった母親替わりである祖母・豊乃の愛情と教育を受けて、才色兼備の女性に成長する。 彼女は、紀ノ川の流れに沿って、六十谷の名家・真谷家に嫁ぐ。婿となる真谷敬策は新進気鋭の村長であり、その後、県議会議員、衆院議員と政治の道を順調に進んでいく。花は敬策を支えながら真谷家にとけ込み家霊的な存在となっていく。娘・文緒は男のような侠気があり、新しい女性の姿を求め独立自尊の気持ちが強く、花とよく対立する。また、大学を卒業して出版社に就職した戦後世代の孫娘・華子は感受性豊かで賢く花と情緒を通わせる。 それぞれの女性が世代の落差はありながらもエネルギーを内包した生き方を見せる。 敬策の弟で分家した浩策、花の長男で覇気に欠ける政一郎、文緒の夫であり、青白い秀才のイメージのある晴海英二など男性の登場人物はいずれも弱い川として強い女性の象徴である紀ノ川に吸収されていく。  破滅的な戦争末期に「家」こそが女の砦だったこと、長男が嫁をもらうことで次男が分家として格下げされる宿命、農地改革により息のねを止められた地主など時代背景を物語の中で実感として味わうこともできた。 

    1
    投稿日: 2021.07.18
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    読み応えのある作品。紀州弁が更にこの物語に彩りを与える。それぞれの世代における女性の価値観が見事に描写されている。今の時代に生きていてよかったと思うのと同時に、御っさんと呼ばれた花の生き方にも憧れを抱く。

    2
    投稿日: 2021.07.11
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    おそらく、本で読んだだけならここまで強烈に印象に残ることはなかったことだろう。 毎朝のNHKの朗読で一回、それを録音で収録したものでもう一回。初夏のウォーキングのなかで聴いた。  柔らかな紀州訛りと、もう失われた少し遠い時代の生活や言葉を背景に、“真谷のごっさん”花の見つめた世界に同化しながら浸った。  そして、もう一回この手にしている本で三度目の『紀の川』を渡った。  三度ともなれば、すべてがもう知り抜いた既知の世界。展開も、台詞も文字を目が追う前に既に知れている。 ただ味わった。もう一度この心地よさを。  何が心地よいかって? それは花の“美しさ”だ。小説のなかでも、その美貌を表現する箇所はあるが、それだけでは私の心は動く筈はない。  豊乃に英才教育されて身につけた教養と躾、身のこなし。それだけでもない。  それらと彼女の生きた運命が化学反応して発光する輝きが、孫娘華子(有吉佐和子)によって見事に描かれているのだ。  絵画に描かれた女性に恋する青年の気持ちと同じだ。 もう、現実には存在し得ない、失われた“美しさ”だ。

    3
    投稿日: 2021.07.04
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    ラジオで朗読されていたので購入。題名からちょっと最近の人にはとっつきにくいのではないかと思う。女性4代の血脈が、紀ノ川の水脈のようにしっかりと、静かにゆるやかに流れる。女性の強さを感じる。女性の生命力、ミトコンドリアの力を感じさせられる良書。

    2
    投稿日: 2021.06.06
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    有吉佐和子の代表作。読んだのではなく、NHKラジオ「朗読の時間」で聞いた。目からではなく耳から、という朗読の面白さを初めて実感。朗読50回シリーズ。 朗読は、俳優の藤田美保子さん。藤田さんの朗読の上手さも、この作品の魅力を一層引き出していた。

    2
    投稿日: 2021.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    古風で奥ゆかしく、強くて知的で、これぞまさに 昔ながらの理想的な日本人女性!な花が主役の話。 重要な人があっけなく亡くなるシーンが多くて えっ?この人も?と呆然とすることが多かった。 こんなこと続いたら心折れるわ、って中でも たくましく美しく生きていく登場人物が魅力的でした。 ただ、この時代を生きた女性の方々への尊敬の念はもちろんあるけど、自分がこの時代に産まれなくてよかった〜(女性に求められるものが多すぎるから)と正直思ってしまいました。

