
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
空也上人がいた 老人介護を仕事としている若者と何かと彼の世話をやく中年のケアマネージャ、そして風変わりなケアーされる老人。その三人の関係性の中で、老い、恋、死が語られます。 空也上人は、無常な世の中を生きていく上での救いのイメージとして描かれています。 介護人をすぐ首にしてしまいながらも、何故を全く話さない老人。そんな老人のケアーを特殊老人ホームの仕事に切れてやめてしまった青年が担当することになります。次々に繰り出される老人の奇妙な頼みに当惑し、怒りつつもケアマネージャの助言によってなんとかケアーを続けるのですが、その三人の関係性が年の離れた恋に起因していることがだんだん明らかになっていきます。うすうす感じていた気持ちに気づかされていく二人とそれを楽しみながら導く老人。そして、老人のあっけない死。 この小説はある意味山田氏の遺書なのかもしれないなあなどと感じながら、人とはなんとやっかいなものだろうと思いつつ、まあ、それが人だろうなんて生意気なことを思ったりもした竹蔵でした。 ちょっとしんどくて辛気くさい物語ではありますが、そろそろとすり足で近づいてくる老いを考えさせられる本でもありました。 竹蔵
1投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログ主な登場人物は3人だけ。吉崎さんがずっと抱えている罪の意識を告白する場面が良かった。派手じゃないけど優しい物語。いい小説だった。
0投稿日: 2022.12.08
powered by ブクログ介護ヘルパーの青年と40代のケアマネ、そして介護される老人。 役割を超えた関係のようで、やはりその枠内の付き合いのようで。 生と性←実践はなくとも。は切り離せないものなのだな、と。 そして空也上人の存在が刺さる。性善説、というか、人には誰しも人に言えないちょっとした悪事やミスやあるだろうから、きっと読む人皆に刺さるのではないかと思った。 一番良かったのは老眼に優しいフォントサイズだったこと!
0投稿日: 2022.03.26
powered by ブクログ27歳のヘルパー(男)と、彼に淡い恋心を抱く46歳のケアマネ(女)と、そのケアマネに複雑な欲望を抱える81歳老人(男)の不思議な関係。なぜか気が合うというか、とても良い関係。通常仲良くなる理由って、RPGのパーティのように、自分にない魅力とか得意ななこととか憧れとかがあること多いと思うんだけど、この物語では自分の弱さみたいなところがちょっとずつ滲み出て、それを共有することで関係性が維持されてる。このつながりの糸は一見弱そうで、本書の途中でもその糸が切れ、関係性が破壊される。でも、別のつながり方をして、それはとても強いものとなる。こういうことってあるんだなあととても共感する。空也上人の存在がぴったりマッチしていて、図鑑で見たあの像、みてみたくなった。
0投稿日: 2019.11.28
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昭和9年生まれの山田太一さん、今年83ですね。「君を見上げて」「丘の上の向日葵」、ドキドキしながら読んでた頃を思い出します。「空也上人がいた」、2011.4発行です。吉崎征次郎81歳、個人的介護をする27歳の介護士中津草介、ケア・マネージャー重光雅美46歳の物語。読みやすく、そして読み応えのある作品でした。 一気に読了。山田太一「空也上人がいた」、2011.4発行。登場人物は3人。ホームヘルパー2級の介護士・中津草介27歳、ケアマネージャー・重光雅美46歳、吉崎征次郎81歳。読み応えがあり、かつ味わい深かったです。
0投稿日: 2017.01.16
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中津草介27才。 重松雅美46才。 吉崎征次郎81才。 三毛猫、年齢性別不詳 。 空也上人。 それだけ・・・ 「もう願いごとも いくらも果たせない齢になり あと一つだけ 小説を書いておきたかった。」 2011年 山田太一さんの作品。 中津草介27才。 特別養護老人ホーム(特養)で勤務していたが、ある事件がきっかけで退職。現在は吉崎征次郎の介護中。 重松雅美46才。 ケア・マネージャー。独身。 吉崎征次郎81才。 独り住まいだが、ある程度の生活力はあるが今は草介に介護をしてもらっている。 三毛猫、年齢性別不詳 。 ところどころで出没。 ...................................................... この青年、女性、老人。 これまでの生き方、価値観 3人とも異なっている。 3人とも秘密がある。 3人とも心に傷をもつ。 それでも この3人は日々真剣に生きてきた。 そして生きている。 それぞれを思いやりながら。 例えば青年(草介)・・・ 特養でヘルパーをしていた時に 認知症の女性を乗せた 車椅子から 老女を転げ出してしまう。 “はずみ”で。 誰も責める人はいなかった。 「よくあることだから」と。 しかし 草介は特養を退職し ケアマネの重光さんの紹介で 現在の吉崎さんの介護につく。 ある日吉崎さんから 京都に行くよう依頼を受け 六道の辻を通り 西光寺(六波羅密寺)で 木造の空也上人と出逢った。 空也上人―――――――――――― 死屍累々の鳥辺山を 歩き続けた。 善人悪人なく 誰もが持つ生きている悲しさ 死んでしまう事の平等さを 汚れた草履で 疲れても 小さな声でも 少し顎をあげながら それでも 歩き続けた。―――――――――――― 楽しみや悲しみや悔しさを お互いに共有しながら 生きていく。 約2ヶ月 3人での時間が終わる時 空也上人と出逢う意味を知った。 吉崎さんの持ち続けた自責の念 重光さんの虚勢の強さ 草介の自分との葛藤 そんな3人であっても ともに歩いてくれるのが 空也上人。 ...................................................... さすが山田太一さん。 私のような普通な人間でも 「よくあること」でも 人によって それぞれ どうしようもない 大きな悲しみや傷 弱さや欲を抱えている。 それでも 誰にでも 空也上人と出逢う事が出来るんだ! 生きる希望と勇気を与えてくれる。 この本も大切にしよう。 あと 三毛猫は六道の辻かしら…
0投稿日: 2016.05.01
powered by ブクログ「ただ空也上人に会わせたいと思った。なにもかも承知で、しかし、ただ黙って、同じようにへこたれて歩いてくれる人に会わせたいと思った。」
0投稿日: 2014.07.05
powered by ブクログ私は遺書というものを書いた事もないし読んだ事もないが、この老人の遺書は自分もこういう風に自殺したいと思わせるぐらい素晴らしいというか、切ないんだけど仕方ないというか、こうやって人生を全うし決着付けたいというか、自殺できるウチに自殺しておくってひとつの生き方というか、自殺は悪い事ではないんじゃないのか?と思わせるほど危険でもある。 この老人は81歳で命を絶つが、このぐらいの年齢になるとある種の覚悟はできるのかもしれない。が、確か鈴木大拙だったと思うが、「人間長生きをしないと分からない事がある」というような事を言っており、自分には90歳や100歳でしかわからない事を知りたいという欲もある。(でもその前にボケちゃったらわからないしな・・・) 81歳が46歳に、46歳が27歳に恋をする。無理だと分かっているが心のどこかで諦められない。吉崎は重光の苦しみが分かるし、また草介の苦しみもわかるからこそ、2人の苦しみをなんとかする事で自分も救われたかったのではないだろうか。吉崎のやり方は不器用だが、重光や草介を励ましたいという気持ちには心打たれる。27歳を一人称にして書くやり方も上手い。 とにかく山田ワールド全開で、台詞でどんどん話が進んでいくのは流石脚本家。具体的な情景や配役まで思い浮かべながら読み進められる。 人や自分を裁くのではなく、また赦すのでもなく、ただ一緒にへこたれて歩いてくれる。そんな力が空也上人にはあるのだろう。是非実物を拝見したい。 ちなみに私のイメージした配役は 吉崎=山崎勉 重光=宮崎美子 草介=妻夫木聡
0投稿日: 2013.08.24
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ヘルパーと老人とケアマネと、 介護の現場で風変わりな恋がはじまる。 ぬぐいきれない痛みを抱える人々と一緒に歩く空也上人とは? 都会の隅で起きた、重くて爽やかな出来事。 道尾さんきっかけで読了。 短いながらもハッとさせられる文章が多いのは本業が脚本家だからだろうか。会話が抜群に上手い。 物語は、主人公の介護ヘルパーの青年と一癖のある老人とのやり取りを中心に、なんとも言えない寂しさを描いている。 老人は青年になにを感じ、何を伝えたかったのか。 それを何度も読んでみて理解できるようになれたら、と思う。
0投稿日: 2013.02.15
