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八月の舟
八月の舟
樋口有介/文藝春秋
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総合評価

14件)
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    高校にまともに通っていない研一と田中。バイクを乗り回し、酒を飲み、タバコを吸う。前橋のタイヤ屋の後継ぎの田中には、父の会社の事務をやっている姉の他、一筋縄ではいかない姉が2人。ある日、高校の校長と結婚しているたなかの姉と田中と研一は、田中の会社のライトバンで赤城山へキャンプを冷やかしに行った。大量のビールを持ってキャンプから帰ろうとするも…。 樋口有介の初期作なのか、わざとひねくれて純文学的にしたかった作品なのかわからないのだが、ページは進むも引っかかるものがない状態が続く作品だ。 研一の母親も人生がままならない感じであるが、戦時中に女学校に行っていたというところから、舞台は1970~80年代なのだろう。可と行って、そういう風俗があるわけでもない。風俗っぽいものは、ビートルズとシャンソン、それに詩人くらい。そのへんがもうちょっと具体的だったら、その時代を感じて具体性を読み取れたのかもしれない。 全体に、会話中心で進むのだが、その会話がとにかく噛み合わない。「そういうことをするの?」「たまには趣味で」と言った具合で、1980年代のおしゃれだが投げやりな雰囲気なのだろうが、全く本心が掴めない。 後半になって、やたらと死を意識させてくるが。そう何件も必要な話だったのだろうか。 若いときに読んでいたら、この作家はもう嫌だと悪い刷り込みが残りそうな一冊。短いからと行っておすすめではないねえ。

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    投稿日: 2025.08.20
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    私自身が暑いのが苦手なので、この作品全体の底から湧きたち、空気全体、そして樹上、上空まで覆う何とも言えない暑さが読んでいて体にこたえました。 爽快感と対極にある話。登場人物のすべてがすべからく鬱陶しい。晶子さんが少し涼やかかな。 透明感に満ちた青春小説、とカバーにあったけれど、どうだろう。混濁している感じが強かったけれど。 まあ、一気に読み終えたからきっと面白かったのだろうと思う。それくらい、読後に面白い、という実感は生まれなかった。途中で投げ出さなかったし。 これは、20代までに読むのかなあ。

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    投稿日: 2015.11.23
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    退屈で暑くて、先が見えなくて、そんな夏。 クールで、冷めていて、諦観しているようで そうでもない男の子たちと、小悪魔な女の子たち。 この人の青春小説と言われる作品が好き。 でも、このお母さん、私の中ではもう10歳ぐらい年齢積んでるイメージだったけど、40後半で驚き。

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    投稿日: 2015.05.31
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    1990年の作品。 1960年代を舞台とした青春小説。 高校生の恋愛、同級生の死など、ミステリ要素は全くなく、よくある設定にもかかわらず、面白いはなぜだろうかと思う。 高校生たちの当たり前のような飲酒、喫煙は時代的なものだろうか。

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    投稿日: 2014.05.09
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    ただそこに現実がある。 それを淡々とこなしていく。 感情表現を一切しないということがいつの間にか感情表現になっているから不思議です。

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    投稿日: 2014.02.11
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    可もなく不可もなく。 どっちかといえば不可の方で。 本自体も薄いですし、あんまり書くこともないんですけど、 深みという点で村上春樹に届かず、新鮮さという点で本多孝好にもなれず、かといってティーンズ小説にも成り下がれなかった半端な作品だと感じました。 その温い雰囲気を出したかったんだといわれればそれまでですが。 名作となりうる青春小説というのは、本物の若者、もしくは熟成された大人のどちらかでないとかけないのかもしれません。 2009年03月29日 17:12

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    投稿日: 2011.11.14
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    ハルキ文庫版も持っているのに買ってしまいました。けだるい夏休みの青春小説です。樋口節は好きなんだけど、この本にはいまいち感情移入が出来ませんでした。ヒロインも魅力が生かされていないと思います。