    2
    投稿日: 2021.05.29
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    静かな和歌山の雰囲気と大きく変化する時代のうねりを対照的に感じさせる作品であった。そのうねりを紀ノ川になぞらえ、女性のもつしなかやかな強さを想像させられた。時代の変化とともに、女性としての役割や価値観の変化を個々の人物によって表現している。今の時代をうつすとしたら、どのような人物として描かれるのかを見てみたいと思う。

    2
    投稿日: 2021.04.22
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    カテゴリ:図書館企画展示 2020年度第3回図書館企画展示 「大学生に読んでほしい本」 第2弾!  本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。  川津誠教授(日本語日本文学科)からのおすすめ図書を展示しています。  展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

    0
    投稿日: 2021.04.02
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    「存在そのものに説得力があり、場の空気を支配してしまう人種」というのがいる。主人公の花はそういう性質の人間だと思う。 美しく、教養があり、出しゃばらず、凛としている。周りの人間は知らず知らずの内に、花の思い通りに動いてしまう。花を、小さな川を飲み込んでおきながら表向きは優雅にたゆたう紀の川の様子に例えた部分が素晴らしかった。そんな花も、最後は大きな時代の流れに飲み込まれ、次第にうまく立ち行かなくなっていく。 読了後しばらく、とてつもなく大きなものに取り込まれてしまったような気分になり、茫然としてしまった。

    3
    投稿日: 2021.02.11
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    さまざまな「女」を知る作者の原点を見た気がした。 求められる女性らしさを演じきり、家庭を動かす女。求められる女性らしさに反発し、道を切り開こうとする女…。相反する女性を描いているのに、そのどちらの心理も描き出すところが、この作品の魅力だ。時代の移り変わり、世代による価値観の違いも、物語にうまく取り込んでいる。 幕の引き方も素晴らしく、ひとつの家が終わりゆく切なさを、見事に表現していた。

    0
    投稿日: 2020.08.16
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    有吉佐和子代表作らしく、年代記録的長編小説。女が、嫁ぐ先で自分を殺して家に入るかくこから、時代変化しながら女の意識も変わりつつある。

    0
    投稿日: 2019.11.23
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    自分のひいひいおばあちゃんくらいが花の世代かな?そう思うと、女性がとんでもなく「家」に縛られて生きていたのは割と最近なんだなと、驚く。プラスチックを始めて触るシーンとかも、世代を逆算して考えると面白い。 有吉佐和子の作品、もっと読んでみたい。たしかに努めて娯楽的にしている面も感じなくはないけど、女性の人権に対する意識とか今読んでも古びてないし、作家らしい作家だと思う。 そして女性を、三代を通して描くのはすごく有効な描き方だと改めて思う。キム・ジヨンもだったけど、個人的な母娘の確執に見えることでも三代になると社会のうねりの中で起こってるってことが可視化されていいよね。

    0
    投稿日: 2019.09.13
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    「悪女について」に圧倒され、他の作品も読んでみたいと選んだのがこちらだったが、個人的にはそれほどの感動はなかったかな。紀ノ川にゆかりがあるため、読んでいる間何度も川の流れや景色を思い出した。

    0
    投稿日: 2019.02.11
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    和歌山の素封家に生まれた花は、祖母の豊乃から女性としての生き方を教えられて、真谷敬策のもとに嫁ぎ、政治家となった彼をよく支えてその一生を過ごします。一方、娘の文緒は、大正時代の自由な空気のもとで育ち、みずからの「家」の重圧にことごとく反発しますが、そんな彼女の気質をよく知るひとたちの協力で、晴海英二という青年と結婚することになります。さらにその娘の華子は、戦争から戦後へと向かって「家」が解体されていく時代のなかで、祖母と母の生き方を目にしながら、みずからの立っている場所をあらためて見つめ、踏みしめようとします。 本書の最後のほうに華子から花へと宛てて書かれた手紙があり、そのなかに「我々は伝統という言葉を否定的な意味でしか使うことができない」というT・S・エリオットのことばが引かれています。本書の主役を務める3人の女性たちは、いずれも伝統に対して異なる態度を示しつつも、そのようなしかたで伝統にかかわっていたという意味では、むしろタイトルの「紀ノ川」がほんとうの主役だといえるかもしれません。

