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いまどきの「常識」
いまどきの「常識」
香山リカ/岩波書店
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総合評価

43件)
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    20年前に書かれたものであるが、今でも十分通用する「いまどきの常識」。 6章から構成されているうちの『仕事・経済篇』では、 現実にそぐわなくなっているという憲法問題にも絡め、「現実」とは絶対的な絶対的な価値を持ち、何よりも優先すべきものなのだろうか、と。 『国家・政治篇』では、 かつて「国益」=国民の利益と安全だったはずが、いまでは国家の利益とすり替えられているのでは、と。 『社会篇』では、 反抗する若者が少なくなったことに関して、政治家や政府、あるいはマスコミなど権力を持つものに、疑問を持たずに感謝することには、気をつける必要があるのでは。偉い人に利用されている、いつの間にか支配され、自由を奪われているのではないかと、疑ってみる眼は持っていた方が良いのでは、と。 『メディア篇』では、 20年前に書かれたものなのに、現代を批評するかのような文章に出会う。 「『外国人、精神障害者は犯罪予備軍』、『個人主義の行き過ぎをやめて、国を愛する心を育てよ』などと言った強い主張や過激な意見ばかりが勢いよく語られている」なんて、まさに現代のことだろう。 さらに、「不変であるべき自分の価値や基本姿勢がすたれ、現実重視が多数派になったのはいつからなのだろう」と、述べている。

    8
    投稿日: 2025.10.21
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    香山リカさんは、1960年生まれの精神科医。臨床の現場でカウンセリングをしながら、現代人に起きている変化を注意深く観察し、警鐘を鳴らし続けています。主な著書に、『ぷちナショナリズム症候群―若者たちのニッポン主義』(中公新書ラクレ)、『生きづらい〈私〉たち―心に穴があいている』(講談社現代新書)、『〈いい子〉じゃなきゃいけないの?』(ちくまプリマー新書)などがあります。◆『いまどきの「常識」』は、現代で「常識」となりつつある考えを、本当にそうなのか、と問いかけます。たとえば、「自分の周りはばかばかり」「結局お金がものをいう」「『平和』や『反戦』にとらわれるのは頭が古い証拠」などといった、現代社会で広がりつつある「常識」に危機感を持っています。◆禅の研究と実践の大家、鈴木大拙は、1960年代のテレビインタビューで、「(その当時の)現代の若者は何が問題か」と問われて、「自分で考えないのがいけない」と答えていました。豊かになり切った現代で、ますますそうなっているのではないでしょうか。(K) 紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2006年8月号掲載

    0
    投稿日: 2025.09.14
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    いまどきの「常識」。香山リカ先生の著書。世間で常識とされていることが本当の意味での常識なのかどうか、常に疑いの目を持って考えることが必要。常識も非常識も紙一重。常識が非常識に変わったり、非常識が常識に変わったり、そんなことは日常茶飯事なこと。常識、非常識の枠にとらわれない自由な発想を忘れないようにしないと。

    0
    投稿日: 2018.11.04
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    出版した時期をみると、 「最近の若者」にもちろん私もきっと当たるんだろう。 現代人は、いろんな事に疑問を抱き、考察する力がかけていると、思われている。 世の中の問題はたくさんあって、 目の前の事だけじゃなく視野を広げ、 いろんな視点から考える。 そういう考え方を現代人に身につけて欲しいと訴えかけているのかなあ。 伝えたい事、筆者の意見って言うものを読み取るのが難しかった。

    0
    投稿日: 2016.04.26
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    小論文・面接対策の図書として生徒向けに紹介されたが、高校生が読むよりも、大人の読み物として薦めたい。 2005年初版なので、今時の今が少々古いのは了承されたし。 「泣ける○○」が売れる商品であり、涙が排泄物として精神健康に役立てられているということや、自己責任の名の下に、自分に直接関係がなければ本人が悪い、で片付ける、など、自分の幸福や快を求めることで終わっているいる今の日本の「常識」について疑問を投げかけている本、と位置づけた。 「世界、未来の世代」などにも心を砕き、理想や高次の幸福のために、精神的(体力・脳力)に無理をする、自己犠牲を払うという態度が大切なんだと若者に伝えたい。 自分の精神健康や幸福を求めるだけにとどまる若者が多い現実は、実は自分たち大人の鏡なのだと知って欲しい。

