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総合評価

202件)
4.4
92
65
18
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    リアルにあったことだからこそ戦慄。 現場作業員と監督者の間にある口には出せない水面下の思いや立場、考え方が生々しくも現実感をより引き立てる非情に溢れている。 知った上で富山に改めて行きたい

    0
    投稿日: 2026.02.08
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    圧倒的な読みごたえと面白さ、学びにあふれていた。 どこまでが真実なのかはわからない。緻密な取材による確かな骨組みと、その上に乗る人間ドラマ。 あとがきで登場人物は架空だと語られていた。恐らくそう大差ないやり取りは実際あっただろうし、真面目で極めつくす性分や帰属意識など日本人として共感できる部分も多い。 厳しく圧倒的な自然への挑戦。泡雪崩ホウナダレという言葉を初めて知った。人間がどうにかできるレベルではない。それでも立ち向かう人々の描写に心を打たれる。 日々上昇を続ける温度の不気味さの表現も素晴らしい。絶望感が重くのしかかってくる。 それでも諦めることなく試行錯誤を繰り返す姿勢に感銘を受けた。 多数の犠牲者が出てしまった。戦争もそうだけどご先祖さまが礎となり守ってくれた日本を、我々もつないでいく責任がある。日々の暮らしで意識することはあまりないけど、ふとした時に思い出すきっかけになればいい。 ところで、文庫本の巻頭に地図が折りたたまれていて参考にしながら読むのに役立ちありがたかった。 が、一番重要なエリアが折り返し部分に当たっていて見づらく残念すぎる。

    0
    投稿日: 2025.11.23
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    ★★★☆☆昔ながらにトンネル工事では人が死ぬことがあると聞いたことがあった。言い伝えのようなものだと思ってきたが、このことだったのか。戦争という異常な状況がからんでくるが、中止されなかったことが不思議。死ぬまでに1度は訪れてみたいなぁ。

    0
    投稿日: 2025.08.30
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    黒部第三発電所の建設に伴う隧道(トンネル)工事の記録文学。建設当時は日中戦争から第二次世界大戦へと突き進んでおり、阪神地区の軍需利用のためにもトンネル貫通は国策であったと思う。 人を寄せ付けない黒部峡谷の厳しい自然との戦い、最高温度166度の高熱岩盤との戦い、工事監督者と労働者との戦いなど読者のすぐそばで人夫の息遣いや発破の爆発音などが聞こえてくるような臨場感がある。余談だが、先日入ったサウナは85度。ただ座っているだけで5分と持たなかった。この倍の温度で隧道工事に当たった人夫たちは筆舌に尽くし難い環境下だっただろう。私たちは多くの犠牲者、人夫たちの尽力の元、今の豊かな暮らしがあることを忘れてはならない。

    0
    投稿日: 2025.08.17
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    今では空気のように当たり前の存在となっている電力が、自然との格闘の末、築き上げられたものであることを記した記録文学。 170℃近い岩盤温度により自然発火するダイナマイトや泡雪崩など、想像をはるかに超える自然現象との死闘と、そこに当たり前のように払われる人命の犠牲によって、管理者側と労働者側の間に生み出される不協和の描写にリアリティがあり印象的だった。 黒部の太陽の映画も見てみたが、上のような感情の機微が描かれている本作に対して、大味で淡々とストーリーが進むだけであり、長い割にはあまり楽しめなかった。 黒部の太陽の原作小説や、吉村昭の他の作品も読んでみたい。 また、黒部ダムは、立山に登山に行った時に、大汝山の山頂から覗いたことがあるだけなので、2026年にキャニオンルートが開通したら行ってみたい。今のところ、下ノ廊下を踏破する勇気はまだない。

    0
    投稿日: 2025.07.23
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    2025年7月21日、マツコの知らない世界の「ひんやり楽しい!観光トンネルの世界」にて。「富山県/黒部宇奈月キャニオンルート」が開通したばかりとのことで番組内で紹介されて。ゲスト?のおじさんが「吉村昭さんの小説にも書かれてましたけど、岩盤温度が160度ということで〜」と言ってた。 ゲスト?おじさん「実際、窓を開けてみると、かるく40度くらいあるんですよ。2つの火山の下にあるので、いまも非常にたいへんなところですし、もちろん工事はたぶん日本の土木史上、最大の難工事だったと思います」 テロップ《日本の土木工事史に残る難工事といわれる》 こんなにレビュー多くて高評価とは。

    0
    投稿日: 2025.07.21
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    人間の侵入を拒んできた黒部峡谷に、ダムを建設するために、人間が自然に立ち向かう話である。また同時に、隧道を作るという強い意志を持った技術者と、高い賃金のために命の危険を省みず働く人夫の話でもある。黒部宇奈月キャニオンルートのツアーに参加して、その歴史を肌で実感したい。

    5
    投稿日: 2025.06.27
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    協業していても労働者と技術者の間には深い溝がある。労働者側からの角度で見た本も読みたい。より苦しくなると思うが。 大きなことを為すには犠牲は止むなし、そんな価値観は時代錯誤ではあると思いつつ、先人たちの狂気に溢れた成果をまずはただただありがたく思いたい。

    0
    投稿日: 2025.06.19
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    昭和11年に始まった黒部第3発電所建設のための黒部峡谷軌道トンネル掘削工事のノンフィクション。有数の温泉地帯であるため掘り進むうちに岩盤温度が166度にも達する。更にはダイナマイト事故や泡雪崩に見舞われ300名以上の死者を出す難工事となる。技師や人夫たちの執念と情熱により貫通するが、人間の力では及ばない自然の均衡に立ち向かったものだった。軍需目的の電力供給を人の命より重きを置かれている時代背景を感じた。極限状態の男たちの姿がひしひしと伝わるが、人間の偉大さと愚かさも考えてしまう。

    0
    投稿日: 2025.04.13
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    黒部第三発電所につながるトンネル(隧道)は岩盤温度165度! 当時のダイナマイト自然発火温度を50度以上超でもお咎めなし(戦時体制下にあり電力確保は国家命題)の異常な大土木工事を描く。着工から完工までたったの4年間!そりゃ犠牲者は300名以上でますわな。。 ドキュメンタリーの体裁をとっているが、筆者の卓越した筆力により一気に読ませる。前半と後半で技術者たちを悩ませる内容に大きな変化があるのも魅力のひとつ。

    13
    投稿日: 2025.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    圧倒する自然と人間との戦いの記録。 ダイナマイトすら自然発火で爆発してしまう高熱な環境と、最後の人間の持つ冷たいまでの感情の余韻がすごかった。

    2
    投稿日: 2024.12.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    死体の描写が生々しいですが、過酷な工事を語るには、必要な描写なのだと思いました。 人夫たちがどんなに頑張っても1日1mしか進めないということがお話の途中でわかり、気が遠くなる思いでした。 実際に起こったことに基づいて書かれたお話だということで、真剣に受け止めて読み進めなければならないと思いながら読みました。

    3
    投稿日: 2024.12.05
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    トンネル工事の過酷さを知るだけでなく、自然を相手にするインフラ工事の難しさに想像を膨らませることができた。「死ぬ気で働く」とは言葉で言うのは簡単だが、本当の生死のはざまで働く現場監督や技師たちの想いや生き様に感銘を受けた。 私事だか、父がゼネコンで働き、これまで国内外のトンネル工事やダム建設、道路工事などのプロジェクトに関わっている背中を見てきたが、改めて貴いことだと感じた。

