
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
瑠璃子の嫉妬が生み出した物語。 新田は薫を大事で愛していて、薫も新田を大事で愛しているとしても。 2人に恋愛的な描写はなく、それは、精神的な繋がりや師弟愛のようなものと私は感じたけれど、瑠璃子の目を通すとものすごくドロドロとした嫉妬の感情が乗っかってくる。 仕事なのに、犬を脅しに使って、新田に薫と一緒に行かないでって怖い。 瑠璃子、マジ怖いよ。 あんな行動されたら、冷める。 それまでは、新田も「瑠璃子ってステキ」だったと思うよ。 なのにねー。 残念だ。 夫と揉め事が絶えなかったというのは、はじめは夫の不倫が原因だと思っていたけれど、度重なる揉め事が不倫に至らせた可能性あるね。暴力ふるって、最悪な夫には違いないけど。 そういえば、はじめのオムレツのところに、瑠璃子の妄想的な性質がしっかりと描かれていたじゃないか。 思考は物語。 霊媒師のおばあさんの自叙伝はなかなか破天荒だったけれど、それもおばあさんの思考から作り上げられたストーリーなんだろうな。 事実と答え合わせすると、全然違ってんだろうね。 薫の目を通した物語も読んでみたい。 実は薫も嫉妬に狂った物語だったら面白い。 グラスホッパーの奥さんがいい人で癒される。 私にもグラスホッパーの奥さんがいて欲しい。 小川洋子さんの物語らしく、最後は何ともいえない喪失感で終わっててよかった。 瑠璃子は、これから仕事頑張れ。
34投稿日: 2026.02.13
powered by ブクログaudibleにて読了 別荘地で出会ったカリグラフィー作家とチェンバロを作っている男女。 もう普通に生きていたら絶対にお目にかかる事のない世界だけど不思議と現実離れしていないと感じてしまう。 それは3人の背負っているものが余りにも重いからかもしれない。ここはかなり現実的。 思っても寄り添っても報われない。ドロドロになりそうなところをギリギリ踏み止まっている様が美しい。
0投稿日: 2025.12.12
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2人は瑠璃子のことを拒絶することはないけど瑠璃子がどう頑張っても2人の世界をどうにかしたり入り込んだりすることは絶対にできないと悟る描写が読んでて悲しかった あと小川洋子の作品って読み手にああしろこうしろって色々押し付けてこないで別世界にいるような人たちの暮らしをただ淡々と描いている感じがすごく良いんだよね精神に、定期的に読もう、心の安寧のために
0投稿日: 2025.06.02
powered by ブクログ小川さんの作品の中でも、ファンタジー要素がかなり少なく、ただ、そこには小川さんらしい透明感や静けさがきちんとあって、痛みを伴う男女関係の中にも澄んだせせらぎのような愛の流れを感じられるお話だった。 チェンバロとカリグラフィー、目と耳、犬と猫、男と女。象徴的なもの達が作中で、自分の役割を行儀よく待っている。 小川さんは誰よりも愛が失われていく様を美しく書く人だと思うので、この作品はそれがすごく表現されているように感じた。
0投稿日: 2025.05.10
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「僕は君を、本当にかくまうことができただろうか」 かくまう、という言葉に、一時性を感じるのは私だけだろうか。 求める永遠の形が違う男女は、あまりにも切ない。 遥か昔からそこにあるであろう池が抱く悠久と、木々を揺さぶる激しい嵐の刹那が、林の中の営みで共存していた。
0投稿日: 2024.12.15
powered by ブクログタイトルはそこで出てくるのねって思ったし そのあとYouTubeでどんな感じか気になって聴いた まずチェンバロがどんなものか知らなかったから 調べて見てよかった それぞれが幸せになる終わりを見たかった これから1人で生きて行くことで 新たに得られるものもあると思うから続きを見たいと思った
0投稿日: 2024.12.01
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浮気され暴力を振るわれ、モラハラを受けても 何年も離婚に踏み切らない主人公にどうしても共感できなかった。 犬に人間用のクッキーをあげないで欲しいし、 犬を殺してやると言って情夫を脅迫しないで欲しい。 どうやって殺そうか具体的に考えるほどだった癖に、 犬を撫でて可愛がるような素振りをするのはやめて欲しい。 不愉快だった。 「犬でもボケるの」という台詞も上から目線に思えた。 夫に暴力を振るわれたときの傷が 重傷だったら復讐できる、というのは 病み過ぎだがわからなくもない感情だったし、 思わず別荘に来てしまったというところまでは良いが 新田とできてしまったり薫を疎ましく思ったり という流れがどうしても受け入れられなかった。
0投稿日: 2024.11.20
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小川洋子さんの静かで芯があって冷たい印象なのにどこか温かい文章が好き。 薫さんと新田氏の不思議な関係、惹かれました。 そこに隙間を探し、入り込もうと躍起になる主人公の気持ちにも共感できる。 別荘の時間の流れ、現実から切り離された雰囲気。
0投稿日: 2024.11.20
powered by ブクログ1996年の作品。表現の方法は今と少し違うかもしれないけれど、根底にある「小川洋子」という作家の軸は変わっていないと思う。
21投稿日: 2024.09.23
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3人が三様、抱えているモノがあり、それをお互いで癒していくお話だと思いきや、2人と1人という構図に。しかし、空間は違えど、最後は3人でまとまる事の美しさ。
0投稿日: 2024.05.26
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花巻空港が出てきたので、 主人公が逃げ込んだ別荘は 春子谷地や安比高原あたりの別荘地やペンション街を勝手に思い浮かべて読んだ。 でも物語を読んでいる最中は 外国にいるような不思議な空気感に包まれる。 チェンバロ、 カリグラフィー、 なんとも幻想的な湖や森。 夫に裏切られたり、暴力を振るわれたわけだから 本来なら暗くなりそうな内容なのに、 その世界が癒やしてくれるような気がした。