    0
    投稿日: 2016.03.10
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    カテゴリ:図書館企画展示 2015年度第1回図書館企画展示 「大学生に読んでほしい本」 第1弾! 本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。 木下ひさし教授(教育学科)からのおすすめ図書を展示しました。      開催期間:2015年4月8日(水) ~ 2015年6月13日(土) 開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース ◎手軽に新書を読んでみよう 1938年に岩波新書が創刊されたのが新書の始まりです。 値段も分量も手ごろな新書は「軽く」見られがちなところもありますが、内容的に読み応えのあるものも多くあります。気に入った著者やテーマで探してみるとけっこう面白い本が見つかるものです。広い視野を持つために、興味や関心を広げるために新書の棚を眺めてみましょう。刊行中の新書を多様な角度から検索できるサイトもあります。(「新書マップ」) ◇新書で社会を読んでみる 本に書かれていること(情報)すべてを鵜呑みにすることはできません。しかし、情報を判断するための情報もまた必要です。多様なニュースソースから情報を得て、物の見方や考え方を養いマスコミに騙されないような自分をつくりたいものです。

    0
    投稿日: 2015.08.04
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    精神科医なりにちょっと斜めからものを見ている様な印象も受けるが、特に大学内の風景等納得できる点が多い。 「就労意欲を高めるためのキャリア講義が、逆に「絶対ムリだ」と負の確信を強める結果になってしまった」というところが、笑える様で笑えない。 全体を通じて、著者が色んなところでバッシングを受ける理由も分からないではないが、私自身は嫌いではない。

    0
    投稿日: 2014.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「若者の法則」と異なり、こちらは若者に限らず、現在では常識になってしまっていることについて。「自分の周りはバカばかり」とは速水敏彦「他人を見下す若者たち-自分以外はバカの時代!」でも主張されていました。現在の若者の感じ方のようだというのは日ごろ感じることです。「テレビで言っていたから正しい」という常識は最近のテレビ界の不祥事を予言していたかのようなタイミングです。「痛い目にあうのは自己責任」というのも例のイラク人質事件の際に痛感したことでした。「国を愛さなければ国民にあらず」が常識になりつつある昨今の状況に危機感を感じているのは香山リカさんも同じなので、安心しました。

    0
    投稿日: 2013.08.18
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    一読、この書物の内容をどうとらえれば適当なのだろう?先の世代からすれば、首をかしげたくなるような、昨今隆盛の事象群を題材にした評論とすればよいのだろうけれど、迷うことしきり。 著者は従来の価値観と照らし合わせることで、一貫して新常識のあり方に疑問符を投げかける。解は全く示していないのである。おそらくは、その疑問符の羅列こそが、本書の主題なのであろう。 当世、剣呑な空気が次第に広まっていくのを肌身にひしひしと感じつつ本書を紐解くと、もう折り返すことができないところまで来ているのかな、などと不安な気分に占められる。本書で綴られる新常識を形成する助けとなったものが、竹中さんを旗頭に現政権が推し進める市場原理主義政策の所産なのだとすれば、年を経るごとに保守へ傾き、硬直化していった我が世代の思考にこそ問題あり?自ら、生活を逼迫させているのかも知れない。 (2006年記)

    0
    投稿日: 2013.06.17
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    常識について知りたくて読書。 賛否両論がありそうな内容。発売時に世間で話題となっている内容を取り上げて疑問を呈し、意見を付け足している。著者の意見の部分は少なく感じる。 著者の考えは、あとがきとまえがきで少し感じることができる。 時代が混沌として将来がぼんやりするような社会だと、一元論的な思考の人が増えてくるのだと感じ、同時に恐ろしくも感じる。 少し異なる意見、考えがあると全員で一斉に叩く。それが正義だと思い込んでいる。もっと複眼思考で、多元論で考える余裕が徐々になくなっているのかもしれない。では、自分自身はどうかと考えてみるいい教材となる。 本書はロサンゼルスのブックオフで購入しています。 読書時間:約45分

