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柳橋物語・むかしも今も
柳橋物語・むかしも今も
山本周五郎/新潮社
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総合評価

36件)
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    「山本周五郎」の中篇時代小説を2篇収録した『柳橋物語・むかしも今も』を読みました。 ここのところ「山本周五郎」の作品が続いています。 -----story------------- 過酷な運命と愛の悲劇に耐えて、人間の真実を貫き、愛をまっとうする――。 一途な愛を描き、永遠の人間像を捉えた感動の二編。 幼い恋心で男との約束を交わした「おせん」は、過酷な運命に翻弄される。 「おせん」を愛する「幸太」は、命をかけて彼女を守り抜く(『柳橋物語』)。 周囲の愛情に包まれ何不足なく育ったまきに降りかかった夫の裏切り。 密かに慕う直吉は愚直なまでにまきに尽くすが(『むかしも今も』)。 一途な愛の行方を描く、下町人情溢れる感動の傑作二編。 ----------------------- 1946年(昭和21年)1月から3月まで雑誌『新青年』に発表された『柳橋物語』と、1949年(昭和24年)6月から8月まで雑誌『講談雑誌』に発表された『むかしも今も』が収録されています。  ■柳橋物語  ■むかしも今も  ■解説 奥野健男 研ぎ師「源六」の孫娘「おせん」は、上方へ行くという幼なじみの大工の「庄吉」から愛を打ち明けられた… 「おせん」は、帰って来るまでお嫁にゆかないで待っていてくれるかという「庄吉」の言葉に、「待っているわ」と自分ではなにを云うのかわからずに答えていた、、、 ある一瞬の決断が、たった一言が、その人の人生を決定してしまう… 運命の分岐点を見事に描いた辛く哀しい作品『柳橋物語』。 「直吉」は、幼いころ両親に死なれ、九つまで叔父に育てられたが、叔母からのそのそしているといって折檻された… 指物師「紀六」に奉公したが、一生懸命に働いてもそこでも兄弟子たちから、化物面だ、愚図だと、ひどい言葉をかけられた、、、 こういう状態の彼を救ってくれたのが、おかみさんの「お幸」だった… 愚直な男の、愚直を貫き通したが故の幸せを描いた心和む『むかしも今も』。 いずれも、過酷な運命や愛の悲劇に耐えて、真実を貫き愛を全うしようとする江戸庶民の人情が描かれており、読んでいてしんどくなる部分もあるのですが、「おせん」や「直吉」の人生が、どうなっていくのか気になってページを捲る手が止まりませんでした。 特に『柳橋物語』の「おせん」は地震、火事、祖父の死、自分を愛してくれていた「幸太」の血の出るような告白と死、記憶喪失、水害、飢饉、世間の誤解による冷たい目… 等々、さまざまな災害や運命のいたずらに翻弄され、辛いことの連続、、、 でも、それらの困難を乗り越えた「おせん」が、「幸太」の愛に気付き、火事の惨禍の中で出会った「幸太郎」への愛情に生きることを決意し、自分のことを理解できなかった「庄吉」に対して精神的に勝利する結末は見事でした… 誰も悪くはないんですけどね、みんな自然の運命に翻弄されたんですよね。 人は何を信じて、どう生きるべきなのか… 考えさせる2篇でした。

    0
    投稿日: 2024.01.04
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    初めての山本周五郎。「柳橋物語」「むかしも今も」の2篇。 「柳橋物語」が宝塚の「川霧の橋」という演目の原作ということで手に取りました。丁度月組新トップコンビお披露目が博多座で公演してるところ。 「柳橋物語」 庄吉が上方へ発つ前におせんに言った「待っていてくれるか」という言葉は呪いのようにおせんを縛り付けて、本当におせんを愛してくれていた幸太を遠ざけてしまった。それでもつらい思いをしながらもおせんが生きてこられたのは、庄吉を想う気持ちあってのことで、庄吉も決して悪人というわけではなく、人生ってタイミングとめぐりあわせだなぁ…っとしみじみしてしまった。最後はおせんが幸太の真の愛情に気付いてくれてよかった。喪ってから気付いたというのがなんとも切なくて泣けるけど…。幸太がまたいい男なんだわこれが。 「むかしも今も」 直吉がもはや聖人レベルで良い人すぎた。でも、周りにかけた情はちゃんと直吉に返ってきて、情けは人の為ならずだなぁと思いました。柳橋とは違い、直吉のまきに対する献身的な愛情は実を結び、幸せな未来を思わせる結末には心が和みました。