1投稿日: 2024.04.09
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『やさしい訴え』 ラモー作曲のチェンバロの曲だ。 『やさしい訴え』は新田氏と薫さんを静かに結びつける。瑠璃子さんがいくら新田氏と物理的に近づいたとしても。 三人とも傷を負っていた。演奏恐怖に陥ってしまったピアニスト。婚約者を結婚直前に亡くした女性。夫の不倫で居場所をなくした女性。 瑠璃子さんの発する嫉妬にまみれた言葉が、宙を舞う。その訴えは当たり前の感情だと思うけど、発すれば発するほど新田氏との距離が遠ざかっていくように思える。 やはりきっぱりと瑠璃子さんは失恋した。 瑠璃子さんに居場所は見つかるのだろうか。 薫さんの純粋な真っ直ぐさがドロドロを消していく。 かなわないんだな。 瑠璃子さんが切ない。 小川洋子さんの世界に浸って もの悲しい幸福感と 透明感を味わった。 これから ラモーのチェンバロ曲を聴こう。 『やさしい訴え』
45投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログ居場所を求める主人公の姿が痛々しく、悲しい気持ちになった。これまで読んだ小川洋子さんの作品の中で最も恋愛描写が濃厚だった。そして、孤独感も一層強かった。 暴力を振るう夫との離婚、叶わない恋。次々と身の回りのものを失い、自分の存在を受け入れてくれる場所を探していく。淡々とした態度は達観してるようでもあり、しかし、嫉妬に燃え上がるほど情熱的な1面も見せる様は魅力的だった。 やはり小川洋子さんの描く物語に常に香る切なさ、そう質感が大好きだと再確認した。
1投稿日: 2024.01.24
powered by ブクログ静かな別荘地で、新田や薫、グラスホッパーの奥さんなど、日々他愛ない交流・親睦を深めながら、ゆっくりと時間が過ぎていく様が心地よく、羨ましい。新田も薫もそれぞれの過去を背負いながらチェンバロを通してお互い支え合って生きていく。 こんな隠居生活ができたらな。
2投稿日: 2023.09.23
powered by ブクログ『やさしい訴え』小川洋子氏 30、40代の夫婦、恋 ★★★★ 年齢重ね深まる孤独 ★★★★★ 居場所 ★★★★★ 【購読動機】 読者レビューで「読みたい」に登録してから数年が経過していました。小川洋子さんの書籍の数は、豊富ではありません。よって、先入観を持たないで読み進めることができました。 ―――――――― 【読み終えて】 タイトルは「音楽」の名前です。読了後、本をイメージしながら「やさしい訴え」を聴きました。 その結果、小説で描かれた風景(都心を離れた別荘群の林)や主人公(女性30代フリーランス既婚)の気持ちを自然と思い浮かべることができました。 ―――――――― 【物語】 登場人物は3人です。 1.女性既婚30代フリーランス 2.男性離婚あり40代元ピアニスト、楽器製造者 3.女性未婚20代元会社員。2.のもとで働くスタッフ 1.が夫の浮気に嫌気がさして母親所有の別荘に退避します。 夫からの連絡はなし、相手との同居を始めてしまう始末です。 1.はそのようななか、近くの2.3.の楽器製造者と出会います。 三人で食事したり、湖畔に出かけたりの交流が始まります。 ------------ 物語は、1.の女性の視点で描かれます。 彼女からみた2.の存在は、自然に異性としての意識へと変化します。 同時に3.の存在を羨ましく思う気持ちも芽生えます。なぜならば、いつでも2.の側で同じ楽器を作る世界にいるのですから。 1.の主人公の異性への想い、居場所をみつけ、またそれをなくした心境、これらを物語は一定のリズムで刻みます。 大きな抑揚も大きな失望もありません。 ------------ 【曲 やさしい訴え】 始まりは、季節でいえば冬でしょうか? 同じリズムの曲調は、どこか闇のような静けさと暗さを彷彿させます。 そして曲調、テンポが少しだけ華やかに。 そう、春の訪れのような、、、。 でも、その季節は思いのほか短く。 夏そして秋の存在を感じることがないまま、また、冬の静けさの中に戻るのでした。
17投稿日: 2023.09.18
powered by ブクログチェンバロを作る人ってどんな感じなんだろう?っていうことで読み始めたけど、主人公は作る人ではなかった。。こういう人はいるよなって思いつつ、主人公の相手に対する期待が強すぎてあまり気持ちがわからなかった。
1投稿日: 2023.07.08
powered by ブクログニ短調。「やさしい訴え」は18世紀フランスの宮廷作曲家ジャン=フィイリップ・ラモーの作品。僕には判りませんがラモーにしてはしっとりとした小品だそうだ。洋子さんの創作する物語は既にここにある。誰もが平穏の中にいる。洋子さんの長編4作目はピアノを弾けない指、殺された婚約者、暴力を奮う夫。それに私が今回の登場人物。快い旋律は気分を高揚させる。それはまるで愛の営みの様に。 洋子さん節を勝手に哀妖艶愛小説って命名してますが、今回は妖と艶の部分は感じません。純愛と独占欲。結婚と愛情について問題を投げ掛けられました。今まで気付きませんでしたが発問性に惹かれているのかも。 結婚したい人と愛する人の違い。結婚したい人には相手が嫌がる自分を隠してしまう。愛する人は相手が嫌がる事まで理解し合い、逆にそれが好きだったりする。自分の全てを曝け出し、リラックスできる空間を共存し合う。一般的に互いに愛しているから結婚するんでしょうが実は互いに全ての自分を見せていないケースもあるんではないでしょうか?どこかで見えてしまうとこんな人ではなかったなんてことに。今回の主人公はちょっと自分の愛に貪欲でちょっと残酷。こんなキャラ、新鮮でした。でも根本は優しいのかな。いいわ。Myヨコフェス第19弾
4投稿日: 2022.07.07
powered by ブクログ主人公の女性はあまり男運?はない人なのかも。 旦那さんも、出会った男性とも上手くはいかず。時にはとても冷静で急に大胆な自分勝手な行動に出たりと生々しい。彼女は自立に向けて新しい場所で自身の人生をこれから始めるところで終わる。 そんな人生を小川洋子さんが書かれている事で繊細な世界観になっている。生きるって綺麗事ではないけれどもそれでも希望を持ってその先にすすむ。 人は失敗したり、駄目だったりしても終わりではないと思える本。