    0
    投稿日: 2012.10.13
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    授業の課題として読んだ。主題や筆者の考えが曖昧で、難しかった。わかりにくいので授業の題材としてはどうかと思ったけどそうでなかったら読んでいて楽しめたかもしれない。

    0
    投稿日: 2011.12.29
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    いまどきの若者は軟弱だなぁと思いながら読み進めてみたりするけど、いざ客観視すると、「自分のことだ」とハッとさせられる。

    1
    投稿日: 2011.10.27
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    個人の強さを中心に据えた最近の「常識」に対して、社会や価値の多様性、連帯といったものが本当に時代遅れなのか?を問うています。幾分の揺れ戻しはあるものの、その流れは事実。ただし、それでよいかは別問題。

    1
    投稿日: 2011.06.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    [ 内容 ] 「反戦・平和は野暮」「お金は万能」「世の中すべて自己責任」…。 身も蓋もない「現実主義」が横行し、理想を語ることは忌避される。 心の余裕が失われ、どこか息苦しい現代のなかで、世間の「常識」が大きく変わりつつある。 さまざまな事象や言説から、いまどきの「常識」を浮き彫りにし、日本社会に何が起きているのかを鋭く考察する。 [ 目次 ] 1 自分の周りはバカばかり-人間関係・コミュニケーション篇 2 お金は万能-仕事・経済篇 3 男女平等が国を滅ぼす-男女・家族篇 4 痛い目にあうのは「自己責任」-社会篇 5 テレビで言っていたから正しい-メディア篇 6 国を愛さなければ国民にあらず-国家・政治篇 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

    0
    投稿日: 2011.04.28
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    常識とは何でしょう。 お金、コミュニケーションなど、いくつかのテーマで、著者の思いが語られます。それに感心させられたり、共感したり、反論したくなったり。 自分の思いが頭をよぎり、読むのには時間がかかりました。 いろいろ考えるきっかけになり、満足な一冊でした。

    1
    投稿日: 2011.02.11
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    香山リカのエッセー集、のようなもの。いまや常識となっているような30の「常識」に対して、時には皮肉も交えながら、疑問を投げかける。エッセー集(のようなもの)なので電車でも気楽に読める。 全体を通して感じることは、住みにくい世の中だなあということ。別に政治、経済の状況がまるっきり異なる過去と比較して言うわけじゃないんだけどさ。特に印象に残ったのはジェンダーフリーに言及した「男は男らしく、女は女らしく」。あまり聞かない論調で新鮮だった。 政治に関してはあまり言及したくない。本人だって、おそらく気楽に書いてるんだし、そうした本に向かってあーだこーだ言ってもしょうがないでしょうに。ただ敢えて一つ言うならば、右だ左だと罵り合っては思考を停止させてしまうような世の中にはなってほしくない、ということです。 (2006年04月08日)

