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powered by ブクログ解説:中 一弥 「……とにかく、池波氏の、文章に乗ってあらわれる男と女の、こまやかな愛情の交わりには、その表現のうまさには、まったくもって頭がさがる。そこには、真を知ってそれを書かず、そして、それ以上のものを読む人の胸に灼きつける、心にくいまでの独特の文章力の持ち主、池波氏の真価がある。私は心からそう思うものである」 この一文に池波さんのすべてが凝縮されている。
0投稿日: 2011.06.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
時代小説。旗本徳山五兵衛の生涯。 腐女子には身をつままされるお話。 夜の生活に満たされない五兵衛は夜な夜な男女の交わりを描いた絵巻を見ているのが趣味。 そのうち自分で描き始め、幕府のおつとめをするようになってからも続ける。 彼は思う。 「こんなものが見つかったら身の破滅」だ。 死後に見つかってもいけない。 一生懸命隠す。だったら絵筆を捨てればいいものを、五兵衛は盗賊捕縛の旅に出た先でも、こっそりと筆を滑らせて、部下に見つかりそうになってあわてたりする。 ・・・・・・この後ろ姿に自分を重ね合わせる人は多かろう。 五兵衛は将軍の身代わりをすることになり、死を覚悟。身辺整理をするさいヤバいもんはみんな燃やす。 無夜は彼のように潔く、秘図(無夜のは小説)を全部燃やせるかどうか。わからない(笑) 無理だろう。 生き残っちゃった五兵衛は悔いる。手本にしていた秘図だけでも残しておくのだった、と。 引退すると余生を傾け、昔の愛人とのそういうのを全部絵巻にして表紙までつけて立派なヤバ絵を完成させ、ご満悦になる。 ラストは、五兵衛の死の直前、妻に「御公儀の密書だから焼け」と命じる。 ところが(笑)、妻は鍵を開けて中身を取り出しておいて五兵衛の前で空箱を焼く。妻が死ぬときに「お父様から預かった御公儀の密書だから焼いてね」といって焼かせてから息を引き取る。これにも鍵がかかっていたのだけれど、息子はやっぱり死ぬときに鍵のかかった箱を息子に託して同じように焼くように言う。で、五兵衛の孫にあたるこの子は名前もずばり五兵衛の幼名「権十郎」なのだった。 五兵衛の裏形見。いつまでこっそりひっそり受け継がれるのやら(笑)
0投稿日: 2011.05.25