    0
    投稿日: 2018.09.21
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    和歌山紀州を舞台に明治・大正・昭和の時代を生きた三代の女性たちの物語。 流れゆく紀ノ川になにか象徴的なものを感じた。 時代は変わって行き、価値観も変わっていくこと。それにともない女性の立場、生き方、人生もまた変わっていく。非常に興味深かった。昔の女性ではあるけど、祖母の花に一番凛としたものを感じました。そして隔世遺伝のような華子とのやりとりもまた感慨深いものがあり。 これといった結末やストーリーはそれほどなく、本当に時代が流れていくのを追った一冊だったけど、読み応えありました。

    0
    投稿日: 2017.12.22
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    有吉佐和子を集中して読んでいるわけだが,いままで読んだ中では一番良かった.紀州の名家の没落とともにある,女三代の物語.一代目にあたる花の生き様が,死の床にあっても,すばらしい.骨太の人生.陳腐な言い方だが,戦後の日本が失ったものは大きいな.ほんとに. 1959年に出版され1964年に新潮文庫に入ったこの本は版を重ねいまだ現役.私のように,このよい小説を読む人がまだいると思うとうれしいね.

    0
    投稿日: 2017.08.07
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    読み応えのある内容だった。和歌山の素封家三代にわたるとは言っても実質の主役は「花」。 激動の時代を女がどう生きていったかわかりやすく書かれている。 いわゆる古風で奥ゆかしい花と、その娘でリベラルな意識を強く持った文緒の対照的なキャラクターが、固く暗くなりがちなこの時代の物語をコミカルに見せていると思う。 そんな二人を足して二で割ったような華子は青春を戦争で埋められ奨学金をもらいながら学業を納める。もし華子が花と同じ時代に生まれたら、あるいは文緒と同じ時代に生まれたら。花と同じように川を下って嫁入りしたであろうし、文緒と同じに人権活動もしたのではなかろうか。 華子からは花や文緒に感じなかった「時代に作られる人」という新しい人種を発見できたように思う。

    0
    投稿日: 2016.09.08
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    「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」(方丈記) これに集約されると思う。親子の間には、何かしら似てない親子にしても伝わるものがあり、また似ている親子に見えても伝わらないこともあり、ということをこの言葉で伝えているのではないかと思う。 それと、女性はよく海などに例えられることもあるが、それと同じで、戦争など有事の際には、女系を中心とした側に家族が集まることが描かれており、その女同士を中心とした関係に、周囲の男性が結局巻き込まれていくということも描きたかったのかもしれない。 紀ノ川沿いで生まれ、紀ノ川の流れに沿って、嫁に行った明治の花→我が儘勝手な大正の文緒→強く生きざるを得ない昭和の華子のある裕福な一家の話。 佐和子さん、がちがちの女史みたいな写真だけど、以外におっとりした雰囲気の漂う作品。他も読んでみたいと思った。 花の第一部は、昔ながらの従順な考えで育てられた花のよくある話。文緒の第二部は、我が儘いっぱいの文緒にてこずる花の話。第三部は、華子が文緒とは違い、どちらかというと従来の旧式のことも大事に思いながらも、たくましく戦後を生きていくだろう様子に、文緒とそっくりでないことに安心する花の話。 佐和子さんと私が生きた時代が違うためか、文緒に一番共感できない。親からの仕送りをもらっているにも関わらず、私の旦那は給料が上がり、家柄などなくても妻子を養ってるのでありますなどと厚顔無恥なことを言う。 それに、自由な独立な女史を目指していた割に、なぜか、ただの専業主婦になっている。そして、なぜかそれなのに独立しているように語る。。。なぜだろう。。。 第三部の華子が、一番時代が近いからか共感できる。 華子は日本式のことを大切に思う心もあり、それほどはねっ返りではないが、風潮もあり、20代後半でも未婚で、しっかりと仕事をもって働いている。名前も花→華子と受け継がれ、そして花自体も母親の存在感がなく、祖母への愛着が強い。 第一部では紀ノ川の紹介、第二部では紀ノ川の意味するところ、第三部では総括なような感じで、徐々に人の、世の流れを川に擬えた作者の意図を理解できるように上手い流れが作られている。