    1
    投稿日: 2010.08.02
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    あらすじ 最近の世の中の風潮で,常識のように公然と通っている 論理,文言について精神科医の作者の見地から さまざまな批評,疑問提起をする。 その常識とは, ・自分の周りはバカばかり ・お金は万能 ・男女平等が世界を滅ぼす ・痛い目に合うのは「自己責任」 ・テレビで言っていたから「正しい」 ・国を愛さなければ国民にあらず (本書より引用) そしてそれらに共通するキーワードは, 「自己肯定」「思考停止」「想像力の欠如」 身近な問題から国家の問題まで幅広く扱う。 内容的には,一理ある,といった印象。 そうも言えるけど,そう言い切れはしないよね,という論理とかが 散見されました。 また,他者の論理の曲解とみられる表現が多く, 論理の飛躍,端的な表現も多くあまり腰を据えて読む気にならず。 さらに,カギカッコの多用により何の何について論じているのか 不明な点が多い。もっとしっかり文章化してほしい。 あいまい表現が多いと指摘されているが,疑問提起で終っていて 意見らしい意見がまとまっていないのは事実。 ただ,指摘自体はなるほどなーという感想です。 あと,どうしても納得のいかない部分。 『では,「人は死ねば生き返れず,全てはそこで終わるのだ」 と脅かしのようなことを教えれば,こども達が生命を大切にするかと いえばそうとも考えられない。 今,子どもや若者でもうひとつおおきな問題になっていることに 「自己肯定感の低下」があるが,「一回の人生で全てが決まるのだ」 といった逃げ場のない教訓は子供を追い詰め,肯定感を さらに低下させる恐れもある。ロマンチックな「生き返り」や「不死」 のファンタジーに若者が夢中になるのも,もはやどうやっても 現世での自分を肯定できなくなってるからかもしれないのだ』 人が死んでも生き返る,という考えがひろまっているという章で。 そういった考えが安易な自殺や他殺に結びついているとき 生命を大切にさせるにはどうするかといった話の中で。 1つ目に,客観的に論理の面から批判させてもらうと 生命を大切にさせる話に自己肯定感を持ち込む意味が分からない。 それを出したら極端な話,強い口調は全てアウトになる。 自己肯定感と生命倫理は別次元の話であろう。 論理のすり替えだと思う。 2つ目に,個人的な反論ではあるが 人生が一回きりなのは事実であって,脅しではない。 むしろ一回の人生で全てが決まるという言い方がすでに不自然で 一回の人生そのものが全てなのだ。 それで追い詰められる子供というのはすでに人生が一回きりで ないような感覚を抱いているということにならないか? そしたらそれは正すべきだろう。 仮に,「そういうキツイ言い方はダメですよ」といったニュアンスで あったとしても,事実は教えなくてはならないだろう。 対象は10代なんだから・・・ 他にも,不倫をする男性についての章で 不倫対象の年上男性には「お金」「肩書き」が必須だとしたうえで 男性は自らの社会的立場や収入が認められたように感じられるだろう,と論じるが その後,男性は自らの自己確認のために若い女性と付き合わなくてはならない,として他の親密な人間よりも知り合ったばかりの 女性に信を置いている,としている。 これは論理の飛躍だ。 感じられる,まではいいとしてなぜそれが若い女性との交際 という限定に通じるのか? しかも信用とまでは話は進まないだろう。 こういう飛躍や,他者の発言や文章の曲解が多かった。 どうにも,もやもやする本だった。 香山リカ氏はいろいろな所で目にする名前だったので 一冊読んでみたが,ちょっとガッカリ。

    0
    投稿日: 2010.05.08
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    小論文の模試に出題されていてびっくりした覚えがあります。 あと、聞くところによると内容的には色々賛否両論があるみたいですね。

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    投稿日: 2010.01.24
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    常識と言われているものに対しての著者の疑問、警告。 全体を通して共通して言えると思われることは、 現代の日本人は若者に代表されるように 自分という概念が非常に狭く他人の立場に立つということが苦手ということ。 またまず現実ありきで考える癖があって、 理想や理念に合うように現実を変えていこうという線ではなく 現実に合うように理想や理念を変えていこうという線が濃厚。 確かに自分はどうだったかということを考えてみると 一見自分の意見を持てているようで実はメディアなどによって流されていたかもしれないと思った。

    1
    投稿日: 2009.11.29
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    一つ一つの内容が薄いが、メディアでよく取り上げられるネタが多かったので理解しやすかった。 批判されるのを避けるためか、回りくどい表現や曖昧な表現が多かったきがする。 個人的には2章の「自分らしい仕事をしよう」が一番面白かったし、共感できた。

