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三浦老人昔話 岡本綺堂読物集一
三浦老人昔話 岡本綺堂読物集一
岡本綺堂/中央公論新社
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総合評価

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    さて、僕の大好きな作家「岡本綺堂」の作品だ。 綺堂と言えば「半七捕物帳」東洋のシャーロックホームズと呼ばれだが、確かに本格推理も有るが、比較的に謎解きそのものは安易なものが多い。それでも、怪談風味・サスペンス・ミステリーなど作風が色々あり、飽きさせない。 また、すっきりした文章が特徴で読後感も、爽やかで、読んでも読んでも飽きが来ない。 そんな半七の知人である三浦老人の昔話。 面白く無い理由が無い。ちなみに捕物帳とは、また別な話。 中央公論社より岡本綺堂読物集の1巻として出版された読物集が全部で7巻、これからが楽しみだ。 ただ残念なのは、「半七捕物帳」は光文社文庫から全巻出版されているが、当時の風俗など今では廃れて判らなくなったものや用語などを、しっかり注釈がついているので、物語をスムースに読むことが出来るけど、中公文庫は注釈が無いので、解らない言い回しや例えなどを自分で調べなくてはいけない。 まぁ分からなくても、雰囲気で読めるけど、やっぱりその辺の心遣いが欲しいよね。

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    投稿日: 2024.11.21
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    岡本綺堂「三浦老人昔話」は捕物帳の話をしてくれる半七老人の友人、大久保に住む三浦老人が語る昔あった話。今の世の中は新しい話ばかりが溢れている。昔の面白い話を老人から聞くようなことも無くなってしまった。ネット登場以降でほぼ全滅である。明治の頃に老人から聞く話は江戸期のこと。半七捕物帳で語られるミステリでもなく青蛙堂鬼談で語られる怪談話とも違う、それ以外の因縁話や人情話、ちょっとしたエピソードである。武家の奥様がご贔屓の女形役者を内密で下屋敷に招くが恐ろしいことに…「下屋敷」。江戸時代の藩主や旗本の家は家族の住む上屋敷、隠居などが住む中屋敷、蔵屋敷とも言われ荷物を置くための下屋敷に分かれる。「むかしの大名や旗本の下屋敷には色々の秘密がありましたよ」旗本大久保家の小石川巣鴨町にある下屋敷での話。怖い、怖い!更に、狂気なのか祟りなのか本所の置いてけ堀の因縁話「置いてけ堀」、母の病を治す人参を買うために身売りした姉、しかし母の命は助からず、そのうえ姉も失った弟の怒りが暴走する「人参」など。こうした話を年長者から聞くこと自体が昔話になりつつある。更に今のおじいちゃんが話す昔の話が世代的にバブルの話ではあまりに軽い。

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    投稿日: 2022.06.04
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    ふとしたきっかけで陥ってしまう狂気と、それに巻き込まれる理不尽。とても異様に思えるのに、それを自然に描いてしまうとこが怖いのですが、そういうものに自分が行き合ったら普通の反応しちゃうのものなのか。 時代小説って…宮部みゆきかしゃばけか壬生義士伝しか読んだことないと思うのですが…武士と町人の普段のくらしの中の境界やら折り合いの難しさが実際的とゆーか身につまされるとゆうか。あちゃー、と言いたくなるとゆうか…武士って大変なんだなぁ。 春色梅ごよみ。 同情の涙でした…お近さん、かわいそーで。今ならさしずめ運動部に青春かけてた子が、引退してこれまでと違う友達からやおいの世界を知り自分でも書き始め受験に差し障りが…てなくらいでしょうが、江戸時代の武士の家だったばっかりに…涙。現代日本ってほんと素晴らしいですね。 きっと今の日本のこの溢れ返りっぷりは、過去涙を飲んできた人々の上にたっているんだろなぁ、ととおいめ。かくいう自分も、きっとかつては地方の農民で活字に飢えてた口だと思ってます。 下屋敷。 事件は上屋敷で起こってんじゃねぇ、下屋敷で起こってんだ、ばりな。いや、まじでその役者どうなったのか。出してくれたよね。