    1
    投稿日: 2024.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・あらすじ 昭和11年8月中旬、日本電力株式会社は黒部第三発電所の建設を開始した。 豪雨、豪雪、急峻な崖。 人を寄せ付けない大自然を相手に、欅平から仙人ダムまでの約6キロの隧道工事に命をかけた男達の話。 ・感想 超絶面白かった…!! 立山黒部アルペンルートに旅行へ行く前に工事が過酷を極めたという黒部ダムとかその辺りにある発電所の背景でも知っとくか〜くらいのテンションで読み始めたんだけど、面白すぎて(内容的に面白いと言ってしまって良いのか分からないけど)あっという間に読み終わった。 (作品はクロヨンでも黒部ダムでもなくそれより前の黒部第三発電所建設時の話) ずっーーーと「昭和11年っていつよ…ほぼ90年前じゃん…90年前にこんな人を寄せ付けない大自然相手に大規模工事を行った当時の人々すごすぎ。まじ感謝…ていうか自然恐ろしすぎ…。90年前って思ったより規則とかきちんとしてるんだなぁ」って思いながら読んでた。 高熱断層により166度の岩盤から熱湯が噴き出す隧道工事、危険なダイナマイト作業、襲いかかる大自然。 手に汗握る展開と人間描写が素晴らしい。 そしてあのラストに唸ったわぁ…人夫達の目覚め。 センチメンタルな人間ドラマな描写はなくて、対自然に挑む男達の戦い?(なぜここまでの犠牲を払いながらも工事を進めたのか。)がメインなので変なストレスがなくてそこも読みやすかった理由かも。 わかりやすい悪役がいたりとか、主人公が咄嗟の機転で窮地を脱して万々歳!みたいな作品ではない。 根津とか結構理想的な上司、責任者だった。 「ここで起こったことは俺が許可した、俺に全ての責任がある」的なセリフがあって、職場の責任者のくせに責任とらない無責任役職者とは使命感とか責任感が雲泥の差だなぁ爪の垢でも煎じて飲ませたいと思ってしまったw 好きな登山YouTuberが下の廊下(まさにこの作品の舞台になったルート)を歩く動画を以前みてたんだけど、今回この作品を読みながらその動画を改めて視聴しつつ、地形や位置関係を把握しながら読んでた。 文中に描写されている険しすぎる環境や断崖絶壁のあの場所はこんな感じなのかな?昔は絶対もっともっと危険な道だったはずと想像をめぐらせたり。 そんな場所を開拓し命をかけて工事してた人たちの凄さたるや尊敬しかないよーーー心の底から感謝の念を伝えたい。 まさにこの作品の舞台となったキャニオンルートは本来なら今年開通する予定だったんだけど地震の影響で延期になったので開通したら絶対にこの本を携えていくわっっ。 現代の人間の便利な生活は90〜100年前に現役だった先人達の血と涙と汗によって築かれたものなんだなと実感して改めて感謝しかなかった。 でもそうやって便利な世の中が当然で当たり前になってしまった私たち…黒部ダムにも犠牲となられた方々の慰霊碑があるんだけど色々な思いが胸中を過った。

    1
    投稿日: 2024.07.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2024/7/14読了。命の重さが現代とはまるで違う。次々と人が死ぬが、人夫は死んで当たり前の世界。それでも最後は不当な危険に晒されていることへの人夫たちの自覚を予感させるラストで締められている。それほど過酷な現場であったことがよく伝わってくる。

    1
    投稿日: 2024.07.14
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    戦時下での黒部ダム建設の過酷な労働状況を読み進めながら、働くという行為に向かう気持ちには共感できる場面が多かった。同時に、いとも簡単に人命が失われる、現代との著しい相違にも驚愕した。毎日当たり前のように使っている道路、橋、水道などの社会基盤を届けてくれた先人達に、感謝しなければならないと思った。

    1
    投稿日: 2024.07.13
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    240712021 人が自然に向き合い、どう生きるのか。そして、人は人とどうつながっているのか。時代がその関係を形作っている。

    0
    投稿日: 2024.07.12
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    読む度毎回息苦しくなる作品。 黒部ダムには、家内と何年か前に観光で訪れているが、この本を読んでから訪れていたら、旅は自ずと全然違う印象を我々に残したであろう。 日本のインフラ工事とは、こんなに原始的であり、経済的強者が弱者の命すらその達成の犠牲にしたのか、という理不尽な気持ちに苛まれた。日本の歴史を学ぶといつも付きまとうやるせない心情である。 金持ちと貧乏の命の重さが違う。 それが、隧道の中と外で非常によく描かれている作品。 名も無い貧しい人達の命によりなし得た偉業。 果たして、今ならこんな工事は許されたであろうか? パワハラ、いや、そんなものとっくのとうに超越している! この工事を実行するには、明らかに人間としては、技術力不足。今なら人命も落とすことなく、いとも容易になし得た工事であろう。種々事情はあるにせよ、この工事を断行すべきであったかは、読者にとって大きな疑問を残したと考える。 貧乏人の安い命。泡雪崩の人知を遥かに越えた破壊力や200度近い熱を帯びた岩盤、自然の脅威という一言では片付けられない神の仕業。それに立ち向かう無力な人間。その上で胡座を書いて金の力でなにもせず、うまい酒と食事を堪能しているであろう輩。 こんなことを考えると、本当に身悶えする程苦しい。 隧道の貫通など、対した喜びには感じられない。 最初から最後まで重い空気で終わる一冊。 特に、エンディングパートは、振る舞いはとてもよくわかるが、なんとも言えない気持ちを残す。こんな大偉業をなし得たのに、大きな空しささえ残る感覚である。 摂氏200度で、背中からお湯を放水されながら、ダイナマイトを仕掛けたり、死体を抱き抱えたりする心境とはいかに。私には、到底耐えられるものではないが、実行した人間がいる。そこに驚かずにはいられない。

    2
    投稿日: 2024.07.10
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    起承転結ならぬ転転転結で読む手が止まらない 昔の日本人の体力は凄いものだったんだと感心させられた 地道な作業の積み重ねと人夫達の汗と涙と命で不可能と思われる高熱隧道が完成した 黒部ダムへ行きたくなったし行きたくない気持ちも同時に出てきた そのくらい凄い本だった 実話なのよね…すごい

    6
    投稿日: 2024.06.07
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    正月の地震の時に日本海側にいて、実は近くの避難所に避難をしたのだが、幸い居たところはひどい被害にはあわなかった。だが、道一本隔てた知人の家の庭の石燈籠が落ちたり、壁に亀裂が走った。地震のあと、余震を警戒して火を使わずにすごしたが、毎夜、氷点下はまぬかれたものの、室内の気温が1℃、や0.5℃で、雪が降りだすと、一時間で軽く30cmや40cm積もる。降りだせば、翌日、またその上に積もる。冷蔵庫に入れなくても、冗談でなくものが腐らない。ただ、食品がいつ尽きるかは、絶えず気にしていた。買い出しに行けるか? 雪が溶けないと本当の被害はわからない。本当に春が来るのはふつう、5月だ。10月には、寒くなりはじめるから、工事や大掛かりな仕事が本当にできる時間は少ない。異常気象と温暖化のおかげで、雪は少なくなったが…… など、そんなことなどなどがぐるぐる頭をまわっていたのだが、そもそも余りに知らなすぎると考えたのは、ここ、1ヶ月ぐらいだ。 少し読みやすそうな本を見つけたら読んでみようと思い手に取った最初の本がこの本。 舞台は黒部峡谷。 宇奈月から欅平までは行ったことがある。だがこの本の舞台はこの先だ。 積雪40m。14mではない。 温泉が出ている。こどもの頃、初めてそれを聞いたときに思ったのは、どこを掘っても出るんだな、ぐらい。ところが隧道を作るあいだ、穴の中を流れる地下水は、140℃を越える。それが、予想に反して上昇していく。 単なる予想ではない。大学の実績を積んだ学者の見解に反して上がる。 160℃、190℃。 そこを人の手で掘る。 施工を変更する。 掘削に使うダイナマイトはいつも暴発の恐れがある。 雪崩はふつう雪解けの時に起きるが、泡雪崩といって新雪に含まれる空気が圧縮され爆風となって宿舎の二階から五階までを吹き飛ばし、対岸の岩畳に打ち付ける。 もちろん、雪解けまで捜索などできない。 しかも、この雪崩が襲ってくるのは、この一回ではない。 工期4年あまり、死者300人を越える。 この作品は単なる記録にはなっていない。 しかし、たぶん情報は正確で正しい。 戦後この小説は、戦時中の特異な場合と捉えられたのかもしれない。 しかし、自然で起きることは、人と関係なく起こっているだろう。 このような自然の激しさがあるのだということは、気に止めておいていい。

    0
    投稿日: 2024.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    黒部渓谷は、人間が挑むのは到底不可能な世界 この渓谷は、人の住みつくことを頑強に拒否している。雪崩を起し崖くずれを発生させて、人の近づくことを許さない そんな中、あなたはなんで働くのですか? 「国のため、トンネル掘師技術のため、金のため」 それぞれの思いをもってこの黒部第三に挑む 死者300内佐川組233名ノンフィクション 今では考えられない人柱国家公認プロジェクト トンネル開通するまでは、それぞれが一つの薄い目標に向かっていたが、開通後の老人夫頭に寒気を感じた ■長い年月人夫たちを使ってきた経験、阿曾原谷事故以来はっきりとした形をとってきた人夫たちの異様な空気とダイナマイトの紛失の間に関係があるらしいと言うのだ。そして、根津、天知、藤平の三人は、急ぎ工事現場をはなれるべきだと言う。その人夫頭の眼に、暗い憎しみの光がただよっているのを見た根津の顔から笑いの色が消えた 自然は屈強、目先の人間や組織を恨むしかない 終始藤平目線が目立ったが、人夫目線のルポがあれば是非読んでみたい 今の平和ボケを目醒せてくれた

    56
    投稿日: 2024.05.11
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    一度、水力発電所を見学したことがあったので、本の内容が少しイメージできた。 この時代の人たちの情熱と意志の強さを感じた。 事故の内容は知る度に衝撃を受けた。どうやって竣工するのかが全く想像もつかなかった。 主人公となる人物とその周りの人々の心情をこと細かいに描かれていて素晴らしい。 多くの人の屍の上に成り立っていると考えると心苦しさを感じるが、それの感情だけでは語れない力強さも同時に感じた。

