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総合評価

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    無機質な世界の中で決めたルールに従い生きる主人公らが、そのシステムに飲まれて精神に異常をきたしていく。共通するモチーフが読み手にも及ぶ、という面白さは残念ながら感じられなかったが、それでもスケッチのような淡々と描写していく文体と、地下鉄のダイヤグラムにブタの飼育システムといった日常では得られぬ管理性がマッチしているので、興味深く読めた。表題作は第107回芥川賞受賞作。

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    投稿日: 2015.09.20
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    1992年上半期芥川賞受賞作。同時期の候補作には、鷺沢萠「ほんとうの夏」や、多和田葉子「ペルソナ」があがっていたが、選考委員の得点は本編が断然群を抜いていた。視点人物は一貫して主人公の地下鉄の運転士に置かれている。そして小説の中を流れる時間は(それは地下鉄の、あるいは乗車業務のでもあるのだが)は、極めてストイックに進行していく。読者が眼にする光景もまた地下鉄の運転席からのものだ。強いリアリティに支えられた小説といっていいだろう。また、そうであるからこそ物語後半のシュールな状況と光景が説得力を持つのだ。

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    投稿日: 2013.11.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    相当前に読んだ。芥川賞受賞作。 ので、色々あいまいだが印象に残る本である。 この世の中で、何があっても規則正しく動いているものは案外少ない。 人間というものは、 気分やら自然の気まぐれやら様々な不確定要素に左右されている。 だから、世の中のほとんどの事柄は規則正しくは進んでいかない。 決めた通りに動く数少ない例としては、時の流れくらいか(は、言い過ぎですかねw)。 そういう観点でみると、 いつも規則正しくレールの上を走る電車というのは、 作者がメタファーの多用により指摘するように、 極めて非人間的な存在でありまたレアな存在ともいえる。 そんな電車というある意味異常な存在との対比で、 人間性とは何か、というものを考えさせられる。 ただ、こういう地味な切り口の本は判りにくさもあり、 残念ながら売れはしないだろう。 でも芥川賞受賞作の中では好きな部類に入りますw

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    投稿日: 2011.06.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    クソ真面目な地下鉄運転士の妄想と現実が混ざって何が何やらな話。 こんな人いるよなあと思って読み進めていったら何が何だかもう。 前半部分を読んで、自分は真面目な人好きなんだなあと発見した。

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    投稿日: 2011.06.18
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    無機質に、ただ作業をこなしていく。そんな中で主人公(運転士)に襲ってくる夢と錯覚に戸惑いつつも、どこか非日常を楽しんでいるような様が、可愛らしく思った。

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    投稿日: 2011.05.13
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    散文的で、詩的な文章は、無機質な機械に挟まれた空間に存在する運転士を描写することに適合している。構造的な読み方も出来るのだろう。地下は異質な空間であり、暗闇から、始発の電車を待つ明るいホームへ滑り込むラストの描写は、真っ先に作品のパーツに当て嵌められたのだろう。無機質な形から情を込めてだんだんと人間性を回復していこうとする姿は、バブル全盛のワーカーたちを想起させるものがある。名もなく、顔もなく、言葉もなく、規律的で調和的な社会への疑問を呈したのであろうか。

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    投稿日: 2011.02.26
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    主人公は電車の運転士。「運転士」と「運転手」は違う。彼は仕事を選ぶときに「時間と方法が確立されており、いい加減なものが入り込む余地が無い明快な仕事」ということで、この職業を選んだのだ・・。

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    投稿日: 2006.12.14