    3
    投稿日: 2021.10.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

     江戸時代中期、17歳のおせんは幼なじみの大工の庄吉から「上方へ修行に行くが、戻ってきたら一緒になってほしい」と告げられ、思わず「待っているわ」と答える。庄吉には恋敵がおり、同じくおせんと幼なじみの幸太も彼女を嫁にほしいと思っていた。  翌年、江戸の町を大火が襲い、逃げ遅れそうになったおせんを助けに来てくれたのは幸太だった。燃えさかる火の中を逃げまどい、とうとう隅田川の川岸に入るが、幸太は「おまえだけは何としても守ってみせる」と言い残して精根尽き果て溺れ死んでしまう。無事に生き延びたおせんは大きなショックを受けて記憶を失い、炎の中で置き去りにされていた赤ん坊ともども親切な夫婦に引き取られる。  関東大震災、東京大空襲を経験した著者の描く火事の情景があまりにもリアルで、刻一刻と迫る火の手がとても恐ろしく感じる。また、庄吉の求婚を受けたこと、赤ん坊を拾ったことでおせんの人生は大きく変わってゆき、一瞬の判断が彼女の運命を狂わせたことが冷徹に描かれていく。    艱難辛苦を乗り越えて庄吉と結ばれる物語かと思いきや、上方から戻ってきた彼はおせんが幸太の子を産んだという噂を真に受けて彼女を信じなかった。しばらくして庄吉が別の女と結婚したことを知り再び正気を失ったおせんは、友人のおもんと子どもと3人で暮らすうちに徐々に回復し、本当に自分を愛してくれたのは幸太の方だったのだと思い知る。   読んでいて涙が出てくるほど悲しい物語だが、何度も災害に遭いそこから立ち上がる江戸の人々を実際に見ているようなリアルな描写で、日本人はずっと自然災害と共に生きてきたのだという連綿とした繋がりを感じる。どんなにつらい時もじっと辛抱してひたむきに生きるおせんの姿がいつまでも心に残る。

    0
    投稿日: 2021.09.29
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    江戸時代のラブストーリー。不運な境遇にあっても、素直に一途、人情味にあふれる人達。思い違いからの行き違いにもどかしく、悲しくなるけど、悲恋かと思いきや、最後は純愛に変えたおせんの強さに感動。

    0
    投稿日: 2020.08.31
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    高校の時の課題図書だった。当時ひねたガキやったはずやのに号泣した。宿題の感想文が書けなかった。書けない理由を原稿用紙に綴った。今の僕の国語力では書き表せません、いつか文章でこの感動を書き表わせるよう、これからいっぱい本を読もうと思います、と。 今大人になって読み、今だに書けない自分がいるけれど、それが周五郎の大きさなんだと素直に思う。心にただ刻むべき作家なんだ。

    1
    投稿日: 2017.10.05
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    江戸庶民の生活。 つましく善良な人が報われるとか報われないとかそういう単純な勧善懲悪さではなく、諦めではないけど「まあそういうものなのだよ」ということが書かれているように思った。

    0
    投稿日: 2017.03.14
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    昭和二十年代の作品なので、現代の小説より重くて、読んでいて苦しくなります。それでも心が洗われる思いを得られるのが山本周五郎作品の良さだと思いました。 柳橋物語のほうは、最後にも救いがなくてどこまでも悲しくなりました。 おせんは優しい子だと思いました。幸太郎をどこまでも見捨てないし、不幸に落ち込む友人にも優しい。いつか幸せになって欲しい人物です。 むかしも今も、のほうは、最後に救いがあってやっとほっとします。1冊にまとまったこの本の最後がこちらで良かった、と思いますね。 どちらの女の子も、どうしてそんな男のほうを選ぶのか……、という残念感。 大事なことは目に見えない、そんな教訓が籠められているように感じます。

