
総合評価
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powered by ブクログ著者の作品を徐々に読み進めているところで 「山の音」「古都」「雪国」「舞姫」「伊豆の踊子」に続いて六冊目です。 戦後間もない昭和の時代の東京を舞台として、 子供のいない弁護士夫婦のもとに、被告人の娘を引き取り、 そこへ夫人の市子に慕うさかえが大阪から上京し、 一緒に暮らしていく日々が綴られた物語。 女性を描いた「雪国」「古都」「舞姫」などの主人公の女性とは 少し違った印象の女性が登場しますが、主軸となっている女性の市子は 着物をきちんと着こなし、品がある淑女であるという女性というのは 今までの作品の中でも共通していたような気がします。 例え夫以外からの誘惑があっても心の迷いがあったとしても、 一定の距離を持ちながら好意を持っていくというスタイルが何とももどかしく何かあるたびに揺れ動く心模様が絶妙に描かれていました。 市子だけでなく、夫の佐山を違った意味での好意を持つ さかえと妙子の三角関係の他にこの三人の女性を好んでいる 男性も登場して、まるで昼メロのような展開になっていくのには驚きでした。 三人の女性の心の動きが様々に変化していくので それを読んでいるのは面白かったですが、少しその期間が長いようにも感じてしまった所があったので中だるみになってしまいました。 けれど、後半に向けては意外な展開となって夫に嫉妬したことが きっかけなのか子宝に恵まれたというのは思いもしませんでした。 女性の恋心や嫉妬心の繊細な描写が 女性ではない川端康成がどうしてこんなに 繊細に分かってしまうのだろうとこの作品でもまた思うばかりでした。 自分は女性として生まれてきたけれど、 生まれた時から女性として意識して生きてきた訳ではないですが、 この作品を読むことで女性は男性とは違って、 客観的に女性を演じている部分もあるのだなとも思いました。 だから男性よりも同性の女性に目を向けて様々な場面で自分と対比してしまう傾向があるのかとも思えました。 この作品もレビューをするのは難しいですが、 なんといっても日本語の美しさと品格そして繊細な描写力は 素晴らしく、だからこそいびつな三角関係を描いていても 嫌な印象で描くことなく印象付けることができるのだと思いました。 これからも更に川端康成の言葉の魅力や日本語の美しさを知りたいと思うので、まだ読んでいない作品を読み進めたいです。
0投稿日: 2025.07.10
powered by ブクログ日本語ってこんなにも美しいんだと感動した作品。 恋心、嫉妬、貞淑、妖艶。 儚い中にも強かさが見え隠れ。 まさに女性そのものの感情、言葉、行動。 男性には理解できないと思ってた、、、のに。 なぜ川端康成は書けてしまうんだろう? 怖い、、、笑
0投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「朝日新聞」への連載開始は1956年で、1巻をその年に、2巻を翌年に刊行。 とはいえ佐藤碧子による代作の疑いあり。 どおりで川端にしては長い。 ただしきちっとした構成がなくダラダラと続いていくのは川端っぽいといえばいえる。 また、美しい令夫人の市子、気の強い割には気弱なところもあるエキセントリックなさかえ、暗い影を背負った妙子、という女性の三角形と、 彼女達に振り回される佐山、光一、有田という男性の三角形が組み合わさる関係性で話が持続していく作りは、結構川端っぽい。 マンネリの極致なのだ。 で、小母様が好きだとか小父様が好きだとか中年男性の夢のような展開をさせておいて、結局はさかえの奔放が結果的に夫婦を(性的に)盛り上がらせたという、夢の夢みたいな展開にしていくという、悪しき中年男性作家のドリームばかり。 正直結構辛かった……。 ネットで感想を漁ると、結構真正面から感動したという人がいてびっくり。 まあ1956年という「第二の十年」の初期にあたるピースを把握しておくためには、読んでよかったが。 代作問題については、「真似しやすい文体」であったこともまた要因のひとつなのかなと、思ったりした。
6投稿日: 2023.03.22
powered by ブクログ分厚くてとても読む気にならなかったけれど、落ち着いてやっと読めました。 妙子と有田の、愛を考えるシーンがとても印象的で、家族愛や夫婦愛を自身の体験に重ねて読むことができてとても感銘を受けました。愛は誰しもが与えられて育っているのにそれに気づかなく、生きてしまうもの、愛は無償に誰しもが与える事が出来るんだと気づくことが出来て、とても満たされました。