18投稿日: 2022.05.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「音が溶けて蒸発していく」 いくつもの三角関係 嫉妬からの破壊活動、クラッシャー行動。感情的な行動のあとにいくら修復を望んでもどうしても気まずさが消えず。 新田氏には最高の離婚の綾野剛の役を思い出した。 淡々とそして意外にもドロドロしていくが、最後は静かに終わる。 林の中で暮らしを続ける描写がすばらしかった。
1投稿日: 2022.03.18
powered by ブクログ空気感が素晴らしいです。 はっきりと書かれていないけれど、みんな、ほんとうに全員が置かれている状況を理解しています。 わかったうえで、どうすべきか、行動しています。 でも、人も動物です。 したい、触れたい、という気持ちは抑えられない。 それが限りあるものであり、失う危険もあるものだから、だからなおのこと感情が高まっていきます。 札幌行きをやめさせるための咄嗟の行動(言動)には少なからず驚きました。 でも、それは、行けばそうなる、ということがわかるから。もしも自分ならそうするだろう、そうなるだろう、ということの裏返しですね。 結論としては敢えて言わない大人の対応で新しい道を踏み出すのですが、少し寂しいです。まあ、そうなるよな、という違和感のないストーリー展開。 +++ とてもこだわりを持って作品を作られているのに、鍵盤の色が近代タイプ。別の意味があるのかしらん。。。
22投稿日: 2021.05.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文体の美しさは相変わらず。 小説として素晴らしいので、その意味で星4つ。 内容の好き嫌いなら、星1つ。 新田という男は、卑怯だ。 愛してる女がいるのに、違う女を抱く。 女の訴えを沈黙でやり過ごし、拒絶すらしない。 卑怯。 結局女を傷つける。 女は、どこにも居場所を得られない。 雨がじとじと降る中で、チェンバロンなんか聴きながら読んだから、気分が鬱々としてきて、途中でポップな音楽に変える。
2投稿日: 2021.03.13
powered by ブクログ勧められて初めて小川さんの本を読んでみた。 感情の機微が伝わり、ゆっくり読めるような感じだった。 違うのも読んでみたいと思えた。
1投稿日: 2020.08.02
powered by ブクログ人はそれぞれに収まる居場所がある。新田さんと薫さんはチェンバロという共通の世界の中で幸せを共有する2人でありその世界に瑠璃子が入ることはできない。不倫で分かれた旦那と不倫相手にもそんな世界があったのだろう。奪われた側は呆気なく感じるが、奪う側に立つとなかなか共通の世界に入り込むということはできない瑠璃子の気持ちが鮮明に描かれている。居場所がない孤独は自分自身しか知り得ないものだと思う。そんななかで生きるリアルさが鮮明に映し出される作品だった。 小川洋子の作品は3作目だが情景や感情が非常に丁寧かつ繊細に描かれていた。
1投稿日: 2020.04.09
powered by ブクログ夫から逃げるように向かった別荘地で過ごす瑠璃子と、同じように林の中で生活するチェンバロ作者の新田氏、薫さん、そして宿のおばさんたちとの関わりが描かれた作品。 新田氏への恋心を持て余す瑠璃子の気持ちに共感したのと同時に、非日常の世界の優しさが身に染みた。 いつかはそこから離れなくてはならないとわかっていても、ずっと安住していたくなるような安心感があった。
1投稿日: 2020.02.20
powered by ブクログこの物語は果たしてハッピーエンドなのだろうか。自分にはとてもそうは思えなかった。 瑠璃子は夫の不倫と暴力から逃げるようにして、林の中のペンションにやってきた。そこで新田というチェンバロ製作者と出会う。 瑠璃子はまもなく新田に恋に落ちる。新田と初めて肉体を重ねるシーンは非常に印象的。 時間が恐ろしくゆっくりと流れるシーンだった。その瞬間の音、色、光は細やかに描写され、感覚が精緻化されてしまう。スローモーションになった場面は1枚の絵になって強烈に記憶に残った。 そして新田もまた傷を負った人間だった。子ども時代からピアノの英才教育を受け、抑圧されながら育った。そしてある日、人前で一切楽器が弾けなくなる。 だけど、薫という女性の前では不思議とチェンバロを弾けてしまう。 それを遠巻きに見ていた瑠璃子。演奏していたのは「やさしい訴え」。新田と薫の強固な精神的な結びつきを見せつけられ、打ちひしがれる。とても表層的な、肉体的な関係で満足していた自分が惨めになる。 そのあたりから夢中になって読んだ。ただ美しいだけの小説ではなさそうだと分かってくる。 (長くなってしまうので、続きは書評ブログでどうぞ) https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E6%9C%AA%E7%86%9F%E3%81%A7%E6%AE%8B%E9%85%B7%E3%81%AA%E4%BA%BA%E3%80%85_%E3%82%84%E3%81%95%E3%81%97%E3%81%84%E8%A8%B4%E3%81%88_%E5%B0%8F%E5%B7%9D%E6%B4%8B%E5%AD%90
5投稿日: 2019.11.03
powered by ブクログ静かな別荘地でチェンバロ作家と離婚寸前で別荘に家でしてきた女性の静かな交流を描く、あまり起伏もオチもないストーリーだけど、この作者らしい、静かな心落ち着く雰囲気がある。
1投稿日: 2019.07.10
powered by ブクログ物語はたまに、 驚くほど適切なタイミングで わたしの前に現れる。 どこまでも美しく眼に浮かぶ情景と 慎ましやかで少し冷たく泣きたくなるようなチェンバロの音と ひとつの恋の、避けようのない終わり
1投稿日: 2019.05.17
powered by ブクログこんなにも徹頭徹尾「苦手かもこの人」と思う主人公がかつていたかしら。 という感想を主人公の女性・瑠璃子にもった。 とにかく視野が狭くて、自分のことしか考えていないのだ。 好きな人とセックスに持ち込むことをねらい、持ち込めたら それを恋敵にチラつかせてマウンティングする。 形成が不利になってきたら飼い犬を殺すと脅す。 結構な感じにリアルにいやな女性なのである。 小川洋子さんの文章力、すごい。 ぐいぐい読んでしまった。 きれいに振られるところが素敵な小説だと思った。 人を書くって、きっとこういうことなんだろうなあ
1投稿日: 2019.04.09
powered by ブクログ小川洋子さんにしては珍しい文庫本一冊分の長編。短編のように不思議不思議した世界ではなく、普通の現実の中の話しなのに、どっか異世界感があるのは文体の為せる技だろうか?