    0
    投稿日: 2009.11.07
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    はじめに、にあるように、著者が主張したいことは、「それでも理想を唱えること」である。 また、最後の章の最後の説にあるように、理想を唱えるにはしっかりと現実を見つめなければならない。さもなければ、現実からかい離したただの絵にかいた餅になってしまう。 では、この著者の主張を通して本書を見てみればどうか。 まずわかること、この薄さで約三十ものの常識に疑問を投げかけるのは無理だろうということだ。 一つの常識に大体七ページほどだけを割いて、それでどれだけ「現実に足をつけて」理想を掲げられるというのだろうか。 著者はただ読み手に疑問を投げかけたかっただけなのかもしれない。常識と思い込んでいるもの、常識だと思われようとしているものに対して、「ちょっと立ち止まって考えなおしてみてよ」と言いたかっただけなのかもしれない。だが、この最後の「常識」に投げかけられた疑問が、著者の自身の言葉に対する検証の薄さをうかがわせる。これを最後に持ってきたからには、自分自身も「現実に足をつけて」理想を掲げなければならない、と思い、またそうしようとしている、ということの意思表示なのだろう。ここで問題なのは、それを「最後に持ってくることで」におわせただけで、本文では一切触れていない、ということだ。これでは、著者は自分は「現実に足をつけて」いると思い込んでいるかのようである。いや、それとも、わざと追及を避けるために書かなかったのかもしれない。そんな、思いあがったり、自身の発言を自ら見直す力が欠けていたりする人の発言や、自信のない人の発言ならわざわざ本にまでする価値があるのだろうか。自己矛盾してはいないだろうか。揚げ足取りのようだが、著者が本著でしていること自体がそうなので、ご容赦願いたい。 「常識」に対して著者が掲げているのは「理想」である。注意したいのは、「著者なりの理想」であるということだ。著者が疑問を投げかけている相手にとっては「常識が理想」なのかもしれないのである。 著者は「著者なりの理想」と「常識的の捉えられる理想」とを混同しているように見える。著者はあらさがしのように世間に対して疑問を投げかけるが、「その考え方ややり方に問題があると思うから、こうすればいい」と、著者なりの解決策を持たない。思考の海に溺れてしまっている。疑問を投げかけるのがテーマなのなら、それでも構わないだろう。読み手が独自に試行を重ね、独自の答えを出せばよい。だが、所々で著者は「著者なりの解決策」を提示してしまっている。スタンスがあまりにも不安定なのである。もう少し試行を重ねるか自分を控えるかして書いていただければ、読んでいる途中に何度も不可解さを覚えなくて済んだだろうと思う。著者の力量で可能だとは思い難いが、一つ一つのテーマごとに一冊書いてもらってもいいぐらいである。 とはいえ、このような書き方は自分もよくやることであり、人の振り見てわがふり直せ、のいい機会になった。 また、常々から「何か違うのではないか」と思っていたことに対して「ああそうだったか」と気づかされる部分も多く、読んでよかったと思える本である。 ただし、この本に書かれていることをそれこそ「これがちゃんとした常識だ」と誤解して鵜呑みにしてしまわないようにしたい。 疑問に思ったことは「なぜそう思ったのか」さまざまな面から考える習慣をつけようと思った。

    0
    投稿日: 2009.07.06
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    タイトル通りです。 精神科医??が書いた本みたいですが、 一つ一つの節が短いので、もうちょっと深く掘り下げて論じて欲しい気がしたのと、 自分的に駆け足な感じだったので、要所要所でついていけなくなりました。 中身としては、この人の主張がずっと書かれています。 特に人に勧めて読んでほしいってわけでもありませんでした。 コメンテーターの一意見として読む程度で、深く刺さる言葉があるわけでもありませんでした。。 時代と共に、常識も変わるもんでしょう。

    1
    投稿日: 2009.06.13
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     いまどきの「常識」をよくよく考えてみると、そこにいまの社会そのものがが表れていることがわかる。権力や財力を持っていない「得をしていない人」までが自己責任を語るのは、問題を個人的次元に矮小化することで「現実を見据えて深く考えること」の厄介さや恐ろしさに向き合わなくて済むし、「私はこうではない」と、とりあえずは自分の身の安全を確保できるからだ、という。社会の中になんとなく広がる「足並みをそろえること」にも不気味さを感じる。「人は、自分が信じたいことしか信じない」という心理学的な特性や、「ひとつのこと、とくに身近なことを考え出すと、もうほかのことには目が向かない」という最近の傾向も興味深い。

    1
    投稿日: 2008.11.08
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    なにがいいたいのか。 世間一般で常識となりつつある考え方(と自分で思っている)に対して、うだうだと言っている本。論旨もはっきりしてないし、分析も独りよがりだし、何年か後で読み返せば自分で恥ずかしい作文になっているんじゃないかしら。 あっという間に読める軽さは、テレビのワイドショーで思いつくまましゃべってる感覚に近いのか。 それにしても岩波新書ってこんなんだったっけ。