    0
    投稿日: 2017.03.11
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    「柳橋物語」と「むかしも今も」の2つの話。 正直にまっすぐ生きる主人公、興味本位で悪い噂を流す隣人、相見互いと親身に世話をしてくれる他人、江戸の自然災害と飢えと病気、愛する人との心のすれ違いと、かなり重い気持ちになる話でした。 ここまで不幸にしなくても良いのに、と、読み進めるのが辛くなる事がしばしば。 でも、不幸になって初めて見えてくる事もある。不幸を味わったからこそ、主人公は幸せを感じる事ができた。 「人間は調子のいいときは、自分のことしか考えないものだ」 「自分に不運がまわってきて、人にも世間にも捨てられ、その日その日の苦労をするようになると、はじめて他人のことも考え、見るもの聞くものが身にしみるようになる」(P-51) 源六爺さんの言葉が沁みました。 そんな言葉がある一方、赤子に対するセリフが赤ちゃん言葉で、 「ああいい子でちゅいい子でちゅ、ああちゃんいい子ね、はい召し上がれ」 とか、引いた。

    0
    投稿日: 2016.02.20
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    L 2編。どちらも最後に号泣もの。 しっかり自分で理解して納得して先に進めるようになるまで、時間かかりすぎだろ! 柳町物語 若さゆえに間違ってしまったのか。女なら誰しも通る道なのかねぇ。幸太郎には立派な大人になっておせんを敬ってあげてほしいね。 むかしも今も さぶ、は山本作品だったか。そんな感じ。自分の境遇を誰よりも自覚しているからこその謙虚さや一生懸命さ。誰しも自暴自棄になるところを耐えているのだから本当に強いのはキミだ!みたいな。幸せになることは簡単ではないんだな。

    0
    投稿日: 2015.12.29
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    中編2本、どちらも素晴らしい。 そしてどちらにも共通するテーマは、天災と究極の愛。 特に柳橋物語。まだ幼いおせんが結んだ結婚の約束。 火事、水害、どんな災難もその約束を支えに乗り越えて来た、おせんがようやく再会した契りの相手の言葉。 そして彼女が知った愛の苦しみと本当の意味。 これこそまさに、究極の愛。 二つ目の「むかしも今も」も心温まるお話で、どちらも読み終わった後目に涙を浮かべてしまった。 心が浄化された。

    0
    投稿日: 2014.07.18
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    久しぶりの山本周五郎。 中編2本という珍しい構成。 前半は何ともやるせない。 でも彼女が不幸かというと,意外と本人は幸せなのかもしれないなあと思ったり。

    0
    投稿日: 2014.05.22
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    戦後の山本周五郎の江戸下町作品。 「柳橋物語」と「むかしも今も」の2作品です。 「柳橋物語」は主人公おせんの悲しい半生が描かれ、なぜここまで…、という感じがします。その人生の分かれ道となったのが、短い時間に庄吉と交わした約束から。その約束を守りとおしたが故の運命。登場人物のだれが悪いわけでもない。環境と巡り合わせにより逆らうべくもなく悲しい人生に落ちていくおせん。その中で、精神的な愛が描かれています。 「むかしも今も」も愚直な直吉の人生を描いたもの。最後まで読むとなんともいえないあたたかい感情が湧いてきます。 やっぱり山本周五郎の作品はいいです。 書評より 「作者は問うている。愚直さまで一途であり、一旦きめた約束を守り通そうとすることは、くだらないことであろうか。世俗的に見てたとえばかと思われようとも、そこにこそ人間の他の動物とは違う尊さがあるのではないかと。」 本文より 「『この頃の職人はなっちゃあいないよ、爺さん、一日に三匁とる職人が逆目に鉋(かんな)をかけて恥ずかしいとも思わない、ひどいのになると尺を当てる手間を惜しんでおっつけて鋸を使うんだ、そのうえ云いぐさが、そんなくそまじめな仕事をしていたら口が干上がってしまうぜ、こうなんだ』 『それは今にはじまったことじゃあないのさ』と源六は穏やかに笑う、『…どんなに結構な御時世だって、良い仕事をする人間はそうたくさんいるもんじゃあない、たいていはいま幸さんの云ったような者ばかりなんだ、それで済んでゆくんだからな、けれどもどこかにほんとうに良い仕事をする人間はいるんだ、いつの世にも、どこかにそういう人間がいて、見えないところで、世の中の楔になっている、それでいいんだよ』」 「『人間は正直にしていても善いことがあるとはきまらないもんだけれども、悪ごすく立ち回ったところで、そう善いことばかりもないものさ』」