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    投稿日: 2016.01.11
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    明治半ば、和歌山の旧家へ嫁ぎ、家をもり立てることに心血を注ぐ花。 美しく万事そつのない彼女も、娘の文緒には手を焼いていた。 家やしきたりに反発し、男女平等を掲げて自由を謳歌する文緒もやがて結婚。 そして生まれた華子は、隔世遺伝のように情緒を大切にする花の美意識を受け継いでいた。 死の床の、もはや見栄や建前もない花の述懐が、なんとも人間臭く味わいがある。 家の没落に気を病んでいるいると思いきや、戦後の農地解放のおかげで 先祖に気兼ねがなくなり嬉しくてたまらないと笑い、 反抗され続けたが、文緒に傍に居て欲しかったと本音を漏らす。 衝突ばかりの母娘だったが、頼りない二人の息子より、 生意気だけど気概のある文緒に、一番深い親子の縁を感じたのだろう。 その母の死期を悟ったように突然現れた文緒。 彼女の体を流れる母の血が、それを教えたに違いない。 親から子、そして孫…と継承されていく命が、力強く滔々と流れる紀ノ川と重なった。

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    投稿日: 2015.01.10
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    娯楽作品として問題なく楽しめる、その意味で古さを感じさせない。 が粗い造りであるのも確か。まぁ思い切って骨太の骨格だけでコンパクトにまとめたのかもしれないし、これはこれで成功している。 当方にとっては女性の社会地位の変遷より、言葉の断絶が一番印象に残った。聞いたこともない言葉遣いです。

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    投稿日: 2015.01.10
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    没後30年を機に改めて見直されている作家とのことで読んでみたが、、。難解とまでは思わなかったが、なんとも自分には理解できず。ただ、不思議と、他の作品も読みたくなる作家。

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    投稿日: 2014.10.21
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    どう見ても新潮の自作自演ではあるのだが、今年は没後30周年ということで、世間は有吉佐和子ブームらしい。猫町でも「好きな作家は有吉佐和子」と言っている人がいるので、読んでみた。 有吉佐和子は、大昔に「恍惚の人」を読んだ記憶が微かにあるくらいで、ずっといわゆる社会派作家なのかと思い込んでいたが、この「紀ノ川」は明治、大正・昭和初期、戦後と日本の激変期を和歌山の片田舎から見つめた女性 花の生涯を描いた大河小説(いや、紀の川小説か)。明治大正期の女性開放運動、戦争直前の騒々しい雰囲気、農地解放の混乱などを背景に、女性と家の関係、母と娘の対立、世代間の相違などが生々しく描かれていて、なかなかに凄い。個人的には戦後の混乱期にもっと紙数を割いてくれると、より嬉しかった。 一般的には花、文緒、華子の三代記と言われることが多いようだが、一貫して描かれているのは時代に翻弄されつつも、揺らがない「強さ」を持った女性 花の物語であり、またそれが象徴するのは、女性の「強さ」は時代とともに変遷する社会の価値観に必ずしも依存しないという事実である。というわけで、桂芳久の解説はまったく酷い。

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    投稿日: 2014.10.11
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    明治、大正、昭和を生きた三世代の女性の話。最初の花は詳しくかかれていたけど、あとは雑な感じ。 でも、歴史的背景は少し、わかった。

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    投稿日: 2014.01.17
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    解説にある「女の命のたくましさは、流れいく水のように自然に逆らわないところにあるのだ。」とはよく言ったものだ。14.1.3

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    投稿日: 2014.01.03
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    やっぱり名作と言われるものは面白い。 明治・大正・昭和を生きる女性3世代のお話。 明治時代を生きる「花」が、一番好ましく思えるのは、やっぱり生まれる時代を間違えたかな?? 花のような優雅で品格のある女性に憧れる。