powered by ブクログ介護士の男の人が主人公。なんともいえない雰囲気のある話。許されているのかなという気持ちになる。 2013/1/29
0投稿日: 2013.01.29
powered by ブクログ山田太一の最新作。 特別養護老人ホームでの仕事を辞め、無職になった主人公草介のもとへ、元同僚であった重光が訪れるところから話ははじまる。 知り合いの老人の介護を個人で引き受けて欲しいという。 依頼人は吉崎征太郎という老人。 物語は、27歳の草介、46歳の女性重光、そして81歳の吉崎という三人を中心に展開される。 山田太一の作品の多くは、社会的弱者に光をあてることで、その人達が持つ闇を浮かび上がらせ、世の中の歪みを顕在化させるというもの。 特に秀逸なのが、登場人物同士の会話だ。 何気ない言葉の掛け合いの中で生じる、ある種のズレ。 それは徐々に亀裂を大きくし、やがてそこから心の闇が溢れ出て来るという手法。 小説にしろテレビドラマにしろ、このあたりに山田太一の真骨頂がある気がする。 この作品も、山田太一の本領が遺憾なく発揮されている。 こういう作品を読むと、やっぱり山田太一は嫌いになれないなぁと改めて思う。 言語化されにくい人間同士の距離を表現した物語性。 そして読み手を刺すような台詞の応酬。 それでいて読了後にはホッとさせてくれるあたり、正直巧いと思いました。 最近著者がシナリオを書いたテレビドラマを拝見するに、往年のパワーが無くなっているような印象があったのですが、この小説においては、懐かしい山田節を感じる事ができました。 今後も頑張って欲しいと思います。
0投稿日: 2012.12.10
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久々に山田太一を読んだ。 やっぱり、映像が浮かんでくるその構成力と、淡々とした冷めた語り口が、独特の世界感を生み出している。 いつのまにか山田太一の指揮で踊っているような。 空也像は好きで六波羅蜜寺まで見に行ったけど、下からは見たことがない。 でもその眼力はすごかった。さすが運慶の4男康勝作。鎌倉中期作のこの像は、慶派に代表される、くりぬいた部分に水晶を嵌め込む「玉眼」という手法が使われている。どこまでも見通す目は確かに平伏してしまうような凄みがある。空也の修行でやせ細った身体、少し乱れた法衣、その口から魂の叫ぶのように出てくる六仏。 恐らく山田太一はこの像を見てこれだけの話のプロットがまざまざと浮かんだのではなかろうか。それだけの像なのである。 ラストは「目の前のセックス」がそうきたか、という感じはあった。まるでダンスのような、儀式のような。敢えてそのものの描写は避けて。 正直すごく意外ではなくて、山田太一ならこうくるだろう、と想像は出来る。その辺は、「飛ぶ夢をしばらく見ない」などの小説より弱い気がする。 しかしやはりその流れる音楽のような進行と余韻を感じさせる文体は好きだ。 一貫して見えるのは、枯れた色。 吉崎老人だけではない。若い草介も、ケアマネの女性も。 いや、むしろ吉崎老人のほうが色をもっているのかもしれない。 以前ラジオドラマで大滝秀治さんが吉崎老人役をやったそうだ。 見かけではもっと俗物的な老人がいいような気がする。
0投稿日: 2012.10.17
powered by ブクログどうなんでしょう、全然いいと思わなかったけど。文章、これでいいんですか。この作者では、『君を見上げて』という、身長の高い女性と低い男性の恋を描いた本を読んだが、しみじみとした味わいのラブストーリーだったという記憶があるんだけど……
0投稿日: 2012.05.08
powered by ブクログ会話の表現がうまいのは、脚本家が本業だから当然。それと最近、『キルトの家』を見たからか、老人は山崎努、ケアマネージャーは松坂慶子がイメージぴったりでおもしろかった。27歳のヘルパーは、どんな役者がいいのだろうと考える面白味もあった。小説にしたのは、話の内容が過激なものがあるからなのか。老人もケアの人々もまだまだ自由な行動が可能なのではないかと思わせる展開も見えます。
0投稿日: 2012.02.26
powered by ブクログ介護士の若者が抱えてしまった誰にも言えない心の重さを思いやる老人の話。 空也上人の目が光るシーンが衝撃的。 人間のしでかす罪と、魂の救済がテーマ。 考えさせられた。
0投稿日: 2012.02.16
powered by ブクログ何だか最後のおじいちゃんにショック・・・ そこがなければ良かったのになぁ~ 一瞬で読み終わります
0投稿日: 2011.11.25
