
総合評価
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powered by ブクログ田舎の人たちとの触れ合いという題材だと、心温まるような物語が展開されるんじゃないかと安直に考えてしまっていたが全く違った。 舞台は昭和初期の浦安(作品の中ではもじっていたが。)、およそ善良とは言えない人々とのあまり心は温まらない触れ合いが描かれている。 こういう前にも悪にも分けられないむき出しの人間が描かれる作品は面白くて好きだ。
0投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログ「青べか物語」名前と舞台が浦安だということは知っていた。青く塗ったのり採り用の船、べか船。「べか」は床を押すと「ペコペコ」いうくらいの薄い板で作ってあることから、「ぺこ」がなまって「べか」のなったのだという。そんな船の廃船を高く(修理費含め)売りつけられ、浦安の海に浮かべての漁師との関わり合いが昭和の匂いを奏でる。男女関係は元禄時代(いや平安時代か)を彷彿とさせる。そんな頃から在日コリアンはエネルギッシュだったのであるよ。東京ディズニーランドのカヌー漕ぎなんかも青べかでやれば、浦安の伝統が残せたのになぁ~
0投稿日: 2024.12.25
powered by ブクログ田舎の人間を生々しく描いた小説は初めてかも知れない、自己中心的で、他所者に興味がなく、せこく狡く生き、上辺だけの優しさで他所者に接する態度など 後書きにもあった通り、先生の言葉が殆ど全く記載されていないという点も印象に残る 30年後の再訪、誰も自分のことを覚えていない 非ユークリッドの定理 平行線は交わらない しかし無限大の空間においては相交わる 世間が広大であるからこそ、それぞれの座標をもった三人がめぐりあう機会も生れる 〜しており ではなく 〜してい という表現
0投稿日: 2021.12.02
powered by ブクログ山本周五郎 著「靑べか物語」、1964.8発行。著者は大15春、浦安にスケッチでぶらり訪れ、風景が気に入って3年過ごしたそうです。数えの23から26迄。この作品は浦粕(浦安)という根戸川(江戸川)下流の漁師町を舞台にした物語です。著者若き日の体験を小説風にアレンジされてます。青べかってなんだべと思いつつ、浦粕に住むたくましい男たち、女たちの暮らしぶりにぐいぐい引き込まれていきました。さしずめ昭和の初めのディズニーランドのようですw。体も心も素っ裸な女性が印象的です。短編連作、ある意味、異色作品だと思います。
0投稿日: 2021.03.07
powered by ブクログこれはなかなか味わい深い物語である。 しかし、著者の他の作品と同様な「小説」を期待すると肩すかしを食らうかもしれない。 大正末期~昭和初期が時代背景と思われるが浦安近辺の漁師町に数年滞在した「私」の日記のような物語で、当初その「私」は当然、山本周五郎その人であろうと読み進めるのだが、そうではないらしい事が少しずつわかってくる。 この変の微妙な読者の心理変化が独特な感覚を味あわせてくれる。 昭和初期なんて、もちろん私自身は知らない。 しかし、その頃の郷愁やノスタルジーはなんとなくわかる。 今、三丁目のなんとかとか昭和三十年代がもてはやされているけど、いつの時代でも昔を懐かしむ事は繰り返されていたんじゃないだろうか。 この「青ベか物語」も、「私」が感じた当時の町の住人たちの生活ぶりを書き綴ることによって、読者それぞれが持つ郷愁を味あわせてくれるという独自の小説に仕立てられている。 ちょっと難しいのですが、私のような年寄りには凄く楽しめる本でした。
0投稿日: 2020.04.16
powered by ブクログ山本周五郎氏の自伝的小説といわれる。確かに、一人称の物書きの視点で書かれている。 物語は、江戸川河口近くの地域が気に入って数年移り住んだ「先生」が、現地の人々とのやり取りや生活を描いたもの。手漕ぎボートのようなぼろ船を売りつけられ、それが青べかと呼ばれて地元の子にからかわれる。川岸に絵を書きにいったり、聞いたエピソードを小説に仕立てたりして、ほとんどは実際に著者が体験した実話のようだ。最後に、30年後に同じ土地を訪れてみた感想があり、興味深い。 各小話は3ページほどと短く、独特の言葉遣いにも読むうちに慣れてくる。が、なかなか感情移入もできず、なにしろ地元の人が良く言えばしたたか、悪く言えば隙を見せるとすぐつけこむのに嫌悪があった。当時(1920年代か?)の生活を考えると仕方ないのかもしれないが。 先日読んだ「赤ひげ診療譚」のほうが面白かった。