    1
    投稿日: 2024.04.28
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    04月-07。3.5点。 今シーズン、下ノ廊下へ行こうと思っているので読んだ。 過酷、過酷のひと事。「黒部は人間を寄せ付けない」と現場の課長が思うほど、工事不可能な感じ。臨場感あり、面白かった。

    1
    投稿日: 2024.04.16
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    往時の苦難が偲ばれる内容の本だった。吉村昭さんの本は、正確な調査に基づき記述されているように感じます。

    3
    投稿日: 2024.02.20
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    こんなに昔の本とは驚き。色褪せない。 序盤から中盤は出来事中心、中盤以降は人間にスポットが当たるので特におもしろかった。 創作のはずの登場人物たちがすごくリアルだった。

    1
    投稿日: 2024.02.16
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    黒部第3発電所に続く隧道工事を描いたノンフィクション。下の廊下に行く前に読んでおこうと思ったけれど、結局は下山後に読了。 この手のものは、文章が硬くなりがちだけれど、万人にオススメできるくらいには読みやすかった。下の廊下行く前に読めば、もっと楽しめたかもしれない。

    1
    投稿日: 2023.11.08
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    頭の中の半分では感動.ただし残りの半分では,やはりどうしても嫌悪感を拭い去れない.人を人とも思わず,半ば気合いで乗り切ろうとする工程.当時から北陸の人たちは発電の犠牲になってきたんだなあ.

    3
    投稿日: 2023.10.20
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    とても面白かった。今まで知らなかった土木作業、トンネル工事の描写は興味深かった。最高165℃にもなる隧道工事に苦戦する技師、人夫たち。特に現場で働く人夫たちはダイナマイトの不発弾による事故や泡雪崩による事故で300人以上もなくなっており、作中でも描かれていたが技師と人夫の立場が資本主義って感じがした。前半の方は人夫たちは事故で亡くなっても原因を追及したりせず受け入れていて技師は人夫たちの心を掴むように立ち振る舞うが事故が重なり人夫たちの不満が増してき、不穏な空気が流れ技師たちは隧道貫通と共に逃げるように山を降りるのは印象的。 自然の力って人の力ではどうしようないことあるんだな

    1
    投稿日: 2023.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    壮絶。。ここまでして工事をする必要があったのか?見直さない、鼓舞して続けるというところに、軍国主義真っただ中の日本がどういう社会であったかを物語っている。。色々とひどいことが多すぎて、呑気に観光なんてする気分じゃなくなりそう。。この工事がもたらした経済効果っていったいどれだけあったんだろう。この時代、人の命がほんとに軽すぎる‥。合掌。

    1
    投稿日: 2023.09.20
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    黒部第三発電所建設のための軌道トンネル掘削を描いた本作品。 黒四ダム建設のような荒々しい男の戦いをイメージして読み始めたものの、ただただ過酷な自然との戦いが休むことなく続き、事故が起きる度に打開策に注力し、やがて克服する人々の様子を描いているのだけれども、少しも自然に勝ったという気持ちを抱かせてくれない、ある種切なく悲しい物語に感じました。 おそらく現在の技術でもってしても、このトンネルを貫通させるのは非常識極まりないもののような気がしますし、それに従事した人々の姿は決して情熱なんてものではなく、得体の知れない恐ろしい何かが原動力になっているのがひしひしと伝わってきました。 ラストは想像とかけはなれたもので、衝撃的。 作者がどういう意図で筆を走らせたのか、読者には計りしれません。

    1
    投稿日: 2023.09.01
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    評価3.5 迫力ある内容だったけど、自分の都合で細切れでしか読めなかったので3.5。そこが残念。 命と工事が天秤にかけられ工事が重くなる、技師と人夫の関係からくる緊張感、そして最後の爽快感とは遠い終わり。(貫通してよかったで終わると思った) 読みごたえあった。

    1
    投稿日: 2023.08.28
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    吉村昭のノンフィクションは読みやすくありありと場面が頭に浮かぶ。まるで映画をみているように読み進められる。 過酷な環境下で工事を行う人夫達の奮闘と犠牲者がでる度に殺気立つ現場の空気。岩盤温度165℃まで上昇し身体は火傷だらけ。自分が何時死ぬかわからない。それでも貫通させるという人間の意思のちからは凄まじいものがある。

    10
    投稿日: 2023.08.27
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    昭和11年から昭和15年、軍需産業のために建設が進められた黒部第三発電所。 未開の大自然を切り拓く人々のエネルギーと、それを阻むかのように犠牲を生むその大自然。 大きく熱く冷たいこの自然は本当に人間が入り込み、制してよいのかとたくさんの疑問を持たざるを得ない迫力があった。 その人々が費やした時間やエネルギーに、現代の人々は支えられ知らぬ間に恵みをも与えられている。 少なくともそうした事実を知り、考える時間が出来たことに感謝。

    3
    投稿日: 2023.08.21
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    一気読み。 終わった…熱かった…自然の前に人間は無力だった…でも成し遂げた…。 特に関心のないテーマでもぐいぐい読ませてしまう吉村昭さんの作品。読後の満足感も大きく、ハズレなし。黒部に行ってみたくなった。行く前に読めてよかった。

    2
    投稿日: 2023.08.05
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    骨太な構成、緻密な心理描写と繋がり、なのに読みやすく、飽きのこない内容、あまりにも小説として完成している‥。読んでいて夢中になってしまい一文一文読み飛ばしせず丁寧に読んだにも関わらず、仕事のある日の夜2日間で読破。

    1
    投稿日: 2023.08.02
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    黒部ダムに行きたくなる。粗筋にもあるが極限状態で人がどんどん壊れていく恐ろしさがこの話にはある。めちゃ面白い!

    1
    投稿日: 2023.07.28
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    黒部の太陽で回想された「地獄」 黒部ダム訪問をきっかけとして読んだ。 タイトルにもなっている高熱隧道の下りは、学者の意見も当てにならない中強行突破せざるをえない現場の息苦しさを感じさせるが、 泡雪崩の件はもう言葉にならないというか、これが小説の中でなく現実にあったというのが信じられない。ついに神の怒りに触れたのかと、山に挑む人間の戦意を完全に喪失させるに足る事故だった。 あまりにも多くの人夫の死を目にしすぎた建設会社の新入社員が、一人は精神に異常をきたして雪山に消え、一人は強くーーつまり静かに狂っていく様が悲しかった。 そして隧道貫通後の、爽快感とはほど遠い幕切れ。 死者と敗者しかいない一大事業の上に、我々の平和な生活がある。

    1
    投稿日: 2023.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    黒部の自然の脅威に立ち向かい、隧道工事に挑んだ熱き男達の物語、それがこの小説を手に取った時のイメージ。 そのイメージは間違っていた、とまでは言えないけれど、そんな生易しいもんではなかった。荒れ狂う黒部の自然の前に、人を使う側の技師も使われる側の人夫も狂っていく様はまるでパニック小説。 そんな困難も乗り越えてのトンネル開通、完工で大団円…とも行かず、ラストの後味の悪さは最早ホラー。でもあれだけのことがあって終わり良ければ全て良しで片付けるのも、それはそれで後味悪いよなというのも確かで…最後の数ページは緊張しながらめくりました。 ラストは創作だそうだけど、綿密に重ねられた取材に基づいて書かれたとのことなので取材先からそういうこともあり得るという空気をビンビンに感じ取ったんだろうな…

    1
    投稿日: 2023.04.29
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    黒部のダム工事と聞くと黒四ダムしか思い浮かばなかったけれど、これは仙人谷ダム建設にまつわる話だった。 黒部峡谷での工事が難しいのは、道とも呼べない断崖絶壁の狭隘な場所での資材の運搬だと思っていたけれど、それに加えて166度にも達する高温との闘いがあったとは・・・。 そんな環境下でのご苦労は想像だに出来ない。 いつの日か、多くの方々の犠牲の上に出来上がったこのトンネルを辿り、その苦難の功績をこの目で確かめたい。

    1
    投稿日: 2023.04.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ラストシーンの敗北感が印象的。 自然の脅威に翻弄され、多大な犠牲を払いながらも、やっと隧道を通すことができた。それなのに、逃げるように去らなければならなかった藤平たち。 今度は人夫たちの怒りが発火しそうになっている。これまでのことを思えば、とっくに発火していてもおかしくはない。臨界点はとうに越えている。今までは騙し騙しやってきただけにすぎないーーダイナマイトの自然発火と重なる描写だなと感じた。 すごい物語を読んだ。