0投稿日: 2023.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こんなに面白い小説があったのか!というくらい久々に一気に読んだ。 文体は易しく、会話文が多くてテンポがいい。会話文では言い争ったりする中で少しの流れの変化で気持ちが揺れるのがよく伝わった。 三人の女性が対照的に描かれているようで三人ともが似ているように思えてくる部分がある。 特に市子とさかえは一部重なるように描かれていて、そういう部分が見える度にさかえは市子を理想化したり見損なったりを繰り返しているようだった。
0投稿日: 2021.10.11
powered by ブクログ川端康成の現代物。 昭和30年代の東京を舞台に、子供のいない弁護士夫妻、身を寄せる被告人の娘、大阪から出奔してきた友人の娘が織りなす出来事。 小説として深いものはないが、戦後間もない、豊かになりゆく昭和の世相が面白い。有楽町のキネラマ、キャバレー、デパートなど。映画化されてたら観たい。 また、女性の描き方もど昭和で、男女交際の進み方とか「純潔を奪われる」みたいな表現、21歳くらいなのにすぐ結婚相手にどうかとか周りがソワソワしたりとかが面白い。女性の生き方は本当に限られていて、成人して結婚するまでの数年しか自由はなかったんだなと感じる。
3投稿日: 2021.01.15
powered by ブクログ何度も読んでいます。 男性である著者がなぜこんなにも女性を深く掘り下げられるのか。 妙子の飲んだ薬がなんなのか気になります。
0投稿日: 2016.11.09
powered by ブクログ若い女性が二人、かたや水底に澱んだような不穏と悲しみ、かたや火花のような混乱と衝動が印象的。若い感性ゆえの危うさとイタさなんだろうけど、それを美の極地に昇華させているのが川端一流の筆力。彼の日本語がそうさせている。 そもそも川端にかかれば初夏で風が蒸し暑くなってきたってだけのことが、あるいは戸口に郵便屋さんが来たってだけのことが、こんなにも美しくなるのだから恐ろしい。
0投稿日: 2015.11.22
powered by ブクログさかえちゃんも、妙子ちゃんも、市子さんも、みんなある程度、全ての女性の心の中に潜んでいると思う。 無垢なエロティシズム、年長者の分別と憂鬱と苦悩。 そして、さかえちゃんのように、女は本当によく人を真似るんです。 気味が悪いくらいに足跡を辿ろうとする。相手が気付いてるのにも気付かず、純粋に。 まっすぐなのか、ひねくれてるのか分からない。 そんな生き物なのです。
0投稿日: 2014.10.01
powered by ブクログ文章がきれいだからすらすら読める。 男性が書いているとは思えないくらい、女性の内にある嫉妬や愛憎、気持ちの高まりがよく書かれている。 怖いくらい。 市子みたいな女性になりたいですね
0投稿日: 2014.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この小説は、東京に住んでいる主人公の弁護士夫婦の家庭に「さかえ」という女性が来て、夫婦と養女の中にいろんなドラマを生む。
0投稿日: 2014.06.17
powered by ブクログ弁護士の佐山と妻の市子のもとにさかえがやって来る。夫婦は、妙子という死刑囚の娘をひきとって暮らしていた。市子は流産をしていたらしい。子供がなかった。さかえと妙子と市子という三人の女性。市子には清野という戦前に?恋仲だった浮気相手がいて、シネラマ(映画)に行った時に偶然再会する。さかえには光一、妙子は有田と同棲、そして結構までいくのだが、どうもしっくりしない。さかえは実は、佐山(夫)にほんとうは惹かれているのだということがわかるし、妙子は死刑囚の娘であるというところが決定的にネックになっている。それに、やはりさかえと妙子はうまがあわない。最後には、なんと市子が子供を産むことになるのだが、お腹が大きくなったりしていた気配がなかった気がするのは読み落としであろうか。 連載小説のかたちだからか、どこまでも続けられそう。小さな絵が積み重なっている、並列に展示されているのを順番にみていくという感じの長編。退屈でもある。女性が読んだらどの程度、川端康成の描く女性に共感するのだろうか?
1投稿日: 2013.10.02
powered by ブクログ主人公の市子と同じ家に暮らす二人の若い女性の(男性をめぐる)行動と心理描写に重点が置かれた小説. ここに書かれた女性の心の動きが,女性にとって,どれだけリアルなものなのか,あるいは男性の視線からみたものに過ぎないのか,実際のところはわからないけれど,私には少々表面的・類型的に思われてしまった.そのことで通俗小説にかなり傾いている感じがする.また物語の終わり方も含めて古くささも感じてしまう小説だった.そしてちょっと長い.