0投稿日: 2020.01.09
powered by ブクログ読み始めてすぐに、浦粕が浦安、徳行が行徳だとピンときた。 そう思うと、よりいっそう面白かった。 田舎の庶民てこんなだったんだろうなあと身近に感じて楽しい。
0投稿日: 2018.12.25
powered by ブクログかつて短期間滞在した海辺の村での暮らしの日々の断片という仕立てで、その村の雰囲気を醸し出している。 一つひとつのエピソードが、膨らませればそれぞれ小説のネタになる。淡々とした語り口が良い。 後年その場所を再び訪れてみたら、自分の内にある風景はもはや過去のものであったのかという「郷愁」。 読了後、「読み終えたぞー!」という高揚感はないが、しっとりと胸に残る。 タイトルの、青く塗られた「べか船」が何故にその土地の子ども達にそんなにも嫌われていたのかの謎解きがないのが意外だった。
0投稿日: 2018.12.20
powered by ブクログ「さぶ」に続いて読みました。庶民の生活が、垣間見れて面白く読めました。私自身が、大阪の漁師町育ち故、なんだかこんな人がいたような気がすると思わせる部分が多々ありました。
0投稿日: 2016.06.21
powered by ブクログ売れない小説家の「私」は浦粕町という海辺の田舎町に住み着く。そこで「青べか」と呼ばれる舟を老人から買い取った(表題の由来)。「私」が観察した狡猾であったり粗野であったり愉快であるが、通底して素朴な町の人々の生活や出来事が語られていく。 町の人々たちのおおらかな性の話がたくさんあって面白い。あまりに直接的な表現は伏せ字にしてあったり、婉曲表現にされている。「SASE BAKA」とか。 こういう庶民の生活と人情の機微について語らせるのが山本周五郎は本当にうまい。淡々とした風景描写も良い。
0投稿日: 2015.07.06
powered by ブクログ「蒸気河岸の先生」と呼ばれている主人公(筆者)が、芳爺というおじいさんに出会い、舟を買わされてしまう章で私が驚いたのは、主人公の台詞がないということ。 確かに芳爺と言葉を交わしているのに、主人公は、 私が答えると、とかそれだけ。なんと答えたのかこっちが想像しなくてはならないから最初は戸惑った。 けれど、最後の解説を読んでみると、なるほどと思った。 舞台は架空の場所。そこに住む人たちは、意地汚い人や、美しい人、博打や性行為のことしか頭にないような人まで(大半がそうなのかも)居て、村の中で様々な人間模様が繰り広げられる。方言が少し使われていて、辞書を引きつつ読んでいった。それもまた楽しかった。 女も男も汚い言葉でお互いを罵倒しあったり、そんなシーンが非常に面白い。 読んでいて、声が聞こえてきそうなくらい、とてもリアルだった。 リアルに感じる分、人の、切ない場面ではとても胸を打つ。 久しぶりに夢中になって読めた物語だった。
0投稿日: 2015.04.15
powered by ブクログ浦粕での日常と様々な人々の物語であり、東京のごく近くでもこのような光景があったのにはなかなか想像がつかなかった。千葉・浦安にいた作者はどこまで実際の人を描いたかわからないが、にくめない「留さん」はモデルの人がいたと感じた。
0投稿日: 2014.11.27
powered by ブクログ日本という国が、まだまだ青年だった頃の姿がある。なんだかまぶしいくらいだ。「芦の中の一夜」はお芝居を見ているようで切なくてほろっときました。「今日はいいおひなみですね」って。老船長の悲恋物語です。映画もよかったけどなかなか見られないと思います(/ー ̄;)
0投稿日: 2014.09.08
powered by ブクログ浦粕町の、決して上品ではないが懸命に生きる人々の姿がよかった。 特に好きなのは「家鴨(あひる)」の章である。増さんが自らの行いを悟ったところが、すごくよかった。
0投稿日: 2014.08.19
powered by ブクログ時代小説のようでその実は、筆者:山本周五郎が住んだ、昭和初期の浦安と、そこに暮らす人々のスケッチ。 方言もそのまま、生々しさもある。 時代も生活様式も変われど、庶民の噂好きと、女の逞しさは不変なのだなと。
0投稿日: 2014.07.13