    2
    投稿日: 2023.04.25
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    黒部第三発電所に付随する隧道を掘り進めた男達の話。 『高熱隧道』とあるが、それと平行して描かれるのは、雪山・雪崩といった圧倒的な“冷たい”脅威で、熱と冷気のコントラストが人の生命を拒絶する自然の圧倒的脅威として写り、絶望感が凄い。 特にヒリつく様な緊迫感で描かれる、国のインフラを支えている“人夫”と、それを使う者との関係には現代にも通ずる物がありハッとする。全編通して迫力と自然の恐怖感に満ちた傑作。

    5
    投稿日: 2023.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても面白かった。 最初の方は、半沢直樹とか八甲田山みたいな感じかなーと思っていた。権力を持ったヤバイやつが金と力で推し進めていくのかと、で、この課長の藤平という人が苦労する話なのかと思って読んでいた。 違った。特に悪役は出てこない。読んでると、本当に工事中止が残念でならなくなってくるから、天皇と軍の力で無理矢理続行になった時はよかったとも思えた。 雪山に藤平と越冬隊を残して根津が山を下って行ったあたりは「あのヤロウ・・」と思ったけど、その後の自然発火事故でバラバラになった遺体を血まみれで運んでいるところでは藤平と同じように感動した。 しかしそれも違ったらしい。 藤平目線で話が進んでいくからか、藤平に感情移入して読んでいるけど「どうして人夫たちはあんなに熱くても働くのか」とか「人夫たちをまとめる秘訣はあるのか」という質問で、なるほど、自分は藤平じゃなくてその質問をしている発注者のような、もっと遠くにいる傍観者なんだなと実感する。 小説の最後は、あんなに惨たらしい目に合わせておいてタダで済むと思うなよという怨嗟の声が聞こえる気がしてくる。申し訳ない、と心に過ぎったところで発狂した千早を思い出した。 読んでる時は藤平から見た景色を見ているようだったのに、読み終わると人夫の事が気になって仕方がなかった。 人夫とかボッカとか結局誰なんだ、どういう経緯でそこにいるのかと。ネット検索ではいい書籍や記事を見つけられずにいたけど、そういえばこの前行った相模湖記念館で見た「このダムの建設には中国人捕虜と朝鮮人が」っていうのを思い出した。(もちろん日本人もいる) それでまた検索すると“黒部・底方の声 : 黒三ダムと朝鮮人”にあたった。 この本はすごい。きっと私はこの先、黒部や仙人谷、志合谷、阿曾原谷などをテレビか何かで目にしたらこの小説を思い出すと思う。読み進めるのが恐ろしかったけど読んで良かった。

    17
    投稿日: 2023.02.22
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    誰かが殺した動物の肉を食べる感謝で「いただきます」の挨拶がある様に、他人が生きる為の発電に犠牲になった人が居る事を忘れない。 戦後に完成した黒部ダムの話ではなく、戦前の黒部第三発電所建設のトンネルを掘る話。 黒部ダム行きたいなーと思ってたので読んだ。 近現代を支えた先人の壮絶な状況は出来るだけ知りたいと思う。

    2
    投稿日: 2023.01.23
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    「吉村昭」のノンフィクション作品『高熱隧道(こうねつずいどう)』を読みました。 『戦艦武蔵』に続き「吉村昭」作品です。 -----story------------- 岩盤最高温度165℃。 そこは人が手を出してよい場所だったのか……。 黒部第三発電所建設を背景に極限で生きる人間を描いた傑作。 黒部第三発電所――昭和11年8月着工、昭和15年11月完工。 人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。 犠牲者は300余名を数えた。 トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する異様な時空を、綿密な取材と調査で再現して、極限状況における人間の姿を描破した記録文学。 ----------------------- 日本電力黒部川第三発電所水路トンネル、欅平(けやきだいら)駅~軌道トンネルの工事現場や人間関係について、建設会社の現場土木技師の目を通じて描いた作品です、、、 佐川組はゼネコンの佐藤工業をモデルで、登場人物は架空の人物だそうです… また、雪崩の記述には誇張した表現もあるようですが、基本的には実話をもとに描かれているようですね。 黒部川上流の黒部峡谷は、雨量、河川勾配から、早くから電源開発の最好適地として注目され、欅平から上流にダムを設置し、欅平付近の水力発電所まで水路トンネルで水を落下させて発電を行なうという黒部川第三発電所の建設工事が1936年(昭和11年)8月に着工された… そこは、資材を運搬するだけでも転落死する者が出るほどの、秘境に近い環境だった、、、 紆余曲折の末、富山県の建築会社である佐川組は、発電所から峡谷までの水路・人道の建築を担当することになり、佐川組の技師である「藤平健吾」、「根津太兵衛」たちは黒部峡谷を訪れる。 ところが、工事現場の地下には高熱の断層が通っており、わずか30m掘り進んだだけで岩盤温度は摂氏70度を超えた… それどころか、地質学者たちの予想などを軽々と裏切って、岩盤温度は奥に進むにつれて上昇を続け、ついには触れただけで火傷を起こすほどにまで達する、、、 「藤平」たちは、作業者に水をかけて冷却するなどの策を講じて工事を進めていくが、岩盤の温度によってダイナマイトが自然発火・暴発を起こしたのを皮切りに、泡(ほう)雪崩で鉄筋コンクリート造の宿舎が根こそぎ飛ばされるなどの事故が発生し、異例の数の犠牲者が出ていく… 技師の中にも、精神に異常をきたして冬山に失踪する者が出たりした。 そしてとうとう岩盤温度は摂氏166度を記録し、史上類を見ないほどに過酷な環境が形成されていった… この過程で、犠牲者の発生を見続けた作業者の間で不穏な空気が漂っていった、、、 あまりにも犠牲者が多い事から富山県警察部から再三に渡って工事中止命令が出されたが、国策ということで工事は続けられ、「藤平」たちの執念の末にとうとう隧道は貫通する… しかし、既に彼ら技師と作業者たちの溝は埋めがたいものとなっていた。 喜ぶのも束の間、「藤平」たちは、人夫頭の警告を受け、暗いトンネルの中を逃げるように歩いて、峡谷を去って行った… うーん、想定外の結末でした、、、 300名以上の犠牲者を出した危険で過酷な現場作業で酷使される人夫たちと、国策という大義名分を利用しつつ、自分たちのプライドを賭けて工事を推進した技師たちとの関係については、ダイナマイトの自然発火・暴発による死亡事故が発生した際の「根津」の献身的な行動により良好な状態へ変化しつつあると思っていたのですが… その後の作業継続により、埋めがたい大きな溝になっていたんですね。 このエンディングはフィクションらしいのですが… 意外だけど、納得感のある結末でしたね、、、 また、大自然のもつ強大な力についても改めて気付かされた作品でした… 自然に屈することは決して屈辱ではないだよ という考え方も、持っておきたいですね。

    1
    投稿日: 2022.11.11
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    二度目の読了。立山登山の経験から、黒部峡谷の険しさや宇奈月温泉、黒部ダムの地理関係など、頭の中でイメージしながら読みすすめた。今でこそ、黒部ダムはアルペンルート(ケーブルカー、バス、ロープウェイ)を乗り継いで、誰でも気軽に行くことが出来る観光地となったが、戦前に行われたこの工事が想像を絶する難工事であったことが、本書を読むとよく分かる。中でも「泡雪崩」は衝撃的だ。 先人たちの努力や多くの犠牲者の上に、今、私たちは便利で快適な生活を送る事ができることを忘れてはならない。

    1
    投稿日: 2022.11.02
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    現代では考えられない程の壮絶な現場だと思います。トンネル技術者としての使命と人としての倫理観の狭間で悩む姿は、胸を抉られます。

    0
    投稿日: 2022.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    会社の読書会仲間に紹介された本。 土建業の厳しさ、社会的責任を再確認しようと手に取ったが、衝撃を受けた。山岳工事におけるタコ部屋労働の話は想像していたが、ここまで人間に酷いことをさせていた時代があったとは。。 「僅か数十センチの断崖絶壁の道を吹雪の中歩く」 とか、 「地熱でダイナマイトが自然発火し、作業員の死体が散らばる」 とか、 「数階建の宿舎がまるごと宙を舞う」 とか、 とにかく想像を絶する世界である。 これだけの犠牲者が出続けているにも関わらず、国、発注者、技術者、そして作業員までもが、工事を放棄せずにトンネルを完成させることに執着するという精神状態も信じられない。 ・「ここにトンネルを作りたい」という人間のエゴ、 ・「死の危険を犯しても大量のお金が欲しい」という欲望、 ・「技術者のプライドに掛けて貫通させたいから突き進め」という思考停止、 ・「今の環境から抜け出したければ、とにかく完成を急ぐか、死ぬしかない」という極限状況は、 是非この本を読んで体感頂きたい。 2024年から、この高熱隧道も一般利用が可能になるという。もちろんいつか通って見たいという興味はあるのだが、この本を読んでしまった今としては、犠牲になった方々や、工事に従事した方々に恐れ多くて近寄りがたい。特に、今も廃墟として残っている当時の宿舎の写真をネットで見つけ、鳥肌が立った。 厳しい自然の力を利活用したいが故に、大自然に挑んだ結果、尋常ならざる犠牲を出した黒部川電源開発。戦争へと突き進む日本の闇を見せつけられた。