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    投稿日: 2013.12.13
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    女たちの三代記。 紀ノ川のように、女たちはたくましく激動の時代を生きていく。 男たちを後ろで支えているように見えて、逆に女たちは彼らを飲み込んで自らの流れに引き込んでいる。 祖母・花、母・文緒、娘・華子とその性格はみな違う。 誰が良いというわけではない。 数十年の間に時代は大きく変わってしまったし、もともとの性格だって違う。 ただ信じるままに、それぞれの人生を一生懸命生きるだけ。 振り返ったときに見えるものが伝統であり、歴史なんだと思った。 「家」というものが絶対と信じている、花についての部分が興味深かった。 私にはない考え方だったから。 真谷家の財力に頼りながら花に反抗する文緒の考え方も私から遠いけど、言ってる事は分からないでもない… やっぱり一番若い華子が現代に生きる私の考え方に近い。 花が見放した息子、政一郎の気持ちも分かる。 もともとの気質ってあるし、真面目にサラリーマンとして働いて妻を養っていたのだから決して恥ずかしい生き方ではないと思う。 それを母親に勝手に父親と比べられて、失望されるのはつらいだろうなと思う。 それでも流されるまま、それなりに幸せに生きるのもまた素敵な人生だろうと思った。

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    投稿日: 2013.11.23
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    明治から昭和にかけて三代の女性を描いた作品。 血の繋がりはあると言っても、やはり違う人間。 こうも違いが出てくるのですね。 女性は美しく強い。 有吉さんの作品は時代を感じさせず、すんなりと入り込む事が出来るので好きです。 今、私のお腹の中にいる子もどうやら女の子のよう。 どんな女性になるのかな。

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    投稿日: 2013.07.23
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    読み始めて、最初の印象は「あれ?難しそう・・・」だった。 しかし読み進めていくにつれ、グイグイ引き込まれていった。 有吉マジック?活字に飢えてただけ? 女を川に見立てたテーマの話。 祖母に寵愛され それをまっすぐ受け入れて育った美しい女性、花。 そんな母・花の生き方を否定し、「正しさ」「女性の自由」を豪語する娘、文緒。 文緒を母に持ち、花が尊しとする美しさにも気づける孫の華子。 (華子は作者がモデルらしい) 花に対して文緒が反発し、 花が文緒に対してめったに乱さないその心を乱す。 しかしながらその確執も徐々に薄れ・・・。 私は、文緒にものすごく、自分を重ねて読んだ。 華子になりたい、と思った。 最後は全てを注ぎ込まれる 海へ。 特に、女性に読んでもらいたい作品。

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    投稿日: 2013.07.11
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    和歌山県に流れる紀ノ川を舞台に、女三世代を主人公にした物語。それぞれの時代の女性像がよく描かれていて、何か大きな事件やドラマが起こるわけでもないのだけど、描写が豊かで飽きない。読みながら自分の母や祖母の人生について思いを馳せた。

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    投稿日: 2013.07.09
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    紀ノ川を舞台に、明治、大正、昭和、三世代の女性を描く。 川の雄大さとその景色、古い紀州弁が心地いい。 それぞれの時代の女性の生き方、強さが描かれているが、私があこがれる強さは明治の女性「花」にみることができる。 本来の女性が持つ「受動的な」「しなやかな」強さ。現代の女性が見失いつつあるものである。