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    投稿日: 2011.11.03
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    北関東の盆地の蒸し暑さが行間からにじみ出て来るような作品。未成年者の飲酒、喫煙に寛容なのは半世紀前の時代設定の為だろうか。のどかな感じがする。プールに花火と夏の風物詩がすこしもさわやかでないのは見事だった。そんな描写は一つもないのに読後に五間道路に立つ陽炎だけがイメージに浮かぶ。けだるさと悲しい別れが物語の印象を強くする。

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    投稿日: 2011.08.17
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    樋口有介は、こういう純文学系の作品のほうが絶対合っている。唐突なクライマックスは全然好きになれないが、なんとなく文章を読んでいるだけで幸せ。

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    投稿日: 2011.04.14
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    けだるくて退屈な夏休みのある日、高校生の僕は、友人の紹介で風変わりな少女・アキ子と出会い、そして彼女に惹かれていった―未来への不安、焦燥感、同級生の死、切ない恋心。誰もが通り過ぎて来た、青春のやるせない日々の一ページを鮮やかに描いた、青春小説の最高傑作。

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    投稿日: 2011.03.03
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     高校生の主人公は、友人の紹介で風変わりな少女アキ子と知り合いになる。  夏は、暑く、けだるい。  次に「シリウスの道」(藤原伊織)がひかえているせいで、なんか比較して読んでしまった。  つまり、「ダックスフントのワープ」という純文学でデビューしながら、結局推理小説家になった藤原伊織と、推理小説家として「ぼくと、ぼくらの夏」でデビューした樋口有介が、推理小説ではない純文学(?)を書いてる。  もっとも、この「八月の舟」はなんとなく「ダックスフントのワープ」を思わせるところがあるのだ。つまり、無気力に生きているような主人公と、それを振り回す女達、そして思いがけない死。  でも、「ダックスフントのワープ」のような切なさや、昇華もない。  あるのは、夏のけだるさだけだ。  うむ、結局だらしない学生と言うのが嫌いなんだよね私。    樋口有介、オヤジ描かせると上手いのになぁ。やれやれ。

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    投稿日: 2010.04.24
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     樋口有介の著書は琴線に合う(だから「あんた、変わっている」)なかで、この作品は気持ちのよさ、という点では順位が落ちる(人が死んだり怪我したりが多い)が、主人公研一の母が遺した「遺書」の一節が妙に心に残った。「発作が起きてから気を失うまでの間、どれくらいの時間があったのか知りませんが、多くて一秒から二秒か、そんな処だろうと思います。そしてそれが本当に一秒か二秒であったとすれば、自分が、自分の人生に於いて一番知りたいと思っていた事の回答を出すのに、人間とはほんの一秒か二秒の時間しか必要としない生き物だということです。自分が生きてきた人生は最善であったのか、自分という人間がこれ以上生きる必要が有るのか。ねえ、研一、そんな事はまったく馬鹿馬鹿しくなるくらい簡単に分ってしまう事なのです。人生に於いて最大の問題が、なんと一秒か二秒です。随分簡単な話だとは思いませんか?」

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    投稿日: 2009.11.07
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    まずまずです。 やはり晶子と言う少女が魅力的ですね。蓮っ葉なようで、我儘なようで、でも別の面も持っていて、そうした二面性が魅力のようです。その他の登場人物もそれぞれ一癖あって、その辺りの造形は良いと思います。むしろ主人公が隠れてしまうくらい。 最後の急展開はどう受け取られるか。収まったとも見えるし、逆にここに落としちゃうのという感じもするし。でも私は好きでしたね。逆にこれが無かったら、単なるけだるいだけの小説になってしまったように思います

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    投稿日: 2008.06.30
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    再々文庫化というのでしょうか?(笑)今回もおもいっきり樋口ワールドにひたりましたよ!解説にあった『樋口節』には笑いました^^;なんだか 『志水辰節』みたいですね クールとは違う、距離感のある、でも、ものすごく葛藤の感じられる・・やっぱり好きです樋口センセ!

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    投稿日: 2008.05.06