    13
    投稿日: 2022.08.26
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    我々が享受する日常は死屍累々の歴史の上に成り立っている。嫌というほど、それを思い知らされる壮絶な文章だ。 不測の事態、大自然の脅威にさらされてなお計画を遂行し続ける様にはぞっとさせられるが、命こそかかっていないものの我々の日々の暮らしでもこういった無鉄砲は無縁なものではない。

    2
    投稿日: 2022.08.18
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    黒部峡谷鉄道に乗りながら感じた大自然の爽快さと背中合わせにある危険性。 時期的規制でトロッコでは鐘釣までしか行っていないが、乗車直後に読み進めたせいで、ビジュアル的な臨場感とともに一気に読み進めた。 圧倒的な自然の力に怯えつつ、社会背景に翻弄されながら生じる人間の狂気性を、おぞましいまでに描き切っている。

    2
    投稿日: 2022.05.29
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    黒部第三発電所建設工事のうち、特に難工事であった阿曽原・仙人谷の隧道工事にスポットを当てた作品。黒部渓谷の大自然に対し、技師の藤原を中心とした人間たちがどう立ち向かっていけるかが見ものである。 今工事ではなんと最高166度を記録している。それだけでなく日電歩道からの転落事故、ダイナマイトの自然発火事故、泡雪崩、火災など、幾つもの事故が重なり、300名超の犠牲者を出している。にも関わらず最後まで遂行出来たのは、黒部ダム工事の持つ国家的意義が大きい。 久保田氏の巻末解説も興味深い。「黒部渓谷をつらぬくあのトンネルは、それじしんが戦争のために利用されるのを黙って見つづけて来たが、それにひきつづく時代にはやがて戦後のいわゆる『平和産業』のためによろこび迎えられる時代も過ぎ、さらにそれにひきつづく時代の公害産業の原動力を提供することになるーー」。

    2
    投稿日: 2022.05.23
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    黒部川第三発電所建設と労働災害,昭和10年代の労働安全衛生の管理状況が描かれる. 資材運搬中の墜転落・ダイナマイト自然発火と爆発・泡雪崩による宿舎損失・火傷・熱中症・坑道内仮宿舎内のシラミ……. p100辺りで作業環境管理・健康管理・産業医選任のような動きが伺えるが…….

    1
    投稿日: 2022.05.14
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    本作もまた「よく調べたなぁ」である。建設会社の資料と関係者の「記憶」がもとだということだが、すごいリアリティ。ただ、工事に関する説明は私の想像力が足りないせいか、何をどうやっているのかさっぱりわからん(特に地理関係)。 しかし、約4メートルに1人の人夫の死、という勘定になるそうだが、現場で働く人間は本当に使い捨てだ。 すべてとは言わないが、日本のインフラは多くの犠牲者によって成り立っており、国が発展した。命を落とした人々に哀悼と敬意を表しつつ、大切に使わなければならんと思う。 「税金払ってんだから選挙権を」なんてなことを言い出す外国人や、「水と治安のよさはタダだと思ってるのは日本人くらい」としたり顔で言う海外暮らしの日本人がいるが、日本の先人たちの血と汗によって今の暮らしやすい日本という国がある、ということは念頭にないのだろう。俺らはそういうことを忘れてはいかんと思う。 「日本に生まれたというだけで国ガチャに勝ってる」と言った外国人女性がいたが、その通りで、なんで日本人の母国評価が低いのかわからん。 しかし高熱隧道、灼熱地獄だよ。ホント、関係者(特に末端、現場の人夫)はすごい。そこに尽きる。

    2
    投稿日: 2022.05.02
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    水力発電のために山奥でトンネルを掘る昭和の男たちの苦闘と執念の物語。170度の熱水が絶えず溢れるって、凄まじすぎる。 電気をいつでも使えるのって、あたりまえじゃないんだな。

    1
    投稿日: 2022.04.15
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    戦争の影が世を覆う昭和10年代、黒部の発電所建設の壮絶な工事を巡るドキュメンタリー小説。 私は多少ながら登山、とくに沢登りをやる。この間は雪山もやってみた。ガイドブックに載るような有名なルートでもまあちょっと気を抜いたら命に関わる、というのが自然というものだ。なのにこの工事の現場は、地元の人でさえあそこに立ち入るなんて狂気の沙汰、と怯える未踏の領域なのだ。 そんなエリアに建築資材を運び込むことがそもそも無理筋なのに、掘り進めるとそこは岩盤温度が100度を超える灼熱の地下。冬は雪崩の生き埋めと背中合わせ。 閉暗所が苦手な私にとって掘り進める前に読み進めることさえ難しい。 人夫の一定の「損耗」はもはや前提という非人間性。人知を超えた自然の猛威。だれもやり遂げたことのないトンネル工事を貫徹する、という技術者たちの意志とプライド。戦時経済を支えるために工事必達を目指す国家。 すべてがひしめき合い、ミシミシと音を立てているかのようだ。 

    6
    投稿日: 2022.01.25
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    めっちゃ面白くてめっちゃ重い。厚みが違う。引き込まれる。しかし、正月早々に読む本ではないね、ははは……。

    0
    投稿日: 2022.01.18
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    黒部ダムといえば、最も大きい建造物、黒部川第四発電所が大抵写真にも出てくる中心建造物である。 ただ、この作品の舞台は、その前に作られた黒部川第三発電所建設に必要なトンネル掘削現場である。 4年以上の年月と、300名以上の犠牲者を出して完工したトンネルは、温泉により160度以上の温度が出るという本当に他ではない難工事であった。 そこでどんな人間の葛藤があったのかを惜しみなく描いたこの史実を積み上げて描かれた小説は、吉村昭著の代表作の一つと言って良いのではないだろうか。

    1
    投稿日: 2022.01.12
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    ヘルツォークに映画化してほしい 何百人もの犠牲を払ってつくられた、はじめ軍事目的であった設備が今じゃクリーンなエネルギー、SDGsとは皮肉なもんである

    1
    投稿日: 2022.01.10
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    この話に出てくる戦中の技師と人夫の関係性のようなものは、半世紀以上経った令和の今になっても日本には残ってますよね。経営者は一度読んだ方がいい。

    1
    投稿日: 2021.11.08
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    黒部ダムに行くことになったので、「黒部の太陽」に引き続き読んでみた。結局読み終わったのは帰ってきてからだった。 「黒部の太陽」よりも前の戦前の話で、黒部川第三発電所建設工事の資材を運ぶためのトンネル工事を事実に基づいて、書いたもの。 最高温度が160度を超える高熱地帯にトンネルを掘るので、ダイナマイトの自然発火による暴発など事故が絶えず、多くの犠牲者が出た。すさまじく過酷な現場である。 真説「高熱隧道」という説も出ているぐらいで事実とは若干異なるらしいが、かつてこんなことがあったのかと、読み応えはある。宿舎を560m飛ばしたという泡雪崩など、あまりにも想像を絶する脅威である。 こんなに危険な命がけの現場でも、高い日当のために働いた人夫は、貧しくても養わなきゃいけない家族が多かった時代の象徴だろう。 多くの犠牲を出したことを恨まれて人夫から襲われるという空気を感じて、トンネルが貫通して現場監督が最後に逃げるように現場を離れるのだが、使う者と使われる者との明確な立場の差があったのだろう。

    1
    投稿日: 2021.10.14
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    熱血で仕事する昭和の男たち 劣悪な労働環境、戦争下におけるお上の重圧、黒部の厳しい自然… 圧倒される。人間模様は今も昔も変わらないようだな。使うものと使われるものの関係が細かく描かれてる。最後は技師たちがおびえながらトンネルを下っていく。やるせない、なんだろう、世紀の大仕事を終えたぜえ!ってならないのが、虚しいね… 暗い気持ちになるからセットで黒部の太陽も読んだ方がいいよーと言った友達のコメントが身に染みてわかった。

    1
    投稿日: 2021.10.11
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    黒部第三発電所建設のための隧道工事は、戦時下の関西地方の工業電力の供給源となるため、国家的一大事業であった。 何百人もの死者を出しながらも工事は決して中止されることなく、遂には完工に至る。 苦難を乗り越える姿には仕事人として共感も感じる反面、作業員の死体処理の生々しい描写には、所詮打ち勝つことのできない国家権力や自然の脅威に立ち向かおうとする人間の愚かさと無常を感じる。