    0
    投稿日: 2008.11.04
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    近年、当たり前となりつつある いまどきの「常識」、新しい社会のルール に対して、「コレっておかしくない?」 と問い掛けた本。 現実主義の項では、 「(略)誰かが捩じ曲げた現実や既成事実に無理やり自分を合わせる、という人生を生きなければならない。しかし、(略)最低でも「これっておかしいんじゃないか」と疑問を持つことは許されるだろうし、あまり理不尽さを感じるときは「やっぱりこんな現実、おかしいよ」と現実を否定して声をあげることだって当然、あっていいはずだ。」 (P.45)と言う。 「当然」だと思っていたことが、 本当にそうなのかな?と思えるようになった。 その意味で、目が覚める想いがした。 《目次》 1 自分の周りはバカばかり  ―人間関係・コミュニケーション篇― 2 お金は万能  ―仕事・経済篇― 3 男女平等が国を滅ぼす  ―男女・家族篇― 4 痛い目にあうのは「自己責任」  ―社会篇― 5 テレビで言っていたから正しい  ―メディア篇― 6 国を愛さなければ国民にあらず  ―国家・政治篇―

    0
    投稿日: 2008.10.18
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    『「ゲーム脳」にしても「テレビは子供に危険」という提言にしても、信じる人はその科学的根拠や正当性など、実はどうでもいいのかもしれない。自分がなんとなく「あやしいな」と思っていたことが、専門家によって裏づけされた。「やっぱり私は正しかったのだ」という快感はあまりに大きく、たとえその後で「科学的に正しくないことが明らかになった」と発表されても、もはやそれを受け入れることはできないのだろう。』 ただ序盤にある『「私は、その病気になったことがないので、患者さんの気持はわかりません」』と回答する学生の言葉を『自分とは少しでも異なる立場や状況にある人の心情を想像する気が、はじめからないのである。』と解釈するのは、精神科医としてどうなのか。 他人の苦しみに対して、それを味わったこともない人間が想像だけで同情することを偽善として激しく嫌うのは若者の基本的な特徴だと思うのですが・・・。

    1
    投稿日: 2008.08.21
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    「常識」とはなにか? この本によれば、わたしも常識外になる。 常識外の人が多ければそれが常識となるのか。 この人の本はずばずば言いすぎてて疑うところが多々ある。 さすがに批判されているだけあります。

    1
    投稿日: 2008.08.16
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    精神科医の香山さんの著書 いまどき、よく言われるような議論がつれづれなるままに書かれている。 自分の周りはバカばかりなどよく議論いわれる話である。 香山さんは大学でも働いているがそこで接する学生達を見て、今の若者は何を考えているのかをいろいろ考えているようだ。 いわゆる若者論の一冊としては面白いが、目新しい内容はあまりないのでササッと流して読むのがいいです。

    0
    投稿日: 2007.12.24
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    香山リカの本は読んでいて気持ちが良いです。すぱっと私がもどかしく思っていた事を言い切ってくれます。 香山リカの視点、考え方と、私の考え方は似ていて、共通点が多いことから共感が出来るのですが。 どうも、世間では彼女に対するバッシングが多いようですね……。 彼女はまともな考えを持つ人間だと思うのですが、それはさておき。 「B型人間は自己中心」だの、「平和」「反戦」思想は今やタブーだのとか……鋭く突っ込んでいきます。 そういえば私の親友はB型ですが、とんでもない! 真面目なタイプで、約束もきちんと守ろうとする人ですよ。 自己中心というのは、確かにB型にも当てはまりますが、A型、AB型、O型にだって自己中心は当てはまりますよ? B型だけを非難するのは大間違いだ、と香山リカは懸念を示しています。 そういった突っ込みをしてくれるので、読んでいて気持ちが良いです。 あくまでも、彼女は専門外のことで疑問を持ち、突っ込んでいるだけなので、それ以上の詳細は専門家にお任せ、ということでしょうか。