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    投稿日: 2013.07.09
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    やっぱりこの人の本は読みやすくて、それでいて内容がしっかりしてるから好きですわ~。 和歌山の六十谷(むそた)に嫁いだ花、その娘の文緒、その孫の華子と、明治・大正・昭和を駆け抜けた親子3代の話です。 簡単に言っちゃえば、そんなこと。 まさにそれだけの話なんだけど、昔かたぎで正に日本の言う『良妻賢母』な花、そして時代を開拓したい男勝りな文緒、その中間を上手い具合に取ったしっかりものの華子の個性がしっかり出てて、とっても読ませてくれる内容になってます。 やっぱりね、「花」というとおばあちゃんや昔のママを思い出すね~。 私はどっちかと言うと文緒タイプなんじゃないかしら~? パパに「み~こが男だったらなぁ~」と言われてたらしいし。。。(笑) ま、文緒みたいに好き勝手、言いたい放題はしなかったけどね。 でもね、これ読んで、やっぱり昔のお母さん奥さんは大変だったんだな~。偉いなぁと思ってしまう。 今の世の中、ここまで出来る人はなかなかいないでしょ~。 そりゃあね、良いもの新しいものはすすんで取り入れたほうがいいよ~。それが合理的ならね。 でも、こういう昔の人のやってたことや話してたことっていうのは、やっぱり受け継がれないといけないと思うのよね。 とくにこんな社会になった今は、伝統を絶やさず、でも柔軟な姿勢も必要なわけで、華子みたいな聞き分けのいい女が必要よね~。 私もね、ほんと精進せなあかんな~と思ったわ。

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    投稿日: 2012.11.26
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    有吉が心の襞を描写するところが、何とも言えないぞくぞく感がある。 たんたんと話が進められていくことも魅力のひとつ。 一世代を書くだけでも相当な資料と労力を必要とされるだろうに、三世代、四世代に渡って時代拝啓、人生観、女性観、さらに家制度、地主制度・・・・、あらゆることを深く掘り下げている。 何にもまして、この薄い本を読んだ後に、壮大な歴史ドラマを見終わった充足感のようなものが沸き起こってくること自体、すごいことだと思った。

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    投稿日: 2012.10.18
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    紀ノ川の上流、九度山村で祖母に育てられた美しく聡明な花は、祖母の見込んだ真谷敬策の元へ嫁す。陰で家を守り夫を立てながらも強い妻となり母となった花。一方、敬策は和歌山県政界の第一人者になっていく。 明治当時の女性の鑑のような花だが、その長女の文緒はそれが許せずことごとく花に反発する。花の生い立ちから読んでくると花が気の毒なくらいだが、そんな文緒でもやはり根底では母の強さに敵わないと敬服しているのが分かりほっとする。 旧時代の地方の風土がよく分かる点でも面白かったが、文緒の娘である華子は作者がモデルとされており、そんなことも踏まえて読むとより一層興味深い。

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    投稿日: 2012.07.26
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    結婚するときは、川の上流から下流方面に移動するするのがよい、というくだりが印象的。女の内情の変化がよく書かれていて非常に面白かった。

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    投稿日: 2012.02.21
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    花、文雄、華子の女三代にわたる大河小説。 「家」とはなにか、そして「女」とはなにか。 そういういものを描いていた小説のようにおもいます。 1960年代の作品なので少し古い小説ですが楽しむことはできたようにおもいます。

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    投稿日: 2011.10.25
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    有吉玉青の「身がわり」を再読し、御母堂の佐和子さんの作品も思い出して再読。 やはり文章が美っつい。 再読でも発見がある。 これを書きながら玉青さんを育てていたんだなぁと思うと不思議な感じ。(実際には佐和子さんのお母さんが玉青さんの面倒をよく見てくれたから成立していたようだけれども…それはおいといて。) 「身がわり」は処女作にも関わらず、大変よくまとまった文章。 子供時代の思い出から、反抗期、自立を目指し始めた矢先の母佐和子の急死。それらを客観的に見て書き残すことのできる素晴らしさ。 玉青さんの他作品も読みましたが、「身がわり」にかなうものは今のことろ発見できていません。 欠番品なのか、中古でなんとか手に入れました。

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    投稿日: 2011.10.19
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    花さんの姿を見て、これが日本の「妻」だと思いました。夫に尽くし家に尽くし、主導権を握っているように思わせてその実したたかに実権を握る。それが嫌味なく行われている。娘の文緒、孫の華子に至るまで悩み苦しみながら女性たちは強くしなやかです。3代の物語と言いつつ、主人公は花さんです。華子が紀ノ川が海へと流れていく姿を見るラストは感動的で、でもどこか寂寥。