powered by ブクログ口調などがいかにも山田太一さん、という1冊。 何が書きたいのかちょっとわからないな・・・自分の力量不足か?と思いながら読み進め、ラストでわかったようなわからないような? まだまだ小説(脚本でなく)を書いて欲しいと思う。
0投稿日: 2011.10.06
powered by ブクログたまに久しぶりに小説を読みたくなる。 そしてサクサクと読めるととても気分がいい。 山田太一と山田洋次がごっちゃになっている。 とてもいい話だった。 軽すぎず重すぎず、現実的過ぎず非現実でもなく。 役にたたなさそうで役に立ちそうな。 またこんな小説を見つけたい。 ドラマにしたら、いや、いつかドラマになると思った。 配役は誰がいいかしばらくの妄想の種になった。
0投稿日: 2011.08.27
powered by ブクログ現在の日本は最大のピンチ。「空也上人がいた」というタイトルから受けた印象では、この国家の危機を救う何らかの知恵が書かれているのかと思い買ったが・・・x。空也上人の名前をこんなところで使わないでほしい。即、Book Off行き決定。今年読んだ30冊の中で最もつまらん本。
0投稿日: 2011.08.11
powered by ブクログ「とりかえしのつかないことは帳消しにはならない」 罪の意識にさいなまれる男たちは、心情を吐露したことで少しは気が楽になったのだろうか。 81歳の介護を必要とする老人、世話を依頼された27歳の青年、46歳独身ケアマネの女性。3者3様の赤裸々な真実と短いけれど濃密なかかわりが語られるが、どうもNHKかなんかの単発ドラマになりそうな話だ。もう少し深みがほしい。
0投稿日: 2011.08.07
powered by ブクログもっと読み進めにくいと思っていたけど、いつの間にか読み終わっていた。 「もう願いごともいくらも果たせない齢になり、あと一つだけ小説を書いておきたかった。二十代の青年が語る七十代にならなければ書けなかった物語である。」という筆者の言葉が全てを表しているとも思える。 何というか、印象に残る、心に響く物語なのだけれど、誰かに薦めたり、誰かと感想を言い合ったりということが気軽にはできない作品。 これを最後の一つにしてほしくないと、強く思う。
0投稿日: 2011.07.29
powered by ブクログ老人介護とか自殺とかかなり重い内容で話が展開していくにもかかわらず、かなり読みやすい。軽く読みすぎてしまってはいけないような気にさえなるくらい。あまり感情移入せずに読み終えて、最後にじっくり考えてもらいたいという筆者の意図があるのかもしれない。 誰にも言えない過去ほど大袈裟なものではなくても悩みを誰かに言えたらかなり救われると思う。だけど理解してもらえることはたぶんないと思うし、自分が欲しい言葉が返ってくる確率は非常に低いと思う。私はこの本を読んで、自分をあまり責めない自分勝手な生き方をもっとしてもいいような気がした。少し救われた。
1投稿日: 2011.07.22
powered by ブクログ日々身体に精神に忍び込む老いと付き合っていく人たち。それを支える介護の人たち。お互いに折り合いをつけて日々を過ごしていく。吉崎さんの数々の奇怪な言動に戸惑いながらも、対処していく草介と重光さん。人間だれでも忘れ去ることのできない深い悔恨を伴う罪悪的出来事を経験しているのだな。吉崎さんの決断は痛く悲しい。
0投稿日: 2011.07.21
powered by ブクログ「事故」を起こして勤務先を辞めた介護士の青年草介は、ケアマネージャーの重光さんの紹介で独居老人で80代の吉崎さんの世話を始める。 吉崎さんの指示で京都の六波羅蜜寺へ行った草介は空也上人像を見上げて、「事故」ではなく、自分がキレて車いすから放り出した認知症の老女の目を思い出し衝撃を受ける。吉岡さんはかつて自分のせいで交通事故死した一家のこと、空也上人像を見て赦されたのではないが一緒に歩いてくれると感じた経験を語る。 吉岡さんは40代で独身の重光さんに恋し、重光さんが草介を密かに意識していることを感じ取って、草介を自分の代理のようにして、重光さんと結婚させようとしたり、自分の目の前でセックスさせようとするが、重光さんに拒絶され、覚悟の上で介護なしで風呂に入って溺死する。 身寄りのない吉崎さんの葬儀を終えた夜、ふたりは吉崎さんの棺の前で結ばれる。 自分の親が介護が必要になり、介護施設の人と接点ができたので、介護に携わる人たちの「思い」を読むことができた。
0投稿日: 2011.07.20