powered by ブクログうらぶれた漁師町に訪れた主人公が、およそ常識とはかけ離れた住人たちの生活を描く小説。住人たちはとてもずる賢く人をだまして儲けようとするし、そうかと思えばとても素朴だったりする。愉快。
0投稿日: 2013.12.15
powered by ブクログ解説ではノンフィクション風フィクションだとあったが、昔の日本はこういう感じだったのではないかと感じる程、人間臭いお話で面白かった。
0投稿日: 2012.12.26
powered by ブクログその集落に住んでる人たちや関係のある人たちの事や出来事を 作者の目線で綴った短編集なのですが、まぁ読み難かったこと! 方言なんでしょうか? 訛りそのままセリフに書いてあるので、慣れるまでホント読み難い。 しかしながら慣れてしまえば、なかなか面白く興味深く読めました。 教育も薄く無知な人々。 昔ってどこもこんな感じだったんだろうなぁ・・・。 決して誰もが幸せなわけではないのだけど、 ただその日を一生懸命生きてる感じが印象深かったです。
1投稿日: 2012.08.14
powered by ブクログ余所者である私が「蒸気河岸の先生」として浦安の町を訪れ、住人たちの物語や3年間にわたる彼らとの触れ合いを描く。狡猾だがしかし質朴な個性あふれる町の住人たちの克明な描写が秀逸。徹底して部外者としての視点を貫き、冷静に回顧している点が特徴的である。
0投稿日: 2012.01.08
powered by ブクログ田舎というか昔の時代というか 浦安ならではの土地柄?を存分に楽しめた。 どれも綺麗とは言えないような話ばかりだけれども、人間味のあふれた 周五郎ならではの作品
0投稿日: 2011.11.27
powered by ブクログ会話の中で、相手のセリフが省略されていて、筆者のセリフから、何を聞かれたのか、推測するという趣向が特徴的。
0投稿日: 2011.09.03
powered by ブクログ山本周五郎氏は有名だし、母も好きな作家だし、家にも何冊か本があったのにもかかわらず今まできちんと読んだ覚えのない作家さんでした。この間読んだ本に浦安市のことが書かれていて青べか物語にも触れていたので、ふと読んでみようと思い立ちました。 面白いけれどどこか物悲しい。さみしいお話なんだけれどもどこか滑稽。土地に根付く人とそこにやって来た異郷の人との見えるようで見えない、見えないようでしっかりと存在する境界線のような物を感じました。同じ国で同じ言葉を話していても異郷と言うのはこんなにもさびしいものなのか。文化や常識はこれほど違うものなのか。 ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの そんな詩を思い出しました。 (そして作者を覚えてなかったので検索してみたら室生犀星だそうで。一発で出てきました。便利な世の中になったなあ)
0投稿日: 2010.12.22
powered by ブクログ50年ほど前の日本の村はこんなだったんだろうなぁ と興味深く読みました。古き良き昔 というけれども、昔の人は昔の人で貧しい中一日いちにちを一生懸命生きていたのだ、決して昔が良かったわけではないのだ と思った。今の日本人よりも したたかで貪欲で、そして生命力にあふれていた。それはどれも今の現代人に足りないことなのではないだろうか。
0投稿日: 2010.07.22
powered by ブクログご他聞に漏れず、あのラジオ番組聴いて猛烈に読みたくなり購入。 大変良かったです、でもラジオの解説のほうがもっと面白そうだった。いいなあ昔の作家の昔の物語り。
0投稿日: 2010.05.21
powered by ブクログ作者が青年時代に過ごした村をモチーフにした、漁村で営まれる人間模様を描いた短編集。 どの話も衝撃的ではあるけれども、 視覚的に凄まじそうなのは「白い人たち」、 心情的に計り知れないものを感じたのは「家鴨」。 「留さんと女」はこの作者の他の作品にも共通する、 きれいごとは言ってはいないけれど、 「がんばんなきゃな」と感じさせるものの 代表だと思った。
0投稿日: 2010.03.13
powered by ブクログ俗っぽくて,下品で,たくましいと言うよりは粗野で,そんな人々のあからさまな暮らしぶりがなかなか頭の中に入ってこないが,でも,そんな生活に打ちのめされながらも彼らを受け入れるところがやはり懐の深さを感じる。苦しみつつ、なおはたらけ、安住を求めるな、この世は巡礼である。
0投稿日: 2007.06.02