    1
    投稿日: 2013.06.26
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    ひたすら不幸なおせんちゃんが主人公の柳橋物語。 最後にキリっと強い女になって良かったヽ(;▽;)ノ

    0
    投稿日: 2013.06.22
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    「柳橋物語」 女の人生、何があるかわかりません。 でも、愛や情は必要であろうと強く感じさせられる本。 それがあっても、楽ではないけれど…。

    0
    投稿日: 2012.10.24
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    ベタな人情話だが、ヤられた。 2篇とも、主人公のひた向きな生き方や、人々の情けに胸がしみる。 たとえ貧しくとも、自分が今できることに惜しみなく力を注ぐ。その打算のない生き方は苦労もたえないが、誰をも責めることも恨むこともなく歩を重ねる。大仰ではなく、ただ当たり前のように人に気遣いを見せる姿は真情があふれ、味わい深い。 雨後の青空に対面したようにホッとできる一冊。

    0
    投稿日: 2012.10.14
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    舞台は元禄時代、江戸の下町。 上方へ旅立つ幼なじみの庄吉に想いを告げられた17歳のおせんは、胸を焦がしながら「待っているわ」と答えた。その後、江戸に残されたおせんを地震や火事、水害などが次々と襲い、おせんは頼るべき人々も失う。うち続く不幸の中で、彼女を奮い立たせたのは庄吉との約束だったが、一方でそれは呪縛ともなっておせんを苦しめていた。 傍目からは「それは違うよおせんちゃん」と言いたくなることばかりなのだが、なにしろ一途でひたむきさが売りのおせんちゃんなので、おかげで随分と酷い目に遭ってしまうのである。そしてかわいそうな幸太と自分勝手で非情な庄吉…。 「むかしも今も」は、愚直な職人直吉の、愚直な人生を描く。 こちらも傍目からは「甘すぎるよ直吉~」と言いたくなることばかりなのだが、できた人間は最後には報われる、ということか。直吉の周りにもいい人ばかりで、人情たっぷりでございます。

    0
    投稿日: 2012.09.26
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    周五郎さんの文庫本はほぼ全て持っているつもりなのですが、調べてみるとやはり何冊か漏れてます。ついでに揃えようと買った本の中の一冊です。 おそらく再読なのですが、周五郎さんにハマったのは結構若いころ。内容はすっかり忘れています。 タイトル通り『柳橋物語』と『むかしも今も』の2つの中編からなる一冊です。どちらも二人の男性と一人の女性の恋を描いた町家物作品です。男性はどちらもキリッとした目端の効く男と、人は良いが少々愚図なその友人。山本さんですから、同然、後者と女性が中心になります。ただ、結末は大きく違います。 それぞれ昭和21年と24年の発表作。周五郎さんで言えば、まだ円熟期前と言えるでしょう。充分に面白いのですが、ほんの少し何かが足りない気がします。 とはいえ、久しぶりに周五郎の世界に浸って、何かホッとしています。