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一気に読んでしまった~私は27歳の介護士で特養で老婆を車椅子から放り出してしまい,それっきりで辞めてしまったが,ケアマネージャーの46歳の重光さんは一人暮らしの81歳の吉崎さんの在宅介護を紹介してくれる。車椅子だが病気も呆けもなく,月25万だが,それ以上に出てくるご馳走に驚かされる。病院の付き添いの帰りにはデパートで自分の体型に合った有名ブランドの服まで買ってくれ,京都への使いを言いつかる。東山の松原通りの六原の辻に行けと携帯で指示され,六波羅蜜寺の宝物殿で空也上人の像を下から覗くと,空也上人の眼が光り,どうしようもなく動揺し,特養の入所者を死なせてしまっても仏教に帰依すれば大丈夫だと言われているようで,雇い主の吉崎さんの押しつけが不快で,辞めることを重光に告げると,雇い主は素直に詫び,重光と私が結婚したら財産を相続させようと新たな申し出がなされる。吉崎さんが重光さんを気に入っているのは解るが,ちょっと気になる相手であることは年齢の差が障害であることは確かだ。結婚はありえないと答えると,新しい提案は,目の前でセックスすることだと呆れたことを言う。六波羅蜜寺に行かせた理由を吉崎さんは話し出し,証券会社のお得意さんに儲けさせて褒美を貰って帰る道で,2・3歩道を踏み出し,偶々通りかかった自動車が急ハンドルを切って死亡した事件で取り返しの付かない事をしでかした自分に,空也上人が寄り添ってくれる感覚を得たからだった。一切の申し出はなかったことにされ,たまには実家に顔を出すように言われて5万円のボーナスまで渡されて,豊橋へ出掛けた夜,警察に呼び出された重光さんから吉崎さんが死んで,書き置きが遺されたことが告げられた。睡眠薬を飲んでの入浴。通夜の夜,吉崎さんが熱望し,二人が密かに夢想した関係となる。呼びかけても返事が返ってこない妻の車椅子を押して,新宿の町を歩く~山田太一って,もしかしたら初めて読んだかも。夜10時過ぎから2時間で読んでしまった。81歳の男性って山田さんの数年後の姿だろうか。二人が年取った最後の場面は,やっぱり必要なんだろう。ドラマになるとしたら,シナリオライターは最後の部分をカットするかも知れない。一晩限りか,一生を共にするか,という含みを持たせるためにね。木下恵介のシナリオライターとしての拘りが見える気がする。いずれにしても2時間ドラマ
0投稿日: 2011.06.29
powered by ブクログ無駄な描写が多く、焦点がぼやけた感じ。 今の僕が読みたいものではなかったか。 若い介護サービスの男性と介護老人の交流があるかと思えば、ありえない方向に話が転換。
0投稿日: 2011.06.15
powered by ブクログ110422byNHK review --- 六波羅蜜寺 空也上人目が光る 63 ←行こ 『異人たちとの夏』 158 --- ・・・悪いと思ったら、まだ生きているお年寄りにやさしくすればいい・・・ 77 --- 山田太一の19年ぶりの書き下ろし力作小説。特養ホームで老婆を死なせてしまった27歳のヘルパー草介は、女性ケアマネの重光さんの紹介で、81歳の老人の在宅介護を引き受ける。介護する側の疲労、介護される側のいたわり。ヘルパーと老人とケアマネの風変わりな恋がはじまる。彼らはどこまで歩いていくのか。そして、心の痛みを抱える人々と一緒に歩いてくれる空也上人とは?重くて爽やかな衝撃作。 ヘルパーと老人とケアマネと、介護の現場で風変わりな恋がはじまる。ぬぐいきれない痛みを抱える人々と一緒に歩く空也上人とは?都会の隅で起きた、重くて爽やかな出来事。
0投稿日: 2011.06.12
powered by ブクログ山田太一さんの小説ははじめて読んだ。小説というには物足りない気がする(行間を味わうのかなあ……? 私が味わいきれていないのだろうなあ) でも、ひっかかりのある会話のやり取りはさすがという感じで、映像が思い浮かぶ。山田太一さんのドラマの空気があって、やっぱり小説で読むより映像で観たい気がする。弱っているときに読むには重すぎて、ちょっと読み続けるのが辛かった。
0投稿日: 2011.06.08
powered by ブクログそれぞれの世代の性(生)がリアルに描かれている。山田太一さんが書く作品なのでドロドロした感じは受けなかった。ラストもさすが山田太一さんと思う結び。
0投稿日: 2011.06.02
powered by ブクログメルヘンだと思えば、ギャハハと笑いつつやがて哀しき…。文学少女だった叔母の憧れの山田太一氏、いまだ健在!