1投稿日: 2019.02.23
powered by ブクログ2019.2.8 10 13/50『やさしい訴え』小川洋子 ――静かに感情の波に飲み込まれたいあなたへ 眠れない夜には小川洋子。小説独特の「艶」というものを知る、静謐で美しい恋愛小説。 京大院生が人生狂っちゃう本50冊のうちの1冊。 とてもよかった。 チェンバロという繊細なものを丁寧に丁寧作っていくような作品と感じた。愛と寂しさと人生と。瑠璃子の寂しさを強く感じた。グラスホッパーの奥さんとプールに行ったときに、胸でわんわん泣くシーンの切なさ。眉間に皺を寄せながら、人生って複雑で繊細で、辛いなぁ、そんな中でのおんがくだなぁと思いながら読んだ。東京に大寒波が到来して、めちゃめちゃ寒くなる前日に読了。
0投稿日: 2019.02.09
powered by ブクログこの静かで残酷な世界に浸りました。 新田さんと薫さんの完璧に閉じられた世界に入り込んだ瑠璃子さんの、感情をふたりにぶつける様は痛々しいものがありましたが、彼女を嫌いになれるはずがありませんでした。 皆、心に抱いた傷をこの森で癒していて、瑠璃子さんがただ少し早く癒されただけだと思いました。 新田さんと薫さんの日々が、これからもずっと永遠に続いていきそうだなとわたしも感じました。 お話の筋とは離れていると思いますが、カリグラフィーの先生の言葉が心に響きました。「それ、謙遜のつもり?自分の能力を低く見積もっておいた方が、あとで楽ですもんね。」「できないと思ったらできないの。できると思ったら何とかなるの。そう考えると世の中なんて単純よ。」 「やさしい訴え」を聴いてみましたが、綺麗な曲でした。チェンバロの音色は密やかで好きでした。
4投稿日: 2018.02.15
powered by ブクログ眼科・チェンバロ・カリグラフィー。 小川さんらしさを感じる言葉選びを通して、 静謐でどこかしら奇妙な、三人の人間関係が描かれる。
1投稿日: 2017.05.17
powered by ブクログ深み、静謐を描ききった、チェンバロと三人を主軸に廻る物語。小川洋子の傑作。演奏家の方の解説で、チェンバロという楽器の持ち味を知る。 全ては失われたのに、永遠が見つけられた。奇跡としか言いようのない読書体験。
1投稿日: 2017.01.17
powered by ブクログ林の中にある別荘に夫の元から逃げてきた瑠璃子は、チェンバロ製作者の新田とその弟子である薫と知り合い、それぞれ心に傷を負った三人で、不思議な三角関係が形成されていく。 濃い緑の匂いや、少し哀愁を帯びたチェンバロの音が感じ取れるような美しい文章の中に、時折混ざる嫉妬の表現がなんとも不安をかきたて、読んでいると癒されるのと同時に、胸がざわついた。 読み終えた後、胸に突き刺さるよな強烈な印象ではないものの、ちょっと悲しくて切なくてほろ苦い……そんな余韻に包まれました。
0投稿日: 2016.05.24
powered by ブクログ心の中の出来事なのかなあ、と思われる物語でした。 皆それぞれに、林の中にとどまり 自分自身を癒していく。 言葉にならない思いを抱えながら、静かに 生きてゆく。
0投稿日: 2015.12.03
powered by ブクログたまたまそばにいた普通の男性がよく見えちゃったのかな。なんだか心に壁があるような主人公。薫さんと新田氏の深い関係には及びもしなかった。お姉さんがいたのか・・・。お姉さんになんの相談もしないような関係なのかな。
0投稿日: 2015.10.08
powered by ブクログ林の中にいるようで涼しくなれる物語。 静かな気持ちになれる。 ただ主人公が女くさくて、イマイチ好きになれないかも。ただ引き際は潔い。
0投稿日: 2015.08.13
powered by ブクログ夫から逃げ、森の奥の別荘に隠れ住むカリグラファー業の女性。偶然出会ったチェンバロ作りの男性とその女弟子。三人の不思議な関係と挫折を描く愛の物語。 早速、YOUTUBEで♪やさしい訴えを聴きました。この物語のイメージどおり、哀しく切なく、でも優しい音色でした。舞台でもある森の美しさが、人の悪魔的本性を引き出してしまうのも、このメロディに合っていました。
0投稿日: 2015.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
林の中の別荘と湖を舞台に、チェンバロ職人とその女弟子、犬、主人公のカリグラファーが織り成す美しいけれども残酷な物語。おとぎ話の世界に入れなかった<わたし>、これからどうやって生きていくのだろう。<霊媒師>とまではいかないまでも、自分の力で幸せをつかんでいるといいな。
0投稿日: 2014.07.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夫から逃げて別荘に来るカリグラフィー書者。近所の森にすむチェンバロ職人と助手の男女。3人の関係 小川知子のストーリーの進み方が独特。
0投稿日: 2014.04.24