    0
    投稿日: 2012.09.21
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    今回、再読して逆に感じたのは、おせんが決して不幸な境遇だったとは思えなかったのです。 逆にこちらは少数意見かもしれませんね、とりわけ女性読者からはお怒りを買うかもしれません。 私は却って針仲間のおもんの身を持ち崩して行く姿がおせんよりも不幸なように感じました。 というのは、庄吉はこの物語の中ではどちらかと言えば悪役めいた役割を演じてますが、物語の初めの告白から江戸に戻ってくるまで、少なくともおせんに対する愛情は尋常なものではなかったはずだと私は確信しています。 そして男は結構疑い深いというか、本作にあるシチュエーションからして誤解が生じて当然だと思います。 まあそのあたり、作者の力量の確かさでしょうね。 いずれにしても、主人公のおせん、最後にはつつましくかつたくましく生きることを貫きます。 つつましさが“八百屋”を営むことによって描かれているところが作者の優しさなんでしょうね。 たくましさの源は死んだ幸太の愛情だけでなく、冷めきってますが過去の庄吉へのいちずな思いがそうさせたんだなと私は捉えています。 人を愛することって難しいけど素晴らしいことです。 もう一遍の「むかしも今も」 物語に“つき当たり”という言葉が出てきて重要な役割を演じています。 これは直吉とまきとが幼いころに遊んだ場所の名前なのです。 いわば2人の長年の愛情が築き上げられた場所として描かれています。 とりわけ直吉のやさしさは女性読者から圧倒的な支持を受けると思います。 そしてその優しさの根底は誠実さと義理堅さなのですね。 まきが失明した後も献身的に支える直吉の姿が印象的です。 これはなかなかできませんよ。 ラストが少しはっきりせずに読者に委ねている部分のあるのが作者の心遣いだと受けとめています。

    1
    投稿日: 2012.09.10
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    山本周五郎さんの作品は、とても優しい。歴史に名を残す人物の話ではなく、普通に生活する人たちの恋や仕事や友情などを描いている。この人が描く、女性像?というのだろうか?それに憧れた事が、何度かある(笑)

    1
    投稿日: 2012.08.27
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    中編二編。どちらもよかった。貧困や天災やなにか抗いがたい運命によって厳しい道を歩まされる人間の物語。山本周五郎の真骨頂のような二つの物語だった。耐え忍ぶ美とそれでも朽ち果ててしまう美。スポットライトがあたる花が美しいのではなく、その周りに咲く誰にも見向きもされない花にこそ真の価値があると、やはりテーマはそういったところだった。しかし、こういうものを書くときもお涙頂戴にせず、この世の無常と厳しさをきっちりと書き上げ、時代劇ではなく現代にも耐えうるものに仕上げてるあたりが、ただものじゃないなと思う。

    1
    投稿日: 2012.05.21
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    読んでいて、情景が浮かんできて、文章に引き込まれてしまいました。 柳橋物語は、苦しく辛くなってきたけれど、最後におせんが味わった待ってた人が他の人と結婚して苦しい思いをした時に気付いた幸太の想い。 新たな気持ちで前に進むおせんに人の強さを感じた。 今もむかしも 直吉の素直で真面目一辺倒だけれども、芯の強さを感じた。 男性として、顔ではなく心が素敵な人で、まきも目に見えるものより見えない所に本当に大切なものがあるのだとわかった。 えてして、人はおおいに、目に見えるものに惑わされる事がある。 本当に素敵な作品でした。

    1
    投稿日: 2011.12.13
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    全1巻。 短編集。 柳橋物語、むかしも今もの 2本入り。 ・柳橋物語 とにかく不幸続きの女が 最後に見つけた愛。 ・むかしも今も ぐずでのろまで愚直な男が 最後に手に入れた愛。 柳橋物語はとにかく不幸。 読んでて気がめいってくる。 むかしも今ももずっと不幸。 だけど最後少しだけほっこりする。

    0
    投稿日: 2011.12.05
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    昭和39年に初版が出ているので、字が小さい上、印刷が薄く、ぱっと開いて読むのが嫌になるほどだったが、読み出せば、グイグイと引き込まれた。 まっすぐに生きるっていいなとしみじみ思えた1冊。

    0
    投稿日: 2011.11.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「柳橋物語」 読み始めて何となく知ってるようなストーリー。。と思ったら、 昔、宝塚歌劇で見た「川霧の橋」の原作だった! でも幸さんは本当に死んじゃってるのね。。 どこかで生きてるんじゃないか。って最後まで期待したんだけど。。。 切ない。。 「むかしも今も」 最後は鈍くさくてもまっとうに生きた者が幸せになれる。 実際はそうじゃなくても、物語のなかだけでもそうであってくれるとホッとする。 山本一力さんの本のレビューで山本周五郎の作風に似ている。とあったので手を出してみたが、 レビュー通り私好みかも。。 これからも読んでいきたい作家さん1人増えました!