0投稿日: 2013.03.15
powered by ブクログさすが文章は、端麗。ただ、鋭く女性の本質をつきすぎて、夢見がちな私にはちょっと気持ち悪かった。そうなんだけど、もう少し夢をみせて欲しい。。私は、谷崎派。どうせ語るならマドンナ論歓迎。
0投稿日: 2013.03.08
powered by ブクログ川端康成は女性の性質をあぶりだす天才なのか、女性が思うより男性には「女」が溢れ出でて見えるのか… いろんなタイプの女性が出てくるけれど、どの女性の心の機微も的確に美しく描いてあって、読んでいて頷ける描写が散りばめられていた。
0投稿日: 2012.07.17
powered by ブクログ美を探して…(日本の古典編):1 「そんなの、ハイ・ヒイルをはいたら、直ることですわ。」 女性の矛盾性を鋭く描いた一冊。
0投稿日: 2011.11.10
powered by ブクログ主人公を女におき、その視点で女の心理を穿った作品です。 女性像が川端作品らしく、様々に個性がある女性達を描いている作品です。 昼ドラのような展開ですので、著書の作品の綺麗さよりも、心理的葛藤にテーマをおいているのではないでしょうか。
0投稿日: 2011.06.25
powered by ブクログ大阪の家出娘・さかえと、罪人の娘である妙子と、彼女らのあこがれや羨望の対象であ佐山夫妻と、彼らにまつわる話。 さかえがいかにもその年頃の娘という感じ。 川端康成のいわゆる代表作というものを読んでいない(読もうとしたけれどなんとなくアレルギー)のでなんとも言えないが、女目線の女に対する理想みたいなものが書かれていると感じた。谷崎とか三島とかに比べてという根拠だが。 けっこう長い。
0投稿日: 2011.03.14
powered by ブクログ著者らしい、綺麗な描写、文章。 男性が書いたとは思えないくらい、非常によく女性の内面が描かれている。 市子、さかえ、妙子、音子、山井、千代子、有田の下宿先の女主人… くるくる変わる女性の心の内、空気、見た目も。 時にふと沸きおこる、「清純」「完璧」らしいものへの嫌悪感、嫉妬、不信感。 どうしようもないくらい相手を傷つけたい衝動にかられたり、かと思えば突如襲ってくる空虚感、この上なく優しい気持ち。 そんな、自分でも説明をつけ難い、なんだかわからない女というものを、 描写している。 綺麗だったり、可愛かったり、子供だったり、強かったり、頑固だったり、弱かったり。 女性って、色んな顔がある。飽きない。 決して軽くはないけど、読み終わってくらい気持ちになることもない。
0投稿日: 2011.03.14
powered by ブクログ女、というものに冷静に向かいあって書いた小説。女というと谷崎などもよくテーマにするし、またさかえなどは氏の小説に出てきそうなキャラクターだが、読後受ける印象は反対と言っていいに等しい。ただなまなましさや哀しさが残った。文章はとても美しく、難なく読めるが、読み終わると読んでいる最中とは打って変わって暗い気持ちに襲われる不思議な小説である。
0投稿日: 2011.01.14
powered by ブクログだいぶ前に宇多田ヒカルのブログで紹介されていて読んだ本。 女性の心の動きをよく書いていると思うけど、男性にはこうした思考回路、理解できないだろうな
0投稿日: 2010.09.29
powered by ブクログ吐き気がするくらい、女という性について生々しく描いた小説。 自分が嫌ってる女性像の裏に自分にもある汚い女性が垣間見えて、とっても気分が悪くなる話。うーわー。 いや、悪いエンディングではないんだけどね。 川端さんはすごいなー。 なんでこんなにわかるんだろう。
0投稿日: 2009.09.22
powered by ブクログ文豪の作品を!とふいに思ったので。 さかえちゃん 妙子さん 市子さん 町子ちゃん 裏表紙のあらすじには「同性愛のような」って書いてあったので、すごく耽美な描写を期待していたのですが、そういうことはありませんでした。 もっと百合っぽいのかと思った。 さかえちゃんの美しさに嫉妬。 市子さんが、最初は理想の女性のように思えたけども、少しのことで嫉妬したり、やっぱり女は女っすね。
0投稿日: 2009.02.16
powered by ブクログ淡々としているのに、不意にハッとさせられるような表現があったり、吐く息の白さや女たちの肌の白さが垣間見えるように感じたり、とにかくやっぱり川端康成は人というものをよく見ていた人なのだな、と思った。
0投稿日: 2008.09.12
powered by ブクログ書いてる人は男なのに、なぜにここまで書けるのかと思うくらいスゴイ本。何人か女の人が出てきますが、心の変化が繊細すぎるぐらいにきれいに描かれていて素晴らしい。そして切ない。
0投稿日: 2006.05.25