powered by ブクログ楽器職人とか調律師にあこがれがあるのでそのモチーフの面白さで読み進めた記憶がある。 音楽を介した繋がりと身体を介した繋がり。どちらも言葉を使わない。 「音楽」が、第三者の踏み込めない関係や空間を作るけど、音楽自体は、人対人だとお互いに遠慮して距離を取ってしまうところを埋められる。 踏み込めないはずのところに入っていけるものとしての音楽が印象的。 逆に言えば音楽を感じることができない人を阻害する部分をうまく書いていた。別の背景を持った人が二人の間に入ってきて、そのときはじめて二人が「同じものを持った人だ」と気づくところが切なく毒もあって良い。 14.3.2補足 12.4.29借りた/12.4.30~5.10…11日に、紙の日記に感想を書いてみた。自分の物語を彫ること。
2投稿日: 2014.03.03
powered by ブクログ安全な箱庭をのぞくような生活。住人になれない部外者としてはじき出された主人公が、そのあとどうやって折り合いをつけながら生きたのか、興味がある。
0投稿日: 2014.02.11
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愛人がいる上にたびたび暴力をふるってくる夫に愛想を尽かし、東北の山中にある別荘へやってきた主人公。 幼少時から親しんだ別荘で暮らすうちに、近くの作業場でチェンバロを作る男とその弟子と親しくなる。 主人公の瑠璃子はふたりと穏やかな日々を過ごしていたが、だんだんチェンバロ職人の新田に惹かれていく。そしてチェンバロ作りを介して自分より新田と親しい位置にいる弟子の薫に嫉妬心を抱くようになる。 三人が過ごしたいくつかの季節を描いた恋愛小説。 瑠璃子は小川さんの主人公としてはとても女性的というかねっとりヒロイン気質で珍しさがあった。 ただ彼女に感情移入できないとイライラしてしまうかも。 エピソードは激しい物もあるものの、文体のせいか流れる空気はとても穏やかな印象である。 瑠璃子はカリグラファーで新田はチェンバロを作るが、作業を淡々と丁寧に描いていくところが好きだ。 そしてふんだんに出てくる料理の描写が、物語に人間味を与えている気がする。 ==ねたばれ== この家出により瑠璃子の生活は破綻し、最終的に彼女はひとりになる。 新田と薫は変わらずチェンバロを作っている。 主人公の日常に異分子が入り、それが引き起こす変化を描くパターンが物語の基本だけれど、 終わってみるとこの世界で変化の主体となったのは瑠璃子だった。 瑠璃子自身は大きな変化にみまわれ、彼女の動きにより周囲も撹乱させられたが、結局何もかも変わってしまったのは彼女だけかもしれないと思うと、虚しさを感じて妙に切ない読後感。 http://www.horizon-t.net/?p=899
0投稿日: 2014.01.06
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・「でも、どんな重大な出来事でも、紙に書くと一行か二行で終わっちゃうんですよ。『目が見えなくなった』とか、『無一文になった』とか、アルファベット十個か二十個で用が足りるんです。だから自叙伝の仕事をしていると、気が楽になることがあります。世の中何でも大げさに考えすぎない方がいいなあ、って」 ・「 人前で、弾けなくなったんです」 ♪『予言者エレミヤの哀歌』 ・「私には祈らなければならない人がいるんです」 ・待っていますと言ったのに、新田氏はわたしと入れ違いに、福島へ行ってしまった。 ・「チェンバロが鳴っている間、僕はいくら無言でいても相手を傷つけることはない。うんざりさせるような余計な一言を、もらしてしまう心配もない。誰でも僕のチェンバロの前では、信頼に満ちた眼差しと、思いやりのこもった指先を向けてくれる。つまり、そういうことなんです」 ♪『やさしい訴え』 ・「でも時々、その形が見えなくなる。輪郭がぼやけて、手がかりが消えて、不安に陥る。迷いを持たない形のはずなのに、どうやってもそれをなぞれない。どこかがはみ出していたり、かすれていたり、うまくなじんでくれなかったりするんです。薄暗い防空壕の中で僕が探していたのも、そんな絶対的な形のロボットだったんだろうなあ」 ・「眼鏡を直さなくちゃ」 薫さんがつぶやいた。 「壊れちゃったんです」 ・「もうこれ以上、失いたくないんです」 わたしの胸に、薫さんは顔を埋めた。身動きできなかった。彼女を受け止める以外、ほかにしようがなかった。 ♪チャイコフスキー『懐かしい土地の思い出』 ・
0投稿日: 2013.11.13
powered by ブクログ瑠璃子、薫、新田―それぞれ過去の深い傷を抱えた3人の物語が、幾分か非日常的な空間に展開してゆく。物語の舞台は、おそらく八幡平あたりの別荘地。しかも、新田と薫とは、この人里離れた地でチェンバロ製作という、なんとも優雅な仕事に従事している。そこに瑠璃子がやって来るのだが、この地は、3人のそれぞれにとってアジールだったのだろう。そこでの静かな暮らしと、瑠璃子の熱い情念の物語。そして、瑠璃子の情念は静かなチエンバロの透明な音に収斂してゆく。ラモーの「やさしい訴え」、そして「預言者エレミアの哀歌」が美しく響く。
0投稿日: 2013.09.27
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不倫をしている夫から逃れるため、山荘の別荘へとやってきた瑠璃子。 そこで、チェンバロ製作者である新田氏、彼の助手である薫さんと知り合い、仲良くなっていく3人。 瑠璃子は新田氏と特別な関係になるものの、やはり最後は薫さんの存在に負けてしまうというちょっと切ないようなストーリー。 なんとなく、異世界に紛れ込んでしまったような印象を受ける別荘での出会いと出来事。