0投稿日: 2011.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
山田太一の描く大人の御伽話。誰もが心に持つ「抜けずにいる小さな針先」のような罪と赦し、高齢化社会における尊厳死のあり方、介護の現場の厳しさ、40半ばの女性と20代の若者との恋愛。こんな都合のいい筋書きは現実にはないだろうと思いつつ、最後に救いのある話だった。 人は幾つになっても恋をするし、恋をするとその人の幸せを願うものなんだな。 「サバサバしていて色っぽいのはせいぜい十代の終わりくらいまでで、四十代のサバサバは、ただしらじらとしているだけと思うけど、八十代から見ると、自分の齢の半分くらいなのだから随分若く感じるのかもしれなかった。」イタい言葉だ。 来年は、京都に行ったら、六波羅蜜寺の空也上人の光る眼を見たい。
0投稿日: 2011.05.23
powered by ブクログベテランの筆。口から「南無阿弥陀仏」の言葉が小さな仏となって出ている空也上人の像は一度見たら忘れられない。 老健施設の元職員だった青年と40歳代のケアマネが、在宅介護を依頼した老人を介在として温かい交流が芽生える・・という話。 年齢についての社会の概念、そんなものハズセヨってメッセージは、スナオに腑に落ちる。
0投稿日: 2011.05.18
powered by ブクログ老人介護の施設で働いていたが、ある日、車椅子から入居者の女性を「落として」辞職した草介・27歳。ケアマネの女性、重光さん・46歳に紹介され、一人暮らしの老人、吉崎さん・81歳の個人介護を始める。なんか訳ありの草介の目を通して語られるあれこれが好きでした。(*^_^*)人間の無意識の行動が時々指摘され、その背景の種明かしも楽しめたし。吉崎さんの不可解なところは、それが意地悪からではないことが感じられたから、翻弄される草介のこともあんまり心配しないで済みました。とは言え、草介と一緒に驚いて、一緒にほっとして。(*^_^*)草介以外は、重光さんも、吉崎老人も、読者にとっては予測不可能な行動をとるのだけど、つい、頭の中でキャスティングを考えてしまうのは、山田太一さんが映像を思い浮かべながら小説を書いておられるせいでは、と思います。ちなみに、草介は、私の中では最初からオダギリジョー、重光さんは、なぜか片桐はいりでした。吉崎さんは、誰がやっても面白くなる「もうけ役」かも。実年齢をほとんど考えないキャスティングになっていますけど、オダジョー=草介、は譲れない。そうそう、重光さんを松阪慶子っていうのもいいなぁ、と思ったんでした。それこそ実年齢無視なんだけど。
0投稿日: 2011.05.12
powered by ブクログ北上おじさん絶賛の一冊だけど、私にはピンとこなかった。おそらくその理由は、重光さんというケアマネージャーの女性にあまりリアリティが感じられなかったからだと思う。いるのかな、こんな人。いや別に、小説の登場人物が「そんなやつおらんやろ」でも全然かまわないが(むしろその方が面白いんだけど)、それならそれで説得力がほしい。好きな作家さんの一人だが、どうも前から女性の描き方に納得がいかない。男性のための小説という気がする。そのこと自体を悪いとは思わない。女性のための小説だってあるわけだから。でも残念だなあと思う。
0投稿日: 2011.04.28