    0
    投稿日: 2011.11.02
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    柳橋物語は読んで、むかしも今もが積読← 学校の宿題で読んだのですが、描かれてる人間の生活がとてもリアルで、日本語も綺麗で面白かったです\(^o^)/

    0
    投稿日: 2011.07.19
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    江戸時代の下町に住む人々を描いたものであり、二つの作品が収められられています。 最初の『柳町物語』を読み終えた時点での感想ですが、あまりにも悲運な定めをもつ主人公おせんのリアルな描写に、思わず顔をしかめる思いで読みすすめていきました。 苦労に苦労を重ねたその中から見出だすことのできる確固たる信念のようなものを感じつつ、女性の真の強さというものを感じました。 二つ目の作品『むかしも今も』は、少し間を空けて読むつもりでおります。

    0
    投稿日: 2011.01.17
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    おせんの心情の変化はともかく(ここがメインな気もするのだけれど) おせんを取り巻く人たちの優しさが本当に心にしみた。 現代日本ではありえない(だろう)。 江戸時代の日本なら、見ず知らずの人に (同じく貧しい人が)援助の手を差し伸べるなんて 普通のことだったのかしら。 当たり前のように親切にする人たちの姿に心を打たれた。

    0
    投稿日: 2010.09.24
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    『柳橋物語』はハッピーエンドを期待して、つらい思いをしましたが、忘れられない作品です。 『むかしも今も』は辛い時期を我慢した主人公にも読者にも、素敵なことが待ってます。

    0
    投稿日: 2009.11.04
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    山本周五郎さんは、文章が上手ですね。ただ文字が並んでいるだけなのに、まるで江戸時代にタイムスリップしたような気分に浸れます。火事の描写なんか本当に経験したんじゃないかと思ってしまう程リアルです。 物語は、おせんという女性がただただ酷い目に遭う話なんですが、前向きに生きていく。これを読むと優しい気持ちになれますね。 それにしても、幸太は本当にいい男だ。自分もこんな人間になりたい。 私は、『さぶ』より好きですね。

    1
    投稿日: 2008.08.24
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    山本周五郎の時代小説がなぜ魅力的なのか。それはその時代を生きる人々の美徳を、本当に美しいものとして書き上げているからだ。分不相応なものを求めない、けれど決して諦めているわけではない。与えられた世界の中で、いかに幸福を求め、五感をフルに使い、人間らしく生きるか。心が豊かであるとはどういうことか、読み返すたびに思い知らされる。

    1
    投稿日: 2007.05.08
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    「柳橋物語」が好きです。本当に感動します。ボロボロ泣きました。こんなに泣いたのは初めてです。こんなにも悲しい、女性が他にいるでしょうか。

    0
    投稿日: 2007.04.02
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    やばい超泣いた。 おせんの健気さに、幸太の熱い想いに、 庄吉の心の弱さに、涙があふれて止まりませんでした。 一緒になっている『むかしも今も』 の直吉の人間性にもまた涙しました。 これぞ山本文学って感じで本当におすすめです!

    0
    投稿日: 2006.06.01
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    山本周五郎好きなのですが、これはイマイチ。だって、辛すぎます。両方共、思いが届いた時が遅すぎると思う。もっと早く気付かなきゃダメなんじゃ…

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    投稿日: 2005.10.09
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    滝田さんが長屋に住む浪人・松村信兵衛役で出演したTVドラマ「柳橋慕情」の原作本。しっとりとした良いドラマでした。

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    投稿日: 2004.10.10
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    柳橋物語の方ですが、悲恋…というのでしょうが、とても悲しくてとても苦しくて、涙が止まらなかった。たしかNHKドラマでやったような記憶が…。ただ私自身は、こんなまどろっこしい恋愛は、ヤです。

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    投稿日: 2004.10.07
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    くらい、暗い。人生への希望を求めて読書する人には暗すぎるだろう。たとえば宮部みゆきの書く下町物に比べて、舞台も語り口も似ているのになんと貧しくてくらいのか。でも庶民のひたむきな姿に、いつか幸せになってと必死に願いながら読み進めてしまう。

    0
    投稿日: 2004.10.01