0投稿日: 2013.06.14
powered by ブクログ2013/04/16 小川洋子の描く世界観はとても好きなのだけど、この作品は瑠璃子と新田氏にあまり感情移入できなかった。 自分勝手な主張を言いがちな瑠璃子と、大事な人がいるのに流されて結局やっちゃう新田氏。笑
0投稿日: 2013.04.16
powered by ブクログチェンバロを巡る不思議な話。 小川さんの描かれる恋愛小説は、どんなにどろどろの愛憎劇でも不思議と透明感があっておとぎ話のように感じてしまう。 この本もいわば三角関係、不倫、DV、殺人事件、トラウマetc。。。 題材としてはややもすれば陳腐になりがちなものばかりなのに、筆者はするするとすべてをチェンバロという不思議な楽器の音色で奏であげてしまっている。 「やさしい訴え」や、「懐かしい土地の思い出」等の名曲を知る良いきっかけを与えてくれたことにも感謝。 それにしても、筆者の多岐にわたる専門知識の深さには驚かされるばかり。
0投稿日: 2013.04.04
powered by ブクログ不倫?三角関係? 小川洋子の作品は、もっと少女趣味なのが好きだ。なんか、小川さんの作品のあの透明感が、今回のにはない。
0投稿日: 2013.01.21
powered by ブクログ瑠璃子 という女性の 物語。 家族で行った別荘。 そこに8年ぶりに 行く。 なんとはなしに、家出を したかったから・・・・ そこで、チェンバロ 製作者 新田氏と 恋人を失った経験を持つ 薫さん にあう。 森と湖の中で、物語は進んでいくが・・ 何という 軽い ストーリーなのだろう。 いまの人たちは こういうのが好きなのだろうか? チェンバロという楽器のもつもろさ、せつなさ、・・・ ピアノのように ハンマーで 弦をたたくのではなく 鳥の羽根で 引っかいて 音を出す。 ちょうど、そんな風な 鳥の羽根で 引っかくような 感じの物語。 人々は みなやさしく、 すべてをいわないで・・・ベールの中に包んでいく。 日本の 文化の中に しっかりと 自分を閉じ込める。
0投稿日: 2012.11.04
powered by ブクログ自分が居心地のいい居場所を見つけるのはとても大変なことなんだな、 と思いました。 ドナを抱っこしたいです。
0投稿日: 2012.10.28
powered by ブクログ離婚寸前の夫から逃れ、山あいの別荘に住み着いたわたしは、ある日、チェンバロを作る新田氏とその女弟子薫と出会う。チェンバロを作る新田氏の佇まいに惹かれていくわたしだが、同時に新田氏と薫の強い絆に気付かされ打ちのめされていく・・・。 今まで読んだ小川氏の長編の中では、結構上位にくるのではないか。とにかく切ないのだ。作品の雰囲気もいい。チェンバロを作っても、決して人前で弾くことのないはずの新田氏が、薫のために曲を奏でている・・・。それを覗き見てしまったくだりなど(ついネタばらししてしまった!でも言いたいのだ!)極みである。
0投稿日: 2012.08.17
powered by ブクログ切なかった。 瑠璃子には幸せになってほしい。 いつまでも静かに彼らはチェンバロを作り続けるのだろう
0投稿日: 2012.07.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
外に女を作った夫から逃れるために、突然一人で別荘で生活することにする主人公。 近所のチェンバロ製作をする男性とその助手として働く女性と知り合う。 微妙な三角関係を続け最後は…、というよくある感じのストーリー。 小生が何故ミステリー好きかというと結論がはっきりするからで、本著のようなだからなんなのと読後に思うのはあまり好きではない。 著者の「博士の愛した数式」は結構面白かったから少し期待したのだが、作者で本を選ぶ身としては読んでみないと解らないから、こういう危険負担はしょうがない。 ところでこの別荘の場所は「早々に寒くなる」「ペンションがある」「新幹線で3時間ほど」「近くに温泉がある」などとなっているので、軽井沢や清里などではないけど、どこなのか気になった。
0投稿日: 2012.03.30
powered by ブクログ愛欲も叶わぬ、深い絆を築く新田と薫。そこに嫉妬する瑠璃子。別荘とチェンバロの周りでうごめくささやかな出来事や人間関係をシンプルで美しく描き出している。
0投稿日: 2012.03.15
powered by ブクログ山間の別荘という非日常の中で起こる物語。 したたかな主人公を取り囲むチェンバロづくりの二人は優しく彼女を受け入れる。たとえ関係を持とうとも崩れない二人の関係。
0投稿日: 2012.02.14
powered by ブクログ小川洋子の作中の主人公は、常に観察者である。主人公は、新田氏の人生に結局小さな跡形しか残せず、ただただ新田氏や薫さんの観察者として存在する。その無力感が最大の魅力なのかもしれない。やや掴みにくい作品。
0投稿日: 2012.02.07
powered by ブクログ静かな話だった. 綺麗すぎてちょっと苦手. でも,もっと歳をとったらわかるようになるのかもしれない..