    4
    投稿日: 2021.10.03
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    いつか黒部渓谷へ行きたいと考えているので、予習として読破。 映画「黒部の太陽」で描かれた【くろよん】の物語と違い、共闘意識が昂じた感涙的なラストではなく、最後は人同士の不信感や獣性が露わになり、殺伐とした雰囲気で重苦しいもので終わった。 人間であることも忘我のかなたへ消し飛び、ただただ蠢く虫ケラのようにへばりつく人夫たち。命を枯らすように働き続けるその姿を想像して、自然にあらがうことへの何ともいえない虚脱感が、後味として残った。 なんといってもやはり、記憶に焼き付いたのは「泡雪崩」。想像が全くわかず、こんなものが本当に存在するのだろうか?と調べたら、やはりそう感じる人が多かったようで、ネットでは丁寧に図解まで拵えている人までおり、想像の助けになった。 するとこの泡雪崩、確かに古くから一部の地元民では言い継がれているようだが、そのメカニズムや実態は明らかになっていないらしい。 創作とも言われているが、果たして。 ダイナマイトの誤爆による生々しい死体の描写、ちぎれた死体を拾い集めて仏を一体ずつ「作って」いく現場監督、熱湯につかりながらの掘削、読んでいて疲労感の溜まる綿密で端的な描写が続く。 目まぐるしく変化する現場監督と雇われ人夫たちの関係性も緊迫感があり、読みごたえがあった。

    1
    投稿日: 2021.09.28
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    2020.9.26読了。黒部渓谷の発電所建設の為のトンネル工事のノンフィクション系小説。数百人の犠牲者を出しながらも建設されるトンネルの話。今は水平歩道は登山者の憧れの地であったりするが、建設当時いかに難工事であったかがよく分かる。

    1
    投稿日: 2021.09.26
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     現代においても自然は制御できるものではなく、ある意味で原始の時代と変わらず、人は自然環境に生かされている。また、黒部ダム建設の昭和前期は現代では考えられない過酷な労働環境であり、こうした先人の苦労が現代の豊かさの礎となっていることを実感した。  過酷な労働環境において、技師と労働者には超えられない境界があり、この両者の関係性は絶妙な心理的なバランスで保たれている。この心理描写は人の本質を深く掘り下げたもので人間とは何かということを考えさせられた。

    1
    投稿日: 2021.09.17
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    黒部峡谷に発電所を作るためにトンネルを掘り続けた技師と人夫の文学。雪崩が起きるような場所なのに、100度越えのトンネル内で作業をしなければならないという、人がいられる環境ではない工事の極限さが書かれています。 この本はあくまでも小説なので、本当の話ではないですが、作中に出る工事や事件は文献を調査し表現されているため、現実にこういうやり取りがあったかのように錯覚させられます。 全般的に表現されているマッチョイズムは現在でもある意味受け継がれており、会社における上司と部下の関係に垣間見えますね。 いやはや、恐ろしいものを読ませていただきました・・・。

    1
    投稿日: 2021.08.21
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    度重なる事故を起こしながらも、温泉の沸く高熱のトンネルを掘り続けた男達の話。 予想外の被害を与える自然の恐ろしさ、死に怯えながらもトンネルを掘り続ける作業員、その作業員の不満に怯える指示役の技師、作品全体は色々な不穏な空気に包まれている。

    1
    投稿日: 2021.07.10
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    ★★★ 今月5冊目。 いや、凄い、黒部の坑道を作った実話。昭和初期の話で150度もなるところをトンネル掘ってたってから凄い。ダイナマイトが爆破したり死者は300人ほど。 一度黒部いってみたくなった

    1
    投稿日: 2021.06.08
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    殺人的すぎる工事だったんだな、黒部ダム。恐ろしい…。ラストの持ってき方は若干納得いかないけども。 こんな人命軽視な工事、現代はありえないだろうと思ったけど、考えてみれば福島原発とか…どうなのだろう。変わったのか、変わってないのか。考えさせられる。

    1
    投稿日: 2021.05.30
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    単なる自然との戦いとか自然の脅威では終わらず、人間模様や格差社会まで描写している点が筆者ならでは。 理解できなかったが泡雪崩の得体のしれない怖さが残る。

    1
    投稿日: 2021.05.18
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    昭和十一年着工の黒部第三ダム隧道工事は摂氏100度以上の高熱岩盤に突き当たって多数の犠牲者を出し中止が検討されたが天皇陛下の見舞金が支給され国際孤立化エネルギー危機に際し「なんとしてもやりぬく」の空気になった。「文明とは浪費」でありエネルギーはその象徴。20世紀は「石油の世紀」(だからアメリカと戦争になった)であるとともに「電気の時代」でもある。電気を作るためには難工事とか環境汚染とかの無理をしなければならず、人命損失の危険は原発に限らない(ただし放射能汚染は際限が無い)。犠牲を強いる技師の苦悩。泡雪崩!

    1
    投稿日: 2021.05.11
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    怖すぎる。昔の人たちの努力の凄さ。技師と人夫、使う側と使われる側でまるで違う生き物のような時代があったのかと感じた

    1
    投稿日: 2021.03.04
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    社長からのオススメ本。 記録文学の名手による黒部第三発電所建設工事を題材にした小説。 名前の通り、最高温度166度に達する岩盤に隧道(トンネル)を掘削していくんですが、淡々と事実が記述されてます。 吉村さんが体験した訳ではないので、今まで読んだどんなドキュメンタリーやルポよりも、現実味が迫ってきます。 他も気になる。

    1
    投稿日: 2021.01.26
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    その場にいたかのようなリアルな記述、迫力ある描写。最後まで一気に読みました。黒部ダムの工事はたくさん死者が出たとは聞いたことがあったけど、こんなに過酷な労働環境で凄まじい事故があっていたとは。

    2
    投稿日: 2021.01.04
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    久しぶりの吉村作品。他にも積読状態の彼作品が結構あるんだけど、本作は、なぜかどこかのホラー特集で取り上げられているのを見かけたから、このタイミングで読了。トンネル工事としては異常な死者数だし、かなりブラックな人災ってことで、ホラーとして取り上げられることになってたのかも。詳細は忘れたけど。で、その劣悪な高熱環境下での作業の描写もさることながら、泡雪崩のインパクトは、それに勝るとも劣らない衝撃を残す。宿舎が、その中で寝泊まりする人ごと、ひと山越えて吹っ飛ぶって…。あまりにも凄過ぎて、むしろこちらをメインに物語が成り立つのでは、と思えたくらい。それにしても、いかにも”戦争へと突き進むお国の政策”って感じで、まあ胸糞悪いこと。

    1
    投稿日: 2020.09.11
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    掘削機とダイナマイトでトンネルを掘ってた時代、 今では考えられないほどに人が死ぬ。 崖から落ちる、ダイナマイトで吹っ飛ぶ、熱湯で焼ける、雪崩で圧死。 昭和11年に始まった黒部第3発電所の工事、 戦争を目前にしたこの時代は、まだまだ人命が軽い。 昨日まで一緒に現場で働いていた仲間が肉片となってトロッコで運ばれる。 そのようなリアルな死と向き合って、人夫達はただ金の為に160度にも達する高温の中でひたすら穴を掘る。 作業を指示する者と命を賭して作業にあたる者との永遠の隔たりが、 いつしか得体の知れない憎悪となって襲ってくる。 工事完了後、逃げるようにして現場を去る工事管理者達。 トンネルに響く足音がまるで追手のようで恐ろしく、印象的だ。

    1
    投稿日: 2020.09.09
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    高熱断層、泡雪崩と大自然の前に人力はあまりに微力。それでも、トンネルは掘らなければいけないのか。技師と人夫の共体験は今のマネジメントにも重要なこと。

    0
    投稿日: 2020.08.30
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    昭和初期に完成した黒部峡谷発電所の建設は、300名ほどの犠牲者が出た国家的プロジェクト。本書は史実に基づいたノンフィクション小説。 昔の友人の紹介で買ったが、何年も眠らせてしまった一冊。今から50年前に書かれたものだと忘れるほど読める平易な文体から、ビシビシと臨場感を感じながら、あっという間に読了。解説でも書かれているが、読み手によって様々なメッセージを受け取りそうに感じた。プロジェクトX的、管理対現場、膨大な犠牲者…色々あ理想だが、個人的には純粋に自然対人間の部分が印象的。人間がひどく無力になるほどの厳しい自然が、本州にあったのかと驚く。

    1
    投稿日: 2020.03.15
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    この様な危険を冒しながら行われた工事があったのが割と最近である事に隔世の感がある。世相もあるのかも知れないが、階級社会が日本に存在した様な印象を受ける内容である。

    1
    投稿日: 2020.01.03
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    人命軽視というと簡単だが 不安全な中で多発する事故で大量の屍が積み上がってく おそらく当時としては最大限の安全策を施すも繰り返される事故を越え、隧道工事が完工する 現代の安全基準や対策はこのような歴史の上で成り立っている