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    投稿日: 2011.05.20
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    花、文緒、華子の三代を描いた、3部構成からなる作品。 といっても、花が作品を貫く主人公であると感じた。 そして、その花が信じぬいた日本の「家」。 和歌山の言葉がなんともたおやかで、花の台詞を追うのが楽しかった。 星4つと思っていたけれど、終盤でなんとも心が痛み、3つ。

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    投稿日: 2011.04.14
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    明治・大正・昭和と流れゆく時代を生きる母子三代のものがたり 時代のなかで、生きてきた環境のなかで 価値観を育て 自分の生き方をまっすぐに信じる女性の姿が描かれてる 伝統は、反抗することでしか受け継がれない ってくだりがとても印象的で 古いものが少しずつ形をかえてゆくさまを目撃したみたいだった 花が持つ美意識、"家"という概念、妻という生き方 いまはもう失われつつあるものたちのなかに こんなにも美しさを見出せるあたしは やはり根っから日本人なのだとおもう 真似はしないし、できないけれど こういう美しいものたちが失われてしまうことは、とてもかなしい だけど、模索することはできる いくつもの矛盾を内包して、それでも受け継ぐべき伝統を 知ること、愛することはできる 美しい紀州のことばにのせて語られる美しいものがたりは なんだかとっても豊かな時間をわたしにくれました。 名作、のふたもじがとっても似合う たくさんのひと、とくに女性に 読んでほしい、知ってほしい小説 。

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    投稿日: 2010.03.15
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    女三代記です。読み応えがありました。 「家」や「伝統」を考えさせられる話でしたね。 軸となる女性は花、文緒(花の長女)、華子(文緒の長女)の三人。 花の人望のおかげ(いわゆる内助の功)で栄えた花の嫁ぎ先真谷家。 母親の花を「旧時代の女」として反抗している典型的な大正モガの文緒。 戦後没落しつつある真谷家をなんとかしようとして、叔父の政一郎に迫る華子。(まあ、政一郎はいわゆるEDなために何も感じなかったのですが) 登場するどの男性よりも生命力・躍動感に満ち溢れているのではないでしょうか。 祖母の豊乃に、大黒柱の夫を強く支える女性であれ、と育てられたように、文緒にも琴を習わせたり、しとやかにでも強い女として育てようとしたりと奮闘する花ですが、文緒は生来の負けん気かはたまた時代の風か、花が望むような女性には育ちません。 伝統を重んじる花と、それを否定して新しいものに惹かれる文緒。 お互いに反発しあう二人ですが、第三部の華子編で、文緒は、「豊乃」から「花」に受け継がれた、柔らかですべてを飲み込んでしまうような生命力・躍動感を一番濃く受け継いでいる女性だと描写されています。 文緒の叔父である浩作が花の生命力を「紀ノ川」に例えています。 ほかの小さな川をその身に取り込んでしまうが、見込みのある川には一気に流れ込む。 そんな「紀ノ川」のような流れが豊乃、花、文緒、華子にも流れていると思うのですよ。

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    投稿日: 2010.01.14
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    非常に好きな作品。 和歌山の旧家に生きる女三代のお話。 著者の代表作であり、この小説でやっとお母様に認められたそう。 上品な情景描写が心躍らせる。

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    投稿日: 2009.10.13
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    日本語はとっても美しいなと思いました。 紀ノ川の美しさも目に浮かぶようでした。 後半にかけては、感動でドキドキして胸が熱くなる場面が何度も。 読めてよかったです。

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    投稿日: 2009.09.13
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    花が二十歳の明治の時代から終戦後の十余年、病に伏す昭和の時代まで、紀州の名家出身で、その時々を妻として、母として立派に勤め上げる中で、戦争という時代に次第に家が崩壊し、人が死に、経済的貧困もあり、娘の文緒の変わりよう、逆に文緒を鏡としてか、孫の華子が自分と同じような考え方を理解してくれてることに、堪らなく嬉しくなる。 丁度祖母の豊乃がいだいたであろう感慨を味わっているような。そして、文緒も次第に昔の反抗的なところが変化してくる。 脳溢血で倒れ、華子と文緒の区別も判らなくなり、当時の思いを告げている花の姿は、年のせいか何とも偲びがたく、人生を感じさせる。