0投稿日: 2011.12.19
powered by ブクログ「誰にも愛されないよりはまだ誰かに捨てられたほうがましだ」を体現する作品ですね。 私も、昔は苦悩は少なければ少ないほどいいと思っていましたが、最近はそうは思わなくなりました。
0投稿日: 2011.11.05
powered by ブクログ主人公の女の人にほとんど共感できなかった。 夫に捨てられ、仲良くしている男女の間に無理やり割り込み、個人的な感傷に浸っている女の人にしか見られなかった。 チェンバロを作っている男の人と女の人と犬の雰囲気が、すごくいいと思った。
0投稿日: 2011.10.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夫から逃れ、山あいの別荘に隠れ住む「わたし」が出会った二人。チェンバロ作りの男とその女弟子。深い森に『やさしい訴え』のひそやかな音色が流れる。挫折したピアニスト、酷いかたちで恋人を奪われた女、不実な夫に苦しむ人妻、三者の不思議な関係が織りなす、かぎりなくやさしく、ときに残酷な愛の物語。 泣くことだけが、自分を支えていた。 友人に、私の書く文章、小説は小川洋子に似てるといわれたことを思い出した。 小川作品って二つの系統があるように私は思う。 「まぶた」「薬指の標本」系の作品と、「博士の愛した数式」系統と。 本書をどちらかに分類するなら、間違いなく後者だろう。 だけど、どちらの系統にも含まれる「狂気」が確かに本書にも存在する。 それが随所に出てくる楽器や、音楽の話、それから彼女自身の描写に調和されたり、かもし出されたり。 愛し合うことは、認め合うこと。 ただ抱き合うだけが愛じゃないんだ。
0投稿日: 2011.10.02
powered by ブクログあまりたくさん読んではいないが小川さんにしては珍しく主人公が情熱的。ラモーの小品であるタイトルとチェンバロ製作家の話ということに弾かれて読んだ。 主人公が音楽の世界に生きていないから二人の間に入れないことだけが、叶わない恋の理由とは言い切れないだろうけど、苦しい。しかし、「切ない」とは思わないのは、主人公がびっくりするほど気持ちに正直だからだろう。こんなちょっと(かなり?)過激な主人公を受け入れる二人もやはり普通の世界では生きられない病的な人たちというのはやっぱり切ないのかも。 ストーリーそのものより、カリグラファーやチェンバロ作りの仕事ぶりに興味を持ってしまった。本当に入れ込んで惚れ込んで仕事をできるって、そしてフリーで生計を立てる強さって憧れるな。
0投稿日: 2011.08.20
powered by ブクログチェンバロを斧で打ち壊すシーン、この激しい場面を全く音のない風景として見詰める主人公の姿が印象的。 林に満ちた空気・匂い・音に包まれた、あくまでも静けさが支配する物語。
0投稿日: 2011.07.06
powered by ブクログ冷たい夫から逃れ別荘に隠れ住むことにした「わたし」と、そこで出会ったチェンバロ作りの男とその女弟子。深い森の奥で、3人の時間が静かに流れていく。 「やさしい訴え」というタイトルに惹かれて購入しました。 小川洋子さんらしい、深くてどこか哀しく、そして美しい物語だったと思います。 チェンバロの音色に全て包まれているような、激しさも優しさも深い水の中のできごとのような印象を受けました。 チェンバロ、一度演奏を聞いてみたいものです。
0投稿日: 2011.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
図書館から借りました 現代。大人の恋愛小説。 暴力夫(愛人までいる)を捨てて、幼い頃からなじんでいた山奥の別荘に逃げてきた「瑠璃子(彼女の一人称な物語)」。 近くにはチェンバロ(ピアノみたいな楽器)を作る男「新田」とその助手の若い女「薫」がいた(あと、老犬も)。 しずかな暮らしの中で瑠璃子は二人と交流する。 やがて、新田と深い仲になるが、肉体関係を超えた深いところにいる新田と薫に、焦燥し、嫉妬する。 夫の愛人が尋ねてきたり、離婚の手続きをしたり、夫から愛人が今妊娠中と聞かされたり(瑠璃子は不妊治療に奔走したが、結局子供を作れなかったのだ)、恩師から通信教育をやるから手伝ってと言われたり、なかなか波瀾万丈。 愛人はなかなかいいヒトっぽかったが、だから瑠璃子はいってやればよかったのに。 「妻に無意味に暴力をふるうこと」「酒を過ごすと、特に酷くなること」を。 その二人は幸せになることはないだろうと思わせる。 女に手を挙げるクズは、どんな女でも妻にしたら殴るのですよ。 今度は子供がいるというから、無夜はなんかもやもやした。 けっきょく瑠璃子は二組のカップルから押し出されてしまうけれど。 彼女は仕事をするのだ。自立して生きていく。 題名は、曲の名前。瑠璃子が好んで、薫たちにリクエストした曲。 静謐だけれど、おとなしい狂気が底を流れている気がする物語。
0投稿日: 2011.05.30
powered by ブクログ夫から逃げる為に別荘へ行き そこでチェンバロ職人の男と弟子の女と出会う。 それぞれ傷を抱えて生きる三人は優しくも哀しく絡まりあう。
0投稿日: 2011.01.21
powered by ブクログ読んでいると、胸が苦しくなる。瑠璃子がときどき薫への嫉妬に取りつかれて狂う場面が哀しい。ラストには心が洗われるような救いがある。
0投稿日: 2010.07.31
powered by ブクログ嫉妬とか後悔とか どうしようもないけど それが自然の中で起こってるから、静かでわりかし綺麗にみえる。 わたしはすきだ。 職人系
0投稿日: 2010.03.15
powered by ブクログまた小川さん 今回もやっぱり男の人は静かな感じで 職業もやっぱり不思議 チェンバロ職人 主人公の瑠璃子の気持ちとか切なかったな そしてグラスホッパーって言うペンションの奥さんが 小川さんの『薬指の標本』にはいっている「六角形の小部屋」?の人に似てる気がした。 てゆか、この作品自体が、「薬指の標本」と「六角形の小部屋」を足して二で割った感じだった。 どっちかというと後者だけど
0投稿日: 2010.03.10
powered by ブクログ綺麗な音楽が聞こえてきそうな小説。 どうでもいいが、これほどまずい解説は初めて読んだぞってくらい、巻末解説がメタメタでした。 小説がいい分がっかり感がひどいです。