    3
    投稿日: 2019.12.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

     黒部第三発電所建設に関るトンネル工事を描いたノンフィクション。当時、日中戦争の拡大や対英米戦争準備のため、電力需要が高まり発電所建設は急務であった。トンネル内の岩盤の温度は160度をこえ、発破用ダイナマイトが自然発火し、死傷者が出る。さらに、泡雪崩(ほうなだれ)により、作業員宿舎が文字通り吹き飛ばされ、多数の死者がでる。富山県や警察の工事中止命令が出されるが、工事は継続された。天皇陛下から犠牲者に対して弔意金が下賜され、陸軍大将が視察激励に訪れた。まさに国策工事とも言うべきもので、少々の犠牲は無視された。そんな時代だったのだ。

    8
    投稿日: 2019.11.05
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    登場人物は創作だが、ノンフィクション小説。泡雪崩が多少誇張して描かれているが、トンネル工事のリアルが伝わってくる。軍部による圧力に抗えない警察や地方自治体。根津や藤平の貫通・完工への執念と金に妄執する人夫たち...。大自然への無謀な挑戦。人間の狂気が描かれた良作。グロい描写が苦手な方は手を出さないことをお勧めする。

    6
    投稿日: 2019.10.19
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    「ダイナマイトが自然発火」する場所でのトンネル工事の話です。いや、いや、いや……、と思われるかもしれませんが、どうやら事実だそう。事実は小説よりも奇なりとはよく言われますが、この工事こそ、その最たるものの一つではないでしょうか。  工事の現場となるのは黒部峡谷。掘り進めるごとに岩盤の温度は上がり、険しい道のりは資材を運ぶだけでも命がけ。さらに冬になると吹雪のため、町との連絡も満足に取ることができず……。  こうしたとんでもない状況に、現場では多数の死者が出ます。それでも工事は止まりません。技師たちは知恵を絞り、工事の完遂を目指します。  ここの創意工夫や苦心を、吉村さんは綿密な取材を元に本の上で蘇らせます。歴史的事実だけでなく、科学、地理、気象的な内容まで踏み込んで、文章をくみ上げていくのは、流石といわざるを得ません。  さらに個人的に注目したのは技師と人夫の関係性。技師はいってみれば監督の立場で、基本現場にでることはありません。過酷な現場に出るのは人夫たちです。  ここのパワーバランスの描き方が絶妙というか、普段は指示通り作業を進める人夫ですが、ひとたび事故が起これば現場に不信感が湧き、それは技師への反抗につながります。そこで技師はどう行動するか、ということなのですが、爆発事故が起こり四散した死体を回収するシーンが、もうとんでもないのです。  このおぞましいのか、崇高なのか分からない行為も、技師と人夫のパワーバランスの上に成立しているのか、と思うと、わけもなく寒気を覚えてしまいます。  国からの後押しもあり、工事は多くの屍を乗り越えて進みます。個人的にこうした状況は、今の社会の暗喩のようにも思えました。  現代でも多くの労働者は、厳しい条件下で働いている人たちも多いです。しかしそうした状況を鑑みることなく、経営者や資本家は仕事を回し続けます。ラスト場面の不気味さは、そうした労働者たちの違和感と怒りを表しているような気がします。

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    投稿日: 2019.10.14
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    こんな時代があったんだ、とただただ恐ろしく読みました。これが昭和11年か、と。 黒部ダムの見学に行く前に読んでみようと手に取りましたが、なんという自然の脅威。人間の理解を越える自然の中に人が踏み入っていく困難さがよくわかる作品です。 多くの犠牲者を出してでもトンネルを貫通しようとしたのは、国家事業だったからという理由だけではなかったということに恐ろしさを感じます。 惨憺たる現場で指揮をとった人達は、尋常ではない精神力です。トンネル貫通という夢に取り憑かれていなければ、なし得なかった事業だと思いました。

    2
    投稿日: 2019.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    黒部ダムの工事が大変だったのは聞いたことあったけど、大変さのレベルが想像を超えていた。ホウ雪崩怖い…5階建ての鉄筋コンクリートが秒速1,000メートルの風に吹き飛ばされて小山を越えて500メートル先の岩肌に叩きつけられるとか…怖すぎる… 専門家の「大丈夫」がいかに根拠のないものなのか、身に染みます…。 吉村昭さんの文章って、ホラーのようなヒタヒタと恐怖が押し寄せる怖さがあるな。しかもそれが、フィクションじゃなくて現実に起こったことっていうのがいちばん怖いんだけど。

    1
    投稿日: 2019.07.24
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    黒部の太陽が陽とすればこの作品は陰と感じた。 偉大なる先人の偉業、努力を垣間見る事が出来た。 社会構造としての使う者、使われる者の現実は今も昔もあまり変わらないと再認識させられた。 黒部への出張前に読みましたが、現地で思い起こしながら色々感じたいと思います。

    2
    投稿日: 2019.06.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    黒部第三発電所建設工事で、仙人谷のダム建設のために、黒部峡谷内を掘りすすめるという、実際の工事をもとにした小説。 岩盤を掘りすすむうちに、隧道は温泉が湧き出る高熱の岩盤に突き当たる。岩盤の温度が65度を超えるだけでもすでにヤバさが伝わってくる。 でも最終的には岩盤の温度上昇は留まらず、最高温度が165度にも達し、数々のダイナマイトの爆発事故が起こってくる。165度って熱したフライパンと同じ温度よね、、、。揚げ物を作る温度じゃん。身の回り全てフライパンに囲まれた中で作業をするなんて、もう想像を絶する。 吉村昭さんの詳細な取材をもとに書かれたリアルな工事経過と、工事を進める中で起こった数々の事故、人夫達と技術者との関係性が描かれている。吉村昭さんは本当に極限状態での描写が素晴らしいと思う。緻密な取材に基づいて書かれた工事現場の様子や事故は、自然の恐ろしさと雄大さ、それに立ち向かおうとする人間の脆さと強さがすごくリアルに伝わってくる。 中でも泡雪崩の衝撃がやばい。鉄筋コンクリートの建物の2階から上を吹き飛ばし、一つ山を越えて500m以上も先の岩壁に叩きつけるなんて、自然の恐ろしさをほとほとと感じる。 吉村昭さんの本の中で一番好き。最高傑作だと思う。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/仙人谷ダム

    1
    投稿日: 2019.06.24
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    温泉地にある富山県黒部峡谷の隧道(トンネル)掘削に挑んだ技師・男たちの話。自然と人間との闘い。壮絶の一言。昭和15年ごろの話らしい。 黒部峡谷はとにかく雪深く(外国でもあの何メートルも積雪するアルペンルートは有名)、険しい崖に挟まれ雪解け水が氾濫し、人が住むどころか、足を踏み入れることすらできなかった場所である。戦前、その水量を利用してダムを造り、発電所を作るという国策があった。 ところが、その岩盤は温泉が湧くほど温度が高く、170度近くにもなったため、ダイナマイトが暴発してしまったり、工事をする人たちが熱にやられてしまったり、掘削は困難を極めた。さらに冬場には宿舎が泡雪崩という突風のような自然現象で吹き飛ばされ、何百人という犠牲者を出す事故が続く。最終的には滑落も含めて300人以上の死者が出た。 トンネルを掘るということが、ここまで命がけのこととは全く知らず、当時深雪と熱さのなか作業に従事した人々には頭が上がらない気持ちだ。本書は平易な言葉で淡々と読めるが、内容は重く、読んでいると自分も押しつぶされそうに息苦しくなってくる。 黒部ダムには一度行ってみたい。その時には、トンネルを作った人たちを思い出すことだろう。

    1
    投稿日: 2019.06.18
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     吉村昭の小説を読むのは、これで9冊目。これもまた、重厚な作品でした。  黒部渓谷の高熱地帯に隧道を掘鑿する工事を描く記録文学。作者が何を訴えたかったのだろうかなどと考える前に、事実そのものに圧倒される。書き出しの陸軍少尉の遺体発見の場面は、その後の物語の展開を予感させるような緊張を孕んでいる。日本が第二次大戦に突き進もうとする時代背景の下で、この工事現場もほとんど戦場と変わらない。人夫が道具のように扱われ消費される。工事で死んだ人の数をトンネルの距離で割ると4.3メートル当たりに一人の割合で死んだことになるという数字に、愕然とさせられる。  高温の隧道の中で危険な作業を続けることの過酷さもさることながら、鉄筋コンクリートの宿舎を遠くまで吹き飛ばしてしまう泡雪崩など、自然の物凄い力に唸らされる。一方で、ところどころに差し挟まれる黒部渓谷の自然の描写が悲しくなるほど美しい。

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    投稿日: 2019.04.13
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    著者:吉村昭(1927-2006、荒川区、小説家) 解説:久保田正文(1912-2001、飯田市、文芸評論家)