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    投稿日: 2009.07.14
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    三代にわたる女の一生の物語。花柳界モノは読んだことがあったけれど、やはり読ませるし博識(と書くのもコチラが無知すぎるだけなので畏れ多い)に読んでいて知識が増える感じがして楽しい。欲をいえば、もっと長くして、流さないでエピソードを増やしたり、書き込んだりしても良かったのではと思う。あと、時間とともに人の考え方は変わるのかも知れないが、それにしても登場人物のキャラにブレがあるのが気になった。戦前から戦後まで、時代の移り変わりや文化・風俗を知ることができる。家紋や着物の染め、出産時の風習など知らないことだらけで、これからも詳しくなることもなさそうで、そういった呪術的ですらある文化を捨てて今があるのだなあと。「〜のし」という方言が多用されてステキなのだけれど、どんな発音か聞いてみたい。

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    投稿日: 2008.02.15
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    前からずっと読んでみたいと思ってた有吉佐和子。 「お母さんは古うて古うて、どないにもなりません。 私(うち)の行動を制限するんやったら、日本女性の敵ですえ。 同姓だけに許せんわ。親やなかったら・・・」 文緒のこんな台詞を読んで、花の視点から見れば生意気 でまだまだわかっとらんと感じ、 文緒の立場から見ると花みたいな女性観に嫌悪感を示したくなる。 自分に流れてきている時代の名残みたいなものが一切ないことに 気づき、びっくりした。 これでいいのかとも思う。 これは三部作となっているらしく次の「有田川」「日高川」も読んでみよう。

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    投稿日: 2007.11.07
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    美しい文章を書く人だなあと思いました。 情景描写も,心理描写も,言葉ひとつひとつは煌びやかな表現じゃないのに,連なって文章となると,うっとりするような日本美が出来上がる。まるでたおやかな匂いが文章からたちこめるようでした。 「紀ノ川」は,舞台が夏でも,川辺から東京に移っても,話全体的に湿気を感じられて…まさに”女”の話だなあと感じました。 花の義弟である浩策が文緒に花のことを評して言う台詞, 「お前はんのお母さんは、それやな。云うてみれば紀ノ川や。悠々と流れよって、見かけは静かで優しゅうて、色も青うて美しい。やけど、水流に添う弱い川は全部自分に包含する気や。そのかわり見込みにある強い川には、全体で流れ込む気魄がある。・・・」 物語の感触も,こんな感じのお話です。看板に偽りなし。(笑) 技法としては、旧いものと新しいもの,野卑なものと典雅なもの,といったように対照的な描写をすることで,それぞれの性質を際だたせるような表現方法が目に付きました。 私が借りた本は全集の内の1巻だったんだけど,「紀ノ川」と共に収録されていた「地唄」「江口の里」「墨」にも同じ方法が見受けられました,作者の特徴なのかしら? どうにも好みな文章を書く方なので,他の作品も読んでみたいな。

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    投稿日: 2007.07.03
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    母子三代のお話。明治〜昭和にかけての時代の流れの中で鮮明にそれぞれ生き方が違う というのがわかります。なぜだか戦時中に孫の為に買ってあげた反物が仕立てられずに芋などに変わっていくところが非常に悲しくなってしまいました。なぜだろう。

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    投稿日: 2007.05.20
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    紀ノ川のたおやかな流れと共に、時代を感じさせる小説。物語の端々に筆者の問題提起を感じました。それぞれの時代に生きた女性を主体的に感じ考えさせる作品☆

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    投稿日: 2006.10.03
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    女三代の、土地を背景にした物語。地理オンチで無関心の私がめずらしく「紀ノ川ってどんなところなんだろう」と興味をもつほど、物語と絡み合って描かれています。

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    投稿日: 2006.03.16
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    大正・明治・昭和と時代は移り変わる中で、3世代の女性の人生を描く。場面は淡々と移り変わるのに重厚で圧倒させられます。

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    投稿日: 2004.10.23