    0
    投稿日: 2007.10.24
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    香山リカのエッセー。様々な現在の事象や言説に鋭く著者が切り込む。 では一体どうしたらという所にまで至っていないが、数々の問題・疑問点の指摘は鋭い。 今まで数冊香山リカの著作を読んだが、この本は一番のお薦め。

    0
    投稿日: 2007.05.06
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    うーん?新発見は、なかった。つまらなくはないんだけれども。印象には、残らなかったね。一応全編目を通したはずなのに、覚えていない。きれいごとも理想論も、嫌いじゃないけれど、擁護される側に回るのは煩わしいので。

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    投稿日: 2007.05.04
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    この本を最初に見たのは、流行からあまりにも遠い 大学の老教授が持っていたときでした。 珍しいと思って大学の帰りに買って読んだら、いつのまにか電車を乗り過ごしてしまいました。 とにかく、ワイドショーぶっ飛びの本です。

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    投稿日: 2007.02.10
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    香山リカ先生の本ね。 言い方が少々まわりくどいので もっとストレートに言えばいいのに、と思う。 まあそうしたら批判されるのは目に見えているが。

    0
    投稿日: 2007.02.03
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    今当たり前だと思われていることに疑問を投げかけてた。よくよく考えてみれば、私の今考えてることもテレビや本を通して伝わってきたものの影響を受けてる。だから、それは本当に正しいのか、そんな考え方をしていてもいいのかって思うと確かじゃないんだよね。「常識」が本当に正しいのか、それは本当に自分の考えでただ流行にのってるわけじゃないって言えるのか考えてみた。

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    投稿日: 2007.01.09
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     語り口は易しいから読みやすいけれど、読み進めるほどに頭を抱えてしまう。「後はそれぞれが考えてね」みたいに問題ばかり提起されて、考えなくてはならない課題が山ほど増えてしまった。「『平和』という言葉を口にした途端に思考停止になる」という部分には納得。

    0
    投稿日: 2006.11.18
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    世の中で「あたりまえ」になりつつあることを、本当に正しいのか?と問いただしている本です。はっとさせられる。筆者さんの意見の展開の仕方が、分かりやすいのにおしつけがましくなくてすばらしいと思う。世代関係なくおすすめしたい本です。

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    投稿日: 2006.10.25
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    ちょっと前からいろいろ話題になってる事柄についてつらつらと。権力のある人・なんか勢いのある人・大勢の言うことがそのまま「よい」「そのとおり」ってなってる傾向にある世の中だけど、それが正しいとはかぎらないし、当てはまらない人もたくさんいるよねっ。

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    投稿日: 2006.10.24
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    これは、外れではない。 思想的に近いというのもあるのかもしれないが。 国を愛していればいいってもんじゃないものね。そういう多様な見方をしてもいいということを示す。

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    投稿日: 2006.05.19
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    かなり鋭い視線で世の中を見ている文書です。 しかしやや断定に足るだけの資料が提示されずに筆者の考えを語っただけ、という可能性もあって完全に信用しきれないという、いい勉強ができる一冊。

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    投稿日: 2006.04.02
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    精神科医で大学講師、執筆業やコメンテーターもこなす香山リカさんが疑問に思ったいまどきの人間関係、仕事、社会、メディア、国家などの「常識」とされていることについて述べた本。「ああ、そうそう。そうだよね!」と思うことも、「それはちょっと違うんじゃないの?」と思う事もあり、リカさんの目と比較することで自分の考えも浮き彫りにできます。内容も主張も平易で読み易いです。

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    投稿日: 2006.01.04
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    概ね間違った主張ではないとは思うのだけどね。 最初から臨戦態勢なのが疲れるというか。 なんていうか、投げっぱなしジャーマンくらったような読後感。

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    投稿日: 2005.12.29
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    「常識」は知らぬ間に意識の底で根付いてしまうもの。時々、周期的に何でも疑ってかかってみるとよいかも。

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    投稿日: 2005.12.05
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    基本的に、こういう発想が好きなんです。常識、前提となっていることを疑う。私のテーマでもあります。元気がないと難しいけど。

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    投稿日: 2005.12.01