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    投稿日: 2019.03.20
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    黒部第3発電所建設のため黒部の渓谷にトンネルを掘る。 トンネルは温泉の源泉を通り壁の温度は最大165度。 死者は300人を超える。 現代のブラック企業もビックリの佐川組。 正気の沙汰ではない。人を人として扱っていない。 なんとも恐ろしい時代だ。

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    投稿日: 2019.03.09
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    グリグリとトンネルを掘り抜く巨大な円筒、シールドマシンを初めて知ったのはいつだったかなぁ。ある能力に特化した一部分が異様に進化した働く機械が昔から好きで、掘る能力をとことんまで突き詰めたこの掘削機も私にはときめきのアイテム。ちょうどNHK「東京リボーン」第2集の地下特集で紹介された大小のシールドマシンに心躍らされたばかり。そんなタイミングでホントにたまたま読みはじめたこの本には、シールドマシン以前の日本のトンネル工事の凄まじさがあますところなく描写されていた。 「黒部の太陽」の吉村昭版かと思ったら時代が違っていて(昭和11年から14年)、タイトルも比喩だと思ったら「高熱隧道」そのままだった。つまり最高で160度にも達するあっつい地中を、人間がダイナマイトとツルハシとトロッコでひたすらに掘って掘って掘りまくるのだ。本当に高熱のトンネルなのだ…。 このトンネルは黒部渓谷に建設されるダムの工事用資材を運搬するために掘削された。ここにダムを作って電源を確保するのは、軍需生産のため国としてどうしても必要だった。地帯にこんな高温の層があることは予想外で、でも莫大な金をかけて始めた工事だから中止に踏み切れない。また技術者たちが優秀なものだから、この難工事を乗り越える工夫を次々と編み出してしまう。これって戦争の泥沼にはまって抜け出せなくなる中、優秀な技術者たちが零戦とかを開発していった話ともシンクロする。日本の技術者は優秀だけど、それが時として引き返すべき物事を推し進める結果に繋がってないか?「プロジェクトX」を礼賛する気持ちにふと影が指す。 「東京リボーン」によると、そのトンネルを掘るためだけに特化したシールドマシンは、役目を終えるとそのまま地中に取り残され、その数は1000にもなるという。トンネル工事で死んでいった人夫たちは、この「高熱隧道」の話の中だけでも300人。人夫たちの姿が地中に残されたシールドマシンに重なる。技術者たちはダイナマイトで引きちぎれた人夫の身体をかき集めることまでするが、それは人間の情というよりも、人夫という掘削機械を上手く動かすため。地中に残しても賠償しなくて済むシールドマシンに進化したのは、「命」のコストが高くなったからだろう。

    6
    投稿日: 2019.02.24
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    序盤に出てくる「おれたちは葬儀屋みてえなもんだ」「遺族のことは決して考えるな」とか、発火事故での「みんな諦めろ。仏ばかりだ」とかには、ドキッとしたが、これが通底するテーマ。 後半の二度の「泡雪崩」を含む各ハプニングでの、人夫(作業員)らのとまどいをどう納めるか、どう工事を進めさせるかという技師たちの人間模様(たとえばご遺体の取り扱い、あるいは「演技」?までも)が心を打つ。 あるいはまた、結局遺族らの泣き叫ぶ姿や、追加で見つかった遺体の取り扱い等をめぐり、技師と人夫の関係が崩れていくというのと、一貫した描写だとも思う。 その他にも、自然との闘い(高熱ぶりや泡雪崩における「専門家」の無力さ)とか、 「貫通」へのロマンないし熱狂(競争や嗚咽)とか、 建設事業を進める上で必要な「神経の強さ」等、訴えてくるものは多い。 泡雪崩の一回目のこと含めて、史実とは異なるフィクションもないわけではない。が、個人的には、曽野綾子の『無名碑』並みに印象に深く残る「土木小説」になりそうである。

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    投稿日: 2018.12.31
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    【読了メモ】初めての吉村昭作品。お風呂に浸かりながら読んでいるとゾッとしてきます。黒部第「3」ダム工事、戦中のお話です。

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    投稿日: 2018.12.22
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    黒部第3発電所のため黒部の山奥の渓谷の壁にトンネル掘る話。 まず、日電歩道をとおってなんどもなんども行ったり来たりしているのがすごい。あの時代に。あんな細いところを何度もなんども、何かあるたびに宇奈月に戻って、また阿曽原までいって。。。気軽に行き来する場所じゃないと思うんだけど、まあ仕事だからなー。 そして、私にとってはいつか歩いてみたい憧れの日電歩道だが、これだけ人が亡くなっているのを読んでしまうと、ちょっとこわっ。 そしてこれが一番感じたことだが、あとがきに解説者が「自然と人との闘い」が描写されていてすごい的なことを書いていたけどなんか違うんじゃないかと思った。確かに、高熱の岩盤と、雪崩と。。自然との闘いには違いないが、私は、自然と人との闘いがメインのテーマとは受け取れなかった。 この本の、私が思うメインのテーマはそうではなくて、労働者(人夫)と雇用者の気味の悪い関係性が1番のテーマだと思った。最後の方なんて特に、突然気味の悪さが急にエスカレートしてきて、悪夢をみているような感覚。 ロシア革命とかって、資産家側はきっとこんな気持ちで、最後襲われたりしてたんだろうなと思ったりもして、気味が悪い。 とにかく一度あそこを歩いて、この本を思い出してみたい。

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    投稿日: 2018.11.22
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    「『黒部ルート』2024年に一般開放へ」2018年10月17日発表のこのニュースに触れて、Twitter で @Simon_Sin さんが紹介してくださっていたのがこの「高熱隧道」でした。戦前〜戦中の、土木工事がまだ人力と火薬の発破(はっぱ)で行われていた時代の様子が詳細に描かれていて、大変興味深く読みました。開放されたあかつきには、ぜひ本書を片手に現地を訪れてみたいです。 自分用メモ:人夫の読みは「にんぷ」。それを取りまとめるのは、人夫頭「にんぷがしら」。ふりがなが見当たらなかったので。

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    投稿日: 2018.11.02
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    黒部第三発電所――昭和11年8月着工、昭和15年11月完工。人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。犠牲者は300余名を数えた。トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する異様な時空を、綿密な取材と調査で再現して、極限状況における人間の姿を描破した記録文学。(裏) タイトルや本文中の描写に反し、うすら寒い感覚を覚える一冊。 人対自然。使う者対使われる者。 主人公に据えられた技師の圧迫感が伝わるような、重い小説でした。

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    投稿日: 2018.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昭和10年頃黒部渓谷上流の仙人谷から下流の阿曽原谷付近の水路・軌道トンネルの掘削について、工事過程をベースに描かれた物語。阿曽原谷側から掘削を進めるにつれて上昇する岩盤温度。熱気。冬季も作業を進めるために起こる、谷での雪崩。全工区での死者が300名超のところ、佐川組請負工区で230名。非常に厳しい環境でトンネル工事が進む様子が叙述的に描かれている。 いっそトンネルなど開通してほしくなかった。 とは言いつつ、いつか水平歩道と下ノ廊下を歩きたいと思う。 三ノ輪の吉村昭記念館オススメ。

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    投稿日: 2018.06.10
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    黒部第三発電所の建設に伴うトンネル工事を扱った作品。想像を超えた自然の驚異と、次々と起きる事故の酷さ、そして現場監督、作業員たちの苦労に圧倒されつつ、一気に読んでしまいました。 太平洋戦争に突入寸前という当時の時代状況もあったのでしょうが、仕事に賭ける人々の執念というものも、すごいものだと感じ入りました。 黒部ダムにはまだ行ったことはないですが、見学する前に読むことができてよかったと思います。

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    投稿日: 2018.02.06
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    行きたい行きたい!と思いながらまだ行けていない場所、黒部ダムに行く前に再度読むとまた面白いだろうなぁ。 黒部の山に発電所を作るため、トンネルを掘る話。この頃は人の命の重さが軽かったのだな。お金のために多くの人夫の命が失われた。計画者である、技術者との対比も興味深い。 トンネル内高熱、爆破事故、雪崩で宿舎崩壊など様々な困難があり、無謀とも思える計画でそれでもトンネルを掘るんだという、未知の物に挑戦していく技術者とお金のために危険を承知で実行する人夫。 【学】 黒部第三発電所建設工事昭和十五年十一月二十一日に完工 犠牲者三百名を越えまたこの建設工事を計画、指導した日本電力株式会社はこれを最後に解体された

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    投稿日: 2018.01.18
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    初読みの著者。同時進行で読んでいる加藤文太郎伝記のフィールドである立山連峰の中で、実際の黒部第三発電所工事を題材に、日本が戦争に突き進む中で超法規的に行なわれた熱湯吹き出る隧道工事の過酷さ描く。ホウ雪崩という初めて知る自然災害。登山者にとっても雪庇は恐るべきものだが、このような現象に驚きを禁じ得ない。

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    投稿日: 2018.01.07