0投稿日: 2009.10.27
powered by ブクログいや、彼らは決していさかいなどしない。二人が胸に抱えている沼はとても深いのだ。底から湧きあがってくるあいだに言葉は意味を失い、ただ美しい響きだけが残る。 204頁 どこにも居場所がないのにどうして生きていけるの? でも実は小川洋子の小説の中でこれが一番好きかもしれない
0投稿日: 2009.10.11
powered by ブクログ読み終わってから、表紙の意味?エロテックさ?に「おお!!」とうなずき。 今までの中でオチは結構よかったけど…ただ、どうしても主人公がなぜ、ああ言う風に肉体関係を結ぶのかが…ちょっと消化できなかったなぁ(特に男性側の視点から考えると)。 再読して考えてみます。
0投稿日: 2009.08.15
powered by ブクログ哀しい話…だと思う。 なんだか淡々としていて、誰も直接的には傷つけ合わなくて、でも傷ついていて、でも言わなくて。 まあ、登場人物の各々が受け入れてるならいいのかな、と思うけど。
0投稿日: 2009.04.12
powered by ブクログ山奥にやってきた主人公が、近くに住むピアノを作る職人とその弟子に出逢う物語。 ピアニストだった職人はトラウマを抱え、ピアノを演奏出来ないでいるが、 弟子である女性の前だと弾いている所を目撃した主人公は嫉妬のあまり行動に移してしまう。
0投稿日: 2009.02.19
powered by ブクログとてもいいです。音楽と自然に囲まれた生活。村上春樹の海辺のカフカを思い出します。とても深い世界観があって、気持ちよく浸れるとても好きなタイプの小説です。 ただ、残念なのはこの方の書く恋愛はちょっと痛々しいような…
0投稿日: 2008.10.19
powered by ブクログうーん! なんか一言で言うと、女版村上春樹! ぐでぐでな展開によく分からない男女関係の持ち方、そしてラストの中途半端さ… それでも最後まで読めたのは私が女だからかなぁ… 男性はきっとこういう話が好きじゃなさそう。 逆にこの主人公がもし男だったら、きっと物凄い苦手な話だったんだろうなーと思います。
0投稿日: 2008.07.04
powered by ブクログここにも私がいた。 肉体関係よりも濃密な 共有への嫉妬。 小説は時に 現実よりも鋭く 真実を指し示す。
0投稿日: 2008.01.11
powered by ブクログ小川洋子さん。 独特な話と文体ですよね。 今回はチェンバロのお話。 もう独特なワールドですよ。 今回はそれに自分がぴたっとはまれたのでなかなか良かった♪
0投稿日: 2007.05.30
powered by ブクログ『貴婦人・・・』 ほど突飛ではないですが、やはりちょっと変わった設定。そしてときに時間が止まっているみたいだったり、音が消えてしまったみたいだったりする、独特の語り口です。 長年愛人と自宅と二重生活をしている眼科医の夫の暴力とやりきれない自分の気持ちから逃れて林の中の別荘にやってきた瑠璃子と、やはり林の中でひっそりと暮らしている新田氏と薫と犬のドナ。瑠璃子は家庭問題を抱え、新田氏は心の問題で挫折し離婚したピアニスト(転じてチェンバロを作る職人)、薫は結婚直前に婚約者を別の女性に刺し殺された牧師の娘(新田氏の弟子としてチェンバロを作っている)、という、傷ついた者たちが互いに恐る恐るという感じで相手によりかかり、危ういバランスで支えあいます。それだけだと悲しくつらい物語になりそうなのですが、老犬ドナと、瑠璃子の別荘の管理人のペンションの奥さんの存在が、全体を明るく救うような感じになっています。とても切ない気持ちになる話ですが、読後感はすっきりでした。 新田氏と薫は目に見えず形も無い音楽を奏でる楽器の職人で、一方の瑠璃子は文字という目に見え形に残るカリグラフィーの職人なので、ひとつのことに打ち込むという共通点がありながら決定的な違いもあり、面白いなと思いました。
0投稿日: 2007.03.07
powered by ブクログチェンバロってどんな音がするんだろう? 「やさしい訴え」ってどんな曲だろう? 読みながらそれが気になって仕方ありませんでした。知っていればもっともっとこの世界を楽しめたかもしれません。自分の学のなさにため息がでました。
0投稿日: 2006.12.25
powered by ブクログ夫が浮気相手のところに出かけたとき、妻は一人別荘に行く。そこにはチェンバロを作る男とその弟子が仲むつまじそうにしている。そこに割って入っていきたくなって無理を言ったりするが、その間を裂くことができずにかえって自らを追い込んでいく。 前回読んだ小川さんの「刺繍する少女」はおどろおどろしい内容だったので、今回もそうなのかとどきどきしながら読みました。途中、「わたしは何度もフォークをトマトに突き刺したりした。トマトの形がだんだんに崩れてゆくさまを観察した。さいごにそれは血まみれになった肉片のようになった」とあったので、やっぱりこの話の最後は、チェンバロつくりの新田さんを刺すのかと変な期待をしてしまいました。それはともかく、小川さんの描く主人公の女性は「博士の愛した数式」のときもそうでしたが無口な人が多いようで。 2006.5.30読了
0投稿日: 2006.05.31
powered by ブクログある出会いから始る三角関係。時にかぎりないやさしさを持ち、時におさえようのない残酷さを放ち交差していく三人。恋愛の負の苦しさに引きづりこまれた。やさしさと醜さは常に共存している。
0投稿日: 2006.03.09
powered by ブクログレビューはブログにて。 http://tempo.seesaa.net/article/13613625.html
0投稿日: 2006.02.22
powered by ブクログ心地よい静寂感が好き。 この作者の本を読むといつでもわたしは身体の芯まで透き通ってしまうような気持ちになります。もちろん大好きな一品。
0投稿日: 2006.02.10
powered by ブクログ愛人のいる夫との生活から逃れ森の別荘で過ごす主人公。そこで出会ったチェンバロ創作者に恋をするがその男性の傍らには過去を持つ女性助手の存在が。 面白かったけれどこの本の主人公には共感できず、好きになれない。
0投稿日: 2004.12.25