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    投稿日: 2019.12.31
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    江戸を舞台にした短編小説集。なんてことのない、実際にどこかにありそうな、だけれどもなかなかないだろうなあと思える物語の数々。一見喜劇に思えることが当人にとっての悲劇であったりだとか。そこに描かれた人々の悲喜交々が、おかしいような、そして悲しいような。少しずつ、じっくりと浸って読みたい一冊です。 お気に入りは「鎧櫃の血」。いかにもなタイトル。そしてやっぱり怪談話。なのだけれど……醤油って! よりにもよって醤油!!! 笑っていいのか何なのか。でもこのラストにはぞくり。

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    投稿日: 2018.12.08
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    岡っ引き半七の友人である三浦老人から聞いた奇譚、という設定に痺れますね。プラトン社の雑誌『苦楽』に載った12篇は、半七はもう書きたくないと断って書いたネタだけあって人情話ではおさまらない、怪談、因縁、悲話などいろんな話が盛り込まれててそれぞれ面白い。 もちろん三浦老人が現役の頃の思い出話を語るので、描かれるのは江戸。この話が語られた明治の風景と、話の中に描かれる江戸の風景の対比もこれまた良い。 付録の2篇「黄八丈の小袖」「赤膏薬」も面白かった。ままならない所が良い。

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    投稿日: 2018.03.07
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    置いてけ堀の櫛の話は怪談としておもしろい。 しょうゆの御家人や矢がすり、手習いの師匠の話などを読むにつけ、やっぱり生きにくい世の中だったのかもしれないなと思い直す。だからこそ、明治維新が起きたのだろうしね。江戸時代の幕藩体制を一番迷惑に思っていたのは、さむらい達だったのではないか。 解題にもあるが、生まれどころを間違えた人たちの哀話が中心だった。哀しくもおかしみのある話。

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    投稿日: 2016.04.24
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    数奇な運命に弄ばれる江戸の人々を描いた奇譚集 岡本綺堂には探偵物語や怪談のイメージを抱いていたが、こちらの本ではそういったものの要素は数話に幾らかある程度であった 少し後味の悪い話が多いが、当時の武士や町民の暮らしぶりや倫理観・ものの考え方等に触れられ、その点興味深く読むことが出来た 駕籠屋の息子が意地を張り通して愍然な最後を遂げる「刺青の話」と、武家の奥方と若い役者の密会にまつわる話で寒気を感じるようなオチを迎える「下屋敷」が特に良かった 「矢がすり」に登場する、意外な素性を持った頬に薄い傷跡のある美女”矢飛白おきん”を描いた山本タカト氏の口絵が艶やかで非常に魅力的である

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    投稿日: 2014.04.29
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    明治の半ばに著者と知り合った三浦老人が、江戸末期の昔話を語る、という設定。三浦老人は半七捕物帳の主人公である半七老人の友人で、半七より更に年上。家主をしていた。怪談、不思議譚、哀話が語られる。身分制の不条理にまつわる話はいたたまれない。断ち切られたような結末にリアリティを感じる。三浦老人昔話に加えて、2つの小篇が収録されている。本版は旧仮名遣いだが、読みにくさは感じない。 収録作品は三浦老人昔話として、桐畑の太夫、鎧櫃の血、人参、置いてけ堀、落城の譜、権十郎の芝居、春色梅ごよみ、旗本の師匠、刺青の話、雷見舞、下屋敷、矢がすり。小篇は、黄八丈の小袖、赤膏薬。

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    投稿日: 2013.06.22
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    帯表 岡っ引き半七の友人、 三浦老人が語る 怪奇と妖美の 読本世界へ ようこそ 「ぢゃあ、 まあお話を しませう・・・」

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    投稿日: 2012.12.10
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    下屋敷の、結局どうしてどうなったのかわからないのが良い。 踊り字そのままの歴史的かなづかいなのにするする読める。表紙口絵がまた良い。 デザインはミルキィ・イソベ、口絵は山本タカトだそうで。

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    投稿日: 2012.08.03